JP3021419B2 - Dna抽出精製装置 - Google Patents

Dna抽出精製装置

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JP3021419B2
JP3021419B2 JP10172815A JP17281598A JP3021419B2 JP 3021419 B2 JP3021419 B2 JP 3021419B2 JP 10172815 A JP10172815 A JP 10172815A JP 17281598 A JP17281598 A JP 17281598A JP 3021419 B2 JP3021419 B2 JP 3021419B2
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正敏 藤城
明男 富樫
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株式会社トミー精工
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多検体試料からD
NAを短時間に抽出精製するDNA抽出精製装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、大腸菌等を形質転換した形質転換
体からプラスミドDNA(核外遺伝子)を抽出精製する
方法として、煮沸法[BOILING METHOD ( Holmes, D. S.
及びM.Quigley, 1981, Anal. Biochem. 114:193) ]や
アルカリ溶菌法[ALKALINE LYSIS METHOD ( Birnboim,
H. C. 及びJ. Doly, 1979, Nucleic Acids Res. 7:151
3) ]等が行われている。しかし、これらの方法は、フ
ェノール,クロロホルム等の危険試薬を使用し、手間の
かかる方法であった。
【0003】さらに、高純度の精製試料を得る方法とし
て、塩化セシウム密度勾配遠心分離法によるプラスミド
DNAの抽出精製方法がある。この方法は、高純度精製
の代表的なものであるが、実施に長時間を要し、試料処
理本数は、一度に10本程度である。また、従来の方法
を自動化した機器も開発されているが、このような機器
も一般的に高価であったり、処理サンプル数が少ない等
の欠点を有しており、実用的には問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】形質転換法は、遺伝子
操作の基本技術であり、ライフサイエンスあるいはバイ
オテクノロジーの研究開発にとって不可欠である。した
がって、この方法によって得られた形質転換体(特に、
大腸菌等を形質転換したもの)から核外遺伝子DNA
を、高い安全性のもとに、全自動で短時間かつ高純度で
抽出精製することが望まれていた。
【0005】本発明は上記課題に鑑みてなされたもの
で、形質転換体で複製増幅された核外遺伝子DNA(プ
ラスミドDNA)を、終夜培養液から全自動で安価に抽
出精製することのできるDNA抽出精製装置を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、上部が開
放されたボックス状の第1チューブラックを設け、該第
1チューブラックの底部に孔を形成し、該孔部に第1フ
ィルターチューブを挿入するとともに、上部が開放され
たボックス状の第2チューブラックを設け、該第2チュ
ーブラックの底部に孔を形成し、該孔部に第2フィルタ
ーチューブを挿入し、上記第1チューブラックの上に第
2チューブラックを重ね合わせて又は上記第2チューブ
ラックの上に第1チューブラックを重ね合わせて、一方
のチューブラックの底部と他方のチューブラックの底部
との間で減圧室を形成し、該減圧室を真空装置により減
圧して、該減圧室上部のチューブラック内の抽出液を、
該チューブラックを介して該減圧室の下部側のチューブ
ラックのフィルタチューブ内に回収することを特徴とす
るDNA抽出精製装置によって達成される。
【0007】また、上記目的は、上部が開放されたボッ
クス状のチューブラックを設け、該チューブラックの底
部に孔を形成し、該孔部にフィルターチューブを挿入す
るとともに、上部が開放された廃液バットを設け、該廃
液バットの上に上記チューブラックを重ね合わせ、チュ
ーブラックの底部と廃液バットの底部との間で減圧室を
形成し、該減圧室を真空装置により減圧して、該減圧室
上部のチューブラック内の排出液を、該チューブラック
を介して廃液バットに回収することを特徴とするDNA
抽出精製装置によって達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明のDNAの抽出精製
装置の実施形態について、図面を参照しながら説明す
る。
【0009】図1は、本発明に係るDNA抽出精製装置
1の全体図である。この抽出精製装置1は本体2とワゴ
ン3とから成る。本体2は、前面に操作パネル4、ドア
5、真空圧計6及びワゴン3との配管類等を接続する接
続口7を配設している。また、本体2の側部には電源ス
イッチ8を、背後には電源コード9を配設している。な
お、図示されていないが、ドア5にはドア開閉の検出ス
イッチを配設している。
【0010】図2及び図3は本体2の内部構造を示す。
本体2は、分注ユニット10、第1チューブラック1
1、第2チューブラック12、リザーバー13及びチッ
プスタンド14から成る。分注ユニット10は、本体2
の内部を横方向に移動することができる。この機構を説
明すると図4の平面図に示すように、分注ユニット10
はメインブラケット10aにボールナット15aを取付
け、これをボールねじ15bに螺合させている。モータ
ー16を駆動すると、ベルト17の回転によりボールね
じ15bが回転し、分注ユニット10は案内板18a,
18bに取付けているレール19a,19bに沿って横
方向に移動する。
【0011】分注ユニット10には、メインブラケット
10aに高さ調整用モーター20を取付けている。高さ
調整用モーター20の軸には、図5に示すようにボール
ねじ21aを取付け、このボールねじ21aにはサブブ
ラケット10bに一体的に取付けているボールナット2
1bが螺合している。高さ調整用モーター20を駆動す
ると、図3に示すサブブラケット10bに取付けている
分注部22が下方に下がる。
【0012】図5に示すように分注ユニット10は、分
注用モーター23軸にボールねじ24aを取付け、この
ボールねじ24aにはピストン取付ステー25aに一体
的に取付けているボールナット24bが螺合している。
分注用モーター23が駆動すると、ステー25aが上下
運動をし、6連のシリンダ26のピストン軸26aもそ
れに合わせて上下動をする。シリンダ26は、DNAを
抽出精製する試薬を吸引、排出する。また、ステー25
aが更に下がると、ステー25aの下面がロッド27a
の上端部に当たる。このロッド27aはピペットチップ
28の外し板27cに取付けられ、外し板27cがピペ
ットチップ28を下方に押下げ、ピペットチップ28は
外れる。
【0013】シリンダ26を支持するシリンダブロック
26cの側部には、チューブの有無を判断する6連のチ
ューブ有無確認センサー29を取付けている。チューブ
有無確認センサー29は反射型の光電素子を使用してい
る。また、図3に示すようにシリンダ26の1つには液
面センサー30を取付けている。この液面センサー30
は吐出動作中における気圧の急変を検出して、液面の高
さを判断する(特開平5−232124参照)。
【0014】図3に示すように、第1移送装置Aは、第
1チューブラック11を垂直方向に移送するもので、把
持部32にチューブラック11が着脱自在に取付けられ
る。把持部32は、案内板33に摺動自在に嵌合し、案
内板33に平行に延設しているボールねじ34に螺合し
ている。案内板33の下部に取付けている駆動モーター
35を駆動すると、把持部32はチューブラック11と
一体的に案内板33に沿って上下動する。
【0015】第2移送装置Bは、第2チューブラック1
2を垂直方向に移送するもので、把持部37にチューブ
ラック12が着脱自在に取付けられる。把持部37は、
案内板38に摺動自在に嵌合し、案内板38に平行に延
設しているボールねじ39(図2参照)に螺合してい
る。案内板38の下部に取付けている駆動モーター40
を駆動すると、把持部37は案内板38を上下動する。
第3移送装置Cは第2チューブラック12を水平方向に
移送するもので、案内板38は、スライダ板41に摺動
自在に嵌合している。スライダ板41の端部に配設した
駆動モーター42を駆動すると、図示されていないベル
トの伝達力により、案内板38がスライダ板41に沿っ
て、水平方向に移動する。
【0016】図6に示すように、第1チューブラック1
1と第2チューブラック12の外観形状は、上述の把持
部32,37に取付けられる取手11a,12aの位置
を除き同一形状である。したがって、それらの底部に形
成されている孔a,bの数や配置箇所も同一であり、こ
れらを重ね合わせたときには、孔a,bの位置は上下方
向に一致する。図7及び図8に示すように、各チューブ
ラック11,12には、底部にゴム枠11b,12bが
取付けられている。また、各チューブラック11,12
には通路11c,12cが設けられている。この通路1
1c,12cはゴム枠11b,12b及びチューブラッ
ク11,12の底部から内側壁を貫通している。
【0017】図3に示すように、第1チューブラック1
1の下方には、廃液バット44を配設している。図7に
示すように、廃液バット44の底部にはワゴン3の廃水
トラップ46を介在して電磁弁50aに接続される吸入
口44aを配設している。また、廃液バット44の側部
には、電磁弁50b,50cとそれぞれ接続される吸入
口44b,44cを配設している。これら電磁弁50a
〜50cはワゴン3に配設される真空ポンプ45に接続
される。
【0018】図7に示すように、DNA抽出装置1は廃
液バット44に隣接して、回収バット47を配設してい
る。回収バット47には、第2チューブラック12の孔
bと同一位置に孔cを設けた回収ラック48を配設し、
孔cには回収チューブ49が収納され、孔cの側部に設
けた孔dには回収チューブ49の蓋が収納されている。
この回収チューブ49の配置箇所は、チューブラック1
2におけるフィルターチューブ54の配置箇所、すなわ
ち孔bに対応して配置され、孔cの形状は、ほぼ回収チ
ューブ49と同形状である。回収バット47の底部に
は、電磁弁50dに接続される吸入口47aが配設され
ている。電磁弁50dは真空ポンプ45に接続される。
また、回収バット47の底部にはシーケンサー60(図
12参照)に電気的に接続されている磁気センサー47
bを取付け、回収ラック48の底部にはマグネット48
aを取付けている。これらの配置箇所は回収ラック48
が所定の場所に配置されたときに対応するように、1つ
または複数箇所に配置する。なお、図7におけるチュー
ブラック11,12及び回収バッド47内に配設される
フィルターチューブ51,54及び回収チューブ49
は、多数配設されているが、図においては、簡略して各
チューブ49,51,54を1つのみ示している。
【0019】図6に示すように、第1チューブラック1
1の底部には、上述したように多数の孔aが穿設され、
図8に示すようにこの孔に第1フィルターチューブ51
が挿通される。フィルターチューブ51は、図9に示す
ようにトップ51aとボトム51bとから成り、ボトム
51bの下部がチューブラック11の孔aを貫通して挿
通される。フィルターチューブ51は、通常、円柱状と
し、大きさとしては、φ10〜20mm,長さ30〜5
0mmのものを使用することが望ましい。
【0020】第1フィルターチューブ51のフランジ部
51cには、フィルター52が設けられ、図10にフィ
ルター52の断面図を示す。トラップフィルター52a
は、主として形質転換体である大腸菌等の菌体を捕集
し、溶菌するのための層である。材質としては、ガラス
繊維フィルターやポリエチレン樹脂フィルターや不織布
フィルター等が好ましく、大腸菌等の菌体を立体的に捕
集する特性を備えていることが好ましい。
【0021】メンブランフィルター52bは、主として
凝固タンパク,染色体DNA等の不要物の濾過・除去の
ための層である。材質としては、酢酸セルロース,ポリ
フッ化ビニリデン等が好ましく、生物学的不活性,低タ
ンパク吸着性の特性を備えていることが好ましい。な
お、チューブラック11の孔aにフィルターチューブ5
1が配設されていない箇所には、黒色のめくら栓で気密
に塞がれる。
【0022】図11は、第2チューブラック12の孔に
支持されている第2フィルターチューブ54に配設して
いるフィルター55を示す。第2フィルターチューブ5
4は、第1フィルターチューブ51と同一形状であり、
フィルタ55のみ異なる。ガラス繊維フィルター55
a,55bは、主としてプラスミド吸着補助のための層
である。材質としては、微細ホウケイ酸塩ガラス繊維等
が好ましく、生化学的液体に対して不活性の特性を備え
ていることが好ましい。
【0023】ガラスパウダー層55cは、主としてDN
A吸着のための層である。材質としては、シリカマトリ
ックス等が好ましく、水中沈降速度0.25cm/mi
n以下の特性を備えていることが好ましい。なお、メン
ブランフィルター55dの機能、材質は第1フィルター
チューブ51のものと同じである。なお、チューブラッ
ク12の孔bにフィルターチューブ52が配設されてい
ない箇所には、黒色のめくら栓で気密に塞がれる。
【0024】図8に示すリザーバ13の区画13a〜1
3fはDNAを抽出精製する試薬や洗浄液を注入してお
くためのものである。その詳細については後述する。
【0025】図12はDNA抽出精製装置のシステム図
である。制御部であるシーケンサー60が操作パネル
4、分注ユニット10及びチューブラック11,12等
の真空搬送部Dと電気的に接続されている。また、真空
搬送部Dは、ワゴン3に配設した排水トラップ61と配
管により接続される。さらに、真空搬送部Dと真空ポン
プ45はケミカルトラップ62を介在して配管により接
続される。
【0026】以上、本発明の実施例によるDNAの抽出
精製装置の構成について説明したが、次にその作用につ
いて説明する。
【0027】図1におけるDNA抽出精製装置1を作動
させる前に、ドア5を開き第1フィルターチューブ5
1、第2フィルターチューブ54、回収チューブ49、
試薬及びピペットチップ28を所定の場所にセットす
る。なお、試料としては、予め形質転換体培養液を図8
に示すフィルターチューブ51に集菌する。これは、宿
主微生物を大腸菌[E.Coli HB101(ATCC 33
694)とし、これをHanahanの方法(Hanahan,D.,
1983, J.Mol.Biol.,166 ,577)に従い形質転換した形質
転換体を使用する。
【0028】初めに、DNA抽出精製装置1の電源スイ
ッチ8を入れる。このとき、ドア5が正しく閉じられて
いれば、図示されていないドア開閉の検出スイッチが検
知して、例えばインターロックソレノイドなどによりド
ア5をロックする。そして、分注ユニット10、第1チ
ューブラック11および第2チューブラック12を、図
8に示す初期状態の位置に配置する。このときのチュー
ブラック11,12の配置を模式的に図13のAに示
す。図に示すようにチューブラック11,12は、上述
した移送装置A,Bを駆動することによりレベル0〜3
(なお、レベルは下の目盛りから順に0,1,2,3と
する)の4段階の上下動をし、初期状態ではレベル2の
高さに配置される。DNA抽出精製装置1は、初期位置
移動終了後ドア5のロックを解除する。
【0029】DNA抽出精製装置1のドア5を開け、図
8に示すようにフィルターチューブ51,54、回収チ
ューブ49及びピペットチップ28を所定の場所に配置
する。また、リザーバ13の区画13a〜13fに所定
の試薬を注入した後、ドア5を閉じて操作パネル4に配
設しているスタートキーを押す。
【0030】DNA抽出精製装置1は、スタートキーを
押すとセット状態の確認動作を行う。すなわち、チュー
ブ有無確認動作では、各チューブラック11,12を図
13のBに示すように、レベル3の位置に配置する。そ
して、図8に示す分注ユニット10を水平方向に左右に
往復運動させ、分注ユニット10に配設しているチュー
ブ有無確認センサー29で、各フィルターチューブ5
1,54の有無を確認する。
【0031】チェック内容は、図6のチューブラック1
1,12の×印にフィルターチューブ51,54が挿入
されているような場合は、チューブラック11と12に
おけるフィルターチューブ51,54のセットパターン
が同一か、このセットパターンが装置の規則に適合して
いるかを確認する。この場合、チューブラック11,1
2の×印以外の孔a,bは、黒色のめくら栓で塞がれて
いるので、フィルターチューブ51,54とめくら栓と
の、色の反射率の相違をチューブ有無確認センサー29
が検出して、フィルターチューブ51,54のセットパ
ターンを判断する。セットパターンが不可のときはエラ
ーとなり、ポーズ状態となる。セットパターンが良のと
きは、試薬液量確認動作へ移る。
【0032】試薬液量確認動作では、高さ調整用モータ
ー20を駆動し、サブブラケット10bを下げ、チップ
スタンド14の第1列のピペットチップ28aを装着す
る。次いで、分注ユニット10を移送しピペットチップ
28aをリザーバ13の第1列目の区画13aの試薬に
挿入し、液面センサー30で試薬の液量を判定する。再
び、分注ユニット10をチップスタンド14上まで移送
し、ピペットチップ28aを外してもとの位置に戻す。
そして、同様に第2列のピペットチップ28bで区画1
3bの試薬の液量を測り、順次、第3列〜第6列まで測
り、フィルターチューブ51,54の本数に対して、各
試薬の量が不足していないかチェックする。なお、ピペ
ットチップ28a〜28fは区画13a〜13fに対応
させて使用する。試薬の量が規定以上のとき、セットパ
ターンが良のときは、溶菌及び不要蛋白質や染色体DN
Aの変性を行い、必要に応じて不要RNAの分解を行う
工程に入る。
【0033】溶菌及び不要蛋白質や染色体DNAの変性
を行い、必要に応じて不要RNAの分解を行う工程で
は、図13のCに示すように、チューブラック11をレ
ベル0の位置、すなわち廃液バット44上に当接して配
置される。チューブラック11の底部にはゴム11bを
取付けているので、それらの当接部は気密が保たれる。
そして、真空ポンプ45を2分作動しバルブ44aから
空気を吸引し、フィルターチューブ51から大腸菌以外
の液を濾過する。
【0034】チューブラック11,12を図13のCに
示す位置から図14のAに示す位置に移送する。すなわ
ち、DNA抽出精製装置1は、自動制御によりチューブ
ラック11をレベル3の試薬の添加位置まで上昇させ、
チューブラック12をレベル1まで下降して、更に左方
に移送する。ここで、分注ユニット10は区画13aか
らピペットチップ28aが溶菌用試薬を吸引し、この2
00〜400μlの溶菌用試薬をフィルターチューブ5
1のトラップフィルター52aに添加し、室温にて10
分間放置する。この工程では、形質転換体を溶菌させ、
核外遺伝子(プラスミドDNA)を細胞外に溶出する。
また、この工程で、同時に溶菌用試薬によって不要なR
NAを消化する。溶菌酵素としては、リゾチーム(lysoz
yme)を含み、RNA分解酵素として、リボヌクレアーゼ
Aを含むものを使用する。
【0035】次いで、第1のフィルターチューブ51に
よる不純物濾過工程を行う。この工程では、分注ユニッ
ト10を移動してピペットチップ28bで、区画13b
の試料の完全可溶化処理のための試薬を吸引し、フィル
ターチューブ51のトラップフィルター52aに添加す
る。そして、室温にて5分間放置することにより、試料
の完全可溶化処理を行った。試料の完全可溶化処理のた
めの試薬としては、0.2N水酸化ナトリウム・1%ラ
ウリル硫酸ナトリウム溶液を400μl添加している。
【0036】次いで、分注ユニット10を移動してピペ
ットチップ28cで区画13cの3M酢酸カリウム(p
H4.8)を吸引し、フィルターチューブ51のトラッ
プフィルター52aに300μl添加する。そして、室
温にて5分間放置し、塩基性溶液を中和するとともに、
細胞構成タンパク質及び染色体DNAを凝固処理する。
【0037】この後、第2のDNA抽出精製用カートリ
ッジでDNAを吸着、洗浄、溶出する工程を行う。この
工程では、分注ユニット10を移動してピペットチップ
28dで区画13dのDNA吸着のための試薬として8
Mヨウ化ナトリウムNaIまたは10Mチオシアン酸ナ
トリウム(NaSCN)を吸引し、フィルターチューブ
51に添加する。ここで、チューブラック11,12を
図14のBの位置に移送する。すなわち、チューブラッ
ク12をレベル0の位置に下降させ、同じくチューブラ
ック11をレベル2の位置に下降させる。
【0038】この状態では、図7に示すようにチューブ
ラック11とチューブラック12とが重なり減圧室Eを
形成し、チューブラック12と廃液バット44が重なり
減圧室Fを形成する。チューブラック11の底部にはゴ
ム枠11bが設けられ、これとチューブラック12との
当接面は気密が保たれる。また、チューブラック12の
底部にゴム12bを取付けているので、これと廃液バッ
ト44との当接面は気密が保たれる。
【0039】そして、真空ポンプ45を10分間作動し
吸入口44a,44cから空気を吸引する。チューブラ
ック11のチューブフィルタ51は、チューブラック1
2の側部に設けられている通気孔12cを介して、吸入
口44cにより吸引される。こうして、第1フィルター
チューブ51から第2フィルターチューブ54へプラス
ミド抽出液を回収する。
【0040】このときプラスミドDNAが第2フィルタ
ーチューブ54のガラスパウダー層55cに吸着する。
なお、この工程で、第1フィルターチューブ51の試料
を第2フィルターチューブ54に真空吸引して移し換え
る場合に、空間Fのみ減圧すればよい。しかしながら、
真空引きの初めや真空解除時に減圧室EとFに圧力差が
あると、移し換えた第2フィルターチューブ54にある
試料が廃液バット44に漏れ出てしまうようなことがあ
る。そこで、チューブラック12に通路12cを設け、
減圧室E,Fを同圧力に減圧するようにしている。
【0041】次いで、図14のCに示すように、チュー
ブラック11のみをレベル3まで上昇させ、吸入口44
aに接続している電磁弁50aを開きチューブラック1
2のフィルターチューブ54を、真空ポンプで2分間吸
引する。これにより、フィルターチューブ54のヨウ化
ナトリウムを吸引濾過する。
【0042】洗浄工程では、図15のAに示すように、
チューブラック11とチューブラック12の配置を図1
4のCの状態と上下を逆にする。すなわち、チューブラ
ック12を右方に移送し、チューブラック11をレベル
0まで下降させ、さらにチューブラック12をレベル3
まで上昇させて左方に移送する。そして、分注ユニット
10のピペットチップ28eにより、フィルターチュー
ブ54に洗浄用緩衝液として10mMトリス―塩酸(p
H8.0)・1mM EDTA・0.2MNaCl・5
0%エタノールを1000μl添加する。
【0043】次いで、図15のBに示すように、チュー
ブラック11をレベル0に下降させ、チューブラック1
2をレベル2に下降させる。電磁弁50a,50bを開
き、真空ポンプで15分間吸引口44a,44bから吸
引し、洗浄液をフィルターチューブ54からフィルター
チューブ51へ排出する。なお、このときチューブラッ
ク11と12とが、図7に示す状態と上下逆になってい
ることから、チューブラック11の通路11cと吸入口
44bとが連通することにより、フィルターチューブ5
4の洗浄液は真空吸引される。この後、2回目の洗浄工
程を行う。内容は上記段落0042と同様で、洗浄用緩
衝液の容量は500mlである。次に、図15のCに示
すように、チューブラック12をレベル3まで上昇し、
右方に移送する。そして、分注ユニット10のピペット
チップ28fにより、フィルターチューブ54に、溶出
用緩衝液として蒸留水/10mMトリス―塩酸(pH
8.0)・1mM EDTAを50〜200μl添加す
る。
【0044】フィルターチューブ54の廃液を排出する
ため電磁弁50aを開き、真空ポンプ45により吸引排
出する。そして、図16に示すように、チューブラック
12をレベル0まで下降させ電磁弁50dを開き、DN
Aをフィルターチューブ54から回収バット47に配設
した回収チューブ49にプラスミドDNAを回収する。
なお、回収ラック48が配設されていないとき、または
所定の位置からずれて配置されているようなときは、ス
タート時に警報されるが、回収ラック48に回収チュー
ブ49を入れ忘れたときには、そのまま操作が行われ
る。しかし、回収ラック48の孔cは回収チューブ49
の孔cに回収できるので、後でプラスミドDNAを移し
換えればよい。
【0045】以上、説明したように、本実施の形態によ
れば、短時間(約2時間)で遺伝子組換え技術に必要な
プラスミドDNAを全自動で抽出精製することができ
る。また、DNAの抽出精製をフィルターを使用した真
空吸引により行っているので、コストが安く純度の高い
プラスミドDNAを提供することができる。
【0046】以上、本発明の実施例について説明した
が、勿論、本発明はこれに限定されることなく本発明の
技術的思想に基いて種々の変形が可能である。
【0047】例えば以上の実施例では、第1チューブラ
ック11を垂直方向のみ移送できるようにし、第2チュ
ーブラック12を水平方向及び垂直方向に移送できるよ
うにしたが、これを反対にしてもよいし、両者とも両方
向に移送可能にしてもよい。
【0048】
【発明の効果】以上より明らかなように、本発明によれ
ば、遠心分離器を使用することなく、形質転換体で複製
増幅された核外遺伝子DNA(プラスミドDNA)を、
終夜培養液から短時間で大量の試料を抽出精製すること
ができる。また、DNAの抽出精製をフィルターを使用
した真空吸引により行っているので、コストが安く純度
の高いプラスミドDNAを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるDNA抽出精製装置
の全体斜視図である。
【図2】同DNA抽出精製装置の本体の側面図である。
【図3】同DNA抽出精製装置の本体の図2におけるX
−X線方向の縦断面図である。
【図4】同DNA抽出精製装置の本体の平面図である。
【図5】同DNA抽出精製装置の分注ユニットの拡大側
面図である。
【図6】同DNA抽出精製装置の本体の下部の平面図で
ある。
【図7】同DNA抽出精製装置の真空搬送部の概略断面
図である。
【図8】同DNA抽出精製装置の本体の下部の概略断面
図である。
【図9】図9のAは、フィルターチューブの上方と下方
から見た平面図である。図9のBは、フィルターチュー
ブの部分破断断面図である。
【図10】第1フィルターチューブに配設したフィルタ
ーの拡大断面図である。
【図11】第2フィルターチューブに配設したフィルタ
ー等の拡大断面図である。
【図12】本発明のDNA抽出精製装置のシステム図で
ある。
【図13】図12のA〜Cは第1チューブラックと第2
チューブラックの配置を示す概略図である。
【図14】図13のA〜Cは第1チューブラックと第2
チューブラックの配置を示す概略図である。
【図15】図14のA〜Cは第1チューブラックと第2
チューブラックの配置を示す概略図である。
【図16】第1チューブラックと第2チューブラックの
配置を示す概略図である。
【符号の説明】 1 DNA抽出精製装置 2 本体 10 分注ユニット 11 第1チューブラック 11c 通路 12 第2チューブラック 12c 通路 13 リザーバ 14 チップスタンド 29 チューブ有無確認センサー 44 廃液バット 45 真空ポンプ 47 回収バット 47b 磁気センサー 48 回収ラック 48a マグネット 50a〜50d 電磁弁 51 第1フィルターチューブ 52 フィルター 52b,55d メンブランフィルター 54 第2フィルターチューブ 55 フィルター 55a,55b ガラス繊維フィルター 55c ガラスパウダー層 A 第1移送装置 B 第2移送装置 C 第3移送装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 隆麿 東京都練馬区旭町2丁目2番12号 株式 会社 トミー精工内 (56)参考文献 特開 平4−99477(JP,A) 特開 平2−261372(JP,A) 特開 平4−187077(JP,A) 特開 平2−187110(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12M 1/00 C12M 1/12 C12N 15/10

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部が開放されたボックス状の第1チュ
    ーブラックを設け、該第1チューブラックの底部に孔を
    形成し、該孔部に第1フィルターチューブを挿入すると
    ともに、上部が開放されたボックス状の第2チューブラ
    ックを設け、該第2チューブラックの底部に孔を形成
    し、該孔部に第2フィルターチューブを挿入し、上記第
    1チューブラックの上に第2チューブラックを重ね合わ
    せて又は上記第2チューブラックの上に第1チューブラ
    ックを重ね合わせて、一方のチューブラックの底部と他
    方のチューブラックの底部との間で減圧室を形成し、該
    減圧室を真空装置により減圧して、該減圧室上部のチュ
    ーブラック内の抽出液を、該チューブラックを介して該
    減圧室の下部側のチューブラックのフィルタチューブ内
    に回収することを特徴とするDNA抽出精製装置。
  2. 【請求項2】 上記第1チューブラックを縦方向に移送
    する第1移送装置と、第2チューブラックを縦方向に移
    送する第2移送装置と、少なくとも上記第1チューブラ
    ックと第2チューブラックのいずれか1つを横方向に移
    送する第3移送装置と、上記第1〜第3移送装置及び上
    記真空装置を制御するための制御手段とを備えたことか
    ら成る請求項1に記載のDNA抽出精製装置。
  3. 【請求項3】 上記第1フィルターチューブに配設した
    フィルターは、少なくともトラップフィルター及びメン
    ブランフィルターを含み、上記第2フィルターチューブ
    に配設したフィルターは、少なくともガラス繊維フィル
    ター、ガラスパウダー層及びメンブランフィルターを含
    んで成る請求項1に記載のDNA抽出精製装置。
  4. 【請求項4】 少なくとも上記第1チューブラック及び
    第2チューブラックのいずれかに、チューブラックの底
    壁から内側壁を貫通する通路を設け、該通路を介して上
    記真空装置と減圧室を連通して成る請求項1に記載のD
    NA抽出精製装置。
  5. 【請求項5】 上記第1チューブラックおよび第2チュ
    ーブラックに、上記第1フィルターチューブ及び第2フ
    ィルターチューブを規則通りに配置したかを判定するた
    めのチューブ有無確認センサーを設けたことから成る請
    求項1に記載のDNA抽出精製装置。
  6. 【請求項6】 上部が開放されたボックス状のチューブ
    ラックを設け、該チューブラックの底部に孔を形成し、
    該孔部にフィルターチューブを挿入するとともに、上部
    が開放された廃液バットを設け、該廃液バットの上に上
    記チューブラックを重ね合わせ、チューブラックの底部
    と廃液バットの底部との間で減圧室を形成し、該減圧室
    を真空装置により減圧して、該減圧室上部のチューブラ
    ック内の排出液を、該チューブラックを介して廃液バッ
    トに回収することを特徴とするDNA抽出精製装置。
  7. 【請求項7】 上記チューブラックを上記廃液バットに
    重ね合わせる移送装置を設け、該移送装置と上記真空装
    置を制御するための制御手段を備えたことから成る請求
    項6に記載のDNA抽出精製装置。
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