JP3024431U - カウンターフロー式の密閉型ヒーティングタワー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 冬期においてはフィンなし密閉型熱交換器及
びフィン付き密閉型熱交換器には全く散布水を散布せ
ず、冬期以外の季節においては、フィンなし密閉型熱交
換器のみに散布水を散布することにより、四季を通して
フィン付き密閉型熱交換器におけるスライム、スケール
の発生を防止し、フィン間の目づまりを防ぐ。 【解決手段】 ヒーテイングタワーＡの排気口１０の下
方に、乾き空気専用熱交換器としてのフィン付き密閉型
熱交換器１１と、乾湿空気併用のフィンなし密閉型熱交
換器１２が上下に配備してある。上方のフィン付き密閉
型熱交換器１１と下方のフィンなし密閉型熱交換器１２
の間には散水装置の一種である散水パイプ１３が配備し
てある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案はカウンターフロー式の密閉型ヒーティングタワーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

ヒーティングタワーとしては直交流型ヒーティングタワーのものが主として種 々開発され、市場に見受けられ、その一例が実開昭６３−８０４６７号公報に記 載されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記直交流型ヒーティングタワーにおける熱交換器として密閉型の熱交換器を 使用したものにおいては、冬期の熱交換率を向上させるため、この熱交換器を密 閉型のフィン付き熱交換器が主に利用されているが、冬期を除く春、夏乃至秋に おいては、散布水をこの密閉型フィン付き熱交換器上に散布し、この熱交換器内 を流れる循環冷却水を間接的に冷却し、且つこの冷却で昇温した散布水を外気流 と直接接触させ、蒸発させて冷却する。 この蒸発に伴い、散布水中のカルシウム、マグネシウムなどの不純物濃度が高 くなり、この熱交換器の表面に薄い層と成ってこの不純物が付着し、雑菌や、空 気中に浮遊する砂、土などの塵がこの不純物の層に衝突し捕捉され、この熱交換 器上への散水に伴い、スライム、スケールがこの熱交換器におけるピッチの狭い フィン間に多量に付着し目詰まりしやすくなり、散布水及び空気流の流れに支障 をきたし、本来の冷却能力を得られない。 この考案の目的は、密閉型フィン付き熱交換器には四季を通じ無散布状態とし 従来の直交流型の欠点を伴わないカウンターフロー式の密閉型ヒーティングタワ ーを市場に提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するために、特定考案は排気口の下方に、乾き空気専用熱交換 器としてのフィン付き密閉型熱交換器と、乾湿空気併用のフィンなし密閉型熱交 換器が上下に配備してあり、上方の前記フィン付き密閉型熱交換器と下方のフィ ンなし密閉型熱交換器の間に散水装置が配備してあり、前記フインなし密閉型熱 交換器は冬期において乾式となり、冬期以外においては湿式となることを特徴と するカウンターフロー式の密閉型ヒーティングタワーとしてある。 前記課題を解決するために、この考案のヒーテイングタワーにおける前記散水 装置に散布水を供給する散布水供給管には開閉弁が配備してあることを特徴とし てあることが、その操作上好ましい。

【０００５】 前記課題を解決するために、この考案のヒーテイングタワーにおける前記フィ ン付き密閉型熱交換器と散水装置との間には水滴除去体が配置されていることを 特徴とすることがキャリオーバ防止上好ましい。

【０００６】 前記課題を解決するために、この考案のヒーテイングタワーにおける前記ヒー ティングタワーの下部水槽には、この下部水槽の上面に添い流体を流し、フィン なし密閉型熱交換器から除霜された水滴、氷などの付着物を落し込み水槽に流し 込む流体吐出装置が配備されていることを特徴としてあることが、水滴、氷など の付着物の除去上望ましい。

【０００７】

【考案の実施の形態】

実施の形態１ この実施の形態は請求項１、２、３記載の考案の代表的な実施の形態である。 図１においてＡはカウンターフロー式の密閉型ヒーティングタワーであり、こ のヒーテイングタワーＡの排気口１０の下方に、乾き空気専用熱交換器としての フィン付き密閉型熱交換器１１と、乾湿空気併用のフィンなし密閉型熱交換器１ ２が上下に配備してあり、上方の前記フィン付き密閉型熱交換器１１と下方のフ ィンなし密閉型熱交換器１２の間には散水装置の一種である散水パイプ１３が配 備してある。 前記散水パイプ１３に散布水を供給する散布水供給管１４には開閉弁１５が配 備してある。 前記フィン付き密閉型熱交換器１１と前記散水パイプ１３との間には水滴除去 体であるエリミネータ１６が配置されている。 これら熱交換器１１、１２に循環冷却水と循環不凍液を択一的に供給する切替 弁（図示せず）がこれら熱交換器１１、１２の循環経路に配備されている。 このヒーティングタワーＡの下部水槽２０内の散布水を前記散布水供給管１４ を介して散水パイプ１３へ汲み上げるための汲み上げポンプＰが設けてある。

【０００８】 次にこの形態の作用をその使用方法と共に次に説明する。 春、夏、秋において、 この時期においては、前記開閉弁１５を開いて、フィンなし密閉型熱交換器１ ２に対してのみ散布水を前記散水パイプ１３により散布する。 負荷部からフインなし密閉型熱交換器１２とフイン付き密閉型熱交換器１１に 温度の高い循環冷却水を供給する。 前記フインなし密閉型熱交換器１２内に供給されて、流れる冷媒である循環冷 却水とこの散水された散布水と間接接触して、この循環冷却水を冷却すると共に 、温水化した散布水を前記ヒーティングタワーＡの外気取込み口１７から取り込 まれ上昇してくる空気流と向流式に直接接触させ、蒸発させて気化の潜熱作用に より、この温度が上昇した散布水及びフインなし密閉型熱交換器中の循環冷却水 を間接的に冷却し、この後、この散布水はこのヒーテイングタワーＡの下部水槽 ２０に落下し前記散水パイプ１３へ汲み上げポンプＰにより散布水供給管２８を 介して汲み上げられ、再使用される。 前記散布水との直接接触で若干昇温された空気流は、前記エリミネータ１６を 通り、排気口１０に向け上昇し、この上昇時に前記フイン付き密閉型熱交換器１ １内を流れる循環冷却水と間接的に接触し、この循環冷却水を冷却する。 このフインなし密閉型熱交換器１２を通る空気流に乗って運ばれてくるキャリ オーバした水滴を含む湿り空気流は前記フイン付き密閉型熱交換器１１に到達す る以前に前記エリミネータ１６により、湿り空気中の水滴は捕捉される。この水 滴を除去された空気流は、上部の前記フイン付き密閉型熱交換器１１内を流れる 循環冷却水を間接的に冷却する。 このようにしてフイン付き密閉型熱交換器１１及びフインなし密閉型熱交換器 １２において所定温度に冷却された循環冷却水は負荷部へ送られ循環使用される 。 昇温した空気流は、フイン付き密閉型熱交換器１１の外面に沿い上昇して、 前記排気口１０から排気される。

【０００９】 冬期において この時期には、前記開閉弁１５を閉じて、前記フインなし密閉型熱交換器１２ に対しても散布水を散布しない。 即ち、これら密閉型熱交換器１１、１２部には全く散布水を散布しない。これ ら密閉型熱交換部１１、１２内に供給され流れる熱媒である循環不凍液と前記ヒ ーティングタワーＡの外気取込口１７から取り込んだ空気流とを間接接触させて 、この循環不凍液をこの空気流で間接的に接触させ加温した後、負荷部へ送り、 循環使用する。

【００１０】 実施の形態２ この実施の形態は請求項１及び４記載の考案の代表的な実施の形態である。 実施の形態１と異なる構造は次の通りである。 前記散布水が冬期以外において収集される下部水槽２０の一部に落とし込み水 槽２９が設けてある。 この下部水槽２０の上面に流体を流し、この落とし込み水槽２９により、前記 フインなし密閉型熱交換器１２から除去された前記付着物を流し込むための流体 吐出装置の一種であるノズル付きの散水管３０が設けてある（図２参照）。 この散水管３０はこのヒーテイングタワーＡの外気取入口１７の幅方向にその 軸線を水平にして配備してあり、この散水管３０には前記外気取入口１７の幅方 向で間隔をおいて、多数の流体吐出ノズル３１が、下部水槽２０の上面に向けて 傾斜して取り付けてある。 この散水管３０と前記散布水供給管１４は前記汲み上げポンプＰにロータリバ ルブ２６を介して接続してあり、散布水を冬期には前記散水管３０に、冬期以外 には前記散布水供給管１４に択一的に供給可能としてある（図２及び図３参照） 。

【００１１】 この形態の作用は前記実施の形態１における作用とほゞ同じである。 異なるところは、冬期において、前記フインなし密閉型熱交換器１２に着霜し た水滴、氷などの付着物を、手動などで除去して前記下部水槽２０上に落下させ る。前記ロータリバルブ２６の切替操作で散布水を前記散水管３０に供給し、前 記散布水供給管１４には供給せず、前記散水管３０における多数の流体吐出ノズ ル３１から吐出される流体により、前記下部水槽２０上に落下した水滴、氷など の付着物を前記落し込み水槽２９内へ流し込む（図３参照）。 これにより、下部水槽２０上面に水滴、氷などの付着物は残留せず、結氷しな い。 なお、このロータリバルブ２６を使用せず、この散水管３０に地下水を汲み上 げる構造とする場合もあり、この場合には、実施の形態１における開閉弁１５が 前記散布水供給管１４に実施の形態１同様に配備される。 その他、実施の形態１と同一の符号は同一の構成、作用をなす。 なお、実施の形態１同様に、フイン付き密閉型熱交換器１１とフインなし密閉 型熱交換器１２との間にエリミネータを配備する場合もある（請求項３及び４記 載の考案の代表的な実施の形態に対応）。

【００１２】

【考案の効果】

請求項１記載の考案では、冬期においては前記フィンなし密閉型熱交換器及び フィン付き密閉型熱交換器には全く散布水を散布せず、この状態で前記密閉型熱 交換器内を流れる熱媒である循環不凍液と前記ヒーティングタワーの外気取込み 口側から取り込んだ空気流とを間接接触させて、この循環不凍液を効果良く加温 できる。 冬期以外の季節においては、フィンなし密閉型熱交換器を湿式として使用する ことにより循環冷却水をフィンなし密閉型熱交換器において、間接的に冷却でき る。殊に、夏期における冷却能力を確保できる。この際、フィンなし密閉型熱交 換器にはフィンが付設されてないため、散布水は従来のようにフィンに邪魔され ることなく円滑に流れ、このフインなし密閉型熱交換器にスライム、スケールが 発生するおそれは殆どなく、また仮にスライム、スケールなどが発生してもフイ ンがないから清掃による除去は容易であり、目詰まりするおそれはない。 四季を通して前記フィン付き密閉型熱交換器には全く散布水は散布されないた め、フィン間にスライム、スケールは発生せず、目詰まりするおそれは全くなく フインの腐蝕を阻止できる。

【００１３】 請求項２記載の考案においては、請求項１記載の考案の効果に加えて、前記開 閉弁の開放により、冬期を除く季節において、散布水をフィンなし密閉型熱交換 器上に散布し、濡壁を形成でき、循環冷却水を適宜冷却できる。また、冬期にお いては前記開閉弁を閉じ、フィンなし密閉型熱交換器への散布水の散水を停止し 、外気流との間接接触で循環不凍液を加温できる。

【００１４】 請求項３記載の考案においては、請求項１、２記載の考案の効果に加えて、上 部散水装置が配置してあるフィンなし密閉型熱交換器と前記フィン付き密閉型熱 交換器との間に設けた水滴除去体により、冬期を除く季節においてこのフィンな し密閉型熱交換器上に散布された散布水の水滴がこのフィン付き密閉型熱交換器 側へ上昇する空気流に乗って流れ込むのを阻止でき、このフィン付き密閉型熱交 換器のフィンに散布水の水滴が付着し、フィン間にスライム、スケールが発生し 、目詰まりすることを未然に防止出来るとともに、このフィンの腐蝕をより良く 阻止できる。

【００１５】 請求項４記載の考案においては、請求項１、２、３記載の考案の効果に加えて 、冬期においてフインなし密閉型熱交換器から除去され前記下部水槽の上面に落 下した水滴、氷などの付着物を、この下部水槽の上面に添い流体吐出装置より吐 出され流れる流体により、この下部水槽の上面から落とし込み水槽内に流し込込 むことができ、この除去された水滴、氷などの付着物がこの下部水槽の上面に残 留せず、下部水槽の上面で結氷することを未然に防止でき、水滴、氷などの付着 物が外気取入口から外部に溢出することを防止できる。 実施の形態１においては、散水装置として散水パイプ１３が配備してあること により、空気流の上昇を円滑に行なうことができる。 この散水装置は、図示の固定の散水パイプ１３に限定することなく、スプリン クーラ式の散水装置でも、底部に多数の散水孔を有する上部水槽でも、考案とし ては同一である。 実施の形態２においては、流体吐水装置として、ノズル付きの散水管３０が配 備してあることにより、流体を下部水槽２０の上面に向け、所定の流速で吐出す ることができる。 この流体吐水装置は図示のノズル付きの散水管３０に限定されず、外気取入口 １７の幅方向で間隔をおいて多数の孔が明けてある散水管としても、考案として は同一である。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施の形態１の概略正面図である。

【図２】実施の形態２の概略正面図である。

【図３】図２のロータリバルブを切替えた状態の図２同
様の図である。

【符号の説明】

１１ フィン付き密閉型熱交換器 １２ フインなし密閉型熱交換器 １３ 散水パイプ １５ 開閉弁

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】排気口の下方に、乾き空気専用熱交換器と
   してのフィン付き密閉型熱交換器と、乾湿空気併用のフ
   ィンなし密閉型熱交換器が上下に配備してあり、上方の
   前記フィン付き密閉型熱交換器と下方のフィンなし密閉
   型熱交換器の間に散水装置が配備してあり、前記フイン
   なし密閉型熱交換器は冬期において乾式となり、冬期以
   外において湿式となることを特徴とするカウンターフロ
   ー式の密閉型ヒーティングタワー。
2. 【請求項２】前記散水装置に散布水を供給する散布水供
   給管には開閉弁が配備してあることを特徴とする請求項
   １記載のカウンターフロー式の密閉型ヒーティングタワ
   ー。
3. 【請求項３】前記フィン付き密閉型熱交換器と散水装置
   との間には水滴除去体が配置されていることを特徴とす
   る請求項１又は２記載のカウンターフロー式の密閉型ヒ
   ーティングタワー。
4. 【請求項４】前記ヒーティングタワーの下部水槽には、
   この下部水槽の上面に添い流体を流し、フィンなし密閉
   型熱交換器から除去された水滴、氷などの付着物を落し
   込み水槽に流し込む流体吐出装置が配備されていること
   を特徴とする請求項１、２又は３記載のカウンターフロ
   ー式の密閉型ヒーティングタワー。