JP3021046U - 多段シリンダー駆動式ｅｇｒバルブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 空気圧の供給ないし停止を正確かつ迅速にＥ
ＧＲバルブの動作に反映させて排気管におけるＥＧＲバ
ルブの開閉動作を瞬時に行なわせ，排ガスを戻り漏れな
く効率的に吸収する。空気圧切換バルブ機構，多段シリ
ンダー機構およびＥＧＲバルブ機構をそれぞれ別体に構
成してアセンブリー化を図り，キット保管できるように
する。 【構成】 空気圧切換バルブ機構Ａと，順次に大きなス
トロークを有するピストンを各シリンダー内に備えた多
段シリンダー機構Ｂと，上記ピストンによって押動され
る，強力スプリングを装着したＥＧＲバルブ機構Ｃとか
らなり，ＥＧＲバルブを排気管の内部に直接挿入した。
空気圧切換バルブ機構Ａと，多段シリンダー機構Ｂと，
ＥＧＲバルブ機構Ｃとを別体に構成し，組み立てられる
ようにした。

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

この考案は，特にディーゼルエンジンの排ガス規制に対応するもので，排気ガ スの一部をエンジンへ再供給し，完全燃焼ガス状態で排気させるための多段シリ ンダー駆動式ＥＧＲバルブに関する。

【従来の技術】

従来の通常のＥＧＲバルブにあっては，その駆動部がダイヤフラム構造の加圧 またはバキュームタイプのもので，ダイヤフラムの駆動によりＥＧＲバルブを作 動させるものであった。したがって，次のような難点があった。 空気圧の供給によりダイヤフラムが動きだしても，ある張力に達するまではス プリングが動きださないので，空気圧の供給を正確かつ迅速にバルブの動きに反 映させ難い。 ダイヤフラムの張力に見合う弱いスプリングを内蔵しているため，戻り速度が 遅く，ましてガスケットと軸との間に炭化煤等が詰まった場合には，摺動抵抗が 高まり，バルブの動きが緩慢になってＥＧＲバルブとしての機能が劣悪となる。 そこで，特に，空気圧の供給を電気的ＯＮ−ＯＦＦ駆動によって行う電気制御 バルブを備えた無段階制御式ＥＧＲバルブが製品化されているが，これとて，外 部にＰＣＶ（パルス・コントロール・バルブ）を兼備して制御している現状であ る。したがって，この電気制御式バルブにも次のような難点がある。すなわち， ＯＮ−ＯＦＦの設定プログラムは，電気的に空気圧バルブをＯＮ−ＯＦＦに設定 するものであり，直接ＥＧＲバルブの開度位置を設定するものでないから，空気 圧の調整がＥＧＲバルブの動作に確実に反応し難く，したがって，ＥＧＲバルブ を設定プログラム通りの位置にコントロールし難い。 さらに，上記のような従来のＥＧＲバルブにあっては，いずれも，ＥＧＲバル ブをエンジンに連通する排気管から分支した箇所にオプション的に取り付けてあ ったため，排気の流れを効率的に吸収し難い難点があった。

【考案が解決しようとする課題】

この考案の目的は，まず，このような従来の技術的な難点を解決することにあ り，多段シリンダー機構を空気圧切換バルブ機構と組み合わせて多段シリンダー 駆動式を採用することにより，正確な各段の位置決めおよび段階的な位置決めの 動作を可能にし，空気圧の供給を正確かつ迅速にＥＧＲバルブの動きに反映させ ることができるとともに，上記方式の採用により可能となった強力スプリングの 装着によって，ＥＧＲバルブの閉動作を排ガスの戻り漏れがなく瞬時に行うこと ができ，さらに，ＥＧＲバルブをエンジンに連通する排気管内に直接挿入して潜 り込ませ，排気ガスを効率的に吸収することができる多段シリンダー駆動式ＥＧ Ｒバルブを提供するにある。次いで，多段シリンダー機構と空気圧切換バルブ機 構とを別本に構成してアセンブリー化し，両機構を切り離してキット保管できる ようにするとともに，この両機構の組立部とＥＧＲバルブ機構とを別体に構成し ，ＥＧＲバルブ機構をこれに強力スプリングを装着した組立品としてキット保管 できるようにしようとするものである。

【課題を解決するための手段】

この考案の目的を達成するために，この考案は，空気圧切換バルブ機構（Ａ） による空気圧によって駆動する多段シリンダー機構（Ｂ）を，各シリンダー（Ｂ １），（Ｂ２），・・・，（Ｂｎ）における順次に大なるストロークを有する各 ピストン（ｂ１），（ｂ２），・・・，（ｂｎ）がそれぞれ次段のシリンダーに おけるピストンを押動するように構成し，その再先端シリンダー（Ｂｎ）におけ るピストン（ｂｎ）によって押動されるＥＧＲバルブ機構（ｃ）には強力スプリ ング（Ｄ）を装着し，ＥＧＲバルブ（ｃ１）をエンジンに連通する排気管（Ｅ） 内に直接挿入したことを特徴とする。また，この考案は，空気圧切換バルブ機構 （Ａ）と多段シリンダー機構（Ｂ）とを別体に構成してアセンブリー化し，両機 構（Ａ）（Ｂ）を切り離してキット保管できるようにするとともに，この両機構 （Ａ）（Ｂ）の組立部とＥＧＲバルブ機構（Ｃ）とを別体に構成し，ＥＧＲバル ブ機構（Ｃ）をこれに強力スプリング（Ｄ）を装着した組立品としてキット保管 できるようにしたことを特徴とする。

【作用】

この考案によれは，多段シリンダー機構（Ｂ）によって，正確な各段の位置決 めおよび段階的な位置決めの動作が可能となり，空気圧切換バルブ機構（Ａ）か らの空気圧の供給を正確かつ迅速にＥＧＲバルブ（ｃ１）の動作に反映させるこ とができるとともに，上記方式の採用により実現可能となった強力スプリング（ Ｄ）の装着によって，ＥＧＲバルブ（ｃ１）の閉動作を排ガスの戻り漏れがなく 瞬時に行うことができ，さらに，ＥＧＲバルブ（ｃ１）を排気管（Ｅ）内部に直 接挿入することによって，排ガスを効率的に吸収することができる。 さらに，空気圧切換バルブ機構（Ａ）と多段シリンダー機構（Ｂ）とを別体に し，アセンブリー化することによって，両機構（Ａ）（Ｂ）を切り離してキット 保管できるとともに，この両機構（Ａ）（Ｂ）の組立部とＥＧＲバルブ機構（Ｃ ）とを別体に構成することによって，ＥＧＲバルブ機構（Ｃ）をこれに強力スプ リング（Ｄ）を装着した組立品としてキット保管できる。

【実施例】

図１に基づいてこの考案の好適な実施例を説明する。 空気圧切換バルブ機構（Ａ）は，エアー式三方弁として構成されており、下記 の多段シリンダー機構（Ｂ）の各シリンダー（Ｂ１），（Ｂ２），（Ｂ３）にお けるピストン（ｂ１），（ｂ２），（ｂ３）に対し，その各ポート（ｐ１），（ ｐ２），（ｐ３）を介して空気圧を供給ないし停止するためのものであるが，多 段シリンダー機構（Ｂ）とは別体に構成されていて，アセンブリー化され，両機 構（Ａ）（Ｂ）を切り離してキット保管できるようになっている。 多段シリンダー機構（Ｂ）は，順次に径ないし容量を大にした三層のシリンダ ー（Ｂ１），（Ｂ２），（Ｂ３）からなり、その各シリンダー（Ｂ１），（Ｂ２ ），（Ｂ３）内にはそれぞれこれに対応する形態のピストン（ｂ１），（ｂ２） ，（ｂ３）が収容され構成されている。すなわち，その各ピストン（ｂ１），（ ｂ２），（ｂ３）のストロークが順次に大きくなるように，各シリンダー（Ｂ１ ），（Ｂ２），（Ｂ３）内のピストン可動空間（ｆ１），（ｆ２），（ｆ３）が 順次に広くなるとともに，それに応じて各ピストン（ｂ１），（ｂ２），（Ｂ３ ）のストローク棒（ｓ１），（ｓ２），（ｓ３）が順次に長く構成されている。 そして，ピストン（ｂ１）のストローク棒（ｓ１）がシリンダー（Ｂ１）から突 出してシリンダー（Ｂ２）のピストン（ｂ２）に当接し，ピストン（ｂ２）のス トローク棒（ｓ２）がシリンダー（Ｂ２）から突出してシリンダー（Ｂ３）のピ ストン（ｂ３）に当接し，さらに，ピストン（ｂ３）のストローク棒（ｓ３）が シリンダー（Ｂ３）から突出して下記のＥＧＲバルブ機構（Ｃ）の駆動棒（ｃ２ ）に当接するようになっている。なお，図中，（ＯＲ）はＯリングであり，（Ｐ Ｓ）はピストンシールであり，さらに，（ＧＲ）はガイドリングである。 ＥＧＲバルブ機構（Ｃ）は，ＥＧＲバルブ（ｃ１）と駆動棒（ｃ２）とからな り，駆動棒（ｃ２）には強力スプリング（Ｄ）が装着されており，ＥＧＲバルブ （ｃ１）はエンジン（図示しない）に連通する排気管（Ｅ）内部に直接挿入され ておる。図中，（ＶＳ）は排気管（Ｅ）の開口周縁に設けられたバルブシートで ある。このように構成されたＥＧＲバルブ機構（Ｃ）は，上記の空気圧切換バル ブ機構（Ａ）と多段シリンダー機構（Ｂ）の組立部とは別体に構成され，組立品 としてキット保管できるようになっている。 この考案の実施例について動作を説明する。 まず，多段シリンダー機構（Ｂ）のシリンダー（Ｂ１）におけるピストン（ｂ １）を駆動するには，空気圧切換バルブ機構（Ａ）からポート（ｐ１）を介して 空気圧をシリンダー（Ｂ１）に供給する。すると，ピストン（ｂ１）はシリンダ ー（Ｂ１）内のピストン可動空間（ｆ１）だけ下方に移動する。このピストン（ ｂ１）のストロークは，自由状態にあるシリンダー（Ｂ２）内のピストン（ｂ２ ）をその分だけ下方に移動させ，さらに，このピストン（ｂ２）のストロークは ，自由状態にあるシリンダー（Ｂ３）内のピストン（ｂ３）をその分だけ下方に 移動させる。そして，このピストン（ｂ３）のストロークはＥＧＲバルブ機構（ Ｃ）を，強力スプリング（Ｄ）の弾性に打ち勝ってその分だけ下方に移動させる 。したがって，ＥＧＲバルブ（ｃ１）はその分だけ下方に移動し，排気管（Ｅ） を開口する。そこで，シリシダー（Ｂ１）への空気圧の供給を停止すれば，ピス トン（ｂ１）が自由状態になるので，強力スプリング（Ｄ）の弾性によって，ピ ストン（ｂ１），ピストン（ｂ２）およびピストン（ｂ３）は瞬時に復帰する。 したがって，ＥＧＲバルブ（ｃ１）は瞬時に排気管（Ｅ）を閉口する。 次に，シリンダー（Ｂ２）におけるピストン（ｂ２）を駆動するには，上記と 同様に，ポート（ｐ２）を介して空気圧をシリンダー（Ｂ２）に供給する。する と，ピストン（ｂ２）はシリンダー（Ｂ２）内の可動空間（ｆ２）だけ下方に移 動する。このピストン（ｂ２）のストロークは，自由状態にあるシリンダー（Ｂ ３）内のピストン（ｂ３）をその分だけ下方に移動させる。そして，このピスト ン（ｂ３）のストロークはＥＧＲバルブ機構（Ｃ）を，強力スプリング（Ｄ）の 弾性に打ち勝って，その分だけ下方に移動させる。したがって，ＥＧＲバルブ（ ｃ１）はその分だけ下方に移動し，排気管（Ｅ）を開口する。そこで，シリンダ ー（Ｂ２）への空気圧の供給を停止すれば，上記と同様に，ピストン（ｂ２）お よびピストン（ｂ３）は瞬時に復帰する。したがって，ＥＧＲバルブ（ｃ１）は 瞬時に排気管（Ｅ）を閉口する。さらに，シリンダー（Ｂ３）におけるピストン （ｂ３）を駆動するのにも，上記と同様の動作により，ピストン（ｂ３）のピス トン可動空間（ｆ３）の分だけ排気管（Ｅ）を開口することができ，さらに，瞬 時に排気管（Ｅ）を閉口することができる。 なお，上記の説明は，各ピストン（ｂ１），（ｂ２），（ｂ３）を単独に駆動 した場合についてであるが，さらに，各ピストン（ｂ１），（ｂ２），（ｂ３） を組み合わせて順次に駆動すれば，ＥＧＲバルブ機構（Ｃ）に対して段階的なス トロークを与え，排気管（Ｅ）を段階的に開閉することができる。しかし，この ような駆動方法を採るときには，先行駆動したピストンは，次のピストンにスト ロークを与え，この次のピストンが自己の空気圧による駆動によってストローク を得た後，空気圧を停止して自由状態にされることが肝要である。そうすれば， 最後のピストンは空気圧の停止により自由状態になったとき，瞬時に復帰するこ とができるのである。 このようにして，各シリンダー（Ｂ１），（Ｂ２），・・・，（Ｂｎ）におけ るピストン（ｂ１），（ｂ２），・・・，（ｂｎ）を，順次に大きなストローク を生じるように構成しておけば，各固有のストロークを単独に選んで，これをＥ ＧＲバルブ（ｃ１）に伝えれば，排気管（Ｅ）を各固有の大きさに開口すること ができるとともに，各固有のストロークを組み合わせてこれをＥＧＲバルブ（ｃ １）に伝えれば，排気管（Ｅ）を段階的に大きく開口することができる。

【考案の効果】

以上の説明のように，この考案によれば，多段シリンダー機構（Ｂ）によって ，正確な各段の位置決めおよび段階的な位置決めの動作が可能となり，空気圧の 供給を正確かつ迅速にＥＧＲバルブ（ｃ１）の動作に反映させることができると ともに，上記方式の採用により，実現可能となった強力スプリング（Ｄ）の装着 によって，ＥＧＲバルブ（ｃ１）の閉動作を，排カスの戻り漏れがなく瞬時に行 うことができ，さらに，ＥＧＲバルブ（ｃ１）を排気管（Ｅ）内部に直接挿入す ることによって，排ガスを効率的に吸収することができる。 さらに，空気圧切換バルブ機構（Ａ）と多段シリンダー機構（Ｂ）とを別体に し，アセンブリー化することによって，両機構（Ａ）（Ｂ）を切り離してキット 保管でるとともに，この両機構（Ａ）（Ｂ）の組立部とＥＧＲバルブ機構（Ｃ） とを別体に構成することによって，ＥＧＲバルブ機構（Ｃ）をこれに強力スプリ ングを装着した組立品としてキット保管できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る多段シリンダー駆動式ＥＧＲバ
ルブの好適な実施例を示す図面であり，一部断面図を含
む側面図である。

【符号の説明】

（Ａ）・・・空気圧切換バルブ機構，（Ｂ）・・・多段
シリンダー機構，（Ｂ１），（Ｂ２），（Ｂ３）・・・
シリンダー，（ｂ１），（ｂ２），（ｂ３）ピストン，
（Ｃ）・・・ＥＧＲバルブ機構，（ｃ１）・・・ＥＧＲ
バルブ，（ｃ２）・・・駆動棒，（Ｄ）・・・強力スプ
リング，（Ｅ）・・・排気管，（ｆ１），（ｆ２），
（ｆ３）・・・ピストン可動空間，（ｐ１），（ｐ
２），（ｐ３）・・・ポート，（ｓ１），（ｓ２），
（ｓ３）・・・ストローク棒，（ＧＲ）・・・ガイドリ
ング，（ＯＲ）・・・Ｏリング，（ＰＳ）・・・ピスト
ンシール，（ＶＳ）・・・排気管（Ｅ）の開口周縁のバ
ルブシート。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】空気圧切換バルブ機構（Ａ）による空気圧
   によって駆動する多段シリンダー機構（Ｂ）は，各シリ
   ンダー（Ｂ１），（Ｂ２），・・・，（Ｂｎ）における
   順次に大なるストロークを有する各ピストン（ｂ１），
   （ｂ２），・・・，（ｂｎ）がそれぞれ次段のシリンダ
   ーにおけるピストンを押動するように構成されており，
   その最先端シリンダー（Ｂｎ）におけるピストン（ｂ
   ｎ）によって押動されるＥＧＲバルブ機構（Ｃ）には強
   力スプリング（Ｄ）が装着されており，ＥＧＲバルブ
   （ｃ１）はエンジンに連通する排気管（Ｅ）内部に直接
   挿入されていることを特徴とする多段シリンダー駆動式
   ＥＧＲバルブ。
2. 【請求項２】空気圧切換バルブ機構（Ａ）と多段シリン
   ダー機構（Ｂ）とを別体に構成してアセンブリー化し，
   両機構（Ａ）（Ｂ）を切り離してキット保管できるよう
   にするとともに，この両機構（Ａ）（Ｂ）の組立部とＥ
   ＧＲバルブ機構（Ｃ）とを別体に構成し，ＥＧＲバルブ
   機構（Ｃ）をこれに強力スプリング（Ｄ）を装着した組
   立品としてキット保管できるようにした［請求項１］記
   載の多段シリンダー駆動式ＥＧＲバルブ。