JP3013844U - 偏光子及び検光子を合体、接合した高倍率ルーペ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高倍率のレンズに偏光子、検光子を合体、あ
るいはマグネット等により接合させ一体化することによ
り小型軽量なルーペを作成し、位相差を含めた物体像を
高分解度で観測する。 【構成】 レンズ鏡筒２内に検光子３を含む検光子ホル
ダ４を固定し、これに採集した標本を張付けた試料ホル
ダ５、及び偏光子６を含む偏光子ホルダ７をマグネット
磁力により取付けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、採集した標本試料等をを観測する際に、高倍率でしかも位相差を持 たせた像を直視することが可能であり、生物、鉱物、工業的な分野等の幅広い分 野での応用観察に用いることが出来る単一ルーペに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の偏光利用の際の観察方法では、偏光顕微鏡などが標本の観測に使用され ていたが、光学系が複雑で顕微鏡の対物レンズのピントの微調節など操作が面倒 であり、又、視野が暗いため高い輝度の照明用光源が必要である。従って採集標 本を野外で手軽に観測するようなことは可能でなく、この種の偏光応用では室内 で観察が行なわれてきた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の偏光顕微鏡のような複雑な光学系を持たず、単レンズのルーペの鏡筒に 、偏光板を取り付け標本を観察する簡易な機構を特に考案した。本考案は、極め て軽量小型で容易に携帯でき、照明光源が不用で物体の位相差が観測できるルー ペを提供することを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案によるルーペでは、特に開発した高倍率で収 差の少ない明るい広視野の非球面レンズを用いた。これを小口径の鏡筒等に取付 け、極めて簡単な光学系を工夫した。鏡筒の内部に検光子を収め固定し、その外 側の端面に標本試料用の試料ホルダを取付けた。さらにこれに、偏光子を収めた ホルダを取り付ける方法を工夫した。

【０００５】 試料ホルダは、例えば穴の開いたマグネットなどで作られており、鏡筒内部の 金属部品からなる検光子ホルダとマグネット接合する。又、偏光子を収めた金属 のホルダは上記試料ホルダにマグネット接続されており、回転が自由である。試 料は透明なテープなどに張付けたのち、試料ホルダに接着するので、太陽などの 自然光の方向に試料を向ければ観測に十分な明るさが得られる。

【０００６】

【作用】

高性能レンズにより、高解像度の明るい試料像が観測可能になる。マグネット 接合のため、試料ホルダによる標本の着脱固定が容易で、特別な機構を施さなく ても偏光子が自由に回転し、偏光、位相観察の機能を実施することが出来る。

【０００７】

【実施例】

実施例について図面を参照して説明する。 図１において（ａ）は本考案による装置全体の外観を示す。（ｂ）はその断面図 で各部品の詳細を示す。レンズ１は、例えばプラスッチク材質の非球面の単レン ズ等を使用したもので、視野が非常に広く高倍率で軽量な光学系が得られる。し かし、もちろん球面形状のガラス複合レンズ等であってもよい。検光子ホルダ４ は、マグネットに付着可能な金属材料の枠で作られており、内面に検光子３が光 軸に直角に取り付けられている。このホルダは図１に示すように、円筒形状のレ ンズ鏡筒２の内部に固定されている。レンズ鏡筒２は装置全体が軽量で簡便であ るため、例えば樹脂性の鏡筒でも強度的に十分耐久性がある。

【０００８】 試料ホルダ５は、マグネット材料の枠から作られており、検光子ホルダ４を介 してレンズ鏡筒２に取り付けられる。図２は、採集標本９を例えば両面接着テー プ８に張付けた後、上記試料ホルダ５に上から取り付ける方法の例を示す。テー プは透明であるが、観察の際に標本をのせた面をレンズと向い合わせとなるよう にし、試料ホルダ５をセットする。

【０００９】 偏光顕微鏡等の位相を測定する光学系では、一般に検光子が回転し偏光子はあ る一定方向に固定されている。本考案による方法では装置の機構を簡易にするた め、これとは逆に偏光子が回転し、検光子が固定されている。すなわち入射光側 の偏光子６は、マグネットに付着可能な金属材料の枠からなる偏光子ホルダ７の 内部に取り付けられ、試料ホルダ５に磁力で接合したときに自由に回転すること ができる。しかし、これらの偏光子６及び検光子３は、これらの方法とは全く別 の機構を工夫することによって、レンズ鏡筒２に取り付けてもよい。

【００１０】 図１の（ｂ）図で、レンズ鏡筒２の底面方向より入射する光は、偏光子６によ りある一定の振動方向を持つ直線偏光となる。標準試料面内のある物点からレン ズに入射した光線は検光子３を透過後、この図の点線で示すようにレンズ１に集 光する。目の位置はレンズの上方にあり、明視の位置にこの物点からの虚像が倍 率拡大され結像される。この結果、位相が変化した物体像が観測される。

【００１１】

【考案の効果】

本考案は、以上に説明された様に構成されるので以下に記載されたような効果 を生む。

【００１２】 非球面のレンズを用いることにより、高倍率で収差の少ない像が広い視野で観 測可能となる。機構が簡単で小型軽量であり、高輝度の照明光源などが不用なた め、野外などに自由に携帯することが出来る。このため鉱物、化石等の標本の位 相を含めた情報を、採集したその場で観測することが可能である。産業用などの 応用の一例として、ガラスを含めた透明材料の表面の傷、欠け、割れ等の欠陥を 明確にとらえることが出来る。又、コロイド粒子の観察、砂糖などの結晶化の観 察などにも用いられ、理科教育の簡便な教育用具として、大いに役立てられる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）偏光子、検光子を取り付けた高倍率ルー
ペの外観図 （ｂ）上記ルーペの詳細を示す断面図

【図２】採集標本の試料ホルダへの取付けを示す図

【符号の説明】

１ レンズ ２ レンズ鏡筒 ３ 検光子 ４ 検光子ホルダ ５ 試料ホルダ ６ 偏光子 ７ 偏光子ホルダ ８ 両面接着テープ ９ 採集標本

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【手続補正書】

【提出日】平成７年１月１８日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【実用新案登録請求の範囲】

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 レンズ（１）に偏光子（６）及び検光子
   （３）を合体、接合し一体化した軽量、小型のルーペ。
2. 【請求項２】 請求項１に記載された方法で試料ホルダ
   （５）の枠をマグネット材料とし、偏光子（６）を有す
   る金属材料枠からなる偏光子ホルダ（７）を、磁力によ
   り共にレンズ鏡筒（２）に接合、回転可能にする方法。