JP3022280U - 地盤改良機における掘削土の強制攪拌装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 掘削翼と攪拌翼を備えた地盤改良機の回転シ
ャフトを操作する際、ブロツク状となった掘削土塊が攪
拌翼と共に回動して注入した填充剤との混合が不十分と
なるのを防止する。 【構成】 地盤掘削用の回転シャフト１０に装着する共
廻り防止装置Ｓをほゞ車輪状に形成してそのリム部１の
外方向に複数枚の係止板を突設し、中心ボス部３とリム
部間には複数本の丸棒状アーム４を架設すると共に、そ
れぞれに周囲を回動する共廻り防止翼５を回転自在に設
け、中心ボス部３を回転シャフトに遊嵌して共廻り防止
装置Ｓを装着することにより掘削土の状況に応じてそれ
との接触面積を変化させることにより掘削土を細粒化す
るようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、土木工事において地盤改良のために地盤を掘削し、これに地盤改 良用の填充剤を注入して土壌と混合凝固させる地盤改良機の掘削土の強制攪拌装 置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近時、掘削と同時にセメントを主とする填充剤を低圧で注入し、土壌と攪拌し て円柱状に硬化させて複合地盤に改良する混合攪拌工法が、薬液公害を伴いがち な従来の工法に代って多く用いられている。そしてこれに用いられる地盤改良機 械の掘削用の回転シャフトには、先端に掘削翼が、その上方には掘削土壌と填充 剤とを混合攪拌する攪拌翼が設けられており、これにより施工する際の填充剤の 混合攪拌は、掘削土をなるべく細粒化することが地盤改良の均質化のために望ま れている。

【０００３】 ところが工事箇所の地盤が粘土質土壌の場合は、ブロツク状となった掘削土塊 が攪拌翼と共に回動して注入した填充剤との混合が不十分となる傾向があり、こ れを避けるためには回転シャフトを繰り返し上下させることを余儀なくされてい た。そこで図５Ａ及びＢに示すように、掘削径より大きい径の共廻り防止翼１３ 又は１３’を回転シャフトに遊嵌してその掘削時に地盤中に係止させることによ り掘削土が攪拌翼と共に回動するのを防止する手段が提案されている（特公昭５ ８−２９３７４及び特公昭５８−２９３７５参照）。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記の手段においては、掘削土を受けて攪拌翼との共廻り防止 を目的とする共廻り防止翼が固定した状態であるため、その面積が比較的広い場 合あるいは掘削土塊が大きい場合には共廻りしようとする掘削土の力を大きく受 けるため、シャフトの回転に無理がかかり、一方、その面積が比較的狭い場合に は掘削土が上下に分割後通過して共廻り防止の効果が少なくなる難点がある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案はこれを改善するため、地盤掘削用の回転シャフトに装着する共廻り防 止装置Ｓをほゞ車輪状に形成してその中心ボス部を回転シャフトに遊嵌し、リム 部の外方向に複数枚の係止板を突設すると共に、ボス部とリム部間に複数本の丸 棒状のアーム架設し、それに、共廻り防止翼をそれぞれ回転自在に設けて掘削土 の状況に応じてそれとの接触面積が変化するようにしたものである。

【０００６】

【実施例】

図１及び図２は、本考案における共廻り防止装置の１実施例の平面図及び側面 図である。同図において、１は、地盤改良機の掘削径Ｄ_１と同径の環状リム部で 、その外周壁上には２個の係止板２が直径の延長上に突設されている。３は、地 盤改良機の掘削用回転シャフト１０に遊嵌するため同回転シャフトの径よりやゝ 大きい内径を有する中心ボス部、４は、中心ボス部３とリム部１間に等間隔に架 設された３本の丸棒アームで、各丸棒アームにはそれとほゞ同じ長さの平板状の 共廻り防止翼５がその長さ方向の中心孔を介して、第４図の断面図に示すように 、該丸棒アームの周囲を自在に回転するようにそれぞれ装着されている。

【０００７】 以上のように構成された車輪状の共廻り防止装置Ｓが、第３図に示すように、 地盤改良機の掘削用回転シャフト１０の掘削翼１１と攪拌翼１２、あるいは二つ のリング１４、１４’間にボス部３を介して回動自在に装着されている。

【０００８】

【考案の効果】

以上のように構成した共廻り防止装置Ｓを装着した第３図に示すような掘削用 回転シャフト１０を以て所要の地盤を掘進すると、同回転シャフトは回転しつゝ 掘削翼１１により円形状に掘進し、その掘削土と別に注入した填充剤とを攪拌翼 １２によって混合攪拌するが、共廻り防止装置Ｓは、第２図に示すように外端相 互間の距離Ｄ_２が掘削円の径Ｄ_１より大きい係止板２、２があるため、回転シャ フトの掘進につれて回転することなく地盤中に下降していく。そして掘削翼１１ で掘削された土塊は、掘削翼１２と共に回転しようとするが、共廻り防止翼５に よって回転を止められる。この際共廻り防止翼５は、丸棒アーム４を中心に回転 して常に適正な角度を以て土塊に当接するから、過大な土塊は一部が通過しつゝ 続く共廻り防止翼に当接して逐次細分化された上これに係止される。従って、共 廻り防止翼に加わる大きな土塊の圧力適度に減じて機械本体の原動機等に過大な 負荷が加わることがないと共に、掘削土塊を細粒化して填充剤との良好な混合を 得ることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案における共廻り防止装置例の平面図

【図２】同側面図

【図３】本考案実施例による掘進時の状態を示す図

【図４】図１のＡ−Ａ断面図

【図５】Ａ、Ｂは、それぞれ従来例の平面図である。

【符号の説明】

Ｓ： 共廻り防止装置 １： リム部 ２： 係止板 ３： 中心ボス部 ４： 丸棒アーム ５： 共廻り防止翼 １０： 掘削用回転シャフト １１： 掘削翼 １２： 攪拌翼 １３、１３’： 共廻り防止翼 １４： リング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 掘削用の回転シャフト１０に備えた攪拌
   翼１２の回転により土壌と填充剤とを混合攪拌して改良
   地盤を得る地盤改良機において、外方向に複数個の係止
   板２を突設した掘削径と同径の環状リム部１と、回転シ
   ャフト１０にに遊嵌する中心ボス部３とより成り、その
   両者間に複数本の丸棒アーム４を等間隔に架設し、各丸
   棒アームにはその周囲を回動するほぼ同じ長さの平板状
   共廻り防止翼５を保持させるように構成した車輪状の共
   廻り防止装置Ｓを、中心ボス部を介して回転シャフト１
   ０に一段乃至複数段装着したことを特徴とする掘削土の
   強制攪拌装置。