JP3028376B2 - 移動体速度検出装置 - Google Patents

移動体速度検出装置

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JP3028376B2 JP3505864A JP50586491A JP3028376B2 JP 3028376 B2 JP3028376 B2 JP 3028376B2 JP 3505864 A JP3505864 A JP 3505864A JP 50586491 A JP50586491 A JP 50586491A JP 3028376 B2 JP3028376 B2 JP 3028376B2
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博司 飯野
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 この発明は、船や水塊等の移動体の速度を測定する移
動体速度検出装置に関し、特に水中を伝播する超音波に
生じたドップラー効果を利用して船速や潮流速度を検出
する装置に関する。
背景技術 船底に取り付けた送受波器から超音波を発射し、これ
により、プランクトンや微小なゴミ等の水中の浮遊物あ
るいは海底から得られるエコー信号は、ドップラー効果
によりドップラーシフト周波数を有しており、このドッ
プラーシフト周波数を測定することにより、当該船の船
速や潮流速度を求めることができる。
例えば、船速Vを求める場合には、第4図に示すよう
に、送受波器から斜め下方向(角度θ)に超音波(周波
数f0)を発射すると、海底からのエコー信号が持つドッ
プラーシフト周波数fdは、 fd=2V・f0・cosθ/c (1) となる。ここで、cは音速である。従って、(1)式を
変形した V=fd・c/(2f0・cosθ) (1′) の式から船速Vを求めることができる。そのためには、
エコー信号からドップラーシフト周波数fdを検出する必
要があり、その手法として次の3方式が考えられる。
周波数追尾方式 測定装置内に可変周波数発振器を持ち、エコー信号の
周波数との差が零となるよう制御し、このとき変化させ
た周波数からエコー信号の周波数を求める方式。
この方式では、発振器は、PLL方式等を採用した複雑
な回路構成となり、また、周波数追尾速度や範囲に制限
があり、また、送受信1回のエコー信号で精度良くドッ
プラーシフト周波数を求めるのは困難である。又、追尾
速度の制限の為に振動子のビーム毎にかつ測定層毎に追
尾回路が必要となり、潮流計等のように複数ビーム,複
数測定層を持つ装置では部品点数が非常に多くなる。
パルス計数方式 第5図に示すように、t0からt1までのある測定時間を
設定し、この時間内に検出したエコー信号のパルス数を
カウントする方式であり、周波数は、1秒間の波数(パ
ルス数)で示されることから、測定時間をΔt、この間
にカウントしたパルス数をnとすれば、n/Δtからドッ
プラーシフト周波数を求めることができる。
但し、精度の高い周波数検出を行うためには、測定時
間を長くとる必要があり、このことは、時刻t0からt1
対応する測定層厚(第4図図示)を大きくすることにな
り、その結果、深度方向の分解能が悪くなるため、所望
の深度からのドップラーシフト周波数の測定が困難とな
る。
周期検出方式 の方式とは逆にエコー信号を所定数nのパルスをカ
ウントするのに要した時間Δtを求めることにより、エ
コー信号の1パルス当たりの平均周期T(=Δt/n)を
算出し、この逆数(1/T)からドップラーシフト周波数
を求める方式であり、この方式は、第6図に示したごと
く、エコー信号の周波数に比して極めて高い周波数の計
数クロックにてnパルス分のエコー信号の検出時間を測
定するため、の方式よりも高精度にドップラーシフト
周波数を求めることが可能である。
しかし、プランクトン等の水塊で反射されるエコー信
号は非常に微弱であり、S/N比もあまり良くないのが普
通であり、それ故、カウントしていたパルスが途切れた
場合には測定時間が長引き、又、エコー信号に含まれる
雑音等の影響で異常な周波数(周期)を持つパルスが含
まれ、この異常パルスをカウントしたときは測定時間が
短くなり、検出するドプラーシフト周波数の精度が低下
する。更にはの方式で述べたように所望の深度のエコ
ーを正確に限定できなくなる(第4図における時刻t1
変化する)という問題点がある。
以上述べたことからわかるようにドップラーシフト周
波数を正確に検出するには、 i)1回の送受信でドプラーシフト周波数の検出が可
能、 ii)測定層数に依存しない多点連続測定(ハードウェア
の簡略化)の実施 iii)測定層厚(測定時間)を小さくして深度方向に対
する測定分解能の向上、 iv)雑音の影響等によるドップラーシフト周波数への影
響が少ないこと、 以上の各項目を満たすことが重要な課題となる。
一方、近年、高精度で周波数を決定するのにフーリエ
変換の手法を適用する研究が盛んに行なわれており、例
えば、田部井誠、上田光宏両氏による『FFTを用いた高
精度周波数決定法』(電子情報通信学会論文誌、1987年
5月号の798頁ないし805頁)が知られている。この周波
数決定法は、入力された時系列データにハニング窓を乗
じた後フーリエ変換を行ない、最大振幅と、この最大振
幅と隣り合う周波数の振幅との振幅比に基づき、ハニン
グ窓の応答関数の性質から精度良く周波数を求めるもの
である。なお、ハニング窓は、上記電子情報通信学会論
文誌の第799頁の(3)式に表わされており、補間して
周波数を決定することは、第800頁の第(16)式に表わ
されている。
発明の開示 この発明の一つの目的は、新規な方法でもって、水中
に送信した超音波信号に起因する水底又は水中からのエ
コー信号のドップラーシフト周波数を検出することによ
り自船の対地船速又は対水船速を検出する移動体速度検
出装置を提供することである。
この発明の他の目的は、新規な方法でもって、水中に
送信した超音波信号に起因する水底及び水中からのエコ
ー信号のドップラーシフト周波数を検出することにより
ある深度における潮流の速度を検出する移動体速度検出
装置を提供することである。
この発明の他の目的は、新規な方法でもって、水中に
送信した超音波信号に起因する水底及び水中からのエコ
ー信号のドップラーシフト周波数を検出することにより
複数の深度における潮流の速度を検出する移動体速度検
出装置を提供することである。
この発明の他の目的は、水中に送信した超音波信号に
起因するエコー信号のドップラーシフト周波数をFFT
(高速フーリエ変換)を用いて高精度に検出することを
特徴とする移動体速度検出装置を提供することである。
この発明の他の目的は、水中に送信した超音波信号に
起因するエコー信号と基準信号との位相差を検出し、得
られた位相差データに三角関数変換、次いで所定のフー
リエ変換を行ない、得られたフーリエスペクトルを周波
数補間して得られた周波数に基づいて対水又は対地船速
を演算して求めることを特徴とする移動体速度検出装置
を提供することである。
この発明の他の目的は、水中に送信した超音波信号に
起因するエコー信号と基準信号との位相差を検出し、得
られた位相差データに三角関数変換、次いで所定のフー
リエ変換を行ない、得られたフーリエスペクトルを周波
数補間して得られた周波数に基づいて一又は複数の深度
における潮流の速度を検出する移動体速度検出装置を提
供することである。
この発明の他の目的は、水中に送信した超音波信号に
起因するエコー信号と基準信号との位相差を検出し、得
られた位相差データに三角関数変換、次いで所定のフー
リエ変換を行ない、得られたフーリエスペクトルを周波
数補間して得られた周波数に基づいて一又は複数の深度
に対する自船の速度を測定し、一方航法装置を用いて自
船の対地速度を測定し、これら二種類の速度に基づいて
一又は複数の深度における潮流の速度を検出する移動体
速度検出装置を提供することである。
この発明の他の目的は、水中に送信した超音波信号に
起因するエコー信号と基準信号との位相差を検出し、得
られた位相差データに三角関数変換、次いで所定のフー
リエ変換を行ない、得られたフーリエスペクトルを周波
数補間して得られた周波数に基づいて対地又は対水船速
を検出する第1の移動体速度検出装置と、受信されたエ
コー信号の各パルス毎の周期を検出し、周期を正常と判
断するために用いられ且つ複数の周期を正常と判断する
ために用いられた信号に基づいてドップラーシフト周波
数を求め、この求められたドップラーシフト周波数に基
づいて対地又は対水船速を演算して求める第2の移動体
速度検出装置と、第1の移動体速度検出装置と第2の移
動体速度検出装置とを切り換えて動作させる移動体速度
検出システムを提供することである。
この発明の他の目的は、水中に送信した超音波信号に
起因するエコー信号と基準信号との位相差を検出し、得
られた位相差データに三角関数変換、次いで所定のフー
リエ変換を行ない、得られたフーリエスペクトルを周波
数補間して得られた周波数に基づいて一又は複数の深度
における潮流の速度を検出する第1の移動体速度検出装
置と、受信されたエコー信号の各パルス毎の周期を検出
し、周期を正常と判断するために用いられ且つ複数の周
期を正常と判断するために用いられた信号に基づいてド
ップラーシフト周波数を求め、この求められたドップラ
ーシフト周波数に基づいて一又は複数の深度における潮
流の速度を演算して求める第2の移動体速度検出装置
と、第1の移動体速度検出装置と第2の移動体速度検出
装置とを切り換えて動作させる移動体速度検出システム
を提供することである。
この発明の他の目的は、低S/N比の対水エコーを周波
数軸上で平均処理することにより、高精度で周波数を検
出することにより、潮流速度及び船速を高精度で検出で
きる移動体速度検出装置を提供することである。
この発明の第1の特徴は、水中伝播する超音波エコー
信号に生じたドップラーシフト周波数を検出することに
より、船速を検出する移動体速度検出装置において、所
定の測定時間に対して検出された上記エコー信号と、基
準信号との位相差を検出する位相差検出手段と、前記位
相差検出手段で得られた位相差データに対して所定のフ
ーリエ変換を行い、得られたフーリエスペクトルに基づ
きドップラーシフト周波数を検出して得られたドップラ
ーシフト周波数に基づいて、対水速度又は対地速度又は
潮流の速度を演算する演算手段とを備えたことである。
対地又は対水船速を求めるためには、先ず(1′)式
におけるドップラシフト周波数を求めることが必要とな
る。この発明の第1の特徴は、対地あるいは対水よりの
エコー信号の時刻tでの位相をθe(t)を求めた後、
これを三角関数変換して次のように信号R(t),I
(t)を求め、 これらの信号を時系列データとして、この時系列データ
にハニング窓を乗じ、フーリエ変換し上記の『FFTを用
いた高精度周波数決定法』に従い周波数補間することに
より、周波数を決定し、この周波数に基づいて対地又は
対水船速を求めることにある。つまり、R及びI成分の
振幅幅を量子化するのではなく、位相θを量子化するこ
とにより周波数を決定する。ただし、振幅情報は正規化
されるので相対値しか得られないが、ここでは周波数を
もとめることを目的としているので問題にはならない。
この発明の第2の特徴は、水中伝播する超音波エコー
信号に生じたドップラーシフト周波数を検出することに
より、潮流もしくは船速等を検出する移動体速度検出装
置において、所定の測定時間に対し、上記エコー信号の
各パルス毎の周期を検出する周期検出手段と、前期周期
検出手段で検出された周期が正常と判定される周期範囲
内にあるか否かを判定する周期判定手段と、前記周期判
定手段で正常と判定された複数の周期から平均周期を演
算する平均周期演算手段とを備え、前記平均周期演算手
段で演算された平均周期の逆数値からドップラーシフト
周波数を求めることである。
この発明の第2の特徴によれば、上記の(i)乃至
(iv)の各項目を達成できる。まず、(i)項を満足さ
せるには、前述した周波数を追尾する方式では不可能
であり、パルス計数方式あるいは周期検出方式を適
用する必要がある。又、(iii)項より、短時間測定で
きドプラーシフト周波数の検出精度を高くできるのは周
期検出方式である。それ故、周期検出方式にて、上
記の他の要求項目(ii)、(iv)を実現ができれば良い
ことになる。そのための周期検出方式として、第6図に
示したようなブロック構成が考えられる。すなわち、エ
コー信号からn個のパルスを計時するのに、第7図に示
すように、n分周器61にて分周して得た1パルスの周期
に置ける始めと終わりとに対してパルス発生器62から出
力される、スタートパルスとエンドパルスとの間にカウ
ンタ63で計数した計数用クロックの個数から求めるもの
である。しかし、この回路構成のままでは、(iv)項に
記した異常周期パルスがn分周器61にて分周されてしま
う恐れがある。そこで、(ii)項を満足させた上でエコ
ー信号を1パルス毎に連続して確実に周期検出できる方
法として第8図に示した回路構成が考えられる。カウン
タ81としては、計数用クロックでカウントアップを続け
るフリーランニングカウンタを用いており、計数用クロ
ックの周波数をfc、カウンタ81のビット数をkビットと
すると、このカウンタは、計数用クロックを0〜2k−1
の範囲内でカウントアップを繰り返し、カウント出力
は、計数用クロックを21〜2k分周した信号となる。この
カウンタ値を、ラッチ回路82にて、エコー信号の立ち上
がりエッジ毎にラッチさせ、そのラッチ出力を一定周期
にてメモリ等に順次アドレスを変えながら書き込み、測
定層の測定開始深度から測定終了深度に対応するアドレ
スからデータを読み出すようにすれば、求めようとする
測定層に対するドップラーシフト周波数が得られる。こ
の回路構成では、第9図に示すように、あるエコー信号
の1パルス目のエッジでラッチされたカウント値をx1
次の1パルスによるラッチ出力がx2であったとすると、
この間のエコー信号1パルス分の周期τは、 τ=(x1−x2)×係数用クロックの周期 =(x1−x2)/fc (3) で表される。1/τを計算することにより、エコー信号の
1パルスからドップラーシフト周波数を検出でき、か
つ、前期ラッチ出力が、エコー信号の1パルス毎に出力
されるので送信開始時点より連続してドップラーシフト
周波数の検出が可能となり、ハードウェアを変更するこ
となく、任意の測定深度からドップラーシフト周波数を
求めることができる。
ところで、検出するドップラーシフト周波数は、ある
帯域範囲を予想できるので、エコー信号の1パルス毎に
検出された前期周期τに対して帯域範囲を設定すること
により、1パルス毎に検出した周期τの良否判定が可能
となり、前述の(iv)項を満足できる。
更には、1パルスの周期からの周波数検出に所望の分
解能が得られない場合には、数パルス分の周期検出値よ
り平均周期を求めることにより、検出周波数の分解能を
向上させることができる。この場合のエコー信号の数パ
ルス分を検出する時間は、ある測定深度からの測定幅に
相当するので、測定時間を加減することにより、随意の
測定幅とすることができる。しかるに、第6図で述べた
ような、エコー信号のパルスをn分周してしまう方法で
は、エコー信号の周期そのものが未知であるためnパル
スを検出するのに要した測定時間は未知であり、それ
故、測定幅も未知であり、所望の測定時間(測定幅)で
検出したものとはいえない。
従ってこの発明の第2の特徴は、所望の測定時間に対
するエコー信号の各パルス毎にその周期を求め、求めた
周期が正常な周期であるか否かを判定し、そして、周波
数検出分解能を上げるために、正常と判定された複数の
周期からドップラーシフト周波数を検出するものであ
る。
図面の簡単な説明 第1図は、この発明の移動体速度検出装置の一実施例
のブロック図である。
第2図は、第1図の装置における主要部分の詳細構成
を示すブロック図である。
第3図は、第1図の装置における動作を示すタイムチ
ャートである。
第4図は、船速の測定法を説明するために用いた図で
ある。
第5図及び第6図は、エコー信号からドップラーシフ
ト周波数を検出するのに用いられるパルス計数方式及び
周期検出方式の動作を示すタイムチャートである。
第7図は、この発明の移動体速度検出装置の一実施例
のブロック図である。
第8図は、第7図の装置における主要部分の詳細構成
を示すブロック図である。
第9図は、周期検出回路のブロック図である。
第10図は、第9図のブロック図の動作を示すタイムチ
ャートである。
第11図は、第10図の周期検出を改良した周期検出回路
のブロック図である。
第12図は、第11図のブロック図の動作を示すタイムチ
ャートである。
第13図は、この発明の他の実施例のブロック図をであ
る。
第14図は、この発明の他の実施例のブロック図をであ
る。
なお、全図を通して、同じ符合が付されているもの
は、同じ機能を行なうものとする。
実施例 先ず、対水又は対地船速を測定する場合につき説明す
る。1は、超音波パルス信号を送波するとともに、ある
深度又は水底で発生したエコー信号を検出する送受波器
であり、2は、送受波器1から超音波パルス信号を送波
させるために送受波器1に印加する送信電力を出力する
送信器である。Sは、送信信号と受信信号とを切り換え
るための送受切換器である。3は、送受波器1により捕
捉されたエコー信号を、所望の周波数帯域に変換して周
波数帯域を制限するとともに、更に受信エコー信号のゼ
ロクロスを検出して受信エコーを矩形波のゼロクロス信
号として出力する受信器である。4は、基準クロック信
号を出力する発振器であり、6は、受信器3から供給さ
れるゼロクロス信号と、発振器4からの基準信号との位
相差を検出する位相差検出器である。7は、位相差検出
器6から出力される位相差データを発振器4から供給さ
れるサンプリングクロックに基づきラッチするメモリで
ある。8は、メモリ7よりの標本化された位相差データ
を(2)式に示すように三角関数変換した後、ある深度
又は水底において発生したエコー信号のドップラーシフ
ト周波数を検出し、次いでこの検出されたドップラーシ
フト周波数に基づいて上記(1′)式により対水又は対
地船速を演算する演算処理部である。
第2図は、上記の発振器4ないしメモリ7にたいする
具体的な構成例を示しており、位相差検出器6は、kビ
ットのフリーランニングカウンタ6Aとkビットのフリッ
プフロップ回路6Bとから成り、メモリ7はkビットのフ
リップフロップ回路にてなる。
第1図、第2図及び第3図を参照して、上記発明の実
施例の動作を説明する。
送受波器1より超音波パルス信号が送波され、そのエ
コー信号が送受波器1で捕捉され、送受切換器Sを介し
て受信器3に入力されると、第3図(B)に示すよう
に、この受信器3においてエコー信号に対応するゼロク
ロス信号が生成出力され、位相差検出器6に入力され
る。一方、kビットのカウンタ6Aは、第3図(A)に示
すように、0ないし2k−1の範囲内でカウントアップを
繰り返し、このkビットのカウンタ6Aよりの出力は、基
準クロックを2k分周した信号の位相を2π/2kのステッ
プで表したものとなる。位相差検出器6のkビットフリ
ップフロップ回路6Bは、kビットのカウンタ6Aよりの出
力信号をゼロクロス信号の1周期毎でラッチすることに
より、この位相差検出器6より出力されるラッチ信号
は、第3図(C)に示すように、基準クロックを2k分周
した信号とゼロクロス信号の位相差となる。位相差検出
器6から送出される位相差信号は、メモリ7に書き込ま
れ記憶される。
基準クロックを2k分周した信号の位相をθp(t)と
し、 θp(t)=2πfpt+φpo (4) で表せたとする。また、受信エコーのゼロクロス信号の
位相をθe(t)として、 θe(t)=2πfdt+φdo (5) とする。この時、位相差検出器6より出力される値は、 Δθ(t)=θp(t)−θ(t) =2π(fp−fd)t+Δθp(t)(6) と表せる。このようにして基準クロックに対する水中及
び水底で発生したエコーの位相差量子化値Δθw
(t)、Δθg(t)がそれぞれ得られる。
これらの値が演算処理部8に入力されると、演算処理
部8はある深度において又は水底において発生したエコ
ー信号のドップラーシフト周波数を上述のFFTを用いた
周波数決定法により決定した周波数に基づいて求め、得
られたドップラーシフト周波数に基づいて上記(1′)
式により自船の対水又は対地速度を演算する。
この場合、予め、演算処理部8に対して測定開始深度
及び測定時間幅を入力しておくと、これらの設定データ
に対応する、上記の位相差データΔθw(t)、Δθg
(t)が求められ、これらの測定時間内のデータが三角
関数変換され、時系列データが求められる。この時系列
データにハニング窓を乗じた後に、フーリエ変換し、周
波数補間を行なって周波数が決定される。
次に、ドップラシフト周波数=(基準クロック2k分周
周波数)−(前記の検出周波数)の式からドップラシフ
ト周波数が演算され、この値に基づいて上記(1′)式
により対地船速又は対水船速が求められる。
また、演算処理部8は、潮流の速度=(対地船速)−
(対水船速)の式により任意の深度における潮流の速度
を演算する。
第7図及び第8図を参照して、この発明の移動体速度
検出装置の他の実施例を説明する。
1は、超音波を送波するとともに送波した超音波のエ
コー信号を検出する送受波器であり、2は、送受波器1
に印加する送信電力を出力する送信器である。3は、送
受波器1よりの受信エコーを増幅する受信器であり、S
は、送信信号と受信信号とを切り換えるための送受切換
器である。16は、受信器3より出力されるエコー信号の
各パルスに対する周期を検出する周期検出部であり、5
は、同エコー信号のパルス数を計数するパルス数計数部
である。17は、周期検出部16及びパルス数検出部5より
出力される周期及びパルス数を記憶するメモリであり、
4は、周期検出部16及びメモリ17に対してそれぞれ計数
用クロック及びサンプリングクロックを与える発振器で
ある。18は、演算部であり、この演算部18に対して設定
された測定開始深度(第4図における時刻t0)及び測定
幅(第4図における時刻t0ないしt1)に対し、メモリ17
より読み出したデータに基づき周期を求め、ドップラー
シフト周波数を演算する演算部であり、内部には、求め
た周期が正常であるか否かを判定する判定部18Aを備え
る。
第8図は、周期検出部16、パルス数計数器5及びメモ
リ17の詳細回路図を示している。周期検出部16は、kビ
ットのカウンタ16A及びフリップフロップ回路16Bからな
り、パルス数計数部5は、lビットのカウンタにてな
る。又、メモリ17は、kビットのフリップフロップ回路
17Aとlビットのフリップフロップ回路17Bとからなる。
次に第7図及び第8図に示されるこの発明の実施例の
動作を説明する。
送受波器1より超音波が送波され、そのエコー信号が
送受波器1で検出され、受信器3よりの所定のエコー信
号が出力されると、周期検出部16にて、エコー信号の各
パルスの周期が計数用クロックに基づいて検出されると
ともに、パルス計数部5においては、エコー信号のパル
ス数が計数され、これらの検出された周期及びパルス数
は、サンプリングクロックに基づいてメモリ17に取り込
まれ、演算部18へ送出され、演算部18には、以下に示す
ようなサンプリング出力が入力される。
上記一連のデータにおいて、xi及びyiを測定開始深度
(時刻t0に相当)に対応する時刻のデータ、xj及びyj
測定終了深度(時刻tiに相当)に対応する時刻のデータ
であるとすると、周期検出部16よりのxiないしxj及び、
パルス計数部5よりのyiないしyjが測定幅(測定時間)
内のデータとなる。従って上記サンプリング周期内にお
けるパルスの時間幅Δxm及び計数パルス数Δymは、次式
で表される。
従って、上記の測定時間内で上式の各々の総和をとれ
ば、測定時間内の全パルス数Y及び全パルス数に要した
時間Xが得られる。
これより、測定時間内での平均周波数fは、 f=Y/Xで求まるが、(7)式で得られるデータをそ
のまま採用したのでは、既述したように、異常周期のデ
ータを含んでしまうので、演算部18にて以下に述べる処
理が行われる。
即ち、この種の装置には、通常、速度検出範囲が仕様
上で決められているので、これにより、エコー信号のド
ップラーシフトによる周波数帯域幅も決めることがで
き、従って周波数帯域幅からパルスの周期の範囲も設定
できる。又、船舶等は急激に速度を変化させることはあ
まりないので、速度の変動、言い換えればドップラーシ
フト周波数及び周期の変動量にもある範囲を設定でき
る。これより、演算部18に対して正常な周期の範囲Δτ
min〜Δτmaxを設定しておくことで、(7)式より得ら
れる、エコー信号の1パルスに対する瞬時周期Δτ(=
Δxm/Δym)が下記の(9)式を満足しているか否かに
よって検出した周期が正常なパルスによるものか否かを
判定できる。
Δτmin≦Δτ≦Δτmax (9) このように、1パルス毎に上記の判定が行われ、正常
であった周期τのΔxm、Δymの各々の総和X′、Y′を
求める。
この後は、次の(11)式から正常周期に基づく平均ド
ップラーシフト周波数fを求めることができる。
f=Y′/X′ (11) 尚、ドップラーソナーや潮流計では船体動揺による影
響を軽減するために主に3ないし4ビーム方式が採用さ
れており、ビーム数が増加した場合、第7図の構成にお
いて、各ビーム毎に周期検出部16及びパルス数計数部5
を設けるだけで良く、周波数追尾方式のように各ビー
ム、各測定層単位に必要となるものではないので、ハー
ドウェアの簡略化及び部品点数の削減が可能である。
第13図を参照して、この発明の他の実施例を説明す
る。
この実施例は、第1図に示すFFTを用いて対水船速、
対地船速または潮流の速度を求める第1の移動体速度検
出装置と、第7図に示すエコー信号に含まれる搬送信号
の各パルスの周期を求めて対水船速、対地船速または潮
流の速度を検出する第2の移動体速度検出装置及び切換
え手段を含み、必要に応じて第1又は第2の移動体速度
検出装置を選択して動作させるものである。
第1図に示す第1の移動体速度検出装置は、S/N比が
余り良くない環境においても使用することができ、深い
深度における対水速度又は対地速度を測定することがで
きる。また、ドップラーシフト周波数を検出するのにあ
る長さの測定時間が必要である。一方、第7図に示す第
2の移動体速度検出装置は、ノイズの影響を受けるので
S/N比が余り良くない環境において使用することは適切
ではないが、ドップラーシフト周波数を検出するための
時間については制約がなく、従って、浅い深度における
対水速度又は対地速度又は潮流の速度を測定するのに向
いている。第1又は第2の移動体速度検出装置を使用環
境に応じて選択して使用することにより深度の浅い深い
に関係なく対水速度又は対地速度又は潮流の速度をより
精度良く測定することができる。
位相差検出/周期検出器26は、第2図又は第8図に示
すようにkビットのフリーランニングカウンタ6A、16A
と、kビットのフリップフロップ回路6B,16Bとで構成さ
れている。メモリ17は、第8図に示すようにkビットの
フリップフロップ回路17A及び17Bで構成されている。演
算処理部28は、第1の移動体速度検出装置が選択される
場合には、メモリ17のフリップフロップ回路17Aよりの
標本化された位相差データを(2)式に示すように三角
関数変換した後、ある深度又は水底において発生したエ
コー信号のドップラーシフト周波数を検出し、次いでこ
の検出されたドップラーシフト周波数に基づいて上記
(1′)式により対水又は対地船速を、更にこれらの船
速に基づいて潮流の速度を演算する。また、演算処理部
28は、第2の移動体速度検出装置が選択される場合に
は、メモリ17より読み出したデータに基づき周期を求
め、ドップラーシフト周波数を演算し、更に求めた周期
が正常であるか否かを判定し、対水速度又は対地速度又
は潮流の速度を演算する。切換器10は、第1又は第2の
移動体速度検出装置のいずれかを選択して動作させるも
のである。
先ず、切換器10を用いてFFTを使用する第1の移動体
速度検出装置を選択し、対水船速、対地船速または潮流
の速度を求める場合につき説明する。
送受波器1より超音波パルス信号が送波され、そのエ
コー信号が送受波器1で捕捉され、送受切換器Sを介し
て受信器3に入力されると、第3図(B)に示すよう
に、この受信器3においてエコー信号に対応するゼロク
ロス信号が生成出力され、位相差検出/周期検出器26に
入力される。この場合、検出器26は、位相差を検出する
ように動作する。一方、kビットのカウンタ6A,16Aは、
第3図(A)に示すように、0ないし2k−1の範囲内で
カウントアップを繰り返し、このkビットのカウンタ6
A,16Aよりの出力は、基準クロックを2k分周した信号の
位相を2π/2kのステップで表したものとなる。検出器2
6のkビットフリップフロップ回路6B,16Bは、kビット
のカウンタ6A,16Aよりの出力信号をゼロクロス信号の1
周期毎でラッチすることにより、この検出器26より出力
されるラッチ信号は、第3図(C)に示すように、基準
クロックを2k分周した信号とゼロクロス信号の位相差と
なる。位相差検出器26から送出される位相差信号は、メ
モリ17に書き込まれ記憶される。基準クロックに対する
水中及び水底で発生したエコーの位相差量子化値Δθw
(t)、Δθg(t)がメモリ17から演算処理部28に入
力されると、演算処理部28はある深度において又は水底
において発生したエコー信号のドップラーシフト周波数
を上述のFFTを用いた周波数決定法により検出し、得ら
れたドップラーシフト周波数に基づいて上記(1′)式
により自船の対水又は対地速度を演算する。更に、これ
らの対水速度及び対地速度に基づいて潮流の速度も演算
する。これらの動作は、第1図に示す実施例の場合と同
じである。
次に、選択器10が、第2の移動体速度検出装置を選択
し、エコー信号に含まれる搬送信号の各パルスの周期を
測定してドップラーシフト周波数を検出し、対水船速、
対地船速または潮流の速度を求める場合につき説明す
る。
この場合、位相差検出/周期検出器26は、信号の周期
を検出する。また、演算部28は、メモリ17より読み出し
たデータに基づき周期を求め、ドップラーシフト周波数
を演算する。送受波器1より超音波が送波され、そのエ
コー信号が送受波器1で検出され、受信器3よりの所定
のエコー信号が出力されると、位相差/周期検出部26に
て、エコー信号の各パルスの周期が計数用クロックに基
づいて検出されるとともに、パルス計数部5において
は、エコー信号のパルス数が計数され、これらの検出さ
れた周期及びパルス数は、サンプリングクロックに基づ
いてメモリ17に取り込まれ、演算部28へ送出される。演
算部28は、検出されたドップラーシフト周波数に基づい
て船速又は潮流速度を演算する。これらの動作は、第8
図に示した実施例の場合と同じである。
第14図において、航法装置11は、例えばロラン受信機
で構成されており、地球上の地点を測定しその位置を例
えば緯度及び経度で表わす信号を発生し対地船速演算部
12へ送出する。対地船速演算部12は、少なくとも2地点
間の距離とこれら2地点間を自船が移動するのに要した
時間とに基づいて自船の対地船速を演算し、潮流演算部
13へ送出する。第14図において、航法装置11、対地船速
演算部12及び潮流演算部13以外の部分の構成は、第1図
に示す実施例の構成と同じである。演算処理部8は、あ
る深度又は複数の深度における対水速度を潮流演算部へ
供給する。潮流演算部13は、入力された対地船速及び対
水船速に基づいて一又は複数の深度における潮流の速度
を演算して求める。
なお、第14図に示す実施例においては、ロラン受信機
で構成される航法装置を用いたが、航法装置としてGPS
受信機(Global Positioning System Receiver)を用い
ても同じ目的を達成することができる。GPS受信機は、
自船の対地船速を表わす信号を潮流演算部13へ直接送出
することができるので、この場合には、対地船速演算部
12は不要となる。
なお、第14図に示す実施例と同じように、第7図に示
す実施例の構成に航法装置11、対地船速演算部12及び潮
流演算部13を付加して、演算部18から対水速度を、また
対地船速演算部12から対地船速を潮流演算部13に供給す
れば一の深度又は複数の深度における潮流の速度を測定
することができる。また、航法装置11、対地船速演算部
12を使用する代わりに、GPS受信機を使用して、自船の
対地船速を表わす信号を潮流演算部13へ直接送出して潮
流の速度を求めても良い。
なお、第14図に示す実施例と同じように、第13図に示
す実施例の構成に航法装置11、対地船速演算部12及び潮
流演算部13を付加して、演算部28から対水速度を、また
対地船速演算部12から対地船速を潮流演算部13に供給す
れば、第1又は第2の移動体速度検出装置のいずれが選
択される場合にも、一の深度又は複数の深度における潮
流の速度を測定することができる。また、航法装置11、
対地船速演算部12を使用する代わりに、GPS受信機を使
用して、自船の対地船速を表わす信号を潮流演算部13へ
直接送出して潮流の速度を求めても良い。
第1図、第13図又は第14図に記載されるFFTを用いて
ドップラーシフト周波数を決定する方法を使用する実施
例の性能を更に向上させる本発明の特徴につき、以下に
述べる。
第1図、第13図又は第14図に記載される実施例に使用
されるFFTを用いてドップラーシフト周波数を決定する
方法に関しては、フーリエ変換で得た検出データのスペ
クトルから最大振幅を検出する必要がある。白色雑音の
スペクトルは、理論的にはどの周波数成分でも一定値と
なるが、実際には雑音の時系列データを一度フーリエ変
換した結果は必ずしも一定値とはならず、ある程度のバ
ラツキが生じる。低SN比の時系列データをフーリエ変換
した場合に、雑音によるスペクトル成分のバラツキによ
って生じる振幅値が信号振幅よりも大きな値になると、
検出周波数に大きな誤差を生じてしまう。これを避ける
べく、複数の検出信号を周波数軸上で平均処理を行え
ば、信号周波数における最大振幅を検出しやすくなる
が、船舶等では一定速度で航走していても船体動揺によ
り、送受信毎にドップラシフト周波数が変化するため
に、周波数軸上でそのまま平均処理をおこなうことはで
きない(信号周波数に定常性を仮定できないため)。実
際に海底や特にプランクトン等の水塊からの反射(対
水)エコーは非常に微弱であり、SN比の高い信号は期待
できないため、低SN比でも周波数を高精度に測定できる
ことが課題となる。
SN比の低い対水エコーに対して周波数軸上で平均処理
を行う方法について以下検討する。
対地/対水船速を求めることは、(1′)式における
ドップラシフト周波数を求めることである。対地あるい
は対水よりのエコー信号の時刻tでの位相をθe(t)
としたとき、これを三角関数変換した信号R(t),I
(t)は、 であり、これらの信号を時系列データとして、上記の
『FFTを用いた高精度周波数決定法』に従いフーリエ変
換することにより、ドップラシフト周波数を決定するこ
とができる。つまり、R及びI成分の振幅幅を量子化す
るのではなく、位相θを量子化することによりドップラ
シフト周波数を決定する。ただし、振幅情報は正規化さ
れるので相対値しか得られないが、ここでは周波数をも
とめることを目的としているので問題にはならない。
一方、潮流形において、潮流は、対地船速と対水船速
との差をとることで求まる。対地船速をVg、対水船速を
Vwとすると、潮流Vcは、 Vc=Vg−Vwとなり、また、対地エコーのドップラシフ
トをfdg、対水エコーのドップラシフトをfdwとすると、
潮流によるドップラシフトfdgは同様に、fdc=fdg−fdw
より求めることができる。更に潮流は、スペクトル平均
時間内においてほぼ一定であると考えられるため、潮流
の速度成分によるドップラスペクトラムを求めることが
できれば、周波数軸上での平均処理が可能をなる。
次に上記の実現方法について考える。通常、フーリエ
変換に必要となる時系列データを得るために量子化する
手法としては、A/D変換器を用いるのが一般的である。
しかしこの手法のごとく、時系列データの振幅を量子化
するだけでは、簡単に潮流速度成分によるドップラスペ
クトラムを求めることは困難である。そこで以下の手法
を用いる。
周波数は位相の時間微分で与えらえる。対地及び対水
エコーの時刻tにおける位相を各々θg(t)、θw
(t)とすると、潮流による位相θc(t)は、初期位
相θcoとして、 θc(t)と表すことができる。これを三角関数変換
とすると、 となる。ここで前記と同様に、上記の『FFTを用いた高
精度周波数決定法』に従いフーリエ変換を行いスペクト
ラムを求めれば、潮流のドップラスペクトラムを得るこ
とができる。
潮流速度を測定するときは、予め潮流測定層及び対地
船速の測定開始深度及び測定時間幅を入力すると、これ
らの設定データに対応する、上記の位相差データΔθw
(t)、Δθg(t)が求められ、潮流による位相差量
子化値Δc(t)、次式で示されるように、これらの対
水及び対地エコー位相差量子か値Δθw(t),Δθg
(t)の差をとることで求まる。
Δθc(t)=Δθw(t)−Δθg(t) ={2π(fp−fdw)+Δθo} −{2π(fp−fdg)+Δθgw} =2π(fdg−fdw)+Δθco (13) この求められた位相差データは、三角関数変換され時
系列データが求められる。その後は、同様に、ハニング
窓を乗じてフーリエ変換され、このようにして求められ
た数回の送受信分のフーリエパワースペクトラムが平均
処理され、『FFTを用いた高精度周波数決定法』により
周波数が決定される。この値がドップラシフト周波数で
あり、この値から潮流速度が求められる。
なお、この発明を上述のように詳細に記述し、またい
くつかの実施例に関連して記述したのであるが、その他
の種々の実施例や上記実施例の一部を変更したものを本
発明の技術思想や範囲から離脱することなく当業者が容
易に創作することができることは明らかである。
発明の効果 以上説明したように、この発明は、その第1の特徴と
して、フーリエ変換を用いた高精度周波数決定法を適用
したことにより、 リアルタイムの速度検出が可能になる、 測定層厚(測定時間幅)が小さい場合でも、高精度周
波数検出ができ、深度方向分解能の改善、 低SN比の周波数(又は速度)の検出精度の関係が式を
用いて定量的に評価可能である、 等の効果が得られる。
更に、フーリエ変換の前処理として位相差検出方式を
用いることにより、 対地及び対水エコーと、基準クロックとの位相差より
直接、潮流によるドップラシフト周波数の位相データを
量子化することができ、スペクトル平均処理が可能にな
る、 従来のゼロクロス信号を用いた周波数検出方式や周波
数追尾方式と同様にゼロクロス信号から位相データを得
ることができ、従来装置の性能向上が可能になる、 一般的なA/D変換方式と比較して振幅情報は正規化さ
れるが、逆にダイナミックレンジを常に理想の状態に保
て、また、ゼロクロス検出器を用いるのでアナログ処理
が簡略化される、 等の利点も得られる。
また、この発明は、その第2の特徴として、エコー信
号の各パルス毎の周期を求め、この求めた周期から正常
なもののみを採取するようにしたので、異常周期等が除
外され検出精度が向上し、又、複数の正常な周期からド
ップラーシフト周波数を求めるようにしたので更に検出
精度の向上を図れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−195578(JP,A) 特開 昭62−82381(JP,A) 特開 昭64−1996(JP,A) 特開 昭63−131084(JP,A) 特開 昭63−131086(JP,A) 特開 昭63−48487(JP,A) 特開 昭63−21563(JP,A) 特開 昭63−118666(JP,A) 特開 昭62−282286(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/52 - 7/64 G01S 15/00 - 15/96

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水中に送信した超音波信号に起因するエコ
    ー信号のドップラーシフト周波数を検出することによ
    り、対水又は対地船速を検出する移動体速度検出装置で
    あって、 受信された上記エコー信号と基準信号との位相差を検出
    する位相差検出手段と、 前記位相差検出手段で得られた位相差データに三角関数
    変換、次いで所定のフーリエ変換を行ない、得られたフ
    ーリエスペクトルを周波数補間して得られた周波数に基
    づいて対水又は対地船速を演算する演算手段とを備えた
    ことを特徴とする移動体速度検出装置。
  2. 【請求項2】演算手段が、位相差データに三角関数変換
    を行って得られた信号にハニング窓を乗じた後フーリエ
    変換を行なうことを特徴とする請求項1記載の移動体速
    度検出装置。
  3. 【請求項3】水中に送信した超音波信号に起因するエコ
    ー信号のドップラーシフト周波数を検出することによ
    り、潮流速度を検出する移動体速度検出装置において、 水底及びある深度において発生し受信されたエコー信号
    と、基準信号との位相差を検出する位相差検出手段と、 前記位相差検出手段で得られた位相差データに三角関数
    変換、次いで所定のフーリエ変換を行ない、得られたフ
    ーリエスペクトルを周波数補間して得られた周波数に基
    づいて上記深度における潮流を演算する演算手段とを備
    えたことを特徴とする移動体速度検出装置。
  4. 【請求項4】水中に送信した超音波信号に起因するエコ
    ー信号のドップラーシフト周波数を検出することによ
    り、潮流速度を検出する移動体速度検出装置において、 水底及び複数の深度において発生し受信されたエコー信
    号と、基準信号との位相差を検出する位相差検出手段
    と、 前記位相差検出手段で得られた位相差データに三角関数
    変換、次いで所定のフーリエ変換を行ない、得られたフ
    ーリエスペクトルを周波数補間して得られた周波数に基
    づいて上記複数の深度における潮流を演算する演算手段
    とを備えたことを特徴とする移動体速度検出装置。
  5. 【請求項5】対水船速及び対地船速を検出し、これらの
    船速に基づいて潮流速度を検出する移動体速度検出装置
    において、 少なくとも地球上の2地点とこれら2地点間を移動する
    のに要した時間とを測定しこれらのデータに基づいて対
    地船速を求める手段と、 超音波信号を送信する送信手段と、 1以上の深度において発生し受信されたエコー信号と、
    基準信号との位相差を検出する位相差検出手段と、 前記位相差検出手段で得られた位相差データに三角関数
    変換、次いで所定のフーリエ変換を行ない、得られたフ
    ーリエスペクトルを周波数補間して得られた周波数に基
    づいて上記1以上の深度における対水船速を演算する演
    算手段と 前記求められた対地船速及び対水船速に基づいて前記1
    以上の深度における潮流を演算する手段とを備えたこと
    を特徴とする移動体速度検出装置。
  6. 【請求項6】水中に送信した超音波信号に起因するエコ
    ー信号のドップラーシフト周波数を検出することによ
    り、対地又は対水船速を求める移動体速度検出システム
    において、 水底及び水中において発生し受信された上記エコー信号
    と、基準信号との位相差を検出する位相差検出手段と、 前記位相差検出手段で得られた位相差データに三角関数
    変換、次いで所定のフーリエ変換を行ない、得られたフ
    ーリエスペクトルを周波数補間して得られた周波数に基
    づいて前記超音波エコー信号が発生した深度における対
    地又は対水船速を演算する手段とから成る第1の移動体
    速度検出装置と、 水底及び水中において発生し受信されたエコー信号の各
    パルス毎の周期を検出する周期検出手段と、 周期を正常と判断するために用いられ且つ複数の周期を
    正常と判断するために用いられた信号に基づいてドップ
    ラーシフト周波数を求める手段と、 この求められたドップラーシフト周波数に基づいて対地
    船速又は対水船速を演算する船速演算手段とから成る第
    2の移動体速度検出装置と、 第1の移動体速度検出装置と第2の移動体速度検出装置
    とを切り換えて動作させる切換手段とを備えたことを特
    徴とする移動体速度検出システム。
  7. 【請求項7】水中に送信した超音波信号に起因するエコ
    ー信号のドップラーシフト周波数を検出することによ
    り、潮流速度を検出する移動体速度検出システムにおい
    て、 水底及び水中において発生し受信された上記エコー信号
    と、基準信号との位相差を検出する位相差検出手段と、 前記位相差検出手段で得られた位相差データに三角関数
    変換、次いで所定のフーリエ変換を行ない、得られたフ
    ーリエスペクトルを周波数補間して得られた周波数に基
    づいて前記超音波エコー信号が発生した深度における潮
    流を演算する手段とから成る第1の移動体速度検出装置
    と、 水底及び水中において発生し受信されたエコー信号の各
    パルス毎の周期を検出する周期検出手段と、 周期を正常と判断するために用いられ且つ複数の周期を
    正常と判断するために用いられた信号に基づいてドップ
    ラーシフト周波数を求める手段と、 この求められたドップラーシフト周波数に基づいて対地
    船速及び対水船速を演算する船速演算手段と、 これら対地船速及び対水船速に基づいて前記エコー信号
    が発生した水中深度の潮流を演算する潮流演算手段とか
    ら成る第2の移動体速度検出装置と、 第1の移動体速度検出装置と第2の移動体速度検出装置
    とを切り換えて動作させる切換手段とを備えたことを特
    徴とする移動体速度検出システム。
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