JP3013762U - 塗装表面の静電気除去装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗装面の静電気を除去 【構成】 高圧電源の高圧端子側をイオン発生管内に配
置された放電針と対峙電極に接続する。このイオン発生
管内に圧縮空気を導く高圧チューブを，除電ガンの把手
部に配置した圧力調整弁に接続する。上記イオン発生管
内に対峙電極を電荷吸収体を介して導電性筐体に接続す
る。この電荷吸収体は銅板を繰り返し折曲して形成す
る。 【効果】 イオン発生管からの噴出空気を圧力を簡単に
調整できる。また，アース接地不要のため本塗装体の移
動性は飛躍的に向上する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動車等の塗装面を塗装する際にその表面に付着している塵埃や帯電 している静電気を除去する塗装表面の静電気除去装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

自動車の板金塗装作業は，損傷したボディ表面を板金修正し，ペーパーサウン ドし，シリコーンオフを塗布した布等でその表面を更に研磨し，塗装ブースに移 動させ，塗装表面に付着している塵埃をエアーガンにて吹き飛ばす。塗装乾燥後 の塗膜には通常かなりの塵埃（チリ）が付着しているため，この一つ一つのチリ をペーパーサウンドによって丹念に除去する。塗装表面の静電気がこのチリ付着 の原因である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

絶縁体である塗膜表面には静電気が発生しやすく，エアーガンによる圧縮空気 噴出流でも付着した塵埃は除去しきれないのが現状である。この噴出流が塗膜を 擦るため，塗膜表面にはいっそう静電気が発生し，周囲に浮遊する塵埃が静電付 着する。この静電気問題を解決すべく本出願人は，噴出流にイオン化気体を採用 する（特願平６−１１７５３１号，実願平６−７６２８号）。本考案はアース問 題と圧縮空気調整の改良に関するもので，以下図面に基づいて詳しく説明する。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

高圧交流電源の一方の出力端を，イオン発生管内の放電針に接続し，他方の出 力端をこのイオン発生管内の対向電極に接続し，この対向電極側を，銅板を折曲 した電荷吸収体に接続し，更にこの先端を導電性筐体に接続すると共に，イオン 発生管の把手部底部に圧力調整弁を配置し，イオン発生管に圧縮空気を供給する 高圧チューブをこの圧力調整弁に接続する。

【０００５】

【作用】

リーケージトランスの二次巻線側には約７千ボルトの高圧交流電圧が発生する 。イオン発生管内の複数の放電針とこれに対峙する電極とのあいだに，気中放電 破壊（コロナ放電）が発生し，管内を流れる圧縮空気をイオン化する。放電針の 周囲には交互にプラスイオンとマイナスイオンが発生する。放電針が多くなるに つれて，イオン分布は均一になり，イオン密度は高くなる。圧縮空気圧力を５気 圧に採ると，イオン発生管内には約１７０／ｍｉｎのイオン化気体が流れる。放 電針経路に配置した抵抗値が１０Ｍオームの時，イオンバランスは±２０Ｖであ った。放電針に対峙する電極側はアース接地すべきであるが，本考案では電荷吸 収体を介して導電性筐体に接続されているため，その必要はない。イオン発生管 内を流れる圧縮空気の圧力は，被塗装体の種類に応じて適宜調整する必要がある 。本考案では除電ガンの把手部に圧力調整弁を配置してあるため，簡単に吐出圧 力を調整できる。

【０００６】

【実施例】

商用交流電源を約７千ボルトに昇圧するリーケージトランス９の高圧端子側に ，抵抗値が１０Ｍオームの抵抗１２とコンデンサー１０そして複数の放電針１１ を接続する。除電ガン２の先端のイオン発生管３内には，この放電針１１が放射 状に３本配置され，他方のアース電極側と対峙している。銅板を繰り返し折曲し た電荷吸収体６を導電性筐体１内に配置し，このアース電極側にこの電荷吸収体 ６の一端を接続し，他端を導電性筐体１に接続する。電荷吸収能力が高い銅板と 導電性筐体の併用により，アース接地は不要となる。リーケージトランス９を使 用する場合，イオン発生量の高維持やグロー放電阻止のためアース接地は必要と なり，イオン発生装置の移動性の難点になっていた。本考案ではこのアース接地 不要により移動性は飛躍的に向上する。 イオン発生管３内の放電針１１とこれに対峙する電極間に高電圧が印加される と，電子が電界放出され気体は電子なだれを伴ってコロナ放電が発生する。この 発生した正負イオンを吐出する圧縮空気は，導電性筐体１に配置した空気フィル ターを経て除電ガン２に導かれる。この除電ガン２の把手部底部に圧力調整弁７ を取付け，導電性筐体１から伸びる高圧チューブ４をこの圧力調整弁７に接続す る。なお，符号５は高圧ケーブルである。

【０００７】 イオン発生管３内で発生した正負イオンは再結合しやすい。この正負イオンは 圧縮空気により被塗装面に吹きつけられ，塗膜表面の静電気を中和する。経験的 に塗装表面の中和状態は１０分程維持されるため，吹き飛ばされた塵埃や浮遊し ているチリ等の塗装面への再付着は阻止される。

【０００８】

【考案の効果】

要するに，本考案は除電ガン２の把手部に圧力調整弁７を配置したため，被塗 装体の種類や塗膜状況に応じて適宜その吐出圧力を調整でき，最適な静電気除去 を維持できる。更に，アース電極側を電荷吸収体６と導電性筐体１に接続するた め，アース接地は不要となり作業性は著しく向上した。

【図面の簡単な説明】

【図１】斜視図である。

【図２】除電ガンの拡大図である。

【図３】イオン発生回路図である。

【符号の説明】

１ 導電性筐体 ２ 除電ガン ３ イオン発生管 ４ 高圧チューブ ５ 高圧ケーブル ６ 電荷吸収体 ９ リーケージトランス １１ 放電針

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 高圧電源の一方の出力端を，イオン発生
   管３内の放電針１１に接続し，他方の出力端をこのイオ
   ン発生管３内の対向電極に接続し，イオン発生管３内に
   圧縮空気を導く高圧チューブ４を，除電ガン２に配置し
   た圧力調整弁７に接続する，塗装表面の静電気除去装
   置。
2. 【請求項２】 高圧交流電源の一方の出力端を，イオン
   発生管３内の放電針１１に接続し，他方の出力端をこの
   イオン発生管３内の対向電極に接続し，この対向電極側
   を電荷吸収体６を介して導電性筐体１に接続してなる，
   塗装表面の静電気除去装置。
3. 【請求項３】 高圧交流電源の一方の出力端を，イオン
   発生管３内の放電針１１に接続し，他方の出力端をこの
   イオン発生管３内の対向電極に接続し，この対向電極側
   を，銅板を折曲した電荷吸収体６に接続し，更にこの先
   端を導電性筐体１に接続すると共に，イオン発生管３の
   把手部底部に圧力調整弁７を配置し，イオン発生管３に
   圧縮空気を供給する高圧チューブ４をこの圧力調整弁７
   に接続してなる，塗装表面の静電気除去装置。