JP3007824B2 - 動き検出装置 - Google Patents

動き検出装置

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JP3007824B2
JP3007824B2 JP23129595A JP23129595A JP3007824B2 JP 3007824 B2 JP3007824 B2 JP 3007824B2 JP 23129595 A JP23129595 A JP 23129595A JP 23129595 A JP23129595 A JP 23129595A JP 3007824 B2 JP3007824 B2 JP 3007824B2
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政夫 平本
大志 磯崎
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松下情報システム株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体の検出を行
う他に、その動きを検出する動き検出装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、通常のNTSC(National Televi
sion System Committee の略である)映像信号を入力し
て信号処理を施し、移動体の動きの検出や形状認識等を
行う装置の開発や製品化が盛んである。例えば、侵入監
視の目的で、ビルの入退ロビーの片隅にカメラを取付
け、そのカメラが捉えた映像を解析することによって侵
入者や放置物等を検知し、その追跡を行うといった装置
がある。
【0003】このような装置では、一般に、前以て参照
すべき背景画像を作っておき、該背景画像と、取り込ん
だ画像との差分量を検出することによって、移動体の検
出を行うようになっている。この方法によれば、背景画
像を基本的には変化しないものと考えて、最初に、侵入
者や放置物等がない状態において取り込んだ画像を背景
画像とし、その背景画像と繰り返し取り込まれる画像と
の差分量の情報を元に、侵入者や放置物の検出を行って
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来方法によれば、最初に取り込んだ画像を固定の背景
画像としていることから、背景が徐々に変化してゆくよ
うな状況下においては、移動体の正確な検出を行うこと
が難しい。極端な場合には、背景画像の変化そのものを
移動体と誤って検出してしまうおそれさえもある。その
ような不具合を回避するためには、変化する背景に対応
すべく、状況に応じて人為的に背景画像を取り込む必要
がある。
【0005】本発明は、かかる現状に鑑みてなされたも
のであり、周辺の明るさが変化するような状況下におい
ても、移動体の動きや放置物等の検出を正確に行うこと
が可能な動き検出装置を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本請求項1に記載の発明は、サンプリングされた第
1の画像データと、移動体を検出するために参照される
背景画像として記憶された1フレーム前の第2の画像デ
ータとの差分量を計算する差分量計算手段と、前記第1
の画像データに対して定数1−a(0≦a≦1)を乗算
する第1の乗算手段と、前記第2の画像データに対し
て、定数a(0≦a≦1)を乗算する第2の乗算手段
と、前記第1の乗算手段によって求められた第1の積
と、前記第2の乗算手段によって求められた第2の積と
を加算し、その加算値を以て前記第2の画像データを更
新する画像データ更新手段と、前記差分量計算手段によ
って計算された第1の差分量データを、対応する画素毎
に、記憶されたその1フレーム前の第2の差分量データ
で以て除算する除算手段と、前記除算手段による除算に
おいて除数とすべき前記第2の差分量データが0或いは
0に近似される値である場合に、除算を行うことなく除
算結果を0に設定する0値設定手段と、前記差分量計算
手段によって計算された第1の差分量データを、前記除
算手段による除算の間保持する差分量データ保持手段
と、前記除算手段による除算結果を前記定数a(0≦a
≦1)と比較判定し、その判定結果が該定数aと一致す
るか或いは該定数aに近似される値である場合には第1
の符号に変換し、その判定結果がそれ以外の値であっ
て、且つ0でない場合には第2の符号に変換し、前記0
値設定手段によって除算結果として0が設定された場合
には第3の符号に変換する符号化手段と、前記符号化手
段によって得られた符号化データを元に、物体の移動状
況をモニタ表示するモニタ表示手段と、を備えているこ
とを特徴としている。
【0007】また、本請求項2に記載の発明は、請求項
1に記載の動き検出装置における差分量計算手段が、フ
レーム単位でサンプリングされた第1及び第2の画像デ
ータ間において対応する画素毎に差分量を計算し、絶対
値化することを特徴としている。また、本請求項3に記
載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の動き検出装
置における第1の乗算手段が乗算する定数1−aは、移
動体が検出されない状態において予想される経時変化の
下で、前記第2の画像データが前記第1の画像データに
及ぼす影響の程度を考慮して設定される所定数であるこ
とを特徴としている。
【0008】また、本請求項4に記載の発明は、請求項
1又は請求項3記載の動き検出装置における画像データ
更新手段が、更に、前記第2の画像データの更新を終了
すると同時に、次なる画像データの取込みを指示する画
像データ取込み指示手段を備えていることを特徴として
いる。また、本請求項5に記載の発明は、請求項1又は
請求項4記載の動き検出装置における0値設定手段が、
更に、前記除算手段による除算において除数とすべき前
記第2の差分量データが0或いは0に近似される値であ
る場合に、該第2の差分量データを前記第1の差分量デ
ータで置き換えることを特徴としている。
【0009】また、本請求項6に記載の発明は、請求項
1又は請求項5記載の動き検出装置における符号化手段
が、更に、前記除算手段による除算結果の符号化を終了
すると同時に、次なる画像データの取込みを指示する画
像データ取込み指示手段を備えていることを特徴として
いる。また、本請求項7に記載の発明は、請求項1又は
請求項6記載の動き検出装置におけるモニタ表示手段
が、更に、前記符号化手段によって得られた符号化デー
タを元に、データ値の連続域をグループ化するラベリン
グ手段を備えていることを特徴としている。
【0010】上記構成によれば、本発明にかかる動き検
出装置では、参照すべき背景画像が徐々に変化するよう
な場合であっても、画像データ更新手段によって、逐次
取り込む画像との差分量の情報を元に1フレーム毎に背
景画像が更新されるようになっているので、移動体の検
出が正確に行われる。また、符号化手段の出力データに
基づき、移動体が検出された後に、該移動体が静止して
いるか否かについての検出が行われる。即ち、除算手段
による除算結果が定数a(0<a<1)と一致するか或
いは該定数aに近似される値である場合には、差分量に
よって検出された移動体がその後静止したものと判断さ
れ、そうでない場合には、該移動体は更に移動している
ものと判断される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら具体的に説明する。図1は、本
発明にかかる動き検出装置の構成の例を示すブロック図
である。そして、この動き検出装置には、第1〜第4の
4つの画像メモリ1〜4とが備えられている。
【0012】ここで画像メモリ(フレームメモリとも言
う)とは、テレビ画面上の1画素について1つの記憶場
所をもつ大容量のICメモリのことであり、次々と送ら
れてくる1画面分の画像データがリアルタイムで書き込
まれ、更に、メモリ上の画像データがリアルタイムで読
み出されるようになっている。画像メモリの容量は、1
フレームを構成する画素数と、1画素を何ビットで表現
するかによって決定される。ここでは、1フレームを構
成する画素数を512×512=262,144個と
し、第1〜第3の3つの画像メモリ1〜3では、1画素
を8ビットで表現し(即ち、28=256階調の表現方式
である)、第4の画像メモリ4では、1画素を2ビット
で表現するものとしている。従って、第1〜第3の3つ
の画像メモリ1〜3の容量は、夫々、512×512×
8=2,097,152ビットであり、約2.1Mビッ
トとなっている。また、第4の画像メモリ4の容量は、
512×512×2=524,288ビットであり、約
525Kビットとなっている。
【0013】なお、解像度を上げるためには、画素数を
512×1024としてもよいし、カラー表現力を高め
るために、1画素を24ビットで表現する(即ち、RG
Bの夫々を8ビットで表現する)ようにしてもかまわな
い。次に、本動き検出装置の構成を、その処理する信号
の流れ(図中、矢印で示す)に従って順に説明する。な
お、本動き検出装置における各機能ブロックについて
は、入力される映像信号の1フレームを単位として動作
するようになっている。
【0014】映像入力装置10では、監視カメラ等(図
示せず)によって撮像されたNTSC方式のアナログ映
像信号が入力され、サンプリングされた画素単位の映像
信号がA/D変換によって、1画素8ビットの画像デー
タに変換される。そして、その1フレーム分の画像デー
タ(以下、第1の画像データとする)が、第1の入出力
装置11によって第1の画像メモリ1に書き込まれる。
【0015】なお、本動き検出装置の立ち上げ時におい
ては、最初に入力された1フレーム分の画像データは先
に第2の画像メモリ2に書き込まれ、第2番目の1フレ
ーム分の画像データからは第1の画像メモリ1に書き込
まれるようになっている。次に、第1の入出力装置11
によって第1の画像メモリ1から読み出された第1の画
像データが第1の乗算器14に入力され、そこで定数1
−a(0≦a≦1)を乗数とする乗算が行われる。ま
た、これと並行して、第2の入出力装置12によって第
2の画像メモリ2から読み出された第2の画像データが
第2の乗算器15に入力され、そこで定数a(0≦a≦
1)を乗数とする乗算が行われる。
【0016】ここで、定数1−a(0≦a≦1)につい
ては、移動体が検出されない状態において予想される経
時変化の下で、第2の画像データが第1の画像データに
及ぼす影響の程度を考慮して決定される所定値として設
定される。具体的には、移動体が検出されない状態にお
いては、第1の画像データ及び第2の画像データの有す
る画素単位の輝度レベルは極端に変化することはない。
ただ、経時変化がある場合にのみ、それに係わる分だけ
の輝度レベルの変化を生じることになる。
【0017】従って、そのような場合における第2の画
像データの、次順の第1の画像データに及ぼす影響力は
少ないと考えられるので、定数1−aとしては、経時変
化が全くないか或いは少ない場合には0.5に設定さ
れ、多少の経時変化がある場合には、0.5よりも小さ
く、且つ0.5に近い値として設定される。なお、設定
値0.5にどの程度近づけるかについては、経時変化の
程度に従い、経時変化の程度が少ない程、0.5に近い
値となるように設定する。但し、具体的な数値について
は、状況に応じて決定される。
【0018】続いて、第1の乗算器14で求められた積
と、第2の乗算器15で求められた積とが加算器16に
よって加算され、その加算結果が、第2の入出力装置1
2によって第2の画像メモリ2に書き込まれる。ここ
に、第2の画像メモリ2に格納されている第2の画像デ
ータは更新される。一方、減算器6では、第1の入出力
装置11によって第1の画像メモリ1から読み出された
第1の画像データと、第2の入出力装置12によって第
2の画像メモリ2から読み出された第2の画像データと
の間で、対応する画素毎に減算が行われ、その減算結果
についての絶対値処理がなされる。そして、その計算結
果(以下、第3の画像データとする)は、一時記憶レジ
スタ7と割算器8に夫々出力される。
【0019】一時記憶レジスタ7では、次に説明する割
算器8で行われる割算が終了する迄の間、かかる減算結
果を一時的に保持するようになっており、その後、そこ
に保持された減算結果のデータが、第3の入出力装置1
3によって、第3の画像メモリ3に書き込まれる。割算
器8では、減算器6からの出力データが、第3の入出力
装置13によって第3の画像メモリ3から読み出された
1フレーム前の減算結果データで以て割算される。この
場合、除数とされる1フレーム前の減算結果のデータが
0であるか或いは0に近似される値であることがある
が、そのような場合には除算を行うことができない。そ
こで、そのような場合には、読み出された1フレーム前
の減算結果のデータに代わって前記減算器6からの出力
データを第3の入出力装置13によって第3の画像メモ
リ3の同一アドレスに書き込み、割算器8からは0を出
力する。
【0020】符号化器9では、割算器8からの出力デー
タ(除算結果である)が0、1、2の3値に符号化され
る(なお、この符号化の意味については、後述する)。
更に、符号化器9からの出力データについては、第4の
画像メモリ4へ出力される。そして、第4の画像メモリ
4に格納されたデータは、ラベリング装置5により読み
出されてラベリング処理(即ち、隣接する同じ要素をグ
ループ化してラベル付けを行う処理のことである)が施
された後、画像モニタ17にその内容が表示される。こ
こに、ユーザは、画像モニタ17に表示された映像を視
認することによって、侵入物等の移動体の動きを正確に
把握することが可能となる。
【0021】また、符号化器9では、1フレーム分の符
号化の終了と同時に、第2の入出力装置12に対して
は、第2の画像メモリ2からの第2の画像データの読み
出しの停止を指示し、第1の入出力装置11に対して
は、次なる画像データの取込みを指示する。図2は、図
1に示す動き検出装置における処理動作の流れを示すフ
ローチャートである。なお、この動き検出装置の実施形
態として、屋外光の影響を受けて明るさが変化するフロ
アをカメラ監視するものとし、半日で照度が約50%変
化するような監視状況下にて、本装置では1秒間に約1
0フレームの画像処理を行う性能を有するものとし、定
数aをa=0.8とした場合について説明する。
【0022】初めに、この動き検出装置を立ち上げるた
めの初期処理を行う(S1)。この処理では、映像入力
装置10で変換した1画素あたり8ビットからなる画像
データの1フレーム分を参照すべき最初の背景画像とす
るために、第1の入出力装置11によって、該画像デー
タが第2の画像メモリ2に書き込まれる。これ以降のス
テップS2〜S17迄の処理は、移動体の検出を行う際
になされる処理となっている。先ず、映像入力装置10
で映像を1画面(フレーム)分取込み、量子化する(S
2)。この場合、映像入力装置10で1フレーム分を全
て取り込まなくても1画素単位で取り込み量子化し、第
1の画像メモリ1への書き込みを順次行うようにしても
かまわない。
【0023】続いて、映像入力装置10の出力を第1の
入出力装置11で第1の画像メモリ1に書き込む(S
3)。次に、第1入出力装置11と第2の入出力装置1
2によって、第1の画像メモリ1と第2の画像メモリ2
における同一アドレスのデータを減算器6に読み出し
て、減算処理を行う(S4)。具体的には、読み出した
第1の画像メモリ1のデータと第2の画像メモリ2のデ
ータとの差分量の絶対値を算出する。この処理では、背
景画像とサンプリング画像の変化状況を調べており、減
算処理の結果が0に近い値の場合には、サンプリング画
像の取り込んだ点が背景画像のそれと略同じであること
を意味している。
【0024】減算器6からの出力データについては一時
記憶レジスタ7に記憶する(S5)。この処理は、次に
割算器8で行われる割算動作が行われる間、第3の画像
メモリ3へのデータ書込みを待機するための処理であ
る。続いて、割算器8で、減算器6の出力データを、第
3の画像メモリ3に格納されている1フレーム前の減算
器6の出力データを除数として割算を行う(S6)。但
し、除数とする1フレーム前の減算器6の出力データが
0である場合、或いは、量子化誤差を考慮して0に近似
される値である場合には、割算を行うことなく、第3の
入出力装置13によって、前記減算器6の出力データ
を、第3の画像メモリ3に書き込むものとし、割算器8
の出力データとしては0を出力する。
【0025】図3は、図2に示すフローチャートの続き
である。割算器8の出力データは、符号化器9に入力さ
れて、そこで、その値が0であるか否かを判定する(S
7)。この処理では、背景画像とサンプリング画像との
間に変化があるかないかを調べており、0である場合に
は、「0」に符号化する(S11)。また、0でない場
合には、更に、割算器8の出力データを定数aと比較す
る(S8)。そして、割算器8の出力データが定数aと
一致するか或いは定数aに近似する場合には、「2」に
符号化する(S9)。また、そうでない場合には、
「1」に符号化する(S10)。
【0026】次に、この符号化器9の出力データを第4
の画像メモリ4に書き込む(S12)。この処理の後、
ステップS5の処理で記憶した一時記憶レジスタ7の内
容を、第3の入出力装置13によって、第3の画像メモ
リ3に書き込む(S13)。このときの書き込みアドレ
スは、ステップS6の処理で、第3の入出力装置13に
よって読み出した読み出しアドレスと同じである。
【0027】続いて、第1の乗算器14にて第1の画像
メモリ1に格納されているデータを(1−a)倍し、ま
た、第2の画像メモリ2に格納されているデータをa倍
し、更に、それらの積のデータを加算器16にて加算
し、その加算結果を、第2の入出力装置12によって、
第2の画像メモリ2に書き込む(S14)。このときの
第1の画像メモリ1及び第2の画像メモリ2の読み出し
アドレスと、第2の画像メモリ4への書き込みアドレス
は同じである。
【0028】ここで、第1の画像メモリ1に格納される
データはサンプリング画像であり、第2の画像メモリ2
に格納されるデータは参照すべき背景画像となっている
が、上記処理によって,結局、背景画像がサンプリング
画像で更新されることになる。そして、更新の比率につ
いては、ここでは、a=0.8であるとしているので、
0.2、即ち、サンプリング画像の20%で更新するこ
とになる。
【0029】また、前記符号化器9からの1画面(フレ
ーム)分の出力データについては、第4の画像メモリ4
に書き込み(S15)、そのデータの書込みの終了を待
って(S16においてYesの場合)、そのデータをラ
ベリング装置5で読み出して、隣接する同じ値の領域を
グループ化し、ラベリング処理を施す(S17)。そし
て、そのラベリング内容を画像モニタ17に表示する
(S18)。
【0030】更に、符号化器9からは、第1の入出力装
置11に対して、映像入力装置10からの次なる出力
(第1の画像データのことである)を取り込むように指
示し(S19)、ステップS3の処理に移行する。次
に、上記フローチャートにおけるステップS8〜S10
の処理における符号化の意味について説明する。n番目
に取り込んだサンプリング画像のi行j列目の値をXij
(n)、そのときの背景画像のi行j列目の値をYij
(n)とすると、その減算結果はXij(n)−Yij
(n)となる。このとき、背景画像値Yij(n)は1フ
レーム前のサンプリング画像と背景画像の混合値である
ので、次の〔数1〕式が成立する。 〔数1〕 Yij(n)=(1−a)・Xij(n−1)+a・Yij(n−1) この式を利用して、減算結果であるXij(n)−Yij
(n)を示すと次の〔数2〕式が成立する。 〔数2〕 Xij(n)−Yij(n)=Xij(n)−(1−a)・Xij(n−1) −a・Yij(n−1) ここで、n番目に取り込んだサンプリング画像と1フレ
ーム前に取り込んだサンプリング画像とが同じである場
合には、Xij(n)=Xij(n−1)となるので、この
関係式を利用すると上記〔数2〕式は次の〔数3〕式に
変換できる。 〔数3〕 Xij(n)−Yij(n)=a・{Xij(n−1)−Yij(n−1)} この〔数3〕式より、n番目に相当する画像メモリ間の
差分値を、その1フレーム前に相当する画像メモリ間の
差分値で割ったとき、その商は定数aになることがわか
る。
【0031】従って、背景と異なるものが1度侵入して
静止した場合には、ステップS7の処理にて割算器10
の出力値がaになるため、ステップS8では「2」に符
号化される。また、侵入物が移動中である場合には、上
記〔数3〕式が成立しないので、ステップS9にて
「1」に符号化される。また、それ以外の場合について
は、減算結果が0のときは、背景と同じであるため、ス
テップS10にて「0」に符号化される。そして、これ
らの符号化された点については、最終的には、ラベリン
グ装置5で”集まり”としてラベリングされるので、侵
入物や侵入後静止した物の位置、形状が画像モニタ17
を通じて確認できるようになる。
【0032】なお、上述した本発明の実施形態の説明に
おいては、符号化を行う前に、割算器8を用いて割算結
果が定数aに近いかどうかについての判断を行うものと
したが、割算器8の代わりに乗算器を使用して、1フレ
ーム前の減算結果のデータである第3の画像メモリ3の
内容に定数aを掛けた結果が現フレームの減算結果に近
いかどうかを判断するように構成してもかまわない。ま
た、定数aについては、a=0.8としたが、勿論、こ
の値に限るものではなく、他の様々な状況下においては
その状況に応じた適当な値が設定される。
【0033】
【発明の効果】以上の本発明によれば、背景画像が徐々
に変化するような監視状況下であっても、逐次画像を取
り込んで、参照とすべき背景画像を更新するので、侵入
物等の検出を正確に行うことが可能となる。また、侵入
後に静止して放置された物の検出や、侵入物のそれ以降
の移動状況を個々に検出することができるので、有用な
監視映像が得られ、その実用的効果は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる動き検出装置の構成の例を示す
ブロック図である。
【図2】図1に示す動き検出装置における処理動作の流
れを示すフローチャートである。
【図3】図2に示すフローチャートの続きである。
【符号の説明】
1 第1の画像メモリ 2 第2の画像メモリ 3 第3の画像メモリ 4 第4の画像メモリ 5 ラベリング装置 6 減算器 7 一時記憶レジスタ 8 割算器 9 符号化器 10 映像入力装置 11 第1の入出力装置 12 第2の入出力装置 13 第3の入出力装置 14 第1の乗算器 15 第2の乗算器 16 加算器 17 画像モニタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06T 7/20 H04N 7/18 H04N 7/32

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンプリングされた第1の画像データ
    と、移動体を検出するために参照される背景画像として
    記憶された1フレーム前の第2の画像データとの差分量
    を計算する差分量計算手段と、 前記第1の画像データに対して定数1−a(0≦a≦
    1)を乗算する第1の乗算手段と、 前記第2の画像データに対して、定数a(0≦a≦1)
    を乗算する第2の乗算手段と、 前記第1の乗算手段によって求められた第1の積と、前
    記第2の乗算手段によって求められた第2の積とを加算
    し、その加算値を以て前記第2の画像データを更新する
    画像データ更新手段と、 前記差分量計算手段によって計算された第1の差分量デ
    ータを、対応する画素毎に、記憶されたその1フレーム
    前の第2の差分量データで以て除算する除算手段と、 前記除算手段による除算において除数とすべき前記第2
    の差分量データが0或いは0に近似される値である場合
    に、除算を行うことなく除算結果を0に設定する0値設
    定手段と、 前記差分量計算手段によって計算された第1の差分量デ
    ータを、前記除算手段による除算の間保持する差分量デ
    ータ保持手段と、 前記除算手段による除算結果を前記定数a(0≦a≦
    1)と比較判定し、その判定結果が該定数aと一致する
    か或いは該定数aに近似される値である場合には第1の
    符号に変換し、その判定結果がそれ以外の値であって、
    且つ0でない場合には第2の符号に変換し、前記0値設
    定手段によって除算結果として0が設定された場合には
    第3の符号に変換する符号化手段と、 前記符号化手段によって得られた符号化データを元に、
    物体の移動状況をモニタ表示するモニタ表示手段と、 を備えていることを特徴とする動き検出装置。
  2. 【請求項2】 前記差分量計算手段は、フレーム単位で
    サンプリングされた第1及び第2の画像データ間におい
    て対応する画素毎に差分量を計算し、絶対値化すること
    を特徴とする請求項1記載の動き検出装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の乗算手段が乗算する定数1−
    aは、移動体が検出されない状態において予想される経
    時変化の下で、前記第2の画像データが前記第1の画像
    データに及ぼす影響の程度を考慮して設定される所定数
    であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の動
    き検出装置。
  4. 【請求項4】 前記画像データ更新手段は、更に、前記
    第2の画像データの更新を終了すると同時に、次なる画
    像データの取込みを指示する画像データ取込み指示手段
    を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項3記
    載の動き検出装置。
  5. 【請求項5】 前記0値設定手段は、更に、前記除算手
    段による除算において除数とすべき前記第2の差分量デ
    ータが0或いは0に近似される値である場合に、該第2
    の差分量データを前記第1の差分量データで置き換える
    ことを特徴とする請求項1又は請求項4記載の動き検出
    装置。
  6. 【請求項6】 前記符号化手段は、更に、前記除算手段
    による除算結果の符号化を終了すると同時に、次なる画
    像データの取込みを指示する画像データ取込み指示手段
    を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項5記
    載の動き検出装置。
  7. 【請求項7】 前記モニタ表示手段は、更に、前記符号
    化手段によって得られた符号化データを元に、データ値
    の連続域をグループ化するラベリング手段を備えている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項6記載の動き検出
    装置。
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