JP3021962B2 - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents
熱硬化性樹脂組成物Info
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Description
し、さらに詳しくは、成形時の収縮率が小さく、クラッ
クあるいはソリなどが小さいなど寸法安定性に優れ、し
かも機械的強度および表面平滑性、分散安定性などに優
れた熱硬化性樹脂組成物に関する。
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン
樹脂などの熱硬化性樹脂は、タック類、波板、パイプ、
ロッドなどの強化プラスチック材をはじめ化粧板、配電
盤などの積層材、電気絶縁材料、塗料、接着剤などとし
て広く用いられている。またこれら熱硬化性樹脂を含む
成形用組成物は、一般プリミックス、バルクモールディ
ングコンパウンド(BMC)、ダウモールディングコン
パウンド(DMC)、シートモールディングコンパウン
ド(SMC)などとして知られており、特に自動車の部
品、電気部品、通信機器部品、精密機器、トレー、ボー
ドなどの用途に利用されている。
樹脂などの熱硬化性樹脂は、一般に硬化成形時に6〜1
0%程度の割合で硬化収縮することが知られている。こ
のような熱硬化性樹脂を含む成形用組成物を硬化収縮し
て得られる成形品には、歪みやクラック、ひけ、ソリな
どが発生することがあり、また表面平滑性に劣ったり成
形品に含まれるガラス繊維が浮きだしたりすることがあ
るなどの問題点がある。
硬化性樹脂を含む成形用組成物中に熱可塑性樹脂を配合
して、成形時の収縮率を低下させる方法が採られてお
り、これによって上記のような成形品に見られる問題点
もほぼ解消されている。たとえば特開昭53−8679
1号、特開昭54−163991号、特開昭56−53
120号、特開昭57−143315号、特開昭58−
179213号、特開昭58−204014号公報など
において、不飽和ポリエステル樹脂にポリスチレン、ポ
リメチルメタクリレートなどの熱可塑性樹脂を配合して
なる熱硬化性樹脂組成物が開示されている。
熱可塑性樹脂としてポリスチレンを用いる場合には、ポ
リスチレンと不飽和ポリエステル樹脂との相溶性が乏し
いため、組成物(コンパウンド)中でポリスチレンが遊
離しやすく、この組成物から得られる成形品には重大な
欠陥を生じることがあった。また従来の成形用組成物で
は上記のような熱可塑性樹脂を配合することによって成
形品の機械的強度が著しく低下することがあり、熱可塑
性樹脂を含まない場合の70−80%まで低下すること
がある。
遊離するようなことがなく分散安定性に優れるとともに
成形時の収縮率が小さく、寸法安定性に優れた組成物で
あって、しかも機械的強度に優れた成形品を形成しうる
熱硬化性樹脂組成物の出現が望まれている。
てなされたものであって、組成物中において熱可塑性樹
脂が遊離するようなことがなく分散安定性に優れるとと
もに成形時の収縮率が小さく寸法安定性に優れた組成物
であって、しかも機械的強度に優れた成形品を形成しう
る熱硬化性樹脂組成物を提供することを目的としてい
る。
硬化性樹脂:100重量部と、芳香族ジヒドロキシ化合
物と炭酸ジエステルとを、芳香族ジヒドロキシ化合物1
モルに対し、10 -8 〜10 -3 モルのアルカリ金属化合物
またはアルカリ土類金属化合物の存在下に溶融重縮合し
て得られたものであり、全分子末端基中の芳香族ジヒド
ロキシ化合物に由来する水酸基末端を5%以上有するポ
リカーボネート3〜200重量部とからなることを特徴
としている。
20℃、塩化メチレン溶液で測定した極限粘度が0.0
5〜0.65dl/gであることが好ましい。
安定性に優れるとともに成形時の収縮率が小さく、寸法
安定性に優れている。本発明に係る熱硬化性樹脂組成物
は、表面平滑性に優れるとともに機械的強度にも優れた
成形品を形成しうる。
組成物について具体的に説明する。
化性樹脂と、芳香族ジヒドロキシ化合物から誘導される
構成単位を含むポリカーボネートとからなる。
定されないが、たとえば不飽和ポリエステル樹脂、フェ
ノール樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂
などが用いられる。
脂は、通常不飽和酸を必須成分にする多塩基酸と多価ア
ルコールを反応させて得られる不飽和ポリエステルと、
これと共重合可能な単量体とからなり、該不飽和ポリエ
ステルが単量体に溶解されている。
れる不飽和酸としては、具体的に、無水マレイン酸、マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコ酸、クロル
マレイン酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル
酸、ヘキサクロルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタ
ル酸、ハロゲン化無水フタル酸およびこれらのエステル
などが挙げられ、他の多塩基酸としては、コハク酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、
エイコ酸、イソフタル酸、テレフタル酸およびこれらの
エステルなどが挙げられる。
ール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、トリエチレングリコール、ペンタンジオ
ール、ヘキシレングリコール、水素化ビスフェノール
A、ビスフェノールA−アルキレンオキサイド付加物、
テトラブロモビスフェノールA−アルキレンオキサイド
付加物などが挙げられる。
に用いられる共重合可能な単量体としては、スチレン、
α−メチルスチレン、クロルスチレン、ビニルトルエ
ン、ジビニルベンゼン、アリルフタレート、アクリル酸
エステル類、酢酸ビニルなどが挙げられる。
常フェノール類とアルデヒド類とから誘導されるが、こ
のようなフェノール類としては、具体的に、フェノー
ル、クレゾール、キシレノール、tert-ブチルフェノー
ル、ノニルフェノール、カシュー油、リグニン、レゾル
シン、カテコールなどが挙げられ、アルデヒド類として
は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラー
ルなどが挙げられる。
は、具体的に、ビスフェノールA、ビスフェノールF、
テトラブロモビスフェノールA、テトラフェニロールエ
タン、フェノールノボラック、o-クレゾールノボラッ
ク、ポリプロピレングリコール、水素化ビスフェノール
Aなどのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ヘキサヒ
ドロ無水フタル酸、ダイマー酸などのグリシジルエステ
ル型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン、イソシ
アヌル酸、ヒダントインなどのグリシジルアミン型エポ
キシ樹脂、p-アミノフェノール、p-オキシ安息香酸など
のグリシジル混合型エポキシ樹脂、脂環式型エポキシ樹
脂などが挙げられる。
素とホルムアルデヒドとから誘導される。本発明で用い
られるメラミン樹脂は、通常メラミンとホルムアルデヒ
ドとから誘導される。
来公知の製造方法によって製造される。また本発明で用
いられる熱硬化性樹脂は、上記の具体例に限定されるも
のではない。
単独であるいは組み合わせて用いられる。
シ化合物から誘導される構成単位を含むポリカーボネー
トについて説明する。このポリカーボネートは、全分子
末端基中、芳香族ジヒドロキシ化合物に由来する水酸基
末端を通常1%以上、好ましくは5%以上の量で有して
おり、さらに好ましくは10%以上、特に好ましくは1
5%以上の量で有していることが望ましい。
ヒドロキシ化合物とホスゲンとを用いる界面法、芳香族
ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを用いる固相重
合法、溶融重合(重縮合)法などによって製造すること
ができ、製造方法は特に限定されない。本発明ではこれ
らのうち、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル
とを、触媒の存在下に溶融重縮合させる溶融重合法で製
造されたポリカーボネートを用いることが好ましい。こ
の溶融重合法によれば、上記のような特定の末端水酸基
濃度を有するポリカーボネートを容易に製造することが
できて、生産性上好ましい。
トを、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを
用いて溶融重合法によって製造する方法について説明す
る。このような芳香族ジヒドロキシ化合物としては、特
に限定されないが、下記式[I]で示される化合物が用
いられる。
水素基であり、R3は2価の炭化水素基である。また
R4、R5は、ハロゲン原子または1価の炭化水素基であ
り、これらは、同一であっても異なっていてもよい。
p、qは0〜4の整数を表す。)上記式[I]で表され
る芳香族ジヒドロキシ化合物としては、具体的には、以
下に示す化合物を挙げることができる。
ン、 1,1-ビス(4-ヒドロキシ-t-ブチルフェニル)プロパ
ン、 2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-ブロモフェニル)プロパン
などのビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、 1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、 1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなど
のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、 4,4'-ジヒドロキシジフェニルエーテル、 4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルフェニルエーテルな
どのジヒドロキシアリールエーテル類、 4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、 4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルフィ
ドなどのジヒドロキシジアリールスルフィド類、 4,4'- ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、 4,4'- ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホキ
シドなどのジヒドロキシジアリールスルホキシド類、 4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホン、 4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホン
などのジヒドロキシジアリールスルホン類。
ロキシフェニル)プロパンが好ましく用いられる。また
芳香族ジヒドロキシ化合物として、下記一般式[II]で
表される化合物を用いることもできる。
それぞれ炭素数1〜10の炭化水素基またはそのハロゲ
ン化物、またはハロゲン原子であり、nが2以上あると
きこれらは同一であっても異なっていてもよい。
ロキシ化合物としては、具体的に、レゾルシンおよび3-
メチルレゾルシン、3-エチルレゾルシン、3-プロピルレ
ゾルシン、3-ブチルレゾルシン、3-t-ブチルレゾルシ
ン、3-フェニルレゾルシン、3-クミルレゾルシン、2,3,
4,6-テトラフルオロレゾルシン、2,3,4,6-テトラブロム
レゾルシンなどの置換レゾルシン、カテコール、ハイド
ロキノンおよび3-メチルハイドロキノン、3-エチルハイ
ドロキノン、3-プロピルハイドロキノン、3-ブチルハイ
ドロキノン、3-t-ブチルハイドロキノン、3-フェニルハ
イドロキノン、3-クミルハイドロキノン、2,3,5,6-テト
ラメチルハイドロキノン、2,3,5,6-テトラ-t-ブチルハ
イドロキノン、2,3,5,6-テトラフルオロハイドロキノ
ン、2,3,5,6-テトラブロムハイドロキノンなどの置換ハ
イドロキノンが挙げられる。
として、下記一般式で表される2,2,2',2'-テトラヒドロ
-3,3,3',3'-テトラメチル-1,1'-スピロビ-[IH-インデ
ン]-6,6'-ジオールを用いることもできる。
独であるいは組み合わせて用いられる。また炭酸ジエス
テルとしては、具体的には、 ジフェニルカーボネート、 ジトリールカーボネート、 ビス(クロロフェニル)カーボネート、 m-クレジルカーボネート、 ジナフチルカーボネート、 ビス(ジフェニル)カーボネート、 ジエチルカーボネート、 ジメチルカーボネート、 ジブチルカーボネート、 ジシクロヘキシルカーボネートなどが挙げられる。
が好ましく用いられる。これらの炭酸ジエステルは、単
独であるいは組み合わせて用いられる。
しくは50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以
下の量で、ジカルボン酸あるいはジカルボン酸エステル
を含有していてもよい。
ン酸エステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニルなど
の芳香族ジカルボン酸類、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、セバシン酸ジフェ
ニル、デカン二酸ジフェニル、ドデカン二酸ジフェニル
などの脂肪族ジカルボン酸類、シクロプロパンジカルボ
ン酸、1,2-シクロブタンジカルボン酸、1,3-シクロブタ
ンジカルボン酸、1,2-シクロペンタンジカルボン酸、1,
3-シクロペンタンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジ
カルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シ
クロヘキサンジカルボン酸、シクロプロパンジカルボン
酸ジフェニル、1,2-シクロブタンジカルボン酸ジフェニ
ル、1,3-シクロブタンジカルボン酸ジフェニル、1,2-シ
クロペンタンジカルボン酸ジフェニル、1,3-シクロペン
タンジカルボン酸ジフェニル、1,2-シクロヘキサンジカ
ルボン酸ジフェニル、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸
ジフェニル、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ジフェニ
ルなどの脂環族ジカルボン酸類が挙げられる。
ン酸エステルは、単独であるいは組み合わせて用いられ
る。上記のような芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエ
ステルとは、得られるポリカーボネートが所望の末端水
酸基濃度または分子量を有するように、反応系に適宜供
給される。
するに際して、上記のような芳香族ジヒドロキシ化合物
と炭酸ジエステルとともに、1分子中に3個以上の官能
基を有する多官能化合物を用いることもできる。
ール性水酸基またはカルボキシル基を有する化合物が好
ましく、特にフェノール性水酸基を3個含有する化合物
が好ましい。具体的には、たとえば、 1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル) エタン、 2,2',2"-トリス(4-ヒドロキシフェニル)ジイソプロピ
ルベンゼン、 α-メチル-α,α',α'-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-
1,4-ジエチルベンゼン、 α, α',α"-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-
トリイソプロピルベンゼン、 フロログリシン、 4,6-ジメチル-2,4,6-トリ(4-ヒドロキシフェニル)-ヘ
プタン-2、 1,3,5-トリ(4-ヒドロキシフェニル) ベンゼン、 2,2-ビス-[4,4-(4,4'-ジヒドロキシフェニル)-シクロ
ヘキシル]-プロパン、 トリメリット酸、 1,3,5-ベンゼントリカルボン酸、 ピロメリット酸などが挙げられる。
シフェニル) エタン、α, α',α"-トリス(4-ヒドロキ
シフェニル)-1,3,5-トリイソプロピルベンゼンなどが好
ましく用いられる。
物1モルに対して、通常0.03モル以下好ましくは0.
001〜0.02モルさらに好ましくは0.001〜0.
01モルの量で用いられる。
キシ化合物と炭酸ジエステルとを、好ましくは触媒の存
在下に溶融重縮合させてポリカーボネートを得る。この
ような触媒としては、(a) アルカリ金属化合物および/
またはアルカリ土類金属化合物を用いることが好まし
い。
類金属化合物としては、具体的に、アルカリ金属および
アルカリ土類金属の有機酸塩、無機酸塩、酸化物、水酸
化物、水素化物あるいはアルコラートなどが好ましく用
いられる。
ては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチ
ウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水
素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチ
ウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、
ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステ
アリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホ
ウ素リチウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、安息香酸
ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、リ
ン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸
水素二リチウム、ビスフェノールAの二ナトリウム塩、
二カリウム塩、二リチウム塩、フェノールのナトリウム
塩、カリウム塩、リチウム塩などが挙げられる。
体的に、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウ
ム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水
素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭
酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウ
ム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチ
ウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウ
ム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロン
チウムなどが挙げられる。
せて用いられる。このような(a) アルカリ金属化合物お
よび/またはアルカリ土類金属化合物は、上記芳香族ジ
ヒドロキシ化合物1モルに対して10-8〜10-3モル、
好ましくは10-7〜2×10-6モルの量で用いられる。
金属化合物またはアルカリ土類金属化合物を、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物1モルに対して10-8〜10-3モルの
量で使用すると、高い重合活性でポリカーボネートを製
造できるとともに、得られるポリカーボネートに悪影響
を及ぼさない量で後述する酸性化合物を添加して、これ
ら化合物が示す塩基性を充分に中和するかあるいは弱め
ることができる。
(a) アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金
属化合物とともに、(b) 塩基性化合物および/または
(c) ホウ酸化合物を用いることもできる。
とえば高温で易分解性あるいは揮発性の含窒素塩基性化
合物が挙げられ、具体的には、以下のような化合物が挙
げられる。
(Me4NOH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド
(Et4NOH)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
(Bu4NOH)、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキ
シド(φ−CH2(Me)3NOH )などのアルキル、アリール、
アルアリール基などを有するアンモニウムヒドロオキシ
ド類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチル
ベンジルアミン、トリフェニルアミンなどの三級アミン
類、R2NH(式中Rはメチル、エチルなどのアルキ
ル、フェニル、トルイルなどのアリール基などである)
で示される二級アミン類、RNH2(式中Rは上記と同
じである)で示される一級アミン類、2-メチルイミダゾ
ール、2-フェニルイミダゾール、ピリジン、ジメチルア
ミノピリジン、ピリミジン、ピロール、オキサゾール、
チアゾール、ピラゾール、3-ピロリン、ピロリジン、プ
リン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、ニコチ
ンなどの含窒素複素環式化合物類、あるいはアンモニ
ア、テトラメチルアンモニウムボロハイドライド(Me4N
BH4)、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド(B
u4NBH4)、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボ
レート(Bu4NBPh4)、テトラメチルアンモニウムテトラ
フェニルボレート(Me4NBPh4)などの塩基性塩。
ムヒドロキシド類、特に金属不純物の少ない電子用テト
ラアルキルアンモニウムヒドロキシド類が好ましく用い
られる。
られるときは、(b) 含窒素塩基性化合物は、芳香族ジヒ
ドロキシ化合物1モルに対して、10-6〜10-1モル以
下、好ましくは10-5〜10-2モルの量で用いられる。
よびホウ酸エステルなどが挙げられる。ホウ酸エステル
としては、下記一般式で示されるホウ酸エステルが挙げ
られる。
どのアリールなどであり、nは1,2または3である。
的には、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸
トリブチル、ホウ酸トリヘキシル、ホウ酸トリヘプチ
ル、ホウ酸トリフェニル、ホウ酸トリトリル、ホウ酸ト
リナフチルなどが挙げられる。
テルが用いられるときは、芳香族ジヒドロキシ化合物1
モルに対して、10-8〜10-1モル、好ましくは10-7
〜10-2モル、さらに好ましくは10-6〜10-4モルの
量で用いられる。
属化合物 および (b) 含窒素塩基性化合物 を組合せて、さらに、 (a) アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金
属化合物、 (b) 含窒素塩基性化合物 および (c) ホウ酸またはホウ酸エステル の三者を組合せて、好ましく用いることができる。
ルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合
物と(b) 含窒素塩基性化合物とを組合せた触媒は、重縮
合反応を十分な速度で進行させ、目的の分子量のポリカ
ーボネートを、高い重合活性で生成させることができて
好ましい。
た触媒は、成形時に分子量低下を起こしにくいポリカー
ボネートを製造することができて好ましい。このような
触媒の存在下、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエス
テルとの重縮合反応は、従来知られている重縮合反応条
件と同様な条件下で行なうことができる。
0℃、好ましくは100〜230℃、さらに好ましくは
120〜190℃の温度で、0〜5時間、好ましくは0
〜4時間、さらに好ましくは0〜3時間、常圧下、芳香
族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを反応させ
る。次いで反応系を減圧にしながら反応温度を高めて、
芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの反応を
行ない、最終的には5mmHg以下、好ましくは1mmHg
以下の減圧下で、240〜320℃で芳香族ジヒドロキ
シ化合物と炭酸ジエステルとの重縮合反応を行なう。
ってもよく、バッチ式で行なってもよい。また上記の反
応を行なうに際して用いられる反応装置は、槽型であっ
ても管型であっても塔型であってもよい。
法である溶融重合法は、毒性物質であるホスゲンや塩化
メチレンなどを用いないので、環境衛生上からも好まし
い。
れるポリカーボネートは、通常20℃塩化メチレン中で
測定した極限粘度が、0.05〜1.0dl/gであり、好
ましくは0.05〜0.65dl/g、さらに好ましくは
0.05〜0.50dl/gである。
リカーボネートは、全分子末端基中、芳香族ジヒドロキ
シ化合物に由来する水酸基末端を通常1%以上、好まし
くは5%以上、さらに好ましくは10%以上、さらに好
ましくは15%以上の量で有している。このような芳香
族ジヒドロキシ化合物に由来する水酸基末端は、たとえ
ば芳香族ジヒドロキシ化合物として2,2-ビス(4-ヒドロ
キシフェニル)プロパンが用いられる場合には下記一般
式[III]で表される。
いて、芳香族ジヒドロキシ化合物に由来する水酸基末端
以外の分子末端は、通常フェノキシ基である。また芳香
族ジヒドロキシ化合物に由来する水酸基末端以外の分子
末端は、下記式[IV]または[V]で表されてもよい。
アルキル基であり、直鎖状であっても分岐状であっても
よく、またハロゲンで置換されていてもよい。) ArO− ・・・[V] (式中、Arは炭素原子数6〜50の芳香族炭化水素基
である。)このような式[IV]または[V]で表される
分子末端は、ポリカーボネートを製造する際に、対応す
る脂肪族モノカルボキシ化合物またはアルコキシ化合物
を用いて形成することができ、本願出願人による特願平
3−159142号明細書にその詳細が記載されてい
る。
C−NMRで測定することができる。
に由来する水酸基末端を有するポリカーボネートは、不
飽和ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂などの熱硬化性樹
脂との相溶性および親和性に優れている。したがってこ
のポリカーボネートを用いると、分散安定性に優れた熱
硬化性樹脂組成物が得られる。このような熱硬化性樹脂
組成物からは、機械的強度に優れるとともに表面平滑性
にも優れた成形品を形成することができる。
好ましい水酸基末端濃度を有するとともに所望する分子
量を有するポリカーボネートを製造することは、重合反
応上非常に困難である。一方上述したように、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルを用いる溶融重合法
によれば、所望する水酸基末端濃度と分子量とを有する
ポリカーボネートを容易に製造することができる。
るに際して、上記のような熱硬化性樹脂とポリカーボネ
ートとは、使用目的にあわせて、熱硬化性樹脂100重
量部に対してポリカーボネートが通常3〜200重量
部、好ましくは5〜100重量部の量で用いられる。
脂との混合方法は、特に限定されないが、単純に機械的
にブレンドする方法が容易である。また熱硬化性樹脂と
して不飽和ポリエステル樹脂が用いられる場合には、不
飽和ポリエステル樹脂を形成するスチレンやアクリル酸
エステルなどの単量体に予めポリカーボネートを分散混
合して得られる液状単量体に不飽和ポリエステルを溶解
混合すると、熱硬化性樹脂とポリカーボネートとがより
分散されるようになって好ましい。
したように相溶性(または混和性)に優れる熱硬化性樹
脂とポリカーボネートとから形成されており、ポリカー
ボネートが組成物中で遊離するようなことがなく分散安
定性に優れている。
明の目的を損なわない範囲で、一般に知られている充填
剤、補強剤などの添加剤を任意に含有していてもよい。
クレー、硫酸バリウム、カルシウムシリケート、タル
ク、マイカ粉などの無機系充填剤、ガラス繊維、カーボ
ン繊維、石綿、ナイロン、アラミド、ポリエステル、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、ビニロンなどの合成繊維
などの補強剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシ
ウムなどの離型剤、ハイドロキノン、t-ブチルカテコー
ル、ナフトキノン、p-ベンゾキノンなどの硬化安定剤、
酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの増粘剤、各
種の着色剤、難燃剤などを配合することができる。
定されるが、添加剤の総量で通常全組成物中の5〜80
重量%であることが好ましい。
的に熱硬化性樹脂を硬化、成形する方法によって硬化、
成形される。この際、用いられる熱硬化性樹脂によって
硬化、成形方法は異なる。
ステル樹脂が用いられる場合には、、硬化剤として、ベ
ンゾイルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイ
ド、t-ブチルパーベンゾエート、ジクミルパーオキサイ
ド、t-ブチルパーオキシベンゾエート、パーオキシケタ
ールなどが配合され、加熱加圧成形によって硬化、成形
される。
ア樹脂、メラミン樹脂が用いられる場合には、硬化剤と
してアミン類、有機酸および酸無水物などの酸アルカリ
が用いられ、加熱などの処理により硬化、成形される。
成物は、成形時の収縮率が小さく、寸法安定性に優れて
いる。このような本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、
歪みやクラック、ひけ、ソリなどを発生することなく、
表面平滑性に優れた成形品を形成する。また本発明に係
る熱硬化性樹脂組成物から形成される成形品は、機械的
強度にも優れている。
プリミックス、バルクモールディングコンパウンド(B
MC)、ダウモールディングコンパウンド(DMC)、
シートモールディングコンパウンド(SMC)などとし
て利用され、これらの成形品は、建材、自動車の部品、
電気部品、通信機器部品、精密機器、トレー、ボードな
どにの幅広い用途に利用される。
成物中において熱可塑性樹脂が遊離するようなことがな
く分散安定性に優れるとともに成形時の収縮率が小さ
く、寸法安定性に優れている。
的強度に優れるとともに表面平滑性に優れた成形品を形
成しうる。
発明はこれら実施例に限定されるものではない。
粘度〔IV〕と水酸基末端濃度、成形品の収縮性、表面
平滑性、曲げ強さは以下のようにして測定される。
定した。
ヒドロキシ化合物に由来する水酸基末端との量を測定
し、全分子末端基に対する水酸基末端の割合を計算し
た。
さいものを◎とし、そうでないものを×とした。
△、劣るものを×とした。
リコール79.8重量部を窒素気流中で215℃に加温
し反応させ、酸価29で縮合反応を終了し、この不飽和
ポリエステル70重量部をハイドロキノン0.01重量
部を溶解したスチレン30重量部に溶解して不飽和ポリ
エステル樹脂を得た。
ックス(株)製)0.44キロモルと、ジフェニルカー
ボネート(エニィ社製)0.46キロモルとを第1の2
50リットル槽型攪拌槽に仕込み、140℃で溶解し、
このレベルを保つようにビスフェノールA、ジフェニル
カーボネートをそれぞれ毎時0.16キロモルずつフィ
ードしながら、この混合溶液を毎時ビスフェノールA換
算で0.16キロモルずつ第2の50リットル槽型攪拌
槽に送液する。この槽型攪拌槽の温度は180℃に保っ
た。
ロキシドを毎時0.04モルおよび水酸化ナトリウムを
毎時0.00016モル(1×10-6モル/モル−ビス
フェノールA)添加し、滞留時間が30分となるようレ
ベルを調整し攪拌した。
A換算で0.16キロモルずつ次の第3の温度210
℃、圧力200mmHgの50リットル槽型攪拌槽に送液
する。滞留時間が30分となるようレベルを調整しフェ
ノールを留出除去させながら攪拌した。
A換算で0.16キロモルずつ次の第4の温度240
℃、圧力15mmHgの50リットル槽型攪拌槽に送液し
た。滞留時間が30分となるようレベルを調整しフェノ
ールを留出除去させながら攪拌した。反応が定常になっ
て得られた反応物の極限粘度[IV]は0.15dl/g
であった。この樹脂の水酸基末端濃度は、45%であっ
た。
時ビスフェノールA換算で0.16キロモルずつ遠心式
薄膜蒸発機に送入し、反応を進めた。薄膜蒸発機の温
度、圧力はそれぞれ270℃、2mmHgにコントロール
した。蒸発機下部のサンプリング口より極限粘度[I
V]が0.35dl/g、水酸基末端濃度が25%の樹脂
を少量ずつ捕集しながら、蒸発機下部よりギヤポンプに
て290℃、0.2mmHgにコントロールされた二軸横
型攪拌重合槽(L/D=3、攪拌翼回転直径220mm、
内容積80リットル)に毎時ビスフェノールA換算で
0.16キロモル(約40kg/時間)ずつ送り込み滞留
時間30分にて重合させた。このときのポリマーの極限
粘度〔IV〕は0.49dl/gであり、水酸基末端濃度
は15%であった。
0.49dl/gのポリカーボネート樹脂40重量部を、
スチレン60重量部に分散混合し、ポリカーボネート液
(A)を得た。
0.35dl/gのポリカーボネート樹脂40重量部を、
スチレン60重量部に分散混合し、ポリカーボネート液
(B)を得た。
0.15dl/gのポリカーボネート樹脂40重量部を、
スチレン60重量部に分散混合し、ポリカーボネート液
(C)を得た。
法で製造された極限粘度〔IV〕が0.49dl/g、水
酸基末端濃度99%のポリカーボネート、レキサン14
0−111樹脂40重量部を、スチレン60重量部に分
散混合し、ポリカーボネート液(D)を得た。この樹脂
の水酸基末端濃度は1%であった。
す割合で混練し、温度140℃、圧力30kg/cm2で、
3分間バルクモールディングコンパウンドを作成した。
し、温度140℃、圧力30kg/cm2で、3分間バルク
モールディングコンパウンドを作成した。
Claims (3)
- 【請求項1】熱硬化性樹脂:100重量部と、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを、芳香
族ジヒドロキシ化合物1モルに対し、10 -8 〜10 -3 モ
ルのアルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物
の存在下に溶融重縮合して得られたものであり、全分子
末端基中の芳香族ジヒドロキシ化合物に由来する水酸基
末端を5%以上有する ポリカーボネート: 3〜200
重量部とからなる熱硬化性樹脂組成物。 - 【請求項2】 ポリカーボネートは、20℃、塩化メチレ
ン溶液で測定した極限粘度が0.05〜0.65dl/g
であることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性樹脂
組成物。 - 【請求項3】 熱硬化性樹脂が、不飽和ポリエステル樹
脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラ
ミン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の熱硬化性樹
脂組成物。
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