JP5333446B2 - 無線通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、超広帯域の複数のバンド間を高速にホッピングしつつ無線通信を行う無線通信装置に関する。
近年の無線通信には高速なデータ伝送能力が要求され、例えばIEEE802.11aに準拠した無線LAN装置では54Mbpsの通信速度を実現している。さらに、より高速な480Mbpsクラスの通信速度を実現する技術として、UWB(Ultra Wide Band)がIEEE802.15.TG3aにて策定されている。
このような高速通信を実現する無線通信装置では、シャノンの法則により占有する周波数帯域が非常に広くなり、例えばUWBを実現する通信装置(以下、UWB無線通信装置と称す)では3.1GHzから10.6GHzの広い周波数帯域を使用する。このように下限の周波数の約3倍の周波数帯域を必要とする無線通信装置はこれまで存在しなかった。
このUWB無線通信装置の基本的な動作については、例えば米国特許出願公開第2004/0047285号明細書(以下、特許文献1と称す)に記載されている。
UWB無線通信装置では、例えば図1(a)に示すように無線通信に用いる所定(例えば500MHz)の周波数帯域から成る複数のバンドを備え、各バンドを所定のシーケンスにしたがってホッピングしつつユーザデータ(以下、UWB信号と称す)を、例えばOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルf1〜f3単位で送受信する。
特許文献1に記載された受信機は、受信した無線(RF:Radio Frequency)信号をベースバンド信号に直接変換するダイレクトコンバージョン方式を採用し、上記ホッピング動作に合わせて各バンドの無線周波数に対応する複数のローカル信号を生成する(図1(b))。受信したRF信号は、対応するローカル信号を用いてミキサにより500MHz帯のベースバンド信号にダウンコンバートされた後、変換レートが500Msps(Mega samples per second)のA/D変換器によってデジタル信号に変換される。
一方、特許文献1に記載された送信機は、変換レートが500MspsのD/A変換器を備え、受信機と同様に上記ホッピング動作に合わせて各バンドの無線周波数に対応する複数のローカル信号を生成する。そして、各々に対応するローカル信号を用いてミキサにより送信対象のベースバンド信号をRF信号にアップコンバートする。
また、UWB無線通信装置の他の背景技術例として、周波数が固定のローカル信号を用いて、各バンド間をホッピングするUWB信号を送受信する構成が特開2006−121439号公報(以下、特許文献2と称す)に記載されている(図1(c)及び図2(c)参照)。
特許文献2に記載された受信機では、周波数帯域が2112MHzのIF(中間周波数)を高速にA/D変換する。このUWB無線通信装置では、各バンドの周波数帯域が528MHzであり、3つのバンド(第1〜第3のバンド)のIF信号を一括してA/D変換する。ダウンコンバート後のIF信号の周波数帯域は−264〜+1320MHzであり、第1のバンドのIF信号はDC(直流)を中心に存在する。それに対して第2のバンドのIF信号は528MHzを中心に存在し、第3のバンドのIF信号は1056MHzを中心に存在する。そのため、特許文献2に記載された受信機では、A/D変換後、デジタル信号処理にて再度ダウンコンバートを行っている。
さらに、無線通信装置の他の背景技術例として、複素フィルタを用いてIF信号の周波数が比較的低いロウIF無線通信装置を構成する例が特開2006−121546号公報(以下、特許文献3と称す)に記載されている(図2(a)参照)。この無線通信装置が備えるローカル信号を生成するシンセサイザには、各バンドのローカル信号を発生する必要がある、いわゆるマルチバンド発生器が用いられる。特許文献3に記載された無線通信装置では、このようなマルチバンド発生器を備えることで、UWB無線通信装置におけるロウIF無線通信装置を実現している。
また、米国特許出願公開第2006/0051038号明細書(以下、特許文献4と称す)には、ホッピングフィルタを用いてマルチキャリアを分波する受信機の構成例が記載されている(図2(b)参照)。特許文献4では、ホッピングフィルタの後段に直交変調器を配置している。特許文献4に記載のホッピングフィルタは複素フィルタではなく、RF領域でフィルタバンクを切り換えてマルチキャリアを分離する構成である。
さらに、妨害波(ブロッカ)対策について検討したUWB無線通信装置が、例えば特開2004−096141号公報(以下、特許文献5と称す)に記載されている(図2(d)参照)。特許文献5では、A/D変換器(ADC)の変換レートを変化させて誤り率(S/NやC/N)の変化を観測し、電力算出器を用いて妨害波の影響があるか否かを判定している。特許文献5に記載のUWB無線通信装置は、妨害波の影響がある場合、A/D変換器の変換レートを高くすることで対処している。
上述した特許文献1及び特許文献2に記載されたUWB無線通信装置では以下に記載する問題がある。
第1の問題はローカル信号を生成する回路の規模や消費電力が大きくなることである。
特許文献1に記載された受信機では、9.5ns程度のインターバル内でホッピング先の無線周波数に対応するローカル信号を生成する必要がある。通常、複数の周波数信号を生成するにはPLL(Phase Locked Loop)回路を用いるが、PLL回路は所望の周波数でロックするまでに数μ秒程度の時間を必要とする。したがって、ローカル信号の周波数を数nsで切り替えるためには、多数のSSB(Single Side Band amplitude modulation)ミキサや分周器を用いて各バンド用のローカル信号を合成する必要がある。そのため、回路面積や消費電力が非常に大きくなる。このような高速に周波数がホッピングする動作は、これまでの無線通信装置には存在しなかった。
また、特許文献2に記載された構成も消費電力が大きくなる問題がある。上述したように、特許文献2では2112MHzのIF信号を高速にA/D変換する必要がある。そのため、高速なスイッチング動作を実現するためにアンプやバッファ等に大きなバイアス電流を供給する必要がある。そのため、消費電力が大きくなってしまう。また、回路内に存在する寄生容量を高速に充放電することになるため、この点でも消費電力が大きくなってしまう。
第2の問題は不要輻射(スプリアス)が大きくなることである。
上述したように、特許文献1では複数種類の周波数信号をミキサや分周器を用いて合成することで各バンドに対応する周波数のローカル信号を生成する。そのため、合成に用いる周波数信号の整数倍の周波数成分がローカル信号に現れてしまう。特にSSBミキサは、その出力振幅を大きくするために入力振幅も大きくする必要があり、入力振幅を大きくすることでSSBミキサの非線形性によって高調波が発生する問題もある。
また、SSBミキサに入力した周波数成分がそのままSSBミキサの出力に現れるローカルフィールドスルーもスプリアスの増大要因となる。この問題も高速なホッピングを実現するために非線形素子であるミキサを用いることで発生する問題であり、これまでの無線通信装置には存在しなかった。
第3の問題はミキサやアンプのオフセットを除去するのが困難なことである。また、オフセットを除去できても、そのための除去回路の回路規模(面積)や消費電力が大きくなってしまう。
この問題はホッピングに応じてミキサ(ダウンコンバータ)のオフセット量が変化することに起因する。ダウンコンバータとして用いるミキサでは、ローカル信号とアンテナ等へ回り込んで再混入する自信号(ローカル信号)とを乗算することでDC成分(オフセット)を生成するセルフミキシングと呼ばれる現象が起きる。セルフミキシングには周波数依存性があり、ローカル信号の周波数によってオフセット量が変化する。上述したように、UWB無線通信装置ではローカル信号の周波数が高速に切り替わるため、それに伴ってオフセットも高速に変化する。このような問題も高速なホッピングを実現するために発生する問題であり、これまでの無線通信装置には存在しなかった。
第4の問題は送信機のミキサ(アップコンバータ)のローカルリークを除去するのが困難なことである。また、ローカルリークを除去できても、そのための除去回路の回路規模(面積)や消費電力が大きくなってしまう。
通常、アップコンバータ(特に、MOSトランジスタを用いたアップコンバータ)では、入力されたローカル信号成分がそのまま出力されるローカルリークの問題がある。特にUWB無線通信装置ではローカルリーク量が周波数に依存して変化する。
ローカルリークは、アップコンバータのベースバンドポートに入力されるオフセット電圧に起因してRFポートから出力されるローカル信号成分と、アップコンバータのRFポートや送信用の電力増幅器へローカル信号が飛び込むことで送信信号に混入する(ローカルフィールドスルー現象)ローカル信号成分とを加算した量になる。特に、後者は周波数に依存するため、上記ホッピング動作に伴ってローカルリーク量も変化する。
通常、ローカルリークを補正するには、アップコンバータのベースバンドポートにローカルリークを打ち消すためのDC電圧を印加する構成が採用される。しかしながら、そのような構成では、バンドが切り替わる度に、異なるDC電圧を、高速にかつ精度よくアップコンバータのベースバンドポートに供給する必要がある。すなわち、ローカルリークを補正する回路の実現は困難であり、実現できても回路規模(面積)や消費電力が大きくなる。この問題も高速なホッピングを実施するために発生する問題であり、これまでの無線通信装置には存在しなかった。
さらに、上述した特許文献3〜5に記載されたUWB無線通信装置では以下に記載する問題がある。
上述したように、特許文献3には複素フィルタを用いた無線通信装置が記載されている。特許文献3に記載された無線通信装置では、複数のローカル信号を高速に切り換える、いわゆるマルチバンド発生器を使用する必要がある。そのため、上記第1の問題と同様に、ローカル信号を生成する回路の規模や消費電力が大きくなる問題がある。特許文献3では、各バンド端の周波数のローカル信号を生成してロウIF無線通信装置を構成しており、ローカル信号の種類を低減するものではない。
上述したように、特許文献4にはホッピングフィルタを用いた無線通信装置が記載されている。特許文献4では、RF領域で使用するホッピングバンドパスフィルタの構成例を示しており、GHz帯の周波数を使用するUWB無線通信装置に適用するのは困難である。仮にGHz帯の周波数で動作するホッピングバンドパスフィルタを実現できても、NFなどの性能が悪化し、また回路面積が大きくなってしまう。そのため、一般的にはGHz帯の周波数で構成される各バンドを分離するには、SAWフィルタやセラミックフィルタ等の特殊なフィルタを用いる必要がある。
上述したように、特許文献5には妨害波のレベルに応じてA/D変換器の変換レートを変化させる構成が記載されている。特許文献5は、A/D変換器の消費電力を最小限にしつつ、妨害波のレベルに応じて変換レートを最適化するための一手法を示しているに過ぎない。
そこで本発明は、高速なホッピングを実施するために発生する、回路面積や消費電力が大きくなる問題、スプリアスが大きくなる問題、オフセットやローカルリークが大きい問題を低減できる無線通信装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明の無線通信装置は、無線通信に用いる、所定の周波数帯域から成る複数のバンドから成るバンドグループを備え、前記バンドグループ内の各バンドを所定のシーケンスでホッピングする無線通信と、前記バンドグループ内の複数のバンドを同時に使用する無線通信の両方に対応する無線通信装置であって、
前記バンドグループの中心周波数に等しいローカル信号を生成するローカル発生器と、
前記ローカル発生器で生成されたローカル信号を用いて前記バンドグループ内の無線信号をダウンコンバートする第1のダウンコンバータと、
前記ダウンコンバートされた信号を入力として通過域を変化させるホッピング複素フィルタと、
前記ホッピング複素フィルタの通過域を制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、
前記ホッピングするバンドの中のローカル周波数をまたぐバンドにおける無線通信と前記複数のバンドを同時に使用する無線通信では前記ホッピング複素フィルタを全通過とさせ、それ以外の無線通信では前記ホッピング複素フィルタを片側周波数抑圧とさせる制御を行う。
または、無線通信に用いる、所定の周波数帯域から成る複数のバンドから成るバンドグループを備え、前記バンドグループ内の各バンドを所定のシーケンスでホッピングする無線通信と、前記バンドグループ内の複数のバンドを同時に使用する無線通信の両方に対応する無線通信装置であって、
前記バンドグループの中心周波数に等しいローカル信号を生成するローカル発生器と、
前記ローカル発生器で生成されたローカル信号を用いて前記バンドグループ内の無線信号をアップコンバートする第1のアップコンバータと、
前記アップコンバートされた信号を入力として通過域を変化させるホッピング複素フィルタと、
前記ホッピング複素フィルタの通過域を制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、
前記ホッピングするバンドの中のローカル周波数をまたぐバンドにおける無線通信と前記複数のバンドを同時に使用する無線通信では前記ホッピング複素フィルタを全通過とさせ、それ以外の無線通信では前記ホッピング複素フィルタを片側周波数抑圧とさせる制御を行う。
図1は、特許文献1,2に記載された無線通信装置によるホッピング動作を示す模式図である。 図2は、特許文献2〜5に記載された無線通信装置の構成を示すブロック図である。 図3は、第1の実施の形態のUWB無線通信装置の構成を示すブロック図である。 図4は、図3に示したUWB無線通信装置によるホッピング動作を示す模式図である。 図5は、ホッピング複素フィルタの構成例及び特性を示す模式図である。 図6は、本発明で用いるホッピング複素フィルタの構成と動作を示す模式図である。 図7は、図3に示したUWB無線通信装置によって各シンボルを切り出す様子を示す模式図である。 図8は、第2の実施の形態のUWB無線通信装置の構成を示すブロック図である。 図9は、図8に示したUWB無線通信装置によって各シンボルを切り出す様子を示す模式図である。 図10は、図8に示したA/D変換器をインターリーブ動作させるときに各シンボルを切り出す様子を示す模式図である。 図11は、第2の実施の形態のUWB無線通信装置の動作を示す模式図である。 図12は、第3の実施の形態のUWB無線通信装置の構成を示すブロック図である。 図13は、ブロッカの除去能力を備えたダウンコンバータの構成例を示す回路図である。 図14は、第4の実施の形態のUWB無線通信装置の構成を示すブロック図である。 図15は、図14に示したUWB無線通信装置によって各シンボルを切り出す様子を示す模式図である。 図16は、図14に示したD/A変換器をインターリーブ動作させるときに各シンボルを切り出す様子を示す模式図である。 図17は、第5の実施の形態のUWB無線通信装置の構成を示すブロック図である。 図18は、図17に示したフィルタによる特性の切り替え例を示す模式図である。 図19は、第6の実施の形態のUWB無線通信装置の構成を示すブロック図である。 図20は、図19に示したUWB無線通信装置の動作例を示す模式図である。 図21は、図19に示したUWB無線通信装置の他の動作例を示す模式図である。 図22は、第6の実施の形態のUWB無線通信装置の処理手順を示すフローチャートである。 図23は、第6の実施の形態のUWB無線通信装置の処理手順を示すフローチャートである。 図24は、第6の実施の形態のUWB無線通信装置の構成を示すブロック図である。 図25は、様々なモードに対応できるホッピング複素フィルタを用いた無線通信装置の一例を示す表である。 図26は、第7の実施の形態のUWB無線通信装置の構成及び動作例を示す模式図である。 図27は、第7の実施の形態のUWB無線通信装置の他の構成及び動作例を示すブロック図である。 図28は、第7の実施の形態のUWB無線通信装置の他の構成及び動作例を示すブロック図である。 図29は、第7の実施の形態のUWB無線通信装置の他の構成及び動作例を示すブロック図である。 図30は、図25に示した各モードを実行する時の無線通信装置の設定をまとめて示した表である。 図31は、第7の実施の形態のUWB無線通信装置の処理手順を示すフローチャートである。 図32は、第7の実施の形態のUWB無線通信装置の処理手順を示すフローチャートである。
次に本発明について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図3は第1の実施の形態の無線通信装置の構成を示すブロック図である。第1の実施の形態では、無線通信装置が備えるUWB信号を受信する受信機の例を示す。
図3に示すように、第1の実施の形態の受信機は、受信アンテナ101、ローノイズアンプ(LNA)102、第1のダウンコンバータ103、第1のローカル発生器104、ホッピング複素フィルタ108、第2のダウンコンバータ109、第2のローカル発生器110、ローパスフィルタ(LPF)111、可変ゲインアンプ(VGA)112、A/D変換器113及びベースバンド処理回路114を有する。第1のローカル発生器104は、電圧制御発振器(VCO)107、分周器106及びセレクタ105を備えている。
まず、図3に示す第1のローカル発生器104について説明する。
UWB無線通信装置では、3つのバンドによって構成されるバンドグループ単位でUWB信号が送受信される。図4(b)に示すように、周波数のホッピングは、このバンドグループ内の3つのバンド間で実施される。
図4(b)では、f1、f2、f3の順にホッピングする例を示しているが、ホッピングのシーケンスは7種類あり、異なる種類のシーケンスを使い分けることで同じ通信領域内に存在する複数のUWB無線通信装置と無線通信が可能になる(例えば、High Rate Ultra Wideband PHY and MAC Standard, ECMA-368参照)。
以下では、図4(a)に示す第1のバンドグループ201を使用する場合を例にして、受信機の動作を説明する。
第1のローカル発生器104は、第1のバンドグループの中心周波数である3960MHzを出力する。第1のバンドグループ201は、第1のバンド、第2のバンド、第3のバンドで構成されるため、3960MHzは第2のバンドの中心周波数でもある。
背景技術のUWB無線通信装置では、上述したようにホッピング動作に合わせて、図1(b)に示したようにローカル信号の周波数を切り替えていた。本実施形態では、図4(b)に示すようにローカル信号の周波数をホッピング動作に合わせて切り替えずにバンドグループの中心周波数で固定する。但し、異なるバンドグループを用いる場合は、ローカル信号の周波数をそのバンドグループの中心周波数に変更する。UWB技術では、バンドグループの切り替えには高速性能が要求されていない。例えば、図4(a)に示す第1のバンドグループ(BG−1)201から第6のバンドグループ(BG−6)202へ変更する場合、第1のローカル発生器104は、第1のバンドグループ201の中心周波数である3960MHzから第6のバンドグループ202の中心周波数である8184MHzへ出力周波数を変更する。この周波数の変更速度は、変更後の周波数にてVCOがロックするのに必要な数μ秒よりも十分に遅くてよい。
ここで、第1のバンドグループ201の中心周波数である3960MHzと第6のバンドグループ202の中心周波数である8184MHzとは整数倍の関係にはないが、8284MHzは3960MHzのおよそ2倍である。したがって、第1のローカル発生器104に1/2分周器を備えていれば、VCO107の発振周波数をわずかに変えるだけで第1のバンドグループ201と第6のバンドグループ202の中心周波数に対応するローカル信号をそれぞれ生成できる。その場合、分周比や発振周波数を変えた後、所要の周波数にVCO107を再びロックさせればよい。
図3に示した第1のローカル発生器104は、VCO107にて8000MHz付近の周波数を生成し、分周器106にてVCO107の出力周波数を1/2にする回路例である。セレクタ105は、第1のバンドグループを受信した場合は分周器106の出力信号を選択し、第6のバンドグループを受信した場合はVCO107の出力信号を選択する。このとき、VCO107は、第1のバンドグループの中心周波数の2倍の周波数である7920MHzから第6のバンドグループの中心周波数である8184MHzの範囲で、プロセス、電源電圧、周辺温度等の各種の変動要因に対して十分なマージンを持つチューニングレンジを備えていればよい。
なお、上記説明では、第1のバンドグループと第6のバンドグループで用いるローカル信号を生成する例を示したが、図3に示す第1のローカル発生器104は、発振器や分周器の構成を変えることで、他のバンドグループに対応する周波数のローカル信号を生成することも可能である。また、図3に示す第1のローカル発生器104は、発振器や分周器の構成を変えることで、2つのバンドグループだけでなく、より多くのバンドグループに対応するローカル信号を生成することも可能である。
次に図3に示したホッピング複素フィルタ108について説明する。
図5(a)に示すように、ホッピング複素フィルタ108は、ポリフェイズフィルタ1001及びセレクタ1002を備え、複数の濾波特性を高速に切り替えることが可能である。濾波特性は、例えばベースバンド処理回路114から出力される制御信号によって切り替えられる。ベースバンド処理回路114は、例えば受信したUWB信号のプリアンブル部に格納された情報を用いて同期を確立し、濾波特性の切り替えタイミングを決定すればよい。
ポリフェイズフィルタ1001は、図5(b)に示すように、4個の抵抗器と4個のキャパシタとで構成された回路が、例えば直列に3段接続された構成である。
図5(a)では省略されているが、ポリフェイズフィルタ1001には、図5(b)に示すように、I信号及びQ信号の正転信号(Iin+、Qin+)とその反転信号(Iin−、Qin−)とが入力される。これらの信号は、絶対値が等しく、Iin+、Qin+、Iin−、Qin−の順に各々90°の位相差を備えている。
図5(b)に示すポリフェイズフィルタ1001は、各段の4個の抵抗器がそれぞれ等しい値で構成され、各段の4個のキャパシタがそれぞれ等しい値で構成されている。具体的には、Iin+とI+間、Qin+とQ+間、Iin−とI−間、Qin−とQ−間にそれぞれ抵抗器Rが配置され、Iin+とQ+間、Qin+とI−間、Iin−とQ−間、Qin−とI+間にそれぞれキャパシタCが配置されている。
同様に、I+とI+間、Q+とQ+間、I−とI−間、Q−とQ−間にそれぞれ抵抗器Rが配置され、I+とQ+間、Q+とI−間、I−とQ−間、Q−とI+間にそれぞれキャパシタCが配置されている。
また、I+とI+間、Q+とQ+間、I−とI−間、Q−とQ−間にそれぞれ抵抗器Rが配置され、I+とQ+間、Q+とI−間、I−とQ−間、Q−とI+間にそれぞれキャパシタCが配置されている。
このような構成では、例えばIin+から入力された信号は抵抗器Rを通してI+へ出力され、Iin+と270°の位相差を持つQin−から入力された信号はキャパシタC1を通してI+へ出力される。このとき、Iin+から入力された信号はそのままの位相でI+へ出力され、Qin−から入力された信号はキャパシタCのインピーダンス1/jwCによって位相が回転してI+へ出力される。そのため、I+では抵抗器R1を通過した信号とキャパシタC1を通過した信号とが打消し合う。
以上の処理は、Iin+、Qin+、Iin−、Qin−から入力された各信号に対して同様に実施され、さらに各段の回路においても同様の処理が実施される。そのため、図5(b)に示すポリフェイズフィルタ1001を用いると、I信号とQ信号の直交性を保ちつつ、所定の周波数信号の通過を阻止できる。
本実施形態では、図5(b)に示すポリフェイズフィルタ1001が備える各段の抵抗器及びキャパシタについて、R、R、Rが異なる値となるように設定する。これによりポリフェイズフィルタ1001の各段で阻止する周波数が異なる値となり、図5(c)に示すように広い周波数範囲の信号の通過を阻止する濾波特性が得られる。ポリフェイズフィルタ1001による阻止性能は、I信号とQ信号の直交性にも依存するが、40dBc以上に設定可能である。
なお、図5(c)に示す下向きの3つのピークは図5(b)に示したポリフェイズフィルタ1001の各段で阻止する周波数を示している。また、図5(c)に示す「−f阻止」はマイナス側の所定の周波数範囲(以下、マイナス周波数)の信号通過を阻止する特性(以下、−f阻止特性と称す)を示し、「+f阻止」はプラス側の所定の周波数範囲(以下、プラス周波数)の信号通過を阻止する特性(以下、+f阻止特性と称す)を示し、「全通過」はマイナス周波数及びプラス周波数の信号通過を阻止することなく全ての周波数信号を通過させる特性(以下、全通過特性と称す)を示している。
ホッピング複素フィルタ108の−f阻止特性及び+f阻止特性を、本明細書では「片側周波数抑圧」とも称す。
ホッピング複素フィルタ108を−f阻止特性に設定した場合はプラス周波数の信号がそのまま通過し、+f阻止特性に設定した場合はマイナス周波数の信号がそのまま通過する。また、ホッピング複素フィルタ108を全通過特性に設定した場合はマイナス周波数及びプラス周波数の信号が阻止されることなくそのまま通過する。
例えばC=C=C=1pF、R=216Ω、R=320Ω、R=567Ωに設定すれば、後述するイメージ周波数の除去に必要な264〜794MHz(または−264〜−792MHz)の広帯域の阻止特性が得られる。
このホッピング複素フィルタ108の−f阻止特性、+f阻止特性の切り替えはセレクタ1002を用いて実現する。セレクタ1002は、例えば図5(d)に示すように、第1のスイッチ群1003及び第2のスイッチ群1004を備えた構成である。
第1のスイッチ群1003は、オン時にポリフェイズフィルタ1001から出力されたI信号及びQ信号をそのまま通過させる。第2のスイッチ群1004は、オン時にポリフェイズフィルタ1001から出力されたI信号をそのまま通過させ、Q信号の正転信号と反転信号とを入れ替えて出力する。
このような構成では、第1のスイッチ群1003の各スイッチをオンにし、第2のスイッチ群1004の各スイッチをオフにすると、ホッピング複素フィルタ108が−f阻止特性に設定される。また、第1のスイッチ群1003の各スイッチをオフにし、第2のスイッチ群1004の各スイッチをオンにすると、ホッピング複素フィルタ108が+f阻止特性に設定される。
なお、上述したように、第2のスイッチ群1004では、I信号をそのまま通過させ、Q信号の正転信号と反転信号の接続を入れ替えるため、I信号とQ信号の信号経路の寄生容量あるいはスイッチのチャージインジェクションやゲートフィールドスルーが異なる値となり、位相回転が起きてI信号とQ信号の直交性が維持できないおそれがある。したがって、第2のスイッチ群1004の各スイッチは、I信号とQ信号の直交性が維持されるように、上記チャージインジェクションやゲートフィールドスルーの値が等しくなるように配置するのが好ましい。
また、無線通信装置の構成によっては、図6(a)〜(e)に示すようにセレクタ1002とポリフェイズフィルタ1001の順序を入れ替える構成も用いることができる。このような構成でも図5(b)〜(e)に示した回路と同様に動作する。
ホッピング複素フィルタ108を全通過特性に設定する方法としては、以下が考えられる。
例えば、ホッピング複素フィルタ108に、入出力端子間を接続するための第3のスイッチ群1009を備え(図5(d)参照)、ホッピング複素フィルタ108に入力されるI信号及びQ信号の正転信号と反転信号をそのまま出力するための経路を設ける構成がある。また、図5(b)に示したポリフェイズフィルタ1001が備える各キャパシタC〜Cの接続をスイッチによって切り離す構成がある。
上記第3のスイッチ群1009を備える構成は、−f阻止特性及び+f阻止特性の選択時に抵抗器を介して信号が出力され、全通過特性の選択時にスイッチを介して信号が出力されるため、−f阻止特性と全通過特性とで出力信号の減衰量に差が生じる。
それに対してポリフェイズフィルタ1001の各キャパシタの接続をスイッチで切り離す構成では、全通過特性の選択時も抵抗器を介して信号が出力されるため、−f阻止特性及び+f阻止特性と全通過特性とで出力信号の減衰量に差が生じない効果がある。なお、上記第3のスイッチ群1009を備える構成でも、全通過特性の選択時に抵抗器等の減衰器にホッピング複素フィルタ108の入出力端子間を接続すれば、上記の問題は回避できる。
さらに、ホッピング複素フィルタ108は、図5(e)に示すように、−f阻止特性のみ持つ第1のポリフェイズフィルタ1005、全通過特性を持つ第2のポリフェイズフィルタ1006、+f阻止特性のみ持つ第3のポリフェイズフィルタ1007及びそれらのフィルタ出力を切り替えるセレクタ1008を有する構成でもよい。
図5(b)に示したポリフェイズフィルタ1001は、図5(c)に示したように、基準周波数(0Hz)の軸に対して線対称の関係にある−f阻止特性と+f阻止特性とが得られる。図5(e)に示すホッピング複素フィルタ108は、−f阻止特性と+f阻止特性とを上記線対称の関係にしない場合に適した構成である。
なお、上記ホッピング複素フィルタ108は、受信したUWB信号を3つのバンドの信号に分離するための構成例を示しているが、分離数は3つに限定されるものではなく、いくつであってもよい。
次に第1の実施の形態の受信機の動作について説明する。
上述したように、UWB無線通信装置では、UWB信号が図4(b)に示した各バンド間で高速にホッピングする。図4(b)に示す四角はOFDMシンボルを示し、約500MHzの周波数帯域を備え、シンボル間のインターバルは約9.5nsである。
この周波数がホッピングするUWB信号は、図3に示したアンテナ101で受信され、ローノイズアンプ102で増幅された後、第1のコンバータ103のRFポートに入力される。
例えば第1のバンドグループを受信した場合、第1のダウンコンバータ103には第1のローカル発生器104で生成された3960MHzのローカル信号が供給される。第1のダウンコンバータ103のRFポートに入力された第1のバンド〜第3のバンドのUWB信号は、約−792MHzから+792MHzのIF(中間周波数)信号にダウンコンバートされて出力される。このとき、第1のダウンコンバータ103からは位相差が90°のIF信号であるI信号とQ信号がそれぞれ出力される。
I信号及びQ信号は、第1のダウンコンバータ103が備えるI側ローカルポート及びQ側ローカルポートへそれぞれローカル信号を供給することで得られる。I信号とQ信号は差動信号であり、I+、Q+、I−、Q−の順に各々90°の位相差を備えている。これら4つのIF信号がホッピング複素フィルタ108へ入力される。
図4(b)に示したシンボルf1の受信時、ホッピング複素フィルタ108はベースバンド処理回路114の制御により図5(c)に示す+f阻止特性に切り替わる。この場合、ホッピング複素フィルタ108は、図7(a)に示すようにシンボルf1(−792〜−264MHz)のイメージ周波数であるシンボルf3の周波数(+264〜+792MHz)の信号成分を抑圧する。ホッピング複素フィルタ108を通過したIF信号の周波数帯域は−792〜+264MHzであり、シンボルf1及びシンボルf2を含んでいる。
第2のダウンコンバータ109は、第2のローカル発生器110で生成された528MHzのローカル信号(第2のLO)301を用いてホッピング複素フィルタ108から出力された−792〜+264MHzのIF信号をダウンコンバートする。このとき、−792〜−264MHzのシンボルf1は0Hz(DC)を中心周波数とする−264〜+264MHzのベースバンド信号に変換され、−264〜+264MHzのシンボルf2はベースバンド信号の周波数帯域外へ移動させられる。
第2のダウンコンバータ109の出力信号は、230MHz付近にカットオフ周波数を有するローパスフィルタ111に入力され、ローパスフィルタ111はシンボルf2の電力及びその他の干渉波等の電力を減衰させる。
ローパスフィルタ111の出力信号は、可変ゲインアンプ112によってA/D変換器113のダイナミックレンジに合わせて所要の振幅まで増幅される。可変ゲインアンプ112の出力信号はA/D変換器113へ入力される。
A/D変換器113は、例えば528Mspsの変換レートで−264〜+264MHzのベースバンド信号(ここでは、シンボルf1)をデジタル信号に変換する。デジタル信号に変換されたシンボルf1にはベースバンド処理回路114によって周知の同期検出処理やOFDM信号の復調処理が施される。
一方、図4(b)に示したシンボルf2の受信時、ホッピング複素フィルタ108はベースバンド処理回路114の制御により図5(c)に示した全通過特性に切り替わる。この場合、ホッピング複素フィルタ108は、図7(b)に示すように第1のダウンコンバータ103から出力されたシンボルf2の周波数−264〜+264MHzの信号成分をそのまま通過させる。
シンボルf2の受信時、第2のダウンコンバータ109のLOポートには、例えば第2のダウンコンバータ109のオフセットを補正するためのDC電圧(第2のLO)が入力される。したがって、第2のコンバータ109は、RFポートから入力されたシンボルf2をそのままベースバンドポートから出力する。なお、シンボルF2の受信時、第2のダウンコンバータ109を通過させずに、ホッピング複素フィルタ108の出力信号をそのまま次段のローパスフィルタ111へ供給してもよい。
第2のダウンコンバータ109の出力信号は、230MHz付近にカットオフ周波数を有するローパスフィルタ111に入力され、ローパスフィルタ111は不要な干渉波等の電力を減衰させる。
以降、シンボルf1に対する処理と同様に、ローパスフィルタ111から出力されたシンボルf2は、A/D変換器113によってデジタル信号に変換され、ベースバンド処理回路114によって周知の同期検出処理やOFDM信号の復調処理が施される。
また、図4(b)に示したシンボルf3の受信時、ホッピング複素フィルタ108はベースバンド処理回路114の制御により図5(c)に示した−f阻止特性に切り替わる。この場合、ホッピング複素フィルタ108は、図7(c)に示すようにシンボルf3(+264〜+792MHz)のイメージ周波数であるシンボルf1の周波数−792〜−264MHzの信号成分を抑圧する。したがって、ホッピング複素フィルタ108を通過したIF信号の周波数帯域は−264〜+792MHzであり、シンボルf2及びシンボルf3を含んでいる。
第2のダウンコンバータ109は、第2のローカル発生器110で生成された528MHzのローカル信号302を用いてホッピング複素フィルタ108から出力された−264〜+792MHzのIF信号をダウンコンバートする。このとき、+264〜+792MHzのシンボルf3は0Hz(DC)を中心周波数とする−264〜+264MHzのベースバンド信号に変換され、−264〜+264MHzのシンボルf2はベースバンド信号の周波数帯域外へ移動させられる。
第2のダウンコンバータ109の出力信号は、230MHz付近にカットオフ周波数を有するローパスフィルタ111に入力され、ローパスフィルタ111はシンボルf2の電力及びその他の干渉波等の電力を減衰させる。
以降、シンボルf1及びf2に対する処理と同様に、ローパスフィルタ111から出力されたシンボルf3は、A/D変換器113によってデジタル信号に変換され、ベースバンド処理回路114によって周知の同期検出処理やOFDM信号の復調処理が施される。
第1の実施の形態の無線通信装置によれば、ローカル信号の周波数を各バンドグループの中心周波数に設定することで、特許文献1のように各バンドの中心周波数にローカル信号の周波数を設定する構成に比べて第1のダウンコンバータから出力されるIF信号の周波数を下げることができる。また、特許文献2では第1のダウンコンバータの後段の回路が1320MHzで動作する必要があるが、本実施形態ではその周波数の約1/1.7である792MHzで済む。さらに、ローカル信号の周波数をバンドグループ毎に1つとすることで、ローカル信号をミキサや分周器を用いて生成する必要がない。したがって、ローカル発生器104の回路面積や消費電力を低減できると共にDCオフセットやローカルリークを低減できる。
また、ホッピング複素フィルタ108を備えることで、高速なホッピングを実施する場合でもイメージ周波数を除去してマイナス周波数またはプラス周波数側の信号電力を高速に切り出すことができる。そのため、特許文献2に記載されたシンボルf1にローカル信号の周波数を設定する構成と比べても、第1のダウンコンバータの後段の回路の動作周波数が狭くて済む。また、ホッピング複素フィルタ108を備えることで、ベースバンド帯域外に存在する干渉波等の影響も低減できる。また、第2のローカル信号の周波数も528MHzだけで済むため、第2のダウンコンバータ109を容易に構成できる。
さらに、本実施形態では、背景技術と比べてA/D変換器の変換レートを大幅に下げることができる。本実施形態では、ローカル信号の周波数を各バンドグループの中心周波数に設定することで、IF信号のマイナス側の周波数帯域とプラス側の周波数帯域とが等しくなる。そのため、ローカル信号が1つであってもA/D変換器で必要な変換レートを最小限に抑制できる。したがって、A/D変換器113の回路面積や消費電力を低減できる。
具体的には、本実施形態では周波数帯域が約528MHz(−264〜+264MHz)の1つのバンドのシンボルのみをA/D変換すればよいため、A/D変換器の変換レートは1つのシンボルを変換するのに必要な約528Mspsとなり、最小限で済む。
それに対して、特許文献2ではローカル信号の周波数をシンボルf1の周波数に合わせて設定しているため、4つのシンボルを一括して変換する必要があり、A/D変換器113の変換レートは2112Mspsとなる。なお、本実施形態でもA/D変換器113の変換レートを2つ以上のシンボルのA/D変換に必要な値に設定してもよい。
ところで、UWB無線通信装置で用いるシンボルのトーン間隔は4.125MHzであり、トーン数が128本であるため、1シンボルをA/D変換するのに必要な変換レートは528Mspsあればよい。しかしながら、必要に応じて変換レートを約1.1倍あるいは1.2倍のように非整数倍に設定することも可能である。このことは、後述する第4の実施の形態で示す送信機が備えるD/A変換器にも適用される。
本実施形態では、ホッピング複素フィルタ108を用いてイメージ周波数を抑圧するため、他の無線通信装置で使用している電波が、例えばシンボルf3の周波数帯域に混入していても、シンボルf1には大きく影響することが無い。また、シンボルf3の周波数帯域で熱雑音等が発生していてもシンボルf1にはほとんど影響しない。
また、本実施形態で示したホッピング複素フィルタ108は、キャパシタ、抵抗器及びスイッチのみで構成されているため、基本的に定常電流を必要とせず、また高いリニアリティを持っている。無線LANや携帯電話機のような多くの干渉源が存在するUWB無線通信装置にとって高いリニアリティを備えていることの意義は大きい。また、能動素子を用いることによるノイズが発生しない構成も、特に受信機にとって大きなメリットとなる。例えば、トランスコンダクタンスアンプを用いて構成されたアクティブフィルタでは、上記ホッピング複素フィルタ108と同様の濾波特性を得るのに高い次数が必要であり、定常電流が大きくなり、高いリニアリティを得るのが困難であり、熱雑音や1/fノイズが大きい等の問題がある。
なお、ホッピング複素フィルタ108の濾波特性は、上述したようにベースバンド処理回路114から出力される制御信号によって切り替えられる。ベースバンド処理回路114は、受信したUWB信号のプリアンブル部に格納された情報を用いて同期を確立し、濾波特性の切り替えタイミングを決定すればよい。ホッピングシーケンスはプリアンブル部に含まれるヘッダー情報から識別できる。
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態について図面を用いて説明する。
図8は第2の実施の形態のUWB無線通信装置の構成を示すブロック図である。第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、UWB信号を受信する受信機の例を示す。
図8に示すように、第2の実施の形態の受信機は、受信アンテナ101、ローノイズアンプ(LNA)102、第1のダウンコンバータ103、第1のローカル発生器104、ホッピング複素フィルタ108、ベースバンド処理回路114、第1のローパスフィルタ401、可変ゲインアンプ402、A/D変換器403、第2のダウンコンバータ404及び第2のローパスフィルタ405を有する。
第2の実施の形態の受信機は、第2のダウンコンバータ404及び第2のローパスフィルタ405をデジタル信号処理で実現する例である。受信アンテナ101、ローノイズアンプ(LNA)102、第1のダウンコンバータ103、第1のローカル発生器104、ホッピング複素フィルタ108及びベースバンド処理回路114の構成は第1の実施の形態で示した受信機と同様であるため、その説明は省略する。
第1のローパスフィルタ401は、792MHz付近にカットオフ周波数を持ち、ホッピング複素フィルタ108から出力されたシンボルf1からシンボルf3までの周波数成分を通過させ、それ以外の周波数成分を減衰させる。第1のローパスフィルタ401は、UWB無線通信装置で使用する周波数帯外に存在する不要な電波(いわゆるブロッカ)及びノイズ等を減衰させるために備えている。
可変ゲインアンプ402は、第1の実施の形態と同様にA/D変換器403のダイナミックレンジに合わせて第1のローパスフィルタ401の出力信号を増幅する。本実施形態の可変ゲインアンプ402は、約792MHzまでの信号を増幅する必要がある。
本実施形態のA/D変換器403は、−528〜+528MHzのIF信号をデジタル信号に変換する変換レートを備えている。このような変換レートでA/D変換を行うと、そのナイキスト周波数よりも外側にある、例えばシンボルf1の−792〜−528MHzの信号成分がシンボルf3の周波数帯域内の+264〜+528MHzに現れる。これは、A/D変換によってナイキスト周波数である528MHzを中心にエイリアスが発生することに起因する。
ここで、A/D変換器403に入力されるIF信号は、ホッピング複素フィルタ809によって、例えばシンボルf1の受信時、シンボルf3の周波数の信号成分は既に除去されているため、A/D変換によってシンボルf3の周波数帯域にシンボルf1の信号成分が現れても問題になることが無い。
本実施形態の第2のダウンコンバータ404は、第1の実施の形態で示した第2のダウンコンバータ109と同様の機能を備え、上述したようにデジタル信号処理によって実現される。同様に、第2のローパスフィルタ405も、第1の実施の形態で示したローパスフィルタ111と同様の機能を備え、上述したようにデジタル信号処理によって実現される。第2のダウンコンバータ404及び第2のローパスフィルタ405の機能は、例えばプログラムによって内部に構成する回路の変更が可能な再構成デバイスやプログラムにしたがって処理を実行するCPU、あるいは演算処理を実行するDSP等を用いて実現できる。
次に図8に示した第2の実施の形態の受信機の動作について図面を用いて説明する。
シンボルf1の受信時(図9(a))、ホッピング複素フィルタ108は、第1の実施の形態と同様にベースバンド処理回路114の制御により図5(c)に示した+f阻止特性に切り替わる。この場合、ホッピング複素フィルタ108は、シンボルf1(−792〜−264MHz)のイメージ周波数であるシンボルf3の周波数+264〜+792MHzの信号成分を抑圧する。したがって、ホッピング複素フィルタ108を通過したIF信号の周波数帯は−792〜+264MHzであり、シンボルf1及びシンボルf2を含んでいる。
ホッピング複素フィルタ108を通過したIF信号は第1のローパスフィルタ401に入力される。第1のローパスフィルタ401はシンボルf1及びシンボルf2の信号成分を通過させると共にそのカットオフ周波数外の不要な電波やノイズを抑圧する。
第1のローパスフィルタ401を通過したIF信号は可変ゲインアンプ402で増幅され、A/D変換器403に入力される。
A/D変換器403は、IF信号に含まれるシンボルf1を−528〜−264MHzと+264〜+528MHzの信号成分から成るデジタル信号に変換し、シンボルf2を−264〜+264MHzの信号成分から成るデジタル信号に変換する。A/D変換器403でデジタル信号に変換されたIF信号は第2のダウンコンバータ404へ入力される。
第2のダウンコンバータ404は、第1の実施の形態で示した第2のダウンコンバータ109と同様に、デジタル信号に変換されたIF信号をダウンコンバートする。このとき、−528〜−264MHzと+264〜+528MHzの信号成分から成るシンボルf1は0Hz(DC)を中心周波数とする−264〜+264MHzのベースバンド信号に変換され、−264〜+264MHzのシンボルf2はベースバンド信号の周波数帯域外へ移動させられる。
第2のダウンコンバータ404の出力信号は、230MHz付近にカットオフ周波数を有する第2のローパスフィルタ405に入力され、第2のローパスフィルタ405はシンボルf2の電力及びその他の干渉波等の電力を減衰させる。
第2のローパスフィルタ405を通過したシンボルf1は、ベースバンド処理回路114へ入力され、周知の同期検出処理やOFDM復調処理が施される。
一方、シンボルf2の受信時(図9(b))、ホッピング複素フィルタ108はベースバンド処理回路114の制御により図5(c)に示した全通過特性に切り替わる。この場合、ホッピング複素フィルタ108は、第1のダウンコンバータ103から出力されたシンボルf2の周波数−264〜+264MHzの信号成分をそのまま通過させる。
第1のローパスフィルタ401を通過したIF信号は第2の可変ゲインアンプ402で増幅され、A/D変換器403に入力される。
A/D変換器403は、IF信号に含まれる−264〜+264MHzのシンボルf2をデジタル信号に変換する。A/D変換器403でデジタル信号に変換されたIF信号は第2のダウンコンバータ404へ入力される。
第2のダウンコンバータ404は、第1の実施の形態で示した第2のダウンコンバータ109と同様に、ローカル信号(第2のLO)としてDC電圧を用いてデジタル信号に変換されたシンボルf2をダウンコンバートすることなく、そのまま出力する。
第2のダウンコンバータ404の出力信号は、230MHz付近にカットオフ周波数を有する第2のローパスフィルタ405に入力され、第2のローパスフィルタ405は不要な干渉波等の電力を減衰させる。
第2のローパスフィルタ405を通過したシンボルf2は、ベースバンド処理回路114へ入力され、周知の同期検出処理やOFDM復調処理が施される。
また、シンボルf3の受信時(図9(c))、ホッピング複素フィルタ108は、第1の実施の形態と同様にベースバンド処理回路114の制御により図5(c)に示した−f阻止特性に切り替わる。この場合、ホッピング複素フィルタ108は、シンボルf3(+264〜+792MHz)のイメージ周波数であるシンボルf1の周波数−792〜−264MHzの信号成分を抑圧する。したがって、ホッピング複素フィルタ108を通過したIF信号の周波数帯は+264〜+792MHzであり、シンボルf2及びシンボルf3を含んでいる。
ホッピング複素フィルタ108を通過したIF信号は第1のローパスフィルタ401に入力される。第1のローパスフィルタ401はシンボルf2及びシンボルf3の信号成分を通過させると共にそのカットオフ周波数外の不要な電波やノイズを抑圧する。
第1のローパスフィルタ401を通過したIF信号は可変ゲインアンプ402で増幅され、A/D変換器403に入力される。
A/D変換器403は、IF信号に含まれるシンボルf3を−528〜−264MHzと+264〜+528MHzの信号成分から成るデジタル信号に変換し、シンボルf2を−264〜+264MHzの信号成分から成るデジタル信号に変換する。A/D変換器403でデジタル信号に変換されたIF信号は第2のダウンコンバータ404へ入力される。
第2のダウンコンバータ404は、第1の実施の形態で示した第2のダウンコンバータ109と同様にデジタル信号に変換されたIF信号をダウンコンバートする。このとき、−528〜−264MHzと+264〜+528MHzの信号成分から成るシンボルf3は0Hz(DC)を中心周波数とする−264〜+264MHzのベースバンド信号に変換され、−264〜+264MHzのシンボルf2はベースバンド信号の周波数帯域外へ移動させられる。
第2のダウンコンバータ404の出力信号は、230MHz付近にカットオフ周波数を有する第2のローパスフィルタ405に入力され、第2のローパスフィルタ405はシンボルf2の電力及びその他の干渉波等の電力を減衰させる。
第2のローパスフィルタ405を通過したシンボルf3は、ベースバンド処理回路114へ入力され、周知の同期検出処理やOFDM復調処理が施される。
第2の実施の形態の受信機によれば、第1の実施の形態で示したローカル周波数を各バンドグループで固定することによる効果やホッピング複素フィルタを用いることによる効果に加えて、アナログ回路を用いたダウンコンバージョンが1度だけとなり、第2のダウンコンバージョンのために必要なミキサやローカル信号発生器等が不要になる。したがって、そのための回路面積や消費電力を低減できる。
また、A/D変換器403の変換レートも約1Gspsであり、特許文献2のように約2Gspsの変換レートを必要とする構成に比べて消費電力を約半分に低減できる。
さらに、可変ゲインアンプ402を通過する信号の周波数も792MHz程度までで済むため、背景技術例の1.3GHzよりも低くなる。可変ゲインアンプ402bの動作周波数が低くなることで、周知のゲイン・帯域積が一定であるとの原理に基づきアンプ1段あたりのゲインを大きくすることが可能になるため、アンプの段数を低減することが可能であり、可変ゲインアンプ402の回路面積や消費電力を低減できる。
なお、本実施形態の受信機では、A/D変換器403としてインターリーブを実施する構成を用いることも可能である。その場合、A/D変換器403は、I信号用及びQ信号用の2つのA/D変換器を備え、I信号及びQ信号をそのままA/D変換する処理と、I信号またはQ信号のいずれか一方のみをA/D変換する処理とを実施するインターリーブ動作によって、1つのA/D変換器の変換時間の2倍の変換レートを実現できる。
例えばA/D変換器の変換レートが1056Mspsの場合、通常はI信号及びQ信号を1056Mspsで変換し、インターリーブ時はI信号またはQ信号のいずれか一方を1056Mspsの2倍の速度である2112Mspsで変換する。
このような構成は、インターリーブの有無を切り替えるためにA/D変換器の直前にI信号及びQ信号をそのまま通過させたり、I信号またはQ信号のみを2つのA/D変換器へ入力するためのセレクタを配置する構成が考えられる。
その場合、A/D変換器の出力側にも、変換後のI信号及びQ信号をそのまま通過させたり、インターリーブ時に各A/D変換器から交互に出力される信号を適正な順序に並び替えるためのセレクタを配置すればよい。
インターリーブを実施する場合のA/D変換器の動作について図10に示す。
以下では、シンボルf1、f3の受信時、A/D変換器403がインターリーブ動作し、シンボルf2の受信時はインターリーブ動作しないものとする。
シンボルf1の受信時、A/D変換器403からはシンボルf1のI信号またはQ信号のいずれか一方のみが出力され、第2のダウンコンバータ404に入力される。
第2のダウンコンバータ404は、第1の実施の形態の第2のダウンコンバータと同様に、入力された−792〜−264MHzのシンボルf1を−264〜+264MHzのベースバンド信号にダウンコンバートする(図10(a))。このとき、−264〜+264MHzにあったシンボルf2はベースバンド信号の周波数帯域外へ移動させられる。
シンボルf2の受信時、シンボルf2はホッピング複素フィルタ108をそのまま通過し、A/D変換器403へ入力される(図10(b))。
この場合、A/D変換器403は、インターリーブ動作を行わず、各A/D変換器によりI信号及びQ信号をそれぞれA/D変換する。ここでは、インターリーブを行わないため、I信号及びQ信号の変換レートは1056Mspsとなる。シンボルf2の信号は−264〜+264MHzに存在し、A/D変換によるナイキスト周波数は1056MHzの1/2である528MHzになるため、十分なマージンを有してA/D変換が可能である。
上述したように、本実施形態ではシンボルf1の−528〜−792MHzの周波数成分が−264〜−528MHzに折り返すが、シンボルf2の周波数と重ならないため問題とはならない。同様に、シンボルf3の+528〜+792MHzの周波数成分も問題とはならない。
シンボルf3の受信時、第1の実施の形態と同様に、ホッピング複素フィルタ108は−f阻止特性に切り替わり、シンボルf1の周波数を抑圧しながらシンボルf3を通過させる(図10(c))。
A/D変換器403は、シンボルf1と同様にインターリーブ動作し、I信号またはQ信号のいずれか一方のみA/D変換を行う。A/D変換後の信号は第2のダウンコンバータ404に入力され、ベースバンド信号に変換されて出力される。
A/D変換器403がインターリーブ動作する場合でも、その変換レートは約1Gspsであり、背景技術のように約2Gspsの変換レートを用いる場合に比べて消費電力を約半分にできる。
本実施形態によれば、約528MHz帯域の2つのシンボルをA/D変換する際に約1Gspsの変換レートで済むため、特許文献2のように4つのシンボルを変換するのに必要な変換レートは不要である。
図11に以上説明した本実施形態の動作を模式的に示す。
(第3の実施の形態)
次に本発明の第3の実施の形態について図面を用いて説明する。
図12は第3の実施の形態のUWB無線通信装置の構成を示すブロック図である。第3の実施の形態では、第1及び第2の実施の形態と同様に、UWB信号を受信する受信機の例を示す。
図12に示すように、受信アンテナ101、ローノイズアンプ(LNA)102、第1のダウンコンバータ103、第1のローカル発生器104、第1のローパスフィルタ401、可変ゲインアンプ402、第2のダウンコンバータ404、第2のローパスフィルタ405、ベースバンド処理回路114、A/D変換器601及びホッピング複素フィルタ602を有する。
第3の実施の形態の受信機は、ホッピング複素フィルタ602、第2のダウンコンバータ404及び第2のローパスフィルタ405をデジタル信号処理で実現する点で第1の実施の形態と異なっている。ホッピング複素フィルタ602、第2のダウンコンバータ404及び第2のローパスフィルタ405の機能は、例えばプログラムによって内部に構成する回路の変更が可能な再構成デバイスやプログラムにしたがって処理を実行するCPU、あるいは演算処理を実行するDSP等を用いて実現できる。受信アンテナ101、ローノイズアンプ(LNA)102、第1のダウンコンバータ103、第1のローカル発生器104及びベースバンド処理回路114の構成及び動作は第1の実施の形態で示した受信機と同様であり、第1のローパスフィルタ401、可変ゲインアンプ402、第2のダウンコンバータ404及び第2のローパスフィルタ405の構成及び動作は第2の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。
図12に示すように、本実施形態の受信機は、第1のダウンコンバータ103の後段にホッピング複素フィルタを備えていない構成である。第1のローパスフィルタ401及び可変ゲインアンプ402は第2の実施の形態と同様に動作する。第1のローパスフィルタ401の出力信号はA/D変換器601によりデジタル信号に変換される。
本実施形態のA/D変換器601は、1584Mspsの変換レートを備え、シンボルf1からシンボルf3を一括してデジタル信号に変換する。A/D変換器601の出力信号はホッピング複素フィルタ602に入力され、ホッピング複素フィルタ602の出力信号は第2のダウンコンバータ404に入力される。第2のダウンコンバータ404以降の動作は第2の実施の形態と同様である。
本実施形態では、ホッピング複素フィルタ602をデジタル信号処理によって実現する。そのため、第1の実施の形態及び第2の実施の形態で示した効果に加えて、第2の実施の形態よりもさらにアナログ回路を低減できる。このような構成は、第2の実施の形態よりも回路面積を低減することが可能であり、アナログ回路で構成した際に現れるクロストーク等も低減できる。
上述したように本実施形態のA/D変換器601は、1584Mspsの変換レートを備えている。本実施形態では、約528MHz帯域の3つのシンボルを一括してA/D変換するために、A/D変換器601の変換レートが約1584Mspsで済む。本実施形態では第2の実施の形態よりもA/D変換器601の変換レートが高くなるが、背景技術例に対して約3/4の変換レートで済むため、消費電力も約3/4となる。
なお、本実施形態の第1のダウンコンバータ103は、ブロッカを除去する能力を備えていることが好ましい。第1のダウンコンバータ103に適した、ブロッカの除去能力を備えたダウンコンバータの構成例を図13に示す。
図13(a)に示す第1のダウンコンバータ103は差動トランジスタペア701及びテイルトランジスタ702を備えた構成である。
差動トランジスタペア701とテイルトランジスタ702とはシングルバランス型ミキサを構成している。負荷抵抗703には、直列に接続されたインダクタ704及びキャパシタ705が並列に接続されている。
図13(a)に示す構成では、インダクタ704及びキャパシタ705が共振周波数近傍にて低抵抗となり、負荷インピーダンスを低下させてミキサとしての変換ゲインを低下させる。したがって。この共振周波数をブロッカの周波数に設定することでミキサにブロッカを除去する能力を持たせることができる。
例えば、上述した第1のバンドグループを受信する場合、第1のダウンコンバータ103へ入力するローカル信号の周波数は中心周波数である3960MHzに設定される。この場合、802.11aに準拠した無線LANで用いる5.2GHzの電波がブロッカとなる。これは、3960MHzから約1.2GHz離れた周波数である。
一方、第1のダウンコンバータ103は、約−0.8〜0.8GHzのIF周波数帯で動作する。つまり、第1のダウンコンバータのIF出力では、0.8GHzまでの信号を減衰することなく通過させ、かつ1.2GHz付近のブロッカを減衰させることが好ましい。したがって、図13(a)に示すインダクタ704とキャパシタ705による共振周波数を1.2GHzに設定することで、ブロッカを大きく減衰させることができる。
図13(b)に示す第1のダウンコンバータ103は、直列に接続されたインダクタ706及びキャパシタ707を差動出力間に接続した構成例である。このような構成でも図13(a)に示す構成と同様の効果が得られる。図13(b)に示す構成は、コモンモード信号を除去することができないが、素子数を低減できるため、回路面積を小さくできる効果がある。
通常、無線LANでは送信電力が大きいため、1.2GHz付近のブロッカの減衰量は40dB以上であることが好ましい。しかしながら、0.8GHzと1.2GHzとでは周波数差が少ないため、UWB無線通信装置で用いる周波数帯域の信号を通過させつつ無線LAN等のブロッカを除去するためにはローパスフィルタの次数を大きくする必要がある。そのため、ローパスフィルタの回路面積や消費電力が増大する。
本実施形態のように、第1のダウンコンバータ103に、図13(a)や図13(b)に示した回路を用いればローパスフィルタの回路面積や消費電力を低減できる。
(第4の実施の形態)
図14は第4の実施の形態のUWB無線通信装置の構成を示すブロック図である。第4の実施の形態ではUWB信号を送信する送信機の例を示す。
図14に示すように、本実施形態の送信機は、ベースバンド処理回路114、第1のアップコンバータ811、D/A変換器810、ローパスフィルタ809、ホッピング複素フィルタ808、第1のローカル発生器104、第2のアップコンバータ803、パワーアンプ802及び送信アンテナ801を有する。
第1のアップコンバータ811は、デジタル信号処理で実現され、例えば528MHzのローカル信号を用いて、−264〜+264MHzのベースバンド信号を、528MHzを中心周波数とする+264〜+792MHzのIF信号に変換する。第1のアップコンバータ811は、受信機と同様に、シンボルf2の送信時は周波数を変換する必要がないため、ベースバンド処理回路114から入力された信号をそのまま通過させればよい。
本実施形態のD/A変換器810は、シンボルf1の中心周波数からシンボルf3の中心周波数までをD/A変換すればよい。具体的には−528〜+528MHzのIF信号をD/A変換できる変換レートを備えていればよい。
このような変換レートでD/A変換を行うと、そのナイキスト周波数よりも外側にある、例えばシンボルf1の−792〜−528MHzの信号成分がシンボルf3の周波数帯域内の+264〜+528MHzに現れる。これは、D/A変換によってナイキスト周波数である528MHzを中心にエイリアスが発生することに起因する。
本実施形態の送信機では、ホッピング複素フィルタ808によって、例えばシンボルf1の送信時、シンボルf3の周波数の信号成分が除去されるため、D/A変換によってシンボルf3の周波数帯域にシンボルf1の信号成分が現れても問題となることが無い。
ローパスフィルタ809は−792〜+792MHzのIF帯域内の周波数成分を通過させ、該IF帯域外の周波数成分を減衰させる。シンボルf1またはシンボルf3の送信時、シンボルf2の周波数は無信号(ヌル)となるため、シンボルf1以下、及びシンボルf3以上の周波数で発生するエイリアスもヌルとなる。
シンボルf2の帯域は約528MHzであるため、このエイリアスのヌルは約528MHzの帯域幅を持つ。すなわち、シンボルf1及びシンボルf2の送信時は、絶対値で約792MHzまでの周波数帯域で信号が存在し、+792〜+1320MHzの周波数帯域がヌルの区間となり、ローパスフィルタ809には急峻な減衰特性が要求されない。したがって、ローパスフィルタ809の次数を下げることができる。
一方、シンボルf2の送信時は、792MHz以上の周波数でエイリアスが発生するが、+264〜+792MHzの信号がヌルとなる。したがって、シンボルf2の送信時、ローパスフィルタ809のカットオフ周波数は、シンボルf1及びシンボルf3の送信時よりも低く設定することが好ましい。これによりシンボルf2の送信時も比較的低い次数のローパスフィルタ809を使用できる。但し、高次のフィルタを用いても送信機全体の消費電力や回路面積等に影響を与えない場合は、カットオフ周波数を792MHzで固定したローパスフィルタを用いてもよい。
ホッピング複素フィルタ809は、受信機で用いるホッピング複素フィルタ108と同様の機能を備えている。但し、必要に応じて受信機と送信機でホッピング複素フィルタの濾波特性を変えることも可能である。
次に第4の実施の形態の送信機の動作について説明する。
図14に示したベースバンド処理回路114からは、送信用のOFDMベースバンド信号が出力され、第1のアップコンバータ811に入力される。
シンボルf1の送信時、第1のアップコンバータ811は、DCを中心とするバースバンド信号を、例えば528MHzを中心とするIF信号に変換する。第1のアップコンバータ811から出力されたIF信号はD/A変換器810に入力される。
上述したように、本実施形態のD/A変換器810のサンプリング周波数や変換レートは1056MHzであり、ナイキスト周波数が528MHzになるため、図15(a)の斜線部で示すように、シンボルf1の周波数帯域−792〜−528MHzに、+264〜+528MHzの信号がエイリアスとして現れる。
ローパスフィルタ809は、例えばカットオフ周波数を792MHz以上に備えることで不要な信号を除去する。不要な信号としては上述した1320MHz以下の不要なエイリアスである。ローパスフィルタ809の出力信号はホッピング複素フィルタ808に入力される。
ホッピング複素フィルタ808は、シンボルf1の送信時は+阻止特性に切り替わり、シンボルf3の周波数成分を抑圧すると共にシンボルf1を通過させる。ホッピング複素フィルタ808の出力信号は第2のアップコンバータ803のIFポートに入力される。
第2のアップコンバータ803は、第1のローカル発生器104で生成されたローカル信号を用いてIF信号をRF信号に変換する。第2のアップコンバータ803の出力信号はパワーアンプ802に入力され、パワーアンプ802により所定の送信レベルまで増幅され、送信アンテナ801を介して空間に放射される。
シンボルf2の送信時、第1のアップコンバータ811はシンボルf2をアップコンバージョンせずにそのまま出力する。第1のアップコンバータ811のアップコンバージョンを停止させる方法としては、例えば第1のアップコンバータ811にローカル信号としてDC信号を入力する方法、あるいはスイッチ等を用いて第1のアップコンバータ811を通過しない経路を設ける方法がある。
第1のアップコンバータ811を通過したシンボルf2は、D/A変換器810でアナログ信号に変換され、ローパスフィルタ809により不要なエイリアスが除去される。
図15(b)に示すように、このときシンボルf1及びシンボルf3には信号が無いため、上述したようにこの領域に遷移域を設けることが可能であり、ローパスフィルタは比較的低次の構成で済む。好ましくは、シンボルf2の選択時は、シンボルf1及びシンボルf3の送信時よりもローパスフィルタ809のカットオフ周波数が低くなるように切り替える。ホッピング複素フィルタ808は、全通過特性に切り替わり、シンボルf2を通過させる。
ホッピング複素フィルタ808は、シンボルf3の送信時、−f阻止特性に切り替わり、シンボルf1の周波数成分を抑圧すると共にシンボルf3を通過させる(図15(c)参照)。
第1のローカル発生器104で生成するローカル信号の周波数は、第1の実施の形態〜第3の実施の形態で示した受信機と同様に各バンドグループの中心周波数に設定され、周波数をホッピングする場合でもバンドグループ毎に固定の周波数とする。すなわち、ローカル信号の周波数はバンドグループ毎に1つのみとなる。
したがって、本実施形態の送信機では、第2のアップコンバータ803を構成する素子間のばらつきに起因して発生するローカルリークを低減できる。例えばローカル信号が3つである場合、3つの周波数それぞれにおいてローカルリークを補正する必要があるため、補正に用いるD/A変換器等の補正回路の規模が大きくなる。
一方、本実施形態の送信機では、補正すべきローカルリークが1つの周波数のみであり、ホッピングに合わせて補正量を切り換える必要はない。したがって、補正用の回路の規模や消費電力を飛躍的に小さくできる。また、本実施形態では、周波数帯域が約528MHzの2つのシンボルをD/A変換するため、D/A変換器の変換レートが約1Gspsで済む。
本実施形態の送信機によれば、バンドグループの中心周波数にローカル発生器で生成するローカル信号の周波数を設定することで、IF信号のマイナス側の周波数帯域とプラス側の周波数帯域とが等しくなる。そのため、ローカル信号が1つであってもD/A変換器に必要とされる変換レートを最小限に抑制できる。また、ローカル信号の周波数をバンドグループ毎に1つとすることで、ローカル信号をミキサや分周器を用いて生成する必要がなくなる。
さらに、濾波特性を切り替えることが可能なホッピング複素フィルタを備えることで、バンドのホッピング毎に変化するイメージ信号を除去することが可能となり、所望のバンドの信号を切り出すことができる。そのため、ローカル発生器やD/A変換器等に規模が大きい回路や高速に動作する回路を用いる必要がない。したがって、ローカル発生器やD/A変換器等の回路面積や消費電力を低減できると共に、高速なホッピングを実施するために発生するローカルリークやスプリアスを低減できる。
以上、図14及び図15に関する説明では、図5に示したホッピング複素フィルタ808を使用する場合を想定しているが、ホッピング複素フィルタ808には、目的とする動作に応じて、適宜、図6に示した構成を使用してもよい。
なお、本実施形態の送信機では、D/A変換器810にインターリーブを実施する構成を用いることも可能である。その動作について図16を用いて説明する。
図16は2つのD/A変換器によるインターリーブ動作の有無を切り替える構成例である。
図16に示す2つのD/A変換器は、シンボルf1からシンボルf3をD/A変換するのに必要な変換レートの約1/2程度、あるいはそれ以上の変換レートを備えていればよい。具体的には、シンボルf1からシンボルf3までは概ね−792〜+792MHzであるため、通常、変換レートとしては、この範囲をカバーする1584Mspsが必要であるが、本実施形態では792MHz程度かそれ以上でよい。
これは、+f阻止特性あるいは−f阻止特性を備えるホッピング複素フィルタ808によって不要な帯域が除去されることによる。例えばシンボルf1の送信時、D/A変換器810はインターリーブ動作をする。この場合、792Mspsの変換レートを備えた2つのA/D変換器をインターリーブ動作させることで、D/A変換器810として2倍の1584Mspsの変換レートを得ることができる。これによりI信号またはQ信号のいずれか一方、例えばI信号のみをD/A変換することになるが、一方の信号のみをD/A変換することで生じるイメージ信号(シンボルf1の場合はシンボルf3)はホッピング複素フィルタ808によって除去される。つまりホッピング複素フィルタ808を備えることでシンボルf1のみが切り出される。
一方、シンボルf2の送信時、D/A変換器810は、インターリーブ動作することなくI信号及びQ信号を2つのD/A変換器でそれぞれD/A変換する。このときの変換レートは792Mspsであり、ナイキスト周波数は1/2の396MHzとなる。この場合、シンボルf2は絶対値で264MHzまでの範囲に存在するので、十分なマージンを持ってアナログ信号に変換できる。
シンボルf3の送信時、D/A変換器810は、シンボルf1の送信時と同様にインターリーブ動作を行う。このときホッピング複素フィルタ808は−f阻止特性に切り替わり、シンボルf1の周波数成分を阻止すると共にシンボルf3を通過させる。
このようにD/A変換器810にてインターリーブ動作を行うと共にホッピング複素フィルタ808を備えることで、D/A変換器810の変換レートを下げることができるため、D/A変換器810の消費電力や回路面積を低減できる。
(第5の実施の形態)
図17は第5の実施の形態のUWB無線通信装置の構成を示すブロック図である。第5の実施の形態は、第1〜第3の実施の形態と同様にUWB信号を受信する受信機の例である。
図17に示すように、第5の実施の形態の受信機は、第1の実施の形態で示した受信アンテナ101、ローノイズアンプ(LNA)102、第1のダウンコンバータ103、第1のローカル発生器104、ホッピング複素フィルタ108及びベースバンド処理回路114に加えて、選択フィルタ1101、可変ゲインアンプ1102及びA/D変換器1103を有する。
第5の実施の形態の受信機は、第1の実施の形態で示した第2のダウンコンバータに変えてホッピング複素フィルタ108の後段に濾波特性の変更が可能な選択フィルタ1101が接続された構成である。受信アンテナ101、ローノイズアンプ(LNA)102、第1のダウンコンバータ103、第1のローカル発生器104、ホッピング複素フィルタ108及びベースバンド処理回路114の構成は第1の実施の形態で示した受信機と同様であるため、その説明は省略する。
選択フィルタ1101は、シンボルf1及びシンボルf3の受信時、例えば264〜792MHzの周波数を通過させ、それ以外を減衰させるバンドパスフィルタとして動作する。
一方、シンボルf2の受信時、選択フィルタ1101は、例えば264MHz付近の周波数までを通過させ、それ以外を減衰させるローパスフィルタとして動作する。選択フィルタ1101の濾波特性は、ホッピング複素フィルタ108と同様に、例えばベースバンド処理回路114からの制御信号にしたがって、UWB信号のホッピング動作に合わせて高速に切り替えられる。
可変ゲインアンプ1102は、第2の実施の形態と同様に、例えばシンボルf1からシンボルf3が通過する792MHz程度までの周波数信号を増幅する。
本実施形態のA/D変換器1103では、例えば可変ゲインアンプ1102と同様に792MHz程度までの周波数信号をA/D変換するが、変換レートを、例えば528Mspsに設定する。つまりナイキスト周波数を264MHzに設定する。
通常、これはDC付近のシンボルf2のみ変換する場合に必要な帯域であるが、本実施形態ではシンボルf1及びシンボルf3をこの変換レートでアンダーサンプリングする。
本実施形態ではホッピング複素フィルタ108までは第1の実施の形態と同様に動作する。
選択フィルタ1101は、シンボルf1の受信時、図18(a)に示すようにシンボルf1の周波数成分を通過させ、その他の信号やノイズを抑圧するバンドパスフィルタ(BPF)として動作する。
可変ゲインアンプ1102は、フィルタ1101から出力されたIF信号をA/D変換器1103のダイナミックレンジに合わせて必要なレベルまで増幅し、A/D変換1103へ出力する。
A/D変換1103は、上述したようにシンボルf1をアンダーサンプリングする。
A/D変換1103がアンダーサンプリング可能なのは、ホッピング複素フィルタ108とフィルタ1101によって、ほぼシンボルf1のみが切り出されているからである。
同様に、シンボルf2の受信時、ホッピング複素フィルタ108は全通過特性に切り替わり、フィルタ1101はシンボルf2を切り出すためにローパスフィルタ(LPF)として動作する(図18(b)参照)。
シンボルf2は、A/D変換器1103のナイキスト周波数内にあるため、A/D変換器1103によって問題なくA/D変換される。
同様に、シンボルf3の受信時、ホッピング複素フィルタ108は−f阻止特性に切り替わり、フィルタ1101はシンボルf3を切り出すバンドパスフィルタ(BPF)として動作する(図18(c)参照)。
シンボルf3は、A/D変換器1103のナイキスト周波数外にあるが、ホッピング複素フィルタ108とフィルタ1101によって、ほぼシンボルf3のみが切り出されているため、A/D変換器1103によって問題なくA/D変換される。
本実施形態によれば、A/D変換器113が1つのシンボルを変換するのに必要な最低限の変換レート(528Msps)で済むため、A/D変換器1103の回路面積や消費電力を最小限にできる。
本実施形態の受信機は、第1の実施の形態〜第3の実施の形態の受信機と同様の効果に加えて、受信機全体の回路面積や消費電力を最小限にできる効果がある。
なお、上記第1の実施の形態〜第5の実施の形態では、バンドグループが3つのバンドから構成される例で説明したが、バンドグループを構成するバンドの数は3つに限定されるものではなく、ローカル信号の周波数をバンドグループの中心周波数に設定すれば、バンドグループを構成するバンドの数は、奇数または偶数に関係なく、いくつであっても上記と同様の効果を得ることができる。
例えばバンドグループが3つ(奇数)のバンドで構成される場合は、第1の実施の形態〜第5の実施の形態と同様に、ローカル信号の周波数を第2のバンドの中心周波数に設定すればよい。また、バンドグループが4つ(偶数)のバンドで構成される場合は、ローカル信号の周波数を第2のバンドと第3のバンド間の周波数に設定すればよい。
本発明のUWB無線通信装置によれば、ホッピング複素フィルタを用いてイメージ信号を抑圧することで、A/D変換器やD/A変換器の変換レートを最小限に抑制できる。このとき、ローカル信号の周波数がバンドグループの中心周波数から多少離れていても、イメージ信号のぶつかり合いがある限り、ホッピング複素フィルタを用いてイメージ信号を濾波することによる本発明の優れた効果が得られる。
(第6の実施の形態)
第1の実施の形態〜第5の実施の形態では、3つのバンド間を順次ホッピングするUWB無線通信装置の構成例を示したが、より高速な通信を実現するために複数のバンドを同時に使用する通信方式も考えられる。
図19は第6の実施の形態のUWB無線通信装置の構成を示すブロック図である。図19は、複数のバンド間を順次ホッピングする通信方式と複数のバンドを同時に使用する通信方式の両方に対応できるUWB無線通信装置の構成例を示している。
図19に示すUWB無線通信装置は、図8に示したUWB無線通信装置に、I信号及びQ信号に対応して2組備えるA/D変換器の出力信号をそのまま次段に出力する、あるいはI信号またはQ信号のいずれか一方のみ出力するためのスイッチ2001及び上位レイヤとの通信が可能な制御部2005を追加した構成である。
制御部2005は、ベースバンド信号処理を行う信号処理回路2003と無線通信装置が備える各構成要素を制御する制御回路2002とを備えている。
制御部2005は、ホッピング複素フィルタ108、ローカル発生器104、ローパスフィルタ401、可変ゲインアンプ402、A/D変換器403、スイッチ2001、第2のダウンコンバータ(直交変調器)404及び第2のローパスフィルタ405の動作を制御する。
具体的には、制御部2005は、ローカル信号の周波数を変化させたり、ホッピング複素フィルタ108の通過帯域を制御したり、A/D変換器403の変換レートを変化させたり、各構成要素の電源をOFFして動作を停止させたりする。
次に第6の実施の形態の動作について図20及び図21を用いて説明する。
ホッピング通信においては、上述したようにホッピング複素フィルタの特性を高速に切り換えることで、シンボルf1〜f3の各信号を順次切り出すことができる。これは送信機にも受信機にも当てはまる。
図20に示すように、第6の実施の形態のUWB無線通信装置は、第2の実施の形態(図8、図9、図10、図11)と同様に動作するが、A/D変換器のバンド幅(帯域)、ローパスフィルタの通過域(帯域)、I信号及びQ信号を停止する動作などが異なる。
本実施形態のUWB無線通信装置では、A/D変換器403に、ホッピングする全てのバンドをカバーする変換レートを備える。例えば、UWBでは3バンドの周波数帯域の信号をA/D変換可能なA/D変換器を備える。本実施形態の場合、A/D変換器403の変換レートは1584Mspsとなる。
本実施形態では、このA/D変換器403の変換レートをシンボルf1〜f3のホッピング中に変化させない。但し、シンボルf1とシンボルf3とでは、ホッピング複素フィルタ108の処理によって信号が実領域(リアル領域)に存在するため、I信号及びQ信号用に2つ備えるA/D変換器403のいずれか一方の動作を停止できる。
A/D変換器403のいずれか一方のみを動作させる場合、複素領域(±792MHz)の片側領域を変換するため、変換レートは同じでも変換できる帯域は両側動作の1/2となる。すなわち、I信号用及びQ信号用のA/D変換器403にて3バンドの信号成分をA/D変換できるため、一方のA/D変換器403で1.5バンド分の信号成分をA/D変換できる。
第1のローパスフィルタ401に関しても同様であり、本実施形態の第1のローパスフィルタ401は、複素領域で3バンドの周波数成分を通過させる周波数特性を備え、リアル領域で1.5バンドの周波数成分を通過させる周波数特性を備える。例えば、UWBでは、複素領域で±792MHz(3バンド分)の周波数成分を通過させる周波数特性を備え、リアル領域で792MHz(1.5バンド分)の周波数成分を通過させる周波数特性を備えている。
図20に示す動作は、シンボルf1及びf3の受信時にQ信号用のパスの動作を停止させて、その分だけ消費電力を低減できることにある。
制御部2005は、シンボルf1〜f3のホッピングに合わせて各部に指示を出す。シンボルf1においては、スイッチ2001をI信号またはQ信号のいずれか一方のみ通過させるモードにする。例えば、図20に示すs1をオフにし、s2をオンにする。
これにより次段のI信号及びQ信号用の第2のダウンコンバータ404の両方の入力に、それぞれI信号用のA/D変換器403の出力信号が入力される。このとき、Q信号用のA/D変換器403やQ信号用の可変ゲインアンプ402、Q信号用の第1のローパスフィルタ401は使用しないため停止できる。これによりQ信号用のパスの動作で必要な消費電力を削減できる。
次に、制御部2005は、シンボルf1からシンボルf2への切替時においてシンボルf2の設定を行う。この切替時間は約10nsと短い時間であるが、本実施形態では、ホッピング複素フィルタ108やスイッチ2001が備える高速性によって対処可能である。
シンボルf2では、スイッチ2001をI信号及びQ信号の両方を通過させるモードに切り換える。例えば、図20に示すs1をオンにし、s2をオフとする。この場合、停止しているQ信号用のパスの動作を再開させて、I信号及びQ信号それぞれに対して処理が実行される。
シンボルf3では、ホッピング複素フィルタ108の阻止域をマイナス周波数(通過域をプラス周波数)にする以外は上記シンボルf1の場合と同様に動作する。
次に複数のバンドを同時に使用してデータを送受信する複数バンド同時動作について説明する。
図21は3バンド同時に動作する場合の動作を示したものである。
図20に示した場合と同様に、ローカル信号の周波数はバンドグループの中央、ここでは同時に動作する複数バンドの周波数帯域の中央の周波数に設定する。制御部2005は、ホッピング複素フィルタ108を全通過特性に制御する。
第1のローパスフィルタ401及びA/D変換器403は3バンドの周波数帯域に対応するように制御され、スイッチ2001はI信号及びQ信号の両方を通過させるモードに制御される。
アナログ部の動作として図20に示した動作と異なるところは、ホッピング複素フィルタ108を全てのシンボルにわたって全通過特性にすることのみである。
本発明では、ホッピング複素フィルタ108の高速性の恩恵により、ホッピング複素フィルタ108は図20に示すモードから図21に示すモードに高速に移行できる。本発明の特徴である、バンドグループの中央、つまり使用するバンドの周波数範囲の中央にローカル信号の周波数を設定することが、両モード間の高速な移行を可能にしている。
これにより、プリアンブルの送受信には1つのバンドを用い、ペイロードの送受信には複数のバンドを用いるというように、連続するシンボルの途中で1バンド通信と複数バンド通信とを切り換えることが可能である。
これは、消費電力を最小にすると共に、情報量の少ないプリアンブルの送受信には最小限のバンドを使用し、情報量が多いペイロードの送受信には最大限のバンドを利用して情報を送信するという観点でも好ましい。
一般に、情報を送信する場合、情報量に比例して電力を消費する構成要素と、情報量に比例しないで電力を消費する構成要素とがある。例えば前者は情報を処理する論理回路であり、後者はRF部が備えるローノイズアンプやミキサあるいはローカル発生器等がある。
この後者の情報に比例することなく消費される電力の割合を低減するには、可能な限り情報を搭載して一度に送信する複数バンド通信の方が顕著な効果が得られる。これは複数バンドを選択してもローノイズアンプ、ミキサ、ローカル発生器等の動作を変化させる必要がない、つまりはローノイズアンプ、ミキサ及びローカル発生器の消費電力が変化しないことに基づいている。
別の観点として、コグニティブな無線通信環境において、空いているバンドを効率よく使う観点からも、例え短時間でも空いているバンドを速やかに使用できる点で意義が大きい。
複数バンドのベースバンド信号にFFT処理を実施するには2つの方法がある。
第1の方法は3バンド分のFFTビット数を持たせることである。例えば通常の1バンドのUWB通信のFFT処理では128bのビット数を持つが、3倍である384bのビット数を持たせることで一度に3バンド分のFFT処理を実行できる。
第2の方法は、所定の単位毎に分割してFFT処理を実施する方法である。
1バンド毎に分割すれば、1バンド通信と同じ構成のFFTブロックを使用することができるために好ましい。1バンド毎に分割する方法としては、SSBミキサを2組、つまりは4つの乗算器を使う方法と、複素演算を利用する方法とがある。
SSBミキサを2組利用する方法では、第2のダウンコンバータ404が4個の乗算器で構成される。
第2のダウンコンバータ404のI入力に入力された信号は2つの乗算器に入力される。一方の乗算器にはcosωtの第2のローカル信号が入力され、他方の乗算器にはsinωtの第2のローカル信号が入力され、それぞれI入力に入力された信号と乗算される。このとき、ωはシンボルf1やシンボルf3の中心周波数に設定され、UWBでは528MHzに設定される。
例えばQ入力の信号に対しても同様の演算を行い、I入力のcos乗算結果とQ入力のcos乗算結果を加算した結果を第2のダウンコンバータのI出力とし、I入力のsin乗算結果とQ入力のsin乗算結果との減算結果を第2の直交変換器のQ出力とすることで、複素領域のプラス周波数のみをダウンコンバード、あるいはマイナス周波数のみをダウンコンバートできる。これは互いにイメージ周波数の関係にあるシンボルf1の周波数とシンボルf3の周波数が重ならないように独立に取り出す動作となる。
第2のダウンコンバータ404は、複素演算と2つのミキサで構成することができる。
第2のダウンコンバータ404のI/Q入力に対して、ホッピング複素フィルタ108と同様のデジタル処理を実施すれば、イメージ周波数を抑圧できる。前述したようにイメージ周波数を除去するための複素演算は、位相90°の回転演算子を用いるため、例えばキャパシタに相当する機能を微分演算子に置き換えることで実現できる。デジタル処理における微分演算は、時系列データのデータ間の偏差に相当する。このようにしてイメージ周波数を除去した信号を2つのミキサ(SSBミキサ)で処理することで、イメージ周波数を除去しながらダウンコンバートできる。
第2のローパスフィルタ405は、シンボルf2の信号を取り出す時に、高周波側に存在するシンボルf1やシンボルf3の信号成分を除去するのに用いる。シンボルf2を取り出す時、第2のダウンコンバータ404にはローカル信号としてDCを与える、または第2のダウンコンバータ404を通過させないことで、周波数変換を行わないようにできる。
シンボルf1またはf3を取り出す時は、上記の方法で周波数変換を行うが、DC付近にあったシンボルf1の信号はシンボルf1またはf3の高周波側に移動するため、シンボルf1またはf3を除去するために第2のローパスフィルタ405を使用する。
高速ホッピングなどの1バンド動作と複数バンド同時動作の切り替えは、例えばMAC(メディアアクセスコントロール)レイヤからベースバンド処理回路114に指示される。
図19に示した制御部2005は、ベースバンド処理回路としての機能のみを備えていてもよく、MACレイヤの機能も合わせて備えていてもよい。MACレイヤでは、データのトラフィック量を監視すると共に、さらに上位のレイヤからの指示にしたがって、PHY(物理層)の伝送レートを決定する。
複数バンド同時動作では、複数のバンドを占有するため、他のピコネットや他の規格の無線通信が該当バンドで行われていないことを条件に複数バンド動作に移行するか否かを判断する。これを実現するためには、周波数の利用状況をリアルタイムに取得できることが好ましい。スーパーフレームの期間などにおいて、3バンドを一括してA/D変換して、3バンドの利用状況を取得できることが好ましい。このような機能は、ある程度電力を消費するため、例えばホストコンピュータとデバイス端末が存在する環境においては、ホストコンピュータにのみ実装してもよい。
さらに、複数バンド同時動作では、1バンド動作よりもある程度多く電力を消費する。そのため、消費電力の制限が厳しいバッテリ駆動装置(例えばデバイス端末)等においては、バッテリの容量等に応じて、複数バンド同時動作に移行するか否かを判断してもよい。
また、端末装置間の簡単な通信では、パケットが意味のあるデータで埋まっていない場合もある。そのような場合は1バンド動作を選択することが好ましい。逆にトラフィックが上昇して、パケットが有効なデータで埋まっている場合は、複数バンド動作を選択して短時間で送信することで、同じデータ量を送信するのに必要な電力を低減できる。このような転送データ量に応じて1バンド動作と複数バンド動作の選択を判断してもよい。
無線通信では、通信する端末間の距離や、周辺の無線周波数の利用状況、ノイズレベル、アンテナの配置、空間の状況(例えばフェージングやマルチパス)などによって、通信のC/N(キャリアとノイズの比)が異なっている。例えば各バンドにおけるC/N量を、3バンド一括でA/D変換したデータから分析することで、使用する動作モードを選択してもよい。
具体的には、シンボルf1のC/Nが、空間の状況や無線周波数の利用状況などに起因して悪いと仮定したとき、他局に妨害を与えないとしても、このバンドを使用しても電力の利用効率か向上しないと判断した場合は、このバンドを含めない複数バンド通信または1バンド通信を用いればよい。
さらに具体的には、図22に示すように、複数バンドを一括してA/D変換する処理と、各バンドの利用状況から使用可能なバンドを決定する処理と、使えるバンドのC/Nを計算する処理と、最大比合成計算から通信レートと消費電力関係を算出する処理と、通信レート、動作モードを決定する処理にしたがって動作モードを決定できる。
最大比合成は、アンテナを複数備えた空間ダイバーシティやMIMO(マルチ入力・マルチ出力)通信で使われており、利用空間や利用周波数が決定されると、その通信環境下で得られる最大の通信レートを割り出すことができる。
さらに具体的には、図23に示すように、特定の周波数、例えばシンボルf1のOFDMシンボルの50トーン目が、他の通信(狭帯域通信など)によって使われているとする。
この場合、図22に示す処理と同様の手順により特定バンドの特定トーンを避けるように、通信レート、動作モードを決定する。使われているトーンの検知は、A/D変換器からの複数バンド出力を一括してFFT処理する方法や、1バンド毎に順番にFFT処理を行って各トーンの状況を調べる方法がある。
C/Nの算出では、トーン毎にC/Nを算出してもよく、バンド単位や複数トーン単位でC/Nを算出してもよいが、トーン単位で制御する点で同一のものである。
3バンド同時通信においては、シンボルf1〜f3の3バンドに信号が同時に存在しており、ホッピング複素フィルタを全通過とすることで3バンドを用いた送受信が可能になる。3バンドを同時に使用するには、受信装置においては3バンド以上をカバーできるA/D変換器(送信装置においてはD/A変換器)が必要となる。
例えば、バンド幅が528MHzであるUWBにおいては、3バンドの帯域は528MHzの3倍である1584MHz(複素領域での帯域である±792MHz)となり、この帯域を変換するために、1584MspsのA/D変換器、及びD/A変換器が必要になる。3バンドの中心にローカル信号の周波数があり、3バンドの帯域(1584MHz)は、このローカル信号の周波数を中心に±792MHzに存在するため、ナイキスト周波数としては792MHzで良いことになる。
これらホッピング通信と3バンド同時通信におけるA/D変換器及びD/A変換器は、変換レートを同じにしてもよく、変換レートを変えてもよい。
3バンド同時通信において最低限必要な変換レートは、前述した3バンドの周波数帯域(例えば1584MHz)に相当する変換レート(1584Msps)であり、これだけ広い変換レートを持っていれば、ホッピング通信の信号も扱うことができるため、同じ変換レートをホッピング通信に適用できる。
ホッピング通信における消費電力を低減するために、ホッピング通信において変換レートを下げることもできる。第1の実施の形態や第4の実施の形態で述べたように、ホッピング通信において、1バンド(例えば528MHz)や2バンド(例えば1056MHz)を変換できる変換レート(例えば528Mspsや1056Msps)を持たせてもよい。つまり、3バンド同時通信では3バンド分の変換レート(例えば(1584Msps)、ホッピング通信においては1バンドまたは2バンド分の変換レート(例えば528Mspsや1056Msps)というように、変換レートを切り換えてホッピング通信における消費電力を低減できる。
以上の説明は送信機にも当てはまる。
図24は1バンド動作と複数バンド動作を行う送信機の例である。
図24に示すように、第6の実施の形態の送信機は、図19に示した構成と同様にI信号またはQ信号用のパスのいずれか一方を休止させるための構成を備えている。制御部2005は、I信号用のパスあるいはQ信号用のパスの各構成要素に働きかけて、電源供給を切断したり、バイアス電流の供給を切断したりすることで、いずれか一方のパスを停止させる。また、図16で説明したように、送信機にスイッチ2101を備え、D/A変換器をインターリーブ動作させることで、その出力をI信号用あるいはQ信号用のいずれか一方のパスに供給することも可能である。
図24では図5に示したホッピング複素フィルタ808を使用する例を示しているが、ホッピング複素フィルタ808には、目的とする動作等に応じて、適宜、図6に示した構成を使用してもよい。
1バンド動作と複数バンド動作に関しても、上述した受信器に関して行った説明のうち、A/D変換器をD/A変換器に変更し、信号をベースバンド処理回路から送信アンテナに向かって処理することで実現できる。例えば図20や図21に示したA/D変換器をD/A変換器へ置き換え、フィルタやアンプの向きを逆にすることで動作を表現できる。
(第7の実施の形態)
上述した1バンド動作や複数バンド動作をさらに拡張することで、本発明は、ホッピング複素フィルタによる効果を最大限に引き出すことが可能である。
図25に様々なモードに対応できるホッピング複素フィルタを用いた無線通信装置の一例を示す。
図25に示す表は、横方向に1バンド動作、偶数バンド同時動作、奇数バンド同時動作の周波数の利用形態を示し、縦方向に高速ホッピングや周波数固定動作を表している。
周波数固定動作中に高速動作に重点を置いた動作と、低電力に重点を置いた動作を示している。
通常、無線通信装置には誤り訂正(FEC)機能が実装されている。誤り訂正機能により、時間方向や周波数方向に情報の冗長性を持たせることで、特定の周波数におけるC/Nの低下や、特定の時間におけるC/Nの低下に対処できる。
高速ホッピングでは時間方向だけでなく周波数方向にも冗長性を持たせている。周波数固定通信では、時間方向と、バンド内のトーン間に冗長性を持たせている。周波数の冗長性としては、離れた周波数を利用できる高速ホッピングの方が比較的高い冗長性を持たせることができる。
周波数固定通信には高速動作と低消費電力動作があるが、一般に、ピコネットのコーディネートを行うホスト端末装置では高速動作に重点が置かれる場合がある。また、消費電力の制限が大きいデバイス端末装置では低消費電力動作に重点が置かれる場合がある。
1バンド通信、周波数固定通信、高速動作の構成例を図26に示す。
図20及び図21で示したホッピング動作や3バンド同時動作と同様に、ローカル信号の周波数をバンドグループの中央に設定する。さらに、図26に示す例では、複素フィルタをプラス周波数阻止に固定する。さらにA/D変換器を1.5バンド帯域に設定し、ローパスフィルタも1.5バンド帯域に設定する。
これは第6の実施の形態のホッピング動作において述べたように、Q信号用のパスの動作を停止させることで実現できる。
この例で図20や図21で示した動作と異なるのは、ホッピング複素フィルタの設定のみであり、図26に示す1バンド通信、周波数固定通信動作から、図20に示したホッピング動作や図21に示した3バンド同時動作に高速に移行することができる。図20、21、26に示す動作間の移行も高速に行える。
偶数バンド同時通信、周波数固定、高速動作の例を図27に示す。
この場合も変化させるのはホッピング複素フィルタのみであり、図20、21、26に示す動作と図27に示す動作とを高速に切り替えることができる。
周波数固定、低消費電力、1バンドの構成例を図28に示す。
図28に示す例では、ローカル信号の周波数をシンボルf1の中央に設定する。ホッピング複素フィルタは全通過に設定し、A/D変換器は2バンド帯域、ローパスフィルタは1バンド帯域に設定する。これによりA/D変換器の変換レートを下げることが可能であり、その分だけ消費電力を低減できる。
さらに、デジタル領域のダウンコンバータ(送信機においてはアップコンバータ)を、停止させることも可能であり、その分だけ消費電力を低減できる。
周波数固定、低消費電力、偶数バンド同時の構成例を図29に示す。
図29に示す例では、ローカル信号の周波数をシンボルf1とシンボルf2間に設定する。この場合、ローカル信号の周波数を、同時動作させるシンボルf1からシンボルf2の周波数範囲の中央に設定することになる。ホッピング複素フィルタは全通過特性に設定し、A/D変換機は2バンド帯域、ローパスフィルタは2バンド帯域に設定する。これにより、図27に示した動作よりもA/D変換器の変換レートを下げることが可能であり、その分だけ消費電力を低減できる。
図30は図25に示した各モードを実行する時の無線通信装置の設定をまとめて示した表である。
無線通信装置の各モードは、図31に示す手順にしたがって、使用バンド、伝送レート、消費電力及びインターリーブモードを決定し、その動作モードを判定する。そして、該動作モードに移行するため、図32に示す手順にしたがって、インターリーブモード、使用バンド、複素フィルタ、I/Q動作、ローパスフィルタ及びA/D変換器を、それぞれ図30で示したように設定する。
無線通信装置のモードは、制御部2005によりホッピング複素フィルタやローカル発生器、ローパスフィルタ、A/D変換器、ダウンコンバータ、D/A変換器、セレクタ等を制御することで切り換えることができる。
本発明では、複素フィルタの高速かつフレキシブルな動作によって、このような制御が可能となっている。
<順序回路、プログラム及び記憶媒体>
以上で説明した本発明の制御部は、例えば、論理回路で構成された順序回路やプログラムにしたがって動作するコンピュータで実現できる。順序回路は、予め動作が規定された回路あるいは論理や順序を変更可能な回路であってもよい。コンピュータには、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)、あるいはパーソナルコンピュータやワークステーション等が使用できるが、本発明はこれに限定されるものではない。
以上説明したように、本発明の特徴であるホッピング複素フィルタの高速性により、ローカル信号の周波数を1つしか使わない構成により、消費電力を低減し、回路面積を小さくしつつ、制御部によりA/D変換器、I/Qパス、LPF等を制御することで様々なモードに対応できる。また、複数バンドの同時動作によって高いスループットを得ることが可能であり、トラフィックの変化に対応できると共に、周波数の利用効率が向上する。
また、本発明によれば、要求伝送レートに応じて消費電力を最小限にすることができる。従来からIパス、Qパスの片方を停止させて消費電力を低減する方法はあった。しかしながら、本発明では、ホッピング複素フィルタの通過域を周波数ホッピングに合わせて高速に変化させ、それに合わせてI/Qパスの片方をあるホッピングシンボルにおいて停止させることを可能にしている。
さらに、本発明によれば、複数バンドの同時動作と高速ホッピング動作を、同一の回路で対応できる。しかも複数バンドの同時動作と高速ホッピング動作で使用するLO周波数は同一にすることができ、両者の間を高速に切り換えることができる。その理由は、高速ホッピング時に複素フィルタを3条件(+f阻止、全通過、−f阻止)切り換えるが、複数バンド同時動作時においてその内の1条件(全通過)を使用することで対応できるからである。回路資源を共有することで、チップ面積を最小限にすることができる。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されものではない。本願発明の構成や詳細は本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更が可能である。
この出願は、2008年4月25日に出願された特願2008−115389号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (16)

  1. 無線通信に用いる、所定の周波数帯域から成る複数のバンドから成るバンドグループを備え、前記バンドグループ内の各バンドを所定のシーケンスでホッピングする無線通信と、前記バンドグループ内の複数のバンドを同時に使用する無線通信の両方に対応する無線通信装置であって、
    前記バンドグループの中心周波数に等しいローカル信号を生成するローカル発生器と、
    前記ローカル発生器で生成されたローカル信号を用いて前記バンドグループ内の無線信号をダウンコンバートする第1のダウンコンバータと、
    前記ダウンコンバートされた信号を入力として通過域を変化させるホッピング複素フィルタと
    前記ホッピング複素フィルタの通過域を制御する制御部と、
    を有し、
    前記制御部は、
    前記ホッピングするバンドの中のローカル周波数をまたぐバンドにおける無線通信と前記複数のバンドを同時に使用する無線通信では前記ホッピング複素フィルタを全通過とさせ、それ以外の無線通信では前記ホッピング複素フィルタを片側周波数抑圧とさせる制御を行う無線通信装置。
  2. 前記ホッピング複素フィルタから出力された信号をデジタル信号に変換する、変換レートが制御可能なA/D変換器をさらに有する請求項1記載の無線通信装置。
  3. 前記A/D変換器に入力する信号の帯域を制限し、通過域が制御可能な第1のフィルタをさらに有する請求項2記載の無線通信装置。
  4. 前記制御部は、
    記A/D変換器の変換レート、前記第1のフィルタの通過域を制御する請求項3記載の無線通信装置。
  5. 前記ローカル発生器は、
    前記ローカル信号の周波数をバンドグループ内でシフトさせる構成を備え、
    前記制御部は、
    前記バンドグループを構成するバンドの数に応じて、前記ローカル発生器で生成する前記ローカル信号の周波数を該バンドグループの中心周波数と等しくなるように制御する請求項4記載の無線通信装置。
  6. 前記制御部は、
    前記バンドグループ内の周波数利用状況に応じて、前記ホッピング複素フィルタの特性、前記A/D変換器の変換レート、前記第1のフィルタの通過域、前記ローカル発生器で生成する前記ローカル信号の周波数を制御する請求項5記載の無線通信装置。
  7. 前記制御部は、
    要求伝送レートに応じて前記ホッピング複素フィルタの特性、前記A/D変換器の変換レート、前記第1のフィルタの通過域、前記ローカル発生器で生成する前記ローカル信号の周波数を制御する請求項5記載の無線通信装置。
  8. 無線通信に用いる、所定の周波数帯域から成る複数のバンドから成るバンドグループを備え、前記バンドグループ内の各バンドを所定のシーケンスでホッピングする無線通信と、前記バンドグループ内の複数のバンドを同時に使用する無線通信の両方に対応する無線通信装置であって、
    前記バンドグループの中心周波数に等しいローカル信号を生成するローカル発生器と、
    前記ローカル発生器で生成されたローカル信号を用いて前記バンドグループ内の無線信号をアップコンバートする第1のアップコンバータと、
    前記アップコンバートされた信号を入力として通過域を変化させるホッピング複素フィルタと
    前記ホッピング複素フィルタの通過域を制御する制御部と、
    を有し、
    前記制御部は、
    前記ホッピングするバンドの中のローカル周波数をまたぐバンドにおける無線通信と前記複数のバンドを同時に使用する無線通信では前記ホッピング複素フィルタを全通過とさせ、それ以外の無線通信では前記ホッピング複素フィルタを片側周波数抑圧とさせる制御を行う無線通信装置。
  9. 前記ホッピング複素フィルタに信号を供給し、変換レートが制御可能なD/A変換器をさらに有する請求項8記載の無線通信装置。
  10. 前記D/A変換器から出力された信号の帯域を制限し、通過域が制御可能な第2のフィルタをさらに有する請求項9記載の無線通信装置。
  11. 前記制御部は、
    記D/A変換器の変換レート、前記第2のフィルタの通過域を制御する請求項10記載の無線通信装置。
  12. 前記ローカル発生器は、前記ローカル信号の周波数をバンドグループ内で変化させる構成を備え、
    前記制御部は、
    前記バンドグループを構成するバンドの数に応じて、前記ローカル発生器で生成する前記ローカル信号の周波数を該バンドグループの中心周波数と等しくなるように制御する請求項11記載の無線通信装置。
  13. 前記制御部は、
    前記バンドグループ内の周波数利用状況に応じて、前記ホッピング複素フィルタの特性、前記D/A変換器の変換レート、前記第1のフィルタの通過域、前記ローカル発生器で生成する前記ローカル信号の周波数を制御する請求項12記載の無線通信装置。
  14. 前記制御部は、
    要求伝送レートに応じて前記ホッピング複素フィルタの特性、前記D/A変換器の変換レート、前記第1のフィルタの通過域、前記ローカル発生器で生成する前記ローカル信号の周波数を制御する請求項12記載の無線通信装置。
  15. 前記A/D変換は、
    複数バンドを一括してA/D変換し、
    前記制御部は、
    各バンドの利用状況から使用可能なバンドを決定し、
    使用可能なバンドのC/Nを計算し、
    通信レートと消費電力の関係を算出し、
    通信レート、動作モードを決定する請求項記載の無線通信装置。
  16. 前記A/D変換は、
    複数バンドを一括してA/D変換し、
    前記制御部は、
    各トーンの利用状況から使用可能なトーンを決定し、
    使用可能なトーンのC/Nを計算し、
    通信レートと消費電力の関係を算出し、
    通信レート、動作モードを決定する請求項記載の無線通信装置。
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