JP3012340U - 組立式収納ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 部品を削減し、コンパクトな梱包を可能にす
るとともに、容易に組み立て出来ること。 【構成】 矩形状の棚部材１１に、上側に第１内壁部１
６下側に第２内壁部１７を構成した支柱取付孔１５を設
け、支柱部材１２の第１挿着部１８を第１内壁部１６に
挿着し、第２挿着部１９を第２内壁部１７に挿着し、第
１挿着部１８の連結孔２２に第２挿着部１９の連結爪２
３を嵌合して、支柱取付孔１５内で第１挿着部１８およ
び第２挿着部１９を連結する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、複数の部材によって組み立てられる組立式収納ケースに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の組立式収納ケースには、例えば図９および図１０に示されるように構成 されるものがある。この組立式収納ケース１は特公昭５８−５８０８７号公報に 記載されたものである。

【０００３】 組立式収納ケース１は、棚開口２を備えた複数の棚３と、複数の支持脚４とよ りなり、各支持脚４が棚開口２の底部に受容されるようになった上端部分５と、 支持脚４の上端部分５がすでに位置されている棚開口２の頂部に受容されるよう になって下端部分６とを有するものである。手作業で挿入できるようになった固 着手段７は、棚開口２の側壁部分と、支持脚４を棚３に固着すべく入れられた支 持脚４の上端部分５および下端部分６とを貫通するように設けられている。これ らの手作業で挿入できるようになった固着クリップ手段７は、急速な解体のため に挿入時同じ位の容易さで手作業で離脱させることができる。と説明されている 。

【０００４】 以上のように構成された組立式収納ケース１は、組み立て作業に際して、支持 脚４を棚３に固着する場合に、固着クリップ手段７を使用する必要があった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

このように、接続のために別部品を必要とする場合には、製品自体を製造工場 で組み立てて販売する必要性が高まるという欠点があった。つまり、組み立て構 造が複雑になると、店頭や、購入者による組み立て時に、部品の紛失や、組み立 て手順の間違い、組み立て工具が必要になる等の不都合が発生する虞れがある。

【０００６】 また、市場製品価格の低減を計る際において、在庫管理や輸送費用の削減等も 大きなコスト増大の要素となっている。現在円高による合成樹脂材料の価格低下 等により、製品価格における輸送コストの比率は極めて高いものとなっている。 このような状況のなか、大型の収納ケース１を組み立てた状態で工場出荷するこ とは、製品価格を著しく増大するという新たな問題を発生させるものであった。

【０００７】 本考案は前記課題に着目してなされたものであり、組立に要する部品を削減し 、コンパクトな梱包を可能にするとともに、初めての人であっても容易に組み立 てることができる組立式収納ケースを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、棚部材を設け、棚部材の四隅部分に上下方向に開口する支 柱取付孔を穿設し、支柱取付孔の上側および下側に第１内壁部および第２内壁部 を形成し、支柱取付孔に支柱部材を嵌着し、支柱部材の一端に第１挿着部を設け 、支柱部材の他端に第２挿着部を設け、支柱部材の一端に第１内壁部に接合する 第１接合部を設け、支柱部材の他端に第２内壁部に接合する第２接合部を設け、 第１挿着部と第２挿着部とを支柱取付孔内で連結する連結爪および連結孔を備え た連結手段を設けた組立式収納ケースにある。

【０００９】 請求項２の考案は、棚部材を設け、棚部材の四隅部分に円筒状の支柱取付孔を 設け、支柱取付孔の上側および下側に円筒状の第１内壁部および円筒状の第２内 壁部を設け、第１内壁部と第２内壁部との間に支柱連結面を設け、支柱連結面に は偏心位置に挿入孔および挿入孔に連続する係合孔を備えた複数の連結孔を穿設 し、支柱部材の下端に円盤状の第１挿着部を設け、支柱部材の上端に円盤状の第 ２挿着部を設け、第１および第２挿着部に第１および第２内壁部に内接する第１ および第２接合部を設け、第１および第２挿着部の先端に連結孔に連結する第１ および第２連結爪を設けた組立式収納ケースにある。

【００１０】

【作用】 請求項１の考案によれば、第１および第２内壁部に、第１および第２接合部を 接合するので、支柱部材のガタつきが防止される。支柱取付孔内で支柱部材の連 結孔と連結爪が嵌合するので、連結のための部品を無くすことができる。

【００１１】 請求項２の考案によれば、円筒状の支柱取付孔に支柱部材の円盤状の第１およ び第２挿着部を挿着するので、支柱部材の回動が可能であり、支柱部材を回動す るうことにより、挿入孔に挿入した連結爪を係合孔側に回動移動して棚部材に支 柱部材を連結することができる。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案における一実施例を図１〜図４を参照して説明する。図１に示さ れる組立式収納ケース１０は、矩形に形成された枠状の複数の棚部材１１と、こ れら棚部材１１の四隅部分を連結する支柱部材１２と、棚部材１１間の収納スペ ースに引き出し自在に収容される引き出し１３とを備えており、最上段には天板 １４が接続され構成されている。

【００１３】 また、最下段の棚部材１１の四隅部分には、図２および図３に示されるような 連結構造が用いられている。棚部材１１の四隅部分には支柱取付孔１５が穿設さ れている。支柱取付孔１５は上側を形成する第１内壁部１６と下側を形成する第 ２内壁部１７とを備えている。

【００１４】 そして、支柱部材１２の下端には第１内壁部１６に嵌合する第１挿着部１８が 設けられている。また、支柱部材１２の上端には第２内壁部１７に嵌合する第２ 挿着部１９が設けられている。第１挿着部１８の基端側には第１接合部２０が形 成されており、第１接合部２０の周壁は第１内壁部１６に接合するように構成さ れている。第２挿着部１９の基端側には第２接合部２１が形成されており、第２ 接合部２１の周壁は第２内壁部１７に接合するように構成されている。

【００１５】 さらに、第１挿着部１８の先端側には、図３および図４に示すような矩形状の 連結孔２２が水平方向に向けて穿設されている。そして、第２挿着部１９の先端 側には、図２および図３に示すような連結爪２３が設けられている。ここで、連 結孔２２と連結爪２３により連結手段２４が構成されている。

【００１６】 以上のような構成により、図３に示されるように支柱取付孔１５内に、支柱部 材１２を上下から挿入する作業のみで、連結されるので、図１に示されるような 組立式収納ケース１の連結作業が極めて容易に完了する。

【００１７】 支柱部材１２の第１および第２接合部２０，２１を設けたことにより、支柱部 材１２が接合後に棚部材１１に対してガタつくことを防止できる。

【００１８】 以下本考案の第２実施例について図５および図６を参照して説明するが、組立 式収納ケースの基本構成は、第１実施例とほぼ同様なので、構成の異なる支柱部 材２５の接続構造についてのみ説明する。図中に示される棚部材２６の四隅には 円筒状の支柱取付孔２７が上下方向に開口する状態で設けられている。この支柱 取付孔２７の上側には円筒内面を形成する第１内壁部２８が形成され、下側には 円筒内面を形成する第２内壁部２９が形成されている。

【００１９】 そして、第１内壁部２８と第２内壁部２９との間には、円盤状に形成された支 柱連結面３０が設けられている。この支柱連結面３０には、円盤形状の中心から 所定距離離れた位置に一対の連結孔３１，３２が同心の円弧を描く帯状に形成さ れている。一対の連結孔３１，３２は互いに同様の形状を成しており、連結孔３ １は径方向の寸法が大きく設定された挿入孔３３と、この挿入孔３３に連続して 延長され径方向の寸法が挿入孔３３よりも小さい連結孔３４とを備えている。そ して、連結孔３２にも同様に挿入孔３３と連結孔３４とが形成されてる。

【００２０】 一方、支柱部材２５は、上下方向の軸中心から放射状に伸びる３つの縦リブ３ ５をもった棒状に形成されており、下端には、第１内壁部２８に対応する円盤形 状を成した第１挿着部３６が形成されている。また、上端には、第２内壁部２９ に対応する円盤形状を成した第２挿着部３７が形成されている。

【００２１】 そして、支柱部材２５の第１挿着部３６の近傍に位置する縦リブ３５の端部は 、第１内壁部２８の内周面に接合する外径寸法をもった円弧形状を成して第１接 合部３８が形成されており、接続状態にあっては、支柱取付孔２７内で径方向に ガタつくことを防止できる。

【００２２】 また、支柱部材２５の第２挿着部３７の近傍に位置する縦リブ３５の端部は、 第２内壁部２９の内周面に接合する外径寸法をもった円弧形状を成して第２接合 部３９が形成されており、接続状態にあっては、支柱取付孔２７内で径方向にガ タつくことを防止できる。

【００２３】 第１挿着部３６の先端側面には、接続した状態で、何れか一方の連結孔３２に 挿入されるＬ字形断面の第１連結爪４０が立設されている。この第１連結爪４０ は、先端が外側に折曲されており、折り曲げられた先端部分は、連結孔３２の挿 入孔３３部分で挿脱可能であり、連結孔３４部分に移動されると、離脱不可能状 態に連結されるようになっている。

【００２４】 つまり、支柱部材２５を矢印Ａで示すように第１連結爪４０をいずれか一方の 連結孔３２の挿入孔３３に挿入し、回動操作することにより、連結孔３４に強固 に嵌合して容易に外れない状態に連結される。

【００２５】 また、第２挿着部３７の先端側面には、接続した状態で、連結孔３１に挿入さ れるＬ字形断面の第２連結爪４１が立設されている。この第２連結爪４１は、先 端が外側に折曲されており、折り曲げられた先端部分は、連結孔３１の挿入孔３ ３部分で挿脱可能であり、連結孔３４部分に移動されると、離脱不可能状態に連 結されるようになっている。

【００２６】 つまり、支柱部材２５を矢印Ｂで示すように第２連結爪４１をいずれか他方の 連結孔３１の挿入孔３３に挿入し、回動操作することにより、連結孔３４に強固 に嵌合して容易に外れない状態に連結される。

【００２７】 以上説明したような操作により棚部材２６と支柱部材２５とが図６に示される 状態に連結される。このような連結構造によれば、特別の連結部品を必要とせず に、支柱部材２５を棚部材２６に連結組立できるので、組立作業に熟練を要さず 、極めて容易に組立作業を完了できる。よって、工場出荷や店頭陳列時には、分 解状態でコンパクトにパッケージして、出荷および販売することができ、輸送コ ストを削減して、市場製品価格を安価に押さえることができる組立式収納ケース を提供できる。

【００２８】 以下、本考案における第３実施例を図７および図８を参照して説明する。本実 施例における組立式収納ケース１０の基本的構成は、第１実施例と同様なので、 構造の異なる棚部材４２と支柱部材４３との接続構造について説明する。

【００２９】 棚部材４２は、矩形枠状に形成されており、四隅部分には支柱取付孔４４が上 下方向に貫通状態に穿設されており、四角筒形状を成して形成されている。

【００３０】 また、支柱部材４３は図８に示されるようにプレート状に成形されており、こ れを折り曲げることにより柱状に組み立てて使用するようになっている。プレー ト状に形成された支柱部材４３は、４面を形成するように、折り曲げ部分に肉薄 部分を形成しており、これらの肉薄部分を山にて折り曲げることにより、柱の軸 方向の断面が四角形状を成すように構成され、突き合わされる辺には組立鍵４５ と、組立鍵４５が嵌合する鍵孔４６とが設けられている。

【００３１】 さらに、プレート状の支柱部材４３の突き合わせ辺を挟む両縁部には、一段の 段差部分Ｄが形成されており、この段差部分Ｄは四角支柱として組み立てた後に 第１および第２挿着部４７，４８が形成されるようになっている。第１挿着部４ ７には、矩形状の連結孔４９が設けられ、第２挿着部４８には連結孔４９に連結 する連結爪５０がそれぞれ設けられている。

【００３２】 前述の支柱部材４３を矩形柱状に形成した後に、図７に示されるように、組み 立てることにより、棚部材４２に対して、一対の支柱部材４３を上下から連結す ることができる。支柱部材４３の第１挿着部４７の外側面は、支柱取付孔４４の 上側部を形成する第１内壁部５１に面接合されるように第１接合面５２が形成さ れている。また、第２挿着部４８の外側面は、支柱取付孔４４の下側部を形成す る図示しない第２内壁部に面接合されるように第２接合面５３が形成されている 。

【００３３】 以上のように構成された四角柱状の一対の支柱部材４３を支柱取付孔４４に上 下から挿着すると、第１および第２接合面５２，５３が、それぞれ支柱取付孔４ ４の第１および第２内壁部５１に接合した状態に挿着される。そして、連結爪５ ０が連結孔４９に嵌合することにより、支柱取付孔４４内で一対の支柱部材４３ が互いに連結される。連結孔４９と連結爪５０との連結は、支柱部材４３を差し 込む作業のみで完了するので、組み立て作業に熟練を必要とせず、一回限りの購 入者にとっても極めて容易に組み立てすることができる。

【００３４】 このような構造としたことで、支柱部材４３は合成樹脂をプレート状に成形す ることにより、得ることができる。よって、工場出荷や店頭陳列時においては、 シート状に展開された状態の支柱部材４３をそのまま梱包できるので、輸送コス トを著しく低減できる。

【００３５】 また、板状の支柱部材４３であっても、四角柱状に折り曲げ組み立てすること により、剛性の有る支柱部材４３を構成することができる。さらに、第１および 第２接合面５２，５３を設けたことにより、支柱部材４３が支柱取付孔４４に対 してタガつくことを防止できる。

【００３６】 また、支柱部材４３に形成された段差部分Ｄは、支柱取付孔４４の端部に対応 して形成されているので、組み立て状態にあっては、段差部分Ｄが支柱取付孔４ ４の縁に当接して支柱部材４３の軸方向のズレ動きを防止できる。

【００３７】

【考案の効果】

請求項１の考案によれば、支柱部材を棚板の支柱取付孔内にガタつきなく連結 することができる。支柱部材は、連結爪と連結孔を備えているので、別部品を必 要とせずに、組み立ができる。組み立て作業が容易なので、分解状態のコンパク トな梱包で販売することができ、かつ輸送費用を削減できる。部品点数が減少し たので、出荷時の部品の入れ忘れ等を発生する虞が無くなる。

【００３８】 請求項２の考案によれば、円盤状の第１および第２挿着部を支柱取付孔に対 して回動操作するだけで、連結爪を係合孔に連結させることができるので、上下 方向には抜けにくい連結構造とすることができる。また、特別の工具を必要とし ないので、市販時には分解された部品をコンパクトに梱包することができ、輸送 コストを削減して安価で提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案における第１実施例の組立式収納ケース
の斜視図である。

【図２】図１の棚部材と支柱部材の連結構造を示す分解
斜視図である。

【図３】図２の連結構造部分の正断面図である。

【図４】支柱部材の下端を示す背面図である。

【図５】第２実施例の棚部材と支柱部材の連結構造を示
す分解斜視図である。

【図６】図５のＣ−Ｃ断面図である。

【図７】第３実施例の棚部材と支柱部材の連結構造を示
す分解斜視図である。

【図８】図７の支柱部材の展開状態を示す斜視図であ
る。

【図９】従来の組立式収納ケースの斜視図である。

【図１０】図９の棚部材と支柱部材の連結構造を示す分
解斜視図である。

【符号の説明】

１０ 組立式収納ケース １１ 棚部材 １２ 支柱部材 １５ 支柱取付孔 １６ 第１内壁部 １７ 第２内壁部 １８ 第１挿着部 １９ 第２挿着部 ２２ 連結孔 ２３ 連結爪

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】矩形状の棚部材と、 棚部材の四隅部分に設けられ、上下方向に開口された支
   柱取付孔と、 支柱取付孔の上側部を形成する第１内壁部と、 支柱取付孔の下側部を形成する第２内壁部と、 支柱取付孔に嵌着される支柱部材と、 支柱部材の一端に形成され支柱取付孔に対して上方から
   挿着される第１挿着部と、 支柱部材の他端に形成され支柱取付孔に対して下方から
   挿着される第２挿着部と、 支柱部材の一端に形成され連結状態において第１内壁部
   に内接し、径方向のずれ動きを抑制する第１接合部と、 支柱部材のた端に形成され連結状態において第２内壁部
   に内接し、径方向のずれ動きを抑制する第２接合部と、 第１挿着部と第２挿着部とが、支柱取付孔内で、互いに
   連結する連結爪および連結爪が嵌合する連結孔とを備え
   た連結手段と、 を備えたことを特徴とする組立式収納ケース。
2. 【請求項２】矩形状の棚部材と、 棚部材の四隅部分に設けられ、上下方向に開口する円筒
   状の支柱取付孔と、 支柱取付孔の上側部を形成する円筒状の第１内壁部と、 支柱取付孔の下側部を形成する円筒状の第２内壁部と、 第１内壁部と第２内壁部を仕切る円盤状に形成された支
   柱連結面と、 支柱連結面の中心からずれた位置に厚み方向に貫通して
   形成された挿入孔と、挿着孔に連続して周方向に延長さ
   れた係合孔とを備えた複数の連結孔と、 支柱部材の一端に形成され支柱取付孔に対して上方から
   挿着される円盤状の第１挿着部と、 支柱部材の一端に形成され連結状態において第１内壁部
   に内接し、径方向のずれ動きを抑制する第１接合部と、 支柱部材の他端に形成され支柱取付孔に対して下方から
   挿着される円盤状の第２挿着部と、 支柱部材の他端に形成され連結状態において第２内壁部
   に内接し、径方向のずれ動きを抑制する第２接合部と、 第１挿着部の先端面に形成されて複数の連結孔の何れか
   の連結孔に挿着係合する第１連結爪と、 第２挿着部の先端面に形成されて複数の連結孔の何れか
   の連結孔に挿着係合する第２連結爪と、 を具備したことを特徴とする組立式収納ケース。