JP3012076U - ペット用糞便受収具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ペットの糞便を衛生的かつ極めて容易に受収
でき、衛生上、環境上の問題を一切発生させない。 【構成】 円形若しくは楕円形のリング体１の外周部に
滑り止め部２を設ける。滑り止め部２の少なくとも一部
は、リング体１の内側に配する受収袋５の開口の周長よ
りも若干周長を長くしておく。リング体１の内側に位置
させた受収袋５の開口縁部を内側から上方へ抜けさせ、
折り返してリング体１の外周を覆うようにする。滑り止
め部２に受収袋５の開口縁部が圧接して、受収袋５が滑
り落ちるのを防ぐことができる。リング体１の側方には
把持部１０が突設している。 【作用】 ペットの臀部下に、リング体１に取り付けた
受収袋５を支え、糞便を受ける。道路などに糞便が付着
することがない。受収袋５がリング体１を覆っているた
め、リング体１が汚れない。滑り止め部２との摩擦力に
よって受収袋５が外れない。袋５を片手で引けば容易に
外すことができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は犬や猫の糞便を屋外にて受け、極めて衛生的に収納して廃棄可能な ペット用糞便受収具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

犬や猫などのペットが屋外でする糞便は、衛生上も美観上も、環境の汚染を招 く大きな問題となっている。飼い主がペットを戸外へ連れ歩く場合にも、ペット は時として糞便をもようし、処構わず用を足すことがしばしば見受けられた。こ のようなペットの糞便を収納する手段としては、道路などに落ちた糞便を飼い主 が小さなシャベルにて拾って道端に投げ捨てたり、新聞紙やティッシューペーパ ーなどによって掴む等しているが、軟便、下痢便等は拾得できずにそのまま放置 していた。普通便にしても、飼い主が直に手を使って拭うため、糞便の付着した ティッシューペーパーによって手が汚れる可能性があり、極めて不衛生であった 。また道路などに落ちた糞便を完全に拭い去ることは不可能であり、環境汚染を 払拭することはできなかった。

【０００３】 このために、糞便を収納する器具が幾種類か開発されて販売されているが、機 能としては、指のように出た幾本かの挟み部分によって挟むようにして糞便を拾 い、これを袋などに収納するなどの器具が採用されていた。

【０００４】

【この考案が解決しようとする課題】

前記したように糞便を掴むようにして拾う器具は、器具が糞便に直接触れるた め器具自体に糞便が付着して不衛生であり、これを洗浄する手間が必要となる。 また前記したティッシューペーパーによって拭う場合と同じく、道路などに付着 した糞便を完全に拭い去ることも不可能である。また糞便落下時に収納する器具 にしても大がかりであり、持ち運びの不便がある。

【０００５】 このように、糞便を衛生的に収納し、かつ道路などに糞便を一切付着させない ことが重要であるが、その他作業性が良好であることが必須の要件となる。つま り、犬などを連れる場合には、片手に犬を繋ぎ止めておく引き綱を持っており、 その手は余り自由にならない。従ってほぼ片手で素早く準備できて、またほぼ片 手で極めて容易に収納処理可能なものであることが必要である。

【０００６】 この考案は以上のような課題を解決するためになされたもので、環境汚染を一 切生じさせず、極めて衛生的に糞便を受収可能であるとともに、受収作業も素早 く極めて容易に行なえるペット用糞便受収具を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この考案にかかるペット用糞便受収具は、円形若しくは楕円形のリング体を備 え、このリング体の外周部に滑り止め部を設ける。滑り止め部は、少なくとも一 部が、リング体の内側に配する受収袋の開口の周長よりも若干周長が長くなった ている。このリング体の内側に位置させた受収袋の開口となる上縁部を内側から 上方へ抜けさせ、この開口縁部をリング体の外周を覆うように下方へ折り返す。 滑り止め部の周長は受収袋の開口縁部の周長よりも若干大きくなっており、受収 袋の開口を押し開いてリング体に被せる。受収袋の折り返し部分が押し拡げられ て張力が発生し、リング体の外周の滑り止め部に圧接して受収袋が滑り落ちるが 防止される。

【０００８】 ここで受収袋とは使い捨ての袋であって、ポリエチレンやポリスチレンや塩化 ビニールなどの規格化された袋を任意に選択して使用できるように、リング体も これら規格に合わせて大きさを決定する。袋の規格に合わせて、袋の開口の周長 とリング体の外周長を複数種規格化しておく。需要者は購入した受収具のリング 体の規格に合わせて袋を選択することになる。

【０００９】 受収袋の開口部が滑り止め部と圧接して、容易に滑り落ちないようになる。滑 り落ちないというのは、糞便を受けている場合には落ちないが、人力により引け ば瞬時に離脱させることができる程度の摩擦力を備えるという意である。リング 体の外周からは側方へは、手によって掴んで支えることができる把持部が突設し てある。

【００１０】 滑り止め部はシリコンやゴムによって形成して、滑り止め部と受収具との摩擦 力を高めることも可能である。滑り止め部のみをシリコンやゴムなどによって形 成するのではなく、全体を若干硬度のあるシリコンやゴムなどの弾性材料によっ て形成して容易に曲げ収納可能にしてもよい。滑り止め部の最も周長の長い部分 より下方へ行くにつれて徐々に周長が短くなるよう、テーパー状面とすることも 可能である。またその他、滑り止め部としてＯリングをリング体の外周に取り付 けてもよく、更にリング体の外周に凹凸を設けてもよい。

【００１１】

【作用】

受収袋を取り付ける場合、リング体の内側に位置させて開口部側を折り返すだ けでよく、取り付けは素早く行なえる。把持部を持ち、受収袋がペットの臀部下 にくるように受収具を支持、または地上に受収具を置き、糞便を受収袋内に受け る。受収袋はリング体の滑り止め部との摩擦力によって容易に落ちず、地上に置 いても受収袋が浮き上がって外れることはない。また受収袋の開口縁部はリング 体の外周を覆っているため、糞便によって汚れることがない。受収袋のリング体 内側を掴んで把持部とは反対方向へ引けば、容易にリング体から離脱させること ができる。受収袋の開口縁部を結んで廃棄すればよい。

【００１２】

【実施例】

以下、図に示す実施例に基づきこの考案を詳細に説明する。図において１は円 形のリング体であり、その外周部に滑り止め部２が設けられている。図３はリン グ体１の一部断面図であるが、実施例では合成樹脂のリング状の基部４の外周部 にシリコン製の滑り止め部２が取り付けられている。図２で示すように、基部４ の直径Ｌ１は、この外周が、取り付ける受収袋５の周長と同じになるようになっ ている。滑り止め部２の最も外周に張り出した部分の直径Ｌ２は、この部分の外 周が、受収袋５の開口の周長よりも若干大きくなっている。この最も大きい周長 の部分よりも上は、受収袋５の取り付け及び取り外しが容易なように丸み６を帯 びており、その下は徐々に周長が短くなるようテーパー状面７となっている。ま たリング体１の内周面の上方は、圧接面（滑り止め部２）に至るまで受収袋５が なだらかなカーブを描いて馴致し易くなるように、上へ行くにつれて徐々に内径 が大きくなって口が広くなるようテーパー面８を成している。

【００１３】 リング体１の下面には、金属製の棒状材をほぼＵ字状に屈曲した把持部１０の 二先端が埋設されて、リング体１の側方に把持部１０が突設している。

【００１４】 以上のような受収具の使用状態を説明する。まずリング体１の周長に合わせて 受収袋５を選択する。出掛ける前に、或いは屋外でペットが便意をもよおしたよ うな素振りを見せた場合、受収袋５を受収具のリング体１の内側に位置させ、開 口縁部を折り返してリング体１の外周を覆うよう取り付ける。このとき、リング 体１の外側へ折り返した部分のうち、把持部１０が取り付けた部分は、受収袋５ の一部が把持部１０によってたくし上げられたようになる。つまり受収袋５のう ちこの部分は、把持部１０によって若干浮き上がるが、つまりこの部分に少しば かりの隙間が生じる可能性があり、後に述べる受収袋５の離脱の場合、極めて重 要な部分となる。把持部１０を片手で持ち、ペットの臀部の下に受収袋５を位置 させて糞便を受ける。

【００１５】 排便が終了したら、把持部１０をペットを繋いでいる引き綱１１を持った手に 持ち替え、もう一方の手で受収袋５のリング体１の若干下を掴み下へ引き去る。 （図４）この場合、前記したように受収袋５は把持部１０によって若干浮き上が っており、この部分にもっと隙間が空くように引くもので、把持部１０とは反対 方向に引く。つまり図４の矢印のように、一方の腕は把持部１０を引き、反対の 腕は受収袋５を掴んで反対方向へ離れるように引くと、浮き上がり部分により大 きな隙間が出来て空気が入り込み、この部分から最初に袋５が抜け落ちて、受収 袋５と滑り止め部２との摩擦力に抗して容易に離脱できる。テーパー状面７はガ イドとなり、受収袋５がスムースに引き抜ける。リング体１から離脱した受収袋 ５の開口を結んで持ち帰り、ゴミとして受収袋５ごと廃棄すればよい。

【００１６】 図５に示すのはリング体１の他の実施例であり、滑り止め部２として、リング 体１の外周にシリコンやゴム製のＯリング１２を取り付けた場合である。また図 ６に示すのは、滑り止め部２としてリング体１の外周に複数の突部１３を形成し た場合である。

【００１７】

【考案の効果】

この考案は以上のような構成を有し、以下の効果を得ることができる。 ペットの糞便は、下痢便、吐瀉便を問わず排便時に受収袋に受けるようにする ため、道路や地面を糞便によって汚すことがなく、衛生や環境汚染の問題が一切 発生しない。 リング体の外周を覆うように受収袋を取り付けるため、受収具に糞便が付着す ることがなく、洗浄の手間が不要であるとともに、極めて衛生的に受収が可能で ある。 滑り止め部の少なくとも一部は受収袋の開口の周長よりも若干大きく形成され ており、受収袋が押し拡げられて、袋の張力によって圧接して容易にリング体か ら離脱することがない。また外出する前にリング体に受収袋を装着してバックや ポケットに入れて行くことが出来、その場合でも袋がリング体から浮き上がって 外れることがない。 受収袋は張力と滑り止め部との摩擦力によって取り付けられているため、人力 によって引けば容易にリング体から外すことが可能で、ほぼ片手だけの作業で極 めて容易に収納可能となっている。 糞便受収具はリング体と把持部という極めて簡易な構成であり、持ち運びに便 利であるとともに、壊れ難く、また安価に提供できる。 滑り止め部に徐々に周長が小さくなるテーパー状面を形成することにより、受 収袋を引く場合のガイドとなり、受収袋をスムーズに引き離すことができる。 滑り止め部をシリコンやゴム製とすることにより、受収袋と滑り止め部分の摩 擦力を高めることができる。 Ｏリングや凹凸によっても容易に摩擦力を確保することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案にかかるペット用糞便受収具の斜視図
である。

【図２】受収具の側面図である。

【図３】リング体の一部断面図である。

【図４】糞便の受収作業を示す説明図である。

【図５】リング体の他の実施例の一部断面図である。

【図６】リング体の他の実施例の一部斜視図である。

【符号の説明】

１ リング体 ２ 滑り止め部 ４ 基部 ５ 受収袋 ６ 丸み ７ テーパー状面 ８ テーパー面 １０ 把持部 １１ 引き綱 １２ Ｏリング １３ 突部

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 円形若しくは楕円形のリング体の外周部
   に、少なくとも一部がリング体の内側に配する受収袋の
   開口の周長よりも若干周長が長くなった滑り止め部を設
   け、リング体の内側に位置させた受収袋の開口縁部を内
   側から上方へ抜けさせ、リング体の外周部を覆うように
   下方へ折り返し、前記滑り止め部に受収袋の折返し部分
   が圧接して受収袋が滑落するのを防止可能とし、リング
   体の外周からは側方へ把持部を突設してなるペット用糞
   便受収具。
2. 【請求項２】 滑り止め部は、最も周長の長い部分か
   ら、下方へ行くにつれて徐々に周長が短くなるようテー
   パー状面としたことを特徴とする請求項１記載のペット
   用糞便受収具。
3. 【請求項３】 滑り止め部はシリコンによって形成した
   ことを特徴とする請求項１又は２記載のペット用糞便受
   収具。
4. 【請求項４】 滑り止め部はゴムによって形成したこと
   を特徴とする請求項１又は２記載のペット用糞便受収
   具。
5. 【請求項５】 滑り止め部はリング体外収面に取り付け
   たＯリングとしたことを特徴とする請求項１記載のペッ
   ト用糞便受収具。
6. 【請求項６】 滑り止め部には、表面に凹凸を設けたこ
   とを特徴とする請求項１記載のペット用糞便受収具。