JP3028960U - 救助用発光浮袋構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】海上での救助活動を促進するために、遭難者の
位置をはっきりと標示するよう、浮袋全体に光を放出す
る発光体を取付けた救助用発光浮袋構造を提供する。 【解決手段】 長い円筒形の救助用浮袋および発光体
とからなり、浮袋全体を前方室と後方室とに仕切るため
に、透明なダイフラムが浮袋内部の後方端寄りに配置さ
れる。後方室は、後端部に開口を有する発光体収容部と
して形成される。膨張し得る袋が２個、発光体収容部の
中に対向して設置されていて、各々の袋は、それぞれに
連通しているノズルを有する。発光体が開口を通して発
光体収容部へ設置されると、ノズルを介して気体や液体
を入れて膨張し得る袋が凸状態へふくらまされて、膨張
し得る袋が互いの方向へ膨張し合って発光体を固く挟み
つけて保持することで、発光体が浮袋に対して実質的に
平行になる長手方向へ光を発するように位置規制をす
る。更に、発光体を発光体収容部の中に拘束しておくよ
うに、締付け紐で開口が閉じられる。発光体は夜間の救
助活動を促進するために浮袋使用者の位置をはっきりと
標示するのである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、夜間での海難救助活動を容易にするよう、遭難者の位置を明確に標 示するために光を放出することのできる救助用発光浮袋構造に関するものである 。

【０００２】

【従来の技術】

従来の救助用浮袋は長さが大体２００cm位で、遭難者の位置を標示するために 細長い浮き本体へ空気を入れてふくらませるようになっていて、実際使用する時 には、遭難した使用者が海中に沈まないようにするために、浮袋で水に浮くよう になっている。この浮袋は、上空からの救助活動にあたっている人に遭難者の位 置をはっきりと標示するよう、水面上に水平状態で浮かんでいる。あるいはまた 、浮袋は水面上で垂直状態に浮べることもでき、離れたところで救助活動をして いる人にはっきりと見えるように、グルグル回すこともできる。しかしながら、 このような浮袋は日中のみにしかその標示機能を果たすことができず、夜間には 標示効果を発揮することができない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

故に、本考案の第１の目的は、救助活動を促進するために、遭難した浮袋使用 者の位置をはっきりと標示するよう、浮袋全体に光を放出する発光体を内装した 救助用発光浮袋構造を提供することにある。

【０００４】 本考案の別の目的は、浮袋の後方部に形成された発光体収容部に膨張し得る袋 が２個、対向して配置されている救助用浮袋構造を提供することにある。

【０００５】 更に本考案のまた別の目的は、浮袋を簡単に直立状態で海上に浮ばせるように するために、膨張可能な浮袋を液体で満たして、後方端部に浮袋の重心を持って 来るようにした救助用発光浮袋を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するために、本考案の請求項１に記載の考案は、細長い円筒形 の救助用浮袋と発光体とを含み、前記浮袋が、該浮袋に空気を入れるための一方 向ノズルと、反射板と、そして、浮袋の位置を標示するために浮袋の前方端に配 置され、蛍光体を受け入れるための受入れ袋とを有するように成る救助用発光浮 袋構造において、前記構造が、前記浮袋を前方室と後方室とに仕切るために、透 明な隔壁が浮袋内部の後方端部寄りに配置され、前記後方室は、後端部に開口を 有する発光体収容部として形成されていて、前記開口の周縁には、該開口を閉じ るためにそこに通す開口締付け紐用の穴が数個開けられており、膨張し得る袋が ２個、前記発光体収容部の中に対向して設置されていて、各々の袋には、該袋そ れぞれに連通したノズルが付設されており、更に一方向ノズルが、前記前方室を 膨らますために前方室内に配置されており、発光体が開口を通して前記発光体収 容部へ設置されると、ノズルを介して気体や液体を入れて膨張し得る袋が凸状態 へふくらまされて、膨張し得る袋が互いの方向へ膨張し合って発光体を固く挟み つけるので、発光体が浮袋に対して実質的に平行になる方向へ光を発するように なり、そして更に、発光体を発光体収容部の中に拘束限定しておくように、前記 開口を閉塞する締付け紐を取付けたものである。

【０００７】 本考案の請求項２に記載の考案は、前記請求項１の構造において、発光体を紛 失しないように、締付け紐の両端に抜け止め手段を形成したものである。

【０００８】 本考案の請求項３に記載の考案は、前記請求項１の構造において、発光体は、 ダイビング用に使用される懐中電灯を用いたものである。

【０００９】

【考案の実施の形態】

まず、図１および図２について説明する。本考案は、救助用浮袋１００と、ダ イビング用に特別に用いられる懐中電灯である発光体５０とを含む。発光体の後 方端には、そこに紐を縛り付けるための穴もしくは掛金リング（図示せず）が配 置される突起がある。

【００１０】 救助用浮袋１００は、浮袋をふくらませるための一方向ノズルの付いた細長い 円筒形の空気袋である。本考案においては、前記袋をふくらませるために空気に よる場合について説明するが、空気に代えて、ガスなどの気体によってもよい。 反射板１２と、蛍光体２０を受け入れるための受入れ袋１０とが、浮袋の位置を 標示するために、浮袋の前方端部に配置されている。

【００１１】 透明な隔壁３０が、浮袋を前方室３０ａと後方室３０ｂに仕切るために、浮袋 １００の内部後方端部寄りに配置されている。前方室３０ａは従来形のように形 成されているが、少なくともその前方部は透明部材で構成されている。前記後方 室３０ｂは、開口４３を有する発光体収容部４０として形成されている。開口４ ３の周縁には８個の紐用穴４４が形成されていて、その中に締付け用紐４５が通 っている。締付け用紐４５の両端は抜け止め手段である抜け止め部材４６で束ね てある。浮袋１００の空気を抜いて平坦状態にした時には、図２に示すように、 開口４３を締付け用紐４５でぎゅっと閉めることができるようになっている。

【００１２】 図３を参照する。膨張し得る袋４２，４２’が発光体収容部４０内で対向して 配置されており、膨張し得る袋４２，４２’各々には、これら袋のそれぞれと連 通する双方向ノズル４１，４１’が付設されている。また、前方室をふくらます ために、一方向ノズル６０が前方室３０ａに取付けられている。 発光体５０は、開口４３から挿入されて、発光体収容部４０の中に収容設置さ れる。

【００１３】 図２および図４を参照してみると、膨張し得る袋４２，４２’がノズル４１， ４１’を介して気体あるいは液体によって凸状態にふくらまされた時、膨張し得 る袋４２，４２’が互いの方向へ膨張し合って発光体を固く挟みつけるので、発 光体５０は浮袋に対して実質的に平行になる長手方向へ光を発するようになる。 そして、発光体５０を発光体収容部４０内に拘束しておくために、開口４３の口 が締付け用紐で閉じられる。

【００１４】 そして更に、発光体５０の紛失という事態を回避するために、発光体５０を発 光体収容部４０の中に収納し、開口４３の口を閉めてしまう前に、締付け用紐４ ５の端を発光体５０の掛金リングに結んでおくのがよい。発光体５０を紛失する のを防ぐための締付け状態は、抜け止め部材４６で維持される。

【００１５】 上述の実施例は本考案の単なる例示であって、本考案の請求項を逸脱しない範 囲において、この実施例から派生する修正・変更はすべて本考案の範囲内に入る ものである。

【００１６】

【考案の効果】

本考案には次に述べるような利点がある。 本考案の救助用浮袋は、夜間に遭難者を救出するのに利用することができ るものであって、救助活動が促進するように、発光体が遭難者の位置をは っきりと標示するようになっている。 本考案の救助用浮袋は、遭難者を海上に浮かせておく浮袋として利用する ことができる。 発光体収容部内に設けた膨張し得る袋を液体または気体で満たして浮袋の 後方端に重心を持って来るようにしたので、救助用浮袋は直立状態で海上 に浮かせることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の救助用発光浮袋構造の一実施例を示し
た一部を破断して示す分解斜視図である。

【図２】図１の組立状態の一部切欠き斜視図である。

【図３】図１の発光体収容部を示す部分断面図である。

【図４】図１の発光体が膨張し得る袋によって救助用浮
袋に対して平行になる位置に挟み付けられている保持状
態を示す横断面図である。

【符号の説明】

１００ 救助用浮袋 １２ 反射板 ２０ 蛍光体 ３０ 隔壁 ４０ 発光体収容部 ４１，４１’ 双方向ノズル ４２，４２’ 膨張し得る袋 ４３ 開口 ４５ 締めつけ用紐 ４６ 抜け止め部材（抜け止め手段） ５０ 発光体 ６０ 一方向ノズル

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 遭難者救助用の発光浮袋構造であって、
   細長い円筒形の救助用浮袋と発光体とを含み、前記浮袋
   が、該浮袋に空気を入れるための一方向ノズルと、反射
   板と、そして、浮袋の位置を標示するために浮袋の前方
   端に配置され、蛍光体を受け入れるための受入れ袋とを
   有するように成る救助用発光浮袋構造において、前記構
   造が、 前記浮袋を前方室と後方室とに仕切るために、透明な隔
   壁が浮袋内部の後方端部寄りに配置され、前記後方室
   は、後端部に開口を有する発光体収容部として形成され
   ていて、前記開口の周縁には、該開口を閉じるためにそ
   こに通す開口締付け紐用の穴が数個開けられており、 膨張し得る袋が２個、前記発光体収容部の中に対向して
   設置されていて、各々の袋には、該袋それぞれに連通し
   たノズルが付設されており、更に一方向ノズルが、前記
   前方室を膨らますために前方室内に配置されており、 発光体が開口を通して前記発光体収容部へ設置される
   と、ノズルを介して気体や液体を入れて膨張し得る袋が
   凸状態へふくらまされて、膨張し得る袋が互いの方向へ
   膨張し合って発光体を固く挟みつけるので、発光体が浮
   袋に対して実質的に平行になる方向へ光を発するように
   なり、そして更に、発光体を発光体収容部の中に拘束限
   定しておくように、前記開口を閉塞する締付け紐を取付
   けたことを特徴とする救助用発光浮袋構造。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の構造において、発光体
   を紛失しないように、締付け紐の両端に抜け止め手段を
   形成したことを特徴とする救助用発光浮袋構造。
3. 【請求項３】 請求項１に記載の構造において、発光体
   は、ダイビング用に使用される懐中電灯であることを特
   徴とする救助用発光浮袋構造。