JP3013667B2 - 薄膜の表面状態の評価方法 - Google Patents

薄膜の表面状態の評価方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体基体上に
形成された薄膜を機能性材料として用いる半導体素子の
製造などに利用される薄膜の表面状態の評価方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体基体の表面上に形成される酸化膜
あるいは窒化膜などの薄膜の表面清浄度あるいはそれに
対する液体の濡れ性などは、それ以後の半導体素子の製
造工程ないしでき上がった素子の特性に大きな影響をも
つ。従って、任意の段階でそのような薄膜の表面状態に
ついての情報を得て評価することができれば、半導体素
子の特性向上あるいは生産管理の上に極めて有利であ
る。
【0003】薄膜の表面状態評価方法としては、従来、
イオンマイクロアナライザ (IMA) 、光電子分光装置
(ESCA) 、低速イオン散乱スペクトル装置 (IS
S) 、走査型オージエ電子分光装置 (SAM) 、低速電
子回折 (LEED) 、X線吸収広域連続微細構造 (EX
AFS) 、ラザフォード後方散乱装置 (RBS) などの
機器分析が有効な手段として知られている。表1はこれ
らの機器分析によって得られる情報を示し、◎は非常に
有効、○は有効、Δは条件付有効、×は無効をあらわ
す。
【0004】
【表1】 これらの機器を組み合わせることにより、非常に有効な
情報が得られることはよく知られており、このような分
析方法はますます高度化していくものと期待される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】表1に示す各評価手段
は、一般に設備が高価なこと、評価に時間を要するこ
と、薄膜の最表面の情報を得ることが比較的困難なこと
などの欠点を有する。薄膜の最表面の情報を得るために
は、評価が迅速であること、極端に低エネルギーの分析
手段が必要なことなどの制約が不可欠である。濡れ性の
評価などは、最表面の情報を得る一つの手段として以前
より活用されているが、定量的な評価法としては問題が
ある。
【0006】本発明の目的は、上述の問題を解決し、薄
膜の最表面の情報を、迅速、簡便かつ定量的に得て行う
薄膜の表面状態の評価方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の薄膜の表面状態の評価方法は、第二導電
形のソースおよびドレイン領域が互いに間隔を介して選
択的に形成された第一導電形層の表面がシリコン酸化膜
で覆われ、そのシリコン酸化膜の開口部でソースおよび
ドレイン領域にそれぞれ接触するソース、ドレイン電極
と第一導電形層に接触する基板電極とを備えたシリコン
基体の表面上を評価すべき薄膜により被覆し、その薄膜
に電解質溶液を接触させ、電解質溶液中に浸漬した参照
電極と基板電極との間に電圧を印加したときにソース、
ドレイン電極間の出力電圧を測定し、その測定値を用い
るものとする。参照電極がガラス電極であることが有効
である。またpH値の異なる電解質溶液を用いて測定し
たソース、ドレイン電極間の出力電圧よりpH当たりの
出力電圧を算出してその値を用いることも有効である。
【0008】
【作用】薄膜の表面状態を評価するために、最表面の情
報を迅速、簡便かつ定量的に得る一つの手段として、濡
れ性の評価にみられるように、固/液界面のエネルギー
変化に着目した評価法が考えられる。特に、半導体プロ
セスで形成される薄膜の評価を考えた場合、その評価も
半導体プロセスの中で実現できることが、よりin−situ
的であり、迅速かつ簡便である。本発明は、そのための
手段としてISFET (Ion Sensitive FET)の動作原理
に着目し、それを活用したものである。ISFETの動
作原理は次の通りである。図1はISFETの基体構造
を示す断面図で、N形シリコン基板1の表面に選択的に
P形のソース領域21、ドレイン領域22が形成され、その
ソース、ドレイン領域21、22には、表面上のシリコン酸
化膜3に明けられた接触孔でソース電極41、ドレイン電
極42がそれぞれ接触している。さらにこの上に被測定の
絶縁物薄膜5を形成したものである。このISFET10
を、図2のように液槽6の電解質溶液7に浸す。この電
解質溶液7には、電解質液81としてAgClを用いたガラス
電極8が参照電極として浸漬され、ガラス電極8とIS
FET10に設けられた図示しない基板電極との間には、
電源9により直流電圧が印加される。図1の構造を有す
るISFET10を電解質溶液7に浸すことにより、電解
質溶液7と薄膜5との界面での電子の授受の程度に応じ
て界面電位が発生する。ISFET10のソース端子Sと
ドレイン端子Dの間の出力電圧と薄膜5の表面状態との
関係は、例えばW. M.SinらによりIEEE Trans on
ED、Vol ED−26(1979)p.1805 あるいは中嶋らによ
り日本化学会誌 (1980) No.10 、p.1499 に述べられて
いるように、‘Site Binding Model’として既に説明さ
れている。このモデルは、電解質溶液と薄膜との界面
で、(1) 電子の授受が完全に行われるケースと、(2) 電
子の授受が全く行われないケースの二つの両極端のケー
スの中間のケースで、いわば現実の系を取り扱うモデル
である。(1) のケースはネルンストの式に従う理想系で
あって、‘Site Binding Model’では電解質溶液と接す
る薄膜表面にあるイオンや原子の吸着サイトの密度が高
い場合に相当し、pH当たりの出力は2.3kT/q (=
59mV) となる。すなわち、pH当たりの出力を評価す
ることで、薄膜表面の吸着サイトの密度が見積もれると
いう仕組みである。表2に示すように、ISFETの各
種のゲート表面材料についてpH当たりの出力を評価し
た結果が報告されている。〔松尾:応用物理、49巻(198
0)p586 など参照) 。
【0009】
【表2】 この結果から、薄膜表面にどんな膜が形成されているか
の推定が可能であることがわかる。図3はある条件下で
の異なる吸着サイト密度に対するΔpHとフラットバン
ド電圧シフトの関係を吸着サイト密度Nをパラメートと
して示したものである (上記W. M.Sinらの報告参照)
。図1に示したISFETの構造は、通常ICなどの
半導体素子の製造工程中に任意にできる構造であるた
め、薄膜5として表面状態の被測定薄膜を形成しておけ
ば、半導体素子製造工程のプロセスモニタとしての機能
を付与することができる。
【0010】
【実施例】表面評価の薄膜として熱窒化膜を選び、図1
の構造のISFETにおいて、厚さ50nmのゲート酸化膜
3を形成し、その上の被測定薄膜5からなるゲートとし
て、ゲート長30μm、ゲート幅270 μmの熱窒化膜を厚
さ50nmで形成した。ソース電極41およびドレイン電極42
はPtにより作成し、これらの電極部および図2に示すAl
からなるリード線11、12、13は、測定時に電解質溶液7
に触れないように塩化ビニル樹脂で保護した。酸として
HClあるいはHNO3 、アルカリとして苛性ソーダを用
い、適宜水と混合してpH=4.1の酸性液、pH=6.8
の中性液、pH=9.2のアルカリ性液をそれぞれ電解質
溶液7として準備し、酸性から中性、中性からアルカリ
性、アルカリ性から酸性のpH変化に対するpH感度、
すなわちS、D端子から得られる出力電圧の差をpH差
で割った値を得た。表3はこれらの感度を、煮沸前、1
回煮沸後、2回煮沸後、3回煮沸後について評価した結
果を示す。なお、煮沸は常に新しく準備された純水を用
いて、それぞれ100 ℃、1時間で行った。
【0011】
【表3】 表3から明らかなように、煮沸を繰り返すごとに感度が
上がった。このことは、熱窒化膜5の表面の吸着サイト
密度が高まったこと、すなわち、熱窒化膜5表面の清浄
度が高まったことを意味している。これは、ESCAな
どの機器分析で炭素などの付着量が減少している結果と
符合している。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、薄膜表面と電解質液と
の界面におけるSite Binding Modelに基づくISFET
出力を利用することにより、機器分析のように元素の同
定や定量といった分析評価はできないが、薄膜表面の清
浄度レベルなど表面の吸着サイト密度に関連した表面状
態のレベルについて、ある程度定量的に評価できる。さ
らに、この評価法はことさら評価のための試料を必要と
せず、ウエハ内の任意のところにモニタとして半導体素
子と同時につくりこめ、しかもその面積は半導体素子の
一つのセル程度まで小さくできるため、in-situ 的な評
価が行えるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により用いられるISFETの断面図
【図2】ISFETの測定系を示す断面図
【図3】吸着サイト密度をパラメータとしてのpH値の
差とフラットバンド電圧シフトとの関係線図
【符号の説明】
1 Nシリコン基板 21 P+ ソース領域 22 P+ ドレイン領域 3 ゲート酸化膜 41 ソース電極 42 ドレイン電極 5 被測定薄膜 7 電解質溶液 8 ガラス電極 10 ISFET

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第二導電形のソースおよびドレイン領域が
    互いに間隔を介して選択的に形成された第一導電形層の
    表面がシリコン酸化膜で覆われ、そのシリコン酸化膜の
    開口部でソースおよびドレイン領域にそれぞれ接触する
    ソース、ドレイン電極と第一導電形層に接触する基板電
    極とを備えたシリコン基体の表面上を評価すべき薄膜に
    より被覆し、その薄膜に電解質溶液を接触させ、電解質
    溶液中に浸漬した参照電極と基板電極との間に電圧を印
    加したときにソース、ドレイン電極間の出力電圧を測定
    し、その測定値を用いることを特徴とする薄膜の表面状
    態の評価方法。
  2. 【請求項2】参照電極がガラス電極である請求項1記載
    の薄膜の表面状態の評価方法。
  3. 【請求項3】pH値の異なる電解質溶液を用いて測定し
    たソース、ドレイン電極間の出力電圧よりpH当たりの
    出力電圧を算出してその値を用いる請求項1あるいは2
    記載の薄膜の表面状態の評価方法。
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