JP3026033U - 露出防水層浮上り防止構造 - Google Patents
露出防水層浮上り防止構造Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 メンブレン防水工法による露出防水層が、強
風時の揚力によって捲れ上がって吹き飛んだり、破断、
亀裂を生じて防水機能に支障を来してしまうことがない
ようにする、新規な露出防水層浮上り防止構造を提供す
る。 【解決手段】 所定本数の専用押圧部材を下地1面に略
垂直状に固定した上、専用押圧部材全体を防水層2,
3,4内に埋設状とするか適宜防水被覆処理し、これら
所定本数の専用押圧部材により、メンブレン防水工法に
よって形成される露出防水層2,3,4の要所要所を下
地1に押圧、固定した露出防水層浮上り防止構造。
風時の揚力によって捲れ上がって吹き飛んだり、破断、
亀裂を生じて防水機能に支障を来してしまうことがない
ようにする、新規な露出防水層浮上り防止構造を提供す
る。 【解決手段】 所定本数の専用押圧部材を下地1面に略
垂直状に固定した上、専用押圧部材全体を防水層2,
3,4内に埋設状とするか適宜防水被覆処理し、これら
所定本数の専用押圧部材により、メンブレン防水工法に
よって形成される露出防水層2,3,4の要所要所を下
地1に押圧、固定した露出防水層浮上り防止構造。
Description
【0001】
この考案は、建築物の主として屋上面の防水構造として採用されるメンブレ ン露出防水層の補強構造に係わるものであって、メンブレン露出防水層が、強風 時の揚力で捲れ上がって吹き飛んだり、あるいは上下繰返作用で防水層が部分的 に破断、亀裂を生じて防水機能に支障を来してしまうことがないようにする、新 規な露出防水層浮上り防止構造を提供しようとするものである。
【0002】
オフィスビルやホテル等の建築には欠かせない陸屋根形式の大型建築物を可 能としたのは、鉄とコンクリートという新たな素材の出現が大いに寄与している ことに違いはないが、それと共に、防水施工方法の進歩、発展を見逃すことはで きない。 特に、アスファルトその他有機質コンパウンドによるコロイド性被膜を、ア スベスト系、ガラス繊維系、合成繊維系の素材で開目織布や不織布とし、それら を単独あるいは適宜アスファルト等を含浸させた各種芯材と交互に積層状にして いき、防水の主役であるコロイド性被膜層を保護、強化しながら多層防水構造に 仕上げるメンブレン防水工法の登場は、防水施工の初期段階に採用されていた、 単にアスファルトをそのままかマスチック状にしたものに、麻・綿等の粗布を芯 材として形成する防水構造や、アスファルトを含浸させたルーフィング材を芯材 としたもの等に比較して、その防水機能が飛躍的に高められるものとなったこと から、陸屋根形式の大型建築物の実現化を大いに後押し、経済的発展も手伝った ビルラッシュの近代都市造成に拍車を掛けることとなった。
【0003】 大型建築物等建築物の陸屋根は、屋上を人が利用する空間となるかどうかと いう建築物の用途の面と、建築強度を左右する荷重の問題や防水構造のメンテナ ンスの問題等、建築物の構造上の面とを考慮して分類してみると、メンブレイン 防水層を、ラス入りモルタル層や、軽量コンクリート層、発泡コンクリート層、 あるいは砂利撒き層等の押え層によって完全に被覆してしまう構造の陸屋根と、 メンブレン防水層をそのまま露出させてしまう露出防水構造の陸屋根とがあり、 後者の露出防水構造の陸屋根の場合、強風が陸屋根面を吹き抜けていく際に、強 い負圧状態となって屋上揚力が作用してしまう結果、一部の防水層に上下動が繰 り返されてその部分に破断や亀裂を惹起してしまって防水機能に支障を来したり 、それらが高じてしまうと大きな面積に渡って捲れ上がって完全に防水層を破壊 してしまう外、希にはそれらが剥がれて屋上から外に吹き飛ばされ、地上に落下 して人家に危害を及ぼしてしまうといった極めて危険な事態の発生も報告されて いる。
【0004】 露出防水構造による陸屋根は、建築物の高機能化傾向で、下地の上にインシ ュレーション材を平坦に敷き詰め、その継ぎ目に防水テープ等による目貼りをし てインシュレーション材自体にも一部防水機能を負担させた上、その上にメンブ レン防水層を形成していく断熱防水構造が頻繁に採用されるようになり、一層下 地との一体化、即ち境界強度の強化に腐心をしなければならない事態を迎えてい るが、防水施工業界では、未だ保守的、伝統的な考え方から脱却できず、防水層 の最下面と下地との関係、即ち、下地面と防水層(インシュレーション材を敷設 した断熱防水構造では、そのインシュレーション材を含む)との境界強度をどの ように強化していくかだけに興味が集中し、追随性に富み、耐久性ある新素材や それを下地に一体化する専用の接着剤等、あるいは風圧による影響を軽減化する ための各種提案がなされるだけで、特に画期的な解決手段の開発、実用化が試さ れることはなかった。
【0005】 下地面と防水層との境界強度を、強風による負圧に耐えられる強度まで高め てしまう解決手段は、下地構造、即ち、建築物の屋上構造がRCなのか、ALC 、PC、PSコンクリートなのか、あるいはまた、ドリゾール版やデッキプレー トにモルタル押え等といった構造形式や素材構造の違いによって、その柔軟性、 伸縮性等の変形量に大きな差があることから、それらに多様に追随するよう防水 層を下地に接着、一体化して境界強度を高めることとなり、境界強度が高められ ると今度は耐久性のあるメンブレン防水層で防水機能を高めていかなければなら ないという新たな課題(追随性と伸縮反復劣化による防水機能の低下防止の追及 )を抱え、この課題の解決は、科学技術の進展した現状の技術手段を以てしても 極めて困難であって、当然のことながら未だ有効な解決策を目にすることができ ないでいる。
【0006】 こうした現象が、全て防水構造に対するこれまでの伝統的な考え方、即ち、 防水層に直交する方向には防水構造を破断させてしまうような孔や不連続部を形 成しないという基本的な技術的思想に起因していることは明白であり、本願考案 者は、この伝統的立場に係わりながらも、長年に渡ってその検証を注意深く続け 、県工業技術センター研究員やその他専門家等からの指導を得ながら、鋭意開発 、研究を継続し、試行錯誤を繰り返してきて結果、遂に、その伝統的な考え方か ら脱却し、これまで確実にタブー視されてきた技術的思想を採用してしまう極め て画期的な露出防水層浮上り防止構造を実用化することに成功したものであり、 以下では、その構成を、図面に示す代表的な実施例の説明と合わせながら、詳細 にしていくこととする。
【0007】
この考案の露出防水層浮上り防止構造は、基本的に次のような構成から成る ものである。 即ち、所定本数の専用押圧部材を、夫々防水層の一部を貫通させるか継ぎ目 を利用して下地面に略垂直状に固定した上、専用押圧部材全体を防水層内に埋設 状とするか適宜防水被覆処理し、これら所定本数の専用押圧部材により、メンブ レン防水工法によって形成される露出防水層の要所要所を下地に押圧、固定した 露出防水層浮上り防止構造である。
【0008】 この基本的な技術的思想からなる露出防水層浮上り防止構造を、特に最近多 様傾向にある断熱防水構造に限ってその構成を示すと、この考案には、次のよう な二とおりの露出防水層浮上り防止構造を包含している。 即ち、一つは、下地上に隙間なく平坦に敷き並べた所定サイズのインシュレ ーション材の要所要所を、所定形状、大きさとした非腐蝕性硬質薄平板を有する 専用押圧部材の略中央で下地に押圧、固定する一方、適宜メンブレン防水工法に よる防水層で、これら専用押圧部材を含むインシュレーション材表面全体を被覆 、防水した露出防水層浮上り防止構造であり、他の一つは、下地上に隙間なく平 坦に敷き並べた所定サイズのインシュレーション材上に、施すべきメンブレン防 水層の中の下貼り防水層部分を形成する一方、該下貼り防水層上の要所要所を、 所定形状、大きさとした非腐蝕性硬質薄平板を有する専用押圧部材の略中央で下 地に連結、固定して各インシュレーション材および下貼り防水層を下地に押圧状 とした上、これら専用押圧部材を含む下貼り防水層表面上に、メンブレン防水層 の中の残りの防水層を形成してなる露出防水層浮上り防止構造である。
【0009】 一方、既に本願考案者において開発、実用化済みである断熱防水既成板によ って形成した防水層のための浮上り防止構造として示すと、以下のとおりのもの となる。 即ち、下地上に隙間なく平坦に敷き並べた所定サイズの断熱防水既成板の継 ぎ目を含む要所要所に形成した凹部に、専用押圧部材の非腐蝕性硬質薄平板を嵌 合、添接し、その略中央を下地に連結、固定する一方、これら専用押圧部材を含 む断熱防水既成板凹部部分、および全ての継ぎ目部分に絶縁層、防水塗膜下塗り 層、補強用グラスマット、および防水塗膜中塗り層からなる防水塗膜薄板を積層 、一体化した上、全ての断熱防水既成板上に最終防水仕上げ層を形成した露出防 水層浮上り防止構造である。
【0010】 露出防水層は、露出防水工法として現在その主流をなしているメンブレン防 水工法によって形成される、例えば、プライマー処理した下地上に絶縁ルーフィ ングやベースルーフィングを張り付け、各種コンパウンド層を形成した防水塗膜 最下層、その上に繰り返されるルーフイングと各種コンパウンド層とからなる防 水塗膜中塗り層、そして最終的な防水塗膜上塗り層の順に3〜4層構造とした標 準的な密着工法による露出防水層から、EPコート等の適宜絶縁層を形成した上 に上記のような多層防水層とする絶縁工法による露出防水層の外、下地上に適宜 インシュレーション材、例えばポリスチレンフォームやフォームグラスといった 発泡材系の断熱板、軟質繊維板やファイバーグライ等の繊維板系断熱材、あるい はパーライトや炭化コルク等既に多用される断熱材と共に、既に本願考案者にお いて実用化に成功している、工場において補強防水塗膜層を表面層に予め形成し た硬質ポリウレタンフォーム等を含む各種インシュレーション材を下地上に隙間 なく敷き詰めて継ぎ目処理をしてから、その全表面上に上記した露出防水層を形 成したり、単に最終仕上げ用の防水塗膜層だけを形成して露出防水層とするもの 等、特に防水押えを施していない防水構造全てがその対象となる。
【0011】 本願考案者において実用化に成功している断熱防水既成板を更に詳述すれば 、この断熱防水既成板の全ては、工場加工生産されるものであって、基本サイズ 、例えば 900×1800mmのものを正確に大量生産する外、サイズ割れの箇所を補う 役物用としての適宜サイズのものも必要に応じて用意するようにすることができ 、それらは何れもサイズに係わらず、基板となる硬質ウレタンフォームの裏面に は、断面角型、半円形の凹溝、あるいは逆V字溝等の通気溝を、縦横に連通状、 例えば格子状、放射状等となるよう形成し、基板の表面には、補強防水塗膜層が 、やはり工場加工段階で品質管理をしてピンホール等の発生が完全に阻止され、 硬く均質な層構造となるようにして生産されるもので、その積層構造は、基本的 に防水塗膜下塗り層、補強用グラスウールマット、防水塗膜中塗り層、防水塗膜 上塗り層の4層構造から形成され、それら下塗り層、中塗り層、上塗り層各層の 形成は、ポリエステル塗膜、ビニルエステル樹脂塗膜その他公知の耐候性樹脂塗 膜の塗布、乾燥によって実現されている。 なお、基板としては、断熱性に秀れた硬質ウレタンフォーム板を単独か、あ るいは、市販のもので表裏の両面または片面に特殊防湿紙等を積層一体化した硬 質ウレタンフォーム板、例えばアキレスボード(アキレス株式会社の商品名)等 を採用することができる。
【0012】 下地、即ち、露出防水層を施す建築物構造面は、コンクリート(打設コンク リート面に均しモルタルを施したものも含む)のような動き難い下地の外、木造 のような動き易く、釘着を可能とする下地、そして、最近の建築物に多い鉄骨構 造等のPC板、ALC板、デッキプレート、あるいはそれらの上に軽量コンクリ ート・均しモルタル仕上げした、動き易く、釘着できない下地まで、様々な下地 構造が対象であり、したがって、専用押え部材は、それら下地に応じた適宜固定 構造、例えば拡張栓構造のもののように、コンクリート内に打ち込まれ、内部で 広がって抜け止めされるようにしたアンカー金具の外、木造用にネジ切りや逆目 突起を形成した構造のアンカー金具等が適材適所に採用されるようにしなければ ならない。
【0013】 専用押圧部材は、下地に連結されて露出防水層を押圧する機能を果たす非腐 蝕性硬質薄平板と、該非腐蝕性硬質薄平板を下地に連結する機能を果たすアンカ ー金具とから構成される部材であり、非腐蝕性硬質薄平板は、正方形、円形等の 平面形としたステンレス製薄平板やFRP製薄平板等からなり、作用する揚力に 抗して防水層を押圧する応力が期待できるだけの面積を要し、その面積は、当接 する部分の防水層あるいはインシュレーション材の素材強度と、自身の材厚とに 左右されるが、これまでに実施されている公知の露出メンブレン防水層に直接か 、インシュレーション材表面用等全てに共通して採用できる大きさとしては、正 方形で mm厚のステンレス製薄平板を例にすれば、少なくとも200平方糎( 略14cm角)程度、より最適には、400平方糎(20cm角)程度の面積を有し たものに形成されるのが望ましい。
【0014】 一方、アンカー金具は、上記した非腐蝕性硬質薄平板の略中央部に予め形成 した固定金具連結用の装着孔に挿通して下方に抜出してしまうことのない構造、 例えば一体構造の皿形頭部としたり、ナットを螺合して頭部とする連結部に形成 され、脚部側は、記述したとおり、コンクリート下地用の拡張栓構造のものの外 、ネジ構造、逆目釘構造のものに形成されてなるものであり、該アンカー金具に よって、露出防水層に直接か、あるいは露出防水層の下層となるインシュレーシ ョン材または断熱防水既成板上に添接あるいは埋設状とした非腐蝕性硬質薄平板 を下地に連結、固定することになる。
【0015】 上記した専用押圧部材は、露出防水層面が受ける揚力に応じた所要本数のも のが用意され、露出防水層全面に略均等配置となるようにしてその要所要所を押 圧するよう、下地に固定されることになるが、その所要個数は、建築物の高さと 屋上面積、および風速で決定される以下の形算式で算出される屋上全体の揚力F を、専用押圧部材1本当りの引張り強度fで除して得られる数値N以上の本数と しなければならない。 なお、本考案の露出防水層浮上り防止工法は、陸屋根を対象としているが、 その他の屋根に関しても、基本的には同様の技術的思想の応用が可能である。
【0016】 F=S×q× 0.5(陸屋根の場合の風力係数)×d (なお、上記形算式は、建築基準法施行令87条の規定による。) F 屋上全体の揚力(kg) S 屋上面積(平方米) q 風の速度圧(kg/平方米)。 但し、建物の地盤面からの高さhによって次の値を選択する。 (1) h≦16米の場合 q=60×(h平方根) (2) h>16米の場合 q= 120×(h平方根) d 海岸からの距離によって選択する逓減率 (1) 海岸からの距離が8km以内の区域の場合 d=0.8 (2) 海岸からの距離が8kmを越える区域の場合 d=0.65
【0017】 したがって、必要とされる専用押圧部材の本数Nは、次のようにして算出さ れる。 N=F/f N 専用押圧部材の必要本数 F 屋上全体の揚力(kg) f 専用押圧部材の引張り強度(kg) 但し、このf値は、専用押圧部材自身の引張り強度に、脚部の下 地への固定強度、頭部との連結強度、頭部と防水層あるいはインシ ュレーション材とのめり込み、ないし抜出し具合等を総合勘案した 実験値が通常採用される。 以下、この考案を代表する露出防水層浮上り防止構造の実施例を、図面と共 に説示することとする。
【0018】
【実施例1】 図1の断面図に示した事例は、露出防水層の最上層の上から押圧する場合の 事例であり、コンクリート下地1上に密着工法で形成された露出防水層2,3, 4の最上層4から、所定サイズの径の垂直孔を下地1所定深さにまで達するよう にして穿設する一方、その垂直孔に、脚部51が拡張栓構造に形成されたアンカ ー金具5を打ち込んで確実に固定状とした上、その頭部側からステンレス製薄平 板からなる非腐蝕性硬質薄平板6の連結孔61を嵌め、頭部ナット52を螺合す ることにより、非腐蝕性硬質薄平板6で露出防水層1を押圧状にする。
【0019】 その後、非腐蝕性硬質薄平板6およびその周辺上に適宜防水コンパウンドか 接着剤を十分に塗布してから、それらを完全に覆い尽くしてしまうサイズに裁断 した絶縁ルーフィングもしくはベースルーフィング7を添接、一体化し、その上 を更に仕上げ防水層8で、露出防水層の最上層4と一体化した表面層としてしま うものである。 この事例では、専用押圧部材の取り付けられた箇所の防水層が盛り上がり状 となる浮上り防止工法となるが、それを避けるためには、図示にはしていないが 、その盛り上がり部分をカバーできる厚さとした仕上げ防水層8を、露出防水層 2,3,4全表面に施すようにすればよい。(当然、防水層2,3,4全体の防 水機能も高めることになる。)
【0020】
【実施例2】 図2の断面図に示されている実施例は、絶縁断熱防水工法による露出防水層 に浮上り防止構造の事例である。 予め均平化して下拵えのなされたコンクリート下地1上には、先ず絶縁コー ト21が塗布され、その上に、所定厚のポリスチレンフォームからなるインシュ レーション材22を間断なく敷き詰めてしまい、その継ぎ目を利用して、所定サ イズの径の垂直孔を下地1所定深さにまで達するようにして穿設する一方、その 垂直孔に、脚部51が拡張栓構造に形成されたアンカー金具5を打ち込んで確実 に固定状とした上、その頭部側からステンレス製薄平板からなる非腐蝕性硬質薄 平板6の連結孔61を嵌め、頭部ナット52を螺合することにより、非腐蝕性硬 質薄平板6で露出防水層1を押圧状にする。 その後、専用押圧部材の非腐蝕性硬質薄平板6を含む継ぎ目全てに継ぎ目防 水を施してから、従前までからの露出防水層2,3,4を順次施して、専用押圧 部材を完全に露出防水層2,3,4内に埋設状としてしまうものである。
【0021】
【実施例3】 図3には、上記した実施例2における浮上り防止工法の手順が一部変更され て実施される露出防水構造の断面図が示されている。 即ち、上記実施例2と同様にしてインシュレーション材22をコンクリート 下地1上に隙間なく敷き並べた後、実施例2と違って、先ず、最下層の防水塗膜 下塗り層2を先行して形成してしまい、次の防水塗膜中塗り層3の施工に入る前 段階に、専用押圧部材のコンクリート下地1への固定をなしてしまい、全ての専 用押圧部材の取り付け作業を終えてから、以下の防水塗膜中塗り層3、防水塗膜 上塗り層4の施工を実施し、これら防水塗膜中塗り層3、防水塗膜上塗り層4に よって、全ての専用押圧部材が埋め込み状とされてしまうようにした代表的な事 例である。
【0022】
【実施例4】 最後の実施例は、本願考案者が既に開発済みで実施化している断熱防水既成 板9を採用して実施する浮上り防止構造の事例であり、その断面構造が図4に示 されている。 断熱防水既成板9は、基板部に、インシュレーション材部分としてアキレス ボード(アキレス株式会社の商品名)等を単独か、あるいは、市販のもので表裏 の両面または片面に特殊防湿紙等を積層一体化したものを採用し、その表面には 、補強防水塗膜層が、工場加工段階で品質管理をしてピンホール等の発生が無い 硬く均質な層構造となるようにして生産されるもので、その積層構造は、防水塗 膜下塗り層2′、補強用グラスウールマット2″、防水塗膜中塗り層3′、防水 塗膜上塗り層4′の4層構造から形成され、それら下塗り層2′、中塗り層3′ 、上塗り層4′各層は、ポリエステル塗膜、ビニルエステル樹脂塗膜その他公知 の耐候性樹脂塗料の塗布、乾燥によって形成されている。
【0023】 この断熱防水既成板9は、また工場加工段階で上下に貫通する垂直孔が予め 形成されたものとされ、現場施工段階では、この垂直孔に合わせてコンクリート 下地1への穿孔作業を実施するだけで、専用押圧部材の固定作業を実施すること ができるようにされている外、外周所定巾部分には、梨地様表面、即ち、細かい 凹凸表面の継ぎ目用加工部に形成してある。
【0024】 これら隣接断熱防水既成板9,9,……を、コンクリート下地1上に隙間な く敷き詰め、専用押圧部材で下地1に押圧、固定した後、継ぎ目を挾む所定巾部 分の梨地様表面とした継ぎ目用加工部に接着剤を塗布してから、絶縁材を添接、 一体化した上、工場加工で形成された補強防水塗膜層と略同じ積層構造となるよ うにして、その絶縁層の上に、防水塗膜下塗り層2′、補強用グラスウールマッ ト2″、防水塗膜中塗り層3′、防水塗膜上塗り層4′の4層構造の継ぎ目塗膜 塗り層を順次形成し、最終的にその表面をサンダー仕上げして略平滑な面とした 露出防水層を形成するものである。
【0025】
以上のような構成からなるこの考案の露出防水層浮上り防止構造は、防水機 能優先の見地から、決してこれまで採用されることのなかった防水層自体を要所 要所で垂直方向に穿孔してしまい、該穿孔部分から垂直方向に防水層を横断して しまう専用押圧部材を下地に固定してしまい、下地を支持部として、防水層の要 所要所を、風圧による揚力に抗し得るだけの本数に算出された所要数の専用押圧 部材で露出防水層自体を直接か、インシュレーション材あるいは本願考案者にお いて実用化している断熱防水既成板を介して間接的に下地へ押圧、固定してしま う画期的な手段によるものであり、益々大型化し、高層化されていく傾向が必至 の建築物において、その陸屋根屋上に掛かる風圧による揚力は更に強くなってい く当然の現象の到来に対し、この考案の露出防水層浮上り防止構造は、極めて強 固に、したがって、極めて安全な露出防水構造の形成を保証するという大きな特 徴を発揮することとなる。
【0026】 しかも、この考案の露出防水層浮上り防止構造は、あらゆる露出防水構造に 対して採用可能となるという汎用性の高い構造である上、その実施化も、事前の 算出方法による所要本数の専用押圧部材で、下地に直接あるいは間接に防水層を 押圧、固定するだけで実現し得るという簡便なものであり、また、専用押圧部材 も比較的簡潔な構造のもので済ますことが可能であり、しかも、これまでタブー 視されていた防水機能にも何等支障を来すことがないことも確認されていること から、これまでのように浮上り防止策に腐心しながら実現する露出防水構造に比 較し、その施工効率の面からも経済性の面からも遥かに有利なものになるという 秀れた特徴も兼ね備えたものとなる。
【0027】 特に、各実施例に示したこの考案を代表する浮上り防止構造は、密着工法に よる露出防水層、あるいはインシュレーション材を敷設する断熱工法ないし絶縁 断熱工法、あるいはまた、工場管理されて厳密な補強防水塗膜層が形成されてお り、現場塗膜防水施工方法のような層厚不足やピンホールの発生等、防水構造形 成後の不測の雨漏り現象発生要因が未然に取り除かれ、防水層としての機能上に おいて極めて信頼性が高められた本願考案者において実用化済みの断熱防水既成 板による防水工法等、代表的な防水工法によって形成される露出防水層に対し、 夫々最も望ましい浮上り防止構造を例示するものであって、上記したこの考案の 特徴が、夫々の工法毎に略理想的に発揮されることを保証するものであり、その 実用性、安全性はより一層高められるものとなる。
【0028】 叙上の如く、この考案の露出防水層浮上り防止構造は、従前までに破られる ことのなかった防水工法の基本的な技術的思想に拘泥することなく、その機能性 、作業性、経済性に適う合理的な技術的思想に裏打ちされた画期的なものであり 、しかも、その性能については、長期に渡る開発過程で繰り返され続けた試作実 験で十分に追試、検証された信頼性の高いものである以上、従前までの伝統的な 露出防水構造では不可能であった秀れた浮上り防止を果たす陸屋根用の露出防水 構造を実現可能とするものとして高く評価されるものといえる。
図面に示す露出防水層浮上り防止構造は、この考案が包
含するものの最も代表的な構造の幾つかを示すものであ
る。
含するものの最も代表的な構造の幾つかを示すものであ
る。
【図 1】密着工法による露出防水層におけるものの要
部断面図である。
部断面図である。
【図 2】断熱工法による露出防水層におけるものの要
部断面図である。
部断面図である。
【図 3】断熱工法による露出防水層におけるものの要
部断面図である。
部断面図である。
【図 4】断熱防水既成板を採用した防水工法による露
出防水層におけるものの要部断面図である。
出防水層におけるものの要部断面図である。
【図 5】専用押圧部材の分解斜視図である。
1 コンクリート下地 2 防水塗膜下塗り層 21 絶縁コート層 22 インシュレーション材 3 防水塗膜中塗り層 4 防水塗膜上塗り層 5 アンカー金具 51 同 脚 部 52 同 頭部ナット 6 非腐蝕性硬質薄平板 61 同 連結孔 7 絶縁ルーフィングまたはベースルーフィン
グ 8 仕上げ防水層 9 断熱防水既成板
グ 8 仕上げ防水層 9 断熱防水既成板
Claims (4)
- 【請求項1】 所定本数の専用押圧部材を、夫々防水層
の一部を貫通させるか継ぎ目を利用して下地面に略垂直
状に固定した上、専用押圧部材全体を防水層内に埋設状
とするか適宜防水被覆処理し、これら所定本数の専用押
圧部材により、メンブレン防水工法によって形成される
露出防水層の要所要所を下地に押圧、固定した露出防水
層浮上り防止構造。 - 【請求項2】 下地上に隙間なく平坦に敷き並べた所定
サイズのインシュレーション材の要所要所を、所定形
状、大きさとした非腐蝕性硬質薄平板を有する専用押圧
部材の略中央で下地に押圧、固定する一方、適宜メンブ
レン防水工法による防水層で、これら専用押圧部材を含
むインシュレーション材表面全体を被覆、防水した露出
防水層浮上り防止構造。 - 【請求項3】 下地上に隙間なく平坦に敷き並べた所定
サイズのインシュレーション材上に、施すべきメンブレ
ン防水層の中の下貼り防水層部分を形成する一方、該下
貼り防水層上の要所要所を、所定形状、大きさとした非
腐蝕性硬質薄平板を有する専用押圧部材の略中央で下地
に連結、固定して各インシュレーション材および下貼り
防水層を下地に押圧状とした上、これら専用押圧部材を
含む下貼り防水層表面上に、メンブレン防水層の中の残
りの防水層を形成してなる露出防水層浮上り防止構造。 - 【請求項4】 下地上に隙間なく平坦に敷き並べた所定
サイズの断熱防水既成板の継ぎ目を含む要所要所に形成
した凹部に、専用押圧部材の非腐蝕性硬質薄平板を嵌
合、添接し、その略中央を下地に連結、固定する一方、
これら専用押圧部材を含む断熱防水既成板凹部部分、お
よび全ての継ぎ目部分に絶縁層、防水塗膜下塗り層、補
強用グラスマット、および防水塗膜中塗り層からなる防
水塗膜薄板を積層、一体化した上、全ての断熱防水既成
板上に最終防水仕上げ層を形成した露出防水層浮上り防
止構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1995014312U JP3026033U (ja) | 1995-12-19 | 1995-12-19 | 露出防水層浮上り防止構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1995014312U JP3026033U (ja) | 1995-12-19 | 1995-12-19 | 露出防水層浮上り防止構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3026033U true JP3026033U (ja) | 1996-07-02 |
Family
ID=43161212
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP1995014312U Expired - Lifetime JP3026033U (ja) | 1995-12-19 | 1995-12-19 | 露出防水層浮上り防止構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3026033U (ja) |
-
1995
- 1995-12-19 JP JP1995014312U patent/JP3026033U/ja not_active Expired - Lifetime
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