JP3017580U - 歯科用パノラマｘ線断層撮影装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 定位置に位置付けされた被検者に対し、装置
の断層軌道基準位置が被検者の断層軌道基準位置に合致
して被検者の周囲を回動し最適な歯顎領域のパノラマＸ
線写真を得られる歯科用パノラマＸ線断層装置を提供す
る。 【構成】 装置本体に被検者の正中線と常に一定角度で
照射する可視光ビームを発する光源と該光源を移動する
機構を設け、前記可視光ビームが被検者の歯列穹検出ポ
イントにおいて正中線と一致する位置に光源を移動させ
被検者の断層基準位置を検出し、このデータを基に被検
者及び装置の断層基準位置を自動的に一致させる装置構
成とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】 ［産業上の利用分野］ この考案は、歯科用パノラマＸ線断層撮影装置の被検者のポジショニング機構 の改良に関し、詳しくは可視光ビームを予めポジショニングされた被検者の正中 線上の歯列穹検出ポイントに照射して、可視光ビームの光源移動量を検出しこれ を基にして得られた被検者の断層軌道基準位置に対して装置の断層軌道基準位置 を一致させるべく装置の断層回動機構部を自動的に移動可能とした被検者ポジシ ョニング機能を備えた装置に関する。

【０００２】 ［従来の技術］ パノラマ断層撮影装置にとって被検者のポジショニングが重要な課題であるこ とは公知である。これは撮影に際して被検者を間に対向配置されたＸ線源とＸ線 撮像系がその相対関係を維持しつつ被検者の歯列穹に沿って回動し撮影する必要 があるためで、このポジショニングが撮影の良否を決めると言って過言ではない 。このポジショニングの方法には大別して二種類ある。ひとつはポジショニング に際して予め頭部固定装置に固定された被検者を移動させながら、装置固有の断 層軌道基準位置に一致させる方法で、パノラマ断層撮影装置が開発された当時は 主としてこの方法が行われていた。

【０００３】 また他のひとつは頭部固定装置に予めポジショニングされた被検者を動かすこ となく、被検者の断層軌道基準位置に、装置側の主要部を被検者の正中線に沿っ て動かし、装置の断層軌道基準位置を被検者の断層軌道基準位置に一致させるも ので、例えば 実公 Ｓ５３−２９１０８号 がこの手法によって被検者歯列穹 の個体差に対応する断層域変換装置が開示されている。 また、被検者歯列穹に対する基準位置検出ポイントの位置検出には、例えば接 触型として 実願Ｓ４７−９８２４３号 非接触型として光ビームを用いた例と して 実開Ｓ５６−２３１０７号 実開Ｓ６０−８１５０８号 具体例として光 ビーム（インジケータビーム）を被検者の基準位置検出ポイント（前歯部断層域 ）に合わせると自動的に装置が追尾して被検者の断層軌道基準位置に一致し、被 検者固有の断層域を決定する装置が昭和６０年より市販され最近では、カメラ等 の距離計測に常用されているＰＳＤセンサーを上記インジケータビームに代用し 自動的に位置決めを行わせる装置が市販されている。

【０００４】 ［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、各々に以下の問題点を抱えている。例えばインジケータビームを 被検者の側方から被検者の基準位置検出ポイント（前歯部断層域）に合わせる場 合、正常咬合、又は切端咬合させた被検者の唇を開けさせてインジケータビーム の照射位置を確認する必要があり、術者としてはその操作性に問題がある。これ に対してＰＳＤセンサーを被検者の基準位置検出用に用いる場合、距離検出用の 光源として赤外線ＬＥＤが用いられ、他に検出位置を特定するための可視光によ るポインターが設けられているが被検者の皮膚の色、化粧等の色によって赤外線 が吸収され測定不可能なケースがあること、また、この種のＰＳＤセンサーが高 価であることが問題とされている。

【０００５】 本考案は以上のような事情を鑑みてなされたもので、被検者の断層軌道基準位 置を術者が容易に目視しながら適確に把握できる機構であり、且つ簡易な装置構 成で操作性に優れた歯科用パノラマＸ線断層撮影装置の提供を目的とする。

【０００６】 ［課題を解決するための手段］ この考案では歯科用パノラマＸ線断層撮影装置での撮影に際して被検者の断層 軌道基準位置データを得る手段として、装置本体に設けられた可視光ビームを被 検者の正中線に対して一定角度で照射し、且つ可視光ビームが被検者の歯列穹検 出ポイントにおいて正中線と一致する様に可視光ビーム光源１４を正中線に対し 直交方向に動かす断層軌道検出機構を備えた歯科用パノラマＸ線断層撮影装置を 構成した。

【０００７】 光源移動量検出器１５を介して得られた光源移動量データ０３を基に、被検者 の断層軌道基準位置と装置の断層軌道基準位置の距離を演算し、被検者を動かす ことなく被検者の断層軌道基準位置に装置の断層軌道基準位置を一致させるべく 断層回動機構部を正中線に沿って前後移動可能な機構を備えた前記歯科用パノラ マＸ線断層撮影装置である。

【０００８】 ［作用 １］ 上記構成による歯科用パノラマＸ線断層撮影装置を使用してＸ線撮影を行う場 合、術者が被検者を装置の頭部固定部にポジショニングし、可視光ビームが被検 者の歯列穹検出ポイントで正中線と一致する様、その光源１４を正中線に直交し て移動させ、被検者の歯列穹検出ポイントを特定する。その時光源１４の位置は 決定し光源移動量は光源移動量検出器１５で検出され、装置の断層軌道基準位置 から被検者の断層軌道基準位置までの距離が距離演算回路２１により演算される 。 ［作用 ２］ 距離演算回路２１で演算された結果は距離演算出力０４として図示していない装 置の断層回動機構部現在位置データ０６と共に、比較演算回路２２で処理される 。 その結果、比較演算出力０５は装置の断層回動機構部駆動回路２３に送られ比 較演算出力０５がゼロとなるように、断層回動機構部を被検者の正中線に沿って 自動的に移動する。

【０００８】 以上により被検者の歯列穹検出ポイントおいて正中線と可視光ビームを一致さ せることにより被検者の断層軌道基準位置と装置の断層軌道基準位置が一致し、 最適条件でＸ線写真を得ることができる。

【０００９】 ［実施例］ 以下、この考案の好適な実施例について図面を参照しながら説明する。

【００１０】 図１ないし図３は、この考案の１実施例を示す。 図１は、断層軌道検出機構の構成を示す平面図、図２は電気信号の流れを示すブ ロック図であり、図３はその原理、作用を示す図である。

【００１１】 断層軌道検出機構は、取付ベース１０に機構部品が配置され、被検者の正中線 に直交して移動可能な状態で装置本体に取付られている。 取付ベース１０には、可視光ビーム光源１４、光源移動用モータ１１、そのモー タとネジ棒１３と接続するモータカップリング１２、光源の移動を補助するガイ ド１６、光源の移動量を検出する光源移動量検出器１５が各々配置されている。 術者が被検者を装置の頭固定部にポジショニングし、被検者の歯列穹検出ポイ ントａに可視光ビームを照射し、光源移動指示信号０１を光源移動用モータ１１ に与えると、モータが回転しモータカップリング１２、ネジ棒１３を介して光源 １４が精密移動する。ビームが歯列穹検出ポイントに於て正中線と一致した位置 で光源移動指示信号０１を停止すると光源移動用モータ１１は停止しする。この 間のモータ移動量はモー移動量検出器１５で検出され、その信号０３は距離演算 回路２１へ出力される。距離演算回路２１では基準位置信号０２と光源移動量０ ３から装置の断層軌道基準位置から被検者の断層軌道基準位置までの距離を演算 する。演算された結果は距離演算出力０４として比較演算回路２２に出力される 。比較演算回路２２では装置の断層回動機構部現在位置データ０６と先の距離演 算出力０４を比較演算し、その差分を比較演算出力０５として断層回動機構部駆 動回路２３へ出力し、断層回動機構部を比較演算出力０５がゼロとなるまで移動 する。 以上の様に術者が可視光ビームを被検者の歯列穹検出ポイントで正中線と一致 させることにより、装置の断層軌道基準位置は被検者の断層軌道基準位置へ自動 的に移動し、最適なＸ線写真を得ることができる。 ［考案の効果］ この考案は以上説明したように構成され、且つ作用するのでこの機能を備えた 装置を使用することにより被検者を装置の頭部固定部にポジショニングし、可視 光ビームを被検者の歯列穹検出ポイントに正しく正中線と一致させることにより 、機械操作の熟練度に関係なく被検者に応じた断層軌道基準位置が得られ、最適 なＸ線写真を得ることができるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の１実施例を示す断層軌道検出機構の
主要部品構成の概略を示す平面図である。

【図２】本考案の電気信号の流れを示すブロック図であ
る。

【図３】図１の原理、作用を示した平面図である。

【符号の説明】

１０ 取り付けベース １１ 光源移動用モータ １２ モータカップリング １３ ネジ棒 １４ 可視光ビーム光源 １５ 光源移動量検出器 １６ ガイド ０１ 光源移動指示信号 ０２ 基準位置信号 ０３ 光源移動量 ０４ 距離演算出力 ９５ 比較演算出力 ０６ 断層回動機構部現在位置データ ２１ 距離演算回路 ２２ 比較演算回路 ２３ 断層回動機構部駆動回路 ａ〜ｃ 歯列穹検出ポイント Ａ〜Ｃ 光源位置 Ｅ〜Ｇ 光源移動量 α〜γ 装置の断層基準位置から被検者の断層基準位置
までの距離 θ 可視光ビーム照射角度

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 頭部固定部にポジショニングされた被検
   者を間に、一端にＸ線源を他端にＸ線撮像系を対向配置
   した断層回動機構部が、その相対関係を維持しながら被
   検者の周囲を回動して歯顎領域のパノラマ撮影を行う装
   置で、撮影に際して被検者の歯列穹位置データを基に、
   被検者の断層軌道基準位置と装置の断層軌道基準位置を
   一致させるべくした歯科用パノラマＸ線断層撮影装置に
   於て、被検者の断層軌道基準位置データを得る手段とし
   て、装置本体に設けられた可視光ビームを被検者の正中
   線に対して一定角度で照射し、且つ可視光ビームが被検
   者の歯列穹検出ポイントにおいて正中線と一致する様に
   可視光ビーム光源１４を正中線に対し直交方向に動か
   し、その移動量を光源移動量検出器１５で検出し、得ら
   れた光源移動量データにより被検者の断層軌道基準位置
   と装置の断層軌道基準位置の距離を演算し、そのデータ
   を出力する断層軌道検出機構を有しそのデータを基に被
   検者及び装置の断層軌道を一致させることを特徴とする
   歯科用パノラマＸ線断層撮影装置。
2. 【請求項２】 上記歯科用パノラマＸ線断層撮影装置に
   於て被検者を動かすことなく被検者の断層軌道基準位置
   に、装置の断層軌道基準位置を一致させるべく断層回動
   機構部を正中線に沿って自動的に前後動させることを特
   徴とする請求項１記載の装置。