JP3010385B2 - γ−GTP測定試薬 - Google Patents

γ−GTP測定試薬

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JP3010385B2
JP3010385B2 JP3063405A JP6340591A JP3010385B2 JP 3010385 B2 JP3010385 B2 JP 3010385B2 JP 3063405 A JP3063405 A JP 3063405A JP 6340591 A JP6340591 A JP 6340591A JP 3010385 B2 JP3010385 B2 JP 3010385B2
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gtp
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一夫 小谷
和典 齋藤
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第一化学薬品株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はγ−GTP測定試薬に関
し、詳細には長期間保存しても測定値の誤差が少ないγ
−GTP測定試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】血中のγ−GTP活性の測定は、肝・胆
道疾患の診断、予後の観察、アルコール中毒症の診断等
に広く利用されており、GOT、GPT等と共に肝・胆
道系の主要な検査項目の一つである。
【0003】従来、γ−GTP測定試薬としてはγ−グ
ルタミル基供与体及びγ−グルタミル基受容体からなる
試薬が最も一般的に用いられている。この試薬の測定原
理は、被検体中のγ−GTPがγ−グルタミル基供与体
及びγ−グルタミル基受容体に作用し、γ−グルタミル
基を供与体から受容体に転移させる際に、γ−グルタミ
ル基供与体から遊離する芳香族化合物等を吸光度変化等
により測定するというものである。
【0004】この方法においてγ−グルタミル基受容体
としてはグリシルグリシンが古くから用いられており、
現在市販の血中γ−GTP測定試薬のほとんどはこれを
使用している。そして、グリシルグリシンは、γ−GT
P活性測定時の反応系のpHが8付近であることから、利
便性を考慮してpH8付近の溶液として提供されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなγ−グルタ
ミル基供与体及びγ−グルタミル基受容体からなるγ−
GTP測定試薬においては、測定値の施設間差等が生
じ、大きな問題となっている。この測定値の差異自体は
大きいものではないが、陽性と陰性のボーダーライン付
近にある患者にとっては、肝炎か正常かの診断となって
表われるため極めて重要である。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる実状において、本
発明者らは、かかる測定値の差の生じる原因について種
々検討してきた結果、グリシルグリシンはpH8付近の溶
液中に長期保存すると加水分解されること、さらに当該
加水分解により生じたグリシンは極く微量でγ−GTP
活性を阻害することを見出した。
【0007】そして、このグリシルグリシンの分解を防
止するため、グリシルグリシンを凍結乾燥品として提供
することを検討したが、凍結乾燥品は剤型確保が困難で
あること、測定時の溶解が困難であること、大量生産に
は不向きであること等の欠点を有しているため、γ−G
TP測定試薬としては好ましくないことが判明した。
【0008】そこで、更に検討した結果、グリシルグリ
シン溶液のpHを3〜7に調整すれば、グリシルグリシン
は長期保存しても加水分解を受けないこと、及びこれに
測定反応系のpHをアルカリ側に調整するためのアルカリ
剤及びγ−グルタミル基供与体を組み合わせれば、長期
保存しても測定値の差の生じないγ−GTP測定試薬が
得られることを見出し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明はγ−グルタミル基供与
体、γ−グルタミル基受容体としてのpH3〜7のグリシ
ルグリシン溶液、及び測定反応系のpHを7.5 〜8.5 とす
るアルカリ剤からなるγ−GTP測定試薬を提供するも
のである。
【0010】本発明に用いるグリシルグリシン溶液は、
そのpHが3〜7であることが必要であり、好ましくはpH
5〜6である。この溶液のpHが3未満又は7を超えると
グリシルグリシンの分解が生じ、特にpH8を超えると分
解が顕著に認められ好ましくない(図1)。この溶液の
pHは3〜7であれば特に他の物質を加えて調整する必要
はないが、必要に応じて、緩衝剤、防腐剤、界面活性剤
等を加えてもよい。
【0011】また、γ−グルタミル基供与体としては、
特に限定はなく、具体例としてはγ−グルタミル−3−
カルボキシ−4−ニトロアニリド、γ−グルタミル−p
−ニトロアニリド等が挙げられる。なおこの溶液のpHは
8以下とすることが好ましい。アルカリ剤としては反応
系のpHを7.5 〜8.5 の範囲とするものであれば特に限定
されず、この具体例としては、水酸化ナトリウム、トリ
ス緩衝液等が挙げられる。
【0012】本発明試薬を用いて血液等の検体のγ−G
TP活性を測定するには、例えば上記3成分を混合し、
これに検体を加え一定時間インキュベーションした後、
γ−グルタミル基供与体から遊離する芳香族化合物の特
性に応じた波長における吸光度を測定すればよい。この
測定値を用い、予め作成しておいた検量線あるいは分子
吸光係数より検体のγ−GTP活性を算出する。
【0013】このときのγ−グルタミル基供与体の濃度
は検体中のγ−GTPよりも過剰であれば特に制限され
ないが、通常0.5 〜50mM、好ましくは1〜20mMである。
一方、グリシルグリシンの濃度も特に限定されないが、
通常25〜500 mM、好ましくは50〜200 mMである。また、
反応は検体が血清の場合、25〜37℃、特に30℃又は37℃
で行なうのが好ましい。
【0014】
【発明の効果】本発明のγ−GTP測定試薬は、長期間
保存しても安定であるため、測定値の誤差が少なく、更
に需要の高い大容量品としての安定的供給を可能とし
た。
【0015】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0016】試験例1 グリシルグリシンのpH安定性:1規定水酸化ナトリウム
又は1規定塩酸を用いてpH3〜9に調整した 100mMのグ
リシルグリシン液を50℃で2週間保存し、グリシルグリ
シン分解によるグリシン生成量を下記測定法により測定
し、比較した。結果を図1に示す。 (1)グリシルグリシン液中のグリシン量の測定 グリシルグリシンを含む試料中のグリシン測定はPTC
化法によるアミノ酸分析にて実施した(続生化学実験講
座2 タンパク質の化学 上 210 頁から215頁 日本
生化学会編 東京化学同人)。アミノ酸分析により得た
グリシルグリシンとグリシンのピーク面積比と、試料の
代わりに既知濃度のグリシンを含むグリシルグリシン液
を用い同様に操作して得た検量線から試料中のグリシン
量を求めた。50℃で2週間保存した時のグリシン生成量
について図1に示した。この結果より、グリシルグリシ
ンはpH3〜7で安定であることが判る。
【0017】試験例2 グリシンのγ−GTP活性に与える影響:既知濃度のグ
リシンを含む試薬を用い、γ−GTPに対するグリシン
の影響について下記の如く検討した。結果を図2に示
す。 (1)γ−GTP活性測定 グリシルグリシン100mM 、及びγ−グルタミル−3−カ
ルボキシ−4ニトロアニリド3mM、を含む 100mMトリス
緩衝液(pH8.2) 400μlにγ−GTPを含む試料10μl
を加え攪拌後、37℃で加温し 405nmにおける1分後から
4分後までの3分間の吸光度変化量を測定した。これと
試料の代わりに精製水10μlを加え、同様に操作して得
た試薬盲検量との差から試料吸光度変化量を求める。求
めた試料吸光度変化量と検出色素である5−アミノ−ニ
トロ安息香酸の分子吸光係数からγ−GTP活性を算出
した。 (2)γ−GTP活性に対するグリシンの影響 (1)の試薬に、グリシン濃度0.5mM から10mMとなるよ
うにグリシンを加えた試薬を調製し同様に操作して
(1)の試薬を用いた時のγ−GTP活性値と比較した
相対値を図2に示した。
【0018】実施例1 γ−GTP活性測定値の経時変化:本発明のグリシルグ
リシン液を構成成分とするγ−GTP測定試薬と、pH8
付近のグリシルグリシン液を構成試薬とする従来法のγ
−GTP測定試薬とを共に図3に示す条件下に保存し、
γ−GTP活性を測定したときの測定値の推移を下記測
定法により測定した。結果を図3に示す。
【0019】(1)本発明法によるγ−GTP活性測定 試薬 試薬1 グリシルグリシン 152 mM 液(pH5.5) 試薬2 NaOH 135mMを含むトリスヒドロキシメチルアミ
ノメタン 1000 mM 液(pH13) 試薬3 γ−グルタミル−3 −カルボキシ−4 −ニトロ
アニリド0.427g 試薬4 50 mM トリス緩衝液(pH7.0) 測定 試薬1の90mlと試薬2の10mlを混合し、第1試薬(pH8.
15)とする。試薬3を試薬4の100ml で溶解し、第2試
薬とする。第1試薬300 μlにγ−GTPを含む試料10
μlを加え攪拌後、37℃で5分間加温し、第2試薬を加
え攪拌し、その後37℃、405nm における1分後から4分
後までの3分間の吸光度変化量を測定した。これと、試
料の代わりに精製水を10μlを加え、同様に操作して得
た試薬盲検値との差から試料吸光度変化量を求めた。求
めた試料吸光度変化量と検出色素である5−アミノ−2
−ニトロ安息香酸の分子吸光係数からγ−GTP活性を
算出した。 (2)従来法によるγ−GTP活性測定 試薬 試薬1 グリシルグリシン 137 mM を含む100 mMトリス
緩衝液(pH8.15) 試薬2 γ−グルタミル−3 −カルボキシ−4 −ニトロ
アニリド0.427g 試薬3 50 mM トリス緩衝液(pH7.0) 測定 試薬1をそのまま使用し、第1試薬とする。試薬2を試
薬3の100ml で溶解し、第2試薬とする。第1試薬300
μlにγ−GTPを含む試料10μlを加え攪拌後、37℃
で5分間加温し、第2試薬を 100μl加え攪拌し、その
後、37℃、405nm における1分後から4分後までの3分
間の吸光度変化量を測定した。これと、試料の代わりに
精製水10μlを加え、同様に操作して得た試薬盲検値と
の差から試料吸光度変化量を求めた。求めた試料吸光度
変化量と検出色素である5−アミノ−2−ニトロ安息香
酸の分子吸光係数からγ−GTP活性を算出した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、グリシルグリシンのpH安定性を示す図
面である。
【図2】図2は、グリシンのγ−GTP活性に与える影
響を示す図面である。
【図3】図3は、γ−GTP活性測定値の経時変化を示
す図面である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 γ−グルタミル基供与体、γ−グルタミ
    ル基受容体としてのpH3〜7のグリシルグリシン溶液、
    及び測定反応系のpHを7.5〜8.5 とするアルカリ剤から
    なるγ−GTP測定試薬。
JP3063405A 1991-03-27 1991-03-27 γ−GTP測定試薬 Expired - Lifetime JP3010385B2 (ja)

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