JP3025630U - 植栽領域を表面に有する焼成造形物 - Google Patents

植栽領域を表面に有する焼成造形物

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隆 石井
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株式会社いしい
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  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 植物を生育させたエクステリアなどの人工の
造形物を容易にかつ任意の形態で提供すること。 【解決手段】 多孔質の焼成体であって表面の全部また
は一部に多数の開口および/または穴を有しており、該
開口および/または穴を有する表面の少なくとも一部に
植物が生育できる環境をもつ領域が設けられてなる焼成
造形物。形状としては、傘立て、応接テーブル、燈籠、
瀧石などがあげられる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、表面の任意の個所に植物を植えつけられる焼成造形物に関する。
【0002】
【従来の技術】
庭石や石灯籠などには、コケや草木が生え、古色を醸し出しているものがある 。
【0003】 こうした庭石などにおける植物の生育は、庭石などが天然物であろうとコンク リートなどの人造物であろうと、自然の手によって自然のなすがままに任せるし かなかった。したがって植物を生育させるためには、長期間を要し、かつ望む植 物の配置や組合せをうることは容易ではない。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、長期間を要しかつ偶発的な要因に頼っていた植物を生育させたエク ステリアおよびインテリアなどの造形物を容易にかつ任意に製造し提供すること を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる目的は、多孔質の焼成体であって表面の全部または一部に多数の開口お よび/または穴を有しており、該開口および/穴を有する表面の少なくとも一部 に植物が生育できる環境をもつ領域が設けられてなる焼成造形物を用いることに よって達成される。
【0006】 本考案の焼成造形物は、多孔質の焼成体である。まず、焼成体、いわゆる焼き 物であるため、自由に形状を創造することができる。つぎに多孔質であるため、 水分を内部に保持する能力(保水能)をもち、また水を毛管現象で吸い上げる能 力(吸上能)をもっている。これらの能力は、焼成造形物の表面で植物を生育さ えるために必要な能力である。また、水はけがよく根腐れがなく、年間を通して 植え付けができる。さらにまた、通気性が良好なので根の張りもよい。
【0007】 コンクリートなどの造形物も多孔質で保水能や吸上能をもっているが、所望の 強度をうるためにはできるだけ緻密な構造である方がよく、コンクリートにとっ て保水能や吸上能は強度の低下につながる欠点である。したがって、コンクリー トなどに植物の生育に必要なだけの多孔性をもたすと、強度が不充分となり、崩 れやすくなる。また、コンクリートには植物に害となる成分も含まれており、植 物の生育に適さない。
【0008】 一方、焼成体は焼結により多孔質構造がしっかりと形成されているため、コン クリートなどよりも、あるいは砂岩などの天然石よりも強度が高く、経時的な強 度の低下も少ない。また、かなり広い範囲で多孔性の程度をコントロールするこ とができ、用途に応じて、所定の多孔性度とすることができる。
【0009】 本考案の焼成造形物は、その表面の全部または一部に多数の開口および/また は穴を有している。この開口および/または穴は本考案において重要な技術的事 項である。すなわち、こうした開口または穴が、後述する植物が生育できる環境 をもつ領域を形成する。
【0010】 開口とは、焼成体の中の孔の端が表面の開いたものをいい、穴とは底をもつく ぼみをいう。開口および穴の数は微小のものを含めれば無数といってよい。多け れば多いほど、土壌などの植物の生育に必要な成分をしっかりとかつ多く保持す ることができる。
【0011】 開口および穴の大きさ(口径と深さ)は均一でない方が外観だけでなく、植物 の根の張りやすさ、土壌などの培地の保持の点から好ましい。一方、あまり小さ すぎても根が張りにくいことや、培地を保持する点で不利である。通常開口は約 0.1mm〜約1cm、穴は約0.1mm〜5cmの範囲のものを含んでいる。
【0012】 また開口および穴は隣接するもの同士が連通していてもよい。形状も不定形で あるのが同様の理由で好ましい。
【0013】 さらに造形物自体に凹所や溝などを形成し、そのような部分に開口や穴を設け ると、生育用の培地の固定が容易である。凹所や溝の大きさは造形物の大きさ、 形状、植栽する植物の種類などによって適宜決めればよく、数センチの小さなも のから約50cmのものまである。
【0014】 本考案において、多数の開口および/または穴を有する表面は焼成造形物の全 表面を占めていてもよいし、所望の部分のみであってもよい。他の残りの表面は 平滑な表面としたり、水不透過性の表面にしたりしてもよい。
【0015】 本考案において、多数の開口および/または穴を有する表面の少なくとも一部 が、植物が生育できる環境をもつ領域となる。自然界では、そうした凹所に土壌 などが溜り、植物の種子が発芽し生育するのであるが、本考案においては、積極 的にそうした植物が生育できる環境をこしらえるのである。
【0016】 植物が生育できる環境とは、(1)適当な水分が供給でき、(2)適当な培地 (養分)が確保でき、かつ(3)適当に光があたり、(4)根が充分張れる場所 をもつ環境といえる。本考案において(1)と(3)と(4)の条件は、多孔質 の焼成体としかつ多数の開口および/または穴を有する表面とすることによりえ られる。そして、(2)の適当な培地については、天然もしくは人工の土壌また は人工の培地を積極的に開口および/または穴に与えることによってえられる。
【0017】 また天然石は一般に水はけがわるいが、本考案の造形物は排水性と吸水性のバ ランスに優れており、植物の生育に最適な環境を与える。
【0018】 本考案によれば、植物の種類、形、大きさなどに応じて、予め表面の粗さの程 度、形状、広さなどを設計しておけば、目的とする配置をもつ植栽された焼成造 形物が容易に短時間でえられる。
【0019】
【考案の実施の形態】
本考案における多数の開口および/または穴を有する表面は、たとえば溶岩の ような凹凸のある形をしている。その表面の形状を模式的に拡大して図1および 図2に示す。
【0020】 図1は、開口と穴とが凹凸を有する表面で複雑に絡み合っている状態のもので ある。1は開口、2は穴を示すがこれらは連通していてもよく、また溝の形にな っていてもよい。
【0021】 図2は穴を主とした表面であり、造形物の凹凸表面に穴が溝3やくぼみ4を形 成している状態のものである。
【0022】 こうした開口や穴に植物が生育できる培地が配置される。配置の仕方は培地の 種類や状態によって異なるが、単に載せて押しつけるだけでよい場合もあり、焼 成体の内部の多孔質部分まで浸透させ充填する方がよい場合もある。培地自体は 養分を含んでいてもいなくてもよい。養分が含まれていないばあいは、養分を適 宜追加すればよい。
【0023】 適当な培地としては、畑土、山土などの天然の土壌;またはたとえば練りケト 土や配合ケト土もしくはこれらと人工の肥料や堆肥、ピートモスを配合した配合 培地や人工培地などがあげられる。特に、ケト土と赤玉土を7/3(重量比)で よく練り合わせたものを95%程度含む培地が好ましい。培地の種類および量の 選定は、焼成造形物の表面状態、植栽する植物の種類などで適宜決めればよい。
【0024】 本考案の焼成造形物は、たとえばつぎのようにして製造することができる。
【0025】 原料としては、耐火レンガの原料として用いられているシャモット、セラミッ クを製造する際に生ずる廃棄物である白木節または黒木節、蛙目粘度などを主体 とするものなどがあげられる。そのほかベンガラなどの顔料を製品の色に応じて 配合してもよい。たとえば、赤テーブルなどには白木節やシャモットにベンガラ を配合すればよく、黒テーブルなどにはシャモットや黒木節を用いればよい。
【0026】 各成分の配合割合は、目的とする形状、大きさ、多孔質の度合、表面の状態な どによって適宜選定すればよい。
【0027】 まず、こうした原料を混練し、手でまたは型で目的とする形状の造形物を作製 する。その際、表面に大きな凹凸を形成しておいてもよい。また、表面が比較的 軟らかい時点で空気を噴射して表面に穴や溝を形成しておいてもよい。また、平 滑な表面に、比較的粘度の高い原料土を吹きつけて穴と粗面を形成しておいても よい。
【0028】 ついで、乾燥後、常法により焼成する。焼成温度は特に限定されてないが、高 温で焼成すると焼結強度の高いものがえられる。通常1150℃前後である。焼 成により焼成体が多孔質となり、表面に開口が生じ、内部の連通孔と表面の穴や くぼみが開通し、水分の吸収、供給、排水が可能な状態となる。
【0029】 表面に凹所や溝、凸部を形成するには、半乾燥時に手作業で凸部を貼りつけた り、凹所を設けたりすればよい。
【0030】 植栽をする表面以外の表面に釉薬をかけて光沢を与えたり、水を透過させない ようにしてもよい。
【0031】 本考案の焼成造形物は、種々の形態に造形できる。それらの具体例をあげるが 、これらの具体例に限定されず、ユーザーの希望に応じて任意の形にすることが できる。
【0032】 具体例としては、傘立て、瀧石、水琴窟、屋内外の燈籠、応接テーブルと椅子 とのセット、門柱、景石、睡蓮鉢、つくばい、盆栽鉢、植木鉢、灰皿、水槽など 各種のエクステリアやインテリアなどがあげられる。
【0033】 また燈籠や門柱、石組みのような1〜6mにも及ぶ背の高いものについては、 水の吸上能が上部で不充分となるばあいがある。そうしたばあい、造形物中に水 の通路(導水路)を形成しておき、たとえばホースやパイプなどを利用して大き な造形物の上部に水を供給するようにしてもよい。
【0034】 また、造形物の内部に空間を設け、その内に水を溜め、除々に水を供給できる ようにしてもよい。
【0035】 植栽する植物は、これも特に限定されないが、小品種、小葉木が好ましい。例 としては、たとえばスギゴケ、モウセンゴケなどのコケ類;シダ類のほか、ヒイ ラギ、チリメンカヅラ、屋久島笹、屋久島杉、ユウゼン欅、ヒバリ征木、八房白 丁木、天山杉、八房杉、白杜松、長寿梅、姫ウツギ、姫ソナレ八房杉、杜松エゾ 梅、苔桃、真柏、ミヤマ霧島ツツジ、サツキなど、およびそれらの斑入りのもの などがあげられる。
【0036】 つぎに、本考案の焼成造形物に植栽した例を図面で説明するが、もちろん、本 考案はこれらの具体例のみに限定されるものではない。
【0037】 図3:傘立てとしたもの 外表面をほぼすべて開口および/または穴を有する表面とした例であり、それ らのうち任意の部分のみ植栽用の培地を設けて、植栽してある。水漏れが気にな るばあいは盆や受皿などを下に敷くか、内表面に釉薬をかけて水不透過性にすれ ばよい。
【0038】 図4:屋外応接テーブルとしたもの 天板(透明ガラスなど)を載せて用いる。また椅子と組合せて応接セットとし てもよい。底面にキャスターなどを取りつけ、屋内用とすることもできる。
【0039】 図5:燈籠としたもの 予め植栽する部分を決め、その部分を開口および/または穴を有する表面とし ている。なお、図示されていないが、内部に導水路を設け、頂部から適宜水を溢 れさせてもよい。
【0040】 図6:瀧石としたもの 水盤5に水を張り、水中ポンプ(図示されていない)により水を汲みあげ上部 から流し、水が瀧のように流れる様子を楽しむ。また、下部に空洞(窟)6を設 け、流れ落ちてきた水が空洞内の水面に落ちて奏でる音を楽しむ(水琴窟)よう にしてもよい。
【0041】
【考案の効果】
本考案によれば、任意の形状に作製した造形物の任意の部分に自由に好みの植 物を植えたエクステリアまたはインテリアを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の焼成造形物の開口および/または穴を
有する表面の一実施形態の模式図である。
【図2】本考案の焼成造形物の開口および/または穴を
有する表面の別の実施形態の模式図である。
【図3】本考案の焼成造形物を傘立てとしたときの概略
側面図である。
【図4】本考案の焼成造形物を屋外テーブルとしたとき
の概略斜視図である。
【図5】本考案の焼成造形物を燈籠としたときの概略斜
視図である。
【図6】本考案の焼成造形物を瀧石としたときの概略斜
視図である。
【符号の説明】
1 開口 2 穴 3 溝 4 凹所 5 水盤 6 空洞
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B44C 5/06 J Z C04B 38/00 303 Z E06B 11/02 Q

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質の焼成体であって表面の全部また
    は一部に多数の開口および/または穴を有しており、該
    開口および/または穴を有する表面の少なくとも一部に
    植物が生育できる環境をもつ領域が設けられてなる焼成
    造形物。
  2. 【請求項2】 植物が生育できる環境をもつ領域が、養
    分を含むか含まない土壌である請求項1記載の焼成造形
    物。
  3. 【請求項3】 焼成体が毛管現象で水分を吸い上げる能
    力をもつ請求項1または2記載の焼成造形物。
  4. 【請求項4】 傘立て、応接テーブル、椅子、燈籠、庭
    石、瀧石、盆栽鉢、水琴石、門柱または睡蓮鉢である請
    求項1〜3のいずれかに記載の焼成造形物。
JP1995011698U 1995-11-06 1995-11-06 植栽領域を表面に有する焼成造形物 Expired - Lifetime JP3025630U (ja)

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