JP3020617U - 衝撃で開かない南京錠 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来、南京錠は外締まり錠として広く使用さ
れているが、ツルの長脚側の本体の側面に衝撃を加える
と、人力による衝撃でも簡単に解錠する事が判明したの
で、本体の側面に衝撃を加えても解錠せず、現在広く使
用されている南京錠と全く同じ操作で施錠と解錠が出来
る南京錠を得る。 【構成】 短脚３と長脚４に施錠用の切り込みを設け、
夫々の切り込みに二つのラッチ兼用のバランスウエート
の夫々の先端をスフプリングにて押圧し、二つのラッチ
兼用のバランスウエートの間に、力を逆の方向に伝える
伝達機構を設け、二つのラッチ兼用のバランスウエート
は一直線上に並ばないようにし、その重さをほぼ同じに
し、どちらかのラッチ兼用のバランスウエートが受ける
力を相殺する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、建物或いは器物に外締まり錠として広く用いられている南京錠の 施錠機構に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、広く用いられている南京錠の施錠機構は、ツルの短脚に施錠用の突起の 無い切り込みを設け、先端に突起の無いラッチをスプリングの力でツルの切り込 みに押圧してツルが本体から抜けないようにしたものが多い。此のような南京錠 は衝撃によつて偶然に解錠する事があると一部の人の間では知られていたが、そ のまま広く使用されて来た。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の技術で述べたように現在広く使用されている南京錠は衝撃によって偶然 に解錠する事があると一部の人の間では知られていた事について、本考案者が実 験した結果、ツルが本体から離脱しないように本体に組み込んであるツルの長脚 側の本体の側面に衝撃を加えると、人力による普通の衝撃でも、反対側の短脚に 設けてある突起の無い切り込みからラッチの先端が離脱し、鍵が無くても１００ ％解錠するという問題点がある事が判明した。

【０００４】 従来の南京錠本体の長脚側の側面に衝撃を加えると解錠するのを防止する為に 、短脚に設けてある施錠用の切り込みにラッチを押しているスプリングを強くす れば施錠し難くなり、特別な機構を新たに増設するには本体内にその機構を組み 込む場所が充分にないという問題点がある。

【０００５】 以上の問題点を解消する為に、本考案の出願人は平成７年６月２３日付で普通 の衝撃で開かない南京錠を考案して出願したが、解錠操作が現在広く使用されて いる南京錠の解錠操作に更に一つの操作を加える必要があり、商品としては解錠 操作をより簡便にするのが好ましいという問題点があった。

【０００６】 この考案は、以上のような問題点を解消しようとするものであり、その目的と するところは、現在広く使用されている南京錠を操作するのと全く同じ操作で施 錠と解錠が出来て、本体の側面に衝撃を加えても解錠しない南京錠を提供しよう とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案の南京錠はツルの短脚とツルの長脚に施 錠用の切り込みを設け、夫々の切り込みに二つのラッチ兼用のバランスウエート の夫々の先端をスプリングで押圧して押し込む。

【０００８】 二つのラッチ兼用のバランスウエートは一直線上に並ばないようにし、ラッチ 兼用のバランスウエートとラッチ兼用のバランスウエートの間には、加えられた 力を逆の方向に伝える適当な伝達機構を設ける。

【０００９】 さらに、二つのラッチ兼用のバランスウエ−トの重さをほぼ同じくし、どちら かのラッチ兼用のバランスウエートに加えられた衝撃による力を、伝達機構によ ってもう一つのラッチ兼用のバランスウエートに逆の方向に伝えて、その力が相 殺されるようにする。

【００１０】

【作用】

施錠と解錠は、現在広く使用されている南京錠を操作するのと全く同一の操作 で施錠と解錠が出来る。

【００１１】 ツルの短脚とツルの長脚の両方に施錠用の切り込みを設けて、短脚と長脚の両 方に施錠してあるので、本体の側面への衝撃では解錠しない。

【００１２】 二つのラッチ兼用のバランスウエートの間にある力の伝達機構により、本体の どちらの側面に衝撃を与えても、ラッチ兼用のバランスウエートが受ける力は相 殺され、施錠の安全性は高まる。

【００１３】

【実施例】

図面に従い本考案の実施例を説明する。 図１〜図４において、短脚３と長脚４に施錠用の切り込みを設け、短脚３の切 り込みにはラッチ兼用のバランスウエート５の先端がスプリング１１によって押 圧されており、長脚４の切り込みにはラッチ兼用のバランスウエート６の先端が スプリング１２によって押圧されている。短脚と長脚の両方に施錠するので、本 体の側面への衝撃では解錠しない。

【００１４】 施錠の為に短脚３と長脚４を本体１に押し入れ易くするように、、短脚３の先 端部とラッチ兼用のバランスウエート５とラッチ兼用のバランスウエート６の先 端部をテーパー状にしてあり、ツルを本体に押し入れるだけで施錠ができ、施錠 する操作は現在の南京錠の操作方法と全く同じである。

【００１５】 ラッチ兼用のバランスウエート５とラッチ兼用のバランスウエート６には適当 な箇所にラック８を設け、二つのラッチ兼用のバランスウエートの間にはラック ８と噛み合うピニオン９を設け、ラック８とピニオン９とで力の伝達機構を構成 する。ラッチ兼用のバランスウエート５とラッチ兼用のバランスウエート６のど ちらかと、ラックの部分は有するがラッチ機能を兼用しないバランスウエート７ と取り替えても良い。

【００１６】 ラッチ兼用のバランスウエート５とラッチ兼用のバランスウエート６の重さを ほぼ同じくし、二つのラッチ兼用のバランスウエートのどちらかが受ける力は、 伝達機構によって、もう一つのラッチ兼用のバランスウエートへ逆の方向に伝え られて、その力は相殺され、施錠の安全性が高まる。

【００１７】 シリンダー内筒１０を鍵で回動させると、シリンダー内筒１０の上部の突起に よりラッチ兼用のバランスウエート６の先端は長脚４の切り込みから離脱し、ラ ック８とピニオン９によりラッチ兼用のバランスウエート５の先端も短脚３の切 り込みから離脱し、現在の南京錠を操作するのと全く同じ操作で解錠できる。

【００１８】

【考案の効果】

この考案は、上述のとおり構成されているので、次に記載する効果がある。

【００１９】 施錠方法と解錠方法は、従来の南京錠を操作するのと全く同じである。

【００２０】 ツルの短脚とツルの長脚の両方に施錠してあるので、本体のどちらの側面に衝 撃を与えても解錠しないので、安全性が高い。

【００２１】 ラックとピニオンによる力の伝達機構により、二つのラッチ兼用のバランスウ エートのどちらかが衝撃による力を受けても、受けた力は相殺され、施錠が確実 である。

【００２２】

【図面の簡単な説明】

【図１】 実施例の側面図中央一部縦断面図

【図２】 ラッチ兼用のバランスウエート５の側面図中
央縦断面図

【図３】 ラッチ兼用のバランスウエート６の側面図中
央縦断面図

【図４】 ラッチを兼用しないバランスウエート７の側
面図中央縦断面図

【符号の説明】

１ 本体 ２ ツル ３ 短脚 ４ 長脚 ５ ラッチ兼用のバランスウエート ６ ラッチ兼用のバランスウエート ７ ラッチを兼用しないバランスウエート ８ ラック ９ ピニオン １０ シリンダー内筒 １１ スプリング １２ スプリング

【手続補正書】

【提出日】平成７年８月３日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【実用新案登録請求の範囲】

【手続補正２】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図３

【補正方法】変更

【補正内容】

【図３】

【手続補正３】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図４

【補正方法】変更

【補正内容】

【図４】

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ツルの短脚（３）とツルの長脚（４）に
   施錠用の切り込みを設け、ツルの短脚（３）かツルの長
   脚（４）の何れかの切り込みにラッチ兼用のバランスウ
   エート（５）の先端をスプリング（１１）にて押圧し、
   もう一つの脚の切り込みにもラッチ兼用のバランスウエ
   ート（６）の先端をスプリング（１２）にて押圧し、二
   つのラッチ兼用のバランスウエートは一直線上に並ばな
   いようにし、ラッチ兼用のバランスウエートとラッチ兼
   用のバランスウエートの間に、加えられた力を逆の方向
   に伝える伝達機構を設け、どちらかのラッチ兼用のバラ
   ンスウエートに衝撃によって力が加えられた場合は、そ
   の力を伝達機構によってもう一つのラッチ兼用のバラン
   スウエートに逆の方向に伝えて相殺し、シリンダー錠の
   鍵の一回の回動で二つのラッチ兼用のバランスウエート
   の先端が夫々の脚の切り込みから離脱し、ツル（２）を
   本体に押し込むだけで施錠する事が出来る南京錠。
2. 【請求項２】 二つのラッチ兼用のバランスウエートの
   どちらかの代わりに、ラッチ兼用のバランスウエートと
   ほぼ同じ重さで、ラッチを兼用しないバランスウエート
   （７）を使用した請求項１記載の南京錠。