JP3026094B2 - ポリウレタン系樹脂製靴底,およびその製造方法 - Google Patents

ポリウレタン系樹脂製靴底,およびその製造方法

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JP3026094B2 JP2-90387A JP9038790A JP3026094B2 JP 3026094 B2 JP3026094 B2 JP 3026094B2 JP 9038790 A JP9038790 A JP 9038790A JP 3026094 B2 JP3026094 B2 JP 3026094B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、耐湿熱性等の物性に優れたポリウレタン系
樹脂製靴底、およびその製造方法に関するものである。
[従来の技術] ポリウレタン系樹脂は、通常のゴムと比較して、製造
工程が簡単であること、耐摩耗性に優れていることなど
からゴムに代って靴底に使用されるようになってきてい
る。ポリウレタン系樹脂の主原料ポリオールとしては、
特開昭59−27911に記載されているように機械的物性、
耐摩耗性の点からポリエステルポリオールが用いられて
いるが、エステル結合が加水分解し易く、耐加水分解性
に劣る。この点を改良するため3−メチル−1,5−ペン
タンジオールを用いたポリエステルポリオールも公知と
なっているが、(特開昭63−101412)基本的にエステル
結合である限り加水分解には弱い。
[発明の解決しようとする課題] ポリエステルポリオールの耐加水分解性の問題を解決
するために、ポリオキシアルキレンポリオールを使用す
ることも知られている。ポリオキシアルキレンポリオー
ルを用いたポリウレタン系樹脂(以下、エーテル系ポリ
ウレタンともいう)製靴底はポリエステルポリオールを
用いたものに比較してカビが生じ難いという特徴も有し
ている。ポリエステルポリオールを用いたポリウレタン
系樹脂(以下、エステル系ポリウレタンともいう)に比
較して、エーテル系ポリウレタンは耐湿熱性に優れてい
るとはいえ、その差はあまり著しいものとはいえず、加
えて引張強度や耐摩耗性などの物性は劣っているのが現
状である。そのため、エーテル系ポリウレタン製の靴底
は特に耐湿熱性が問題となる用途に用いられているに過
ぎず、またその耐湿熱性も必ずしも充分とはいえない。
[課題を解決するための手段] 本発明は、特定のポリオキシアルキレンポリオールの
使用により耐湿熱性が異常といっていい程高いエーテル
系ポリウレタンを見出したことを基礎としている発明で
ある。加えて、引張強度や耐摩耗性などのエステル系ウ
レタンに比較して著しく劣っていた物性もまた改良さ
れ、靴底として極めて優れた物性を有する。また、エス
テル系ウレタン製靴底は熱可塑性のエステル系ウレタン
を一旦製造した後これを成形して製造される。一方、ポ
リウレタンの成形方法としてはワンショット法が簡便で
あり、特にRIMと略称される反応射出成形法が成形効率
の面でより有利である。しかし、エステル系ウレタンを
このような成形方法で成形することは困難である。
本発明は、ワンショット法、特に反応射出成形法、で
成形するエーテル系ポリウレタンであって上記のように
靴底として極めて優れた物性を有するポリウレタン系樹
脂を見出したことに基づく。本発明はこの技術的改良を
要旨とする下記の発明である。
不飽和度0.07meq/g以下でありかつ末端にオキシエチレ
ン基を有するポリオキシアルキレンポリオールと鎖伸長
剤とポリイソシアネート化合物とを含む高反応性原料混
合物を成形型内で反応硬化させて得られ、JIS−K−630
1に準拠した引張強度が60kg/cm2以上、かつJIS−K−73
11に準拠した摩耗量が150mg以下であるポリウレタン系
樹脂からなる靴底。
80℃,95%相対湿度下に10日間放置した後のデマチャ屈
曲試験において、初期に切り込みを入れた2mmのクラッ
クが5mm以上に成長しないであって、不飽和度0.07meq/g
以下でありかつ末端にオキシエチレン基を有するポリオ
キシアルキレンポリオールと鎖伸長剤とポリイソシアネ
ート化合物の反応生成物からなるポリウレタン系樹脂か
らなる靴底。
不飽和度0.07meq/g以下でありかつ末端にオキシエチレ
ン基を有するポリオキシアルキレンポリオールを主成分
とする高分子量ポリオール、鎖伸長剤、およびジフェニ
ルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート化合物
を主成分とし発泡剤、触媒を含む混合物を成形型中で反
応硬化させることを特徴とする耐湿熱性に優れたポリウ
レタン系樹脂製靴底の製造方法。
本発明におけるポリウレタン系樹脂は、高反応性原料
混合物を成形型内で反応硬化させて得られるポリウレタ
ン系樹脂である。高反応性原料混合物を成形型内で反応
硬化させてポリウレタン系樹脂成形物を製造する方法
は、ワンショット法による射出成形である。特に、高反
応性原料の混合物を用いた方法は、RIMと呼ばれてい
る。この方法は、エーテル系ポリウレタン成形物の製造
に用いられエステル系ポリウレタン成形物の製造には用
いられていない。本発明におけるこのエーテル系ポリウ
レタンは、後述実施例に示すように耐摩耗性が極めて高
い。即ち、JIS−K−7311に準拠した摩耗量が極めて低
い。しかも、JIS−K−6301に準拠した引張強度は高
い。これら耐摩耗性と引張強度はエステル系ポリウレタ
ンに匹敵する。一方、本発明におけるポリウレタン系樹
脂は、後述実施例に示すように80℃、95%相対湿度下に
10日間放置した後のデマチャ屈曲試験に合格する。従来
のエステル系ポリウレタンにおいては4日放置後におい
て大部分が不合格である。従来のエーテル系ポリウレタ
ンにおいても6〜7日放置後大部分が不合格になる。こ
れに対して本発明におけるエーテル系ポリウレタンでは
20日放置後でも合格するという驚くべき耐湿熱性を有す
る。加えて、エステル系ウレタンは耐カビ性が低く、カ
ビの生えやすい雰囲気の下では使用困難であったが、本
発明におけるエーテル系ポリウレタンはエーテル系ポリ
ウレタンの特徴である耐カビ性も優れている。
本発明におけるエーテル系ポリウレタンは靴底として
従来と同様の密度を有する低発泡ポリウレタンであり、
しかも従来のエーテル系ポリウレタンの原料であるポリ
オキシアルキレンポリオールを本発明における特定の高
反応性ポリオキシアルキレンポリオールに変えることに
より容易に製造することができる。ポリイソシアネート
化合物も高反応性であるものが使用され、特にジフェニ
ルメタンジイソシアネート系のポリイソシアネート化合
物が使用される。即ち、特定の高反応性ポリオキシアル
キレンポリオール、鎖伸長剤、およびポリイソシアネー
ト化合物(好ましくはジフェニルメタンジイソシアネー
ト系ポリイソシアネート化合物)を発泡剤や触媒の存在
下に反応硬化させることにより得られる。本発明におけ
るポリオキシアルキレンポリオールは末端にオキシエチ
レン基を有し、かつ不飽和度0.07meq/g以下のポリオキ
シアルキレンポリオールである。水酸基価は40以下が好
ましく、特に5〜30が好ましい。
一般的にいえば、ポリオキシアルキレンポリオールの
水酸基価を下げる程、その不飽和度は高くなる。なぜな
ら、水酸基価の低いもの程、ポリオキシアルキレンポリ
オールの主たるオキシアルキレン基である炭素数3以上
のオキシアルキレン基、特にオキシプロピレン基、の量
が多くなるため、その製造時の炭素数3以上のアルキレ
ンオキシドの反応量が多くなり、それに伴い、同アルキ
レンオキシドの副反応(不飽和基を生じる副反応)も多
く生じ不飽和度が高くなるからである。この炭素数3以
上のアルキレンオキシドの副反応は、反応触媒がアルカ
リ金属化合物(水酸化アルカリ)などのアルカリ触媒の
場合に生じ易い。低不飽和度かつ低水酸基価のポリオキ
シアルキレンポリオールをアルカリ触媒を用いて製造す
ることは不可能ではない(特にマイルドな反応条件を用
いれば可能と考えられる)が、好ましくは他の触媒を用
いて製造されたポリオキシアルキレンポリオールが好ま
しい。この触媒としては、たとえば金属ポルフィリン
(特開昭61−197631号公報参照)、LiPF6(特開昭60−1
97726号公報参照)、複合金属シアン化物錯体(特公昭5
9−15336号公報、米国特許第3929505号明細書参照)、
金属と3座配位以上のキレート化剤との錯体(特開昭60
−197726号公報参照)などがある。
本発明において、ポリオキシアルキレンポリオールの
不飽和度は水酸基価との関係で考慮されなければならな
い。水酸基価40以下において不飽和度の上限は0.07meq/
gであることが好ましい。特に不飽和度の上限は0.04meq
/gであることが好ましい。従来のアルカリ触媒で製造さ
れたポリオキシアルキレンポリオールの不飽和度は水酸
基価56程度で0.08以上であり、水酸基価がこれより下が
ると不飽和度は急激に上昇する。言い換えれば、高水酸
基価のもの程低い不飽和度であった。前記複合金属シア
ン化物錯体触媒などのアルカリ触媒以外の触媒を使用し
ても水酸基価が下がるほど不飽和度は上昇する傾向にあ
る。従って、本発明におけるポリオキシアルキレンポリ
オールにおいてもより高水酸基価のもの程低い不飽和度
でなければならない。この関係を式で表すと、水酸基価
(x)のポリオキシアルキレンポリオールの不飽和度
(y meq/g)は、x>10のとき、 y≦0.9/(x−10) の関係にあることが好ましい。ここにおいてxが約22.9
以下ではyの上限は0.07meq/gである。好ましくは、y
の上限は0.04meq/gである(xが約32.5〜40ではyは上
記式に従う)。また、1分子当りの水酸基の数は2〜8
が好ましく、特に2〜6が好ましい。なお、本発明にお
けるポリオキシアルキレンポリオールは2種以上の混合
物であっても良いことは勿論であり、その場合の平均の
不飽和度、水酸基価、及び水酸基数の範囲は上記の通り
である。
上記のポリオキシアルキレンポリオールは、多価のイ
ニシエーターにアルキレンオキシドを付加して製造され
るものであり、アルキレンオキシドとしては好ましくは
プロピレンオキシドとブチレンオキシドの少なくとも1
種とエチレンオキシドとが用いられる。特に好ましく
は、プロピレンオキシドとエチレンオキシドとが用いら
れる。このポリエーテルポリオールにおける水酸基は高
い反応性を有する水酸基、即ち1級水酸基を高い割合で
含む。このためには、ポリオキシアルキレンポリオール
の分子鎖の末端にはオキシエチレン基が存在する必要が
ある。このようなポリオキシアルキレンポリオールは、
多価イニシエーターにプロピレンオキシドやブチレンオ
キシドを付加した後にエチレンオキシドを付加すること
によって得られる。オキシエチレン基は分子鎖末端部分
に加えて分子鎖内部にも存在していてもよい。分子末端
部分に存在するオキシエチレン基の含有量は少なくとも
5重量%必要であり、好ましくは少なくとも8重量%で
ある。上限は、好ましくは40重量%、特に30重量%であ
る。一方、オキシプロピレン基やオキシブチレン基の含
有量は両者合計で60重量%以上、特に70重量%以上が好
ましい。
上記ポリオキシアルキレンポリオールを製造する場合
に使用される多価のイニシエーターとしては、多価アル
コール、多価フェノール、ポリアミン、アルカノールア
ミンなどがある。たとえば、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセ
リン、デキストロース、シュークロース、ビスフェノー
ルA,エチレンジアミンなどがある。これらは1種は勿
論、2種以上を併用してもよい。特に好ましい多価イニ
シエーターは多価アルコールである。これら多価イニシ
エーターにプロピレンオキシドや1,2−あるいは2,3−ブ
チレンオキシドなどの炭素数3以上のアルキレンオキシ
ドの少なくとも1種を付加し、ついでエチレンオキシド
を付加して目的とするポリオキシアルキレンポリオール
が得られる。内部オキシエチレン基を有するポリオキシ
アルキレンポリオールは、多価イニシエーターにエチレ
ンオキシドと炭素数3以上のアルキレンオキシドとを順
次あるいは混合して付加し、最後の段階でエチレンオキ
シドを付加して得られる。
本発明におけるポリオキシアルキレンポリオールは、
さらにα,β−不飽和基を有するモノマーの重合体を有
していてもよい。この重合体含有ポリオキシアルキレン
ポリオールは重合体/ポリオールなどと呼ばれ、たとえ
ば前記ポリオキシアルキレンポリオール中でアクリロニ
トリルやスチレンなどのモノマーを重合して得られる。
重合体は微粒子状でポリオキシアルキレンポリオール中
に分散しており、通常はポリオキシアルキレンポリオー
ル中に安定に分散している。重合体含有ポリオール中の
重合体の量は通常40重量%以下、特に5〜30重量%であ
る。この重合体含有ポリオキシアルキレンポリオールの
全体としての水酸基価は40以下、特に5〜30が好まし
い。
本発明において前記ポリオキシアルキレンポリオール
以外の高分子量ポリオールや他の高分子量活性水素化合
物を任意の成分として併用できるが、その使用は必須で
はない。また、その量は多くとも前記ポリオキシアルキ
レンポリオールに対して30重量%以下が通例である。し
かし、ポリウレタン系樹脂の物性を向上させる目的で、
あるいは他の目的のために使用することができる。この
ような、高分子量ポリオールとしては、水酸基当りの平
均分子量が400以上、特に800以上であり、1分子当り平
均の水酸基の数が1.6〜4であるポリオールが好まし
い。水酸基当りの平均分子量は10,000以下が好ましい。
このような高分子量ポリオールとしては、たとえば水酸
基含有ポリブタジエンなどの水酸基含有炭化水素系ポリ
マー、ポリエステルポリオール、ポリオキシテトラメチ
レンポリオールなどがある。
本発明において、鎖伸長剤としてはポリオール系鎖伸
長剤やアミン系鎖伸長剤が使用される。鎖伸長剤は2種
以上併用しても良い。ポリオール系鎖伸長剤としては、
2〜4個の水酸基を有し分子量が400以下の低分子量ポ
リオールが好ましい。この鎖伸長剤はエチレングリコー
ルや1,4−ブタンジオールなどの代表的鎖伸長剤を含
む。その他、上記以外の多価アルコール、低分子量ポリ
オキシアルキレンポリオール、3級アミノ基を有するポ
リオールなどのアミノ基を有しないポリオールがある。
これらは2種以上併用することができる。ポリオール系
鎖伸長剤としては、例えば下記例示の化合物があるが、
これらに限られるものではない。好ましくはエチレング
リコールと1,4−ブタンジオールの少なくとも1種が使
用される。
エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、トリエタノールアミン、N−アルキルジエ
タノールアミン、ビスフェノールA−アルキレンオキシ
ド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン。
アミン系鎖伸長剤としては、芳香族ポリアミン、脂肪
族ポリアミン、脂環族ポリアミン、1級あるいは2級の
アルカノールアミンなどがある。芳香族ジアミンとして
は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ア
ルキルチオ基、電子吸引性基から選ばれた少なくも1個
の置換基をアミノ基が結合している芳香核に有する芳香
族ジアミンが好ましく、特にジアミノベンゼン誘導体
(例えば、ジエチルトルエンジアミンやモノクロルジア
ミノベンゼン)やジフェニルメタンジアミン誘導体が好
ましい。電子吸引性基を除く上記置換基はアミノ基が結
合した芳香核に2〜4個結合していることが好ましく、
特にアミノ基の結合部位に対してオルト位の少なくとも
1個、好ましくはすべてに結合していることが好まし
い。電子吸引性基はアミノ基が結合している芳香核に1
あるいは2個結合していることが好ましい。勿論、電子
吸引性基と他の置換基が1つの芳香核に結合していても
よい。アルキル基、アルコキシ基、およびアルキルチオ
基の炭素数は4以下が好ましく、シクロアルキル基はシ
クロヘキシル基が好ましい。電子吸引性基としては、ハ
ロゲン原子、トリハロメチル基、ニトロ基、シアノ基、
アルコキシカルボニル基などが好ましく、特に塩素原
子、トリフルオロメチル基、およびニトロ基が好まし
い。脂肪族ポリアミンとしては炭素数6以下のジアミノ
アルカンやポリアルキレンポリアミンが好ましい。さら
に、アミノアルキル基を2個以上有する芳香族化合物、
アミノアルキル基を合計2個以上有する芳香族化合物
(例えば、キシリレンジアミン)、および上記のような
置換基を有するこれら芳香族化合物、などの芳香核を有
するポリアミンを使用することもできる。脂肪族ポリア
ミンとしては、ジアミノアルカン、ポリアルキレンポリ
アミン、低分子量ポリオキシアルキレンポリオールの水
酸基の一部〜全部をアミノ基に変換して得られるポリア
ミンなどがある。脂環族ポリアミンとしては、アミノ基
および/またはアミノアルキル基を2個以上有するシク
ロアルカン(例えば、イソホロンジアミン)があり、ア
ルカノールアミンとしてはモノエタノールアミンやジエ
タノールアミンなどがある。
ポリオキシアルキレンポリオールを含む全高分子量ポ
リオール成分と鎖伸長成分の合計に対する鎖伸長剤成分
の量は2〜45重量%が採用される。好ましくは5〜30重
量%が採用される。
ポリイソシアネート化合物成分は、少なくとも2個の
イソシアネート基を有する化合物の少なくとも1種から
なる。好ましくは、反応性の高い芳香族ポリイソシアネ
ートが用いられる。具体的には、ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネー
ト、およびこれらの変性物の1種以上からなるジフェニ
ルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート化合物
が用いられる。好ましくは4,4′−ジフェニルメタンジ
イソシアネートの液状変性物が用いられる。変性物とし
ては、たとえばプレポリマー型変性物やカルボジイミド
変性物がある。ジフェニルメタンジイソシアネート系ポ
リイソシアネート化合物としては、ポリオキシアルキレ
ンポリオールで変性したジフェニルメタンジイソシアネ
ートが好ましい。このポリオキシアルキレンポリオール
としては水酸基価600以下、特に400以下のポリオキシア
ルキレンポリオールが好ましい。その水酸基価の下限は
特にはないが、前記特定の低不飽和度のポリオキシアル
キレンポリオールを用いることもできる。これらポリオ
キシアルキレンポリオールで変性したポリイソシアネー
トは前記プレポリマー型変性物の1種であり、またイソ
シアネート基末端ポリウレタンポリマーと呼ばれること
もある。ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基
含有量は少なくとも12重量%であることが好ましく、特
に少なくとも16重量%であることが好ましい。ポリイソ
シアネート化合物成分の使用量は、ポリオール成分と鎖
伸長剤成分の合計当量に対して0.8〜1.3倍当量である。
好ましくは0.9〜1.2倍当量が使用される。
ポリウレタン系樹脂の製造において触媒の使用は通常
必須である。触媒としては通常第3級アミン系触媒や有
機錫化合物が使用される。また、発泡剤は反応性混合物
の成形型に対する充填性を向上するために多くの場合に
使用される。本発明における低発泡ポリウレタン系樹脂
は比較的少量の発泡剤を使用して得られる。発泡剤とし
てはトリクロロフルオロエタン(R−11)、1,1,2−ト
リクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン(R−113)、1,
1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン(R−12
3)、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(R−141
b)、塩化メチレン,その他のハロゲン化炭化水素系発
泡剤や水があり、両者が併用されることも少なくない。
特にハロゲン化炭化水素系発泡剤の使用が好ましく、そ
の量はポリオールと鎖伸長剤の合計100重量部に対して
約10重量部以下、特に約0.1〜5重量部が適当である。
ポリウレタン系樹脂の製造は上記原料に加えてさらに
任意の添加剤を使用して行ないうる。任意の添加剤とし
ては、たとえば整泡剤,充填剤,着色剤,紫外線吸収
剤,光安定剤,酸化防止剤,難燃剤などがある。整泡剤
としてはシリコーン系整泡剤や含フッ素系整泡剤などが
ある。充填剤としてはガラス繊維やワラストナイトなど
の無機繊維,合成繊維などの有機繊維,炭酸カルシウ
ム,その他の粉末充填剤,マイカ,その他の平板状充填
剤などがある。これら充填剤の充填量は多くなる程原料
成分の粘度や操作性に問題が生じるので全合成樹脂原料
に対して約30重量%以下、特に20重量%以下とすること
が好ましい。
本発明におけるポリウレタン系樹脂の密度は0.2〜0.9
g/cm3であることが好ましい。特に、0.3〜0.8g/cm3であ
ることが好ましい。なお、この密度は充填剤などの任意
の添加剤を多量に含まないものの密度であり、そうでな
い場合は、それ以上の密度となっても良い。また、本発
明におけるポリウレタン系樹脂の密度は、0.9g/cm3を越
えても良く、実質的に無発泡のポリウレタン系樹脂であ
っても良い。
本発明の靴底はワンショット法による射出成形法で成
形されることが好ましい。この方法は、上記反応性原料
を混合ヘッドで混合し、その混合物を成形型に注入し、
成形型中でその混合物を反応硬化して成形物を得る方法
である。特に高反応性の原料を使用し高速で混合射出す
る方法はRIMと呼ばれる。混合から充填終了までは通常1
0数秒以内であり、RIMでは数秒以内である。
以下に本発明を実施例によって説明するが、本発明は
これら実施例に限られるものではない。
実施例 下記のポリオールを用いて靴底の成形、発泡ポリウレ
タンの評価を行なった。
ポリオールA:前記公知の複合金属シアン化物錯体を用
いて低分子量ポリオキシプロピレングリコールにプロピ
レンオキシドを反応させ、引続いてアルカリ触媒でエチ
レンオキシドを反応させて得られたオキシエチレン基が
全体の23重量%を占める水酸基価28、不飽和度0.014meq
/gのポリオキシアルキレンジオール。
ポリオールB:ポリオールAと同様の方法により低分子
量ポリオキシプロピレントリオールにプロピレンオキシ
ドとエチレンオキシドをこの順で反応させて得られた、
オキシエチレン基が全体の20重量%を占める水酸基価2
6.5、不飽和度0.019meq/gのポリオキシアルキレントリ
オール。
ポリオールC:ポリオールAと同様の方法により得られ
た、オキシエチレン基が全体の15重量%を占める水酸基
価16.5、不飽和度0.021meq/gのポリオキシアルキレント
リオール。
ポリオールD(従来のポリオキシアルキレンポリオー
ル):KOHを触媒としてプロピレンオキシドとエチレンオ
キシドをこの順で反応させて得られた、オキシエチレン
基含有量20重量%、水酸基価28、不飽和度0.10meq/gの
ポリオキシアルキレンジオール。
ポリオールE(従来のポリオキシアルキレンポリオー
ル):ポリオールCと同様にグリセリンにプロピレンオ
キシドとエチレンオキシドをこの順で反応させて得られ
た、オキシエチレン基含有量20重量%、水酸基価24、不
飽和度0.15meq/gのポリオキシアルキレントリオール。
ポリオールF(ポリエステルポリオール):分子量30
00のポリエチレンアジペートジオール ポリオール液 表記したポリオール混合物(組成は重量部で表す、ポ
リオール混合物の平均不飽和度はmeq/gで表す)に,
水、1,4−ブタンジオール(BD)、シリコーン系整泡剤S
F−1306(信越化学製)、Dabco 33LV(日本エアプロダ
クツ製)、ジブチルチンジラウレート(DBTDL)、1,1,2
−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン(R−113)
を均一混合した(組成は重量部で表す)ものをポリオー
ル液とした。
イソシアネート液 分子量約2000のポリオキシプロピレンジオールで変性
した4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(変性M
DI;イソシアネート含有量19重量%)。
成形 低圧発泡機を用い、以下の条件で靴底の成形を行っ
た。
マシン回転数;5000rpm 液温;2液とも35℃ 吐出混合比;ポリオール液/イソシアネート液=100/92 吐出量;45g/秒 型温;45℃ オーブン温度;45℃ 一方、ポリウレタン樹脂の物性を測定するために上記
と同一の成形条件でアルミモールド(200mm×300mm×9m
m)を用いてシートを成形した。オーブンにて4分間キ
ュア後(なお、比較例においてはキュア時間4分では硬
化不十分で脱型後変形を生じるので比較例1、2では6
分、比較例3では5分とした)、23℃、相対湿度60%の
室内にて4日間熟成して物性の測定を行った。JIS−K
−6301に準拠した引張強度、JIS−K−7311に準拠した
摩耗量、下記デマチャ屈曲試験等の結果を表に示す。
上記で成形したシートから125mm×25mmの矩形のサン
プルを切り抜き、中央部に幅方向で2mmの貫通孔をあ
け、80℃、相対湿度95%の状態に一定期間保った後、取
り出してデマチャ屈曲試験を行なった。即ち貫通孔の部
分に折り曲げ(300回/分)を10万回繰り返した後、亀
裂成長が5mm以内を合格とし、不合格となるまでの日数
で、湿熱後耐屈曲性の評価を行なった。不合格となるま
での日数を「耐湿熱性」として表に示す。
[発明の効果] 本発明のポリウレタン系樹脂製靴底は極めて優れた耐
湿熱性を有し、従来のエステル系ポリウレタン製靴底は
勿論、エーテル系ポリウレタン製靴底に比較してはるか
に高い耐湿熱性を有している。しかも、従来のエーテル
系ポリウレタン製靴底の他の物性も向上し、靴底として
極めて優れたものである。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不飽和度0.07meq/g以下でありかつ末端に
    オキシエチレン基を有するポリオキシアルキレンポリオ
    ールと鎖伸長剤とポリイソシアネート化合物とを含む高
    反応性原料混合物を成形型内で反応硬化させて得られ、
    JIS−K−6301に準拠した引張強度が60kg/cm2以上、か
    つJIS−K−7311に準拠した摩耗量が150mg以下であるポ
    リウレタン系樹脂からなる靴底。
  2. 【請求項2】80℃,95%相対湿度下に10日間放置した後
    のデマチャ屈曲試験において、初期に切り込みを入れた
    2mmのクラックが5mm以上に成長しないポリウレタン系樹
    脂であって、不飽和度0.07meq/g以下でありかつ末端に
    オキシエチレン基を有するポリオキシアルキレンポリオ
    ールと鎖伸長剤とポリイソシアネート化合物の反応生成
    物からなるポリウレタン系樹脂からなる靴底。
  3. 【請求項3】ポリウレタン系樹脂の密度が0.2〜0.9g/cm
    3である、請求項1または2記載の靴底。
  4. 【請求項4】ポリイソシアネート化合物がジフェニルメ
    タンジイソシアネート系ポリイソシアネート化合物であ
    る、請求項1、2または3記載の靴底。
  5. 【請求項5】前記ポリオキシアルキレンポリオールが、
    水酸基価40以下でありかつオキシプロピレン基および/
    またはオキシブチレン基含有量60重量%以上のポリオキ
    シアルキレンポリオールである、請求項1、2、3また
    は4記載の靴底。
  6. 【請求項6】不飽和度0.07meq/g以下でありかつ末端に
    オキシエチレン基を有するポリオキシアルキレンポリオ
    ールを主成分とする高分子量ポリオール、鎖伸長剤、お
    よびジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシア
    ネート化合物を主成分とし発泡剤、触媒を含む混合物を
    成形型中で反応硬化させることを特徴とする耐湿熱性に
    優れたポリウレタン系樹脂製靴底の製造方法。
  7. 【請求項7】ポリウレタン系樹脂の密度が0.2〜0.9g/cm
    3である、請求項6記載のポリウレタン系樹脂製靴底の
    製造方法。
  8. 【請求項8】前記ポリオキシアルキレンポリオールが、
    水酸基価40以下でありかつオキシプロピレン基および/
    またはオキシブチレン基含有量60重量%以上のポリオキ
    シアルキレンポリオールである、請求項6または7記載
    のポリウレタン系樹脂製靴底の製造方法。
JP2-90387A 1989-04-11 1990-04-06 ポリウレタン系樹脂製靴底,およびその製造方法 Expired - Lifetime JP3026094B2 (ja)

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JP8982889 1989-04-11
JP1-89828 1989-04-11

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