JP3018108U - 小型アンテナ - Google Patents

小型アンテナ

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JP3018108U
JP3018108U JP1995006104U JP610495U JP3018108U JP 3018108 U JP3018108 U JP 3018108U JP 1995006104 U JP1995006104 U JP 1995006104U JP 610495 U JP610495 U JP 610495U JP 3018108 U JP3018108 U JP 3018108U
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信 高橋
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信 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【目的】寸法がおよそ1/10波長以下の、ダイポール
アンテナに置き換えて使用しうる高い効率と広い帯域幅
を保った、小型の自己共振アンテナを提供することであ
る。 【構成】スパイラルコイルの外周に導体環が、中心に導
体板が配置されていて、導体環にはスパイラルコイルの
外周部端が、導体板にはスパイラルコイルの中心部端
が、それぞれ電気的に接続されている。スパイラルコイ
ルのインダクタンスと、その両端の導体のキャパシタン
スとから、共振回路を形成するとともに、導体表面の空
間インターフェイスにより、小型の自己共振アンテナを
構成している。中心部の導体板には同軸給電線のコネク
タを備えており、外被側導体を電気的に接続している。
コネクタの中心側導体は、スパイラルコイルの中間部に
取ったタップに電気的に接続され給電が行われる。タッ
プの位置を調整することにより給電点インピーダンスが
調整され、給電線との整合がとられる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、その寸法がおよそ1/10波長以下の小型アンテナに関し、特に、 ダイポールアンテナに置き換えて使用できる高い効率と帯域幅を保った、小型ア ンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
定在波を利用するアンテナでは、半波長の導線上に定在波を生じさせるダイポ ールアンテナを基本要素としているが、短波帯(30MHzから3MHz)でも 半波長の長さは5mから50mあり、使用する周波数によっては作製と設置を困 難とする程に大きなアンテナとなる。
【0003】 アンテナを小さくするためにエレメントにローディングコイルを挿入して共振 させることが行われているが、コイルからの電波の放出は無く、挿入によってオ ーム損失を生じてしまう。損失が少なくなるようにコイルのQを大きくすると、 周波数特性は尖鋭となり帯域幅が狭くなってしまう。 また、エレメントの短縮により放射抵抗が減少し、給電点インピーダンスが低 くなる。従って、比較して高い給電線インピーダンスとの整合回路を必要とする が、両インピーダンスの差が著しいので整合損失が増加する。
【0004】 アンテナの効率は、放射抵抗と、オーム損失と整合損失とを加えた損失抵抗か ら割り出されるが、上述のように、アンテナの寸法が小さくなると効率が著しく 低下し、帯域幅は狭くなるという欠点があった。 アンテナ性能上の要請と設置スペース上の要請とは互いに背反するが、これら の調和と高性能化の要望はなお強いものがある。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
この考案は上記実情に鑑みてなされたもので、ダイポールアンテナと等価な集 中定数共振回路により解析等をおこなう従来の手法を、ここでは逆に用いて、コ イルとキャパシターによる共振回路をアンテナとする。
【0006】 集中定数素子の電子回路では、キャパシターの対向している電極間には一様な 変位電流が流れている。従って、共振電子回路からは実用上ほとんど電波の放射 は無いとされている。 キャパシターの電極の形状及び空間配置によって、変位電流に粗密があると、 生じる磁界が打ち消し合わず空間へ電波を放射し、空間から電波を受け取る。 この電磁波エネルギーを伝達する効率を、ダイポールアンテナと比べ得る程に 高く保ち、かつ、一体のアンテナとして小型化に適した構成を提供する。 これにより、自己共振であるためにダイポールアンテナに置き換えて使用でき る効率の高さと帯域幅を保った、小型アンテナを提供することを目的とする。
【0007】 また、アレイアンテナの作製において、この考案にかかるアンテナを基本要素 として配列することで、アンテナの作製を容易にすることを他の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
従来、ダイポールアンテナを分布定数線路と考え、導線上に分布するインダク タンスとキャパシタンスとを等価な集中定数素子に置き換えて、ダイポールアン テナと等価な集中定数共振回路を構成し、これにより解析等が行われている。 この手法を逆に用いて、コイルとキャパシターによる共振回路自体をアンテナと するが、ここでは、コイルにスパイラルコイルを用い、キャパシターは導体環と 導体板とで形成される。 スパイラルコイルの外周に導体環が、中心に導体板が配置されており、導体環 にはスパイラルコイルの外周部端が、導体板にはスパイラルコイルの中心部端が 、それぞれ電気的に接続されて平板状のアンテナを構成する。
【0009】 スパイラルコイルのインダクタンスと、その両端の導体のキャパシタンスとか ら共振回路を形成するが、変位電流は対向している平行平板電極の間とは異なり 空間中をまわる曲線状となるため、空間的に一様均一ではなくなる。 集中定数素子による共振電子回路では、キャパシターの対向する電極間の変位 電流が一様であるため電気力線によって生ずる磁界は互いに打ち消し合い、実用 上空間に放射される電波は無く、エネルギーは共振回路内に蓄えられる。このキ ャパシターの対向する電極が互いに不均衡であると電気力線によって生ずる磁界 が打ち消し合わなくなり、変位電流を電波として空間に放射する。 導体環と導体板とで形成されたキャパシターでは、電極の形状及び空間配置に より変位電流が空間的粗密を有するので、導体表面と空間とのインターフェイス により電波が空間へ放射される。 さらに、インターフェイスである導体表面の空間に接する面積を、少なくとも 線状導体で作製したダイポールアンテナの表面積に比べ得る広さとすることで、 小型で、ダイポールアンテナと比べ得る程に高い放射の効率を保つ。
【0010】 スパイラルコイルの中心に配置された導体板は同軸給電線のコネクタを備えて おり、外被側導体を電気的に接続している。コネクタの中心側導体はスパイラル コイルの中間部に取ったタップに電気的に接続され、ここから給電される。 タップの位置を調整することで給電点インピーダンスが調整され、給電線との 整合がとられる。
【0011】 共振回路内では導体の電気抵抗によるオーム損失が発生し効率を下げるが、高 周波電流は導体表面に集中して流れるので、コイルの巻き線の表面積を広くして オーム損失を少なくする。これは、コイルの直径を大きくする事とともに、コイ ルのQを高くする方法である。 ところで、Qを高くすると帯域幅は狭くはならないだろうか。 結合の無い共振回路であれば、Qの高い回路の周波数特性は尖鋭である。 しかし、本考案の共振回路はそれ自身から電波が放射され、効率良く導体表面 から電波が放射されると、放射電力とアンテナ電流から割り出される放射抵抗が 増す、つまり本考案の共振回路は給電線インピーダンスと電波の伝送路である空 間とのインピーダンス整合を行う結合回路でもあり、負荷である空間のインピー ダンスによりQタンプされている。従って、実効Qは高くなく、帯域幅は狭くは ならない。 スパイラルコイルの径を大きくし、その中心にキャパシターの片方の電極であ る導体板を配置する。 もう片方の電極としてスパイラルコイルの外周のそとに導体環を配置して接続 し、その大きさを限度とする平面内部に全ての構成要素を含む。
【0012】 上記手段により、寸法がおよそ1/10波長以下の、ダイポールアンテナに置 き換えて使用しうる高い効率と帯域幅を保った、小型の自己共振アンテナが構成 される。 この構成は、キャパシター電極の空間に接する表面積を広げる方向の調整を容 易にするとともに、一体的作製への道を開く。
【0013】
【作用】スパイラルコイルとその両端にそれぞれ接続された導体環と導体板は、 共振回路を形成し、供給される電力による高周波電流が流れる。 それと共に、この導体環と導体板はキャパシターの対向する電極としては互い に不均衡であるから変位電流は空間的な粗密を有する。このため、生ずる磁界は 完全には打ち消し合わず、変位電流の一部は電波として空間に放射される。 コイルの巻き線の広い表面積から高周波電流のオーム損失は少なく、さらに、 空間とのインターフェイスである導体の表面積を広く保つことで、電波を空間に 放射する効率は良くなり、事実上、供給される全電力が空間へ放射される。
【0014】
【実施例】以下本考案を実施例により説明する。 (実施例1)本実施例は、10m帯のアンテナを構成したものである。 図4に示すように、一辺30cmの正方形ベニヤ基板上の、外周部に幅4.2 5cmのアルミ箔の導体環が、中心に一辺6.5cmの正方形のアルミ箔の導体 板が配置されている。スパイラルコイルには幅1.25cmのアルミテープを用 いて、5mmの間隔で4と1/4回巻かれている。このため、1/4回巻部分に 平行する導体環の一辺だけは、幅が2.5cmとなっている。 導体環にはスパイラルコイルの外周部端が、導体板にはスパイラルコイルの中 心部端が、それぞれ電気的に接続されている。 導体板には同軸給電線のコネクタを備えており、取り付けとともに外被側導体 が電気的に接続されている。 コネクタの中心側導体は、スパイラルコイルの導体板側から1と3/4回の箇 所にタップをとり接続されている。タップの位置は、給電線とのインピーダンス 整合のため調整されたものである。 給電点インピーダンス及びVSWR特性は、電気長が10.3MHzの半波長 に等しい特性インピーダンス50Ωの同軸ケーブルを用いて給電源側から間接的 に測定し、アンテナ給電点側に換算された結果は表1に示すようになった。 使用可能とされているVSWR2以下の帯域幅は、28MHz台から30MH z台へかけて、約2MHzの幅で達成していることが表1からわかる。
【0015】 (実施例2)本実施例は、160m帯のアンテナを構成したものである。 図4に示すように、一辺90cmの正方形ベニヤ基板上の、外周部に幅10c mのアルミ箔の導体環が、中心に一辺16.5cmの正方形のアルミ箔の導体板 が配置されている。スパイラルコイルには幅1.25cmのアルミテープを用い て、5mmの間隔で15回巻かれている。導体環にはスパイラルコイルの外周部 端が、導体板にはスパイラルコイルの中心部端が、それぞれ電気的に接続されて いる。 導体板には同軸給電線のコネクタを備えており、取り付けとともに外被側導体 が電気的に接続されている。 コネクタの中心側導体は、スパイラルコイルの導体板側から7回の箇所にタッ プをとり接続されている。タップの位置は、給電線とのインピーダンス整合のた め調整されたものである。 給電点インピーダンス及びVSWR特性は、電気長が10.3MHzの半波長 に等しい特性インピーダンス50Ωの同軸ケーブルを用いて給電源側から間接的 に測定し、アンテナ給電点側に換算された結果は表2に示すようになった。 使用可能とされているVSWR2以下の帯域幅は、ほぼ1.9MHzを中心に 、約100KHzの幅で達成していることが表2からわかる。 上記実施例ではベニヤ板の上にアルミの箔とテープを貼り付けて作製している が、例えば、アルミ板、アルミパイプによる構成をグラスファイバーなど絶縁体 の支柱で支える構造が良く、また、給電方法はコイルにタップをとる他にリンク コイルによってもよく、本考案は上記実施例に限定されない。
【0016】
【考案の効果】本考案は、上述のとおり構成されているので、次に記載する効果 を奏する。
【0017】 スパイラルコイルを有するから、電子回路で一般に使用されているコイルにタ ップをとった並列(給電)共振回路の給電方法が取れ、同時に給電線とのインピ ーダンス整合がタップ位置の調整により容易に行える。 他に、リンクコイルによる磁気結合も可能であり、簡便な給電方法となる。 ダイポールアンテナと同様の直列(給電)共振回路として給電を行う場合は、 スパイラルコイルと中心部の導体板との接続部分を電気的に切り離し、スパイラ ルコイル側に同軸給電線の中心側導体を電気的に接続することで可能である。
【0018】 地表面に対して平板状の面を水平又は垂直方向に設置して使用することで、水 平偏波と垂直偏波を選択して使用できる。 スパイラルコイルの軸方向は磁界方向であり電界的指向特性のヌル点となるか ら、受信時の外来ノイズの抑圧等に利用し得る。
【0019】 自己共振アンテナであるから補償共振回路を追加すること無く、半波長ダイポ ールアンテナの置き換えとして、より小型に設置できる。 アンテナ自体が小型であるから簡便な設置が可能であり、このことはアンテナ の受風面積を考慮しても、より高い地上高を取った設置を可能とする。 単体アンテナは、自己共振による特性の均一性と平板状の構成とから一体的作 製が可能で、プレス打ち抜き等の作製手法による大量生産に適している。また、 扱いやすい小型板状であるから、短波帯ログペリオディックアンテナ等の構成要 素とすると、アレイアンテナの作製が容易となる。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】並列給電共振回路図
【図2】同上の電気的等価回路図
【図3】同上の電源を給電線に置き換えた電気的等価図
【図4】本考案の実施例1、2の正面図
【符号の説明】
1 スパイラルコイル 2 タップ箇所 3 導体環 4 導体板

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スパイラルコイルの外周に導体環が、中
    心に導体板が配置されており、導体板には同軸給電線の
    コネクタを備えて外被側導体と電気的に接続しており、
    同軸給電線のコネクタの中心側導体はスパイラルコイル
    の中間部に取ったタップに電気的に接続され、さらに、
    導体環にはスパイラルコイルの外周部端が、導体板には
    スパイラルコイルの中心部端が、それぞれ電気的に接続
    されて一体を構成する小型アンテナ。
JP1995006104U 1995-05-15 1995-05-15 小型アンテナ Expired - Lifetime JP3018108U (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012178760A (ja) * 2011-02-28 2012-09-13 Yazaki Corp 高周波結合器

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