JP3014532U - 除草刃体 - Google Patents

除草刃体

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JP3014532U JP1994007029U JP702994U JP3014532U JP 3014532 U JP3014532 U JP 3014532U JP 1994007029 U JP1994007029 U JP 1994007029U JP 702994 U JP702994 U JP 702994U JP 3014532 U JP3014532 U JP 3014532U
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 タイン保持体1の両端部にそれぞれ上端部を
出退自在に取付けた左、右のスプリングタインの下端部
を、所望の間隙C1を介し平行に対向する下向き緩傾斜
の作物接触辺部9A、9Bに形成する。鎌刃10及び1
1を、前記作物接触辺部9A及び9Bの端末にそれぞれ
基部を固着し、地中貫入可能に前進方向Fに向かってハ
字状に配設する。 【効果】 作物を作物接触辺部9A、9Bの間に挾むよ
うにし、鎌刃10、11を接地して前進すると、前記の
ハ字状配置によって、鎌刃の地中切断抵抗の畦と直交す
る分力F1及びF2は、互いに内向きに作用するから、
鎌刃10、11は互いに内方に寄る。互いに内方に寄っ
た左右の鎌刃は、根元部の刃が作物の根ぎわ及び株間に
入り込み、雑草を切断することができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、トラクタ用カルチベータ及び人力除草具に用いる除草刃体であって 、とくに作物の株間及び根ぎわの除草を可能にしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、圃場の除草には、柄の先端に草掻きホー取付けた人力除草具や、双 翼または単翼の除草刃を装着したトラクタ用カルチベータが使用されている。 また、平成5年12月農経新報社(東京)発行、村井信仁著「農機開発戦略」 のp128〜129に、株間除草機が記載されている。
【0003】 前記の株間除草機は、図16に示したようなものであって、一部分を示すツー ルバー12の下部に、前進方向に沿って適当間隔に配設した自動高低調節装置4 1に機枠42を吊下げ、機枠42の後部に除草クリーナSを斜め下向きに後方へ 突設したものである。自動高低調節装置41は、平行四辺形リンク機構に対角線 方向へ湾曲した案内棒43を設け、これに加圧スプリング44を外嵌しているも のである。機枠42は、側面に付設した定規輪45が地面の凹凸によって上下す ると、平行四辺形リンク機構の作動によって自動的に地面に沿って上下する。
【0004】 上記の除草クリーナSは、休場(ヤスミバ)式として公知のものである。図1 7も参照して、除草クリーナSを説明すると、機枠42の後端部に左右対向に突 設したL形ブラケット46、47の端末部にタイン取付体48、48を止着49 し、これを後方から見て逆ハの字状に対向させて下方に突設している。そして、 左右のタイン取付体48の外周に、ピアノ線製のスプリングタイン群S1および S2の基部リング50を取付けたものである。
【0005】 スプリングタイン群S1とS2とは、間隙cが約20mmで左右に対向し、終 端部が前進方向に見てハ字状に配置されている。この株間除草機は、作物pを両 側からスプリングタイン群S1とS2とで間隙cの間に挾むようにして前進し、 各タインの先端部で土を削り、雑草wをなぎ倒すようにして引き抜くものである 。そして、前記の間隙cが約20mmと狭いので、タイン先端部が株間に干渉し 、従来は困難とされていた株間の除草を可能にしたものである。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
双翼等の除草刃を装着した従来のトラクタ用カルチベータでは、畦間の中心部 付近しか除草することができなかった。作物の根元に除草刃を近ずけると、トラ クタの蛇行などで作物を切断してしまうからである。人力除草具の場合は、株間 の除草は可能であるが、作物の根元近くの雑草を切断する際には、手元の狂いに よって時々作物を傷めることがあった。 図16に示した株間除草機は、タインには切断作用が無く、萌芽時において雑 草を引抜く初期除草には効果があるが、大きくなった雑草の除草は難しかった。
【0007】 本考案は、ある程度作物や苗木等(以下、単に作物という)が成長した圃場に おいて、雑草が大きくなっても、作物を傷めることなく作物の根際や株間の雑草 を切断することが可能な、トラクタ用カルチベータ及び人力除草具に好適な除草 刃体を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
考案者は,上記の目的達成のためにはどのようにすればよいかと種々に考え、 実験を重ねた。その結果、前進方向に刃線を向け斜め後方に傾斜させた鎌刃を、 地表直下の土中に前進させたところ、成長した雑草でもこれを切断することがで きた。また、鎌刃は、地中前進時に受ける切断抵抗によって、鎌刃の背端側に寄 せられることもわかった。
【0009】 このことから、所定の弾力を具え左右に対向するタインの下端部に鎌刃を固着 し、これを前進方向に見てハの字状に配設することを考えた。 即ち、このように配設された左右の鎌刃は、左右のタイン間に作物を挾むよう にして地中を前進させると、土と雑草を切断する抵抗力によって、互いに内方に 寄せられ、背端面の基部が当接する。この当接によって、鎌刃の根元部の刃が株 間に入り込んで雑草を切断できる筈であると考えた。 また、作物が左右のタイン下端部の間隙を通過する際に、タイン下端部の内側 面に作物の根元が接触するようにすれば、作物の太さによってタイン下端部及び 当接している鎌刃の背端面の基部が離れる。このとき、タイン下端部が鎌刃に先 行し、鎌刃によって作物が傷られることなく作物の根際の雑草を切断することが できると考えた。
【0010】 本考案に係る除草刃体刃は、上述の考えに基づいて上記の課題を解決したもの であって、次のようなものである。
【0011】 即ち、タイン保持体の両端部にそれぞれ上端部を出退自在に取付けた左、右の スプリングタインを、上部から中間部にかけてを次第に内方へ湾曲し、下端部を 所望の間隙を介し平行に対向すると共に、その内側面に作物の根元が接触する下 向き緩傾斜の作物接触辺部に形成したものである。そして、左、右の鎌刃を、前 記作物接触辺部の端末にそれぞれ基部を固着し、地中に貫入可能に前進方向に向 かってハ字状に配設したものである。
【0012】 上述と別なものは、タイン保持体の両端部にそれぞれ上端部を出退自在に取付 けた左右のスプリングタインを、上方から中間部にかけてを次第に外方へ湾曲し 、下端部を所望の間隙を介し平行に対向すると共に、その外側面に作物の根元が 接触する下向き緩傾斜の作物接触辺部に形成したものである。そして、左、右の 鎌刃を、前記作物接触辺部の端末にそれぞれ基部を固着し、地中に貫入可能に前 進方向に向かって逆ハ字状に配設したものである。
【0013】 さらに別なもう一種類のものは、二またスプリングタインを、左右に張出した 上辺部の両辺に連なる中間部から下部を中央部へ向けて次第に狭まる下向き緩傾 斜に湾曲し、両下端部を所定の間隙を介し対向させると共に、その内側面を作物 の根元が接触し通過する作物接触辺部にし、左右対称に形成したものである。そ して、前記二またスプリングタインの上辺部中央に柄取付手段を立設し、前記両 下端部の作物接触辺部端末にそれぞれ基部を固着し、地中に貫入可能に前進方向 に向かってハ字状に、左、右の鎌刃を配設したものである。
【0014】
【作用】
実施例と共に述べる。
【0015】
【実施例】
本考案の実施例1を、図1ないし図6に基づいて説明する。 まず、後面図である図1及び平面図である図2において、1はタイン保持体で あり、両端開口の中空管2、中空管の中央部に突設した支杆3、中空管2の両端 部上面に螺着している止めねじ4、4から成っている。支杆3は、図3に示すト ラクタ用カルチベータの機枠17後部の支杆取付管18に取付けるものであり、 支杆取付管18に結合されたときに、中空管2が前進方向Fに対し直交かつ水平 となるように、中空管2に突設している。前記の支杆3は、例えば、支杆取付管 18が前進方向に沿って水平に設けられていれば、中空管2と直交かつ水平に中 空管2の中央部に固着する。即ち、支杆3は、支杆取付管18の態様によって、 中空管2への突設状態を変えるものである。中空管2は、呼称3/4inの鋼管 で、長さ約23cmである。中空管2は、前記鋼管とほぼ大きさが等しい角パイ プにしてもよい。
【0016】 5及び6は、左、右のスプリングタインであり、上端部に板片7の一端をそれ ぞれ固着し、板片7を向かい合わせに中空管2の両端部に止めねじ4で出退自在 に取付けるようになっている。板片7は、中空管2に挿入され止めねじ4で押さ れると、両側下縁が中空管2の内周面に当接し、中間管2と平行に取付けられる ようになる。中空管2を角パイプにした場合は、板片7を角パイプに丁度はまる 角棒にする。
【0017】 左、右のスプリングタイン5及び6は、上部から中間部にかけてを次第に下方 へそれぞれ弧状張出し部8A及び8Bに湾曲し、下端部をその内側面に作物の根 元が接触する下向き緩傾斜の作物接触辺部9A及び9Bに形成し、板片7、7を 中空管2の両端部に取付けたとき、所望の間隙C1を介し平行に対向すると共に 、タイン保持体1に対し左右対称となるものに形成したものである。弧状張出し 部8A、8Bは、後述するように、作物を間隙C1を通過させて除草する際に、 作物が触れて傷められないように左右に張出すものであるが、中空管2が長い場 合には、張出し量をごくわずかにしてもよい。作物接触辺部9A、9Bの下向き 緩傾斜は、次第に上方から水平面に接近(図4参照)する傾斜である。間隙C1 は、板片7、7を中空管2の両端部にそれぞれ最も押し込んだとき、約20mm であり、作物の根元の太さに近似するように、板片7を内、外方にずらして調節 する。
【0018】 左、右のスプリングタイン5及び6は、線径6mmのバネ鋼製で、a点とb点 との間の直線寸法が約39cmである。また、板片7を水平に固定し、板片7と 平行に荷重をb点にかけ内方に変位させたときのばね定数kは、約80g/mm である。
【0019】 10及び11は鎌刃であり、厚さ2mm、幅2cm、刃線の長さが約12cm で、草刈鎌と同じ三日月形である。鎌刃10及び11は、図2のように、前進方 向Fに刃線hを向け平面視でハ字状となるように、基端部を作物接触辺部9A及 び9Bの端末にそれぞれ固着し、貫入角を与えている。前記ハ字状の配置は、刃 線hの延長線が前進方向Fと成す角、つまり鎌刃の切断角が45゜〜50゜にな るような配置である。この切断角の場合、雑草が刃線に沿って滑り切断され、刃 への絡みつきがきわめて少なかった。 貫入角は、図14に示しているαで、約6゜〜12゜である。このように小さ な貫入角の場合、鎌刃10、11は地中に深く貫入しない。したがって、鎌刃は 地表面からわずかに下方で雑草の根を切断し、地中の切断抵抗も小さくなる。
【0020】 図3は、実施例1の除草刃体を5畦用トラクタ用カルチへ゛ータに装着した一 例を示す後方斜視図であり、図4は側面図である。 図3、図4において、12は、トラクタの油圧三点支持装置に連結する公知の ツールバーであり、両側に定規輪13を具えている。ツールバー12の下面には 、従来技術で説明した自動高低調節装置14の上部リンク15を畦間隔に合わせ て止着16し、自動高低調節装置14の下部リンクが機枠17になっている。機 枠17の後端部中央に、支杆取付管18を垂直に固着し、支杆取付管18の後面 の下部中央には、止めねじ19を螺着している。
【0021】 実施例1のものは、支杆3を下方から支杆取付管18に挿入し、止めねじ19 で固定すると、支杆3の両側面が支杆取付管18の内面に当接し、左右には振れ ないように機枠17に取付けられると共に、中空管2がトラクタ用カルチベータ の前進方向Fに対し直交かつ水平に固定される。
【0022】 図5は、実施例1の鎌刃の作動を説明するための摸式図である。 即ち、鎌刃10、11をほぼ水平に接地させ、一点鎖線で示している畦に植栽 されている作物pの列に、作物接触辺部9A、9Bの間隙C1を合わせ、トラク タ用カルチベータを前進させると、鎌刃10、11は貫入角によって地中に貫入 しながらほぼ一定深で前進する。地中を前進する鎌刃10及び11は、それぞれ 抵抗中心点に土や雑草の切断抵抗R1およびR2を受ける。抵抗R1は、畦方向 に沿った分力E1と、畦に直交な分力F1の合力であり、同様に抵抗R2は分力 E2と分力F2の合力である。分力F1及びF2は、スプリングタイン5及び6 の弾力に抗し作物接触辺部9A及び9Bをそれぞれ畦の中心部へ変位させる力と なり、図6のように、鎌刃10、11を互いに内方に寄せ、背端面の基部を当接 させる。背端面の基部が当接すると、鎌刃10と11は刃の根元部が畦の中心部 付近まで入り込み、株間の雑草wを切断する。
【0023】 トラクタ用カルチベータの前進にともなって、作物接触辺部9A、9Bが作物 pの位置になると、作物接触辺部9A、9Bの内側面が作物の根元に接触しなが ら作物の太さで左右に離され、当接している鎌刃10と11の背端面の基部も離 れ、作物を通過させる。このとき、スプリングタイン5及び6の復帰弾力は、図 5で説明した力F1及びF2に対し反対方向に働き、作物接触辺部9A、9Bが 作物の根元を押圧する力を弱め、作物の損傷を防止する。
【0024】 次に実施例2のものを、図7ないし図10に基づいて説明する。図7、図8及 び図9は、それぞれ実施例2の平面図、後面図及び側面図であり、図10はトラ クタ用カルチベータに装着した一例の後方斜視図である。 これらの図において、20はタイン保持体であり、実施例1のタイン保持体1 と同様に、中空管21、支杆22及び止めねじ23、23を具える。板片24、 24は、実施例1の板片7、7に相当している。25は、止めねじ23を螺着す るための雌ねじ片で、中空管21の両端部の上部内周面に固着している。26は 止めねじ23のロックナットである。
【0025】 27及び28は左、右のスプリングタインであり、それぞれ上端部に一端を固 着した板片24を、向かい合わせに中空管21の両端部にそれぞれ挿入し、止め ねじ23、ロックナット26で固定し、タイン保持体20に取付るようになって いる。そして、左、右のスプリングタイン27、28は、上部から中間部にかけ て外方へ弧状張出し部29A及び29Bに湾曲し、下端部が外側面間の間隙Cで 平行に対向すると共に、その外側面に作物の根元が接触する作物接触辺部30A 及び30Bに形成し、タイン保持体20に体し左右対称になるように形成したも のである。前記の間隙Cは約50cmであり、図10のように、隣合わせの機枠 17に取付けられた作物接触片部30Aと30Bが、作物pを間隙C2を介し挾 むようになるものである。 弧状張出し部29A、29Bは、中空管21の水平状態において、図9の側面 図のように、後方から見ると凹弧状に湾曲し、作物接触辺部30A、30Bを下 向き緩傾斜で次第に水平面に接近させるようになっている。
【0026】 上記の弧状張出し部29A、29Bの張出し量は、図7において、a点から水 平に外方へ約14cmである。この張出し量は、図10に示すように、作物pを 傷めないように通過させる空間eを、隣合っている機枠17に取付けられたスプ リングタイン27と28の間に形成するものである。 スプリングタイン27、28は、線径6mmのバネ鋼製で、図8のa点とb点 との間の直線寸法が約27cmである。また、板片24を水平に固定し、外方へ 板片24と平行に荷重をb点にかけたときのばね定数kは、約120g/mmで ある。
【0027】 10、11は実施例1と同じ鎌刃であり、図7のように、前進方向Fに刃線h を向け、地中に貫入可能に平面視で前進方向に向かって逆ハの字状の配置となる ように、基部を作物接触辺部30A及び30Bの端末に固着している。鎌刃10 、11は、上記の配置で、実施例1と同じく切断角が45゜〜50゜になってい る。また、貫入角は約6゜〜12゜である。
【0028】 図10は、実施例2のものをトラクタ用カルチベータに装着した一例を示して いる。図中、ツールバー12、自動高低調節装置14、機枠17、支杆取付管1 8及び止めねじ19等は、図3のものと同じである。実施例2のものは、機枠1 7の後端部に垂直に固着した支杆取付管18にタイン保持体20を、実施例1の ものと同様に取付け、トラクタ用カルチベータに装着する。このとき、隣合って いる機枠17に取付けられたスプリングタイン27と28の作物接触辺部30A と30Bの間隙C2が、最小約20mmとなるように、予め板片24をタイン保 持体20に固定しておくものである。実施例2は、板片24、24をそれぞれ中 空管21の両端から出退して、間隙C2を調節する。
【0029】 作業に当たっては、トラクタ用カルチベータは、畦Rに植栽された作物pを、 隣合っている機枠17に取付けられたスプリングタイン27と28の間に挾み、 鎌刃10及び11をほぼ水平に接地させて前進を始める。そうすると、鎌刃10 及び11は貫入角によって地中に切込みながら、作物の根際から外方の雑草を切 断する。そして、鎌刃10及び11が逆ハ字状の配置になっているので、土及び 雑草の切断抵抗によって、隣合っている機枠17に装着された鎌刃10、11は 、図5で説明したように、互いに内方に寄せられて背端面の基部が当接する。こ の当接によって、図6で説明したのと同様に、鎌刃根元部の刃が株間に入り込み 、株間の雑草wを切断する。
【0030】 株間を過ぎると、作物接触辺部30A及び30Bは、下向き緩傾斜によって作 物の根元の外側に入り込み、外側面(隣合っている機枠17のものどうしは内側 面となる)が作物の根元に接触しながら作物の根元の太さで離され、鎌刃10、 11の背端面の基部も離される。離される際に、作物接触辺部30A、30Bに は、実施例1の場合と同様に、スプリングタイン27、28の復帰弾力が働き、 作物を傷めることなくその内側を通過させる。 なお、 実施例2のものは、隣合っている機枠17のスプリングタイン27と 28の上部の間が広い空間eになるので、高く成長した作物を傷めることなく通 過させることができるという長所がある。
【0031】 図10において、左端及び右端のタイン保持体20は、それぞれスプリングタ イン27及び28を取外している。その理由は、図中の中央部の機枠17に装着 されているものは、鎌刃10及び11が切断抵抗によって外方に寄せられ互いに 背端面の基部が接触し、それ以上は外方に寄せられない。しかし、左右両端の鎌 刃は背端面の基部が当接する相手がないので、左端ではスプリングタイン27の 鎌刃10、右端ではスプリングタイン28の鎌刃11が、それぞれ畦の中心部よ りも外方に寄せられ、作物pを切断してしまうからである。
【0032】 次に実施例3を、図11ないし図15に基づいて説明する。 図11、図12及び図13は、それぞれ正面図、側面図及び平面図である。こ れらの図において、31は二またスプリングタインであり、32は人力用の柄を 取付けるための柄取付手段である。10、11は、実施例1で説明したのと同じ 鎌刃である。
【0033】 二またスプリングタイン31は、左右に張出している上辺部33の両辺に連な る中間部から下部が、次第に中央部に向かって狭まると共に、下向き緩傾斜に湾 曲され、両下端部が所定の間隙C3を介し平行に対向し、その内側面が作物の根 元に接触する作物接触辺部34Aと34Bとなり、全体として左右対称に形成さ れている。そして、図12のように、側方視が前進方向Fに対し凹弧に湾曲し、 作物接触辺部34A、34Bの下向き緩傾斜を水平面に対し約15゜上向きにし たときに、上辺部33がほぼ垂直に立つようになっている。上辺部33は、実施 例の円弧状のほか、楕円状、角形などにしてもよい。
【0034】 二またスプリングタイン31は、線径6mmのバネ鋼製で、図12におけるa 点とb点間の直線寸法が約27cm、上辺部33の内側寸法が15cm、間隙C 3は約20mm、作物接触辺部34A、34Bの平行部の長さが約4cmである 。また、作物接触辺部34A、34Bを、図13のb点で外方へ水平に引くとき のばね定数kは、約140g/mmである。
【0035】 鎌刃10、11は、作物接触辺部34A及び34Bの端末に、刃線hを前方に 向けてそれぞれ基部を固着し、図14のように、貫入角αが約6゜〜12゜で、 前進方向に向かってハ字状に配置されている。前記ハ字状の配置によって、鎌刃 10、11の切断角は、約45゜〜50゜になっている。
【0036】 柄取付手段32は、止めねじ37を下部に螺着している柄取付管35と、二ま たスプリングタイン31の上面中央部に立設した支杆36とから成っている。支 杆36は、柄取付管35に下方から挿入し止めねじ37で固定するものであり、 柄取付管35は、呼称3/4in、長さ約10cmの鋼管である。図12におい て、38は雌ねじ片であり、柄取付管35の内周面に固着して止めねじ37を螺 着し、止めねじ37には、ロックナット39を付設している。 柄取付手段32は、図示のものに限るものではない。例えば、柄の先端部に切 込み部を刻設し、それに支杆36を差し込んで柄と支杆36を木ねじで固定する 方法や、柄取付管35の前端面に二またスプリングタイン31の上端面の中央部 を直接固着するなど、適宜な手段にすることができる。
【0037】 支杆36は、図12のように、ほぼ垂直に立った状態の二またスプリングタイ ン31の上辺部33の上面中央部に、前傾をさせて下端部を固着している。この ように支杆36を前傾させるのは、図15のように、柄40を柄取付管35に取 付けたとき、柄角が人力除草具における立姿、後退による引き込み作業に適当と される30゜〜40゜になるようにするためである。
【0038】 実施例3のものは、図15に示すように、柄40を柄取付管35に先端部を差 し込み木ねじ等で固定し、人力除草具として使用する。使用に当たっては、作業 者は、二またスプリングタイン31の作物接触辺部34A、34Bの間隙C3を 作物列に合わせ、鎌刃10、11をほぼ水平に接地させ、立姿、後退の引き作業 で除草を行う。即ち、柄40を手前に引くと、鎌刃10、11は貫入角によって 地中に切込み、刃線hで雑草wを切断する。このとき、作物pは、鎌刃10、1 1より先行する作物接触辺部34A、34Bの内側に位置しているから、鎌刃1 0、11で切断されない。作物が大きくなっている場合でも、茎葉は広い空間に なっている上辺部33の内側を通過するので、傷められることがない。作物接触 辺部34A、34Bが作物pを通過すると、図6で説明したように、鎌刃10、 11は背端面の基部が当接し、根元部の刃が株間に入り込み、株間の雑草wを切 断する。
【0039】 実施例1ないし3において説明したところ明らかなように、鎌刃が地中の切断 抵抗によって内方または外方に寄せられないような、ばね常数kの大きなスプリ ングタインでは、株間の除草はできない。スプリングタインのばね定数kは、圃 場の土の硬軟や鎌刃の刃長等で適当に選択しなければならないが、実施例1ない し実施例3程度のばね定数kのものは、一般的な圃場において、好結果が得られ るものである。
【0040】
【考案の効果】 本考案は,上述のように構成されているので、次に記載する効果を奏する。 対向する左、右のスプリングタインの下端部を、所望の間隙を介し平行に対向 する作物接触辺部にし、この作物接触辺部の端末に左、右の鎌刃をそれぞれ基部 を固着し、地中貫入可能に前進方向に向かってハ字状に配設したことにより、鎌 刃を作物接触辺部の間に作物を通過させるように鎌刃を接地して前進させると、 左、右の鎌刃は地中切断抵抗によって、株間ではスプリングタインの弾力に抗し 互いに内方に寄せられ、背端面の基部が当接する。したがって、鎌刃根元部の刃 が株間に入り込んで、株間の雑草を切断することができる。 作物の箇所では、左右の作物接触片部が作物の根元に接触しながら前進するの で、鎌刃根元部の刃が作物の根ぎわの雑草を切断することができる。
【0041】 また、左、右のスプリングタインを対向に設け、下端部の作物接触辺部の端末 に、前記と同様に基部を固着し、逆ハ字状に左、右の鎌刃を配置したことにより 、隣合わせに装着される除草刃体の作物接触辺部を所望の間隙を介し平行に対向 させ、前記間隙に作物を通過させるように鎌刃を接地して前進させると、鎌刃は 貫入角で地中に貫入しながら前進する。そして、上述と同様に、左、右の鎌刃に かかる切断抵抗は、株間では鎌刃の背端面基部を当接させる。したがって、鎌刃 根元部の刃が株間に入り込んで、株間の雑草を切断することができる。
【0042】 さらに、左、右のスプリングタインの下端部に、その間に作物の根元に接触す る作物接触辺部を所望の間隙を介し形成したことにより、地中切断抵抗で当接し ている鎌刃背端面の基部を、作物接触辺部が作物根元に接触しながら根元の太さ に離し、作物を通過させる。したがって、鎌刃根元の刃が作物の根元に近接しな がら、作物の根際から外方の雑草を切断することができる。このとき、スプリン グタインの復帰弾力は、鎌刃を内方に寄せる切断抵抗力と反対方向に働き、作物 接触辺部が作物の根元を押す力を弱めるので、作物の損傷を防止することができ る。
【0043】 また、左、右の鎌刃を、左、右の作物接触辺部の端末に基部をそれぞれ固着し 、前進方向に向かってハ字状または逆ハ字状に配設したことにより、前進時に作 物接触辺部は鎌刃に先行して作物を通過させるので、鎌刃で作物が切断されるこ とを全くなくすることができる。このことは、実施例3を人力除草具に用いたと きに、能率的に除草作業をする上で顕著な効果が得られる。即ち、作業者は、作 物を左右の作物接触辺部の間に挾み、立姿、後退の引き作業を繰返して後退する だけで、作物を傷めることなく作物の根際及び株間の除草ができ、この間格別の 注意を要しないからである。 さらに、実施例1及び2のものは、タイン保持体の両側に左、右のスプリング タインの上端部を出退自在に取付けたことにより、繁茂している作物でもこれを 傷めることなく、左、右のスプリングタインの間隔を変えて通過させることがで きる。したがって、作物の種類や除草時期に対し広く対応できる除草刃体を提供 することができる。
【提出日】平成6年7月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【 従来の技術】 従来 から、圃場の除草には、柄の先端に草掻きホー取付けた人力除草具や、双翼ま たは単翼の除草刃を装着したトラクタ用カルチベータが使用されている。 また 、平成5年12月農経新報社(東京)発行、村井信仁著「農機開発戦略」のp1 28〜129に、株間除草機が記載されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の後面図である。
【図2】実施例1の平面図である。
【図3】実施例1を装着したトラクタ用カルチベータの
後方斜視図である。
【図4】図3の一部破断の側面図である。
【図5】実施例1の鎌刃の作動を説明するための斜視図
である。
【図6】実施例1の株間除草時の態様を示す斜視図であ
る。
【図7】実施例2の平面図である。
【図8】実施例2の後面図である。
【図9】実施例2の側面図である。
【図10】実施例2を装着したトラクタ用カルチベータ
の後方斜視図である。
【図11】実施例3の正面図である。
【図12】実施例3の側面図である。
【図13】実施例3の平面図である。
【図14】図13のA−A線とB−B線の拡大断面図を
含む要部正面図である。
【図15】実施例3を柄に取付けた人力除草具の使用状
態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1、20 タイン保持体 2、21 中空管 3、22 支杆 4、23、37止めねじ 5、27 左スプリングタイン 6、28 右スプリングタイン 8A、8B、29A、29B 弧状張出し部 9A、9B、30A、30B、34A、34B 作物接
触辺部 10、11 鎌刃 31 二またスプリングタイン 32 柄取付手段 33 上辺部 C、C1、C2、C3 間隙 F 前進方向 h 刃線 P 作物 w 雑草
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年7月16日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図16ページ(2/2)
【補正方法】追加
【補正内容】
【図16】従来の株間除草機の一例の要部を示す後方斜
視図である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図17
【補正方法】追加
【補正内容】
【図17】図16中の符号S部の構成ならびに作用を説
明するための平面斜視図である。

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】タイン保持体と、このタイン保持体の両端
    部にそれぞれ上端部を出退自在に取付け、上部から中間
    部にかけてを次第に内方へ湾曲し、下端部をその内側面
    に作物の根元が接触する下向きに緩傾斜にすると共に、
    所望の間隙を介し平行に対向する作物接触辺部に形成し
    た左、右のスプリングタインと、前記作物接触辺部の端
    末にそれぞれ基部を固着し、地中に貫入可能に前進方向
    に向かってハ字状に配設した左、右の鎌刃と、から成る
    除草刃体。
  2. 【請求項2】タイン保持体と、このタイン保持体の両端
    部にそれぞれ上端部を出退自在に取付け、上部から中間
    部にかけてを次第に外方へ湾曲し、下端部をその外側面
    に作物の根元が接触する下向き緩傾斜にすると共に、所
    望の間隙を介し平行に対向する作物接触辺部に形成した
    左、右のスプリングタインと、前記作物接触辺部の端末
    にそれぞれ基部を固着し、地中に貫入可能に前進方向に
    向かって逆ハ字状に配設した左、右の鎌刃と、から成る
    除草刃体。
  3. 【請求項3】上辺部を左右に張出し、この上辺部の両辺
    に連なる中間部から下部を中央部に向けて次第に狭まる
    下向き緩傾斜に湾曲し、両下端末部を所定の間隙を介し
    対向させ、その内側面を作物の根元に接触する作物接触
    辺部にすると共に、左右対称に形成した二またスプリン
    グタインと、この二またスプリングタインの上辺部中央
    に立設した柄取付手段と、前記両下端部の作物接触辺部
    端末にそれぞれ基部を固着し、地中に貫入可能に前進方
    向に向かってハ字状に配設した左、右の鎌刃と、から成
    る除草刃体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3423952B2 (ja) 1995-02-19 2003-07-07 株式会社キュウホー 人力畑用株間除草器
JP2012000040A (ja) * 2010-06-16 2012-01-05 Kyuuhoo:Kk 除草装置
JP2019170347A (ja) * 2018-03-29 2019-10-10 未来工業株式会社 除草ボート用アタッチメント、及び除草ボート

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JP2012000040A (ja) * 2010-06-16 2012-01-05 Kyuuhoo:Kk 除草装置
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