JP3017256U - 団 扇 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 人間の持つ触覚に加え、視覚あるいは聴覚を
通じて清涼感を得ることができる団扇の提供。 【構成】 海中および海上の絵が描かれた円盤２０の空
洞部２１に、水が含入され魚や海藻等を模した絵等を吊
り下げ，貼着，印刷あるいは浮遊させた透明の容器３０
を係止片２３，２３’および係止溝３２，３２’で係止
固定するとともに、円盤２０を挟持する挟持部１０を設
ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、団扇に関し、特に、視覚，聴覚を通じても清涼感を得ることができ る団扇に関する。

【０００２】

【従来の技術】

日本は温帯気候帯に位置しているため、夏になると高温に加え多湿となる。こ のため、夏の季節には涼をとるための用具が必要不可欠となる。現在は、一般家 庭における扇風機やクーラー等の電気製品の普及により、夏の間でもある程度の 暑さが凌げるようになってきている。一方、涼をとるための伝統的な用具の一つ に団扇がある。

【０００３】 この団扇は、一般的には、竹製またはプラスチック製の柄および骨から成り、 骨の部分には両面にわたって和紙が張りつけられている。団扇を用いる人は、通 常、柄の部分を手に持ち、自分若しくは他人に向かって扇ぎ、扇がれた人は、団 扇を扇ぐ人の力の大きさに応じた風を受けるようになっている。このように、団 扇は電力を必要とせず、かつ、簡単に人力で一定の涼をとることができるため、 古くより広く用いられている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来の団扇によると、団扇によって得られる清涼感は、人間が感覚す ることのできる五感のうち触覚を通じての清涼感、例えば、所定の風量を肌に受 けることによって得られる清涼感であり、団扇を扇がないときには単なる物と化 して清涼感は得られない。

【０００５】

【考案の目的】

従って、本考案の目的は、団扇を扇いでいるときは勿論、団扇を扇がないとき においても、人間の持つ触覚を含めた他の感覚、即ち、視覚あるいは聴覚を通じ ても清涼感を得ることができる団扇を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記の目的を実現するために、扇風動作によって弾性的変形を生じる シート状の本体と、前記本体に固定され、内部に配置された意匠的物品が透視さ れるシート状の透明部材より構成されることを特徴する団扇を提供するものであ る。 前記透明部材は、前記内部に液体が封入され、前記意匠的物品が前記液体に浮 遊して配置される空間を有する構成としても良く、前記意匠的物品は、前記空間 に糸によって吊り下げられた魚である構成としても良い。 また、本考案は上記の目的を実現するために、中央部に空洞部を有する盤と、 前記空洞部に係止固定され水を含入した透明の容器と、前記盤を保持する保持部 とから構成されることを特徴とする団扇を提供するものである。 前記盤は、両面に海中および海上の絵が描かれても良く、前記透明の容器は、 容器内に魚あるいは海藻の絵を描いたものを吊り下げ，貼着，印刷あるいは浮遊 させても良く、前記保持部は、前記盤を挟持する挟持部と、前記挟持部を固定す る台座部とから構成されても良い。

【０００７】

【作用】

透明の容器を盤に係止固定し、これを保持する保持部を設ける。盤の両面には 海中および海上の絵を描き、透明の容器には水中の状態を模した絵等を貼着，印 刷あるいは浮遊させて水を含入する。そして、この盤を保持する保持部を設け、 必要に応じて扇ぎあるいは陳列する。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図１より図３を参照しながら詳細に説明する。 図１および図２は、本考案の一実施例に係る団扇を示す図であり、図１は正面 図、図２は図１のＡ−Ａ断面図である。図において、団扇１は、挟持部１０と、 挟持部１０に挟持される円盤２０と、円盤２０の中央空洞部に係止される容器３ ０とから構成されている。

【０００９】 図３は、挟持部１０を示す図であり、プラスチック等の可塑性材料から成形さ れ楕円形に加工されている。図３に示すように、楕円形に加工された挟持部１０ の両端円周部には円形の孔１１が設けられており、挟持部１０の中央部に設けら れた帯状の溝１３に沿って折り曲げたとき両端円周部円形の孔１１が嵌合するよ うに、円形の孔１１の縁には、円周突起１２および円周溝１２’が各々設けられ ている。

【００１０】 円盤２０は、一定のしなりを有しつつ容易に変形しない材料、例えば、厚紙等 を２枚重ねて貼りつけたものであり、その両面には海中で泳ぐトロピカルな魚の 群れや岩礁あるいは珊瑚等の絵および洋上の風景等がそれぞれ写実的にカラーで 描かれている。また、円盤２０の中央部には空洞部２１が、下部には円形の孔２ ２が設けられている。 円盤２０の中央に設けられた空洞部２１には、係止片２３，２３’が設けられ ており、この係止片２３，２３’によって、後述する透明の容器３０を係止する ようにしている。 円盤２０の下部に設けられた円形の孔２２は、挟持部１０を円盤２０に係合さ せるための孔である。前述した挟持部１０を中央部で折り曲げると、挟持部１０ の円周突起１２および円周溝１２’が、円盤２０の円形の孔２２を挟んで嵌合す る。この円周突起１２，円周溝１２’が円形の孔２２を挟んで嵌合されて、挿通 孔４０が形成される。

【００１１】 容器３０は、透明のプラスチックから成形された容器であり、この容器３０の 内部空間には水３１が含入されている。水を用いて水中の状態を模擬的に表すた めである。水３１は、内部空間の約７０％〜８０％を占めるように容器３０の成 形時に含入される。容器３０の中央両端には、容器３０を円盤２０に係止するた めの係止溝３２，３２’が設けられており、係止溝３２，３２’は容器３０を円 盤２０の空洞部２１に係止するときに、空洞部２１の係止片２３，２３’と係合 するようになっている。 また、容器３０には魚や海藻等の絵を写実的にカラーで描き、容器３０内に水 を含入させることにより水中の状態を模させるようにしている。この場合、水中 の状態を模擬的に表せる方法であれば、魚や海藻等の絵は容器３０に直接印刷し ても良く、魚や海藻等の絵のフィルムを貼着しても良い。更には、例えば、魚の 絵に関しては、動感を出すために、所定の浮力を有する材質に魚の絵を印刷ある いは描いて容器３０内の水中に浮遊させるようにしても良く、また、透明な釣糸 を用いて円盤２０の上部より吊り下げるようにしても良い。

【００１２】 以上の構成を有する団扇１を用いて団扇を扇ぐ場合には、団扇１の挟持部１０ を手に持ち、自分あるいは他人に向かって扇ぐ。 団扇１を扇ぐと、扇がれた人には扇いだ力に応じて風が与えられるのは当然で あるが、それに加え、扇ぐための団扇の往復運動により、容器３０内の水が容器 ３０内で攪拌され、水の攪拌音が容器３０より発生する。容器３０より発生した 水の攪拌音は、人の聴覚を通じて清涼感を与える。即ち、水は一般に冷たいもの という印象があるため、団扇を扇ぐ人あるいは団扇を扇がれる人は、この水の攪 拌音を耳から聞いて清涼感を想起せしめる。 更に、この団扇１の使用は人の視覚を通じて清涼感を与える。即ち、海上およ び海中の風景を写実的にカラーで描いた円盤２０および透明のプラスチックで成 形され、かつ、水中の状態を模擬的に表した容器３０は、視覚によって認識され ると、透明感があり，ひんやりして，涼しくあるいは爽快等の印象を受けるため 、団扇１を扇ぐ人あるいは扇がれる人は、この目から得た印象によって清涼感を 得ることができる。 このように、本考案の団扇によると、人間の持つ触覚を含めた他の感覚を通じ て清涼感を得ることができる

【００１３】 図４は、以上の構成を有する団扇１を立位で保持するためのスタンド２を表す 図である。 スタンド２は、台座２１０と、一部に円柱状の突起２２１が設けられた平板状 の柱２２０とから構成されている。台座２１０と柱２２０は硬質プラスチックよ り成形されており、成形に際しては、一体に成形しても良く、また、台座２１０ と平板状の柱２２０を別体に成形して、凹凸嵌合により組み合わせるようにして も良い。 柱２２０の円柱状の突起２２１は、団扇１の挿通孔４０に挿通するためのもの であり、このスタンド２で団扇１を保持するときは、柱２２０の円柱状の突起２ ２１を団扇１の挿通孔４０に挿通する。このようにして、団扇１を立位で保持す ることができる。

【００１４】 このように、スタンド２で団扇１を立位で保持するようにすれば、机上に置く ことができ、団扇が単なる物と化すことなく、ディスプレイあるいはアクセサリ ーともなる。例えば、銀行や役所等の多くの人が出入りする所のカウンター等に 置かれると、一服の清涼剤にもなり、また、顧客サービスの一貫として景品にす ることもできる。

【００１５】 上記の例では、円盤２０には予め海上および海中の風景を写実的にカラーで描 くようにしているが、これに限定されるものではなく、例えば、商品あるいはサ ービスの広告をユーザーが自由に描けるようにしても良い。 また、円盤２０は団扇１の挿通孔４０とスタンド２の柱２２０の円柱状の突起 ２２１との挿通とで保持されるようにしているが、これに限定されるものではな く、例えば、挟持部１０を断面台形状に成形して、挟持部１０のみで立位保持す るようにしても良い。

【００１６】

【考案の効果】

以上述べた通り、本考案の団扇によれば、空洞を設けた盤に透明の容器を係止 固定し、かつ、この盤を挟持し保持する挟持部を設け、更に、盤の両面に海中お よび海上の絵を描き、透明の容器に水中の状態を模した絵等を貼着，印刷あるい は浮遊させて水を含入したので、団扇を扇いでいるときは勿論、団扇を扇がない ときにおいても、触覚のみならず視覚および聴覚を通じて清涼感を得ることがで きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る団扇の全体図。

【図２】図１のＡ−Ａ断面図。

【図３】本考案の保持部を示す図。

【図４】本考案の団扇を立位で保持するスタンドを示す
図。

【符号の説明】

１ 団扇 ２ スタンド １０ 挟持部 １１ 円形の孔 １２ 円周突起 １２’ 円周溝 １３ 帯状の溝 ２０ 円盤 ２１ 空洞部 ２２ 円形の孔 ２３，２３’ 係止片 ３０ 透明の容器 ４０ 挿通孔 ２１０ 台座 ２２０ 平板状の柱 ２２１ 円柱状の突起

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】扇風動作によって弾性的変形を生じるシー
   ト状の本体と、 前記本体に固定され、内部に配置された意匠的物品が透
   視されるシート状の透明部材より構成されることを特徴
   する団扇。
2. 【請求項２】前記透明部材は、前記内部に液体が封入さ
   れ、前記意匠的物品が前記液体に浮遊して配置される空
   間を有する構成の請求項第１項記載の団扇。
3. 【請求項３】前記意匠的物品は、前記空間に糸によって
   吊り下げられた魚である構成の請求項第２項記載の団
   扇。
4. 【請求項４】中央部に空洞部を有する盤と、 前記空洞部に係止固定され水を含入した透明の容器と、 前記盤を保持する保持部とから構成されることを特徴と
   する団扇。
5. 【請求項５】前記盤は、両面に海中および海上の絵が描
   かれていることを特徴とする請求項第４項記載の団扇。
6. 【請求項６】前記透明の容器は、容器内に魚あるいは海
   藻の絵を描いたものが吊り下げ，貼着，印刷あるいは浮
   遊されていることを特徴とする請求項第４項記載の団
   扇。
7. 【請求項７】前記保持部は、前記盤を挟持する挟持部
   と、前記挟持部を固定する台座部とより構成されること
   を特徴とする請求項第４項記載の団扇。