JP3005065B2 - 基準周波数光源及びそれを利用した超高精度光周波数測定システム - Google Patents

基準周波数光源及びそれを利用した超高精度光周波数測定システム

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JP3005065B2
JP3005065B2 JP3073371A JP7337191A JP3005065B2 JP 3005065 B2 JP3005065 B2 JP 3005065B2 JP 3073371 A JP3073371 A JP 3073371A JP 7337191 A JP7337191 A JP 7337191A JP 3005065 B2 JP3005065 B2 JP 3005065B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可視、紫外、赤外域に
おける基準周波数光源及びそれを利用した超高精度光周
波数測定システムに関し、特に、2つの周波数の差の2
分の1の周波数の周波数確度及び安定性が高い基準周波
数光源及びそれを利用した超高精度光周波数測定システ
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】極限光応用システムには、高コヒーレン
ト光源が必須であるのは衆知のとおりである。しかし、
同時にその光周波数も高精度に測定できなければ、高品
質光源の性能を十分に利用することは不可能である。例
えば、大容量コヒーレント光通信のためには、光ファイ
バの損失が最低となる波長1.55μm(周波数194
THz)を中心に、光周波数範囲20THzにわたり、
周波数間隔約10GHzで2000チャンネルの伝送を
行うことが提案されている。しかし、そのためには、各
チャンネル間の周波数間隔、さらに、各チャンネルの光
周波数を高精度で測定する必要がある。すなわち、光を
マイクロ波と同様に使いこなすためには、このような光
周波数を測定するシステムが必要不可欠である。
【0003】光周波数は数100THzであるので、こ
れを直接測定する検出器は現在のところ存在しない。そ
こで、光周波数を測定する方法として、光の波長を測定
して波長と光速の関係から周波数を求める方法がある。
このための小形の波長計はすでに市販されている。しか
し、この場合、空気の屈折率の変化等により、測定精度
は低く、誤差10-8を得ることは実用上困難である。ま
た、もう1つの光周波数測定の基本形として、基準周波
数のマイクロ波発振器、遠赤外レーザ、可視レーザ、さ
らに、点接触ダイオードを組み合わせた測定システムが
約20年前から提案され、先進国の主要研究機関でいく
つかのレーザ(後述のヘリウム・ネオンレーザ等)の周
波数がすでに測定されている(例えば、「OPTRON
ICS」1990,No. 8,PP. 49〜55参照)。し
かし、このシステムは、マイクロ波から可視にわたる多
数のレーザを必要とし、また、ハイパワーのレーザが必
要であり、さらに、点接触ダイオードの寿命が半日程度
と短く、巨大、複雑、短寿命であるために実用的ではな
い。
【0004】さらに、所望の基準周波数を得るのに、1
つの基準周波数レーザからの光を周波数逓倍する方法、
複数の基準周波数レーザからの光を混合する方法、1つ
の基準周波数レーザからの光を分周する方法等が知られ
ているが、2つの基準周波数レーザからの光の周波数の
差の半分の周波数を得る方法は知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような状
況に鑑みてなされたものであり、その目的は、上記の従
来技術の問題点を解決して、簡単な構成で周波数確度が
10-9よりも良く安定性の高い2つの周波数の差の2分
の1の周波数の実用的な基準周波数光源及びそれを利用
した実用的で周波数確度の高い超高精度光周波数測定シ
ステムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の基準周波数光源
は、少なくとも、2個の異なる基準周波数レーザと、和
周波数発生器及び差周波数発生器を介して前記各基準周
波数レーザの周波数に対する差信号を得てこれを負帰還
するホモダイン型位相同期ループにより周波数安定化さ
れる1個以上の局部発振レーザと、前記ホモダイン型位
相同期ループにより前記各基準周波数レーザの周波数の
差の2分の1に周波数安定化される半導体レーザ、又
は、前記局部発振レーザからの周波数に基づいて非線形
光学素子とホモダイン型位相同期ループにより前記各基
準周波数レーザの周波数の差の2分の1に周波数安定化
される半導体レーザとからなることを特徴とするもので
ある。
【0007】より具体的には、第1の光電変換器に、第
1の基準周波数レーザからの周波数ν1 の光と、和周波
数発生器によって発生した半導体レーザの周波数νs
局部発振器を構成する固体レーザの周波数ν0の和の周
波数の光とを入力して、その信号を半導体レーザへ負帰
還するホモダイン型の位相同期ループにより、半導体レ
ーザの発振周波数νs がν1 =ν0 +νs の関係を満た
すようにし、また、第2の光電変換器に、第2の基準周
波数レーザからの周波数ν2 の光と、差周波数発生器に
よって発生した半導体レーザの周波数νs と固体レーザ
の周波数ν0 の差の周波数の光とを入力して、その信号
を固体レーザへ負帰還するホモダイン型の位相同期ルー
プにより、固体レーザの発振周波数ν0 がν2 =ν0
νs の関係を満たすようにして、半導体レーザの発振周
波数をνs =(ν1 +ν2 )/2に狭窄化して安定化す
るするものである。
【0008】また、第1の光電変換器に、第1の基準周
波数レーザからの周波数ν1 の光と、和周波数発生器に
よって発生した局部発振器を構成する固体レーザの周波
数ν3 と第2の半導体レーザの周波数ν4 の和の周波数
の光とを入力して、その信号を第2の半導体レーザへ負
帰還するホモダイン型の位相同期ループにより、第2の
半導体レーザの発振周波数ν4 がν1 =ν3 +ν4 の関
係を満たすようにし、また、第2の光電変換器に、第2
の基準周波数レーザからの周波数ν2 の光と、差周波数
発生器によって発生した局部発振器を構成する固体レー
ザの周波数ν3 と第3の半導体レーザの周波数ν5 の差
の周波数の光とを入力して、その信号を第3の半導体レ
ーザへ負帰還するホモダイン型の位相同期ループによ
り、第3の半導体レーザの発振周波数ν5 がν2 =ν3
−ν5 の関係を満たすようし、かつ、第2の和周波数発
生器により第2の半導体レーザの周波数と第3の半導体
レーザの周波数の和の周波数ν4 +ν5 を発生させ、こ
の和の周波数の光と第2高調波発生器から生じた第1の
半導体レーザの周波数の2倍の光とを第3の光電変換器
に入力して、その信号を第1の半導体レーザへ負帰還す
るホモダイン型の位相同期ループにより、第1の半導体
レーザの発振周波数をνs =(ν1 +ν2 )/2に狭窄
化して安定化するように構成してもよい。
【0009】光通信領域である波長1.5μm領域で用
いるには、第1の基準周波数レーザとしてヨウ素の飽和
吸収で安定化されている波長0.63μmのヘリウム・
ネオンレーザを用い、第2の基準周波数レーザとしてメ
タンの飽和吸収で安定化されている波長3.39μmの
ヘリウム・ネオンレーザを用いるようにすることが望ま
しい。
【0010】また、本発明の超高精度光周波数測定シス
テムは、少なくとも、以上のような基準周波数光源と、
所定の周波数で周波数変調又は位相変調を受けた半導体
レーザと、被測定光と前記半導体レーザからの光を干渉
させてそのビート成分を取り出す第1のビート成分取り
出し手段と、前記半導体レーザからの光と前記基準周波
数光源からの光を干渉させてそのビート成分を取り出す
第2のビート成分取り出し手段と、取り出されたビート
成分の周波数をカウントする手段とからなることを特徴
とするものである。
【0011】
【作用】本発明の基準周波数光源においては、少なくと
も、2個の異なる基準周波数レーザと、和周波数発生器
及び差周波数発生器を介して前記各基準周波数レーザの
周波数に対する差信号を得てこれを負帰還するホモダイ
ン型位相同期ループにより周波数安定化される1個以上
の局部発振レーザと、前記ホモダイン型位相同期ループ
により前記各基準周波数レーザの周波数の差の2分の1
に周波数安定化される半導体レーザ、又は、前記局部発
振レーザからの周波数に基づいて非線形光学素子とホモ
ダイン型位相同期ループにより前記各基準周波数レーザ
の周波数の差の2分の1に周波数安定化される半導体レ
ーザとから構成されているので、簡単な構成で、小型、
軽量、堅牢、長寿命であり、基準周波数レーザの周波数
確度及び周波数安定度が高ければ、周波数確度及び周波
数安定度は同様に高くなるものである。
【0012】そして、例えば、ヨウ素の飽和吸収で安定
化されている波長0.63μmのヘリウム・ネオンレー
ザとメタンの飽和吸収で安定化されている波長3.39
μmのヘリウム・ネオンレーザを基準周波数レーザとし
て用いると、従来困難であった波長1.5μm領域にお
いて、高い周波数確度と安定性の良い基準周波数光源を
得ることができる。
【0013】また、本発明の超高精度光周波数測定シス
テムにおいては、少なくとも、以上のような基準周波数
光源と、所定の周波数で周波数変調又は位相変調を受け
た半導体レーザと、被測定光と前記半導体レーザからの
光を干渉させてそのビート成分を取り出す第1のビート
成分取り出し手段と、前記半導体レーザからの光と前記
基準周波数光源からの光を干渉させてそのビート成分を
取り出す第2のビート成分取り出し手段と、取り出され
たビート成分の周波数をカウントする手段とから構成さ
れているので、簡単な構成で、周波数確度及び周波数安
定度が高く、小型で、全体をほぼ固体化することがで
き、長寿命の実用的なシステムである。
【0014】
【実施例】次に、図面を参照にして本発明の実施例につ
いて説明する。図1に本発明による第1の実施例の基準
周波数光源の構成図を示す。この装置は、2台の異なる
周波数の基準周波数レーザ1、2からそれらの周波数の
差の2分の1の周波数の光を半導体レーザ3から発振さ
せるもので、この実施例の場合、第1及び第2の基準周
波数レーザ1、2として、すでに誤差10-10 以内で周
波数が測定されている波長0.63μm及び3.39μ
mの2種類のヘリウム・ネオンレーザを用いて(これら
のレーザ周波数は、各々ヨウ素、メタンの気体の飽和吸
収スペクトルの中心周波数に安定化されている。)、半
導体レーザ3からコヒーレント光通信に必要な波長1.
5μm領域の光を発振させるものであるが、基準周波数
レーザとしては、周波数が既知で安定しているものであ
れば、それ以外の何れのレーザでも使用できる。
【0015】さて、図1において、1、2はそれぞれ周
波数ν1 、ν2 の基準周波数レーザであり、3は周波数
νs で発振する半導体レーザであり、4は周波数ν0
発振する固体レーザであり、この場合は0.6〜1.1
μmの波長範囲で同調可能なチタン・サファイアレーザ
を用いている。5は和周波数発生器、6は差周波数発生
器、7、8はフォトダイオードである。そして、半導体
レーザ3及び固体レーザ4からの光は共に和周波数発生
器5、差周波数発生器6に入力しており、和周波数発生
器5、差周波数発生器6からは、それぞれν0 +νs
ν0 −νs の周波数の光が出力する。これら和及び差の
周波数の光はそれぞれフォトダイオード7、8に入力す
るが、フォトダイオード7、8には同時に基準周波数レ
ーザ1、2からの周波数ν1 、ν2 の光が入力してお
り、したがって、それぞれ周波数ν1 がν0 +νs 、ν
2 がν0 −νs に一致しない場合、フォトダイオード
7、8からは交流信号が出て、これをそれぞれ半導体レ
ーザ3、固体レーザ4に負帰還して、それらの発振周波
数がν1 =ν0 +νs 、ν2 =ν0 −νs を満足する方
向へ変化するようにする。すなわち、フォトダイオード
7に基準周波数レーザ1からの光と、和周波数発生器5
によって発生した半導体レーザ3の周波数と局部発振器
を構成する固体レーザ4の周波数の和の光とを入力し
て、その信号を半導体レーザ3へ負帰還するホモダイン
型の位相同期ループPLLにより、半導体レーザ3の発
振周波数νs がν1 =ν0+νs の関係を満たすように
し、また、フォトダイオード8に基準周波数レーザ2か
らの光と、差周波数発生器6によって発生した半導体レ
ーザ3の周波数と固体レーザ4の周波数の差の光とを入
力して、その信号を固体レーザ4へ負帰還する位相同期
ループPLLにより、固体レーザ4の発振周波数ν0
ν2 =ν0 −νs の関係を満たすようにして、半導体レ
ーザ3の発振周波数をνs =(ν1 +ν2 )/2に狭窄
化して安定化する。
【0016】以上において、和周波数発生器5、差周波
数発生器6には非線形光学素子を用いるが、ヘリウム・
ネオンレーザ1、2からの出力が低くとも、局部発振器
である固体レーザ4のチタン・サファイアレーザのパワ
ーが高いので、和周波数発生器5、差周波数発生器6の
出力は位相同期ループPLLを動作させるのに十分な大
きさになる(和周波数発生器5、差周波数発生器6の出
力は、入力する2つの周波数の光のパワーの積に比例す
る。)。
【0017】次に、第2の実施例の構成を図2に示す。
この場合も、第1及び第2の基準周波数レーザ1、2と
して、すでに誤差10-10 以内で周波数が測定されてい
る波長0.63μm及び3.39μmの2種類のヘリウ
ム・ネオンレーザを用いて、半導体レーザ3からコヒー
レント光通信に必要な波長1.5μm領域の光を発振さ
せるものであるが、基準周波数レーザとしては、周波数
が既知で安定しているものであれば、その他何れのレー
ザでも使用できる。この場合は、局部発振器として周波
数固定であるが図1の場合のチタン・サファイアレーザ
に比較して小型のYAGレーザ9を用い、その代わりに
補助的に第2及び第3の半導体レーザ10、11を用い
ている。
【0018】図2において、1、2はそれぞれ周波数ν
1 、ν2の基準周波数レーザであり、3は周波数νs
発振する半導体レーザであり、9は固定周波数ν3 で発
振する固体レーザであり、この場合は波長1.06μm
のYAGレーザを用いている。10、11は波長1.5
μm領域でそれぞれ周波数ν4 、ν5 で発振する同調
可能な半導体レーザである。5、12は和周波数発生
器、6は差周波数発生器、14は第2高調波発生器、
7、8、13はフォトダイオードである。そして、半導
体レーザ10及び固体レーザ9からの光の一部は和周波
数発生器5に入力しており、また、半導体レーザ11及
び固体レーザ9からの一部の光は差周波数発生器6に入
力している。そして、半導体レーザ10、11からの光
の一部は和周波数発生器12に入力している。和周波数
発生器5、差周波数発生器6からは、それぞれν3 +ν
4 、ν3 −ν5 の周波数の光が出力する。これら和及び
差の周波数の光はそれぞれフォトダイオード7、8に入
力するが、フォトダイオード7、8には同時に基準周波
数レーザ1、2からの周波数ν1 、ν2 の光が入力して
おり、したがって、それぞれ周波数ν1 がν3 +ν4
ν2がν3 −ν5 に一致しない場合、フォトダイオード
7、8からは交流信号が出て、これをそれぞれ半導体レ
ーザ10、11に負帰還して、それらの発振周波数がν
1 =ν3 +ν4 、ν2 =ν3 −ν5 を満足する方向へ変
化するようにする。すなわち、フォトダイオード7に基
準周波数レーザ1からの光と、和周波数発生器5によっ
て発生した半導体レーザ10の周波数と局部発振器を構
成する固体レーザ9の周波数の和の光とを入力して、そ
の信号を半導体レーザ10へ負帰還する位相同期ループ
PLLにより、半導体レーザ10の発振周波数ν4 がν
1 =ν3 +ν4 の関係を満たすようにし、また、フォト
ダイオード8に基準周波数レーザ2からの光と、差周波
数発生器6によって発生した固体レーザ9と半導体レー
ザ11の周波数の差の光とを入力して、その信号を半導
体レーザ11へ負帰還する位相同期ループPLLによ
り、半導体レーザ11の発振周波数ν5 がν2 =ν3
ν5 の関係を満たすようにしている。したがって、和周
波数発生器12から発生する周波数ν4 +ν5 は、ν4
+ν5 =ν1 −ν2 の関係を満足することになる。この
出力ν1 −ν2 と第2高調波発生器14の出力2νs
フォトダイオード13に入り、両者のビート信号が半導
体レーザ3へ負帰還されて位相同期ループPLLを形成
し、半導体レーザ3の出力νs が第2高調波発生器14
で2νs に変換されるため、半導体レーザ3の発振周波
数νs はνs =(ν1+ν2 )/2を満足するように狭
窄化され安定化する。
【0019】この場合も、図1の場合と同様、ヘリウム
・ネオンレーザ1、2からの出力が低くとも、局部発振
器である固体レーザ9のYAGレーザのパワーが高いの
で、和周波数発生器5、差周波数発生器6の出力は位相
同期ループPLLを動作させるのに十分な大きさにな
る。
【0020】以上のように、本発明の基準周波数光源
は、少なくとも、2個の異なる基準周波数レーザと、和
周波数発生器及び差周波数発生器を介して前記各基準周
波数レーザの周波数に対する差信号を得てこれを負帰還
するホモダイン型位相同期ループにより周波数安定化さ
れる1個以上の局部発振レーザと、前記ホモダイン型位
相同期ループにより周波数安定化される半導体レーザ又
は前記局部発振レーザからの周波数に基づいて非線形光
学素子とホモダイン型位相同期ループにより周波数安定
化される半導体レーザとからなるものであり、基準周波
数レーザの周波数確度及び周波数安定度が高ければ、周
波数確度及び周波数安定度は同様に高くなる。例えば、
ヨウ素の飽和吸収で安定化されている波長0.63μm
のヘリウム・ネオンレーザの周波数確度(確からしさ)
は10-9、安定度は10-16 、メタンの飽和吸収で安定
化されている波長3.39μmのヘリウム・ネオンレー
ザの周波数確度は10-10 、安定度は10-14 であるの
で、図1、図2の基準周波数光源の周波数確度は1
-9、安定度は10-14 となり、従来このように高い周
波数確度と安定度が得られなかった波長1.5μm領域
においての基準周波数光源を得ることができる。
【0021】ところで、基準周波数レーザ1、2として
は、必ずしも周波数確度の高いレーザを用いる必要はな
く、アセチレン、シアン等のガスの吸収ないし飽和吸収
を利用した周波数安定度の高いものであればよい。その
場合には、定期的に周波数確度の高い基準周波数光源
(原器)と比較をとり、較正するようにすればよい。な
お、基準周波数レーザ1、2は必ずしもガスレーザに限
定されず、周波数安定性の高いものであれば固体レーザ
を用いてもよい。
【0022】さて、以上のような本発明による周波数確
度及び周波数安定性の高い基準周波数光源の1つの利用
システムについて考える。図3はこのような光源を利用
した超高精度光周波数測定システムの構成を示す図であ
り、図1又は図2の装置によって安定化された半導体レ
ーザ3を用いている。図において、20は周波数を測定
する被測定光であり、その周波数をνx とする。21は
周波数νm の発振器22によって周波数変調されている
半導体レーザで、非変調時に中心周波数νC で発振して
いる。23、24、25はハーフミラーであり、26、
27はフォトダイオード、29、30は高調波をカット
するローパスフィルタ、31は2つの交流入力の差と和
の周波数の信号を発生するダブルバランスドミキサ、3
2はダブルバランスドミキサで生じた和の周波数成分を
カットするローパスフィルタ、33はダブルバランスド
ミキサで生じた差の周波数成分の周波数をカウントする
周波数カウンタ、34はダブルバランスドミキサで生じ
た信号の周波数スペクトル成分を分析する周波数アナラ
イザである。
【0023】図3のシステムの動作を説明すると、図4
(a)に示すように、半導体レーザ3からは周波数νs
の光が発振している。一方、被測定光20の周波数は、
同図(c)に示すように、νs より高いνx であるとす
る。半導体レーザ21は、発振器22によって周波数ν
m で周波数変調されて発振しているので、同図(b)に
示すように、中心周波数νC でνm の間隙の多数の周波
数で発振している(このような半導体レーザはコムジェ
ネレータとも呼ばれる。)。したがって、ハーフミラー
23で反射した半導体レーザ21からの光は、ハーフミ
ラー24において基準周波数を出す半導体レーザ3から
の光と干渉してフォトダイオード26から周波数の差の
ビート成分が得られる。その信号中の高調波をローパス
フィルタ29でカットすると、νm の間隙の多数の周波
数の光の中、半導体レーザ3の周波数νs に最も近接し
た周波数との間に周波数Δν1 のビート信号が得られ
る。一方、ハーフミラー23、25を透過した半導体レ
ーザ21からの光は、被測定光20と干渉してフォトダ
イオード27から周波数の差のビート成分が得られる。
その信号中の高調波をローパスフィルタ30でカットす
ると、νm の間隙の多数の周波数の光の中、被測定光2
0の周波数νx に最も近接した周波数との間に周波数Δ
ν2 のビート信号が得られる。これら2つのビート信号
は、ダブルバランスドミキサ33に入力して差の周波数
成分Δν1 −Δν2 と和の周波数成分Δν1 +Δν2
変換され、この中差の周波数成分Δν1 −Δν2 がロー
パスフィルタ32により取り出され、周波数カウンタ3
3によりその周波数がカウントされる。νm の間隙の光
の中、周波数νs に最も近接した周波数とνx に最も近
接した周波数の隔たりは簡単に求まるので、例えば変調
周波数νm を僅かに変える等して、それぞれについてΔ
ν1 −Δν2 を求めることにより、周波数νs とνx
隔たりを求めることができる。このようにして、周波数
確度及び安定性の高い半導体レーザ3を用いて被測定光
20の周波数を絶対的に求めることができる。
【0024】以上、実施例に基づいて本発明の基準周波
数光源及びそれを利用した超高精度光周波数測定システ
ムについて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限
定されず種々の変形が可能である。また、本発明の基準
周波数光源は、超高精度光周波数測定システムに以外に
も、分析、気象、レーザレーダ等種々の分野に適用可能
である。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の基準周波
数光源によると、少なくとも、2個の異なる基準周波数
レーザと、和周波数発生器及び差周波数発生器を介して
前記各基準周波数レーザの周波数に対する差信号を得て
これを負帰還するホモダイン型位相同期ループにより周
波数安定化される1個以上の局部発振レーザと、前記ホ
モダイン型位相同期ループにより前記各基準周波数レー
ザの周波数の差の2分の1に周波数安定化される半導体
レーザ、又は、前記局部発振レーザからの周波数に基づ
いて非線形光学素子とホモダイン型位相同期ループによ
り前記各基準周波数レーザの周波数の差の2分の1に周
波数安定化される半導体レーザとから構成されているの
で、簡単な構成で、小型、軽量、堅牢、長寿命であり、
基準周波数レーザの周波数確度及び周波数安定度が高け
れば、周波数確度及び周波数安定度は同様に高くなるも
のである。
【0026】そして、例えば、ヨウ素の飽和吸収で安定
化されている波長0.63μmのヘリウム・ネオンレー
ザとメタンの飽和吸収で安定化されている波長3.39
μmのヘリウム・ネオンレーザを基準周波数レーザとし
て用いると、従来困難であった波長1.5μm領域にお
いて、高い周波数確度と安定性の良い基準周波数光源を
得ることができる。
【0027】また、本発明の超高精度光周波数測定シス
テムにおいては、少なくとも、以上のような基準周波数
光源と、所定の周波数で周波数変調又は位相変調を受け
た半導体レーザと、被測定光と前記半導体レーザからの
光を干渉させてそのビート成分を取り出す第1のビート
成分取り出し手段と、前記半導体レーザからの光と前記
基準周波数光源からの光を干渉させてそのビート成分を
取り出す第2のビート成分取り出し手段と、取り出され
たビート成分の周波数をカウントする手段とから構成さ
れているので、簡単な構成で、周波数確度及び周波数安
定度が高く、小型で、全体をほぼ固体化することがで
き、長寿命の実用的なシステムである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施例の基準周波数光源の
構成図である。
【図2】第2実施例の基準周波数光源の構成図である。
【図3】図1、図2の光源を利用した超高精度光周波数
測定システムの1実施例の構成図である。
【図4】図3の各部の周波数の関係を説明するための図
である。
【符号の説明】
1、2…基準周波数レーザ 3、10、11、21…半導体レーザ 4、9…固体レーザ 5、12…和周波数発生器 6…差周波数発生器 7、8、13、26、27…フォトダイオード 14…第2高調波発生器 20…被測定光 22…発振器 23、24、25…ハーフミラー 29、30、32…ローパスフィルタ 31…ダブルバランスドミキサ 33…周波数カウンタ 34…周波数アナライザ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 3/18 H01S 3/133 G01J 9/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、2個の異なる基準周波数レ
    ーザと、和周波数発生器及び差周波数発生器を介して前
    記各基準周波数レーザの周波数に対する差信号を得てこ
    れを負帰還するホモダイン型位相同期ループにより周波
    数安定化される1個以上の局部発振レーザと、前記ホモ
    ダイン型位相同期ループにより前記各基準周波数レーザ
    の周波数の差の2分の1に周波数安定化される半導体レ
    ーザ、又は、前記局部発振レーザからの周波数に基づい
    て非線形光学素子とホモダイン型位相同期ループにより
    前記各基準周波数レーザの周波数の差の2分の1に周波
    数安定化される半導体レーザとからなることを特徴とす
    る基準周波数光源。
  2. 【請求項2】 第1の光電変換器に、第1の基準周波数
    レーザからの周波数ν1 の光と、和周波数発生器によっ
    て発生した半導体レーザの周波数νs と局部発振器を構
    成する固体レーザの周波数ν0 の和の周波数の光とを入
    力して、その信号を半導体レーザへ負帰還するホモダイ
    ン型の位相同期ループにより、半導体レーザの発振周波
    数νs がν1 =ν0 +νs の関係を満たすようにし、ま
    た、第2の光電変換器に、第2の基準周波数レーザから
    の周波数ν2 の光と、差周波数発生器によって発生した
    半導体レーザの周波数νs と固体レーザの周波数ν0
    差の周波数の光とを入力して、その信号を固体レーザへ
    負帰還するホモダイン型の位相同期ループにより、固体
    レーザの発振周波数ν0 がν2 =ν0 −νs の関係を満
    たすようにして、半導体レーザの発振周波数をνs
    (ν1 +ν2 )/2に狭窄化して安定化するすることを
    特徴とする請求項1記載の基準周波数光源。
  3. 【請求項3】 第1の光電変換器に、第1の基準周波数
    レーザからの周波数ν1 の光と、和周波数発生器によっ
    て発生した局部発振器を構成する固体レーザの周波数ν
    3 と第2の半導体レーザの周波数ν4 の和の周波数の光
    とを入力して、その信号を第2の半導体レーザへ負帰還
    するホモダイン型の位相同期ループにより、第2の半導
    体レーザの発振周波数ν4 がν1 =ν3 +ν4 の関係を
    満たすようにし、また、第2の光電変換器に、第2の基
    準周波数レーザからの周波数ν2 の光と、差周波数発生
    器によって発生した局部発振器を構成する固体レーザの
    周波数ν3 と第3の半導体レーザの周波数ν5 の差の周
    波数の光とを入力して、その信号を第3の半導体レーザ
    へ負帰還するホモダイン型の位相同期ループにより、第
    3の半導体レーザの発振周波数ν5 がν2 =ν3 −ν5
    の関係を満たすようし、かつ、第2の和周波数発生器に
    より第2の半導体レーザの周波数と第3の半導体レーザ
    の周波数の和の周波数ν4 +ν5 を発生させ、この和の
    周波数の光と第2高調波発生器から生じた第1の半導体
    レーザの周波数の2倍の光とを第3の光電変換器に入力
    して、その信号を第1の半導体レーザへ負帰還するホモ
    ダイン型の位相同期ループにより、第1の半導体レーザ
    の発振周波数をνs =(ν1 +ν2 )/2に狭窄化して
    安定化することを特徴とする請求項1記載の基準周波数
    光源。
  4. 【請求項4】 第1の基準周波数レーザがヨウ素の飽和
    吸収で安定化されている波長0.63μmのヘリウム・
    ネオンレーザからなり、第2の基準周波数レーザがメタ
    ンの飽和吸収で安定化されている波長3.39μmのヘ
    リウム・ネオンレーザからなることを特徴とする請求項
    2又は3記載の基準周波数光源。
  5. 【請求項5】 少なくとも、請求項1から4の何れか1
    項に記載された基準周波数光源と、所定の周波数で周波
    数変調又は位相変調を受けた半導体レーザと、被測定光
    と前記半導体レーザからの光を干渉させてそのビート成
    分を取り出す第1のビート成分取り出し手段と、前記半
    導体レーザからの光と前記基準周波数光源からの光を干
    渉させてそのビート成分を取り出す第2のビート成分取
    り出し手段と、取り出されたビート成分の周波数をカウ
    ントする手段とからなることを特徴とする超高精度光周
    波数測定システム。
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