JP3012329B2 - 高性能デュアル・モード・インテグラル推進システム - Google Patents

高性能デュアル・モード・インテグラル推進システム

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JP3012329B2
JP3012329B2 JP3800020A JP80002091A JP3012329B2 JP 3012329 B2 JP3012329 B2 JP 3012329B2 JP 3800020 A JP3800020 A JP 3800020A JP 80002091 A JP80002091 A JP 80002091A JP 3012329 B2 JP3012329 B2 JP 3012329B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は一般的にロケット推進システムに係り、更
に詳しくは宇宙船を惑星軌道に配置及び保持するための
ロケット推進システムに関するものである。この発明は
無人宇宙船に関して広範な用途をもつが、特に地球同期
軌道に衛星を発射して保持することに関連する。
【0002】
【従来の技術】
地球同期衛星を軌道に配置することは、典型的には3
つの主要なミッション段階(mission phase)を含む。
第1段階で衛星は、スペースシャトル船のペイロードの
一部としてか、又は慣用の非回収ロケットに積まれて、
地球大気圏からあまり高くない低高度の地球軌道に配置
される。第2段階で、衛星軌道は軌道上の選ばれた点に
おける1回又はそれ以上の「噴射(burns)」によっ
て、遠地点即ち最高点がほぼ地球同期高度になるまで高
度を上げられる。最終段階で、「遠隔点旋回(apogee
kick)」、即ち地球同期高度で軌道を円形化させるため
の遠地点における別のロケット噴射、をさせられる。
【0003】 ところで、軌道に乗った後、ロケットエンジンは更に
2つの機能を要求される。即ち、位置保持(station k
eeping)及び姿勢制御であり、この2つは一括して応働
制御システム(reaction control system(RCS))機
能と呼ばれることがある。衛星は、地球表面に対して特
定の位置を保持することを通常要求される。この位置を
保持するために、たとえ軌道が自己持続性と地球同期性
を理論的に満たしていたとしても、エネルギ消費が必要
となる。月及び太陽の重力効果等のような様々な要因の
ため、所要の位置が保持されるためには軌道が時々修正
される必要がある。姿勢制御には単に宇宙船に積まれた
多重ロケットエンジンが船の特定の角度姿勢を維持する
ように使用される。この制御は、例えば、アンテナ又は
他のセンサを地球、太陽、又は星に向けるために必要で
ある。軌道宇宙船(orbiting spacecraft)に関連する
ロケットエンジンには、軌道変更、位置保持及び姿勢制
御のような様々な機能を果たすことが要求される。不幸
にして、これらの機能に必要な性能特性は同じではな
い。ロケットエンジンの比較において、しばしば用いら
れる性能計数は比推力、Isp、であり、単位推進薬流量
当たりのエンジン推力として定義される。推力がポンド
(lb)で計られ、推進薬流量がポンド/秒で計られると
きは、比推力の測定単位は秒(s)である。比推力は、
単位流量の燃料から得られる推力の大きさを測定するか
ら、自動車の燃費係数(マイル/ガロン)に類似してい
る。
【0004】 もう一つの性能の尺度は、もちろん、エンジンから発
生される推力である。地球同期軌道への移行、特にミッ
ションの「遠地点旋回」段階、に際して必要な急激な加
速度に関しては、比較的大きい推力を有するエンジンが
必要であり、恐らくは数千ポンドに及ぶ推力を発生する
必要があろう。比推力も重要であり、300−400秒の範囲
でなければならない。位置保持及び姿勢制御に関して
は、高い推力が極めて重要というわけではない。大抵の
位置保持及び姿勢制御の操縦(maneuvers)は、ロケッ
トエンジンの低推力噴射で行える。しかし、宇宙船を長
い期間に亙って軌道内に止めておく予定なら、これらの
作動に関して燃料効率が非常に重要になる。
【0005】 典型的には、現在までの発展経過は2つの任務のため
に複数の燃料系及びエンジンシステムを使用する方法に
関連していた。例えば、固体ロケットが遠地点旋回のた
めに使用され、ヒドラジン触媒エンジンが位置保持及び
姿勢制御のシステム推力発生装置に使用される。2つの
別々の推進システムの使用が、軌道上に配置され保持さ
れ得る有用なペイロードの大きさを厳しく制約すること
を除けば、この伝統的な方法に本質的な欠点はない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
結合二系統推進薬(integrated bipropellant)シス
テムを用いてある程度の進歩が得られた。該システムで
は遠地点旋回エンジンとRCS推力発生装置の両方とも
が、一つの二系統推進燃料システム(例えば燃料として
モノメチルヒドラジン(MMH)を用い、酸化剤として四
酸化窒素(N2O4)を用いる)を使用する。しかし、所与
のミッションのために、軌道内に配置できるペイロード
に関しては、依然として更に進歩の余地が残されてい
る。この問題を観点を変えて表現すれば、所与の宇宙船
ペイロードを軌道内に保持できる寿命に関して依然とし
て進歩の余地がある。もっと効率的な推進システムな
ら、所与の期間に亙ってもっと大きいペイロードが軌道
内に保持できるであろうし、同じペイロードをもっと長
い期間に亙って軌道内に保持できるであろう。
【0007】 本発明は、地球同期型及び他の高エネルギミッション
の宇宙船計画に好適な一層効率的な推進システムを提供
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、所望の軌道に送り込み、その軌道内に保持
することができる推進薬の所要量を減少し且つペイロー
ドを増加するために、高推力軌道移行のための二系統燃
料モードと、位置保持及び姿勢制御のための一系統燃料
モードとの両方に、同一燃料を使用する推進システムで
ある。要約して一般的に言えば、本発明の推進システム
は、液体燃料の二系統燃料方式高推力エンジンと、該高
推力エンジンに接続される燃料タンク及び酸化剤タンク
と、位置保持及び姿勢制御のための一系統燃料方式応働
制御推力発生装置とを含んで成る。一系統燃料方式推進
力発生装置は高推力エンジンと同じ液体燃料タンクに接
続され、同じ燃料を使用して、所与のミッション要求に
対する推進薬重量及び推進システムの不活性重量の実質
的な節約を行うようにする。従って、他のもっと慣用的
推進装置が使用される場合よりも、効率的なペイロード
が軌道内に配置及び保持される。
【0009】 もっと具体的に言えば、本発明の推進システムに使用
される液体燃料は純ヒドラジンである。酸化剤は四酸化
窒素(N2O4)、液体酸素、三フッ化窒素(NF3)、四フ
ッ化窒素(N2F4)、又はこれらの材料の組み合わせであ
ってよい。
【0010】 随意に、一系統推進薬モーターは、少なくとも一つの
熱電式の増強用の推力発生機(thruster)、又は少なく
とも一つのアークジェット推力発生機、又は触媒床の下
流に酸化剤を噴出し、それによってアフタバーナーモー
ドで化学エネルギを付加する化学的増強機、又は一つの
力場加速(force field acceleration)モーターを含
んでよい。これらの全ては比推力性能を増加する。
【0011】 高推力エンジンは、好ましくは運転停止後の無用な燃
料の燃焼を減らすための手段を、燃焼室の上流にある燃
料管に含む。一つの方法は燃料管を不活性ガスでパージ
することである。別の方法は燃料バルブの閉鎖を遅延さ
せて全酸化剤を確実に反応させるようにすることであ
る。
【0012】 前述の説明から分かるように、本発明のシステムは、
ロケット推進システムの分野において顕著な進歩を示す
ものである。特に、本発明は、同一の液体燃料ヒドラジ
ンを二系統燃料推進モードと一系統燃料推進モードとの
両方に使用するから、その結果として任意の与えられた
ミッションに必要な推進薬重量及び内部推進システム重
量を節減し、更に多量のペイロードを所望の軌道に配置
し保持できる。本発明の特徴及び利点は、次に添付の図
面を参照した詳細な説明によって明らかになる。
【0013】
【実施例】
本発明によれば、デュアル・モード推進システムが、
地球同期軌道への噴射のための二系統燃料モードと、位
置保持及び姿勢制御のための一系統燃料モードとに、同
じ燃料、純ヒドラジン、を使用する。図1は、典型的な
ミッションに使用される3種の型式の推進システムを示
し、そのうちの1種として本発明の推進システムを含め
てある。低高度地球軌道と地球同期軌道との間の移送軌
道(GTO)に送り込まれる総貨物重量(total cargo w
eight)が前記3種の場合で全て同じ、即ち11,600ポン
ド、と仮定しよう。ミッションは地球同期軌道へ移送す
るための遠地点旋回エンジンの使用及び位置保持及び姿
勢制御作動の仮定寿命10年を含むこととする。
【0014】 図1のaに示す慣用の方法では、固体燃料ロケットが
地球同期軌道への移送に使用され、多重ヒドラジン触媒
推力発生機が位置保持及び姿勢制御任務に使用される。
総燃料積載量は6,763ポンドと計算される。宇宙船の総
重量のうち残存重量としての不活性構成部品があり、74
2ポンドと計算される。残留燃料及び不活性推進構成部
品を除いて、軌道に移送されるペイロードは4,095ポン
ドとなる。
【0015】 図1のbに示す総合二系統燃料推進システムでは、ミ
ッションの全段階を通して同じ燃料、即ち、酸化剤に四
酸化窒素(N2O4)を用いるモノメチルヒドラジン(MM
H)、を使用する。所要燃料は6,345ポンドに減り、不活
性システム構成部品は545ポンドに減る。従って、ペイ
ロードは約15%ほど増し、4,710ポンドになる。
【0016】 図1のcに示す本発明の推進システムでは、ミッショ
ンの両段階の燃料として純ヒドラジン(N2H4)が使用さ
れるが、遠地点旋回に対しては二系統燃料モードに使用
され、位置保持及び姿勢制御の段階において電気的又は
化学的な増強手段と共に一系統燃料モードに使用され
る。総燃料重量は6,218ポンドに減り、不活性構成部品
重量は464ポンドに減る。ペイロードは4,918ポンドに増
し、図1のaの慣用の推進システムよりも約20%の増加
となる。
【0017】 図2に本発明による典型的な推進システムの構成を図
解して示したものである。この構成は、ミッションの遠
地点旋回段階で使用される液体アポジ・エンジン(参照
数字10で表す)を含んでいる。図で示す1基のエンジン
の代りに多数のアポジ・エンジンがあると考えてよい。
アポジ・エンジン10はビドラジン燃料タンク12から燃料
の供給を受け、酸化剤タンク14から酸化剤の供給を受け
る。これらのタンク12、14は、ヘリウムのような不活性
気体を充填した圧力供給タンク16を用いて慣例に従って
加圧される。
【0018】 ヒドラジン燃料タンク12も、管路18及び適当なバルブ
20によって、多数から成る推力発生機22(そのうちの4
基が図示してある)に接続されている。これらは慣用の
ヒドラジン触媒推力発生機である。各推力発生機の触媒
はヒドラジンと反応して、燃料として噴射される種々の
気体生成物を生じて、消費される。これらの推力発生機
は姿勢制御のみに使用されてもよいし、或いは姿勢制御
と位置保持との機能に使用されてもよい。この推力発生
機は典型的には約150−240秒の比推力を有し、作動モー
ドに依存する。
【0019】 使用される酸化剤は四酸化窒素(N2O4)又は液体酸
素、三フッ化窒素(NF3)、四フッ化窒素(N2F4)、又
はこれらの組合せのような他の高エネルギ酸化剤でよ
い。
【0020】 本発明の重要な特徴によれば、ヒドラジン燃料と共に
付加的な推力オプションを使用して、位置保持に関して
なお一層効率的な推力を生むことができる。これらのオ
プションのうち第1の方法は、電熱式増強推力発生機24
を使用することであって、概略305−320秒の範囲の比推
力を生ずる。電熱式増強推力発生機は、例えば、マーチ
等が出願し本発明と同一の譲渡人に譲渡された米国特許
第4,322,946号に記載される型式のものでよい。これら
の推力発生機による比推力の増加は、推力発生機の重量
を極く僅かに増すだけの代償で得られ、増大した比推力
性能の効果として、所与のミッションに対する燃料の所
要重量を大幅に減少させる。
【0021】 位置保持機能の別のオプションは同じヒドラジン燃料
を図式的に26で示してあるアークジェット・エンジン使
用することである。慣用のエンジン及び電熱式増強エン
ジンと同様に、触媒過程によってやはり気体が生ずる
が、この場合は生成気体はアークジェットを通過させら
れる。やはり極く僅かの重量増加で比推力の増加が得ら
れ、燃料の所要重量は劇的に減少する。アークジェット
・エンジンで得られる比推力は約400−700秒である。ア
ークジェット技術は別の人々によって開発された。例え
ば、1989年7月10−12日カリフォルニア州モンテレーで
開催されたAIEE/ADME/SAE/ASEEの第25回ジョイント プ
ロパルション会議において発表されたエス シー ノー
リス及びエス イー ヤノによる「デザイン、テスティ
ング アンド インテグレーション オブ ア フライ
ト−レディ ヒドラジン アークジェット システム」
(アメリカン インスティテュート オブ エーロノー
ティックス アンド アストロノーティックス出版、AI
AA−89−2720)を参照されたい。
【0022】 位置保持してヒドラジン燃料の性能を向上させるため
の更に別のオプションは、図式的に27で示すように、ア
フターバーナ部分の触媒床の下流で酸化剤を添加するこ
とによる熱力学的増強を使用することである。この酸化
剤はN2O4又は気体酸素(GO2)のような高エネルギ反応
剤でもよい。このアフターバーナ部分における化学エネ
ルギの添加は位置保持のための比推力を280乃至320秒の
範囲に上げる。この性能の増加は、慣用の触媒ヒドラジ
ン推力発生機に使用されるもの以上の動力を用いないで
達成される。これが動力を限定された宇宙船の位置保持
又は他の機動の燃料重量の節減における主要な利点であ
る。
【0023】 一層効率的にヒドラジン燃料を利用する最後のオプシ
ョンは、比推力性能のなお一層大きい、1,500−3,000秒
もの、向上を実現するための力場加速モーター28であ
る。2キロワット・レンジの電力を必要とする現在の宇
宙船では、慣用の触媒推力発生機を有効に使用すること
が可能である。所要電力が約5キロワットまでの宇宙船
では、電熱式増強推力発生機やアークジェットが必要で
あろう。力場加速を使用する残余のオプションは、所要
電力が5キロワットを遥かに越え、恐らくは100キロワ
ット程度である宇宙船に具備される。力場加速技術は、
パルス誘導推力発生機技術としても知られ、近年になっ
て十分確立されてきた。この技術の基本的説明は、カリ
フォルニア93523−5000、米国エドワード空軍基地所在
のエヤ フォース アストロノーティックス ラボラト
リ宛のシー エル デイリー及びアール エイチ ラヴ
ベルグのファイナル レポート(AFAL TR−87−012,19
87年4月公刊、研究期間1982年10月1日乃至1986年10月
31)「パルスド インダクティヴ スラスタ コンポー
ネント テクノロジー」に記載されている。
【0024】 燃料に純ヒドラジンを用いるエンジン10の効率的な運
転はエンジン内における燃焼安定性の達成に依存すると
ころが大きい。本発明の好ましい実施例では、燃焼安定
性は主として、エルヴェラム ジュニア名義で出願され
た米国特許第3,699,772号及び第4,206,594号に開示され
たものと同じ、汎用型同軸燃料噴射器の使用によって得
られる。図3は、同軸噴射器の燃料と酸化剤の平滑で連
続的な混合方法を図解して示す。燃料はスリーブ34とス
リーブ内に設けられた同軸ピントル36との間の環状オリ
フィス32を経て燃焼室30に噴射される。酸化剤も、スリ
ーブ34の外側部分と燃焼室30の壁の囲繞部分との間の環
状オリフィス38を経て噴射される。噴射された燃料及び
酸化剤は、各々のオリフィスから放射状に発散する流れ
となって、ほぼ環状燃焼領域40で互いに交差して混合す
る。発生する燃焼過程は、燃料に非常に反応性の高い純
ヒドラジンを使用するにも拘らず、比較的平滑且つ安定
になる。
【0025】 図4は、エンジン10の同軸噴射器組立体の更に詳細な
断面図であって、燃焼室30′、ピントル36′、及びピン
トル・スリーブ34′の一部分を示す。燃料は燃料通路42
を通って組立体に流入し、環状オリフィス32′を経て噴
射される。酸化剤は酸化剤通路44を通って、環状オリフ
ィス38′を経て噴射される。
【0026】 エンジンの詳細設計によっては、純ヒドラジン燃料で
作動する高推力エンジン10の運転停止に関してかなり困
難な問題が生ずることがある。四酸化窒素のような酸化
剤は、ヒドラジン燃料よりも高い蒸気圧をもっているか
ら、酸化剤が燃料管の中に溢れ込む傾向を示し、該管内
で残留ヒドラジンと混合し、運転停止時に激しい超過圧
力を引き起こす。この超過圧力は殆ど爆発力に近く、や
やもすればピントル32が周りのスリーブに対して歪んで
しまう。燃料流路と酸化剤流路を定める幾何学的関係を
注意深く設計しても、結果的には歪んでしまうことがあ
る。この問題の一つの解決方法は単純に部品の機械的強
度を増すことである。場合によっては、特に単一のミッ
ション行程間に1回又は2回の運転停止しか予定されな
い場合は、これで十分である。しかし、多数回のエンジ
ン運転停止を要するミッションでは、別の解決方法が必
要となる。
【0027】 ここに示す本発明の好ましい実施例では、燃料管路の
燃料遮断バルブの下流に残留している燃料は不活性気体
によって燃焼室30′へ自動的に排出される。更に詳しく
は、図5に示すように、エンジンは不活性気体貯蔵タン
ク50及び不活性気体が通るパージ制御バルブ52を更に具
備する。バルブ54及び56で夫々燃料及び酸化剤の流れが
閉鎖されることによって、エンジンが停止されると、直
ちにパージ制御バルブ52が開かれ、窒素ガスのような不
活性気体が流体ヒドラジンを燃料バルブ54より下流の燃
料流路から排出し、燃焼室30′に噴出させ、それによっ
て燃料流路における不用な燃焼及びピントル36′の潜在
的破損を防ぐ。安全のため、不活性気体タンク50は、宇
宙船発射時には2つのピロバルブ(pyrovalve)58によ
ってシールされ、該バルブは後刻開かれて不活性気体が
パージ制御バルブ52まで流れるようにする。バルブ58の
閉鎖によって、決定的な発射段階におけるエンジンの燃
料流の無用な中断又は混成を防止する。
【0028】 燃料供給管路をパージするための不活性気体を使用し
ない別の方法は、燃料バルブ54の閉鎖を、酸化剤バルブ
56の閉鎖に対して予め選ばれた時間ほど遅延させること
である。要するに、燃焼室に流入する全ての酸化剤が燃
料と反応し終わるまで、燃料が燃料自体を流路からパー
ジする。必要な特定の遅延時間は特定のエンジン設計に
ついて実験的に確定するのが最善であるが、典型的には
1秒以内である。
【0029】 これまでの説明から分かるように、本発明は宇宙船推
進システムの分野において顕著な進歩を示す。特に、本
発明は、ミッションの遠地点旋回又は他の高エネルギ段
階のための二系統推進薬エンジンの燃料と、ミッション
の位置保持及び姿勢制御段階のための位置系統推進薬エ
ンジンとの、ミッションの2つの段階で同一燃料を使用
するデュアル・モードの統推進システムを提供する。更
に一系統推進薬エンジンの比推力性能が、電熱式増強、
ジェット操作、及び力場加速を含む種々のオプションに
よって増強される。本発明の別の利点は、運転停止時に
おける問題を伴わないで、高推力エンジンが純ヒドラジ
ンを燃料として作動することである。これは運転停止時
の燃料流路の不活性気体によるパージを使用すること、
又は燃料流路閉鎖の遅延を使用することによって、酸化
剤の全てを確実に燃焼室内で反応させることにも困るも
のである。本発明の説明のために、本発明の一実施例を
詳細に説明したが、本発明の趣旨及び特許請求の範囲か
ら逸脱しないで種々の修正が可能なことは明らかであ
る。従って、本発明は特許請求の範囲によってのみ限定
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 三つの推進システムの図式的な比較図である。 aは、固体推進薬高推力モーター及びヒドラジン触媒推
力発生機。 bは、高推力エンジン及び反応制御システム推力発生機
の両方にモノメチルヒドラジン燃料を使用するインテグ
レーテッド二系統推進薬システム cは、本発明のデュアル・モード推進システム。
【図2】 種々のオプションを具備した本発明のデュアル・モード
推進システムの概略の構成図である。
【図3】 本発明の一部である高性能推力エンジンに使用される同
軸噴射器の動作を示す断面図である。
【図4】 本発明の一部である高性能推力エンジンに使用される同
軸噴射器の一部の拡大した断面図である。
【図5】 図4と同様な断面図であるが、不活性気体のタンク及び
停止時の燃料流路のパージを行うためのパージ制御バル
ブを付加してある。
【符号の説明】
10……アポジ・エンジン 12……ヒドラジン燃料タンク 14……酸化剤タンク 16……圧力供給タンク 18……流路 20……バルブ 22……推力発生機 24……電熱式増強推力発生機 26……アークジェット・エンジン 27……熱力学的増強装置 28……力場加速装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−119418(JP,A) 実開 平2−92055(JP,U) 実開 昭59−172241(JP,U) 特表 昭64−500531(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02K 9/42 - 9/44 F02K 9/52 F02K 9/56 F02K 9/94 - 9/95 B64G 1/00 F02C 7/232

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高性能液体燃料二系統推進薬の高推力エン
    ジンを作動させる方法であって、 燃料及び酸化剤の供給バルブを開放することによって、
    前記燃料及び酸化剤を燃焼室へ供給してエンジンを作動
    させるステップと、 前記燃料及び酸化剤の供給バルブを閉鎖することによっ
    て、前記燃料及び酸化剤の前記エンジン燃焼室への流入
    を阻止してエンジンを停止させるステップと、 前記燃料供給バルブの下流でかつ前記燃焼室の上流にあ
    る領域における燃料の燃焼を最小にするように停止間の
    前記エンジンを制御するステップと、 からなり、 停止間の前記エンジンを制御する前記ステップが、前記
    燃料供給バルブの閉鎖を前記酸化剤供給バルブの閉鎖後
    まで遅延させることを含み、それによって、酸化剤の全
    残留量を前記燃焼室内において燃料と反応させ、燃焼が
    起こる可能性のある前記領域内においては反応させない
    ことを確保する方法。
  2. 【請求項2】デュアル・モード・ロケット推進システム
    であって、 燃焼室を具備する高性能液体燃料二系統推進薬高推力ロ
    ケット・エンジンと、 燃料供給バルブ及び燃料供給流路を介して前記高推力エ
    ンジンの燃焼室に接続された液体燃料タンクと、 酸化剤供給バルブ及び酸化剤供給流路を介して前記高推
    力エンジンの燃焼室に接続された酸化剤タンクと、 前記液体燃料タンクに接続され、前記高推力エンジンと
    同一の燃料を使用する位置保持及び姿勢制御のための複
    数の一系統推進薬反応制御モーターであって、実質的な
    推進薬重量及び所与のミッション要求のための推進シス
    テムの不活性重量を節減して、高い有効ペイロードを得
    るようにしたものと、 燃料及び酸化剤の供給バルブの閉鎖によるエンジン停止
    後の無用な燃焼を最小にする手段と、を具備し、 前記無用な燃焼を最小にする手段が、前記酸化剤供給バ
    ルブの閉鎖後まで前記燃料供給バルブの閉鎖を遅延さ
    せ、前記燃焼室内において燃焼が完了することを確保す
    る手段を含むシステム。
  3. 【請求項3】請求項2記載のデュアル・モード・ロケッ
    ト推進システムであって、 不活性気体供給源と、 該不活性気体供給源と前記燃料供給バルブの下流の燃料
    流路とに接続されたパージ制御バルブと、 を更に具備し、 前記燃料供給バルブ閉鎖直後に前記パージ制御バルブか
    開放されて、前記燃料供給バルブの下流の燃料流路から
    残留燃料をパージするシステム。
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