JP3018903U - 外部照明式操作型チャンバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 幅方向の寸法を小さくし、照明灯の調整、交
換や修理を容易にする。 【構成】 操作型チャンバーの本体部３の幅方向の端に
は、スライド扉４の外側まで延設された端部材５が取り
付けられ、これに支持部材６が取り付けられ、その内外
面には、それぞれ照明灯２及び操作パネル１が装着され
ている。スライド扉４は、ハンドル４ａを上げ下げする
ことにより、二点鎖線で示すように開口面３２に沿って
矢印方向に移動可能になっているが、照明灯と干渉しな
い。 【効果】 簡易な構造でスライド扉の動作を妨げること
なく、照明灯と操作パネルとを外部に配置し、チャンバ
ーの幅を狭くし、工場等における設置スペースを縮小
し、更に照明灯の交換を容易にすることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、操作パネルと照明灯と本体部に対してスライド移動の可能な透明な スライド扉とを備え、内部に対象物が入れられ、環境試験や熱処理等が行われる ときに対象物を操作したり観測する必要がある操作型チャンバーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

操作型チャンバーとしては、試験室内に対象物として電気／電子製品等の部品 又は完成品を入れ、照明装置でこれらを照明しつつ、操作者が外部から室内に手 を入れて対象物を操作して環境試験や熱処理等を行う形式のものがある。このよ うな操作型チャンバーでは、従来、上下にスライドするスライド扉の両側の何れ かの側に操作パネル及びその操作制御機構を備えた操作ボックスを配設している 。又、スライド扉があるためその邪魔にならないように試験室内に照明装置を設 けている（実開昭６４−４０号公報参照）。

【０００３】 しかしながら、このような構造では、スライド扉と操作パネルとが並設される 形になるので、装置の幅が広くなる。又、照明装置が内部にあるため、その交換 や修理に不便であり、発熱負荷を持ち込むため内部雰囲気が乱される等の問題が ある。更に、照明装置の位置を移動させることが困難である。即ち、移動機構を 外部に設けるのは、断熱層貫通部が発生するため好ましくなく、一方、内部に移 動機構を設けると、その操作時に扉を開かなければならないため、内部雰囲気が 乱されることになる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は従来技術に於ける上記問題を解決し、請求項１の考案は、幅方向の寸 法が小さく、照明灯の交換や修理が便利で、性能の向上された操作型チャンバー を提供することを課題とし、請求項２の考案は、上記に加えて、操作が便利で対 象物を効果的に観察できる操作型チャンバーを提供することを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記課題を解決するために、請求項１の考案は、操作パネルと照明灯 と本体部に対してスライド移動の可能な透明なスライド扉とを備え、内部に対象 物が入れられる操作型チャンバーにおいて、 前記本体部の幅方向の少なくとも一端側に取り付けられ前記スライド扉の外側 まで延設された端部材と該端部材に取り付けられた支持部材とを有し、前記操作 パネルは前記支持部材の外側に取り付けられ、前記照明灯は前記支持部材の内側 に取り付けられていることを特徴とし、 請求項２の考案は、上記に加えて、前記端部材は前記スライド移動の方向に移 動可能であることを特徴とする。

【０００６】

【作用】

請求項１の考案によれば、本体部の端からスライド扉の外側まで端部材を延設 し、これに支持部材を取り付け、この支持部材の内外面に照明灯及び操作パネル を取り付けているので、スライド扉自体及びそのスライド移動を妨げることなく 操作パネル及び照明灯を配置することができる。その結果、本体部の側部に操作 パネルを設ける必要がなくなる。この場合、本体部の端に設けられる端部材は支 持部材を支持するだけのものであるから、本体部の幅方向に大きな寸法を必要と しないため、側部に操作パネルを設ける構造の従来のチャンバーに較べて幅方向 の寸法が大幅に減少する。

【０００７】 支持部材の内側には照明灯が設けられるので、照明灯も本体部の外部に装備さ れることになる。その結果、照明灯の熱負荷が内部に持ち込まれない。又、照明 灯の修理や交換も容易になり、このときに内部雰囲気が乱されることもない。更 に、端部材を移動可能にし、照明灯を移動可能にすることが容易になる。又、支 持部材が操作パネル及び照明灯の取り付けに兼用されているので、部材やスペー スを有効に利用されている。

【０００８】 請求項２の考案によれば、端部材を扉のスライド方向に移動可能にするので、 これを移動させることにより種々の位置に照明灯を移動させることができる。そ の結果、内部に入れられた対象物を異なった方向から観察することができ、観察 精度が良くなり、試験等を行うときの能率も向上する。又、操作パネルの操作が 容易になる。

【０００９】

【実施例】

図１乃至図３は実施例の操作型チャンバーの全体構造を示す。 操作型チャンバーは、操作パネル１と照明灯２と本体部３に対してスライド移 動可能な透明のスライド扉４とを備え、内部である環境試験等を行う試験室３１ には対象物として電気製品等の試料Ｗが入れられる。

【００１０】 本体部３の幅方向の両端には、スライド扉４の外側まで延設された端部材５が 取り付けられ、これに支持部材としての照明灯２の本体ケース６が取り付けられ ている。そして本体ケース６の内外面には、それぞれ前記照明灯２及び操作パネ ル１が装着されている。なお、支持部材と照明灯２の本体ケースとは別体であっ てもよい。なお、端部材及び支持部材が強固な場合等には、端部材を一端側のみ に設けるようにしてもよい。

【００１１】 スライド扉４は、ハンドル４ａを上げ下げすることにより、二点鎖線で示すよ うに開口面３２に沿って矢印方向に移動可能になっている。本体ケース６は、図 ４に示す如く、ピン５１によって端部材５に回転自在に支持されている。これに より、照明灯２の修理や交換作業が容易になる。又、本体ケース６が実線の位置 にあるときに開口の一部分を塞ぐような装置の場合には、これを二点鎖線の位置 まで回転させることにより、必要な開口面積を確保して大きな試料の出し入れを 可能にすることができる。又、チャンバー内の照明部分の位置を調整することも できる。

【００１２】 操作型チャンバーの全体構造は、縦構造体７と底部構造体８とを架台部９で結 合し、断熱壁３３で囲われた前記本体部３を架台部９上に載せて縦構造体７で支 持することにより形成されている。本体部３は、前記試験室３１、これに隣接し た空調室３４、試験室と空調室との間で空気を循環させるダクト部３５、３６等 により形成されている。

【００１３】 空調室３４内には、モータ１０ａで回転駆動され空調室３４と試験室３１との 間で空気を循環させるファン１０、循環空気を冷却する蒸発器１１、加熱するヒ ータ１２等が設けられている。架台部９の中には、図示しない冷凍機等を含む電 気・機械設備が収められている。操作制御機構もこの中に入れられていて、操作 パネル１とはケーブルで結合されている。但し、チャンバーの天井部分その他の 位置に操作制御機構を置くこともできる。本チャンバーはキャスタ１３によって 移動自在に支持される。

【００１４】 図５は端部材５を矢印で示すスライド方向に移動可能にする場合の簡易な構造 例を示す。 本体部３にレール３６を固定し、端部材５にレール３６を挟持する溝を設け、 ネジ付きノブ５２でそのネジ部の先端をレール３６に押し付け、任意の位置で端 部材５を停止できるようにする。このような構造は、種々の角度から試料Ｗを観 察する必要のある操作型チャンバーに極めて有効である。

【００１５】 以上のような構成により、本操作型チャンバーは次のよう使用される。 試験室３１内に試料Ｗを入れるときには、ハンドル４ａを持ち上げて扉４を開 く。試料が大きい場合には、本体ケース６を図４の二点鎖線の位置にし、開口３ ２の全面積を有効にする。試験室３１内に試料Ｗを収めると、扉４を全閉し、操 作パネル１を操作して諸機器を作動させ、試験室３１内を空調する。即ち、機械 室９内の図示しない冷凍装置を運転して冷媒を蒸発器１１に送り、ファン１０及 びヒータ１２をオンにし、試験室３１内を目的とする温度に維持しつつ空気を循 環させる。

【００１６】 試験室３１内の試料Ｗを操作するときには、扉４を少し持ち上げて試験室内に 手を入れる。このときには、手を入れる部分以外の所はエアーカーテンその他の 適当な方法により内部雰囲気の乱れが少なくなるようにシールされる。

【００１７】

【考案の効果】

以上の如く本考案によれば、請求項１の考案においては、端部材と支持部材と を設けることにより、簡易な構造でスライド扉の動作を妨げることなく、照明灯 と操作パネルとを同時に配置することができる。その結果、操作パネルを本体部 の側面に設ける必要がなくなり、従来のものよりもチャンバーの幅を狭くし、工 場等における設置スペースを縮小できると共に、装置のコストを低減させること ができる。更に、操作パネルを本体部の幅方向の任意の位置に配置できるので、 操作性の向上を図ることができる。又、照明灯が本体部の外に配置されているた め、その交換や照明装置部分の修理が容易になると共に、その熱負荷や交換時等 の扉の開閉によって内部雰囲気が乱されることがなくなり、当然試験等を中断す ることもなくなる。又、低温環境試験を行う場合には、内部に熱源が持ち込まれ ないため、試験条件が改善されると共に、冷凍負荷も低減する。そして更に、こ のような構造によれば、端部材を移動可能にし、照明灯を移動可能にすることが 極めて容易になる。

【００１８】 請求項２の考案においては、上記に加えて、端部材を移動可能に構成するので 、対象物を異なった角度から照明することにより、精度良く効果的に観察できる ようになる。又、操作パネルも操作し易い位置に移動させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の操作型チャンバーの全体構造を示す側
面図である。

【図２】上記チャンバーの全体構造を示す正面図であ
る。

【図３】上記チャンバーの全体構造を示す平面図であ
る。

【図４】上記チャンバーの操作パネル及び照明灯部分を
拡大した側面図である。

【図５】端部材を移動可能にする場合の構造例を示し、
（ａ）は側面図で（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ線矢視図であ
る。

【符号の説明】

１ 操作パネル ２ 照明灯 ３ 本体部 ４ スライド扉 ５ 端部材 ６ 本体ケース（支持部材） ３１ 試験室（内部） Ｗ 試料（対象物）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｇ０１Ｒ 31/26 Ｈ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 操作パネルと照明灯と本体部に対してス
   ライド移動の可能な透明なスライド扉とを備え、内部に
   対象物が入れられる操作型チャンバーにおいて、 前記本体部の幅方向の少なくとも一端側に取り付けられ
   前記スライド扉の外側まで延設された端部材と該端部材
   に取り付けられた支持部材とを有し、前記操作パネルは
   前記支持部材の外側に取り付けられ、前記照明灯は前記
   支持部材の内側に取り付けられていることを特徴とする
   操作型チャンバー。
2. 【請求項２】 前記端部材は前記スライド移動の方向に
   移動可能であることを特徴とする請求項１に記載の操作
   型チャンバー。