JP3029869U - 噴霧量調節バルブ - Google Patents
噴霧量調節バルブInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 エアゾール容器などに装備する噴霧量調節バ
ルブにおいて、噴霧量を2段階に増減変更でき、第1段
階から第2段階への移行に要するステムの押込み量を任
意に設定できるようにして使い勝手を向上させる。 【解決手段】 ハウジング1に設けた第1ガスケット2
の孔部21にステム4を挿通する。ステム4に、常時は
第1ガスケット2によって閉じられ、第1ガスケット2
が撓み変形したときに開くステム孔44と、弁杆部6と
を設ける。ハウジング1に常時開放の連通路8を設け
る。底壁部12に配備した第2ガスケット5に切り目5
1を設ける。ステム4を押し込む動作で弁杆部6が下降
して第2ガスケット5を押して撓み変形させると、切り
目51が開く。
ルブにおいて、噴霧量を2段階に増減変更でき、第1段
階から第2段階への移行に要するステムの押込み量を任
意に設定できるようにして使い勝手を向上させる。 【解決手段】 ハウジング1に設けた第1ガスケット2
の孔部21にステム4を挿通する。ステム4に、常時は
第1ガスケット2によって閉じられ、第1ガスケット2
が撓み変形したときに開くステム孔44と、弁杆部6と
を設ける。ハウジング1に常時開放の連通路8を設け
る。底壁部12に配備した第2ガスケット5に切り目5
1を設ける。ステム4を押し込む動作で弁杆部6が下降
して第2ガスケット5を押して撓み変形させると、切り
目51が開く。
Description
【0001】
本考案は、容器に収容された液体または気体でなる内容物の噴霧量を2段階に 増減変更可能な噴霧量調節バルブに関する。
【0002】
従来のこの種の噴霧量調節バルブが特公昭62−41074号公報に記載され ており、このものを図10に示してある。このバルブは、容器のマウンテンカッ プ100とハウジング110とによって挾持された第1ガスケット120を備え ている。また、この第1ガスケット120の孔部121に挿通されたステム13 0が上記ハウジング110に軸方向Xに変位可能に遊嵌されている。そして、ス テム130が同図に実線で図示した初期位置に位置している常態時には、それに 設けられているステム孔131が第1ガスケット120によって密封されており 、ステム130が初期位置から軸方向に押し込まれた動作時には、ステム130 の押し込みに伴う上記第1ガスケット120の撓み変形によってステム孔131 が開かれるようになっている。上記ステム130には弁杆部132が連設されて おり、この弁杆部132が、ハウジング110に設けられた第2ガスケット14 0の孔部141に密閉摺動可能に挿通されている。この弁杆部132は、それを 径方向に貫通する開口面積の大きな長孔状の大口通路133とこの大口通路13 3をハウジング110の接続口部111に接続されたディップチューブ112の 内部通路113に常時連通している開口面積の小さな連通路134とを有してい る。なお、142は第2ガスケット140に重ねられた座板、150はステム1 30と座板142との間に介在されてステム130を初期位置側に常時弾発付勢 しているコイルばねである。
【0003】 このバルブにおいて、ステム130がコイルばね150の力に抗して押し込ま れるとステム孔131が開く。そして、ステム130の押込み量が小さい間は、 弁杆部132の大口通路133がハウジング110の内部空間だけに連通してい るので、容器内に蓄えられた高圧で押された液体内容物(不図示)が、ディップ チューブ112の内部通路113と接続口部111を経た後、連通路134だけ を通って大口通路133からハウジング110の内部空間Vに流入し、その内部 空間Vから上記ステム孔131に入る。これに対し、ステム130の押込み量を 大きくして大口開口133が図10に仮想線で示すようにハウジング110の内 部空間Vと接続口部111の内部との両方に連通するようにすると、ディップチ ューブ112の内部通路113と接続口部111を経た液体内容物が、大口通路 133と連通路134との両方を通って多量にハウジング110の内部空間Vに 流入し、その内部空間Vから上記ステム孔131に入る。
【0004】 したがって、図10のバルブにおいては、ステム130の押込み量の大小を選 択することによって、噴霧量を2段階に増減変更することができる。なお、図1 0では、噴霧量を多量にするときのステム130の押込み量を符号S2で示して ある。
【0005】
上述した従来のバルブにおいては、ステム130の押込み方向に長い長孔状の 大口通路133を介して連通路134とハウジング110の内部空間Vとを連通 させてあること、噴霧量を増大させるには大口通路133の一部が第2ガスケッ ト140を通り抜けるまでステム130を押し込む必要があること、少量の噴霧 を行うときには第2ガスケット140よりも上に上記大口通路133を位置させ て第2ガスケット140と弁杆部132との密閉を確実に保つ必要があること、 第2ガスケット140と弁杆部132との密閉を確実に保つには第2ガスケット 140として比較的厚肉のものを使用する必要があること、などにより、大口通 路133の位置を弁杆部132の下端(先端)からある程度離れた箇所に定めて おくことが要求される。このため、多量の噴霧を行うときのステム130の押込 み量S2が比較的大きくなり、そのためにバルブの使い勝手が損なわれたり、バ ルブの小型化が阻害されたりするおそれがあった。
【0006】 本考案は以上の状況に鑑みてなされたものである。すなわち、本考案は、噴霧 量を2段階に増減変更することのできる噴霧量調節バルブを提供することを基本 とするもので、それに加えて、多量の噴霧を行うときに要するステムの押込み量 を所望の量に任意に設定できるようにして使い勝手を容易に向上させたり小型化 を図ったりすることができ、しかも少量噴霧と多量噴霧との間での切り換わりが 確実に行われる噴霧量調節バルブを提供することを目的とする。
【0007】
請求項1に係る考案の噴霧量調節バルブは、内部空間が容器に収容された内容 物の通路となされたハウジングの底壁部に貫通孔部が設けられ、そのハウジング の上端部に、孔部を有する第1ガスケットが保持され、この第1ガスケットの孔 部に挿通されたステムが上記ハウジングに軸方向変位可能に遊嵌されていると共 に、上記第1ガスケットによって上記ハウジングの上端部と上記ステムとの間の 開口が密閉されており、上記ステムに、このステムが初期位置に位置している常 態時に上記第1ガスケットによって密封され、このステムが初期位置から上記軸 方向に押し込まれた動作時に上記第1ガスケットの撓み変形によって開かれるス テム孔と、下方に延び出た弁杆部とが設けられ、上記ハウジングの底壁部に、上 記貫通孔部を密閉する第2ガスケットが配備されていると共に、この第2ガスケ ットに、上記ステムが初期位置に位置して上記弁杆部がこの第2ガスケットから 離れているときにこの第2ガスケットの弾力性によって閉じ、上記ステムが初期 位置から押し込まれるのに伴って下降する上記弁杆部により押されてこの第2ガ スケットが撓み変形したときに開く切り目が設けられ、上記ステムの常態時およ び動作時に上記容器の内部空間とハウジングの内部空間とを常時連通する連通路 を有し、上記ステムが、ばね力で常時初期位置に向けて弾発付勢されている、と いうものである。この噴霧量調節バルブにおいて、上記連通路は、ハウジングに 設けても、第2ガスケットに設けてもよい。
【0008】 この構成のバルブにおいて、常態時には、ばね力でステムが初期位置に位置し ているので、ステム孔が第1ガスケットで密封されている。また、ステムの弁杆 部は、切り目を有する第2ガスケットから離れているので、この第2ガスケット の切り目は閉じている。したがって、ハウジングの内部空間と容器の内部空間と は連通路によってのみ連通している。
【0009】 ステムが初期位置からばね力に抗して押し込まれた場合、その押込み量が小さ い場合と大きい場合とで噴霧量が2段階に調節される。
【0010】 すなわち、ステムの弁杆部が第2ガスケットに当たるまでの範囲でステムが押 し込まれる第1段階では、ハウジングの内部空間と容器の内部空間とが連通路に よってのみ連通している。このため、ステムの押し込みにより第1ガスケットが 撓み変形してステム孔が開くと、容器に収容されている内容物が、上記連通路だ けを通ってハウジングの内部空間に入り、ステム孔を通って流出する。
【0011】 上記弁杆部が第2ガスケットに当たった後、さらにステムが押し込まれた第2 段階では、上記弁杆部により第2ガスケットが押されて撓み変形し、そのような 第2ガスケットの撓み変形によりその第2ガスケットの切り目が開かれる。この 状態では、ハウジングの内部空間と容器の内部空間とが、上記連通路と第2ガス ケットの切り目が開くことによって形成された開口との両方によって連通される 。このため、容器に収容されている内容物が上記連通路と上記切り目が開くこと によって形成された開口とを通ってハウジングの内部空間に入った後、ステム孔 を通って流出する。したがって、この第2段階では上述した第1段階のときより もステム孔を通って流出する上記内容物の量が多くなる。
【0012】 ここで、ステムが初期位置に位置しているときの上記弁杆部と第2ガスケット との間隔を狭めると、ステムの押込み量をそれほど大きくしなくても第1段階か ら第2段階への移行が行われる。逆に、上記間隔を拡げると、ステムの押込み量 を大きくしなければ第1段階から第2段階への移行が行われなくなる。
【0013】 ところで、容器の内容物は、塗料やガラスクリーナなどのように気相部分の高 圧を受けている液体の場合と、高圧に充填された気体だけの場合と、液化ガスの ような気液混合物の場合とがある。内容物が高圧に充填された気体だけの場合に は、容器が起立姿勢であっても倒立姿勢であっても当該バルブが上記のように作 用する。内容物が気相部分の高圧を受けている液体の場合には、容器が倒立姿勢 のときに当該バルブが上記のように作用する。また、内容物が液化ガスのような 気液混合物の場合、容器が起立姿勢のときの当該バルブの作用は、内容物が高圧 に充填された気体だけの場合と同じになり、容器が倒立姿勢のときの当該バルブ の作用は、内容物が気相部分の高圧を受けている液体の場合と同じになる。
【0014】 そこで、内容物が液体であっても容器を起立姿勢にして当該バルブに上記のよ うな作用を行わせるためには、請求項2に係る考案によることが望ましい。
【0015】 すなわち、請求項2に係る考案の噴霧量調節バルブは、ハウジングに、その底 壁部の貫通孔部に連通する接続口部が設けられ、この接続口部に、容器に収容さ れた液体内容物中に没入されるディップチューブが接続されている、というもの である。
【0016】 このものによると、容器の気相部分に高圧を保持させておくことにより、上述 した第1段階では、気相部の高圧で押された液体内容物がディップチューブの内 部通路と接続口部を経た後、連通路だけを通ってハウジングの内部空間に入り、 ステム孔を通って流出する。また、上述した第2段階では、気相部の高圧で押さ れた液体内容物がディップチューブの内部通路と接続口部を経た後、上記連通路 と第2ガスケットの切り目が開くことによって形成された開口との両方を通って ハウジングの内部空間に入り、ステム孔を通って流出する。したがって、第2段 階では、第1段階の場合よりも多くの液体内容物がステム孔を通って流出する。
【0017】 請求項3に係る考案の噴霧量調節バルブは、ステムが初期位置から押し込まれ るのに伴ってその弁杆部の下面が第2ガスケットの切り目の形成箇所を押すよう に構成されていると共に、上記ステムに、その弁杆部の下面で始部が開口しかつ その始部開口をハウジングの内部空間に連通する連通路が設けられている、とい うものである。
【0018】 このものによると、ステムが押し込まれてその弁杆部の下面が第2ガスケット を押したときに、第2ガスケットの切り目が少しでも開くと、切り目が開くこと によって形成された開口が、上記弁杆部の下面で始部が開口しているステムの連 通路を通じてハウジングの内部空間に連通される。したがって、第2ガスケット を少しだけ撓み変形させるだけで、ステム孔を通って流出する上記内容物の量を 多くすることができる。
【0019】
図1は請求項2に係る考案の実施の一形態である噴霧量調節バルブAを装備し た容器Bを一部切欠して示した正面図である。図2〜図4は上記バルブAの構造 を示した断面図である。
【0020】 上記バルブAは、合成樹脂成形体でなるハウジング1を有している。図2〜図 4のように、ハウジング1はその上端部11が上記容器BのマウンテンカップB 1に加締め固定されていると共に、その上端部11には、マウンテンカップB1 との共働によって挾持した第1ガスケット2が保持されている。また、ハウジン グ1の底壁部12に貫通孔部13と、その貫通孔部13に連通する接続口部14 が一体に設けられている。図1のように、この接続口部14にはディップチュー ブ3が接続されている。さらに、ハウジング1にはハウジング1の外部(容器B の内部)とハウジング1の内部空間1aとを連通する通孔17が設けられている 。
【0021】 上記第1ガスケット2はその中央に孔部21を有しており、合成樹脂成形体で なるステム4がその孔部21に挿通されている。そして、ステム4に具備された 径小な首部41が上記孔部21に対応していると共に、その首部41よりも下側 の径大部42が軸方向X(図2参照)に変位可能に上記ハウジング1に遊嵌され 、さらに首部41よりも上側の突出部43が上記マウンテンカップB1の開口か ら上方に突き出ている。このステム4の首部41と突出部43とには、首部41 の外周面と突出部43の上端面とで開口するステム孔44が形成されており、こ のステム孔44が、図1のように上記突出部43に装着される噴霧ノズル45の ノズル孔46に連通される。また、首部41の外周面に位置しているステム孔4 4の開口47が、後述するステム4の押込み動作や復帰動作によって上記第1ガ スケット2の孔部21に対して離接されるようになっている。なお、上記第1ガ スケット2によって上記ハウジング1の上端部11と上記ステム4との間の開口 が密閉されている。また、ステム4の径大部42に、下方に延び出た弁杆部6が 一体に設けられている。
【0022】 上記ハウジング1の底壁部12に弾力性を有する第2ガスケット5が配備され ている。この第2ガスケット5は切り目51を有しており、この切り目51が閉 じているときには、この第2ガスケット5によって上記底壁部12の貫通孔部1 3が第2ガスケットによって密閉されている。そして、上記切り目51は、上記 底壁部12に配備された第2ガスケット5が下向きに押されて撓み変形したとき に開くものであって、そのように切り目51が開くことによって図4のように開 口52が形成されると、その開口52によって接続口部14の内部を介して容器 Bの内部空間とハウジング1の内部空間1aとが連通される。なお、第2ガスケ ット5は、腰の強い弾力性を備えたゴムや合成樹脂で作られていることが望まし い。
【0023】 また、上記ハウジング1の底壁部12から胴壁部にかけて形成された細溝によ って連通路8が構成されている。すなわち、この連通路8を形成している細溝は 、上記底壁部12に配備されている上記第2ガスケット5によっても塞がれるこ とはなく、しかもその連通路8の始部81と終部82は常時開いている。このた め、連通路8によって容器Bの内部空間とハウジング1の内部空間1aとが常時 連通している。
【0024】 上記第2ガスケット5とステム4の径大部42との間にコイルばねでなるばね 体7が介在されており、このばね体7のばね力によって上記ステム4が初期位置 に向けて常時上方へ付勢されている。
【0025】 以上のように構成されたバルブAにおいて、常態時には、図2のようにばね体 7のばね力で上方へ付勢されたステム4が第1ガスケット2によって支持されて 初期位置に位置している。また、ステム4の弁杆部6は第2ガスケット5から離 れているので、その第2ガスケット5の切り目51は閉じている。
【0026】 ステム4が初期位置に位置している常態時には、図2のようにステム孔44が 第1ガスケット2の孔部21によって密封されている。ステム4が指で押されて 初期位置から図3や図4に矢符P1,P2で示したように押し込まれた動作時に は、上記第1ガスケット2がステム4の押込み動作に伴って撓み変形するので、 図3および図4のいずれの場合にも上記ステム孔44が開かれる。
【0027】 図3は、ステム4の弁杆部6が第2ガスケット5に当たる位置までそのステム 4が押し込まれた第1段階の状態を示しており、そのときの押込み量を符号S1 で表してある。初期位置からのステム4の押込み量が上記S1の範囲内である第 1段階では、ステム孔44が開いており、しかもそのステム孔44が、ハウジン グ1の内部空間1aにより形成されている通路を介して連通路8に連通されるの で、図1に示した容器Bに収容されている液体内容物Lが気相部分Gに密封され ている気体の圧力を受けてディップチューブ3の中を上昇し、図3の矢符aのよ うに上記連通路8だけを通ってハウジング1の内部空間1aに入った後、ステム 孔44を通って矢符bのように流出し、図1の噴霧ノズル45から噴霧される。
【0028】 図4は、上記弁杆部6が第2ガスケット5に当たった後、さらに押し込まれた 第2段階の状態を示しており、そのときの初期位置からの押込み量を符号S2で 表してある。この第2段階では、弁杆部6により第2ガスケット5が押されて下 方へ撓み変形するので、その第2ガスケット5の切り目が開いて開口52が形成 される。このため、その開口52によって上記容器Bの内部空間が上記ハウジン グ1の内部空間1aに連通される。したがって、この第2段階では、ハウジング 1の内部空間1aに、上記連通路8と上記開口52との両方が連通するので、図 1に示した容器Bの液体内容物Lがディップチューブ3の中を上昇した後、矢符 a,cのように連通路8と開口52とを通過してハウジング1の内部空間1aに 入り、さらにステム孔44を通って矢符bのように流出し、図1の噴霧ノズル4 5から噴霧される。この第2段階では上述した第1段階のときよりもステム孔4 4を通って流出する液体内容物Lの量が多くなる。
【0029】 ステム4から指を離して押込み力を解除すると、ばね体7のばね力でステム4 が初期位置に復帰するので、弁杆部6が図2のように第2ガスケット5から離れ てその上方へ逃がされ、それに伴って第2ガスケット5がそれ自体の弾力性によ り元の形状に復帰するので、この第2ガスケット5の切り目51が閉じる。
【0030】 以上説明したバルブAにおいて、ステム4が初期位置に位置しているときの上 記弁杆部6と第2ガスケット5との間隔S(図2参照:図3に示した押込み量S 1に一致する)を狭めておくと、第1段階から第2段階への移行に要するステム 4の押込み量S1が小さくて済むようになり、同時にバルブAの小型化(軸長の 短小化)が図られる。逆に、上記間隔Sを広くしておくと、第1段階から第2段 階への移行に要するステム4の押込み量S1が大きくなる。
【0031】 以上説明した実施形態のバルブAでは、ハウジング1に設けた接続口部14に ディップチューブ3を接続することによって、容器Bを起立姿勢にして液体内容 物Lを噴霧することができるようにしてあるけれども、内容物が高圧気体である 場合には、ディップチューブ3や接続口部14を省略しても同様の作用が発揮さ れる。ディップチューブ3や接続口部14を省略したものは請求項1に係る考案 に含まれる。
【0032】 また、上記バルブAにおいては、連通路8を、ハウジング1の底壁部12から 胴壁部にかけて形成した細溝によって構成してあるけれども、この連通路8を図 8に示したバルブAのように第2ガスケット5に貫通形成した孔部によって形成 してもよい。
【0033】 ここで、第2ガスケット5に形成する切り目51の形状は任意に定めることが できる。たとえば、図5(a)には十字状の切り目51を形成した第2ガスケッ ト5を示してあり、図6(a)には直線状の切り目51を形成した第2ガスケッ ト5を示してあり、また、図5(b)や図6(b)には、上記弁杆部6によって 第2ガスケット5が押されて撓み変形したときに切り目が開くことによって形成 された開口52を示してある。第2ガスケット5に形成する切り目51の位置も 任意に定めることができる。図5(a)や図6(a)には第2ガスケット5の中 央に切り目51を形成した事例を示してあり、図7(a)には第2ガスケット5 の偏心箇所に直線状の切り目51を形成した事例を示してある。図7(a)のよ うに偏心箇所に切り目51を形成しておいても、弁杆部6で第2ガスケット5が 押されて撓み変形すると、図7(b)のようにその切り目が開いて開口52が形 成される。なお、第2ガスケット5を弁杆部6で押す箇所は、中央部に限定され ず、偏心箇所であってもよい。
【0034】 図9は他の実施形態による噴霧量調節バルブの構造を示した断面図である。こ の実施形態の噴霧量調節バルブAは、ステム4が初期位置から押し込まれるのに 伴ってその弁杆部6の下面61が第2ガスケット5の切り目51の形成箇所を押 すように構成されている。また、上記ステム4に、その弁杆部6の下面61で始 部が開口しかつその始部開口62をハウジング1の内部空間1aに連通する連通 路63が設けられている。その他の構成は図2〜図4などで説明したものと同様 であるので、同一または相応する部分に同一符号を付して詳細な説明を省略する 。
【0035】 図9の噴霧量調節バルブAによると、ステム4が押し込まれてその弁杆部6の 下面61が第2ガスケット5を図示のように押したときに、第2ガスケット5の 切り目52が少しでも開くと、その切り目52が開くことによって形成された開 口が上記始部開口62に臨むので、ハウジング1の底壁部12に形成されている 貫通孔部13が上記連通路63を通じてハウジング1の内部空間1aに連通され る。したがって、第2ガスケット5を少しだけ撓み変形させるだけで、ステム孔 44を通って流出する上記内容物の量を多くすることができるようになる。
【0036】
請求項1や請求項3に係る考案によれば、噴霧量を2段階に増減変更すること ができることは勿論、多量の噴霧を行うときに要するステムの押込み量を所望の 量に任意に設定できるようになり、当該バルブの使い勝手を容易に向上させるこ とが可能になると共に、当該バルブの小型化を図ることも可能になる。また、第 1段階の少量噴霧と第2段階の多量噴霧との切換えが係合爪部の下降による第2 ガスケットの撓み変形によって確実に行われるようになるという効果もある。特 に、上記の第2段階での噴霧量の増量分を、第2ガスケットに形成した切り目が 開くことによって形成される開口を通過する内容物によって確保しているので、 構成がきわめて簡単になり、それだけ価格低減を図ることができるという利点が ある。
【0037】 請求項2に係る考案によれば、容器の内容物が液体であっても、容器を起立姿 勢にして噴霧量を2段階に増減変更することが可能になるという効果がある。
【図1】請求項2に係る考案の実施の一形態である噴霧
量調節バルブを装備した容器を一部切欠して示した正面
図である。
量調節バルブを装備した容器を一部切欠して示した正面
図である。
【図2】ステムが初期位置に位置しているときの上記バ
ルブの構造を示す断面図である。
ルブの構造を示す断面図である。
【図3】第1段階での上記バルブの構造を示す断面図で
ある。
ある。
【図4】第2段階での上記バルブの構造を示す断面図で
ある。
ある。
【図5】(a)は切り目が閉じているときの第2ガスケ
ットの平面図である。(b)は、切り目が開いて開口が
形成されているときの第2ガスケットの平面図である。
ットの平面図である。(b)は、切り目が開いて開口が
形成されているときの第2ガスケットの平面図である。
【図6】(a)は切り目が閉じているときの変形例によ
る第2ガスケットの平面図である。(b)は、切り目が
開いて開口が形成されているときの変形例による第2ガ
スケットの平面図である。
る第2ガスケットの平面図である。(b)は、切り目が
開いて開口が形成されているときの変形例による第2ガ
スケットの平面図である。
【図7】(a)は切り目が閉じているときの他の変形例
による第2ガスケットの平面図である。(b)は、切り
目が開いて開口が形成されているときの他の変形例によ
る第2ガスケットの平面図である。
による第2ガスケットの平面図である。(b)は、切り
目が開いて開口が形成されているときの他の変形例によ
る第2ガスケットの平面図である。
【図8】連通路を第2ガスケットに形成した事例の断面
図である。
図である。
【図9】他の実施形態による噴霧量調節バルブの構造を
示す断面図である。
示す断面図である。
【図10】従来例の要部断面図である。
A 噴霧量調節バルブ B 容器 L 液体内容物(内容物) 1 ハウジング 1a 内部空間 2 第1ガスケット 3 ディップチューブ 4 ステム 5 第2ガスケット 6 弁杆部 7 ばね体 8 連通路 11 ハウジングの上端部 12 ハウジングの底壁部 13 貫通孔部 14 接続口部 21 第1ガスケットの孔部 44 ステム孔 51 切り目 61 弁杆部の下面 62 連通路の始部開口 63 連通路
Claims (3)
- 【請求項1】 内部空間が容器に収容された内容物の通
路となされたハウジングの底壁部に貫通孔部が設けら
れ、そのハウジングの上端部に、孔部を有する第1ガス
ケットが保持され、この第1ガスケットの孔部に挿通さ
れたステムが上記ハウジングに軸方向変位可能に遊嵌さ
れていると共に、上記第1ガスケットによって上記ハウ
ジングの上端部と上記ステムとの間の開口が密閉されて
おり、 上記ステムに、このステムが初期位置に位置している常
態時に上記第1ガスケットによって密封され、このステ
ムが初期位置から上記軸方向に押し込まれた動作時に上
記第1ガスケットの撓み変形によって開かれるステム孔
と、下方に延び出た弁杆部とが設けられ、 上記ハウジングの底壁部に、上記貫通孔部を密閉する第
2ガスケットが配備されていると共に、この第2ガスケ
ットに、上記ステムが初期位置に位置して上記弁杆部が
この第2ガスケットから離れているときにこの第2ガス
ケットの弾力性によって閉じ、上記ステムが初期位置か
ら押し込まれるのに伴って下降する上記弁杆部により押
されてこの第2ガスケットが撓み変形したときに開く切
り目が設けられ、 上記ステムの常態時および動作時に上記容器の内部空間
とハウジングの内部空間とを常時連通する連通路を有
し、 上記ステムが、ばね力で常時初期位置に向けて弾発付勢
されていることを特徴とする噴霧量調節バルブ。 - 【請求項2】 ハウジングに、その底壁部の貫通孔部に
連通する接続口部が設けられ、この接続口部に、容器に
収容された液体内容物中に没入されるディップチューブ
が接続されている請求項1に記載の噴霧量調節バルブ。 - 【請求項3】 ステムが初期位置から押し込まれるのに
伴ってその弁杆部の下面が第2ガスケットの切り目の形
成箇所を押すように構成されていると共に、上記ステム
に、その弁杆部の下面で始部が開口しかつその始部開口
をハウジングの内部空間に連通する連通路が設けられて
いる請求項1または請求項2に記載の噴霧量調節バル
ブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1996003662U JP3029869U (ja) | 1996-04-05 | 1996-04-05 | 噴霧量調節バルブ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1996003662U JP3029869U (ja) | 1996-04-05 | 1996-04-05 | 噴霧量調節バルブ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3029869U true JP3029869U (ja) | 1996-10-11 |
Family
ID=43164881
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1996003662U Expired - Lifetime JP3029869U (ja) | 1996-04-05 | 1996-04-05 | 噴霧量調節バルブ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3029869U (ja) |
-
1996
- 1996-04-05 JP JP1996003662U patent/JP3029869U/ja not_active Expired - Lifetime
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