JP3027798U - 鎌刃板の鞘 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の鎌刃板の鞘が厚紙やビニールのフィルム
やシートから成り、この鞘を刃板に被せたものであった
ところから鞘が刃板から外れ易く、露出した刃が他のも
のと衝突して損傷され易くまた刃板が被覆されていても
刃が鞘をを破って鞘の外に露出し他の物を傷つけたり外
から傷つけられることの多いもので、極端な場合は鞘が
刃板に加えられる曲げや剪断の外力を支えきれずに刃板
が折れたり曲がったりしていたものである。 【解決手段】本考案は刃板１を収容する鞘体２がプラス
チック板や皮革等の丈夫で外力による変形がし難い基材
から成り、この鞘体２は基部に刃板１を支承する鎌の把
柄３の柄先部分の保持と保持の開放ができる柄保持部４
を設けたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は鎌の刃板を保護し鎌の不使用時に刃板が損傷しないようにするとと もに刃板が他に害を及ぼさないようにする鞘に関する考案である。

【０００２】

【従来の技術】

従来から使用されている鎌の鞘は、厚紙やビニールのフィルムやシートで鎌形 に形成された袋であって、鎌の刃板を袋の挿入口から袋内に挿入し刃板を覆って 刃板を保護しているものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の鎌刃板の鞘は上記するように、ボール紙等の厚紙やビニールのフィルム やシートからなる鎌形の袋であることから破損し易くもっぱら鎌刃の錆止めのサ ービス包装として用いられているもので、その使命はユーザーが販売店から鎌を 購入した時点で終わり後はゴミとして廃棄されていて、その後は刃がむき出しの まま使用されているため刃が使用者を含めて他のものに危害を与え易い危険なも のであったし、刃そのものが外部の硬いものにあたって刃こぼれをする原因にも なっていた。また、従来の鞘は曲げや剪断の外力に弱いため鎌の刃板に被さって いても鞘の外から大きな曲げや剪断の力が加えられると刃板を保護することが出 来ずに刃板が折れたり曲がったりして鎌の刃板を駄目にしていたものである。こ のことは、輸送に於いてよく生じているもので、これは、柄付きの鎌は荷造りが 裸のままなされており刃板に厚紙やビニールのフィルムやシートから成る鞘を被 せたままのものを１ダース程度まとめて柄を紐掛けし出荷しているからで、この 鎌の刃板は輸送途中で混載されている他の荷物の加害によってよく破損する外、 鞘が破損し刃板が鞘から露出することで混載されている他の荷物や荷役や輸送に 携わる者を傷つけていた。。この考案は上記より鎌の刃板を丈夫な資材によって 形成された鞘で覆うことで、いやしくも刃が人に傷を負わせたり刃板が損傷する ことのないようにすることと、鞘内の刃板が妄りに鞘走りをしないよう安全に刃 板を保持しようとすることを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案は上記の目的を達するため、鎌の刃板に着脱自在で係合し刃が外に危 害を与えたり外から損傷を受け刃こぼれが生じないようにするものにおいて、プ ラスチック板や皮革等の丈夫な基材から構成される箱方式の鞘体２の刃板を挿入 する開口側である鞘体２の基部に、鎌の刃板１が鞘２内に挿入された際、鎌の把 柄３の柄先部分3₁を鞘体２で保持した鎌の刃板１が鞘体２から外れないようにす る柄保持部４を設け、柄保持部４によって把柄３の柄先部分3₁を保持しようとす るものである。

【０００５】 そしてこの柄保持部４は、鞘体２の基部に設けた把柄３の柄先部分3₁を支受す る柄体支受体4₁と、柄体支受体4₁に定位する把柄３の柄先部分3₁を柄体支受体4₁ に止着させる柄止体4₂を柄体支受体4₁に設けたものからなり、この柄止体4₂と柄 体支受体4₁とで柄先部分3₁を保持し鎌の刃板１が鞘走りをしないようにするもの である。

【０００６】 さらに柄保持部４の他の構成は、柄保持部４を構成する柄体支受体4₁が天井の ある筒状体を縦に二分したような上方の開口が閉止された半円状断面の樋状体で あって、この樋状体の柄体支受体4₁は溝が鞘体２の正面又は後方を向くようにし て配置されて、こゝに把柄３の柄先部分3₁が嵌って定位できるようにしている。 そして鞘体２内に鎌の刃板１を収容させ把柄３の柄先部分3₁を柄体支受体4₁内に 納まったものを柄体支受体4₁に固定する帯状や紐状の柄止体4₂を柄体支受体4₁の 柄先部分3₁側で柄体支受体4₁と向き合わせた状態でその一方の側端部がこれと向 き合う柄体支受体4₁の一方の側端部に蝶番５を介して接続し柄止体4₂を柄体支受 体4₁の樋状溝に対して開閉を自在とし、また柄止体4₂の蝶番５の設置部分とは反 対側の他方の側端部と、この側端部と向き合う柄体支受体4₁の他方の側端部との 間には、掛け止め方式等の止め方式による止体６を設けて柄体支受体4₁に対し柄 止体4₂が開かないようにしたものである。

【０００７】

【考案の実施の形態】

この考案の鞘は鎌のメーカーが鎌を出荷する際や、販売店が店頭に陳列する際 に鎌の刃板に係合して鎌自体の破損の予防や他に危害を加えることのない安全性 の確保に供したり、ユーザーが鞘のみを購入して自己が所有する鎌の鞘として用 いるものである。

【０００８】 従来の鎌の刃板に付したものは、ボール紙や軟質のビニールフィルムやシート を鎌の刃型の袋に加工したものが用いられているが、これ等の袋は鎌の刃板に被 されているだけのものであるから外れ易く紛失することが多いものであり、また この袋は紙やビニールのような刃物に対し抵抗のないもので形成されているため やゝもすると刃によって袋は切損することが多く、鎌の刃が袋から露出して他の ものを傷つけたり、刃板自体が他のものによって傷つけられるものであって、鎌 はメーカーから出荷の際、刃板に上記するような袋を被せたものを一定の数量例 えば１ダースを一纏めにして紐で縛って荷造りをしたもを出荷しているものであ るから輸送途中で袋が刃板から外れて刃が露出し混載されている他の物品を損傷 させたり、逆に刃が他から危害を受けて刃こぼれ等の損傷をすることが多いもの であった。

【０００９】 そのため本考案では鞘体２を丈夫なプラスチック板例えば硬質のプラスチック 板や皮革等の資材より形成して、鞘体２に鎌の刃板１を収容させたとき、鞘体２ が鎌の刃で損傷されないようにし、その結果鎌の刃は鞘に守られて外部のものを 損傷させたり逆に外部から負傷させられることがない。

【００１０】 さらに、鞘体２はその基部分に鎌の把柄３の柄先部分3₁を鞘体２に定位させる ための柄保持部４を設け、この柄保持部４は把柄３の柄先部分3₁が嵌まる柄体支 受体4₁と柄先部分3₁を柄体支受体4₁に定着させる柄止体4₂とからなり、この柄止 体4₂は帯状や紐状であって、一方の側端は蝶番５を介して柄体支受体4₁に接続し 柄体支受体4₁の開放部4₃を塞ぎ、また反対側の他方の側端部では柄体支受体4₁と 柄止体4₂とを柄体支受体4₁と柄止体4₂との間に設けたフックやホック等からなる 止体６を掛け合って柄体支受体4₁に柄止体4₂を係着するものであてる。そしてこ の鞘体２が鎌の刃板１を収容するには鞘体２の袋部2₁内に刃板１を挿入するとと もに把柄３の刃先部分3₁を嵌め込み、そのあと柄止体4₂を蝶番５を中心に回転さ せて柄先部分3₁の上から柄体支受体4₁の開放部4₃を閉じ、かつ止体６によって柄 体支受体4₁に柄止体4₂を止着すると鞘体２は鎌の刃板１を被って妄りに外れるこ とがない。なおこの鞘体２はプラスチック板や皮革を資材としているが、このほ か木、硬質ゴム、金属板からなるものや、軽金属例えばアルミニューム合金の鋳 造品であってもよく、要は変形や破損のし難い丈夫なものであれば上記の資材に 限るものではない。又柄保持部４での柄止体4₂の柄体支受体4₁への設置手段も、 このほかにゴムベルトの一方の側端部を柄体支受体4₁の開放部4₃の一方の側端部 に設置し、これとは反対側の他方の端部分を柄体支受体4₁のゴムベルト設置部分 と反対側の他方の側端部で然るべき止体６を介して柄体支受体4₁に係着し、柄先 部分3₁を柄保持部４に定着させるものであってもよく、さらに柄体支受体4₁に紐 を設け、この紐で柄体支受体4₁の把柄３の柄先部分3₁を結びつけるものであって よく、要は把柄３の柄先部分3₁が柄体支受体4₁に定着できるものであればよく、 止体６も柄止体4₂が柄体支受体4₁に係合できるものであればよい。７は鎌を吊り 下げるための吊手が係合する吊孔である。

【００１１】

【考案の効果】

請求項１記載の考案によると、鎌の刃板１は丈夫な鞘体１でしっかりと保持さ れて刃板１が鞘体２の袋部2₁より抜け出ることや刃が鞘を切り裂いて鞘の外方に 露出することのない安全で正確且確実な刃板の保持ができる効果を奏する。

【００１２】 請求項２記載の考案によると、鎌の刃板１が鞘体２の袋部2₁に収容されたとき 鎌の刃柄３の柄先部分3₁を鞘体１の柄保持部４で強力に保持されることから鎌と 鞘体２との係合が正確且確実にされ鎌の刃板１が鞘体２の袋部2₁から妄りに鞘走 ることのない効果を奏する。

【００１３】 請求項３記載の考案によると、把柄３の柄先部分3₁を鞘体２の柄保持部４に定 位させかつ定着させる柄止体4₂の定着操作が簡単且つ容易で、しかも柄先部分3₁ は柄保持体４の柄体支受体4₁に正確かつ確実に係着することができ、鎌の刃板１ が妄りに鞘走ることのない効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】鎌の刃板を収容した本案の鞘体を示す正面図

【図２】Ａ−Ａ線の拡大断面図

【符号の説明】

１─鎌の刃板，２─鞘体，2₁─袋部，３─把柄，3₁─柄
先部分，４─柄保持部，4₁─柄体支受体，4₂─柄止体，
4₃─開放部，５─蝶番，６─止体，７─吊孔

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】鎌の刃板１に係合して刃板１を保護するも
   のにおいて、刃板１を収容するプラスチック板や皮革等
   の丈夫で外力に対し変形のし難い基材から成る鞘体２の
   基部に鎌の把柄３の柄先部分3₁を保持する柄保持部４を
   設けたことを特徴とする鎌刃板の鞘。
2. 【請求項２】鞘体２の柄保持部４は、鞘体２の基部に設
   けた柄体支受体4₁と柄体支受体4₁に設けた柄止体4₂とか
   ら成るものであることを特徴とする請求項１記載の鎌刃
   板の鞘。
3. 【請求項３】保持部４の柄止体4₂は帯状又は紐状であっ
   て、上方が閉止された半円状断面形の柄体支受体4₁と向
   き合って設置され、しかも、柄止体4₂はこれと向き合う
   柄体支受体4₁の側方の開放部4₃の開放と開放の閉止の動
   作をするべく、柄止体4₂の一方の側端部をこれと向き合
   う柄体支受体4₁の一方の側端部へ蝶番５を介して係着
   し、さらに、柄止体4₂の蝶番５との係着部分とは反対側
   の他方の側端部とこの側端部と向き合う柄体支受体4₁の
   側端部との間には柄止体4₂が柄体支受体4₁の開放部4₃を
   閉止した際に柄体支受体4₁に柄止体4₂を係着と係着の解
   除をすることの出来る止体６を設けたことを特徴とする
   請求項１又は２記載の鎌刃板の鞘。