JP3029884B2 - 廃熱回収装置 - Google Patents

廃熱回収装置

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JP3029884B2 JP11853091A JP11853091A JP3029884B2 JP 3029884 B2 JP3029884 B2 JP 3029884B2 JP 11853091 A JP11853091 A JP 11853091A JP 11853091 A JP11853091 A JP 11853091A JP 3029884 B2 JP3029884 B2 JP 3029884B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスタービンエンジ
ン、ディーゼル・エンジン、ガス・エンジン等、原動機
の排気から熱回収する装置や、化学プロセスの廃熱を回
収する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図20はガスタービン排気の廃熱を回収
して蒸気タービンを駆動する従来の複合発電設備の一例
を示す系統図である。
【0003】この例では、まず大気からの吸気を圧縮機
(C)で圧縮し、その圧縮空気はガスタービン燃焼器
(CC)で燃料(f)により昇温し、所定のタービン入
口温度でガスタービン(GT)を作動させる。ガスター
ビン(GT)の発生動力は上記圧縮機(C)の負荷をま
かなったあと、残りを発電機(GEN1)で電力に転換
し発電する。ガスタービン(GT)の排気(a)は50
0〜600℃と高温のため、廃熱回収ボイラ(HRS
G)で熱回収し、100〜200℃で煙突(STCK)
から大気中に排出される。廃熱回収ボイラ(HRSG)
において、(LP−ECO)は低圧節炭器、(LP−E
VA)は低圧蒸発器、(HP−ECO)は高圧節炭器、
(HP−EVA)は高圧蒸発器、(SH)は過熱器をそ
れぞれ示す。すなわち本例の廃熱回収ボイラ(HRS
G)は、高圧蒸気(HP−S)と低圧蒸気(LP−S)
の複圧方式である。この蒸気は蒸気タービン(ST)で
膨張してこれを回転駆動し、さらに発電機(GEN2)
を廻して発電する。タービン排気(蒸気)は復水器(C
OND)で海水等の循環水で冷却され復水となる。この
復水を廃熱回収ボイラ(HRSG)のボイラ給水として
再循環使用するために、給水ポンプ(P)によって移送
する。
【0004】複合発電には上記例のようなガスタービン
・蒸気タービン別置タイプのほか、ガスタービン・蒸気
タービン同軸タイプがある。図21は、ガスタービン・
蒸気タービン同軸タイプの従来例を示す系統図であっ
て、この例ではまた、メタノール燃料処理装置も複合さ
れている。
【0005】この例では、蒸気タービン(ST)を駆動
する蒸気系とメタノール燃料処理装置へ熱を供給する水
−水蒸気系との両方の伝熱管を同一廃熱回収ボイラ(H
RSG)内に混在させることにより熱回収している。す
なわち、メタノール燃料処理装置の予熱器(PRE−H
TR)、蒸発器(EVA)、反応器(REA)、および
過熱器(MeSH)の加熱媒体として、廃熱回収ボイラ
(HRSG)内の1次加熱器(1−HTR)からの温
水、2次加熱器(2−HTR)からの温水および高々圧
節炭器(VHP−ECO)から高々圧蒸発器(VHP−
EVA)、高々圧過熱器(VHP−SH)を経由した過
熱蒸気(復水を再び超高圧蒸発器(VHP−EVA)へ
給水)を、それぞれ採用している。液体メタノール(M
eOH)は、このようなメタノール燃料処理装置により
処理され、ガス燃料(Gf)となる。一方蒸気タービン
駆動用の蒸気系では、低圧節炭器(LP−ECO)ない
し低圧蒸発器(LP−EVA)を経由する低圧蒸気と、
更に高圧節炭器(HP−ECO)、高圧蒸発器(HP−
EVA)、高圧過熱器(1次および2次)(1−HPS
H),(2−HPSH)を経由する高圧の過熱蒸気と
が、各々蒸気タービン(ST)に供給され、蒸気タービ
ン排気(蒸気)は復水器(COND)で再び水にもど
り、給水ポンプ(P)で加圧され、ボイラ給水として循
環使用される。
【0006】なお、第21図中(C)は圧縮機、(C
C)はガスタービン燃焼器、(GT)はガスタービン、
(GEN)は発電機、(STCK)は煙突をそれぞれ示
す。
【0007】図22はメタノール燃料処理装置の他の例
を示す系統図である。この例では、予熱器(PRE−H
TR)、蒸発器(EVA)、加熱器(HTR)、反応器
(REA)、過熱器(MeSH)の5種類の専用の伝熱
部分が設けられ、それら伝熱部分にそれぞれ熱媒d1
2 ,d3 ,d4 ,d5 により熱が供給される。そして
液体メタノールは、それら伝熱部分を順次通過する間に
熱媒から必要な熱量を吸収して、ガス燃料(Gf)とな
る。
【0008】上記反応器(REA)と過熱器(MeS
H)には触媒(CATA)が内蔵されている。この触媒
(CATA)は、熱分解反応(Cracking)用、水蒸気改
質反応(Steam Reforming )用のいずれか、混合使用で
は両方等の反応仕様により種類と量をとり決める。各触
媒の存在のもとで下記,の反応が進行し、「吸熱量
の大きいのは熱分解、水素生成の多いのは水蒸気改質」
の特性を示す。
【0009】
【化1】
【0010】ここで吸熱量QC およびQR は研究者、文
献等によって多少の数値の違いがあるが、水蒸気改質は
熱分解の約70%の吸熱量といえる。(例えばQC は 3
0.6kcal/mol ,QR は 20.8 kcal/mol )熱分解の場
合、主反応では水(水蒸気)を用いないが、触媒上への
炭素析出防止の必要上、極めて微量の水分を投入するこ
とがある。(例えばH2 O/CH3OH=0.1 モル
比)熱分解と水蒸気改質では基本的に触媒が異なるが、
処理流体の上では水分が微量か等モル量かの違いととら
えることができる。
【0011】さて図22において、まず液体メタノール
を予熱器(PRE−HTR)で、蒸発温度近く、蒸発温
度より若干低目(アプローチポイント温度差分低目)ま
で加熱する。蒸発器(EVA)で生成する気体メタノー
ルは、加熱器(HTR)で反応温度(例えば200℃)
まで昇温してから反応器(REA)に導入される。反応
器(REA)に内蔵されている触媒(CATA)によっ
て前述の式あるいは式の吸熱反応が進行し、(CO
+2H2 +その他)あるいは(CO2 +3H2 +その
他)のガス燃料(Gf)に転換される(「その他」は未
反応CH3 OHや副反応生成物である。)。ガス燃料
(Gf)の保有熱量を高める場合は過熱器(MeSH)
で昇温し、顕熱分を付加する。また過熱器(MeSH)
の内部にも予備的に触媒(CATA)を充填しておくこ
とにより、反応器(REA)内の触媒(CATA)の能
力が低下したときに、更に高温の熱媒d5 のもとで反応
を継続させることも可能となる。
【0012】メタノール系への水分投入は、符号(R
w)で示される液相混入、(Rs)で示される気相混入
のいずれでも対応できるが、(加熱器/蒸発器/予熱
器)の熱交換器設計(伝熱バランス、材質、容量、操作
性、二成分系蒸発等)上、気相混入(Rs)の方が好ま
しい。熱媒d1 , 2 ,d3 ,d4 ,d5 は、処理の進
行に従って、より高温のものを採用する(d5 >d4
3 >d2 >d1 )。
【0013】上記図に示されたメタノール燃料系の処理
温度ならびにガスタービン排気系および水・蒸気系の各
部温度を図23の左下部に示す。メタノール燃料系では
5種類の熱交換部を経由する間に温度がMi→Me→M
r→Mgと変化する。蒸発器(EVA)の蒸発潜熱回収
域と反応器(REA)の反応熱の回収域では、温度がフ
ラット特性を持つ(Me,Mrで一定)と考えられる
が、後者については触媒の特性に沿った温度特性を自由
に設定しうる。
【0014】またこの図には、熱源のガスタービン排気
系および水・蒸気系の各部温度も示されている。ガスタ
ービン排気系は、廃熱回収ボイラの5つの伝熱部分で、
温度がEi→E1 →E2 →E3 →E4 →Eeと変化す
る。水・蒸気系は複圧であって、その温度変化はSi→
Sl→Se→Shとなる。低圧蒸気は温度Sl、高圧蒸
気は温度Seで生成したのち、温度Shまで過熱した状
態で蒸気タービン駆動用等のプロセスに使用される。こ
の例では、ガスタービン排気からの回収熱量の約半分
(熱分解の一例では約40%)が燃料処理に利用され、
残りは蒸気(タービン駆動等のプロセス用)として取り
出される。被加熱のMiないしMgを加熱源のSiない
しShあるいはEiないしEeと組合わせることによ
り、多くのシステムが存在する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来は、蒸気発生部分
すなわち廃熱回収ボイラ(HRSG)に、タービン駆動
用蒸気系と燃料処理用熱媒(水−水蒸気)系が混在して
いるため、次の欠点があった。 1) 蒸気発生部分の伝熱面積は、定格条件でとり決めて
製作するので、ガスタービン部分負荷で燃料処理量が少
なくなると、燃料処理熱媒系の回収熱量が低下する結
果、タービン駆動蒸気系高圧蒸発器の入口排気の温度が
比較的高くなり、伝熱面積に見合った蒸気量に若干は増
加するものの、蒸気系と熱媒系との回収熱量の配分割合
が崩れるのに対し、伝熱面積は設計点で一定値のままな
ので、排気からの熱回収効率が悪化する。 2) 廃熱回収ボイラ(HRSG)とメタノール燃料処理
系(MeOH)を循環する熱媒(水−水蒸気)は、配管
からの熱放散を伴なうので、回収熱が燃料処理に利用さ
れる率が低下する。 3) 廃熱回収ボイラ内の伝熱管配置(Tube Bank )が多
数で複雑となり、更にメタノール燃料処理装置への熱媒
配管がタービン駆動蒸気系と錯綜し、製作が煩雑とな
る。燃料処理をせず液体メタノールそのままで複合発電
する場合に比べて、廃熱回収ボイラのスペースが熱媒系
の分だけ拡張される上、メタノール燃料処理装置の設置
場所も余分に必要となり、プラント配置上のデメリット
が大きい。 4) タービン駆動用蒸気系と燃料処理用熱媒系の流量・
温度の制御は基本的には別個に行なわれるが、ガスター
ビン排気の伝熱量の配分において相互制御が必要とな
り、煩雑である。5) 熱媒を廃熱回収ボイラとメタノー
ル燃料処理装置の間で循環させるために、動力が別途必
要となり、プラントの補機動力が増加する。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来の課
題を解決するために、高温の廃熱源により水を加熱して
蒸気を発生させるとともに、同廃熱源によりメタノール
燃料の蒸発と熱分解反応または水蒸気改質反応とを含む
燃料処理を行なう装置において、上記燃料処理の少なく
とも一部を行なう熱交換器が上記水を加熱して蒸気を発
生する熱交換器のドラム又は伝熱管の内部に組込まれた
ことを特徴とする廃熱回収装置を提案するものである。
【0017】
【作用】1) 廃熱回収ボイラ内には直接燃料処理熱媒の
配管を使用しないので、配管からの熱損失が存在せず、
回収熱の利用率が高まる。また、熱媒配管の引き回しが
なくなり、廃熱回収ボイラ全体が小型化し、シンプル
なる。 2) 燃料処理伝熱管を廃熱回収ボイラにおける蒸気を発
生する熱交換器のドラム又は伝熱管の内部に組込むの
で、従来の個別配置に比べて、ガスタービン排気ダクト
配設の廃熱回収ボイラ周辺にコンパクトに配置できる。 3) 廃熱回収ボイラ側のドラム(あるいはヘダ)から廃
熱回収ボイラの伝熱管内部に達する長尺の燃料処理系伝
熱管を内挿することにより、伝熱面積を確保した上で、
その本数を少くすることができ、燃料処理系の配置をコ
ンパクトにできる。 4) タービン駆動蒸気と燃料処理熱媒の総熱量が、廃熱
回収ボイラにおいてほぼ一定で回収されるため、燃料処
理系の利用熱が増減しても、常時一定のピンチポイント
温度差(蒸発器での熱回収特性)が保たれ、廃熱回収ボ
イラとガスタービン排気との熱バランスの変化は極めて
小さい。 5) 燃料処理装置の伝熱管は廃熱回収ボイラにおける蒸
気を発生する熱交換器のドラム又は伝熱管の内部に収納
されており、周囲がより高圧の水−蒸気系であるため、
もしこの伝熱管が破損した場合でも、燃料中の水分が増
加するだけ(発熱量の低下)であって、蒸気系が燃料で
汚染される危険性は小さく、ガスタービン排気系へ燃料
が漏洩する危険性は全くない。
【0018】
【実施例】図1ないし図5は、いずれも本発明におい
て、燃料処理を行なう熱交換器が、蒸気を発生する熱交
換器の内部に、一体に組込まれる実施例を示す。(以下
燃料処理は図22のように構成の最も多い場合で説明す
るが、例えば蒸発単独として予熱器(PRE−HTR)
と蒸発器(EVA)の2構成、あるいは触媒(CAT
A)を内蔵しない過熱器(MeSH)も加えた3構成の
ように、その一部を実施してもよい。)まず図1は単段
蒸発器システムとして実施された実施例であって、高圧
蒸気の圧力は高圧給水ポンプ(P)およびその圧力調整
で実現する。高圧蒸発器(HP−EVA)のドラム(D
R)や伝熱管の内部に、メタノール燃料系の反応器(R
EA)、加熱器(HTR)、蒸発器(EVA)、予熱器
(PRE−HTR)を配置し、過熱器(SH)を出た過
熱蒸気を熱媒とする一次加熱器(HTR(1))におい
て燃料を過熱する。過熱蒸気は、一次加熱器(HTR
(1))用以外はバイパスさせて、低圧蒸気とともに蒸
気タービン(ST)に供給する。図1中HBは一次加熱
器(HTR(1))バイパスライン、SHBは過熱器
(SH)バイパスラインを示す。また符号※は必要に応
じて触媒(CATA)を内蔵することを示す(図2ない
し図5でも同様)。
【0019】次に、図2は、二段蒸発器システムとして
実施された実施例を示す。この実施例は、高圧蒸発器
(HP−EVA)のドラムや伝熱管の内部にメタノール
燃料系の反応器(REA)、加熱器(HTR)を、また
低温蒸発器(LP−EVA)のドラムや伝熱管の内部に
はメタノール燃料系の蒸発器(EVA)、予熱器(PR
E−HTR)を、それぞれ配置するもので、その他は前
記図1図示の実施例と同じである。
【0020】次に図3は、二段蒸発器・再熱システムと
して実施された実施例を示す。この実施例では、前記図
2の実施例における廃熱回収ボイラの過熱器(SH)を
2分し、加熱器(HTR(1))で熱媒として用いた過
熱蒸気は減温しているため、第2の過熱器(SH2)で
再熱してから低圧蒸気とともに蒸気タービン(ST)に
供給する。
【0021】図4は、二段蒸発器・再生/加熱システム
として実施された実施例を示す。この実施例は、前記図
3の実施例に対して高圧節炭器(HP−ECO)の高圧
給水をメタノール燃料系の蒸発器(EVA)の熱媒とし
て用いるもので、第2の加熱器(HTR(2))を併設
している。この場合、第2の加熱器(HTR(2))で
減温した給水を再び昇温するために、第2の高圧節炭器
(HP−ECO2)を使用する。この場合のガスタービ
ン排気系、水−蒸気系、メタノール燃料系の熱回収・熱
利用のバランスを図6に示す。低圧蒸気はQ1 、高圧蒸
気はQ21+Q22+Q23に対応した流量が蒸気タービン
(ST)に供給される。
【0022】図5に示される実施例は、三段蒸発器・再
生/加熱システムである。この実施例では、蒸気系の圧
力を3段階とするために、図4の構成に高々圧蒸発器
(VHP−EVA)、高々圧節炭器(VHP−ECO)
ならびに第3圧力に見合った給水ポンプ(P2 )を追加
したものである。この場合、高々圧蒸発器(VHP−E
VA)のドラムや伝熱管内部には、メタノール燃料系の
反応器(REA)、加熱器(HTR)を配置し、高々圧
とすることで得られる更に高温の飽和水・飽和蒸気を、
その熱媒として用いる。この高々圧蒸気は第2の過熱器
(SH2)で過熱し、高圧蒸気・低圧蒸気とともに蒸気
タービン(ST)に供給する。
【0023】上記実施例において、第1および第2の加
熱器(HTR(1)),(HTR(2))の構成を、後
述のように、廃熱回収ボイラ(HRSG)の伝熱管内に
燃料処理装置の伝熱管を収納する方式にすれば、再熱の
必要性が軽減し、装置を小型、単純にできる。
【0024】上記図1ないし図5に示された各実施例に
おいて、反応器(REA)内の触媒(CATA)は、設
備組み立て時や再充填時に水素還元操作をすることが多
いが、その場合は150〜250℃の低温の熱媒が必要
となる。そのため、ガスタービンを低負荷にして排熱回
収ボイラ(HRSG)入口の排気温度を低くするととも
に、必要に応じて給水ポンプ(P)の吐出圧力つまりド
ラム内圧も低減して、150〜250℃の飽和蒸気が生
成するように操作する。図5の実施例では、2台の給水
ポンプ(P1 ),(P2 )の両方を低圧に制御する。
【0025】また前記のとおり、第1の加熱器(HTR
(1))のメタノール燃料系の過熱器(MeSH)内に
は必要に応じて触媒(CATA)を内蔵し、反応器(R
EA)内触媒の性能劣化に備えるものとする。その水素
還元においては、排熱回収ボイラの過熱器(SH)のバ
イパスライン(SHB)でバイパスし、高圧蒸発器(H
P−EVA)からの150〜250℃の蒸気を熱媒に用
いて実施する。
【0026】前記図1ないし図5に示された諸実施例に
おける設備一体化の状況をまとめると、表1のとおりで
ある。
【0027】
【表1】
【0028】図7および図8は、いずれも燃料処理装置
伝熱管の基本構成を示す縦断面図である。このうち図7
に示されるものは、メタノール系伝熱管(RT)の内部
に内挿管(IT)を挿入して二重管とすることにより、
燃料の投入・払出を同位置で取り扱う、一体方式であ
る。この方式では、排熱回収ボイラ(HRSG)のドラ
ム(DR)またはヘッダ(HD)に取り付ける端面は一
端で良いので、伝熱管(RT)、内挿管(IT)の熱伸
びについては拘束がない。したがって、排熱回収ボイ
ラ伝熱管内へ挿入できる、取付、取外しを一方向から
行なうことができる、伝熱管(RT)の取付け姿勢を
下向き、上向き、横方向等自由にとれる、という利点が
ある。
【0029】端面形状としては多くのものが考えられ、
特に限定するものではないが、図7に示す例は最も単純
なものである。すなわち、内挿管(IT)の取付フラン
ジの内挿管(IT)周囲に処理燃料(Gf) の通過用の
通路を設けておき、ボルト(B)で伝熱管(RT)の取
付フランジとともに排熱回収ボイラ(HRSG)のドラ
ム(DR)またはヘッダ(HD)に取り付ける。この場
合、まず伝熱管(RT)と内挿管(IT)を一体に組み
立て(フランジ同士を締結)ておき、排熱回収ボイラ
(HRSG)側への締結は別のボルトで行なうものとす
る。
【0030】原燃料(f)は内挿管(IT)によって伝
熱管(RT)の一端部に供給され、他端部で流れ方向を
転換して伝熱管(RT)・内挿管(IT)間の環状断面
領域を流れる間に、周囲の熱媒(d)から熱回収し、処
理燃料(Gf)として端面から取り出す。原燃料(f)
が内挿管(IT)を流れている間に処理燃料(Gf)で
予熱することによって、内挿管(IT)の伝熱を有効利
用し、小型化を促進することができる。
【0031】一方、図8に示されるものは、排熱回収ボ
イラ(HRSG)の二端面を用いてメタノール系伝熱管
(RT)を保持し、燃料の投入・払出を対向位置で取り
扱う、組立方式である。図8(a) に示される例では、伝
熱管(RT)のフランジを排熱回収ボイラ(HRSG)
のドラム(DR)またはヘッダ(HD)の一端にボルト
(B)で固定するとともに、対向端にシール管(SF)
のフランジをボルト(B)で固定して、伝熱管(RT)
とシール管(SF)の相対的なすべりを許容し、熱伸び
に対処する。伝熱管(RT)と排熱回収ボイラ(HRS
G)との間、伝熱管(RT)とシール管(SF)との間
には、シール材(SL1),(SL2)を充填するか、
その他の適切な機構により流体の漏出を防止する。原燃
料(f)は、伝熱管(RT)内を一方向に流れ、処理燃
料(Gf)となる。この組立方式は、いわゆる熱交換器
のシェルアンドチューブ方式に近いため、上述の熱伸び
対策が解決されれば、シェルアンドチューブ方式の技術
が利用できる。
【0032】伝熱管(RT)とシール管(SF)の相対
的なすべりに代えて、伸縮継手を適用することもでき
る。これは、シール管(SF)と伝熱管(RT)のシー
ルを優先する結果これらのすべりが不十分になった場合
に、有効である。図8(b)に示されるものはその一例
であるが、あらゆる方式の伸縮方式を伸縮継手(BE)
として利用できる。伸縮継手(BE)挿入の結果、伝熱
管(RT)はフランジ側(符号RT1)とシール管側
(符号RT2)の複構成となる。
【0033】図9および図10はガスタービン排気から
メタノール燃料へ熱が移動する状況を示す模式図であっ
て、図9は高々圧蒸発器、高圧蒸発器、低圧蒸発器等の
蒸発伝熱管の場合、図10は過熱器や節炭器等の加熱伝
熱管の場合を、それぞれ示す。
【0034】図9(b)の構成例では、通常の排熱回収
ボイラの蒸発伝熱管として排気中に蒸発管(ET)、そ
の上方に気液分離のドラム(DR)を有し、降水管(C
T)によって飽和水(b)は蒸発管(ET)に再循環
(自然循環あるいは循環ポンプによる強制循環等)され
る。この構成では、蒸発管(ET)の内側にメタノール
燃料系伝熱管(RT)を内蔵しており、飽和水(b)が
蒸発管(ET)壁面で蒸発して気液二相流となり、激し
く混合し合う乱流熱伝達によって、蒸発管(ET)から
伝熱管(RT)への熱移動が良好に行なわれる。この場
合、伝熱管(RT)の伝熱面積の増減は蒸発管(ET)
内で処理できる。すなわち、排熱回収ボイラ(HRS
G)のガスタービン排気からの熱回収量は一義的に決ま
るため、排ガス回収ボイラ(HRSG)の伝熱面積は所
定値のままで自由に伝熱管(RT)の伝熱設計ができ
る。また、熱媒である飽和蒸気・飽和水から伝熱管(R
T)への伝熱バランスは、常に応答良く維持される。
【0035】図9(a)に熱伝達の様子を示す。蒸発管
(ET)とメタノール燃料系伝熱管(RT)の間に流れ
る熱媒(b)は、飽和水(I)と飽和蒸気(II)の乱流
混合流体である。伝熱管(RT)近傍の水(III )や蒸
気(IV)は、伝熱管(RT)への伝熱(h1 )で減温す
るが、気液二相流の強い乱流混合によって温度が回復す
る。すなわち、減温した水(III )は符号(III1)の位
置に拡散して、飽和蒸気(III2)の潜熱で回復し、また
蒸気(IV)は減温して飽和水になるとともに、飽和蒸気
(IV1 )が置換する。伝熱(h1 )で低くなった熱媒の
熱量は、直ちにガスタービン排気(a)からの入熱(h
2 )の増分で補われる。このように、図9(a)に示さ
れた蒸発伝熱管の伝熱では、熱媒(b)の温度は一定で
あり、メタノール燃料系伝熱管(RT)への伝熱で移動
する熱は、即座に熱媒(飽和蒸気)の潜熱で補給され
る。また蒸発管(ET)内ではガスタービン排気からの
熱回収で飽和蒸気が激しく補給される。蒸気ドラム(D
R)内でも同様の伝熱状況にある。
【0036】次に、過熱器や高圧節炭器等の加熱伝熱管
の場合は、図10(b),(c)に示されるように、廃
熱回収ボイラの昇温管(WT)とヘダ(HD)で構成さ
れ、熱媒(過熱蒸気(SS)、高温給水(w))からメ
タノール燃料系伝熱管(RT)への移動熱は、その顕熱
でまかなわれるため、熱媒(WまたはSS)の温度が低
下する。すなわち、図10(a)に示されるように、伝
熱管(RT)の近傍領域の水(III )または蒸気(IV)
は伝熱(h1 )で減温する。しかし、ガスタービン排気
(a)と上記水(III )との温度差が大きくなるため
(h2 )が増大し、直ちに熱補給が行なわれる。なお、
図10(b)のように熱移動(h1 ),(h2 )が同時
に行なわれる場合に対し、図10(c)のように別個の
場所で行なわれる場合は、熱移動(h1 )の吸熱で減温
した熱媒(WまたはSS)は排熱回収ボイラ(HRS
G)で再熱する必要が出てくる。(前記図3ないし図5
参照)このように燃料処理装置の伝熱管を排熱回収ボイ
ラに収納する場合、加熱伝熱管内配置は小型化・簡単化
のメリットが大きい。
【0037】図11は一体型熱交換器の垂直姿勢組立状
況を示すもので、図11(a)は側面図、図11(b)
は正面図である。これは一体方式伝熱管を竪向きに配列
し、廃熱回収ボイラ伝熱管内にも挿入できるようにした
もので、取外しは蒸気ドラム(DR)またはヘダ(H
D)の上方引き抜きとなる。メタノール燃料系の短尺伝
熱管(RT1 )と長尺伝熱管(RT2 )の混用で廃熱回
収ボイラの蒸気ドラム、ヘダ、伝熱管内に効率良く配分
する。長尺伝熱管RT2 を使用することにより RT総本数減少、 によるメンテナンスの簡略化、 による配管システムの簡略化、 1本の中に燃料処理プロセス(図22)を多く内包
させることにより処理管理がしやすい、 ガスタービ
ン排気から処理燃料への伝熱が良好、等の利点がある。
【0038】排熱回収ボイラの構成(例えば図5)にお
ける蒸発器と第2加熱器・節炭器と第1加熱器・過熱器
の各構成では熱媒がそれぞれ飽和蒸気・飽和水、高温
水、過熱蒸気と異なる。蒸発器は、蒸発伝熱管(ET)
と気液分離のドラム(DR)ならびに降水管(CT)
(図9(b))で構成され、第2加熱器・節炭器は昇温
管(WT)とヘダ(HD)の組合わせ(図10(b),
(c))、第1加熱器・過熱器は昇温管(SH)とヘダ
(HD)の組み合せとなる。第1加熱器・過熱器の組立
においては、図1ないし図5の過熱器バイパス制御およ
びその配管を省略できる。
【0039】図12も一体型熱交換器の水平姿勢組立状
況を示すもので、図12(a)は側面図、図12(b)
は正面図である。これは排熱回収ボイラの蒸気ドラム
(DR)またはヘダ(HD)内に一体方式伝熱管を横方
向に配列したものである。鏡板D1 間の長さに対する長
尺伝熱管(RT3 )と短尺伝熱管(RT1 )を効率良く
配分する。鏡板への取付けは一端で行なう。燃料マニホ
ルド(D3 )から供給される原燃料(f)は、処理後そ
の燃料マニホルド(D3 )の内側の空間に送り出される
ので、蓋(D2 )のノズルからシステムに処理燃料(G
f)として払い出す。この例の利点は燃料の投入・払出
が鏡板に対応して両端で行なうことができる点である。
【0040】図13は一体型熱交換器の重層配置組立状
況を示す図である。この例では、燃料処理側の伝熱面積
を増やすために、蒸気ドラムまたはヘダを複数個重層配
置して、伝熱管の取り付け場所を確保し、熱媒を連通さ
せる。すなわち、図12の横方向配置を二段とし、蒸発
器の熱媒をドラム(D1 )内では飽和水と飽和蒸気、ド
ラム(D2 )内では飽和蒸気とする。
【0041】図14は組立方式伝熱管の組立状況を示す
図である。この方式では、鏡板(D1 )への取付けは両
端で行なうため、伝熱管タイプは全て長尺の伝熱管(R
4 )となる。原燃料(f)を一端から投入し、他端か
ら処理燃料(Gf)を払い出す。各伝熱管への個別の燃
料配分は不要であり、その分、図12のものよりも構造
を簡略化できる。
【0042】図15は、図14の組立方式の伝熱管を図
13のように重層配置とした例を示す。
【0043】図16は、前記図7に基本構成が示された
一体方式の燃料処理装置伝熱管の具体的構成例を例示す
るものである。まず図16(a)に示される例では、原
燃料(f)を内挿管(IT)で供給し、伝熱管(RT)
からの熱入力で処理して処理燃料(Gf)として払い出
す。内挿管(IT)内を流れる原燃料(f)は、処理燃
料(Gf)の保有する熱により一部加熱され、単純な一
方向流れ(後記図17(a))よりも有効伝熱面積を大
きくとれる。また転向流(g′)で伝熱境界層が薄くな
る分、符号(RT′)で示される領域の伝熱量が高く確
保できる。
【0044】次に図16(b)に示される例では、内挿
管(IT)に多くの噴射孔(i)を設け、伝熱管(R
T)内面への噴射流(j)を均一に分布させる。噴射流
(j)は伝熱管(RT)面で蒸発し、その他は薄い液膜
(k)となって伝熱管(RT)内面全面で蒸発する。
【0045】図16(c)に示される例は、上記図16
(a),(b)に示された各伝熱管を合成した形式で、
処理燃料(Gf)による原燃料(f)の予熱も積極的に
取り入れている。
【0046】図16(d)の例では、投入燃料(f)が
内挿管(IT)の管内と伝熱管(RT)の加熱器(HT
R)部で反応温度まで加熱されたのち、反応器(RE
A)部に充填された触媒(CATA)の領域で伝熱管
(RT)外部のガスタービン排気から吸熱しながら熱分
解や水蒸気改質等の反応をして処理燃料(Gf)とな
る。
【0047】前記図11や図12中の長尺の伝熱管(R
2 ),(RT3 )としては、上記図16(a)ないし
図16(d)の伝熱管を単純に長尺としたものを用いる
こともできるが、次の図16(e)に示される例は、予
熱器から過熱器までの全プロセスを伝熱管に内蔵してい
る。反応器(REA)まで含む伝熱管は、反応条件に合
致する熱媒温度を選定するため、過熱器(SH)で顕熱
分を加熱するには、更に高温の熱媒が必要となる。但
し、若干熱的に余裕のある熱媒を用いる場合は、過熱器
(SH)域で加熱量の一部を賄うことができる。
【0048】前記図16(a)ないし図16(e)の一
体方式伝熱管のうち、図16(a),(b)は単能伝熱
管、図16(c)ないし(e)は多能伝熱管であるが、
これらの用途はおよそ次のとおりである。すなわち、過
熱器には図16(a),(e)に示されたもの、反応器
には図(d),(e)に示されたもの、加熱器には図1
6(a),(c),(d),(e)、蒸発器には図16
(b),(c),(e)、予熱器には図16(a),
(c),(e)に示されたものを、それぞれ用いること
ができる。そして、伝熱条件、収納スペースの兼ね合い
を考慮して、好適な構造を選定する。
【0049】次に図17は、前記図8(a)に基本構成
が示された組立方式の燃料処理装置伝熱管の具体的構成
を例示するものである。まず図17(a)に示される例
では、原燃料(f)をシール管(SF)側から供給し
て、伝熱管(RT)からの熱入力で処理し、処理燃料
(Gf)として払い出す。
【0050】次に図17(b)に示される例では、シー
ル管(SF)の内側に内挿管(IT)を設ける。そして
その内挿管(IT)には多くの噴射孔(i)を設け、伝
熱管(RT)内面への燃料の噴射流(j)を均一に分布
させる。噴射流(j)は伝熱管(RT)面で蒸発し、そ
の他は薄い液膜(k)となって伝熱管(RT)内面全面
で蒸発する。
【0051】また図17(c)に示される例では、伝熱
管(RT)内に充填した触媒(CATA)において、ガ
スタービン排気からの入熱で原燃料(f)の熱分解や水
蒸気改質等の反応を行ない、蒸発・加熱処理後の燃料
(Gf)を払い出す。
【0052】図17(d)に示される例では、蒸発後の
燃料(f)を供給して、加熱(HTR部)・反応(RE
A部)処理を行ない、処理燃料(Gf)として払い出
す。
【0053】前記図14中の長尺の伝熱管(RT4 )と
しては、上記図17(a)ないし図17(d)に示され
た伝熱管を単純に長尺としたものを用いることもできる
が、次の図17(e)に示される例は、蒸発(EV
A)、加熱(HTR)、反応(REA)、過熱(SH)
を含む全プロセスを内蔵する長尺伝熱管である。反応器
(REA)まで含む伝熱管は反応条件に合致する熱媒温
度を選定する。過熱器(SH)で顕熱分を加熱するに
は、更に高温の熱媒を採用する。但し、若干熱的に余裕
のある熱媒を用いる場合は、過熱器(SH)域で加熱量
の一部を賄うことができる。
【0054】前記図17(a)ないし図17(c)の組
立方式伝熱管は単能伝熱管、図17(d)および図17
(e)は多能伝熱管である。これらの用途はおよそ次の
とおりである。すなわち、過熱器には図17(a),
(e)の伝熱管、反応器には図17(c),(d),
(e)の伝熱管、加熱器には図17(a),(d),
(e)の伝熱管、蒸発器には図17(b),(e)の伝
熱管、予熱器には図17(a)の伝熱管を、それぞれ用
いることができる。そして、伝熱条件、収納スペースの
兼ね合いを考慮して、好適な構造を選定する。
【0055】図18および図19は、一体型熱交換器の
組立外観の例を示す斜視図である。ガスタービン排気ダ
クト(ED)に配置される排熱回収ボイラの伝熱管(E
T),(HT)は、群毎にドラム(DR)あるいはヘダ
(HD)に統合される。
【0056】ドラムやヘダを円筒シェルとする場合は、
その中心線がガスタービン排気aと垂直となる横配置
(図18(a))、平行となる縦配置(図18(b))
のいずれかとする。伝熱管の取り外しは、図示した5方
向で可能である。
【0057】図18(c)は、燃料処理装置伝熱管の配
置・取り付けを容易にするために、箱形のドラム(ヘ
ダ)としたもので、伝熱管の群分割は隔壁で行なう。こ
の隔壁は断熱構造とし、一方から他方への伝熱を防止す
る。外部は、リブ等の補強材を使用するなど、内圧耐殻
構造とする。
【0058】図19は、排熱回収ボイラの節炭器ヘダ、
蒸発器ドラム、過熱器ヘダを箱形とした例を示す斜視図
である。排熱回収ボイラの要素配列は図4を例に用いて
いる。隔壁Wの向き(排ガスaに対して垂直あるいは平
行)は自由に選べるから、図中の斜線W以外にも、例え
ば節炭器(ECO)・蒸発器(EVA)間や蒸発器(E
VA)・過熱器(SH)間にも隔壁を設け、これら3要
素を一体とした一個の構造体とすることもできる。図示
例ではドラム(ヘダ)は排熱回収ボイラ伝熱管と一体と
なった3部分構成である。
【0059】この方式によって、図3および図4の(S
H1),(SH2),(HP−ECO1),(HP−E
CO2)についての群分割が容易となり、群伝熱管間の
隙間(例えば図18(a)の符号CL)を無くすことが
でき、コンパクト設計ができる。図19では、排熱回収
ボイラの流体の流れを、低温蒸発器(LP−EVA)か
らの高温水(w1 )を下部ヘダ(L−HD1)に供給し
過熱蒸気(SS)を過熱器(SH2)から取り出すまで
の間で、示す。高温水(w1 )は第1節炭器(ECO
1)伝熱管を上昇して、例えば図11の一体方式伝熱管
RT2 へ伝熱した後、高温水(w2 )として取り出す。
この高温水(w2 )は下部ヘダ(L−HD2)に供給さ
れ、第2節炭器(ECO2)伝熱管を上昇して昇温す
る。節炭器出口水(w3 )は蒸発器(EVA)ドラム内
の飽和水と混合した後、降水管(CT)で下部ヘダに到
達したあと、蒸発器(EVA)伝熱管を上昇して蒸気を
発生する。例えばRT2 を内挿している場合は、飽和水
・飽和蒸気の気液二相流下でRT2 に伝達を行なう。ド
ラムからの飽和蒸気(S1)を第1過熱器(SH1)の
下部ヘダ(L−HD1)に供給し、第1過熱器(SH
1)伝熱管を上昇しながら例えば伝熱管(RT2 )へ伝
熱を行なったのち、(S2)として取り出す。(S2)
は下部ヘダに到達したあと、第2過熱器(SH2)伝熱
管を上昇して昇温し、過熱蒸気(SS)として取り出
す。
【0060】
【発明の効果】1) 廃熱回収ボイラのドラム、ヘダ、伝
熱管等の内部に燃料処理装置の伝熱管が組込まれている
ので、装置配列がコンパクトである。蒸発器では、
燃料処理に利用した残余の熱を主蒸気として取り出すこ
とができ、従来のような熱媒配管とその制御を省略でき
る。 2) 廃熱回収ボイラ・燃料処理系・熱媒が同一系内にあ
るので、ボイラと燃料処理系が別系で熱媒が両者を循環
する従来方式に比べ、系外熱媒搬送動力が不要で、そ
の分、所内動力が軽減できる。循環配管からの熱損失
が無い分、ボイラ回収熱の利用率が高い。 3) ボイラの蒸発器では、熱媒が飽和水と飽和蒸気の二
相流で、燃料処理に反応熱を消費しても熱媒温度は一定
であるから、反応器の触媒の熱条件を設計通りに維持
でき、しかも一定温度の領域が広いので、触媒の性能・
寿命の管理がしやすい。燃料処理負荷(反応吸熱量)
が増減しても、蒸気量がバランス因子となってボイラ伝
熱管での熱負荷は一定で、ガスタービン排気の熱回収量
を高く維持でき、排気温度分布を乱すことが少ない。 4) 触媒性能寿命(経時的劣化他)による能力低下に対
しては、蒸発器のドラム内圧を高めて、熱媒温度を高く
するか、過熱器内に充填した触媒(高温雰囲気)を作動
させることにより、容易に対応できる。 5) ボイラの蒸発器内の、燃料処理伝熱管は二層流(飽
和水・飽和蒸気)の激しい乱流熱伝達下で使用されるた
め、伝熱面積が節約(最適化)されコンパクト化に有利
である。 6) 燃料処理系の伝熱管の周囲を、より高圧の水・蒸気
系の熱媒とすることにより、噴破に際する熱媒の汚損、
さらにはガスタービン排気に可燃流体が漏洩するという
事態を予防できる。 7) 燃料処理伝熱管をボイラのドラムやヘダ内に配列す
る場合は、従来の円筒形耐圧容器を使用するが、ボイラ
の伝熱管群の中にも燃料処理伝熱管を内挿する場合は、
その取り付けおよび配置設計の便宜のためにドラムやヘ
ダ上部に平坦部を設ける。円筒形容器の平坦部に比べ
て、箱形容器として上面・側面を平板とすることによ
り、更に配置設計(配管ピッチ等)が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、燃料処理を行なう熱交換器が蒸気を発
生する熱交換器の内部に、単段蒸発器システムとして一
体に組込まれた、本発明の第1の実施例を示す図であ
る。
【図2】図2は、燃料処理を行なう熱交換器が蒸気を発
生する熱交換器の内部に、二段蒸発器システムとして一
体に組込まれた、本発明の第2の実施例を示す図であ
る。
【図3】図3は、燃料処理を行なう熱交換器が蒸気を発
生する熱交換器の内部に、二段蒸発器・再生システムと
して一体に組込まれた、本発明の第3の実施例を示す図
である。
【図4】図4は、燃料処理を行なう熱交換器が蒸気を発
生する熱交換器の内部に、二段蒸発器・再生/加熱シス
テムとして一体に組込まれた、本発明の第4の実施例を
示す図である。
【図5】図5は、燃料処理を行なう熱交換器が蒸気を発
生する熱交換器の内部に、三段蒸発器・再生/加熱シス
テムとして一体に組込まれた、本発明の第5の実施例を
示す図である。
【図6】図6は上記図4に示された実施例における熱回
収・熱利用のバランスを例示する図である。
【図7】図7は本発明における燃料処理装置の一体方式
伝熱管の基本構成を示す図である。
【図8】図8は本発明における燃料処理装置の組立方式
伝熱管の基本構成を示す図である。
【図9】図9は本発明の蒸発伝熱管においてガスタービ
ン排気からメタノール燃料へ熱が移動する状況を示す模
式図である。
【図10】図10は本発明の加熱伝熱管においてガスタ
ービン排気からメタノール燃料へ熱が移動する状況を示
す模式図である。
【図11】図11は本発明における一体型熱交換器の第
1の構造例を示す図である。
【図12】図12は本発明における一体型熱交換器の第
2の構造例を示す図である。
【図13】図13は本発明における一体型熱交換器の第
3の構造例を示す図である。
【図14】図14は本発明における組立型熱交換器の第
1の構造例を示す図である。
【図15】図15は本発明における組立型熱交換器の第
2の構造例を示す図である。
【図16】図16は本発明における一体方式伝熱管の構
造例を示す図である。
【図17】図17は本発明における組立方式伝熱管の構
造例を示す図である。
【図18】図18は本発明における一体型熱交換器の組
立外観の第1ないし第3の例を示す斜視図である。
【図19】図19は本発明における一体型熱交換器の組
立外観の第4の例を示す斜視図である。
【図20】図20はガスタービン排気の廃熱を回収して
蒸気タービンを駆動する従来の複合発電設備の一例を示
す系統図である。
【図21】図21はガスタービン、蒸気タービンに加え
て燃料処理装置も複合した従来の設備の一例を示す系統
図である。
【図22】図22はメタノールを例に燃料の流れを中心
とした燃料処理プロセスの例を示す系統図である。
【図23】図23は燃料処理装置における熱回収・熱利
用のバランスを例示する図である。
【符号の説明】
(C) 圧縮機 (CC) 燃焼器 (GT) ガスタービ
ン (GEN),(GEN1),(GEN2) 発電機 (ST) 蒸気タービ
ン (COND) 復水器 (P),(P1 ),(P2 ) 給水ポンプ (STCK) 煙突 (HRSG) ボイラ、廃
熱回収ボイラ (LP−ECO) 低圧節炭器 (LP−EVA) 低圧蒸発器 (HP−ECO) 高圧節炭器 (HP−EVA) 高圧蒸発器 (SH) 過熱器 (1−HPSH) 1次高圧過
熱器 (2−HPSH) 2次高圧過
熱器 (1−HTR) 1次加熱器 (2−HTR) 2次加熱器 (VHP−ECO) 高々圧節炭
器 (VHP−EVA) 高々圧蒸発
器 (VHP−SH) 高々圧過熱
器 (MeOH) 液体メタノ
ール、メタノール燃料処理系 (PRE−HTR) 予熱器 (EVA) 蒸発器 (HTR) 加熱器 (REA) 反応器 (MeSH) 過熱器 (CATA) 触媒 (a) ガスタービ
ン排気 (b) 飽和水 (d) 熱媒 (f) 燃料、原燃
料 (Gf) ガス燃料、
処理燃料 (S) プロセス側
送り出し蒸気 (HP−S) 高圧蒸気 (LP−S) 低圧蒸気 (Rs),(Rw) 反応用蒸
気、反応用水 (HB),(SHB) バイパスラ
イン (ET) HRSG伝
熱管(蒸発管) (WT) HRSG伝
熱管(昇温管) (RT) MeOH伝
熱管 (CT) 降水管 (ED) ガスタービ
ン排気ダクト (DR) 蒸気ドラム (HD) ヘダ (IT) 内挿管 (SF) シール管 (SL1),(SL2) シール材 (B) ボルト (BE) 伸縮継手
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01K 23/10 F22B 1/18 F02C 3/20 - 3/24 C10K 3/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温の廃熱源により水を加熱して蒸気を
    発生させるとともに、同廃熱源によりメタノール燃料の
    蒸発と熱分解反応または水蒸気改質反応とを含む燃料処
    理を行なう装置において、上記燃料処理の少なくとも一
    部を行なう熱交換器が上記水を加熱して蒸気を発生する
    熱交換器のドラム又は伝熱管の内部に組込まれたことを
    特徴とする廃熱回収装置。
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