JP3020349U - 真空断熱保温容器 - Google Patents

真空断熱保温容器

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JP3020349U
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中興 趙
儒家 郭
嘉龍 郭
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的低真空度で必要とする真空断熱効果を
達成でき、かつ生産効率を高め、生産コストを低減でき
る真空断熱保温容器を提供する。 【解決手段】 金属又はガラスなどの硬質材料によって
製造される容器本体3及び/又は蓋体4の内層部31,
41及び外層部30,40と、これらの内層部と外層部
の間に介在する間隙部32,42と、この隙間に充填さ
れる開放式微小エアギャップ構造を有する高熱抵抗特性
を具えた、例えば完全開放エアギャップ発泡体、人造シ
リコン粉末、ガスゲルなどの介在物質33,43及び少
量の気体吸着剤34,44とによって構成され、さらに
前記間隙部の内部は抽出によって低真空状態となってい
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案が属する技術分野】
本考案は、真空断熱保温容器に係るものであり、詳しくは蒸らし煮調理鍋等に 用いられる真空断熱保温容器に関する。
【0002】
【従来の技術及び考案が解決しようとする課題】
市販されている蒸らし煮調理鍋は、断熱層の構造上の違いによって、大きく二 種類に分けられる。その内の一として、中華民国実用新案登録出願第82201 034号に開示された蒸らし煮調理装置が挙げられる。該蒸らし煮調理装置の保 温容器は、図1に示すように外鍋1と、該外鍋1を密閉する外鍋蓋2によって構 成され、前記外鍋1は、硬質樹脂製の外部ケーシング10と、金属製の内部ケー シング11と、これらの内部ケーシング11と外部ケーシング10の間に充填さ れ固定化されたポリウレタン発泡体12とによって構成される。外鍋蓋2も外鍋 1と同様に、外部ケーシング20と、内部ケーシング22と、ポリウレタン発泡 体21により構成される。
【0003】 この種の蒸らし煮調理装置において、ポリウレタン発泡体を断熱材として採用 したのは、低価格、供給が欠乏する心配がない、発泡技術が容易であるなどの原 因の他に、ある程度の断熱、保温作用を有する点が挙げられる。 しかし、その気泡を発生させるにはCFC、HCHC、pentane 又はCO2 な どを発泡剤とし、且つ内部ケーシング11と外部ケーシング10によって囲まれ た密閉空間内に於いて発泡が進行する。このため、発生する気泡はすべて密封式 (closed)独立気泡となり、この結果、発泡させて充満させる際に発生する空気 やCO2 などの少量の気体を抽出して真空にすることができない。これら気泡内 の気体の有する熱伝導係数は、静止空気(注:0.03W/mK)に比して1/4〜 1/2程度ではあるが、独立気泡発泡体全体としての熱伝導係数(注:0.02 8W/mK)について言えば静止空気の値に相当し、真空状態の熱伝導係数(注:0 .005W/mK/10-5torr)に比して何倍もの数値を呈していることは明らかで ある(図5参照)。
【0004】 また、ポリウレタンにCFC発泡剤を使用した場合オゾン層を破壊する。さら に、HCHC、ペンタン又はCO2 などを発泡剤とした場合は、熱伝導係数及び 耐久年数のいずれの面についても、CFC発泡剤には及ばない。 このように、断熱保温効果の観点から見れば、この種の蒸らし煮調理装置は理 想的とはいいがたい。
【0005】 従来の蒸らし煮調理装置の他の例として、中華民国実用新案登録出願第792 03468号に開示された真空蒸らし煮調理装置が挙げられる。該真空蒸らし煮 調理装置は、図2に示すように二重構造のステンレスによって形成される外鍋1 ′及び該外鍋1′の開口部を遮蔽する外鍋蓋2′とによって構成され、前記外鍋 1′を構成する外層10′と内層11′の間に形成される中間隙間部12′は、 気体を抽出することによって10-5torrの真空とし、且つ前記外層10′及び内 層11′は、いずれもその内壁側に鍍金によって反射層13′が設けられて輻射 熱伝導を減少するようにしている。前記外鍋蓋2′は、密封式(closed) 独立気 泡断熱発泡体21′を断熱材とする。(一方、本考案の真空断熱保温容器は、真 空断熱方式を採用することによって熱伝導を大幅に減少しており、前述の発泡体 断熱式保温容器に比して、優れた断熱保温効果を有する(図4及び図5参照) 。)
【0006】 しかしながら、この種の真空断熱保温容器には、以下に述べるように、致命的 な欠陥がある。即ち、先ず、第1に、前記保温容器に応用される真空技術につい て言えば、幅5m/m の隙間部において10-5torrの真空を達成してこそ始めて必 要とする断熱保温効果を得ることができ、このような真空度を達成するには高度 な真空抽出技術が必須となる。しかも、その真空抽出には1時間前後の時間を必 要とし、これに600〜1200°の高温加熱を配合することによって始めて達 成できる。このため、真空抽出時間、技術及び設備費が製造コストの大部分を占 め(約9/10)、保温容器の製造コストを落とすことができなくなっている。 これは、省エネを主な標的とする蒸らし煮調理鍋にとっては、問題である。
【0007】 第2に、この種の保温容器の外鍋内に構成される隙間部を高度の真空状態とし 、しかもこれによって起きる大きな気圧の圧力に抗することができ、変形を発生 させなくするためには、該外鍋の鍋体の耐圧強度が1kg/cm2 を超えなければな らない。よって、比較的厚手のスチール板を必要とする。しかし、スチール板が 厚すぎると、相対的に保温容器の重量とコストが増すことは避けられない。この ため、業者は外鍋1′を構成する外層10′と内層11′との間に、若干の位置 を選択して、熱伝導が比較的低く且つ強度の非常に高いガラス製の球体又はセラ ミック製の球体(図2には示さず)を間隔支持体として使用し、比較的薄いスチ ール板(0.3〜0.5m/m を使用しても外層10′と内層11′が大気圧を受ける ことによって変形しないようにしている。
【0008】 しかし、前記間隔支持体を設けていない箇所については、正常な使用による応 力を超える外部の衝撃、衝突に対して、充分な抵抗強度に欠ける。このため不注 意により保温容器を落としたり、別の物体と衝突した場合、局部的な変形や亀裂 が発生しやすく、またこのような事態によって真空保温能力が容易に失なわれる 。よって、この種の保温容器の外側の底部には、プラスチックなどの緩衝パッド が設けられているが、これは根本的な解決策ではなく、保温容器を落としたり、 他の物質との衝突することによって、該保温容器が使えなくなるという事態が常 に発生している。
【0009】 第3に、前記真空断熱保温容器は真空度が非常に高いため、実際の使用に当た り、毛細現象によって経時的に(使用後約1年)本来の真空度が失われ、保温効 果が低下する。 また、前記真空断熱保温容器の外鍋蓋は、ポリウレタン発泡体を断熱材として いるため、基本的に断熱効果が比較的劣るという欠陥を持つ。
【0010】 そこで、本考案は、上記従来の技術の問題を解決するためになされたものであ り、低真空度で、蒸らし煮調理鍋などに必要な断熱保温効果を有する真空断熱保 温容器を提供することを目的としている。 また、本考案は、高真空度を達成するために必要とする高度の真空技術、加工 時間及び高価な設備費と製造コストの問題、さらには衝撃によって真空本来の効 果を失いやすいなどの欠点を解決した真空断熱保温容器を提供することを目的と している。 また、本考案は、熱伝導係数が低く、耐久性があり、材質が軽く、製造しやす くかつ環境保全上心配のない真空断熱保温容器を提供することを目的としている 。
【0011】 さらに、本考案は、上述した真空断熱保温容器と同様な真空断熱保温容器の容 器本体を提供することを目的としている。 またさらに、本考案は、上述した真空断熱保温容器と同様な真空断熱保温容器 の蓋体を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本考案は、容器本体と、この容器本体の開口部 を遮蔽する蓋体を備えた真空断熱保温容器において、上記容器本体が、硬質材料 により形成された内層部及び外層部と、これらの内層部と外層部との間に形成さ れその内部の気体が抽出され低真空状態となる間隙部と、この間隙部に充填され 開放式微小エアギャップ構造で高熱抵抗特性を有する介在物質と、を有し、上記 蓋体が、硬質材料により形成された内層部及び外層部と、これらの内層部と外層 部との間に形成されその内部の気体が抽出され低真空状態となる間隙部と、この 間隙部に充填され開放式微小エアギャップ構造で高熱抵抗特性を有する介在物質 と、を有することを特徴としている。
【0013】 また、本考案は、硬質材料により形成された内層部及び外層部と、これらの内 層部と外層部との間に形成されその内部の気体が抽出され低真空状態となる間隙 部と、この間隙部に充填され開放式微小エアギャップ構造で高熱抵抗特性を有す る介在物質と、を有することを特徴としている。
【0014】 さらに、本考案は、硬質材料により形成された内層部及び外層部と、これらの 内層部と外層部との間に形成されその内部の気体が抽出され低真空状態となる間 隙部と、この間隙部に充填され開放式微小エアギャップ構造で高熱抵抗特性を有 する介在物質と、を有することを特徴としている。
【0015】 本考案の真空断熱保温容器は、さらに、上記間隙部内に充填された気体吸着剤 を有し、この気体吸着剤が、活性炭、分子篩、又は酸化カルシウムの内の任意の 一つから選ばれることが好ましい。
【0016】 本考案の真空断熱保温容器の容器本体は、さらに、上記間隙部内に充填された 気体吸着剤を有し、この気体吸着剤が、活性炭、分子篩、又は酸化カルシウムの 内の任意の一つから選ばれることが好ましい。
【0017】 本考案の真空断熱保温容器においては、上記介在物質が、直径が約0.7μm の人造シリコン粒子、粒子の直径が約0.1〜0.02μmで且つ細孔直径が約 50μmであるガスゲル粒子、又は、気泡直径が約50μmである硬質微小連続 気泡発泡体の内の任意の一つから選ばれることが好ましい。
【0018】 本考案の真空断熱保温容器の容器本体においては、上記介在物質が、直径が約 0.7μmの人造シリコン粒子、粒子の直径が約0.1〜0.02μmで且つ細 孔直径が約50μmであるガスゲル粒子、又は、気泡直径が約50μmである硬 質微小連続気泡発泡体の内の任意の一つから選ばれることが好ましい。
【0019】 本考案の真空断熱保温容器においては、上記間隙部内の真空度が、約10-2〜 10torrであることが好ましい。 本考案の真空断熱保温容器の容器本体においては、上記間隙部内の真空度が、 約10-2〜10torrであることが好ましい。
【0020】
【考案の実施の態様及び実施例】
以下、添付図面を参照して本考案の実施の態様及び実施例を説明する。 図3は、本考案の真空断熱保温容器の実施の一形態を示す断面図である。図3 に示すように、蒸らし煮調理鍋として使用される真空断熱保温容器は、外鍋3と 蓋体4により構成される。この外鍋3は硬質材質により形成された外層部30と 内層部31が嵌合され密接した構造を有し、この外層部30と内層部31との間 には間隙部32が設けられ、この間隙部32内には開放式微エアギャップ構造の 高熱抵抗特性を有する介在物質33が充填されている。この間隙部32の内部は 、真空ポンプ等の気体抽出手段(図示せず)により、低真空状態とされる。さら に、この間隙部32には、少量の気体吸着剤34が入れられており、この気体吸 着剤34により、この低真空状態が保持される。
【0021】 前記外層部30と内層部31を形成するための硬質材質しては、その間隙部3 2が高度真空状態ではなく低真空状態なので、一般的に使用されている周知のス テンレス、合金、ガラス、セラミック材料などのある程度の強度を有するもので あれば何でも使用できる。 前記隙間32内に充填する介在物質33は、高熱抵抗特性を有するのみならず 、開放式微小エアギャップ(注:気体流通に供する隙間又はエアギャップ)構造 を有する。該微小エアギャップは気体分子間の熱伝導を阻止する機能を有し、こ のため、気体を低真空度状態(10torr〜0.01torr)に抽出するだけで、完全 に気体の熱対流と伝導をなくするように作用し、また該微小エアギャップ構造は 開放式であるために真空抽出に達する。
【0022】 考案者の行った実験によれば、介在物質33として、人造シリコン微粒子(直 径約0.7μm )を使用した場合、1torrの真空度さえあれば、真空度10-5torr 時の周知の蒸らし煮調理用真空保温容器より優れた断熱保温効果を得ることがで きることが判明した(図4、図5の参照)。 また、介在物質33として、ガスゲル微粒子(粒子の直径約0.1〜0.02μm 、細孔の直径は約50nm)を使用した場合、10torrの真空度さえあれば、全体 としての熱伝導係数は0.004W/mK)に達し、その断熱効果は周知の真空保温容 器に比して優れていることが判明した(図4、図5の参照)。 介在物質33として、気泡直径が約50μm でかつ気泡が完全に開放された硬 質微小連続気泡発泡体を使用した場合、真空度10-2torrに抽出するだけで真空 断熱効果を発揮することが判明した(図4、図5の参照)。本考案のこの発泡 体は、前述の従来技術の項で述べたポリウレタン発泡体と異なり、開放式連続気 泡で、しかも硬質材料に属する。一方、従来技術のポリウレタン発泡体は密封式 独立気泡であって、軟質材料を使用する。このため真空に抽出することができず 、その熱伝導係数も高い(図4の参照)。
【0023】 さらに、介在物質33として、直径0.6mmの顆粒状パールを使用した場合、 その真空度が10-5torr以下にあって始めて気体分子の衝突による熱対流と熱伝 導をなくすことができることが判明した(図4の参照)。しかし、この際パー ル顆粒同士が接触することによって生まれる熱伝導が却って増加することになる 。この点から分かるように、介在物質33の材料が、気体分子が互いに接触する ことによって発生する熱伝導現象を無くし、かつ介在物質自身の接触によって熱 伝導を生じることのないようにすることが、本考案の効果を奏するために重要で ある。前記の介在物質33である人造シリコン微粒子、ガスゲル微粒子及び硬質 完全微小連続気泡発泡体は、目下のところ考案者が発見した最良の材料ではある 。しかしながら、材料学の技術分野は範囲が広く、その進歩も急速に発展してい ることを考えれば、これらに類似する作用を奏する他の材料又は組成物を、介在 物質33として使用できることは言うまでもない。
【0024】 また、介在物質33は上述した真空断熱作用を奏する他に、内層部31と外層 部30との間に間に介在するため、これらの内面部を全面的に機械的に支持する 作用も奏する。この結果、外鍋3の耐圧強度及び耐衝撃強度のいずれも大幅に高 めることができる。従って、内層部31及び外層部30に、ステンレススチール を使用する場合、それらの厚みを相対的に薄くすることができる(注:約0.2m/ m で充分)。 気体吸着剤34は、活性炭、分子篩、酸化カルシウムなどの物質から選択され 、間隙部32(又は介在物質33の顆粒間)に存在する空気を吸収することによ り、必要とする真空度と断熱保温能力を維持するためのものであり、これにより 、容器の使用耐久年限が高まる。
【0025】 抽出する真空度について以下説明する。即ち、本考案の真空断熱保温容器にお ける真空度は採用する介在物質33の種類ににより決まる。例えば、介在物質3 3として、上述の気泡直径が約50μm でかつ気泡が完全に開放された硬質微小 連続気泡発泡体を使用した場合は、真空度10-2torrに抽出するだけでよく、ま た、直径0.7μm の人造シリコン微粒子を使用した場合は、真空度1torrに抽出 するだけでよく、さらに、粒子の直径約0.1μm のガスゲル微粒子を使用した場 合は、真空度10torrに抽出することにより、必要とする効果を充分に得ること ができる。(図4、図5の、、参照)。 真空度を低くすることにより、加熱温度、設備能力及び真空抽出時間を大幅に 低下させることができる。考案者の実験によれば、上述の範囲(10-2torr〜1 0torr)に抽出するために、僅か1分間を必要としたのみである。
【0026】 次に蓋体4について説明する。蓋体4も、同様に、硬質材料により外層部40 と内層部41が形成され、該外層部40と内層部41との間に介在する間隙部4 2に上述した同様の開放式微小エアギャップ構造を有する高熱抵抗特性を有する 介在物質43が充填されている。この間隙部43の内部は真空ポンプ等の気体抽 出手段(図示せず)により、低真空状態とされる。さらに、この間隙部42には 、少量の気体吸着剤44が入れられており、この気体吸着剤44により、この低 真空状態が保持される。これら硬質材料、介在物質、気体吸着剤及び真空度につ いて、その詳細な条件は、上述した外鍋3とほぼ同様であって、上述の説明を参 照にすればよい。
【0027】 なお、上述の構造を持つ真空断熱保温容器の外鍋3に対して、中華民国実用新 案出願第79203468号、又はその実施品と同様に、発泡体を充填した従来 の蓋体を使用しても同様の断熱保温効果を得ることができるが、上述した本考案 に係わる蓋体4を使用した方が保温容器全体の断熱保温効果を更に一層高めるこ とができることは、言うまでもない。 また、容器本体(即ち、上述の外鍋3に相当する)を真空ガラス瓶の内部ケー シングによって構成した従来の保温容器に対して、本考案に係わる蓋体4を本来 のプラスチック又はコルク製の蓋と取り替えた場合、保温効果を従来より高める ことができる。 このように、本考案においては、外鍋である容器本体と蓋体とを組み合わせて もよいし、放棄本体と蓋体とを別々に使用してもよい。
【0028】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案によれば、以下のような優れた効果を奏すること ができる。 第1に、本考案の容器本体または蓋体は、二重構造層の硬質材料によって形成 される間隙部内に開放式微小エアギャップ構造を有する高熱抵抗特性を有する介 在物質を充填して構成するため、低真空度状態にするだけで、周知の真空断熱保 温容器(即ち充填物質なし)の有する保温効果を達成できるという優れた効果を 有する。 このため真空抽出に必要とする加工時間も1時間から1分間に短縮でき、生産 効果を明らかに高めることができ、更に、加熱温度及び真空抽出設備、又は加工 コストとも、相対的に大幅に低減させることができる。
【0029】 第2に、低真空状態を採用することによって、気圧の鍋体に対する圧力を軽減 し、また間隙部内の介在物質が内層と外層の材料に対して全面的に機械的支持作 用を奏するため、比較的薄い材料によって製造することができ、鍋体の重量を軽 減し、かつ材料のコストも低減させることができる。さらに、衝撃などの外部か らの力に対する鍋体の強度も相対的に高めることができので、従来の真空保温容 器に比して変形又は破損が起きにくく、振動や、落下の衝撃に対しても強い。
【0030】 第3に、低真空状態及び開放式微小エアギャップ介在物質を採用することによ って、従来の真空保温容器の持つ使用後に経時的に起きる毛細現象に因る真空度 の低下という欠点の発生を防止することができる。 第4に、容器本体(外鍋)及び/又は蓋体に形成される間隙部に気体吸着剤を 添加することによって、予期する程度の真空度を維持し、長期にわたって断熱本 来の効果を保持することができる。 第5に、上記の第2、第3及び第4として説明した特徴により、本考案の真空 断熱保温容器の容器本体及び/又は蓋体において、使用上の寿命が大幅に延びる 。 第6に、本考案においては、従来の容器のようにCFCによって発泡させて発 泡体を使用する必要がないので、オゾン層の破壊に対する恐れもなく、さらに発 泡体の老化によって起きる二次的公害の発生を防止できる。
【0031】 第7に、本考案の真空断熱保温容器の容器本体及び/又は、優れた断熱保温効 果を有し、製造が容易で、低コスト、軽量、さらには振動、落下による衝撃に強 い特徴を有するこのため、蒸らし煮調理鍋の他に、日常使用される保温カップ、 魔法瓶の内部ケーシングなど各種の保温容器にも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 中華民国実用新案登録出願第8220103
4号の蒸らし煮調理器鍋の保温容器を示す断面図
【図2】 中華民国実用新案登録出願第7920346
8号の蒸らし煮調理器鍋の保温容器を示す断面図
【図3】 本考案の真空断熱保温容器の実施例(実施の
形態)を示す断面図
【図4】 各種の介在物質を充填した本考案の真空断熱
保温容器と、従来の真空保温容器における熱伝導係数と
圧力を比較して示すグラフ
【図5】 各種の介在物質を充填した本考案の真空断熱
保温容器と、従来の独立気泡発泡体を充填した保温容器
と、従来の真空保温容器とにおけるそれらの容器全体の
熱伝導係数と圧力関係について表した比較グラフであ
る。
【符号の説明】
3 外鍋(容器本体) 4 蓋体 30 外鍋の外層部 31 外鍋の内層部 32 外鍋の隙間部 33 介在物質 34 気体吸着剤 40 蓋体の外層部 41 蓋体の内層部 42 介在物質 44 気体吸着剤 軟質密封式独立気泡発泡体を充填した従来の保温容
器 従来の介在物質充填なしの真空保温容器 硬質開放式微小連続気泡発泡体を充填した本考案の
真空断熱保温容器 人造シリコン微粒子を介在物質とした本考案の真空
断熱保温容器 ガスゲル微粒子を介在物質とした本考案の真空断熱
保温容器 顆粒状パールを介在物質とした本考案真空断熱保温
容器

Claims (9)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器本体と、この容器本体の開口部を遮
    蔽する蓋体を備えた真空断熱保温容器において、 上記容器本体が、 硬質材料により形成された内層部及び外層部と、 これらの内層部と外層部との間に形成されその内部の気
    体が抽出され低真空状態となる間隙部と、 この間隙部に充填され開放式微小エアギャップ構造で高
    熱抵抗特性を有する介在物質と、を有し、 上記蓋体が、 硬質材料により形成された内層部及び外層部と、 これらの内層部と外層部との間に形成されその内部の気
    体が抽出され低真空状態となる間隙部と、 この間隙部に充填され開放式微小エアギャップ構造で高
    熱抵抗特性を有する介在物質と、を有することを特徴と
    する真空断熱保温容器。
  2. 【請求項2】 硬質材料により形成された内層部及び外
    層部と、 これらの内層部と外層部との間に形成されその内部の気
    体が抽出され低真空状態となる間隙部と、 この間隙部に充填され開放式微小エアギャップ構造で高
    熱抵抗特性を有する介在物質と、 を有することを特徴とする真空断熱保温容器の容器本
    体。
  3. 【請求項3】 硬質材料により形成された内層部及び外
    層部と、 これらの内層部と外層部との間に形成されその内部の気
    体が抽出され低真空状態となる間隙部と、 この間隙部に充填され開放式微小エアギャップ構造で高
    熱抵抗特性を有する介在物質と、 を有することを特徴とする真空断熱保温容器の蓋体。
  4. 【請求項4】 さらに、上記間隙部内に充填された気体
    吸着剤を有し、この気体吸着剤が、活性炭、分子篩、又
    は酸化カルシウムの内の任意の一つから選ばれることを
    特徴とする請求項1記載の真空断熱保温容器。
  5. 【請求項5】 さらに、上記間隙部内に充填された気体
    吸着剤を有し、この気体吸着剤が、活性炭、分子篩、又
    は酸化カルシウムの内の任意の一つから選ばれることを
    特徴とする請求項2記載の真空断熱保温容器の容器本
    体。
  6. 【請求項6】 上記介在物質が、直径が約0.7μmの
    人造シリコン粒子、粒子の直径が約0.1〜0.02μ
    mで且つ細孔直径が約50μmであるガスゲル粒子、又
    は、気泡直径が約50μmである硬質微小連続気泡発泡
    体の内の任意の一つから選ばれることを特徴とする請求
    項1記載の真空断熱保温容器。
  7. 【請求項7】 上記介在物質が、直径が約0.7μmの
    人造シリコン粒子、粒子の直径が約0.1〜0.02μ
    mで且つ細孔直径が約50μmであるガスゲル粒子、又
    は、気泡直径が約50μmである硬質微小連続気泡発泡
    体の内の任意の一つから選ばれることを特徴とする請求
    項2記載の真空断熱保温容器の容器本体。
  8. 【請求項8】 上記間隙部内の真空度が、約10-2〜1
    0torrであることを特徴とする請求項1記載の真空断熱
    保温容器。
  9. 【請求項9】 上記間隙部内の真空度が、約10-2〜1
    0torrであることを特徴とする請求項2記載の真空断熱
    保温容器の容器本体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006156011A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Nissan Motor Co Ltd 断熱容器

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