JP3020031U - フィルター洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】構造が簡単で、広い範囲にわたって洗浄水を効
率よく噴射出来る洗浄装置を提供する。 【構成】フィルターＦを水平に保持した状態で前後に往
復移送するための移送手段２と、フィルター移送路の上
方に設置され、フィルターＦに向けて洗浄水を噴射する
ための洗浄水噴射手段３と、この洗浄水噴射手段３に洗
浄水を供給するための洗浄水供給手段４と、洗浄水噴射
手段３をフィルターＦの移送方向に対して横切る方向に
往復移動させて、洗浄水をフィルターＦに分散的に噴射
するための揺動機構５と、洗浄後の洗浄排水を排出する
ための洗浄排水排出手段６Ａとを備えた構造となってい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、冷暖房機や空調機器などに用いられるフィルターを洗浄水を噴射さ せて洗浄するためのフィルター洗浄装置に関し、特に、フィルターに向けて昇圧 された洗浄水を噴霧状に噴射させて効率良く洗浄することが可能なフィルター洗 浄装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、空調機器のフィルターなどを洗浄する装置として、例えば、実開平２− １００６８１号において提案された洗浄装置がある。 この従来の洗浄装置は、図１１，図１２に示したように、ハウジングａの内部 に、縦置きの駆動モータｂの回転駆動軸ｃの先端に垂直向きに筒状軸ｄが一体回 転するように装着され、この筒状軸ｄから外向きに放射状に取付けられた複数本 の支持板ｅの先端に平面視円輪状の支持体ｆが取付けられ、この支持体ｆの内周 面と筒状軸ｄの対向箇所に、支持用凹部ｇ，ｈを有する取付用突出部ｉ，ｊをそ れぞれ複数固着し、これらの取付用突出部ｉ，ｊの取付凹部ｇ，ｈに、フィルタ ーなどの被洗浄体ｋの両端部を着脱自在に嵌め込んで、この被洗浄体ｋを支持し 、ハウジングａの一方側の側壁ｍに、ハウジングａの中央部に向けて洗浄液を噴 出する複数のノズルｎを有する配管ｐを配設した構造となっている。

【０００３】 被洗浄体を洗浄する場合は、駆動モータｂを駆動して、回転駆動軸ｃを回転駆 動し、これと一体に筒状軸ｄと支持体ｆとを一体回転し、取付用突出部ｉ，ｊの 支持用凹部ｇ，ｈに嵌め込まれた被洗浄体ｋを周方向に回転移動しながら、配管 ｐの複数のノズルｎから、この被洗浄体ｋに向けて洗浄液を直接噴出する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記従来の洗浄装置においては、遠心力を作用させ回転移動されて いる被洗浄体ｋに、配管ｐのノズルｎから洗浄液を直接噴出して被洗浄体ｋに直 接洗浄液を当てて洗浄しているために、洗浄液が被洗浄体ｋの特定箇所に集中的 に強く当たり、破れてしまうなどの問題があった。

【０００５】 本考案は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであって、フィルターを移送 させながら、洗浄液を分散的に噴射させることによって、フィルターに損傷を与 えることなく、効率良く洗浄できるフィルター洗浄装置を提供することを目的と している。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記目的を達成するために提案されたものであって、請求項１のフ ィルター洗浄装置は、フィルターを水平に保持した状態で前後に往復移送するた めの移送手段と、フィルター移送路の上方に設置され、フィルターに向けて洗浄 水を噴射するための洗浄水噴射手段と、前記洗浄水噴射手段に昇圧された洗浄水 を供給するための洗浄水供給手段と、前記洗浄水噴射手段をフィルターの移送方 向に対して横切る方向にスイングさせて洗浄水を前記フィルターに分散的に噴射 するための揺動機構と、洗浄後の排水を排出するための洗浄排水排出手段とを備 えているものである。

【０００７】 請求項２のフィルター洗浄装置は、洗浄排水排出手段が、装置本体におけるフ ィルター移送路の斜め下方向に延設され、洗浄後の排水を受ける斜板と、この斜 板に沿って流下する排水を一時的に貯留するタンクと、このタンクに取り外し可 能に収容された把手を設けた引出し型のフィルター部材と、タンク内の排水を外 部に排出する排出管とを有する構成となっている。

【０００８】 請求項３のフィルター洗浄装置は、フィルターを水平に保持した状態で前後に 往復移送するための移送手段と、フィルター移送路の上方に設置され、各々に長 手方向のスリットを形成した噴射ノズルを千鳥状に穿孔した複数の散水パイプを 有した洗浄水噴射手段と、前記洗浄水噴射手段に昇圧された洗浄水を供給するた めの洗浄水供給手段と、洗浄後の排水を排出するための洗浄排水排出手段とを備 えた構成となっている。

【０００９】 請求項４のフィルター洗浄装置は、操作ハンドルを操作して、フィルターの前 後移送を調整できるようになっており、そのために操作ハンドルと、その操作ハ ンドルに連結された移送ローラとを備えるとともに、装置本体の下部には、キャ スターを設けて、搬送可能な構造となっている。 請求項５のフィルター洗浄装置は、洗浄噴射手段を揺動させる機構が、駆動モ ータを駆動源とし、この駆動モータの回転に応じて回動するカム機構と、前記カ ム機構と連結され、上下移動されるクランクと、このクランクに連結され前後に 揺動するジョイント部材とを組み合わせた動作変換手段を備えた構成となってい る。

【００１０】

【作用】

請求項１のフィルター洗浄装置によれば、フィルターを移送手段で移送させな がら、洗浄水噴射手段からフィルターに向けて昇圧された洗浄水を噴射して洗浄 を行うが、このとき洗浄水噴射手段は揺動機構によってフィルターの移送方向に 対して横切る方向にスイングされるので、噴射された洗浄水は分散されるため、 フィルターの全範囲をくまなく洗浄できる。また、フィルターの特定箇所に洗浄 水が集中して当たらないので、フィルターが洗浄水による水圧で損傷することも ない。

【００１１】 請求項２のフィルター洗浄装置によれば、洗浄後の排水は、斜板に沿って落下 し、タンク内に一時的に貯留される。そして、この洗浄排水は、斜板からタンク 内に落下する途中で、タンクに配設されたフィルター部材により漉されて流下し 、更に排出管を通じて外部に排出される。 請求項３のフィルター洗浄装置によれば、複数の導水パイプの各々に千鳥状に 配列形成した噴射ノズルのそれぞれには、パイプの長手方向に切り込むスリット を形成しているので、噴射ノズルより噴射された洗浄水は、噴射ノズルを中心と して広い範囲にわたって噴霧状に噴射される。このため、揺動機構によって導水 パイプをスイングさせなくても、昇圧された洗浄水を、フィルターを前後に移送 させながら噴射させることによって隈なく洗浄できる。

【００１２】 請求項４のフィルター洗浄装置によれば、操作ハンドルを回転操作させ、移送 ローラを正、逆転させることによってフィルターを前後に往復可能に移送できる ので、フィルターの汚れ具合いを見ながら、汚れの強い場合は移送速度を調整し て重点的に洗浄出来る。また、装置本体の下部にキャスターを設けた構造である ので、作業目的に応じて装置全体を所望の場所に搬送できる。

【００１３】 請求項５のフィルター洗浄装置によれば、駆動モータ、偏心カム機構、クラン ク、ジョイント部材の組合せた簡単な構成によって洗浄水噴射手段をスイングさ せることが出来る。

【００１４】

【実施例】

以下、本考案に係るフィルター洗浄装置について、図面を参照しつつ説明する 。 図１，図２は、本実施例のフィルター洗浄装置１を示し、図１はその正面図、 図２はその側面図である。

【００１５】 フィルター洗浄装置１には、フィルターＦを水平状態に保持して前後に往復移 送するための複数の移送ローラ２ａと、このフィルタＦを上方より押え支持する ローラ２ｂを有した移送手段２と、フィルター移送路の上方に設置され、フィル ターＦに向けて洗浄水Ｂを噴射するため複数の噴射ノズル３２を形成した散水パ イプ３１を有した洗浄水噴射手段３と、フィルター移送路の下方に配置され、配 管４２を介して洗浄水噴射手段３に昇圧された洗浄水Ｂを供給するための洗浄水 供給手段４と、洗浄水噴射手段３をフィルターの移送方向に対して横切る方向に スイングさせて洗浄水Ｂを前記フィルターに対して分散的に噴射するための揺動 機構５と、装置本体１ａの下部側に配置され、洗浄後の排水を排出するための洗 浄排水排出手段６とが備えられている。

【００１６】 ここに、洗浄排水排出手段６は、装置本体１ａにおけるフィルターＦの移動路 の下方で斜め方向に延設され、洗浄後の排水を受ける斜板３４と、斜板３４から 樋３５を経て落下する洗浄排水を一時的に貯留するタンク３６とを備え、このタ ンク３６には把手３７ａを設けた引出し型のフィルター部材３７を取り外し可能 にほぼ水平向きに配設しており、タンク３６内の排水を外部に排出する排出管３ ８とを有した構造となっている（図５参照）。

【００１７】 また移送手段２は、複数の移送ローラ２ａと、これらの移送ローラ２ａの上方 に所定間隔をおいて配設された押さえローラ２ｂとを有しており、複数の移送ロ ーラ２ａの軸部には無端ベルト２１が架装され、一端側の移送ローラ２ａの軸部 に取付けられた操作ハンドル２２を回転操作することによって、移送ローラ２ａ に載置したフィルターＦを前後に往復可能に移送出来るようになっている。

【００１８】 このような移送ローラ２ａには、ゴムや摩擦係数の高い素材を貼付させるなど の方法でスリップ防止を図ることが望ましく、移送路の導入口と排出口には、ゴ ムカーテンなどを設けて、洗浄時に生じる水しぶきの外部飛散を防止することが 作業性を良くし、作業環境の悪化を防止する観点からも望ましい。 装置本体１ａの下部には複数のキャスター７が取付けられ、搬送可能になって いるので、装置本体１ａを手で押して移動させれば、必要な場所に容易に搬送で きる。

【００１９】 散水パイプをスイングさせる揺動機構５は、駆動モータ５１を駆動源とし、動 作変換手段５５を揺動運動に変換している。すなわち、後述する連結手段によっ て駆動モータ５１の回転力を受けて偏心カム機構５２を回動させ、更にこの偏心 カム機構５２を回動させることによって、クランク５３を上下移動させ、このク ランク５３に連結されたジョイント部材５４によって、クランク５３の上下動を 揺動運動に変換しているを備えた構成となっている。

【００２０】 駆動モータ５１は、その回転駆動軸にプーリ５１ａが設けられ、このプーリ５ １ａと、洗浄水供給手段４のポンプ４１の駆動軸に設けられたプーリ４１ａとの 間に、無端ベルト５６が架装されている。また、このプーリ４１ａと連動する回 転軸に設けられたプーリ４１ｂと、回転伝達減速機構６Ａの回転軸に設けられた 径大のプーリ６１との間には無端ベルト５７が架装され、この回転軸と一体に設 けた径小のプーリ６２と偏心カム機構５２の回転軸に設けられた径大のプーリ５ ２ａとの間には無端ベルト５８が架装されており、偏心カム機構５２の回転板５ ２ｂの偏心位置に設けられた突部５２ｃがクランク５３の下端部に取り付けられ ている。

【００２１】 このようなクランク５３の上端には、図３，図４に示したような、ジョイント 部材５４が設けられている。このジョイント部材５４は、テフロンなどの耐摩耗 性の良好な素材で形成された凹球状の受部５４ａを形成したリング状本体５４１ の下部に連結部５４ｄを延設して、その連結部５４ｄの内部にクランク５３の上 端を嵌入させる連結穴５４ｅを形成した構造となっている。 そして、リング本体５４１の凹球状の受部５４ａには、散水パイプ３１，３１を 揺動可能に支持するリンク部材５９ａに連結された連結杆５９に外嵌される凸球 状の滑動部材５４ｂを摺動自在に外嵌させている。 このような構造によれば、クランク５３が上下に動作すると、リング状本体５４ １の凹球状の受部５４ａ内に嵌入された、連結杆５９を外嵌させた滑動部材５４ ｂが自在に摺動し、リンク部材５９ａを揺動させるので、リンク部材５９ａによ って支持された散水パイプ３１，３１はスイングする。

【００２２】 したがって、配管３３と左右一対の散水パイプ３１は、ガイド部材８を介して 装置本体１Ａに対して上下方向及び前後方向に移動自在に支承され、駆動モータ ５１の回転駆動によって、偏心カム機構５２とクランク５３とジョイント部材５ ４を介して、フィルターＦの移送方向に対して横切る方向に斜め上下向きにスイ ングするようになっており、この左右一対の散水パイプ３１，３１の下面の複数 箇所に設けられた噴射ノズル３２から、洗浄水Ｂが移送中のフィルターＦに向け て分散的に噴射される。

【００２３】 また、洗浄水供給手段４のポンプ４１は、駆動モータ５１の駆動によってプー リ５１ａとプーリ４１ａと無端ベルト５６とを介して駆動されるように構成され 、配管４２で洗浄水噴射手段３の配管３３に連通連結されているので、洗浄水噴 射手段３のノズル３２から洗浄水ＢがフィルターＦに向けて噴射されると同時に 揺動機構５が作動されて、洗浄水Ｂが移送中のフィルターＦに向けて分散的に噴 射される。

【００２４】 次に本実施例のフィルター洗浄装置１によるフィルター洗浄作用について説明 する。 移送手段２の一端側の移送ローラ２ａ上にフィルターＦを乗せてから操作ハン ドル２１を操作すると、無端ベルト２１を介して複数の移送ローラ２ａは回転し 、この移送手段によりフィルターＦを洗浄水噴出手段３の下方側に移送する。

【００２５】 駆動モータ５１が駆動すると、偏心カム機構５２の回転板５２ｂが回転し、偏 心カム機構５２の上下周方向の移動によってクランク５３は上下移動する。 すると、クランク５３の上端のジョイント部材５４が駆動して配管３３と散水パ イプ３１，３１からなる洗浄水噴射手段３をフィルターＦの移送方向に対して横 切る方向にスイングさせ、往復移動する。これと同時に、洗浄水供給手段４のポ ンプ４１が駆動モータ５１によって駆動され、洗浄水Ｂが洗浄水噴射手段３に供 給されるので、洗浄水は、散水パイプ３１，３１に設けられた複数のノズル３２ から、フィルターＦに向けて一斉に噴射され、洗浄水による洗浄を完了した後は 、すすぎ水を供給してすすぎを行う。

【００２６】 尚、本考案は上記構造のフィルター洗浄装置１に限らず、ポンプ４１を駆動モ ータ５１と連動させずに別駆動させる構造としてもよい。 次に、フィルター洗浄ユニットについて、図６を参照しつつ説明する。 このフィルター洗浄ユニット１０は、上記した実施例のフィルター洗浄装置１ と同様の構造の洗浄装置を連結具１５を介して複数台列設して構成され、第１段 階のフィルター洗浄装置は、洗浄水噴射手段３Ａから予備洗浄水Ａをフィルター に向けて噴射する予備洗浄装置１１となっており、第２段階のフィルター洗浄装 置は、洗浄水噴射手段３Ｂから洗浄水Ｂをフィルターに向けて分散的に噴射する 洗浄装置１２となっている。また、第３段階のフィルター洗浄装置は、洗浄水噴 射手段３Ｃからすすぎ水Ｃを噴射するすすぎ装置１３となっており、第４段階の フィルター洗浄装置は、洗浄水噴射手段３Ｄから洗浄液に代えて乾燥用の加熱エ アーＤを噴出する乾燥装置１４となっている。尚、乾燥装置１４となる洗浄ユニ ット１０には、ポンプ４１に代えて加熱エアーＤを供給するためのブロアーとエ アー加熱用ヒータ（不図示）とが設けられている。

【００２７】 各装置１１，１２，１３，１４を列設状態に連結する連結具１５は、各装置１ １，１２，１３，１４の対向する側面から互いに上下に重なるように突設された 連結用板１５ａ，１５ｂとこれらの連結用板１５ａ，１５ｂを連結状態に取り付 けるための各取付けボルト１５ｃとで構成されている。 このようなフィルター洗浄ユニット１０によれば、フィルターを洗浄するとき には、各装置の移送手段２Ａ，２Ｂ，２Ｃ，２ＤでフィルターＦを移送しながら 、第１段階の予備洗浄装置１１では洗浄水噴射手段３Ａから噴射される予備洗浄 水Ａで予備洗浄され、次に第２段階の洗浄装置１２では、洗浄水噴射手段３Ｂか ら噴射される洗浄水Ｂで洗浄される。その後に、第３段階のすすぎ装置１３では 、洗浄水噴射手段３Ｃから噴射されるすすぎ水ＣでフィルターＦに付いている洗 浄水Ｂがすすがれ、最後に第４段階の乾燥装置１４では洗浄水噴射手段３Ｄから 放出される加熱エアーＤによってフィルターＦが乾燥される。

【００２８】 したがって、一連に列設された各装置１１，１２，１３，１４によって、フィ ルターＦは、予備洗浄、洗浄、すすぎ、乾燥の各工程を順次流れ作業として処理 出来る。 また、本実施例のフィルター洗浄ユニット１０においても、予備洗浄装置１１ 、洗浄装置１２、すすぎ装置１３にそれぞれ設けられた揺動機構５Ａ，５Ｂ，５ Ｃによって、各洗浄水噴射手段３Ａ，３Ｂ，３Ｃが、フィルターＦの移送方向に 対して横切る方向に往復移動されるので、これらの洗浄水噴射手段３Ａ，３Ｂ， ３Ｃから噴出される予備洗浄水Ａ、洗浄水Ｂ、すすぎ水Ｃは、移送されるフィル ターＦに分散的に噴出されるので、フィルターＦに破れなどの損傷を与えること なく、良好な状態でフィルターＦの予備洗浄、洗浄、すすぎを行うことができる 。

【００２９】 なお、以上の実施例では、噴射手段の散水パイプ３１を揺動機構５によって、 フィルターＦに対して横切る方向にスイングさせる構造としているが、このよう な揺動機構を設けることなく、噴射手段を固定にしてもよい。 図７，図８は、請求項３に記載のフィルター洗浄装置を示している。 このようなフィルター洗浄装置では、散水パイプ３１，３１はスイングさせない ため、駆動モータ５１は洗浄水を昇圧させるためにポンプ４１の駆動のみに使用 され、散水パイプ３１，３１を揺動させるための伝達機構が不要なため、構造が 簡単で安価になっている。

【００３０】 図９，図１０は、このような洗浄装置において使用されている散水パイプ３１ ，３１の構造的特徴を示したものであり、散水パイプ３１，３１に形成する噴射 ノズル３１ａの各々には、長手方向にスリットを形成し、散水パイプ３１，３１ に対して互いに千鳥状に配列させることによって、噴射ノズル３１ａより噴射さ せた洗浄水を噴霧状に分散させるようになっている。このようなものでも、フィ ルターＦを移送させながら、噴射ノズルからの噴射を同時に行えば、フィルター Ｆに対して広い範囲で洗浄水を噴霧させることが出来るので構造が簡単で安価な 洗浄装置が提供できる。

【００３１】

【考案の効果】

以上説明したように、請求項１のフィルター洗浄装置では、揺動機構によって 洗浄水噴射手段を、移送手段で移送されるフィルターの移送方向に対して横切る 方向に往復移動させて、洗浄水をフィルターに分散的に噴射するようにしたので 、フィルターに損傷を与えることなく、噴霧状態に洗浄水を噴射させて広い範囲 にわたって洗浄できる。

【００３２】 請求項２のフィルター洗浄装置では、フィルター洗浄後の排水を貯留するタン クには、把手を有する引き出し型のフィルター部材を、取り外し可能にぼぼ水平 向きに設けているので、このフィルター部材によって、洗浄排水を漉して洗浄排 水に混入している塵などを取り除くことができ、洗浄排水による公害を少なくす ることができる。また、フィルター部材は、把手を設けた引き出し型となってい るので、フィルター部材の取付け取り外しを簡単に行うことができる。尚、必要 に応じて、フィルター部材によって漉された洗浄排水を洗浄液として再利用する こともできる。

【００３３】 請求項３のフィルター洗浄装置によれば、洗浄水噴射手段は揺動機構を使用す ることなく、水平状態に保持されたフィルターに向けて、洗浄水を分散させて、 噴霧状に噴射させることが出来るので、構造が簡単にして、振動のない洗浄装置 が提供できる。 請求項４のフィルター洗浄装置では、移送手段の移送ローラが操作ハンドル の手動回転操作によって前後に往復可能に移送できる構造となっているので、フ ィルターの移送を簡単に行うことができ、しかも、このフィルターを前後いずれ の方向にでも簡単に移動できるので、フィルターの汚れ具合を見ながら適度な速 度で移送できる。

【００３４】 また、装置本体の下部にキャスターを設けた構造であるので、作業目的に応じ て装置全体を所望の場所に搬送してフィルターの洗浄を行うことができる。 請求項４のフィルター洗浄装置では、揺動機構が、駆動モータとカム機構及び クランクとジョイント部材とを組み合わせた動作変換手段とで構成されているの で、構造が簡単で、且つ、洗浄水噴射手段をフィルターの移送方向に対して横切 る方向に正確に往復移動させることができる。また、遠心分離方式に比べて構造 が簡単であり、安価に提供することができる。

【００３５】 請求項５のフィルター洗浄ユニットでは、請求項１に記載のフィルター洗浄装 置を連結具を介して複数台列設して、第１段階のフィルター洗浄装置を予備洗浄 装置とし、第２段階のフィルター洗浄装置を洗浄装置とし、第３段階のフィルタ ー洗浄装置をすすぎ装置とし、第４段階のフィルター洗浄装置を乾燥装置とした ので、同じ構造の装置を組み合わせ連設させてフィルターの予備洗浄、洗浄、す すぎ、乾燥を一連の工程で連続して行うことができ、フィルターＦを、予備洗浄 、洗浄、すすぎ、乾燥の各工程を流れ作業として経て、フィルターＦに付着した 汚れなどが取り除かれた新鮮な状態とすることができ、フィルターの再使用を何 回も行うことができて、フィルター交換の費用を削減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るフィルター洗浄装置の一実施例の
概略正面図である。

【図２】実施例のフィルター洗浄装置の概略側面図であ
る。

【図３】揺動機構のジョイント部材の側面縦断面図であ
る。

【図４】揺動機構のジョイント部材の正面図である。

【図５】洗浄排水排出手段の一部破断した部分分解斜視
図である。

【図６】フィルター洗浄ユニットの一実施例の概略正面
図である。

【図７】請求項３に記載されたフィルター洗浄装置の一
実施例を示す概略正面図である。

【図８】請求項３に記載されたフィルター洗浄装置の一
実施例を示す概略側面図である。

【図９】洗浄水噴射手段の散水パイプの構造を示す図で
ある。

【図１０】噴射ノズルの拡大図である。

【図１１】従来の洗浄装置の一例の内部構造を示す縦断
面図である。

【図１２】従来の洗浄装置の一部分を示す平面図であ
る。

【符号の説明】

Ａ 予備洗浄水 Ｂ 洗浄水 Ｃ すすぎ水 Ｄ エアー Ｆ フィルター １ フィルター洗浄装置 ２ 移送手段 ２ａ 移送ローラ ３，３Ａ，３Ｂ，３Ｃ，３Ｄ 洗浄水噴出手段 ４ 洗浄水供給手段 ５ 揺動機構 ６Ａ 洗浄排水排出手段 １０ フィルター洗浄ユニット １１ 予備洗浄装置 １２ 洗浄装置 １３ すすぎ装置 １４ 乾燥装置 １５ 連結具 ２２ 操作ハンドル ３１ 散水パイプ ３２，３１ａ 噴射ノズル ３３ 斜板 ３４ タンク ３６ フィルター装置 ３６ａ 把手 ３７ 排出管 ５１ 駆動モータ ５２ カム機構 ５３ クランク ５４ ジョイント部材 ５５ 動作変換手段

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】冷暖房機や空調機器などに用いられるフィ
   ルターを洗浄するためのフィルター洗浄装置であって、 フィルターを水平に保持した状態で前後に往復移送させ
   るための移送手段と、 フィルター移送路の上方に設置され、フィルターに向け
   て洗浄水を噴射するための洗浄水噴射手段と、 前記洗浄水噴射手段に昇圧された洗浄水を供給するため
   の洗浄水供給手段と、 前記洗浄水噴射手段をフィルターの移送方向に対して横
   切る方向にスイングさせて洗浄水を前記フィルターに分
   散的に噴射するための揺動機構と、 洗浄後の排水を排出するための洗浄排水排出手段と、を
   備えていることを特徴とするフィルター洗浄装置。
2. 【請求項２】前記洗浄排水排出手段は、 装置本体におけるフィルター移送路の斜め下方向に向け
   て延設され、洗浄後の排水を受ける斜板と、 この斜板に沿って流下する排水を一時的に貯留するタン
   クと、 このタンクに取り外し可能に収容された把手を設けた引
   出し型のフィルター部材と、 タンク内の排水を外部に排出する排出管とを備えた構成
   とした請求項１に記載のフィルター洗浄装置。
3. 【請求項３】冷暖房機や空調機器などに用いられるフィ
   ルターを洗浄するためのフィルター洗浄装置であって、 フィルターを水平に保持した状態で前後に往復移送する
   ための移送手段と、 各々に長手方向に切り込むスリットを形成した噴射ノズ
   ルを配列させた複数の散水パイプを、フィルター移送路
   の上方に設置して成る洗浄水噴射手段と、 前記洗浄水噴射手段に、昇圧された洗浄水を供給するた
   めの洗浄水供給手段と、 洗浄後の排水を排出するための洗浄排水排出手段と、を
   備えていることを特徴とするフィルター洗浄装置。
4. 【請求項４】前記移送手段は、操作ハンドルと、その操
   作ハンドルに連結された移送ローラによってフィルター
   を前後に往復可能に移送する構造とされ、装置本体の下
   部にはキャスターを設けた構成とした請求項１又は２又
   は３のいずれかに記載のフィルター洗浄装置。
5. 【請求項５】前記揺動機構は、 駆動モータを駆動源として備え、 前記駆動モータの回転に応じて回動する偏心カム機構
   と、 この偏心カム機構と連結され、上下動するクランクと、
   このクランクに連結され前後に揺動するジョイント部材
   とを組み合わせた動作変換手段、を備えた構成とした請
   求項１〜３のいずれかに記載のフィルター洗浄装置。