JP3003812B2 - 光非線形主鎖型高分子材料およびその製造方法 - Google Patents

光非線形主鎖型高分子材料およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光コンピューティング
の基本素子となる光ゲート素子や光双安定素子などへの
適用が可能な光非線形主鎖型高分子材料およびその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】物質に光が入射したとき、光電場:Eに
よって誘起される物質の電気分極:Pは、一般式(1)
の形で表わすことができる。
【0003】
【数1】 P=χ(1) E+χ(2) EE+χ(3) EEE+… (1) このとき、χ(i) (i≧2)をi次の非線形感受率とよ
ぶ。第2項による第2高調波発生(SHG)や、第3項
による第3高調波発生(THG)は、波長変換効果とし
てよく知られている。第3項はまた、光強度に応じた光
学定数の変化、たとえば非線形屈折率効果や非線形吸収
効果を与えるものとして重要である。なかでも、非線形
屈折率効果は物質の屈折率nが入射光強度に比例して変
化するものであり、式(2)で記述される。
【0004】
【数2】 n=n0 +n2 I (2) n0 は弱光強度での屈折率、Iは入射光強度である。n
2 が非線形屈折率であり、n2 と3次の非線形感受率:
χ(3) の間には式(3)の関係が成り立つ(Cは光速で
ある)。n2 とχ(3) は、ともに光非線形効果の大きさ
を表わす指標として用いられる。
【0005】
【数3】 n2 =(16π2 /Cn0 2)χ(3) (3) この効果を示す材料と、光共振器や偏光子や反射鏡など
他の光学素子とを組み合せると光双安定素子,光ゲート
素子,位相共役波発生器などの光非線形素子の実現が可
能となる。これらの光非線形素子は、将来の光コンピュ
ーティング・光交換技術のキーデバイスとして、大きな
期待がよせられている(光非線形素子全般については、
文献 コンファレンス レクチャー オブ アイトリプ
ルイーインターナショナル コンファレンス コミュニ
ケーションズ(Conf.Rec.IEEE Int.
Conf.Commun.)1990年版,1152
(1990)に詳しい)。
【0006】光非線形素子の性能、すなわち、使用波長
域,動作に必要な入力光強度,応答速度などは、その構
成材料の特性によってほとんど決定される。これを以下
に実例を挙げて説明する(光非線形素子用材料の性能比
較については、文献 応用物理,第59巻,155,
(1990)に詳しい)。
【0007】GaAs/GaAlAs半導体超格子結晶
は、結晶内で励起子が光吸収に伴って励起されることに
よって屈折率が光強度依存性を示すこと(吸収非線形効
果)を動作原理としている。そのため、効率が高く動作
に必要な入力光強度は小さくて済む。しかし、使用可能
な入力光波長が励起子吸収スペクトル近傍の極めて狭い
範囲に限られてしまうこと、および応答時間が励起子寿
命により決定され3×10-8secより高速の光信号処
理には使えないという問題点があった。
【0008】また、非線形光学液体として知られる二硫
化炭素(CS2 )は、光電界に応じた分子の回転配列に
より屈折率が光強度依存性を示すこと(分子回転非線形
効果)を動作原理としている。そのため、使用可能な入
力光波長が可視から近赤外域の広い範囲にわたるという
点では優れている。しかし、肝心の3次非線形の効率が
低い上、応答時間が分子の回転緩和時間により決定され
10-11 〜10-12 secより高速の光信号処理には使
えないという問題点があった(CS2 の性能について
は、文献アプライド フィジックス レターズ(App
lied Physics Letters)第15
巻,192(1969)に記載されている)。
【0009】また、石英は、半導体超格子結晶よりも1
0桁近く低効率であるが、ファイバ形状とすることによ
って数Wの入力光で駆動する光多重/分離スイッチを構
成することができる。しかし、そのために必要な石英フ
ァイバの長さは100〜1000mに達し、応答速度も
長尺化のため10-10 sec程度にしかならないという
問題点があった(石英ファイバによる光分離スイッチに
ついては、電気通信学会誌OCS88−46,37(1
988)に詳しい)。
【0010】したがって、使用可能な波長範囲が広く、
3次光非線形効率が高く、ピコ秒以下の高速応答が可能
な材料の開発が熱望されていた。
【0011】3次の非線形光学効果を示す材料のうちで
も、高速応答可能なπ電子共役をもつ有機材料が、最近
特に注目されている。具体的には、ポリジアセチレン,
ポリアセチレン,ポリアリレンビニレンなどのπ共役高
分子を挙げることができる。π電子共役をもつ有機材料
の非線形光学効果は、半導体や誘電体のように格子相互
作用によらず、純粋に電子分極に由来するものであるた
め、光信号の強度変化に追随可能な応答速度が10-14
secと極めて高速である。さらに、ポリジアセチレン
の一種であるポリ(2,4−ヘキサジイン−1,6−
(p−トルエンスルホナート))(略称:PTS)を例
にあげて説明するならば、使用できる入力波長範囲は
0.65μm付近から2.0μm以上の広い範囲にわた
り、非線形屈折率(n2 )は2×10-12 (W/cm
2-1であり上記のCS2 液体よりも2桁大きい。した
がって、π電子共役をもつ有機材料は、光非線形素子の
実現のための多くの候補材料のなかで最も有望な材料系
と考えられている(PTSの光非線形特性については、
文献 フィジカル レビュー レターズ(Physca
lReview letters )第36巻,956
(1976)に記載されている)。
【0012】しかしながら、χ(3) の大きなπ共役高分
子の多くは不溶不融で加工性に乏しい。たとえ膜化する
ことができても、その剛直性・結晶性のため、光透過性
が低く、所望の導波構造への成形性に欠け、そのままで
素子化に供することは非常に困難が伴った。実際に、有
機材料中最大級のχ(3) を有する上記PTSを素子材料
とする非線形光学素子は、未だに実現されていない。同
じ理由から、ポリアセチレン,ポリアリレンビニレンに
よる素子もいまだ開発されていない。
【0013】一方、π共役高分子以外で大きな非線形光
学効果を有する有機材料としては、ドナー・アクセプタ
ー型π共役分子がある。これは、比較的短いπ共役系の
一方の端にドナー、他方にアクセプターを置換し、ドナ
ー・アクセプター間に生じる分子内電荷移動効果を利用
して非線形光学効果の増幅をねらったものである。具体
的には、DEANS(ジエチルアミノニトロスチルベ
ン)やDEANST(ジエチルアミノニトロスチレン)
が知られている(DEANSについては、文献ケミカル
フィジックス レターズ(Chemcal Phys
icsLetters)第165巻,171(199
0)、DEANSTについては、米国特許第49975
95号(1991)に詳しい)。両者とも、ドナーはジ
エチルアミノ基、アクセプターはニトロ基で、π共役系
は、DEANSがスチルベン、DEANSTがスチレン
である。χ(3) は、たかだか、10-12 〜10-11 es
uレベルである。とくに、DEANSTのニトロベンゼ
ン溶液は、CS2 を凌ぐ非線形光学媒体として光ゲート
素子実験が試みられている。さらに、π共役系がアゾベ
ンゼンのドナー・アクセプター型π共役分子をPMMA
(ポリメタアクリル酸メチル)へ共有結合して側鎖型高
分子とし、光非線形効果および光透過性を付与した例が
ある(光非線形側鎖型高分子の最初の例は、文献 アプ
ライド フィジックス レターズ(Applied P
hysics Letters)第51巻,1(198
7)に記載されている)。しかしながら、π共役高分子
に比べると、χ(3) が1桁以上小さいという本質的な問
題点が残されていた。
【0014】したがって、有機材料によって高速光非線
形素子を実現させるためには、π共役高分子並のχ(3)
を有し、かつ、成形性および光透過性を兼ね備えた新材
料の開発が必須であった。半導体レーザ動作を達成する
ため、χ(3) は少なくとも10-10 esu以上、式
(3)によるn2 換算で10-12 (W/cm2-1を保
持したいという要求があった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、χ
(3) が10-10 esu以上の有機材料のほとんどはπ共
役高分子であり、剛直で結晶化度が高く加工性に乏しい
ため、光透過性が低く、所望の導波構造への成形性が極
端に低い。一方、ドナー・アクセプター型π共役分子を
側鎖とする光非線形側鎖型高分子材料においても、光非
線形性を担うドナー・アクセプター型π共役分子自体の
χ(3) が10-10 esuに達しない上に、これら分子を
高濃度に導入することが困難であった。光非線形側鎖型
高分子の製造法は、χ(3) 物質を有するビニルモノマー
のラジカル共重合法と高分子反応法がある。ラジカル重
合では、χ(3) の向上に必須のニトロ基やアゾ結合など
がラジカル禁止剤として働くため、χ(3) 物質の含有量
が増えるほどラジカル禁止反応も起こりやすくなった。
そのため、重合度が高くならず、得られたポリマの成膜
性は低かった。したがって、χ(3) 物質の濃度が高く、
かつ真に成膜性のある材料を得ることは難しかった。た
とえば、分子内にニトロ基とアゾ結合を含む3環以上の
χ(3) 物質の導入率は、10〜30mol%が限界であ
った。一方、高分子反応を利用しても、導入率は、20
mol%前後が限界であった。さらに、これらの方法で
製造した光非線形側鎖型高分子材料のχ(3)はたかだか
10-11 esuのレベルであった。
【0016】上述のように、光非線形側鎖型高分子材料
は、PMMAなどの成形性・光透過性に富む高分子をベ
ースとするため素子適用のポテンシャルは高いが、肝心
のχ(3) がπ共役高分子より約1桁小さいという決定的
な問題があった。
【0017】したがって、本発明の目的は、以上の問題
点を解決すべく、π共役高分子に匹敵またはこれを凌駕
するχ(3) を有する物質を高い導入率で高分子化し、光
透過性・成形性にすぐれた有機光非線形材料を提供する
ことにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来から報告
例のあるような側鎖型の光非線形高分子材料とは異な
り、ポリマ主鎖中に、χ(3) が10-10 esu以上の高
χ(3) 物質が組み込まれたことを特徴とする光非線形主
鎖型高分子材料に関するものである。
【0019】本発明で用いられる高χ(3) 物質は、分子
両末端が電子供与性基(ドナー)で置換された好ましく
は中心対象構造のπ共役化合物であり、そのχ(3) は、
優に10-10 esuを超える。また、主鎖型高分子材料
とすることにより、その導入率を50mol%としても
高分子材料としての光透過性・成形性を失うことはな
い。
【0020】本発明で用いられるχ(3) 発現物質の一つ
である多環系アゾ色素の基本構造は、液晶に混合する高
二色比色素として知られている(アゾ系の高二色比色素
は米国特許第4128497号(1978年)に詳し
い)。ただし、そのままの構造では、ドナー末端に水酸
基を持たないため、本発明の主鎖型高分子材料の原料と
はならない。さらに、これら多環系アゾ色素を、大きな
光非線形性を有する物質群として認知し、かつこれらを
光非線形素子用材料の原料として用いるのは、本発明が
はじめてである。これら高χ(3) 物質は、従来のドナー
・アクセプタ置換の分子内電荷移動化合物よりもむしろ
π共役高分子に近いメカニズムでχ(3) を発現すること
が特徴である。
【0021】本発明の高χ(3) 物質は、主に、次の2つ
の方法で合成することができる。第1の合成法は、分子
両端に同一の官能基を有するπ共役系に2倍等量のドナ
ー置換π共役環を置換反応または付加反応によって結合
させ、−CH=CH−,−CH=N−,−N=N−の結
合子によりπ共役系を拡大する方法である。第2の合成
法は、分子片端にドナー、もう一方の端にニトロ基を有
するドナー・アクセプタ化合物を原料とし、ニトロ基同
士を還元的にカップリングさせ−N=N−結合を形成さ
せる方法である。さらに、χ(3)物質のπ共役環が、メ
チル基・塩素基・水酸基・アミノ基・スルホン基などの
基で置換されると、溶解性が増して高分子化反応が容易
となる。さらに、メチル基・塩素基・水酸基・アミノ基
には、光散乱の原因となるような色素同士の会合を抑止
し、膜の均一性を保つ効果があるので、得られた光非線
形主鎖型高分子材料の成膜性や光透過性の向上にも効果
がある。
【0022】
【作用】本発明の中心対称置換の高χ(3)物質は、あら
かじめ、その分子両末端のドナーに水酸基を有するよう
に製造されているため、ジイソシアン酸化合物との重付
加反応やジカルボン酸との重縮合反応により、容易にポ
リウレタン構造あるいはポリエステル構造の主鎖型高分
子材料とすることができる。ポリウレタン構造の主鎖型
高分子材料の一例は下記化学式(1)で表され、ポリエ
ステル構造の主鎖型高分子材料の一例は化学式(2)で
表される。
【化1】 [式中、Rはアルキル基であり、Aは−N=N−、−C
H=CH−、および−N=CH−から選ばれるπ共役結
合子であり、Dはp−フェニレンを基本骨格とするπ共
役環であり、kは4〜12の整数であり、lは2〜4の
整数であり、mは2〜6の整数であり、nは10以上の
整数である。]
【化2】 [式中、Rはアルキル基であり、Aは−N=N−、−C
H=CH−、および−N=CH−から選ばれるπ共役結
合子であり、Dはp−フェニレンを基本骨格とするπ共
役環であり、kは4〜12の整数であり、lは2〜4の
整数であり、mは2〜6の整数であり、nは10以上の
整数である。]本発明の光非線形主鎖型高分子材料は、
化学的に極めて安定であり、スピンコート法によって容
易に光透過性に優れた導波薄膜を作製することができ
る。さらに、ジイソシアン酸化合物あるいはジカルボン
酸の選択、および、ジオールの添加による共重合化によ
り、光透過性や導波構造成形性を任意に制御することが
できる。
【0023】
【実施例】以下に、実施例を示し、本発明をさらに詳し
く説明する。なお、実施例1〜23で示される光非線形
主鎖型高分子材料は、それぞれ表1または表2中に示し
た構造の対称置換の高χ(3) 物質A〜Jから製造される
ポリウレタン誘導体もしくはポリエステル誘導体であ
る。
【0024】(実施例1)4,4′−ジアミノアゾベン
ゼン(2.8g)を酢酸(240ml)に溶解した。こ
れに5℃以下で、亜硝酸ナトリウム(2g)の硫酸溶液
(25ml)を滴下した。5℃以下の水−エタノール
(1:1)混合液(500ml)を加え、さらに、酢酸
ナトリウム飽和水溶液を加え、pH=4とした。0℃
で、N−エチル−N−エタノールアニリン(6g)のエ
タノール溶液(20ml)を注いだ。反応液温度を徐々
に室温に戻しながら、一夜反応させた。エタノールを減
圧留去し、析出した生成物を、カラムクロマトグラフィ
ー(担体:ドライシリカゲル、溶媒:クロロホルム)に
より、単離精製し、4,4′−ビス[(p−(N−エチ
ル−N−エタノール)アミノフェニル)アゾ]−アゾベ
ンゼン[高χ(3) 物質A](200mg)を得た。等モ
ルの4,4′−ビス[(p−(N−エチル−N−エタノ
ール)アミノフェニル)アゾ]−アゾベンゼンとヘキサ
メチレンジイソシアナートをテトラヒドロフランに溶か
し、トリエチルアミン,ジラウリン酸ジ−n−ブチルす
ずを加えて、かくはん下に、室温で4時間、さらに5時
間、加熱還流した。冷却後、反応液を多量のヘキサンに
注ぎ、目的の光非線形主鎖型高分子材料であるポリウレ
タン誘導体を得た。これを再度、再沈精製した後、アニ
ソール溶液とし、石英基板に塗布し、赤紫色の厚さ20
0Åのポリウレタンフィルムを得た。このポリウレタン
フィルムのχ(3) は、THG(第三高調波発生)−メー
カ・フリンジ法、すなわちχ(3) 既知の溶融石英のTH
Gを同時測定し溶融石英とサンプルとのTHG比からχ
(3) を決定する方法により求めた。図1に、この薄膜の
吸収極大付近でのχ(3) の基本波波長依存性を示す。横
軸の基本波波長は吸収波長のちょうど3倍になるように
設定しているので図1に示されるχ(3) スペクトルと吸
収スペクトルの関係は、3光子共鳴条件となる。図1よ
り、この材料の3光子共鳴χ(3) は、10-10 esu以
上であることがわかる。また、厚さ1μmの膜にプリズ
ム結合により吸収端波長よりも長波長のレーザ光を透過
させ、散乱光強度の導波長依存性を評価して、導波損失
1dB/cm以下を得た。
【0025】(実施例2)4,4′−ジアミノスチルベ
ン(3.6g)を酢酸(240ml)に溶解した。これ
に5℃以下で、亜硝酸ナトリウム(2g)の硫酸溶液
(25ml)を滴下した。5℃以下の水−エタノール
(1:1)混合液(500ml)を加え、さらに、酢酸
ナトリウム飽和水溶液を加え、pH=4とした。これ
に、0℃で、N−エチル−N−エタノールアニリン(6
g)のエタノール溶液(20ml)を注いだ。反応液温
度を徐々に室温に戻しながら、一夜反応させた。エタノ
ールを減圧留去し、析出した生成物を、カラムクロマト
グラフィー(担体:ドライシリカゲル、溶媒:クロロホ
ルム)により、単離精製し、4,4′−ビス[(p−
(N−エチル−N−エタノール)アミノフェニル)ア
ゾ]−スチルベン[高χ(3) 物質B](200mg)を
得た。等モルの4,4′−ビス[(p−(N−エチル−
N−エタノール)アミノフェニル)アゾ]−スチルベン
とヘキサメチレンジイソシアナートをテトラヒドロフラ
ンに溶かし、トリエチルアミン,ジラウリン酸ジ−n−
ブチルすずを加えて、かくはん下に、室温で4時間、さ
らに5時間、加熱還流した。冷却後、反応液を多量のヘ
キサンに注ぎ、目的の光非線形主鎖型高分子材料である
ポリウレタン誘導体を得た。これを再度、再沈精製した
後、アニソール溶液とし、石英基板に塗布し、赤紫色の
厚さ200Åのポリウレタンフィルムを得た。このポリ
ウレタンフィルムのχ(3) をTHG(第三高調波発生)
−メーカ・フリンジ法により求め、3光子共鳴χ(3)
10-10 esuの値を得た。また、吸収端波長よりも長
波長側での導波損失は、1dB/cm以下であった。
【0026】(実施例3)4,4′−ジアミノアゾベン
ゼン(2.8g)を酢酸(240ml)に溶解した。こ
れに5℃以下で、亜硝酸ナトリウム(2g)の硫酸溶液
(25ml)を滴下した。5℃以下の水−エタノール
(1:1)混合液(500ml)を加え、さらに、酢酸
ナトリウム飽和水溶液を加え、pH=4とした。0℃
で、N−エチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−m−
トルイジン(7g)のエタノール溶液(20ml)を注
いだ。反応液温度を徐々に室温に戻しながら、一夜反応
させた。エタノールを減圧留去し、析出した生成物を、
カラムクロマトグラフィー(担体:ドライシリカゲル、
溶媒:クロロホルム)により、単離精製し、4,4′−
ビス[(p−(N−エチル−N−エタノール)アミノ−
o−メチルフェニル)アゾ]−アゾベンゼン[高χ(3)
物質C](200mg)を得た。等モルの4,4′−ビ
ス[(p−(N−エチル−N−エタノール)アミノ−o
−メチルフェニル)アゾ]−アゾベンゼンとヘキサメチ
レンジイソシアナートをテトラヒドロフランに溶かし、
トリエチルアミン,ジラウリン酸ジ−n−ブチルすずを
加えて、かくはん下に、室温で4時間、さらに5時間、
加熱還流した。冷却後、反応液を多量のヘキサンに注
ぎ、目的の光非線形主鎖型高分子材料であるポリウレタ
ン誘導体を得た。これを再度、再沈精製した後、アニソ
ール溶液とし、石英基板に塗布し、赤紫色の厚さ200
Åのポリウレタンフィルムを得た。このポリウレタンフ
ィルムのχ(3) をTHG(第三高調波発生)−メーカ・
フリンジ法により求め、3光子共鳴χ(3) 〜10-10
suの値を得た。また、吸収端波長よりも長波長側での
導波損失は、1dB/cm以下であった。
【0027】(実施例4)ディスパースレッド13から
アセトン抽出した4−[(p−(N−エチル−N−エタ
ノール)アミノフェニル)アゾ]−3−クロロ−ニトロ
ベンゼン(2g)を150mlのTHFに溶かし、12
Nの水酸化ナトリウム(2ml)を加え、加熱還流させ
た。激しくかくはんしながら、亜鉛末(3.4g)を少
しづつ加えた。5時間、加熱還流させた。反応後、TH
F可溶分を減圧留去した。残渣にエタノールを加え、エ
タノール可溶な原料を取り除いた後、カラムクロマトグ
ラフィー(担体:ドライシリカゲル、溶媒−クロロホル
ム:THF=4:1)により、単離精製し、4,4′−
ビス[(p−(N−エチル−N−エタノール)アミノフ
ェニル)アゾ]−3,3′−ジクロロ−アゾベンゼン
[高χ(3) 物質D](200mg)を得た。等モルの
4,4′−ビス[(p−(N−エチル−N−エタノー
ル)アミノフェニル)アゾ]−3,3′−ジクロロ−ア
ゾベンゼンとヘキサメチレンジイソシアナートをテトラ
ヒドロフランに溶かし、トリエチルアミン,ジラウリン
酸ジ−n−ブチルすずを加えて、かくはん下に、室温で
4時間、さらに5時間、加熱還流した。冷却後、反応液
を多量のヘキサンに注ぎ、目的の光非線形主鎖型高分子
材料であるポリウレタン誘導体を得た。これを再度、再
沈精製した後、アニソール溶液とし、石英基板に塗布
し、紫色の厚さ200Åのポリウレタンフィルムを得
た。このポリウレタンフィルムのχ(3) をTHG(第三
高調波発生)−メーカ・フリンジ法により求め、3光子
共鳴χ(3) 〜10-10 esuの値を得た。また、吸収端
波長よりも長波長側での導波損失は、1dB/cm以下
であった。
【0028】(実施例5)4,4′−ジアミノアゾベン
ゼン(2.8g)を酢酸(240ml)に溶解した。こ
れに5℃以下で、亜硝酸ナトリウム(2g)の硫酸溶液
(25ml)を滴下した。5℃以下の水−エタノール
(1:1)混合液(500ml)を加え、さらに、酢酸
ナトリウム飽和水溶液を加え、pH=4とした。0℃
で、N−エチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−m−
トルイジン(7g)のエタノール溶液(20ml)を注
いだ。反応液温度を徐々に室温に戻しながら、一夜反応
させた。エタノールを減圧留去し、析出した生成物を、
カラムクロマトグラフィー(担体:ドライシリカゲル、
溶媒:クロロホルム)により、単離精製し、4,4′−
ビス[(p−(N−エチル−N−エタノール)アミノ−
o−メチルフェニル)アゾ]−アゾベンゼン[高χ(3)
物質C](200mg)を得た。等モルの4,4′−ビ
ス[(p−(N−エチル−N−エタノール)アミノ−o
−メチルフェニル)アゾ]−アゾベンゼンとジフェニル
メタンジイソシアナートをテトラヒドロフランに溶か
し、トリエチルアミン,ジラウリン酸ジ−n−ブチルす
ずを加えて、かくはん下に、室温で4時間、さらに5時
間、加熱還流した。冷却後、反応液を多量のヘキサンに
注ぎ、目的の光非線形主鎖型高分子材料であるポリウレ
タン誘導体を得た。これを再度、再沈精製した後、アニ
ソール溶液とし、石英基板に塗布し、赤紫色の厚さ20
0Åのポリウレタンフィルムを得た。このポリウレタン
フィルムのχ(3) をTHG(第三高調波発生)−メーカ
・フリンジ法により求め、3光子共鳴χ(3) 〜10-10
esuの値を得た。また、吸収端波長よりも長波長側で
の導波損失は、1dB/cm以下であった。
【0029】(実施例6)2,5−ジクロロ−テレフタ
ルアルデヒドと2倍等量以上の4−[(p−(N−エチ
ル−N−エタノール)アミノフェニル)アゾ]−1−ア
ミノベンゼンをテトラヒドロフランに溶かし、触媒量の
ベンゼンスルホン酸を加えて、かくはん下、5時間、加
熱還流した。冷却後析出した赤色結晶をろ取し、カラム
クロマトグラフィー(担体:ドライシリカゲル、溶媒:
クロロホルム:酢酸エチル=3:1)により、単離精製
し、2,5−ジクロロ−テレフタル−ビス−[4−(p
−(N−エチル−N−エタノール)アミノフェニル)ア
ゾアニリン][高χ(3) 物質E]を得た。等モルの2,
5−ジクロロ−テレフタル−ビス−[4−(p−(N−
エチル−N−エタノール)アミノフェニル)アゾアニリ
ン]とヘキサメチレンジイソシアナートをテトラヒドロ
フランに溶かし、トリエチルアミン,ジラウリン酸ジ−
n−ブチルすずを加えて、かくはん下に、室温で4時
間、さらに5時間、加熱還流した。冷却後、反応液を多
量のヘキサンに注ぎ、目的の光非線形主鎖型高分子材料
であるポリウレタン誘導体を得た。これを再沈精製した
後、アニソール溶液とし、石英基板に塗布し、赤紫色の
厚さ200Åのポリウレタンフィルムを得た。このポリ
ウレタンフィルムのχ(3) をTHG(第三高調波発生)
−メーカ・フリンジ法により求め、10-10 esu以上
の3光子共鳴χ(3) 値を得た。また、吸収端波長よりも
長波長側での導波損失は、1dB/cm以下であった。
【0030】(実施例7)4,4′−ビス(p−アミノ
−o−メチルフェニルアゾ)−アゾベンゼン(5.9
g)をDMF(240ml)に溶解した。これに5℃以
下で、亜硝酸ナトリウム(2g)の硫酸溶液(25m
l)を滴下した。5℃以下の水−エタノール(1:1)
混合液(500ml)を加え、さらに、酢酸ナトリウム
飽和水溶液を加え、pH=4とした。0℃で、N−エチ
ル−N−(2−ヒドロキシエチル)−m−トルイジン
(7g)のエタノール溶液(20ml)を注いだ。反応
液温度を徐々に室温に戻しながら、一夜反応させた。エ
タノールを減圧留去し、析出した生成物を、カラムクロ
マトグラフィー(担体:ドライシリカゲル、溶媒:クロ
ロホルム)により、単離精製し、4,4′−ビス{4−
[(p−(N−エチル−N−エタノール)アミノ−o−
メチルフェニル)アゾ]−2−メチルフェニルアゾ}−
アゾベンゼン[高χ(3) 物質F](360mg)を得
た。等モルの4,4′−ビス{4−[(p−(N−エチ
ル−N−エタノール)アミノ−o−メチルフェニル)ア
ゾ]−2−メチルフェニルアゾ}−アゾベンゼンとジフ
ェニルメタンジイソシアナートをテトラヒドロフランに
溶かし、トリエチルアミンとジラウリン酸ジ−n−ブチ
ルすずを加えて、かくはん下に、室温で4時間、さらに
5時間、加熱還流した。冷却後、反応液を多量のヘキサ
ンに注ぎ、目的の光非線形主鎖型高分子材料であるポリ
ウレタン誘導体を得た。これを再沈精製した後、アニソ
ール溶液とし、石英基板に塗布し、紫色の厚さ200Å
のポリウレタンフィルムを得た。このポリウレタンフィ
ルムのχ(3) をTHG(第三高調波発生)−メーカ・フ
リンジ法により求め、10-10 esu以上の3光子共鳴
χ(3) 値を得た。また、吸収端波長よりも長波長側での
導波損失は、1dB/cm以下であった。
【0031】(実施例8)ヘキサメチレンジイソシアナ
ンート10部、4,4′−ビス[(p−(N−エチル−
N−エタノール)アミノフェニル)アゾ]−アゾベンゼ
ン[高χ(3) 物質A]5部、ヘキサンジオール5部をテ
トラヒドロフランに溶かし、トリエチルアミン,ジラウ
リン酸ジ−n−ブチルすずを加えて、かくはん下に、室
温で4時間、さらに5時間、加熱還流した。冷却後、そ
れぞれの反応液を多量のヘキサンに注ぎ、目的の光非線
形主鎖型高分子材料であるポリウレタン誘導体を得た。
これを再度、再沈精製した後、アニソール溶液とし、石
英基板に塗布し、赤紫色の厚さ250Åのポリウレタン
フィルムを得た。このポリウレタンフィルムのχ(3)
THG(第三高調波発生)−メーカ・フリンジ法により
求め、ほぼ10-10 esuの3光子共鳴χ(3) 値を得
た。また、吸収端波長よりも長波長側での導波損失は、
1dB/cm以下であった。
【0032】(実施例9)4,4′−ビス{4−[(p
−アミノ−o−メチルフェニル)アゾ]−2−メチルフ
ェニルアゾ}−アゾベンゼン(7.3g)をDMF(2
40ml)に溶解した。これに5℃以下で、亜硝酸ナト
リウム(2g)の硫酸溶液(25ml)を滴下した。5
℃以下の水−エタノール(1:1)混合液(500m
l)を加え、さらに、酢酸ナトリウム飽和水溶液を加
え、pH=4とした。0℃で、N−エチル−N−(2−
ヒドロキシエチル)−m−トルイジン(7g)のエタノ
ール溶液(20ml)を注いだ。反応液温度を徐々に室
温に戻しながら、一夜反応させた。エタノールを減圧留
去し、析出した生成物を、カラムクロマトグラフィー
(担体:ドライシリカゲル、溶媒:クロロホルム)によ
り、単離精製し、目的とする8環の化合物[高χ(3)
質G](360mg)を得た。等モルのこの8環化合物
とジフェニルメタンジイソシアナートをテトラヒドロフ
ランに溶かし、トリエチルアミン,ジラウリン酸ジ−n
−ブチルすずを加えて、かくはん下に、室温で4時間、
さらに5時間、加熱還流した。冷却後、反応液を多量の
ヘキサンに注ぎ、目的の光非線形主鎖型高分子材料であ
るポリウレタン誘導体を得た。これを再度、再沈精製し
た後、アニソール溶液とし、石英基板に塗布し、紫色の
厚さ200Åのポリウレタンフィルムを得た。このポリ
ウレタンフィルムのχ(3) をTHG(第三高調波発生)
−メーカ・フリンジ法により求め、3光子共鳴χ(3)
10-10 esuの値を得た。また、吸収端波長よりも長
波長側での導波損失は、1dB/cm以下であった。
【0033】(実施例10)実施例1に記載された高χ
(3) 物質Aとヘキサメチレンジイソシアナートの重付加
反応において、反応溶媒としてテトラヒドロフランの代
りにジメチルホルムアミドを使用し、実施例1と同様の
構造で、かつ、より成膜性にすぐれた目的物を得た。
【0034】(実施例11)実施例2に記載された高χ
(3) 物質Bとヘキサメチレンジイソシアナートの重付加
反応において、反応溶媒としてテトラヒドロフランの代
りにジメチルホルムアミドを使用し、実施例2と同様の
構造で、かつ、より成膜性にすぐれた目的物を得た。
【0035】(実施例12)実施例3に記載された高χ
(3) 物質Cとヘキサメチレンジイソシアナートの重付加
反応において、反応溶媒としてテトラヒドロフランの代
りにジメチルホルムアミドを使用し、実施例3と同様の
構造で、かつ、より成膜性にすぐれた目的物を得た。
【0036】(実施例13)実施例4に記載された高χ
(3) 物質Dとヘキサメチレンジイソシアナートの重付加
反応において、反応溶媒としてテトラヒドロフランの代
りにジメチルホルムアミドを使用し、実施例4と同様の
構造で、かつ、より成膜性にすぐれた目的物を得た。
【0037】(実施例14)ジシクロヘキシルカルボジ
イミド,高χ(3) 物質A,アジピン酸を等量づつ、無水
テトラヒドロフランに溶かした。これを室温で5分間か
くはんした後、0.4当量のジメチルアミノピリジンを
加え、室温で一夜反応した。多量のヘキサンを加え、析
出物をろ取した。これを多量の熱クロロホルムに溶か
し、不溶分をろ別した。クロロホルムを減圧留去し、残
渣を再沈精製した後、アニソール溶液とし、石英基板に
塗布し厚さ200Åのポリエステルフィルムを得た。こ
のポリエステルフィルムのχ(3) をTHG(第三高調波
発生)−メーカ・フリンジ法により求め、3光子共鳴χ
(3) 〜10-10 esuの値を得た。また、吸収端波長よ
りも長波長側での導波損失は、1dB/cm以下であっ
た。
【0038】(実施例15)トルエンスルホン酸存在
下、等量の高χ(3) 物質Aとテレフタル酸をテトラヒド
ロフランに溶かし、60時間、加熱還流した。反応系か
ら逐次、水を除去するため、反応容器と還流冷却器の間
に、ソックスレ−ろ紙中に脱水剤:五酸化リンを入れた
ソックスレ−管を挿入した。反応後、溶媒ヘキサンを加
え、析出した目的物をろ取した。これを再度、再沈精製
した後、アニソール溶液とし、石英基板に塗布し、厚さ
200Åのポリエステルフィルムを得た。このポリエス
テルフィルムのχ(3) をTHG(第三高調波発生)−メ
ーカ・フリンジ法により求め、3光子共鳴χ(3) 〜10
-10 esuの値を得た。また、吸収端波長よりも長波長
側での導波損失は、1dB/cm以下であった。
【0039】(実施例16)ジシクロヘキシルカルボジ
イミド,高χ(3) 物質B,アジピン酸を等量づつ、無水
テトラヒドロフランに溶かした。これを室温で5分間か
くはんした後、0.4当量のジメチルアミノピリジンを
加え、室温で一夜反応した。多量のヘキサンを加え、析
出物をろ取した。これを多量の熱クロロホルムに溶か
し、不溶分をろ別した。クロロホルムを減圧留去し、残
渣を再沈精製した後、アニソール溶液とし、石英基板に
塗布し厚さ200Åのポリエステルフィルムを得た。こ
のポリエステルフィルムのχ(3) をTHG(第三高調波
発生)−メーカ・フリンジ法により求め、3光子共鳴χ
(3) 〜10-10 esuの値を得た。また、吸収端波長よ
りも長波長側での導波損失は、1dB/cm以下であっ
た。
【0040】(実施例17)ジシクロヘキシルカルボジ
イミド,高χ(3) 物質C,アジピン酸を等量づつ、無水
テトラヒドロフランに溶かした。これを室温で5分間か
くはんした後、0.4当量のジメチルアミノピリジンを
加え、室温で一夜反応した。多量のヘキサンを加え、析
出物をろ取した。これを多量の熱クロロホルムに溶か
し、不溶分をろ別した。クロロホルムを減圧留去し、残
渣を再沈精製した後、アニソール溶液とし、石英基板に
塗布し厚さ200Åのポリエステルフィルムを得た。こ
のポリエステルフィルムのχ(3) をTHG(第三高調波
発生)−メーカ・フリンジ法により求め、3光子共鳴χ
(3) 〜10-10 esuの値を得た。また、吸収端波長よ
りも長波長側での導波損失は、1dB/cm以下であっ
た。
【0041】(実施例18)トルエンスルホン酸存在
下、等量の高χ(3) 物質Cとテレフタル酸をテトラヒド
ロフランに溶かし、60時間、加熱還流した。反応系か
ら逐次、水を除去するため、反応容器と還流冷却器の間
に、ソックスレ−ろ紙中に脱水剤:五酸化リンを入れた
ソックスレ−管を挿入した。反応後、溶媒ヘキサンを加
え、析出した目的物をろ取した。これを再度、再沈精製
した後、アニソール溶液とし、石英基板に塗布し、厚さ
200Åのポリエステルフィルムを得た。このポリエス
テルフィルムのχ(3) をTHG(第三高調波発生)−メ
ーカ・フリンジ法により求め、3光子共鳴χ(3) 〜10
-10 esuの値を得た。また、吸収端波長よりも長波長
側での導波損失は、1dB/cm以下であった。
【0042】(実施例19)ジシクロヘキシルカルボジ
イミド,高χ(3) 物質D,アジピン酸を等量づつ、無水
テトラヒドロフランに溶かした。これを室温で5分間か
くはんした後、0.4当量のジメチルアミノピリジンを
加え、室温で一夜反応した。多量のヘキサンを加え、析
出物をろ取した。これを多量の熱クロロホルムに溶か
し、不溶分をろ別した。クロロホルムを減圧留去し、残
渣を再沈精製した後、アニソール溶液とし、石英基板に
塗布し厚さ200Åのポリエステルフィルムを得た。こ
のポリエステルフィルムのχ(3) をTHG(第三高調波
発生)−メーカ・フリンジ法により求め、3光子共鳴χ
(3) 〜10-10 esuの値を得た。また、吸収端波長よ
りも長波長側での導波損失は1dB/cm以下であっ
た。
【0043】(実施例20)ジシクロヘキシルカルボジ
イミド,高χ(3) 物質F,アジピン酸を等量づつ、無水
テトラヒドロフランに溶かした。これを室温で5分間か
くはんした後、0.4当量のジメチルアミノピリジンを
加え、室温で一夜反応した。多量のヘキサンを加え、析
出物をろ取した。これを多量の熱クロロホルムに溶か
し、不溶分をろ別した。クロロホルムを減圧留去し、残
渣を再沈精製した後、アニソール溶液とし、石英基板に
塗布し厚さ200Åのポリエステルフィルムを得た。こ
のポリエステルフィルムのχ(3) をTHG(第三高調波
発生)−メーカ・フリンジ法により求め、3光子共鳴χ
(3) 〜10-10 esuの値を得た。また、吸収端波長よ
りも長波長側での導波損失は、1dB/cm以下であっ
た。
【0044】(実施例21)4,4′−ジアミノアゾベ
ンゼン(2.8g)を酢酸(240ml)に溶解した。
これに5℃以下で、亜硝酸ナトリウム(2g)の硫酸溶
液(25ml)を滴下した。5℃以下の水−エタノール
(1:1)混合液(500ml)を加え、さらに、酢酸
ナトリウム飽和水溶液を加え、pH=4とした。0℃
で、m−(N−エチル−N−タノール)アミノフェノー
ル(6.5g)のエタノール溶液(20ml)を注い
だ。反応液温度を徐々に室温に戻しながら、一夜反応さ
せた。エタノールを減圧留去し、析出した生成物を、カ
ラムクロマトグラフィー(担体:ドライシリカゲル、溶
媒:クロロホルム)により、単離精製し、4,4′−ビ
ス[(p−(N−エチル−N−エタノール)アミノ−o
−ヒドロキシフェニル)アゾ]−アゾベンゼン[高χ
(3) 物質H](240mg)を得た。等モルの4,4′
−ビス[(p−(N−エチル−N−エタノール)アミノ
−o−ヒドロキシフェニル)アゾ]−アゾベンゼンとヘ
キサメチレンジイソシアナートをテトラヒドロフランに
溶かし、トリエチルアミン,ジラウリン酸ジ−n−ブチ
ルすずを加えて、かくはん下に、室温で4時間、さらに
5時間、加熱還流した。冷却後、反応液を多量のヘキサ
ンに注ぎ、目的の光非線形主鎖型高分子材料であるポリ
ウレタン誘導体を得た。これを再度、再沈精製した後、
アニソール溶液とし、石英基板に塗布し、赤紫色の厚さ
200Åのポリウレタンフィルムを得た。このポリウレ
タンフィルムのχ(3) は、THG(第三高調波発生)−
メーカ・フリンジ法、すなわちχ(3) 既知の溶融石英の
THGを同時測定し溶融石英とサンプルとのTHG比か
らχ(3) を決定する方法により求め、3光子共鳴χ(3)
〜10-10 esuの値を得た。また、吸収端波長よりも
長波長側での導波損失は、1dB/cm以下であった。
【0045】(実施例22)4,4′−ジアミノスチル
ベン−2,2′−ジスルホン酸(6.3g)を酢酸(2
40ml)に溶解した。これに5℃以下で、亜硝酸ナト
リウム(2g)の硫酸溶液(25ml)を滴下した。5
℃以下の水−エタノール(1:1)混合液(500m
l)を加え、さらに、酢酸ナトリウム飽和水溶液を加
え、pH=4とした。これに0℃で、N−エチル−N−
エタノールアニリン(6g)のエタノール溶液(20m
l)を注いだ。反応液温度を徐々に室温に戻しながら、
一夜反応させた。エタノールを減圧留去し、析出した生
成物を、カラムクロマトグラフィー(担体:ドライシリ
カゲル、溶媒:クロロホルム)により、単離精製し、
4,4′−ビス[(p−(N−エチル−N−エタノー
ル)アミノフェニル)アゾ]−スチルベン−2,2′−
ジスルホン酸[高χ(3) 物質I](280mg)を得
た。等モルの4,4′−ビス[(p−(N−エチル−N
−エタノール)アミノフェニル)アゾ]−スチルベン−
2,2′−ジスルホン酸とヘキサメチレンジイソシアナ
ートをテトラヒドロフランに溶かし、トリエチルアミ
ン,ジラウリン酸ジ−n−ブチルすずを加えて、かくは
ん下に、室温で4時間、さらに5時間、加熱還流した。
冷却後、反応液を多量のヘキサンに注ぎ、目的の光非線
形主鎖型高分子材料であるポリウレタン誘導体を得た。
これを再度、再沈精製した後、アニソール溶液とし、石
英基板に塗布し、赤紫色の厚さ200Åのポリウレタン
フィルムを得た。このポリウレタンフィルムのχ(3)
THG(第三高調波発生)−メーカ・フリンジ法により
求め、3光子共鳴χ(3) 〜10-10 esuの値を得た。
また、吸収端波長よりも長波長側での導波損失は、1d
B/cm以下であった。
【0046】(実施例23)4,4′−ジアミノスチル
ベン(3.6g)を酢酸(240ml)に溶解した。こ
れに5℃以下で、亜硝酸ナトリウム(2g)の硫酸溶液
(25ml)を滴下した。5℃以下の水−エタノール
(1:1)混合液(500ml)を加え、さらに、酢酸
ナトリウム飽和水溶液を加え、pH=4とした。これ
に、0℃で、m−(N−エチル−N−エタノール)アミ
ノアニリン(6.5g)のエタノール溶液(20ml)
を注いだ。反応液温度を徐々に室温に戻しながら、一夜
反応させた。エタノールを減圧留去し、析出した生成物
を、カラムクロマトグラフィー(担体:ドライシリカゲ
ル、溶媒:クロロホルム)により、単離精製し、4,
4′−ビス[(p−(N−エチル−N−エタノール)ア
ミノ−o−アミノフェニル)アゾ]−スチルベン[高χ
(3) 物質J](230mg)を得た。等モルの4,4′
−ビス[(p−(N−エチル−N−エタノール)アミノ
−o−アミノフェニル)アゾ]−スチルベンとヘキサメ
チレンジイソシアナートをテトラヒドロフランに溶か
し、トリエチルアミン,ジラウリン酸ジ−n−ブチルす
ずを加えて、かくはん下に、室温で4時間、さらに5時
間、加熱還流した。冷却後、反応液を多量のヘキサンに
注ぎ、目的の光非線形主鎖型高分子材料であるポリウレ
タン誘導体を得た。これを再度、再沈精製した後、アニ
ソール溶液とし、石英基板に塗布し、赤紫色の厚さ20
0Åのポリウレタンフィルムを得た。このポリウレタン
フィルムのχ(3) をTHG(第三高調波発生)−メーカ
・フリンジ法により求め、3光子共鳴χ(3) 〜10-10
esuの値を得た。また、吸収端波長よりも長波長側で
の導波損失は、1dB/cm以下であった。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光非線形
主鎖型高分子材料は、高効率の3次非線形光学特性を有
し、光透過性・導波構造成形性に優れるため、将来の光
コンピューティング・光交換技術を担う光非線形素子の
中心素材として大いに利用できる。たとえば、米国特許
第4,997,595号「非線形光学装置」に用いられ
た有機非線形光学材料DEANSTと比較してみると、
その優秀さが確認できる。まず、DEANSTが溶液状
態で使用するのに対して、本発明の材料は、単独スピン
コート膜を使用できる。さらに30wt%DEANST
−ニトロベンゼン溶液の分子回転効果を含めたχ(3)
3.6×10-12 esuであったのに対して、本発明の
材料のχ(3) は、DEANSTの約30倍に相当する1
-10 esu以上である。
【0050】光ゲート光スイッチ素子用材料として見る
と、DEANSTのような低χ(3)材料の場合は、長尺
化が必要であり、導波損失が極端に低くなければ使えな
い。一方、χ(3) の大きい材料は、短い光路長で済むた
め、導波損失への要求は自ら緩やかである。
【0051】本材料の導波損失は約1dB/cmなの
で、1cmの光路長であれば、χ(3)の約80%を有効
に利用できる。仮に、3μm2 の断面積をもつ長さ約1
cmの導波路が作製されれば、半導体レーザで十分駆動
する光ゲート光スイッチ素子が実現する。
【0052】素子動作速度については、すでに速度分子
回転効果を含むDEANST溶液でピコ秒スイッチング
動作が確認されており、分子回転のない本材料系ではピ
コ秒以下の動作が可能である。さらに、光ゲート光スイ
ッチ素子ばかりでなく、光双安定素子や光リミッタ素子
のような他の重要な光非線形素子にも応用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に従って調製された光非線形主鎖型高
分子の吸収スペクトルおよび吸収極大付近におけるχ
(3) スペクトルを示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 都丸 暁 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 戒能 俊邦 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 米国特許4997595(US,A) 米国特許4128497(US,A) 染料と薬品 第35巻第1号 pp.8 −16(平成2年1月25日発行),松元史 朗「色素導入ポリマの光非線形性」 Chemical Physics Letters,Vol.165 p.171 (1990) Physical Review L etters,Vol.36 p.956 (1976) Applied Physics L etters,Vol.51 p.1 (1987) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/35 504 C08G 18/32 CA(STN) JICSTファイル(JOIS) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子両末端が電子供与性基であるアルキ
    ルアミノ基で置換され、−N=N−、−CH=CH−、
    および−N=CH−から選ばれるπ共役結合子を3個以
    上7個以下有し、かつ、該π共役結合子の両側にはπ共
    役環が位置する高χ(3)物質が、ポリマ主鎖中に組み込
    まれており、該ポリマがポリウレタンまたはポリエステ
    ルであることを特徴とする3次の光非線形主鎖型高分子
    材料。
  2. 【請求項2】 該高χ(3)物質が、メチル基、塩素基、
    水酸基、スルホン基、アミノ基で置換されていることを
    特徴とする請求項1に記載の3次の光非線形主鎖型高分
    子材料。
  3. 【請求項3】 請求項に記載の3次の光非線形主鎖型
    高分子材料を製造する方法において、請求項1に記載の
    高χ(3)物質と、ヘキサメチレンジイソシアナートある
    いはジフェニルメタンジイソシアナートとを重付加反応
    させることを特徴とする請求項に記載の3次の光非線
    形主鎖型高分子材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項に記載の3次の光非線形主鎖型
    高分子材料を製造する方法において、請求項1に記載の
    高χ(3)物質と、テレフタル酸あるいはアジピン酸とを
    重縮合反応させることを特徴とする請求項に記載の3
    次の光非線形主鎖型高分子材料の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Applied Physics Letters,Vol.51 p.1(1987)
Chemical Physics Letters,Vol.165 p.171(1990)
Physical Review Letters,Vol.36 p.956(1976)
染料と薬品 第35巻第1号 pp.8−16(平成2年1月25日発行),松元史朗「色素導入ポリマの光非線形性」

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