JP3016092B2 - 化学石膏水溶液の植物栽培への利用方法 - Google Patents

化学石膏水溶液の植物栽培への利用方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、化学石膏水溶液の植物栽培への利用方法に
関する。
〔従来技術とその問題点〕
植物が生育するのに必要不可欠な元素として、アルミ
ニウム、マグネシウム、窒素、リン、カリウム等ととも
にカルシウムがある。植物に該カルシウム分が不足した
場合には、植物の細胞組織の崩壊を生じたり、根の伸長
が阻害されたりし、ひいては収穫した作物の味が悪くな
るといった問題を生じる。
そこで、このような事態を防止するために、例えば、
稲の肥料として高価な骨粉を与えたり、炭酸カルシウ
ム、貝殻、卵殻を使用することが行われている。
しかしながら、上記炭酸カルシウム、骨粉、貝殻、卵
殻等に含有されるカルシウム分は極微量しか水に溶出せ
ず、従って、植物が摂取するカルシウム分は充分な量と
は言えない状態である。一方、カルシウム分を多量に水
に溶出する物質である塩化カルシウム、酸化カルシウム
等を肥料として使用した場合には土壌のpHや塩分濃度が
異常に高まりすぎて、多くの問題を引き起こす可能性が
ある。
また、近年酸性雨の影響で森林のうちの大部分の樹木
が枯死した例が数多く報告されていて、世界的にも深刻
な環境問題としてクローズアップされている。
こうした酸性雨によるpHの低い雨水が河川や湖沼、地
中に流入して、該河川や湖沼及び地下水を農業用水とし
て利用している場合には、結果として土壌のpHを下げる
に至る。
従って、酸性雨は、上記樹木の枯死の問題だけに限ら
ず、農作物にも大きな影響を及ぼすことは明らかであ
る。しかし乍ら、農作物に対する上記酸性雨影響に考慮
を払った肥料を現状では提供されていない。
また、こうした問題を解決し、上述したカルシウム補
給という点で、或いは土壌のpHの調整という観点から、
石膏を利用するという提案もなされている。
例えば、石膏を粉状で、或いは水を添加してペースト
状としたり、他に添加物を混合して溶液として直接に施
肥したりする方法が採られた。
しかし、こうした方法は、大量の石膏を必要とすると
共に植物が摂取するプロセスとてのカルシウムのイオン
化が促進させ難く、効率が悪いものであった。
そこで、本発明は、上記従来技術の限界に鑑みて提案
されたもので、土壌のpH調整は当然ながら、植物の生育
に必要不可欠な元素としてのカルシウム分を効率良く植
物に吸収させることができるようにすることを目的とす
る。
〔目的を達成するための手段〕
本発明の方法は、上記目的を達成するために、水に化
学石膏を添加し、加熱して溶解した後に常温に戻して0.
3〜0.5wt%の化学石膏水溶液を調整し、該化学石膏水溶
液を植物へ与える主材としたことを特徴とする。
〔作用〕
この化学石膏は、硫酸カルシウム自体の溶解度として
天然の石膏との比較で水に対する溶解度に差異はないも
のの、天然の石膏に較べて、不溶化成分が少ないという
化学組成分の違いによって、全体として見た場合に、一
定量の水に対するカルシウム成分の溶解率が相対的に優
れていることと、天然石膏の種々の組成分の加熱による
溶解度が上昇に起因するすることによる相対的なカルシ
ウム成分の溶解率の低下もなく、単位水量当たりの比較
的高濃度、ここでは、0.3〜0.5wt%の石膏水溶液を得る
ことができる。
こうした大量の水に溶解した化学石膏では、植物施肥
に際してカルシウム成分のイオン化が促進されることと
なって、植物に対する吸収効率が高まることになるので
ある。
そして、このカルシウム成分の効率良い吸収によっ
て、植物で自然発生するタンニン酸やその他の有機酸の
酸化物との反応も促進され、いわゆる「あく」と証せら
れる物質の中和を図ることができて、植物細胞の活性化
により、生花であれば、開花状態の延命や収穫される作
物、例えば茶であれば甘味を増加させる等の作用を促
す。
尚、上記化学石膏水溶液は、これをそのまま散布施肥
する他に水に希釈して、或いは他の肥料と併用して施肥
することは適宜行い得る。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について詳述する。
本発明では、例えば、1000ccの常温の水に3〜5gの化
学石膏を添加し、加熱して溶解した後に常温に戻して0.
3〜0.5wt%の化学石膏水溶液を調整し、該化学石膏水溶
液を植物へ与える主材とした。この石膏濃度は使用目的
によって選定することができるものであり、このことか
ら明らかなように、この溶解のwt%は、化学石膏の溶解
を示すものであって、その硫酸カルシウム成分の溶解を
示すものではない。
この本発明に言う化学石膏とは、それ自体公知のもの
が用いられることは言うまでもないが、天然の石膏に較
べて化学組成が異なるとろから、水に対する石膏自体の
溶解率が異なるとともに加熱による溶解率が向上すると
ころから、高濃度の石膏水溶液が得られる。
ここでは、水道水の10分の1を本発明による濃度3%
の石膏水溶液で置換した水、即ち、0.3wt%の石膏水溶
液を用いたものと、水道水をそのまま用いたものとをそ
れぞれ満たした花瓶に、開花した状態の切り花を生け
た。数日すると、通常の水道水に生けた切り花は萎れ、
鑑賞に堪えない状態となったのに対し、石膏水溶液に生
けた切り花はその数日間開花したままであり、通常の水
に生けた切り花の倍以上の期間、鑑賞に堪えうる状態を
保った。この石膏水溶液を、他に、稲、茶等に対する肥
料として用いて、カルシウム成分の効率良い吸収によっ
て、収穫物の味を改善することができる。
こうした目的では、1年について、1a当たり1kgが目
安となる。
この味の改善を目的として、本発明では、本発明の完
成に先行して、上記化学石膏を水溶液とせずに、そのま
ま施肥した実験を行っている。
このように化学石膏を水溶液としない場合には、カル
シウム成分の吸収効率が悪いことが想定されるが、そう
した条件においても、次のような結果が得られているの
参考として開示する。
同一の土壌からなる300坪づつの3区画(以下各々区
画A、Cとする)に分割した茶畑のうち、区画A及び区
画Bに対して、平成元年(1989年)12月に1袋5kg入り
のもの2袋の石膏をそれぞれ他の肥料とともに、畝の間
に施肥した。その後平成2年(1990年)3月に区画Aに
1袋5kg入りのもの2袋の石膏を夫々施肥した。尚、区
画Cは比較区として、石膏を施肥せず、通常の肥料を施
肥した。上記畑における茶の出芽時期は、平成元年12
月、及び翌年の3月の2回にわたって施肥した区画Aの
出芽時期は最も早く、4月29日までに2回収穫できた。
12月の1回のみ施日した区画Bは上記区画Aに次いで出
芽時期が早く5月2日までに2回目の収穫ができた。石
膏を施日しない上記区画Cは、5月3日までに1回も収
穫できなかった。
そして、区画Aから収穫されたお茶の葉で煎れたお茶
は区画Bから収穫できたお茶の葉で煎れたお茶に較べて
甘味があり、更に区画Aから収穫されたお茶の葉で煎れ
たお茶は、区画Cで収穫されたお茶の葉で煎れたお茶に
較べて格段に甘味があり、美味であった。
即ち、化学石膏のカルシウム成分がお茶の木の澱粉
津、蛋白質分を活性化して、タンニン酸等の酸化物との
中和反応によって甘味を増加させ、「まろやかさ」を得
ているものと推測される。
従って、こうした化学石膏の直接施肥よりもカルシウ
ム成分のイオン化が期待できる大量の水に溶解した水溶
液として施肥することで吸収効率を高め得ることは確実
で結果として味の改善が一層促進されるものである。
尚、本発明の化学石膏水溶液の施肥に際して、植物に
必要な成分、即ち、アンモニア、尿素、マグネシウム等
を含有する他の肥料を併用してもよい。
〔発明の効果〕
本発明の方法は、これまでに行われていなかった石膏
の水溶液を肥料として用いること、特に、水に化学石膏
を添加し、加熱して溶解した後に常温に戻して0.3〜0.5
wt%の化学石膏水溶液を調整して植物へ与えることで、
単位水量目当たりの石膏の溶解率の高い、また、カルシ
ウム成分のイオン化が促進され易い条件でもって、植物
に効率良くカルシウム成分を吸収させることができるに
至り、これによって、植物を活性化し生花の延命を図り
或いは酸化物との中和反応の促進してお茶等の甘味を増
加させる等の作用向上させることができるに至ったもの
である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水に化学石膏を添加し、加熱して溶解した
    後に常温に戻して0.3〜0.5wt%の化学石膏水溶液を調整
    し、該化学石膏水溶液を植物へ与える主材としたことを
    特徴とする化学石膏水溶液の植物栽培への利用方法。
JP2316721A 1990-11-20 1990-11-20 化学石膏水溶液の植物栽培への利用方法 Expired - Fee Related JP3016092B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022255448A1 (ja) 2021-06-02 2022-12-08 株式会社太陽油化 微生物製剤の製造方法、微生物製剤及び堆肥製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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