JP3029226B2 - 周波数ダイバーシチ伝送装置 - Google Patents

周波数ダイバーシチ伝送装置

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JP3029226B2
JP3029226B2 JP19735293A JP19735293A JP3029226B2 JP 3029226 B2 JP3029226 B2 JP 3029226B2 JP 19735293 A JP19735293 A JP 19735293A JP 19735293 A JP19735293 A JP 19735293A JP 3029226 B2 JP3029226 B2 JP 3029226B2
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繁 冨里
博 鈴木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は移動通信に利用する。特
にフェージング変動を克服するための周波数ダイバーシ
チ伝送に関する。
【0002】
【従来の技術】移動通信などの無線通信においては、フ
ェージング変動を克服するため、従来からダイバーシチ
技術が用いられている。ダイバーシチ技術としては、空
間ダイバーシチと周波数ダイバーシチとが広く知られて
いる。また、周波数ダイバーシチ効果を得る技術とし
て、マルチキャリア伝送方式および周波数ホッピング
(Freqency Hopping: FH)伝送方式が知られている。
さらに、周波数ホッピング伝送方式には、1シンボルの
情報に対して1回以上の周波数ホッピングを行う高速周
波数ホッピング(FFH: Fast FH)と、数シンボル以
上の信号をもとにして形成されたバースト信号ごとに周
波数ホッピングを行う低速周波数ホッピング(SFH:
Slow FH)とがある。特に高速周波数ホッピングは、1
シンボルごとに周波数ダイバーシチ効果が得られるの
で、極めて安定した伝送路を形成できる。
【0003】図13は高速周波数ホッピングを用いた周
波数ダイバーシチ伝送装置の従来例を示すブロック構成
図である。
【0004】この装置は送信装置と受信装置とを備え、
送信装置には、直交変調器201、周波数シンセサイザ
202、周波数制御回路203および帯域通過フィルタ
204を備える。直交変調器201は、入力されたシン
ボル系列を周波数シンセサイザ202の発生したキャリ
ア周波数により変調する。周波数シンセサイザ202の
発生する周波数は周波数制御回路203により制御さ
れ、入力されたシンボル系列の1シンボル期間にK個の
異なる周波数を所定の順序で発生する。直交変調器20
1の出力は帯域通過フィルタ204を通過してアンテナ
から送信される。送信される被変調信号は1シンボルが
Kチップからなる信号である。ここで、K=4とする。
【0005】受信装置はミキサ205、ローカル発振器
206、帯域通過フィルタ207および二乗検波回路2
08をK=4系統備え、この4系統の信号を結合する合
成回路209を備える。アンテナで受信された信号は4
個のミキサ205に分配される。この4個のミキサ20
5にはそれぞれローカル発振器206からのローカル周
波数が供給される。ミキサ205の出力を帯域通過フィ
ルタ207に入力し、高速周波数ホッピング信号のチッ
プ信号を抽出する。この抽出されたチップ信号を二乗検
波回路208により二乗検波してレベルを取り出し、合
成回路209により、1シンボルにわたるチップのレベ
ル和を検出出力とする。
【0006】高速周波数ホッピングの復調方式として
は、コヒーレント検波とノンコヒーレント検波の二つの
方法が考えられる。ノンコヒーレント検波は、チップの
キャリア位相をみていないので、位相を含めて検波を行
うコヒーレント型に比べて伝送特性が劣化する。例えば
BPSK(Binary Phase Shift Keying )の場合、ノン
コヒーレント検波では、コヒーレント検波に比べて同一
の誤り率を得るのにキャリア対雑音比(CNR:Carrie
r to Noise Ratio)で6dB程度劣化することがわかっ
ている。しかし、実際の移動無線においては、伝送路の
フェージング変動が速いためキャリアの同期が難しく、
上述したようなノンコヒーレント検波が用いられてき
た。
【0007】本発明者らは、周波数ホッピング信号をコ
ヒーレント検波することのできる方式について発明し、
特願平4−312317に開示した。また、個々のシン
ボルを分割したチップを符号化することによりさらに優
れた伝送特性を得る技術についても、特願平5−145
127に開示した。この出願に開示した技術について以
下に説明する。
【0008】図14は特願平5−145127に開示さ
れた周波数ダイバーシチ伝送装置を示すブロック構成図
である。この従来例は、周波数ホッピングにより周波数
ダイバーシチ効果を得る。
【0009】この従来例装置は、入力シンボル系列の個
々のシンボルをK個(Kは2以上の整数)のキャリア周
波数により変調して送信する送信装置1と、この送信装
置の送信信号を受信してK種類のキャリア周波数にそれ
ぞれ同期するK種類のローカル周波数により復調する受
信装置2とを備える。送信装置1は、符号器11、直交
変調器12、周波数シンセサイザ13、周波数制御回路
14および帯域通過フィルタ15を備え、受信装置2
は、ミキサ21、周波数シンセサイザ22、周波数制御
回路23、帯域通過フィルタ24、IQ検波器25およ
び復調回路26を備える。
【0010】送信装置1の入力端子に入力されるシンボ
ル系列b(t) は、 b(t) =bi (t) +jbq (t) …(1) で表され、これが符号器11に入力される。符号器11
は、このシンボル系列b(t) をK個の符号化されたチッ
プに分割し、符号化チップ信号を生成する。符号化には
ウォルシュ(Walsh)関数などの直交関数が用いられる。
符号化チップ信号は直交変調器12に入力される。直交
変調器12では、周波数シンセサイザ13から出力され
たキャリア信号ct (t) をローカルキャリアとして用
い、チップ変調波S(t) を生成する。k番目(1≦k≦
K)のチップに対するキャリア信号の周波数をωk
し、初期位相をφk とすると、ct (t) は、 ct (t) =exp〔jω(t) t+φ(t) 〕 …(2) となる。ただし、 ω(t) =ωk ,iT+(k−1)T/K≦t<iT+kT/K …(3a) φ(t) =φk ,iT+(k−1)T/K≦t<iT+kT/K …(3b) である。キャリア信号ct (t) の周波数は周波数制御回
路14から出力される制御信号に応じて切り換えられ
る。チップ変調波S(t) は、 S(t) =b(t) ct (t) …(4) となる。キャリア信号の周波数ωk はあらかじめ定めら
れた順序でチップごとに変化する。その値は、システム
帯域WR 全体にわたって分布させるとともに、k≠k’
に対してωk ≠ωk'とし、なるべく周波数を離したほう
がダイバーシチ効果がある。特に、周波数をシステム帯
域WR に均等に配置すると、ランダムなフェージングに
対して大きなダイバーシチ効果が期待される。ただし、
フェージングが変動しない場合には、レベルが低下して
いない帯域を選択してωk を配置するなど、不均一に配
置した方が特性の改善が大きくなると期待される。ま
た、各ホッピング周波数ごとの位相については保存され
ており、この位相制御についても周波数制御回路14に
より行う。
【0011】以上のようにK回ホッピングしてKチップ
により1つのシンボルを形成している伝送チャネルを以
下「ホッピングチャネル」という。チップの帯域がシス
テム帯域WR でNc 個とれるとすると、ポッピングチャ
ネルの数はNH =Nc /Kとなる。各ホッピングチャネ
ルには最大でKユーザを多重化できる。
【0012】図15は以上の変調方法をチップ数K=4
の場合について示したものである。ここでは、シンボル
i がTごとに「1」、「−1、「1」に変化している
例を示す。これらのシンボルを1シンボルあたり4チッ
プに分割する。説明を簡単にするため、符号化を直交ウ
ォルシュ関数で行うこととする。したがって、符号化チ
ップ信号はシンボルと同一波形となる。次に、各々のチ
ップに周波数と初期位相が各々f1 とφ1 、f2
φ2 、f3 とφ3 、f4 とφ4 のキャリア信号を割り当
てて変調を行い、チップ変調波を得る。この動作を各シ
ンボルに対して繰り返すことにより、高速周波数ホッピ
ング方式の送信波が生成される。
【0013】図16はその時間−周波数平面上の信号を
示す。
【0014】再び図14を参照して説明する。受信装置
により受信される受信波は、伝送路のフェージングによ
る複素包絡線変動成分A(t) と、熱雑音n(t) とを用い
て、 rx (t) =A(t) S(t) +n(t) …(5) で示される。ただし、 A(t) =Ak (t) ,iT+(k−1)T/K≦t<iT+kT/K …(6a) Ak (t) =|Ak (t) |exp{jArg〔Ak (t) 〕} …(6b) である。受信波はミキサ21に入力され、ここで周波数
シンセサイザ22の出力cr (t) により逆ホッピングさ
れる。cr (t) は、送信機におけるキャリア信号c
t (t) を用いて、 cr (t) =ct (t) exp〔jφ0 (t) 〕 …(7) で示される。φ0 (t) は送受信間における周波数シンセ
サイザ13、22の位相差であるが、ここでは周波数シ
ンセサイザ13、22の初期位相は完全に制御されてい
ると仮定し、 φ0 (t) =φ0 …(8) とする。受信用の周波数シンセサイザ22の周波数は、
周波数制御回路23からの制御信号により送信側のホッ
ピングパターンに同期させて切り換えられる。ミキサ2
1の出力は帯域通過フィルタ24を通過し、IQ検波器
25によって準同期検波される。準同期検波された複素
包絡線信号r(t) は、 r(t) =rx (t) cr *(t) =A(t) S(t) cr *(t) +n(t) cr *(t) =Sr (t) +nr (t) …(9) で表せる。このとき、 Sr (t) =A(t) b(t) exp(−jφ0 ) …(10) である。復調回路26では、この複素包絡線信号r(t)
におけるトレーニング信号を用いてチャネル同定を行
い、その結果に基づいてシンボルを判定することにより
復調を行う。復調の具体例は後述する。
【0015】図17は受信装置における受信無線周波数
R 、受信中間周波数fIF、システム帯域幅WR 、中間
周波数帯域幅幅WIFの関係を表す。この図はチップ数K
=4の場合の例を示す。Kチップに拡散された信号の帯
域は、拡散しないときの信号帯域幅をWS とすると、そ
のK倍になっている。ここでは4倍である。この図では
ホッピングしている信号はシステム帯域幅WR の帯域に
均等に配置されている。これを中間周波数帯に変換する
とき、そのキャリア周波数がすべてfIFになるように周
波数シンセサイザ22の周波数を制御する。
【0016】図18は周波数シンセサイザ13、22と
して用いられる高速周波数ホッピング用周波数シンセサ
イザの一例を示すブロック構成図である。この例はダイ
レクト・ディジタル・シンセサイザ(DDS:Direct D
igital Synthesizer)を用いたものであり、フェーズア
キュミュレータ41、メモリテーブル42、ディジタル
・アナログ変換器43および低域通過フィルタ44を備
える。フェーズアキュミュレータ41は、周波数制御入
力に応答してメモリテーブル42の読み出しアドレスを
指定する。メモリテーブル42の出力はディジタル・ア
ナログ変換器43によりアナログ信号に変換され、低域
通過フィルタ44を通って出力される。
【0017】メモリテーブル42としては例えば正弦波
形が記憶された読出専用メモリを用い、その読み出しア
ドレスの指定方法により、任意の周波数のキャリア信号
を生成する。メモリテーブル42には、例えば図19に
示すような正弦波形のサンプル値が書き込まれている。
この図では簡略化してサンプリング数を16としてお
り、各々のサンプルにはアドレス「0」から「15」が
対応している。このサンプル値を一定のクロック周期で
読み出す。比較的低い周波数波形を出力する場合には、
例えばアドレスを「0」、「2」、「4」、「6」…と
指定して順番に読み出していく。この波形を図20に示
す。これより高い周波数波形を出力する場合には、例え
ばアドレスを「0」、「4」、「8」、「12」…と指
定して順番に読み出していく。このようにアドレス指定
を変えることにより、周波数を変えることができる。
【0018】図21はチップ変調手段の別の構成例を示
す。周波数ホッピング時に図15に示したようにキャリ
ア信号の周波数を瞬間的に切り換えると、チップ変調波
の位相および周波数の変化が急激となる。このため送信
スペクトルはサイドローブを多く含み、広い帯域が必要
となる。そこで、送信スペクトルを狭帯域化することが
望ましい。図21はそのための構成例を示すものであ
る。ここでもK=4として説明する。
【0019】この構成例では、チップ変調手段として低
域通過フィルタ72および直交変調器73を4系統備
え、直交変調器73には互いに異なるキャリア周波数が
供給される。また、この系統を切り換えるスイッチ回路
71および合成する合成回路74を備える。符号化チッ
プ信号はスイッチ回路71により各チップごとに4つの
ブランチに分配される。これらの符号化チップ信号を各
々低域通過フィルタ72で波形整形することにより、狭
帯域な符号化チップ信号波形を形成する。波形整形のイ
ンパルスレスポンスとしては、サンプリング関数、(ル
ート)ロールオフ関数、各種ウインドウ関数がある。特
殊な波形に対しては、その波形をROMに書き込んでお
き、波形整形を行ってもよい。これらの波形整形された
符号化チップ信号を直交変調器73で変調し、それを合
成回路74で合成する。
【0020】図22は復調回路26の一例を示すブロッ
ク構成図である。ここでは線形復調方式を用いた例を示
す。
【0021】この復調回路は、送信側の符号器11によ
り符号化された信号を復号化するための復号器81を備
え、K個の複素包絡線信号にそれぞれ複素係数を乗算す
る手段としてスイッチ82、メモリ83および複素乗算
器84−1〜84−4を備え、複素係数が乗算された複
素包絡線信号を合成してシンボルを判定する手段として
合成回路85および判定回路86を備え、複素係数をあ
らかじめ定められたパターンのトレーニング信号に対す
る判定結果にしたがって設定する手段として減算器87
および複素係数制御回路88を備える。
【0022】復号器81は、送信側での符号化に対応し
た復号化を行う。これにより1シンボルに対応するKチ
ップの複素包絡線信号が得られ、これがスイッチ82を
介してメモリ83に蓄積される。スイッチ82は周波数
制御回路23の動作に同期して制御される。複素乗算器
87−1〜87−4はメモリ83に記憶された複素包絡
線信号と複素係数制御回路88により設定された複素係
数w1 〜w4 との乗算を行い、合成回路85はこの乗算
信号を合成する。判定回路86は合成回路85から出力
された合成信号yi の判定を行い、送信シンボルの復調
を行う。
【0023】複素係数制御回路88による複素係数w1
〜w4 の設定は、減算器87により判定回路86の入出
力信号の差分を求め、その誤差をもとに、既知のトレー
ニング信号を用いた最小二乗法により決定する。この具
体的な動作について以下に説明する。
【0024】複素乗算器84−1〜84−4および合成
回路85は、〔i−1〕の時点で求めた複素係数ベクト
ルwi-1 で複素包絡線信号r(t) に重み付けし、それを
合成して合成信号yi を得る。この合成信号yi は、 yi =wi-1 i H …(11) と表される。wi-1 、ri Hはベクトルであり、 ri H=(r1 *,r2 *,r3 *,r4 *) wi-1 =(w1 ,w2 ,w3 ,w4 ) …(12) である。肩文字のHは複素共役転置を表す。この合成信
号yi の判定を行い、判定結果di を出力する。この判
定結果di と合成信号yi とを用いて、ei =di −y
i …(1
3)により誤差ei を計算する。この誤差ei を被素係
数制御回路88に入力し、例えば最小二乗法に基づいて
複素係数ベクトルwi を計算する。理想的には、複素係
数ベクトルwi の各成分wk は複素包絡線成分Ak に対
してほぼAk * に等しくなる。この複素係数ベクトルw
i を用いて合成信号yi+1 を求める。以上の動作を繰り
返すことによりシンボルの復調が行われる。
【0025】複素係数ベクトルwi の値は、最初にトレ
ーニング信号を用いて収束させる。このトレーニング過
程では、式(13)のdi として実際の判定値を用いる
のではなく、受信側で既知のトレーニング信号を用い
る。これにより、誤判定の確率がなくなり、確実に収束
させることができる。トレーニング信号としては、自己
相関関数が1つのピークをもつものが望ましい。
【0026】図23は基地局から移動局への下り伝送時
における信号形式を示す。周波数ホッピング方式では、
基地局から移動機への下り伝送時には複数のユーザが時
分割により一つの周波数を使用することになる。図23
ではチップ数K=4とし、ユーザ数M=4の場合を示
し、m番目(m=1、…、M)のユーザのk番目(k=
1、…、K)の符号化チップ信号をm−kと表す。例え
ば1番目のユーザへの信号について、1番目の符号化チ
ップ信号を送信するために周波数f1 を使用し、2番
目、3番目、4番目の符号化チップ信号を送信するため
に、それぞれ周波数f2 、f3 、f4 を使用する。
【0027】図24はこのような信号を送信するための
チップ変調手段の構成例を示す。この構成例はTDMA
方式の送信機を利用したものであり、多重化回路101
と、4系統の変調器102および発振器103と、4系
統の信号を結合する合成器104とを備える。4系列の
ユーザ信号b1 (t) 、b2 (t) 、b3 (t) 、b4 (t)
は、それぞれチップごとに周波数f1 (t) 、f2 (t) 、
3 (t) 、f4 (t) に割り当てられ、別々の変調器10
2により変調される。このとき、発振器103の周波数
はそれぞれf1 (t) 、f2 (t) 、f3 (t) 、f4 (t) と
固定でよく、周波数ホッピングする必要はない。
【0028】Kチップの高速周波数ホッピングを行った
場合、信号帯域はK倍となるため、周波数利用効率が1
/Kに低下する。この効率の低下を改善するため、同一
周波数で複数のシンボル系列を同時に送信することが行
われる。すなわち、同一周波数を複数のユーザで同時に
使用する。このとき、単純に同一周波数を複数のユーザ
で使用すると、他のユーザの信号が干渉するため受信側
で復調が困難となる。そこで符号器11では、同一周波
数を使用するシンボル系列において互いに直交する信号
をあらかじめ各々のシンボル系列のチップに乗積する。
このような直交信号としては、例えばウォルシュ関数が
用いられる。
【0029】図25はチップ数K=4、同一周波数を使
用するユーザ数M=4の場合の直交関数hm (t) (ただ
しm=1、…、4)の例を示す。4つのシンボル系列の
それぞれのチップにhm (t) を乗算することにより符号
化チップ信号を生成し、それらを加算することにより多
重化する。ただし、hm (t) は、チップkのとき、 hm (t) =hm,k …(14) であり、 Σhm,k m,k * =1 …(15a) Σhm,k m',k =0 …(15b) の正規直交条件を満たすものとする。ただし、Σはk=
1からKの総和であり、hm,k * はhm,k の複素共役、
k’≠kである。
【0030】このような正規直交条件を満たすhm,k
系列として特願平5−145127にはウォルシュ関数
が示されいるが、この関数以外にも多くの関数が利用可
能である。たとえば、ユニタリ行列Uを構成するm番目
の複素列ベクトルの第k要素をhm,k とすれば、式(1
5a)と(15b)はUH U=Iで表される。ただし、
H は複素共役転置、Iは単位マトリクスである。したが
って、複素数領域における正規直交条件を満たすことに
なり、これを多重化用のコードに用いることができる。
なお、ユニタリ行列の各要素の絶対値がウォルシュ関数
のように「1」になるように規格化されているほうが、
多重化処理が容易になる。ユニタリ行列の各要素の絶対
値が「1」になるコードの例には、実数ベント関数を用
いた構成法が、たとえば、松藤、末広、「Bentから
導かれる2相および4相直交行列」、電子情報通信学会
研究報告SST92−77、1993−3に示されてい
る。
【0031】このような符号化により多重化された信号
を受信するためには、受信装置で直交関数hm (t) の複
素共役hm * (t) を複素乗算して復号する必要がある。
図22に示した復号器81では、複素包絡線信号にhm
* (t) を複素乗算し、乗算された信号をスイッチ82に
入力する。このとき、フェージングの影響が小さく各チ
ップのレベルがほぼ同一の場合は複素包絡線成分Ak
値がほぼ一定となるため、最小二乗法により得られる複
素係数wk はAk * とほぼ等しくなる。したがって、各
複素包絡線は一定の重みで合成されることとなり、式
(15a)によりm番目の信号が抽出される。また、m
番目以外の信号は式(15b)により零となる。また、
フェージングの影響が大きく各複素包絡線信号にレベル
差があるときには、最小二乗法により、レベルの大きい
複素包絡線信号に対してはより大きな重み付けが行われ
る。この場合、合成される各複素包絡線信号のレベルは
等しくならないため、直交条件が成立せず、m番目以外
の信号を完全にキャンセルすることができなくなる。し
かしながら、レベルの大きい複素包絡線信号に対してよ
り大きな重み付けを行う動作は、ダイバーシチ受信にお
ける最大比合成とほぼ等価となるため、ダイバーシチ効
果が期待できる。直交条件が成立せずにキャンセルでき
ない他チャネルの成分がこのダイバーシチ効果により抑
制され、希望チャネル成分を受信できるようになる。
【0032】以上説明したようにコヒーレント合成にお
いては多重化が可能であり、高速周波数ホッピングに伴
う信号帯域拡大による周波数利用効率の低下を避けるこ
とができる。この性質はコヒーレント処理によるもので
あるから、ノンコヒーレント高速周波数ホッピングには
ない特徴である。
【0033】同一周波数を複数のユーザで使用する場
合、基地局から各移動局への下り伝送においては、同一
周波数を利用するユーザの信号をベースバンドで符号化
して多重化することがよい。このような符号化回路の構
成を図26に示す。この符号回路は複素乗算器121−
1〜121−4と合成器122とを備える。ユーザ信号
1 (t) 〜b4 (t) はそれぞれ複素乗算器121−1〜
121−4に入力し、それぞれ直交関数h1 (t) 〜h4
(t) が乗算される。これらの信号は合成器122により
合成される。このようにベースバンドで合成することに
より、チップ変調手段が1系統ですむ。
【0034】図22に示した線形復調方式では、フェー
ジング変動が大きい場合には複素包絡線レベルが一定で
ないため、上述したように他ユーザの信号のキャンセル
が不十分となることがあり、伝送特性の劣化がある。こ
のようなフェージング変動による劣化を抑制しながら復
調を行うには、最尤判定を用いた非線形復調方式が適し
ている。このような構成例を図27に示す。
【0035】図27に示す復調回路は、シンボル候補を
送信側のチップ符号化手段と同一論理で符号化する符号
器140を備え、この符号器140の出力からK個の複
素包絡線信号のそれぞれに対する推定値を求める手段と
して複素乗算器134および複素係数制御回路135を
K系統備え、この推定値と検波されたK個の複素包絡線
信号とのそれぞれの減算を行って推定誤差を求める手段
として減算器133をK個備え、この推定誤差の二乗和
を求める手段としてK個の二乗演算回路136と加算器
137を備え、シンボルパターン候補のある時点から次
の時点への遷移に対応したパスを求め、そのなかから推
定誤差の二乗和が最小となるパスを選択してシンボル判
定を行う最尤推定回路138を備え、この最尤推定回路
138で求めたパスに対応してシンボル候補を出力する
信号発生器139を備える。さらに、検波されたK個の
複素包絡線信号をシリアル・パラレル変換するため、ス
イッチ131およびメモリ132を備える。
【0036】ここで、QPSKを例に説明する。ただ
し、自分の信号が変調されている希望波1波と、他ユー
ザの信号のみが変調されている干渉波がN波あるとし、
希望波には自分の信号以外に〔M−1〕の他ユーザの信
号が多重化され、また、波の干渉波にはそれぞれMのユ
ーザが多重化されているとする。この場合、他ユーザの
信号の総数は〔N+1〕M−1となる。QPSKでは、
自分の信号の送信シンボルパターンとしては4通り考え
られ、他ユーザの信号のシンボルパターンとしては4
(N+1)M-1通り考えられる。本復調方式では、これらの4
×4(N+1)M-1通りの送信シンボルパターンの候補の中か
ら、最も確からしいパターンを推定し、シンボルを判定
する。
【0037】まず、準同期検波されたKチップの複素包
絡線信号をスイッチ131を介してメモリ132に蓄積
する。スイッチ131は周波数制御回路23(図14)
の動作に同期して制御される。この復調方式では、複素
包絡線を線形変換して送信シンボルを直接に推定するの
ではなく、非線形処理により推定する。このため、最尤
推定回路138では、自分および他ユーザの信号のシン
ボルパターン候補のある時点から次の時点への遷移に対
応したパスを形成し、そのパスの尤度の比較によりシン
ボル判定を行う。パスの総数はシンボルパターン候補の
総数である4×4(N+1)M-1となる。
【0038】信号発生器139は、このパス情報に対応
して、自分および他ユーザの信号の総数である(N+
1)M系列のシンボル候補を出力する。符号器140
は、信号発生器139から出力されたシンボル系列候補
を送信側に対応して符号化し、符号化チップ信号候補を
生成する。複素係数制御回路135は、複素包絡線信号
のキャリア成分推定値を求める。この推定値は複素係数
である。また、推定の初期にはトレーニング信号を用い
る。この複素係数と符号化チップ信号候補を複素乗算器
134で複素乗算することにより、自分および他ユーザ
の信号の複素包絡線信号に対するレプリカをそれぞれ生
成する。
【0039】次に、これらの自分および他ユーザの信号
のレプリカと、メモリ132に蓄積されている複素包絡
線信号との減算を減算器133により行い、推定誤差を
求める。この推定誤差をメモリ132に蓄積された複素
包絡線それぞれに対して求めるので、チップ数Kに対し
てK個並列に行われる。これにより、K個の推定誤差が
求められる。この推定誤差は複素係数制御回路135に
帰還され、キャリア成分推定値の更新に用いられる。さ
らに、二乗演算回路136と加算器137とにより、K
個の推定誤差の二乗和を求める。この推定誤差の二乗和
は、パスの総数である4×4(N+1)M-1通りすべてについ
て行う。
【0040】最尤推定回路138は、4×4(N+1)M-1
りのパスの中で、推定誤差の二乗和が最小となるパスを
選択し、この選択されたパスに対応するシンボル候補が
最も確からしいと判定する。これにより送信シンボルが
決定される。
【0041】以上説明した非線形復調方式が図22に示
した線形復調方式と異なる点は、自分の信号だけでなく
干渉成分となる他のユーザの信号についても各々伝送路
推定を行い、受信信号のレプリカを生成していることで
ある。線形復調方式では、干渉成分となる他のユーザの
信号については雑音と同等に扱うため、フェージング変
動により自分の信号と他のユーザの信号との間の直交性
が不十分となった場合、式(13)で示される推定誤差
に干渉成分が残留することとなる。このため、指定誤差
に基づいて行う伝送路推定が精度よく行えず、伝送特性
が劣化する。これに対して非線形復調方式では、他のユ
ーザの信号についても伝送路推定を行っているため、推
定誤差から他のユーザの信号による干渉の影響が取り除
かれ、伝送路推定の精度が向上する。このため、線形復
調方式に比べて伝送特性が改善される。
【0042】同一キャリア周波数を利用する他ユーザ
は、同一基地局内のコードが異なるユーザと、他の同一
キャリアを利用するユーザとに分類でき、干渉波と希望
波に含まれる他ユーザの信号成分をすべてキャンセルし
ているが、どちらもフェージング条件ではキャンセル動
作が難しいばかりでなく、回路規模が大きくなるので、
希望波の他ユーザ信号のみ、干渉波の中で自分の信号と
同一の直交コードを用いている他ユーザの信号のみ、あ
るいはそれらの組み合わせなど、干渉をキャンセルする
ための構成についていろいろな簡略化が考えられる。
【0043】簡略化については、基本的に干渉波の数を
減らすことも考えられる。Kユーザの多重化をK/2に
減らせば、Kが大きいときには特に減少効果が大きい。
この方法では自局の干渉と他局の干渉との双方が減少す
るが、他局の影響を減らすことが目的であれば、NH
のホッピングチャネルのうち、実際に使用するホッピン
グチャネルをたとえばNH /2に減らせばよい。このよ
うにすれば、同一ホッピングチャネルを使用するユーザ
数はKであるが、他局からの干渉量は、ホッピングチャ
ネルを隣接する他局でならべく衝突しないようにして1
/2に減少させることができる。
【0044】以上の説明では伝送路のインパルスレスポ
ンスの時間的な広がり幅がチップ時間幅より十分に小さ
いとみなして説明した。しかし、高速伝送ビットレート
あるいはチップ数Kが増大すると、チップ時間幅が小さ
くなり、チップ幅より伝送路のインパルスレスポンス幅
が大きくなる可能性がある。このような場合には、チッ
プが遅延し、同一周波数を使用している後続のホッピン
グチャネルに干渉を与える。同じ理由により、同一周波
数を利用している先行するホッピングチャネルから干渉
を受けることになる。
【0045】このような干渉条件において干渉キャンセ
ルを行うには、信号のエネルギを集めるため、後続のホ
ッピングチャネルのチップのサンプル値を使うことが考
えられる。このとき、二つのチップを合成することにな
るので、各チップのフェージング変動が独立であれば、
2ブランチのダイバーシチ効果が得られる。ただし、干
渉キャンセラは先行するホッピングチャネルと後続のホ
ッピングチャネルの干渉を消さなければならないので、
回路規模は極めて大きくなる。これを避けるには、干渉
を減らすためにホッピングチャネルの実際の使用を減ら
し、同一キャリア周波数で連続して使用しないようにす
ればよい。
【0046】干渉キャンセラの特性はトレーニング信号
による初期収束に大きく依存する。干渉キャンセラを良
好に動作させるためには、まずトレーニング信号の信号
系列における位相を同期させ、さらに各ユーザのトレー
ニング信号の間の相互相関が小さいことが望ましい。こ
のようにすると、相互相関のない干渉波を雑音とみな
し、雑音の誤差が最小となるように係数を制御すること
ができる。しかし、ユーザ間のトレーニング信号の同期
は同一基地局内では容易にできるが、他局間のユーザに
ついては基地局間を同期させるための特別な装置が必要
である。同期していない場合には、その時間的なずれに
より、希望波のトレーニング区間において干渉波がデー
タ信号区間となることがある。ランダムな変調では、希
望波のトレーニング区間で干渉波のデータが偶然に希望
波のトレーニング信号に近い相関性のある信号になるこ
とがある。このとき、キャンセラは希望波と干渉波との
区別がつかなくなるので、キャンル特性が劣化する。同
期させて、さらにトレーニング信号の相互関係を小さく
すると、最小二乗法による係数設定では、その二乗平均
をとる時間内でトレーニング信号と相関をとることにな
るので、相互関係のない干渉波を雑音とみなし、雑音の
誤差が最小となるように係数を制御する。
【0047】図28および図29は上述の出願に開示さ
れた別の例を示すブロック構成図であり、図28は送信
装置、図29は受信装置を示す。この実施例でもチップ
数K=4としている。先の例では、周波数ホッピングに
より周波数ダイバーシチ効果を得ていたが、この例では
複数のキャリア信号を同時に使用するマルチキャリア方
式により周波数ダイバーシチ効果を得ている。この場
合、全く同一のマルチキャリア周波数を用いるユーザが
最大でK存在し、各ユーザのシンボルを分割したチップ
を符号化することによりユーザを分離することが従来の
単純なマルチキャリア方式と異なる。したがって、各キ
ャリアの変調帯域幅はマルチキャリア化によってK倍に
なっているが、Kユーザが多重化されているので、等価
的な1ユーザあたりの帯域幅は増大していない。
【0048】図28に示した送信装置は、入力シンボル
系列の個々のシンボルを複数のチップに分割してそのチ
ップ列を符号化することにより1シンボルあたりK個の
符号化チップ信号を出力する符号器141を備え、この
K個の符号化チップ信号によりK種類のキャリア周波数
を各々変調して1シンボルあたりK個のチップ変調波を
生成するため、直交変調器142−1〜142−4およ
び発振器143−1〜143−4を備える。直交変調器
142−1〜142−4および発振器143−1〜14
3−4は、キャリア周波数の異なるK個のチップ変調波
を同時かつ並列的に生成する。
【0049】符号器141は、1シンボルを4チップに
分割した符号化チップ信号をタイミングを調節して出力
する。この符号化チップ信号を図30に示す。周波数ホ
ッピング方式の1シンボルを構成するホッピングチャネ
ルがマルチキャリア化され、マルチキャリアチャネルと
なる。発振器143−1〜143−4は、それぞれ周波
数f1 、f2 、f3 、f4 のキャリア信号を出力し、直
交変調器142−1〜142−4はそれぞれのキャリア
信号を用いて変調を行う。これによりマルチキャリアチ
ップ変調波が生成される。
【0050】この場合、受信装置は、図29に示すよう
に、ミキサ151、ローカル発振器152、帯域通過フ
ィルタ153およびIQ検波器154からなる受信機を
4系列並べることにより構成される。4つのIQ検波器
154によりそれぞれ検波された包絡線信号は、図22
に示したような復調回路に入力される。
【0051】周波数ホッピングにおける復調回路では、
複素包絡線信号がシリアルに入力されるため、パラレル
に変換するスイッチおよびメモリが必要となる。しか
し、マルチキャリア伝送の場合には包絡線信号がパラレ
ルに復調回路に入力されるため、スイッチおよびメモリ
は不要であり、また、符号器における符号化もパラレル
に処理される。また、マルチキャリア方式では、周波数
ホッピング方式と異なり、同時刻に複数の周波数を用い
て信号伝送を行っているため、シンセサイザの周波数を
高速に切り換える必要はない。ただし、図29に示すよ
うに複数のローカル発振器152が必要である。
【0052】図30に示した信号では、チップ長Tc
シンボル長Ts の1/K倍(K=4)としているが、T
s /K<Tc ≦Ts としてもよい。その場合、1つのチ
ップ変調波が占有する帯域が狭くなるとともに、変復調
における動作周波数も低くなる。ビットあたりのエネル
ギは増加するので、伝送変復調における動作周波数も低
くなる。ビットあたりのエネルギは増加するので、伝送
特性も改善される。したがって、同時ユーザ数の現象と
ともに適応的にチップ長を制御することが望ましい。図
31にK=4、Tc =Ts とした場合の信号を示す。
【0053】マルチキャリアの場合にも、干渉キャンセ
ラの規模の低減および高速化による伝送路インパルスレ
スポンスによる影響の低減のためには、実際に利用でき
るユーザ数を減らすことが考えられる。
【0054】図32および図33は空間ダイバーシチを
組み合わせた受信装置およびその復調回路の例を示す。
複数本のアンテナを用いて受信することにより、空間ダ
イバーシチ効果が得られ、伝送特性をさらに改善するこ
とができる。ここでは、移動通信でよく用いられるアン
テナ数L=2の場合の受信装置構成例を示す。チップ数
K=2とする。
【0055】受信装置は二つのアンテナ171、172
を備える。アンテナ171で受信された信号はミキサ2
1−1、帯域通過フィルタ24−1およびIQ検波器2
5−1を経由して復調回路173に入力される。アンテ
ナ172で受信された信号は、同様に、ミキサ21−
2、帯域通過フィルタ24−2およびIQ検波器25−
2を経由して復調回路173に入力される。ミキサ21
−1、21−2には、周波数シンセサイザ22からロー
カルキャリアが入力される。周波数シンセサイザ22の
出力周波数は周波数制御回路23からの制御信号により
切り換えられる。この構成により、アンテナ171およ
び172で受信された信号が各々周波数変換および準同
期検波され、複素包絡線信号が求められる。復調回路1
73はこれらの複素包絡線信号を復調する。
【0056】復調回路173は二つの復号器81−1、
81−2および二つのスイッチ82−1、82−2を備
える。復号器81−1はアンテナ171により受信され
た信号の複素包絡線信号を復号化し、スイッチ82−1
を介してメモリ83の一つめおよび二つめの領域に蓄積
する。復号器81−2はアンテナ172により受信され
た信号の複素包絡線信号を復号化し、スイッチ82−2
を介してメモリ83の三つめおよび四つめの領域に蓄積
する。これらの蓄積された複素包絡線信号を用いて、図
22を参照して説明したK=4の場合と同様の動作によ
り複素包絡線信号の合成を行う。図27に示した復調回
路の場合にも、同様にして複数本のアンテナにより受信
する構成に変更することができる。
【0057】図34は1ユーザが複数のチャネルを使用
し、より一層の高速伝送を可能とする構成例を示す。す
なわち、1ユーザの信号を複数のチャネルに分配するシ
リアル・パラレル変換器191を備え、1ユーザの信号
をあたかも複数ユーザが用いているように信号を分配す
る。この例では四つに分配している。このようにする
と、伝送速度は1/4となる。分配された四つの信号に
ついて、例えば図26に示した符号化回路によりチップ
に分割し、符号化チップ信号を生成する。符号化以後の
送信装置動作は同一周波数を複数のユーザで使用する場
合と同じである。受信については、図22に示した復調
回路を送信側の分配数と同数だけ設けて復調してもよ
く、図27に示した復調回路を用いて復調してもよい。
図27に示した復調回路では、希望波信号だけでなく干
渉波信号についても信号パターンを推定して復調してい
るため、図14に示した例において干渉波とみなしてい
た信号を希望波信号とみなすことにより復調できる。
【0058】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上説明し
た先の出願に開示した技術を前提とし、実用的な改善を
加えた周波数ダイバーシチ伝送装置を提供することを目
的とする。
【0059】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の観点によ
ると、シンボル系列の個々のシンボルをK個(Kは2以
上の整数)のチップに分割して異なるキャリア周波数に
より伝送する周波数ダイバーシチ伝送装置において、1
バースト分のシンボル系列について、それぞれのシンボ
ルを分割して得られたチップの順番をそのバースト内で
並べ替えて伝送する手段を備えたことを特徴とする周波
数ダイバーシチ伝送装置が提供される。
【0060】個々のシンボルに対してキャリア周波数を
変化させる論理がバースト内のシンボル系列に対して同
一であり、並べ替えて伝送する手段は、個々のシンボル
を分割して得られたチップをその順番ごとに並べ替えて
同一のキャリア周波数を用いるチップごとに一括する手
段を含むことが望ましい。この場合に、並べ替えて伝送
する手段は、一括する手段により一括されたチップごと
に異なるキャリア周波数で並列的に伝送する手段を含む
ことができる。
【0061】本発明の第二の観点によると、シンボル系
列の個々のシンボルをK個(Kは2以上の整数)のチッ
プに分割して異なるキャリア周波数により伝送する送信
装置および受信装置を備え、受信装置は、シンボル系列
に含まれるあらかじめ定められたパターンのトレーニン
グ信号により受信チャネルを同定する手段と、他のチャ
ネルから混入したトレーニング信号により干渉信号の伝
送路推定を行う手段とを含む周波数ダイバーシチ伝送装
置において、伝送路推定を行う手段は、ひとつのシンボ
ルに対してそのチップにより干渉源となるチャネルが異
なるとき、そのチップ位置により伝送路推定値を切り替
える手段を含むことを特徴とする周波数ダイバーシチ伝
送装置が提供される。
【0062】本発明の第三の観点によると、シンボル系
列の個々のシンボルをK個(Kは2以上の整数)のチッ
プに分割して異なるキャリア周波数により伝送する送信
装置および受信装置を備え、受信装置は、シンボル系列
に含まれるあらかじめ定められたパターンのトレーニン
グ信号により受信チャネルを同定する手段と、他のチャ
ネルから混入したトレーニング信号により干渉信号の伝
送路推定を行う手段とを含む周波数ダイバーシチ伝送装
置において、伝送路推定を行う手段は複数のチャネルか
らの干渉信号によりそれぞれ得られた伝送路推定値を合
成する手段を含むことを特徴とする周波数ダイバーシチ
伝送装置が提供される。
【0063】本発明の第四の観点によると、シンボル系
列をチップ系列に分割して異なるキャリア周波数により
伝送する周波数ダイバーシチ伝送装置において、シンボ
ル系列をあらかじめ定められた個数ごとにブロック化し
て誤り訂正符号化を行う手段と、この手段の出力する符
号系列をチップ系列として伝送する手段とを備えたこと
を特徴とする周波数ダイバーシチ伝送装置が提供され
る。
【0064】
【作用】1バースト分のシンボル系列について、それぞ
れのシンボルを分割して得られたチップの順番をそのバ
ースト内で並べ替える。このとき、特に同一のキャリア
周波数を用いるチップごとに一括すると、周波数ホッピ
ング時の周波数切り替え速度を低下させることができ、
ハードウェアの実現が容易になる。
【0065】また、一括されたチップごとに異なるキャ
リア周波数で並列的に伝送することもできる。これは従
来のマルチキャリア方式と同様の技術であるが、シンボ
ル全体ではなくそれを分割したチップを並列に伝送する
ことになり、占有時間が短いので周波数の有効利用を図
ることができる。このとき、チップを符号化すると、同
一シンボルから得られたチップではあってもその論理値
が異なるので、外乱の影響を軽減でき、伝送品質を高め
ることができる。
【0066】他のチャネルから混入したトレーニング信
号により干渉信号の伝送路推定を行う場合に、希望信号
と干渉信号とのタイミングが一致していないことがあ
る。そのような場合には、個々のシンボルに対してその
チップ位置により伝送路推定値を切り替えることがよ
い。
【0067】また、複数のチャネルからの干渉信号によ
りそれぞれ得られた伝送路推定値を合成することもでき
る。
【0068】シンボル系列をあらかじめ定められた個数
ごとにブロック化して誤り訂正符号化し、得られた符号
系列をチップ系列として異なる周波数により伝送するこ
ともできる。
【0069】
【実施例】図1は本発明第一実施例の周波数ダイバーシ
チ伝送装置を示すブロック構成図である。
【0070】この実施例装置は、シンボル系列の個々の
シンボルをK個(Kは2以上の整数)のチップに分割し
て異なるキャリア周波数により伝送する送信装置1およ
び受信装置2を備え、送信装置1は符号器11、直交変
調器12、周波数シンセサイザ13、周波数制御回路1
4および帯域通過フィルタ15を備え、受信装置2はは
ミキサ21、周波数シンセサイザ22、周波数制御回路
23、帯域通過フィルタ24、IQ検波器25および復
調回路27を備える。
【0071】ここで本実施例の特徴とするところは、1
バースト分のシンボル系列について、それぞれのシンボ
ルを分割して得られたチップの順番をそのバースト内で
並べ替えて伝送する手段として、送信装置1には符号器
11と直交変調器12との間にチップ並べ替え回路16
を備え、受信装置にはIQ検波器25と復調回路26と
の間にチップ並べ替え回路27を備えたことにある。
【0072】図2は符号器11の出力する符号化チップ
の配置を示し、図3はチップ並べ替え回路16により並
べ替えられたチップ配置を示す。この実施例では、個々
のシンボルに対してキャリア周波数を変化させる論理が
バースト内のシンボル系列に対して同一であり、チップ
並べ替え回路16は、符号器11の出力する符号化チッ
プ信号から構成される送信バーストについて、トレーニ
ング信号とデータ信号とからなる1バースト分を蓄積
し、個々のシンボルを分割して得られたチップをその順
番ごとに並べ替えて同一のキャリア周波数を用いるチッ
プごとに一括する。ここで、チップ数K=4とし、1バ
ースト内のシンボル数をNS としている。
【0073】受信装置2では、チップ並べ替え回路27
において、チップ並べ替え回路16と逆の論理により、
図3に示したバースト構成を図2に示したバースト構成
に変換する。すなわち、ホッピング周波数ごとに一括さ
れていたチップを各シンボルごとにまとめる。これによ
り、復調回路26の入力は従来と同様のバースト構成と
なり、従来例に示したと同等の復調回路26で復調でき
る。
【0074】図4は時間−周波数平面上での伝送信号を
示す。
【0075】この実施例では、チップ数K=4で図2、
図3に示したようにチップの並べ替えを行うことによ
り、同一周波数を用いるチップだけを見れば、その伝送
速度が4倍になっている。このため、各チップに対する
伝送路におけるフェージング変動の速さが1/Kとなっ
たことと等価である。このため、最大ドップラ周波数が
大きいフェージグ条件でも良好な特性を維持することが
できる。
【0076】また、本実施例では、同一のホッピング周
波数を用いるチップを一括して送信するため、ホッピン
グによる周波数の切り換え速度が、チップの並べ替えを
行わない場合と比較して1/Ns となる。このため、本
実施例では、高速周波数ホッピング方式における1シン
ボルごとの周波数ダイバーシチ効果を低速周波数ホッピ
ング方式と同程度の周波数切り換え速度で得ることがで
きるとともに、周波数シンセサイザの切り換え時間にお
ける要求条件が緩和され、ハードウェアの実現がより容
易となる。
【0077】図5は本発明第二実施例の周波数ダイバー
シチ伝送装置を示すブロック構成図であり、図27と同
様の送信装置を示す。また、図6にこの実施例における
時間−周波数平面上での伝送信号を示す。この実施例
は、マルチキャリア方式で伝送することが第一実施例と
異なる。すなわち、符号器141から並列に出力された
符号化チップ信号をバッファ145で一時的に蓄積し、
チップの位置ごとに一括されたチップを異なるキャリア
周波数で並列的に伝送する。受信装置としては、図28
に示した従来例と同等のものを用いることができる。本
実施例では、図27に示した従来例と同様に複数の発振
器が必要となるが、周波数の切り換えは不要である。
【0078】図7は非線形復調回路の一例を示すブロッ
ク構成図である。この復調回路は、希望信号と干渉信号
のタイミングが一致していない、すなわち非同期の条件
で使用するものである。この構成は図27に示した従来
例と基本的に同等であるが、最尤推定回路130による
判定方法が図27に示した最尤推定回路138と異な
る。すなわち、この最尤推定回路130は、ひとつ
ンボルに対してそのチップにより干渉源となるチャネル
が異なるとき、そのチップ位置により伝送路推定値を切
り替えて最尤推定を行う。
【0079】図8は下り伝送路で基地局間の同期が完全
な場合の信号状態を示し、図9に同期が不完全な場合の
信号状態を示す。ここでは、簡単化のためK=2で干渉
局数を1とする。ホッピング周波数をf1 およびf2
し、ホッピングチャネル群#1〜#4はすでに述べたよ
うな多重化が行われている。希望信号はホッピングチャ
ネル群#1に含まれている。
【0080】図8に示すように、基地局間の同期が完全
な場合には、ホッピングチャネル群#1にはホッピング
チャネル群#3がヒットする。このため、干渉波として
はホッピングチャネル群#3を想定すればよい。しかし
ながら、非同期の場合には、図9に示すように、ホッピ
ングチャネル群#1にはホッピングチャネル群#3の一
部およびホッピングチャネル群#4の一部の双方のホッ
ピング群がヒットする。たとえば、非同期条件でホッピ
ングチャネル群#4がヒットする場合のほうがホッピン
グチャネル群#3がヒットする割合より大きくなった場
合に、図27に示したような非線形復調回路で完全同期
を前提としてホッピングチャネル群#3のトレーニング
信号を用いて伝送路の推定を行ってレプリカを生成する
と、伝送路推定が不十分となるため干渉のキャンセル効
果が低下する。このため、受信特性が劣化することが予
想される。
【0081】そこで本実施例では、干渉信号の伝送路推
定に用いるトレーニング信号について、ヒットする割合
に応じて切り換えることにより受信特性を改善する。た
とえば図8に示すような場合には、ホッピングチャネル
群#3がヒットする割合のほうが大きいため、ホッピン
グチャネル群#3のトレーニング信号を用いて伝送路推
定を行うが、#4のヒットする割合が#4のヒットする
割合を上回る場合には、#4のトレーニング信号を用い
ることとする。ヒットの割合の判定は、たとえば復調回
路でホッピングチャネル群#3および#4の双方のトレ
ーニング信号を用いて伝送路推定を行い、受信信号と受
信装置で生成したレプリカから求められる推定誤差の二
乗をトレーニング区間において比較し、この誤差がより
小さくなるほうをヒットの割合が多いと判定することに
より行う。
【0082】ただし、トレーニング信号をヒットの割合
に応じて切り換えると、ヒットの割合が0.5付近では
二つのホッピングチャネル群のヒット量がほぼ等しくな
るため、どちらのトレーニング信号を用いても、完全同
期条件時に比較して受信特性において劣化がある。
【0083】そこで、ヒットの割合によらず良好な受信
特性を維持するために、ヒットする干渉波について、そ
のヒットの割合に応じて合成したレプリカを生成し、そ
れを用いて干渉をキャンセルしてもよい。たとえば図9
に示した条件では、ホッピングチャネル群#3と#4の
信号にホッピングチャネル群#1へのヒットの割合を乗
算して符号化チップ信号を生成し、干渉波の伝送路にお
ける変動を考慮した合成レプリカを生成する。この場
合、完全同期時に比べて、シンボル候補のパターン数が
増大して演算量が増加するが、ヒットする干渉信号につ
いて、ほぼ正確にレプリカを生成できる。このため、非
同期時でも、完全同期と同等の受信特性が得られる。
【0084】ヒットの割合の検出については、たとえ
ば、トレーニング区間においてヒットする二つのホッピ
ングチャネル群を種々の割合で合成したレプリカを生成
し、これらのレプリカを用いて各々伝送路推定を行い、
最も推定誤差が小さくなる割合を判定し、以後のデータ
信号区間ではこの割合で合成レプリカを生成する。図9
に示したような条件では、ホッピングチャネル群#3と
#4との信号がホッピングチャネル群#1にヒットする
割合として、たとえば、0.1ごとの11種類、すなわ
ち(0.0,1.0)、(0.1,0.9)、(0.
2,0.8)、…、(1.0,0.0)を仮定し、この
11種類の割合に基づいて生成したレプリカを用いて、
各々トレーニング区間で伝送路推定を行い、推定誤差が
最小となる割合を判定し、以後のデータ区間ではこの割
合に応じて合成レプリカを生成する。
【0085】ヒットの割合検出の別の方法として、ヒッ
トの割合を変数とし、トレーニング区間で伝送路推定だ
けでなくヒットの割合も最小二乗法により決定する方法
も考えられる。図9に示した条件では、ホッピングチャ
ネル群#3と#4との信号がホッピングチャネル群#1
にヒットする割合をそれぞれα1 、α2 とし、受信信号
とレプリカとから求められる推定誤差の二乗が最小とな
るようにα1 、α2 を決定する。
【0086】以上説明したヒット割合の検出は、ヒット
の割合がバーストごとにあまり変化しない場合には、必
ずしもバーストごとに行う必要はない。
【0087】図10は本発明の別の実施例を示すブロッ
ク構成図である。この実施例では、個々のシンボルをチ
ップに分割するのではなく、シンボル系列をあらかじめ
定められた個数ごとにブロック化して誤り訂正符号化を
行い、得られた符号系列をチップ系列として伝送するこ
とを特徴とする。このため、送信装置1には符号器11
の代わりに誤り訂正符号器17を備えたことが第一実施
例と大きく異なる。また、この実施例ではチップの並べ
替えは行っていない。
【0088】誤り訂正符号器17は、バースト中の4シ
ンボルごとにブロック化し、このブロックごとに誤り訂
正符号化を行い、新たに7シンボルの信号からなるブロ
ックを生成する。直交変調器12、周波数シンセサイザ
13および周波数制御回路14では、1ブロックを1シ
ンボルとみなし、ブロック中の1シンボルを1チップと
みなして、従来と同様の方法により周波数ホッピングを
行う。このとき、ひとつのブロックが7シンボルの信号
に符号化されるので、チップ数K=7の場合と同様に周
波数f1 〜f7 を用いてホッピングする。図11に符号
化方法を示し、図12に時間−周波数平面上での伝送信
号を示す。
【0089】誤り訂正符号化された信号を復調する復調
回路26としては、非線形復調方式のものが適してい
る。復調時には、まず、送信側と同様に各ブロック中の
シンボルをチップとみなし、シリアル・パラレル変換を
行う。このパラレルの信号から、シンボル候補の代わり
に4シンボルを1ブロックとしたブロック候補を求め、
このブロック候補に送信側と同じ誤り訂正符号化を行う
ことにより符号化チップ信号候補を生成する。これ以後
の動作は従来の非線形復調方式と同等であり、符号化チ
ップ信号候補からレプリカを生成し、受信信号との比較
により推定誤差を求め、二乗和が最も小さくなるブロッ
ク候補を最も確からしいと判定する。このブロック候補
をシンボルにより変換してシンボル判定出力とする。ま
た、推定誤差に基づいて伝送路の変動を推定する。以上
の動作により、誤り訂正符号化された信号が復調され
る。
【0090】本発明の周波数ダイバーシチ伝送装置は、
セルラ方式の移動通信に利用することができる。移動通
信でよく用いられるセルラ構成では、隣接する二つのセ
ルで同じ周波数を使用すると、移動機がセルの周辺にい
るとき、他局からの干渉が増加する。このような場合、
二つの基地局でシンボルのタイミングを同期させ、さら
にホッピングの位相(周波数変化の位相)が異なるよう
にして送信する。このとき、移動機が受信する信号は、
伝送路インパルスレスポンスの時間的な広がりがチップ
幅を越えた状態となる。そこで、ホッピングチャネルを
減らして自局内の干渉を軽減すれば、二つのチップの受
信信号を容易に合成できる。しかも、移動機の移動に伴
うセルの切り換え時にも通信が完全に連続したままで切
り換えができる。マルチキャリアの場合には、タイミン
グが異なる自分の信号が遅延して重畳されることになる
ので、合成において等化処理を同時に行えば、遅延によ
る符号間干渉を取り除くことができ、ホッピングと全く
同じ効果を得ることができる。ここでは下り伝送につい
て説明したが、複数の移動機が存在するので、上り伝送
の場合も同様となる。
【0091】また、セルラ方式において移動機がセルの
周辺にいるとき、自分と同一コード、同一周波数を用い
る他局のユーザが存在すると受信特性が劣化する。特
に、線形復調方式を用いる場合には、他のユーザが自分
と直交していることを利用して干渉をキャンセルするた
め、コードが同一である場合にはキャンセルが不十分と
なる。そこで、セルラ方式に利用する場合には、干渉を
軽減するため、たとえば移動機がセルの周辺にいるとき
には、その移動機と同一コード、同一周波数を使用する
ようなチャネルは隣接する他局では使用しないようにす
ることも可能である。また、隣接する他局の同一コー
ド、同一周波数を用いるチャネルについても、その移動
機が利用して送受信を行うようにし、受信電力を増加さ
せ、通信が完全に連続したままでの相手局の切り換えを
可能とすることもできる。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の周波数ダ
イバーシチ伝送装置は、情報伝送速度そのものを減らす
ことなくホッピングチャネルを減らし、チャネル間の干
渉を減らすことができる。
【0093】特に、チップの順番を並べ替える場合に
は、周波数ホッピング時の周波数切り替え速度を低下さ
せることができ、ハードウェアの実現が容易になる。
【0094】一括されたチップごとに異なるキャリア周
波数で並列的に伝送する場合には、個々のシンボルを伝
送するための周波数の占有時間が短いので、周波数の有
効利用を図ることができる。このとき、チップを符号化
すると、同一シンボルから得られたチップではあっても
その論理値が異なるので、外乱の影響を軽減でき、伝送
品質を高めることができる。
【0095】他のチャネルから混入したトレーニング信
号により干渉信号の伝送路推定を行う場合に、個々のシ
ンボルに対してそのチップ位置により伝送路推定値を切
り替えると、複数の局からの信号の同期がとれていない
場合でも十分な伝送品質を得ることができる。また、複
数のチャネルからの干渉信号によりそれぞれ得られた伝
送路推定値を合成する場合にも同様である。
【0096】シンボル系列をあらかじめ定められた個数
ごとにブロック化して誤り訂正符号化し、得られた符号
系列をチップ系列として異なる周波数により伝送する
と、ホッピングの周波数切り換え速度を低速にすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第一実施例の周波数ダイバーシチ伝送装
置を示すブロック構成図。
【図2】符号器の出力する符号化チップの配置を示す
図。
【図3】チップ並べ替え回路により並べ替えられたチッ
プ配置を示す図。
【図4】時間−周波数平面上での伝送信号を示す図。
【図5】本発明第二実施例の周波数ダイバーシチ伝送装
置を示すブロック構成図。
【図6】時間−周波数平面上での伝送信号を示す図。
【図7】非線形復調回路の一例を示すブロック構成図。
【図8】下り伝送路で基地局間の同期が完全な場合の信
号状態を示す図。
【図9】基地局間の同期が不完全な場合の信号状態を示
す図。
【図10】本発明の別の実施例を示すブロック構成図。
【図11】誤り訂正符号化方法を示す図。
【図12】時間−周波数平面上での伝送信号を示す図。
【図13】高速周波数ホッピングを用いた周波数ダイバ
ーシチ伝送装置の従来例を示すブロック構成図。
【図14】特願平5−145127に開示された周波数
ダイバーシチ伝送装置を示すブロック構成図。
【図15】変調方法を説明する図であり、チップ変調波
形の一例を示す図。
【図16】伝送信号を時間−周波数平面上で示す図。
【図17】受信装置における受信無線周波数fR 、受信
中間周波数fIF、システム帯域幅WR 、中間周波数帯域
幅幅WIFの関係を表す図。
【図18】高速周波数ホッピング用周波数シンセサイザ
の一例を示すブロック構成図。
【図19】メモリテーブルに書き込まれたサンプル値の
一例を示す図。
【図20】出力波形の一例を示す図。
【図21】チップ変調手段の別の構成例を示す図。
【図22】復調回路の一例を示すブロック構成図。
【図23】基地局から移動局への下り伝送時における信
号形式を示す図。
【図24】このような信号を送信するためのチップ変調
手段の構成例を示す図。
【図25】直交関数の一例を示す図。
【図26】同一周波数を複数のユーザで使用する場合に
同一周波数を利用するユーザの信号をベースバンドで符
号化して多重化する符号化回路の構成例を示す図。
【図27】最尤判定による非線形復調方式により復調を
行う復調回路の一例を示すブロック構成図。
【図28】先の出願に示された別の例を示すブロック構
成図であり、送信装置の構成を示す図。
【図29】受信装置の構成を示す図。
【図30】マルチキャリア方式の場合の符号化チップ信
号を示す図。
【図31】マルチキャリア方式の場合の符号化チップ信
号の別の例を示す図。
【図32】空間ダイバーシチを組み合わせた受信装置の
例を示すブロック構成図。
【図33】空間ダイバーシチを組み合わせた復調装置の
例を示すブロック構成図。
【図34】送信装置の別の構成例を示す図。
【符号の説明】
1 送信装置 2 受信装置 11 符号器 12 直交変調器 13 周波数シンセサイザ 14 周波数制御回路 15 帯域通過フィルタ 16、27 チップ並べ替え回路 17 誤り訂正符号器 21、21−1、21−2 ミキサ 22 周波数シンセサイザ 23 周波数制御回路 24、24−1、24−2 帯域通過フィルタ 25、25−1、25−2 IQ検波器 26 復調回路 41 フェーズアキュミュレータ 42 メモリテーブル 43 ディジタル・アナログ変換器 44 低域通過フィルタ 71 スイッチ回路 72 低域通過フィルタ 73 直交変調器 74 合成回路 81、81−1、81−2 復号器 82、82−1、82−2 スイッチ 83 メモリ 84−1〜84−4 複素乗算器 85 合成回路 86 判定回路 87 減算器 88 複素係数制御回路 101 多重化回路 102 変調器 103 発振器 104 合成器 121−1〜121−4 複素乗算器 122 合成器 131 スイッチ 132 メモリ 133 減算器 134 複素乗算器 135 複素係数制御回路 136 二乗演算回路 137 加算器 138、130 最尤推定回路 139 信号発生器 140 符号器 141 符号器 142−1〜142−4 直交変調器 143−1〜143−4 発振器 145 バッファ 151 ミキサ 152 ローカル発振器 153 帯域通過フィルタ 154 IQ検波器 171、172 アンテナ 173 復調回路 191 シリアル・パラレル変換器 201 直交変調器 202 周波数シンセサイザ 203 周波数制御回路 204 帯域通過フィルタ 205 ミキサ 206 ローカル発振器 207 帯域通過フィルタ 208 二乗検波回路 209 合成回路
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 7/00 H04B 7/02 - 7/12 H04B 7/24 - 7/26 113 H04J 1/00 - 1/20 H04J 4/00 - 15/00 H04L 1/02 - 1/06 H04L 5/00 - 5/12 H04L 27/00 - 27/30 H04Q 7/00 - 7/04

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シンボル系列の個々のシンボルをK個
    (Kは2以上の整数)のチップに分割して異なるキャリ
    ア周波数により伝送する周波数ダイバーシチ伝送装置に
    おいて、 1バースト分のシンボル系列について、それぞれのシン
    ボルを分割して得られたチップの順番をそのバースト内
    で並べ替えて伝送する手段を備えたことを特徴とする周
    波数ダイバーシチ伝送装置。
  2. 【請求項2】 個々のシンボルに対してキャリア周波数
    を変化させる論理がバースト内のシンボル系列に対して
    同一であり、 上記並べ替えて伝送する手段は、個々のシンボルを分割
    して得られたチップをその順番ごとに並べ替えて同一の
    キャリア周波数を用いるチップごとに一括する手段を含
    む請求項1記載の周波数ダイバーシチ伝送装置。
  3. 【請求項3】 上記並べ替えて伝送する手段は、上記一
    括する手段により一括されたチップごとに異なるキャリ
    ア周波数で並列的に伝送する手段を含む請求項2記載の
    周波数ダイバーシチ伝送装置。
  4. 【請求項4】 シンボル系列の個々のシンボルをK個
    (Kは2以上の整数)のチップに分割して異なるキャリ
    ア周波数により伝送する送信装置および受信装置を備
    え、 上記受信装置は、上記シンボル系列に含まれるあらかじ
    め定められたパターンのトレーニング信号により受信チ
    ャネルを同定する手段と、他のチャネルから混入したト
    レーニング信号により干渉信号の伝送路推定を行う手段
    とを含む周波数ダイバーシチ伝送装置において、 上記伝送路推定を行う手段は、ひとつシンボルに対し
    てそのチップにより干渉源となるチャネルが異なると
    き、そのチップ位置により伝送路推定値を切り替える手
    段を含むことを特徴とする周波数ダイバーシチ伝送装
    置。
  5. 【請求項5】 シンボル系列の個々のシンボルをK個
    (Kは2以上の整数)のチップに分割して異なるキャリ
    ア周波数により伝送する送信装置および受信装置を備
    え、 上記受信装置は、上記シンボル系列に含まれるあらかじ
    め定められたパターンのトレーニング信号により受信チ
    ャネルを同定する手段と、他のチャネルから混入したト
    レーニング信号により干渉信号の伝送路推定を行う手段
    とを含む周波数ダイバーシチ伝送装置において、 上記伝送路推定を行う手段は複数のチャネルからの干渉
    信号によりそれぞれ得られた伝送路推定値を合成する手
    段を含むことを特徴とする周波数ダイバーシチ伝送装
    置。
  6. 【請求項6】 シンボル系列をチップ系列に分割して異
    なるキャリア周波数により伝送する周波数ダイバーシチ
    伝送装置において、 上記シンボル系列をあらかじめ定められた個数ごとにブ
    ロック化して誤り訂正符号化を行う手段と、 この手段の出力する符号系列をチップ系列として伝送す
    る手段とを備えたことを特徴とする周波数ダイバーシチ
    伝送装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか記載の周波
    数ダイバーシチ伝送装置を用いたセルラ方式の移動通信
    装置。
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