JP3002715U - 調理済食品販売用厨房ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 調理済食品販売のための調理器具類を高密度
で集約し一体化した調理済食品販売用厨房ユニットを提
供することを目的とする。 【構成】 本考案は、調理作業面に配設された適宜台数
の調理器、前記作業面の下方スペースに配設された冷蔵
およびまたは冷凍設備、並びに前記調理器に並列して配
置された炊飯ジャー載置スペースの下方に配設されたレ
ンジ、のそれぞれを一体化した第１の調理台を配置し、
食器類およびまたは素材等の洗浄を行う洗浄用シンク、
並びに揚げ物およびまたは焼き物調理設備を並列して一
体的に配置し、前記第１の調理台と同様の幅に形成され
た第２の調理台とにより構成される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ファーストフード店やコンビニエンスストア等において調理済の食 品を販売するための厨房ユニットに関する。

【０００２】 ファーストフード店やコンビニエンスストア等にあっては、既成食品材料やレ トルト食品を販売するのみでは他系列店舗と差別化できない。そのため、調理済 の食品を提供するものが増加している。

【０００３】 このような調理済食品は、例えば、弁当類、惣菜、各種の丼物等を調理済の状 態で販売することが多くなっている。

【０００４】 この場合、少ない従業員により短時間に大量の調理を行う必要があり、作業効 率のよい厨房設備が必要となる。さらに、この種の店舗は狭小な面積を有効に活 用する必要があることが多い。

【０００５】 このような調理済食品を販売するための厨房設備としては、目的とする調理済 食品の種類によって若干異なるが、材料保存のための冷凍庫および冷蔵庫、食品 加熱のための電子レンジおよびまたは電磁調理器、煮物や揚げ物を行うガスレン ジ、炊飯保温設備等が必要となる。

【０００６】

【従来の技術】

従来、この種の厨房設備は、店舗毎あるいは系列毎の要求により適当な組み合 わせを作成し、その内容に応じて個々の機器類を選定して個別に調達し、これら の組立、設置を行っていた。

【０００７】 そのため、構成がまちまちとなり、作業効率の向上や所要床面積を所定範囲に 保つための条件が達成できなくなるような事態も発生しがちであった。

【０００８】 さらに、設置工期も長くなりがちで、特に営業店が改装を行うケースにあって は、営業再開までの時間が長期化することも多く、作業に踏み切れないような事 態も多く発生していた。

【０００９】 また、このような厨房ユニットは、本格的なレストランやホテル等におけるそ れとは異なり、利用客の衆目を集める部位に設置されることが前提である。

【００１０】 しかし、従来のようにそれぞれ構成機器類を別個に調達する方法にあっては、 機器寸法、形状、色彩等における全体の統一を図ることが困難であり、外観・見 栄えを向上せしめることが難しかった。

【００１１】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記のような従来技術の短所を伴わない、調理済食品販売用の厨房 ユニットを提供することを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】

本考案の課題は、上面に配設された適宜台数の調理器１２、前記上面の下方ス ペースに配設された冷蔵およびまたは冷凍設備１４、並びに前記調理器１２に並 列して配置された炊飯ジャー載置スペースの下方に配設されたレンジ１５、のそ れぞれを一体化した第１の調理台１０と、そして食器類およびまたは素材等の洗 浄を行う洗浄用シンク２１、並びに揚げ物およびまたは焼き物調理設備２３を並 列して一体的に配置し、前記第１の調理台１０と同様の幅に形成された第２の調 理台２０と、を有する調理済食品販売用厨房ユニットにより解決される。

【００１３】 前記第１の調理台１０の少なくとも片側端には、冷蔵設備の冷気を利用するタ レおよびまたはつゆ等の食材の保存用ポット１１を配設することができる。

【００１４】 さらに、前記第２の調理台２０の背面板が上方に延設された部分には給湯ボイ ラ２６を配設し、洗浄用シンク２１において利用可能とすることができる。

【００１５】 なお、前記第２の調理台２０の洗浄用シンク２１の下方スペースに炊飯器２９ を配設することもできる。

【００１６】

【作用】

本考案に係る調理済食品販売用厨房ユニットによれば、ファーストフード店や コンビニエンスストア等における調理済食品販売のために必要な厨房器具一式が 、第１の調理台１０ならびに第２の調理台２０に格納されている。これら両調理 台は、統一された器具類を選択して取り付けるようにいずれも工場生産される。

【００１７】 第１の調理台１０は、主として利用客に近い側に配設利用されるもので、冷凍 及びまたは冷蔵設備１４、電磁調理器１２、電子レンジ１５、炊飯ジャー１６等 のように、電源入力があれば足りる機器または装置類が一体化されている。

【００１８】 したがって、調理台背面または側面等の適宜位置に電源接続部が設けられてお り、所定場所に設置後、この部分に電源を引き込むことにより、設置工事が完了 する。

【００１９】 第２の調理台２０には、揚げ物調理設備２３、洗浄用シンク２１、給湯用ボイ ラ２６、ガス炊飯器２９等が一体化される。

【００２０】 この調理台２０では調理素材の下拵え、食器類や素材の洗浄、炊飯、揚げ物ま たは焼き物調理等の作業が行われるため、利用客から離れた側に配設利用される ことが多い。

【００２１】 したがって、所定場所に設置後上水およびガスの配管接続が行われ、下水への 排水管接続により、設置工事が完了する。

【００２２】 本考案に係る厨房ユニットは、第１および第２の調理台１０、２０から構成さ れ、これら両調理台は、横幅はほぼ統一されており、通常の調理済食品の販売業 務において必要かつ十分な厨房器具類が高い密度で一体化されており、その殆ど が工場生産によって組み立てられている。

【００２３】 そのため、設置場所の所要床面積も当初から明らかとなっており、厨房ユニッ ト設置スペースの確保も正確に行われる。

【００２４】 また、設置現場に搬入後の工事も容易で、現地で必要な作業は、設置のための レベル調整、電源ケーブルの接続、ガスおよび水道の配管、排水管の接続のみで ある。

【００２５】 このように高度あるいは複雑な作業は一切不要であるため、極めて少ない工数 で短時間に設置工事を行い、使用可能とすることができる。

【００２６】 なお、手洗い設備等の保健衛生関係設備や調理に伴う湿気、臭気、煙等の排気 設備は当然必要となるが、ここでは言及しない。

【００２７】 さらに、厨房ユニットが全て工場生産されることから、構成材料、形状、色彩 等についても統一することができ、例えばチェーンストア等における全店舗の統 一を図ることができる。

【００２８】 用途および耐久性等を考慮して、ステンレススチールを基礎素材とすることが できるが、チェーンストア特有の色彩、デザイン等を採用して独自性を発揮する ように構成することも任意に行える。

【００２９】 また、本考案に係る厨房ユニットによれば、調理器具の使用に関する専門的知 識も必要とせず、素人でも簡単に調理できる。調理作業終了後の清掃も短時間に 処理することが可能となる。

【００３０】

【実施例】

以下、添付図を参照しつつ本考案の実施例を詳細に説明する。図１は、本考案 に係る調理済食品販売用の厨房ユニットを構成する第１の調理台１０の構造例を 示す正面図であり、図２はその平面図、図３はその右側面図である。

【００３１】 図１、図２に示すように、第１の調理台１０の床上約９０ｃｍ程度に位置する 作業面には調理器、例えば電磁調理器１２が配設されている。本実施例では３台 の調理器を配設しているが、取扱調理品の種類や店舗の性格等を考慮して、予め 増減することができる。

【００３２】 電磁調理器１２の下方には、制御部１３が設けられる。

【００３３】 電磁調理器１２の制御部１３の下方には、両開き式の冷蔵室１４が設けられて いる。この実施例では、共に冷蔵室としているが、取扱調理品の種類や店舗の性 格等によっては、一方を冷凍室とすることも可能である。さらに、冷蔵室、冷凍 室の数も任意であり、大型機器類を別置きとすることも任意である。

【００３４】 電磁調理器１２の右側には、レンジ例えば電子レンジ１５を配設するためのレ ンジ台があり、その上面にはジャー例えば電子ジャー１６等を載置するための平 面台が設けられる。

【００３５】 この平面台に載置するものは、電子ジャーには限定されないが、図示していな い電源取り出し用のコンセントが配設される。なお、符号１８は物入れであり、 例えばしゃもじ等を入れておくことができる。

【００３６】 電子レンジ１５の下方には、冷凍機１７が配設され、冷気は図左側の冷蔵およ びまたは冷凍室１４との間を循環する。なお、一方が冷凍室である場合には、冷 凍機１７も２台とし、冷蔵および冷凍を別個に行うようにすることもできる。

【００３７】 さらに、この冷蔵室１４における冷気を利用して、丼物のタレやめん類のつゆ 等の保存用ポット１１を一体化しておくことができる。

【００３８】 図３は第１の調理台の右側面図であり、電子レンジ１５、電子ジャー１６およ び冷凍機１７が配設されていることを示している。

【００３９】 図１、図２における上方の符号１９は、調理用材料や調理済食品を入れること ができるホテルパン１９である。着脱自在であるため、その他の容器類に置換す ることも任意である。

【００４０】 本実施例では、ホテルパン１９は第１の調理台１０の前面に７個配設している が、その配設位置、配設数は取扱調理品の種類等により任意に設定できる。

【００４１】 図４は本考案に係る調理済食品販売用の厨房ユニットを構成する第２の調理台 ２０の構成例を示す正面図であり、図５はその平面図、図６はその右側面図、図 ７はその左側面図である。

【００４２】 第２の調理台２０の上面には、２個の洗浄用シンク２１が設けられる。野菜や 魚介類等調理用素材、使用後の食器類、調理器具の洗浄をはじめ炊飯準備等の作 業を行うものである。ドレン２２は、排水管３０に接続される。

【００４３】 この実施例では、左側に揚げ物等の調理設備２３が配設される。この揚げ物調 理設備はここではガス燃料による調理器を使用しているが、電熱または固体ある いは液体燃料等の発熱を利用することもできる。

【００４４】 なお、取扱調理食品の種類によっては、この揚げ物調理設備２３に代えてある いはこれに加えて焼き物調理設備を設けることも可能である。

【００４５】 本実施例では揚げ物調理設備２３に付帯する油きり２４を設けている。さらに 、揚げ物調理容器を、温度を可変とする複数とし、調理素材に応じて使い分ける ように構成することができる。

【００４６】 なお、本実施例では、揚げ物調理設備２３の下方に形成されるスペースを、使 用済み油受け容器２５の収納スペースとしている。

【００４７】 第２の調理台２０の背面から延設された部分には、給湯ボイラ２６が配設され る。洗浄その他の用途に供するためである。ここではガス燃料の給湯器を使用し ている。

【００４８】 なお、この給湯ボイラ２６を配設する延設部分には、食器や包材を載置する棚 板２７、Ｓ字フックを掛けられる横棒３３等を設けることができる。また、符号 ２８は蛇口である。

【００４９】 図４に示すように、洗浄用シンク２１の下方スペースには、炊飯器例えばガス 炊飯器２９が配設されており、その他のスペースは収納部として利用可能である 。

【００５０】 このガス炊飯器２９はかなり大型のものが必要となることが予想されるため、 キャスター付きとしているが、取扱調理食品の種類や店舗の性格、客層等によっ て適宜変更することができる。炊飯器はガス炊飯器に限られるものではなく、電 気等による炊飯器でもよい。

【００５１】 図７は、本考案に係る第２の調理台２０の左側面図であり、揚げ物調理設備２ ３と、その下方の油受け容器２５が図示されている。

【００５２】 図６に示すように、第２の調理台２０の背面には、揚げ物調理設備２３および 炊飯器２９のためのガス接続部３２とガス給湯ボイラ２６用のガス接続部３１と が図示されている。

【００５３】 この他に、給排水の配管ならびに第１の調理台１０に対する電気配線等が必要 となるが、初期の設定により適宜選択できるものであり、詳述はしない。

【００５４】 図８は本考案に係る厨房ユニットの第１の配設例である。第１の調理台１０を 利用客側に近い前方に配置し、第２の調理台２０を後方に配置したものである。

【００５５】 調理作業スペースは図中網掛けで示した領域４０となる。このような配置によ れば、厨房ユニット設置スペースは最小となり、所要床面積の節約が可能となる 。

【００５６】 図９は第１の調理台１０と第２の調理台２０とを直線上に配列した第２の配設 例である。調理作業スペース５０の下側が壁面または境界となっていて細長いス ペースを利用する店舗等に適する。

【００５７】 例えば、コンビニエンスストア等の一角に設置する場合に他種販売コーナーに 大きな影響を及ぼさないようにする場合などにも適する配置である。

【００５８】 図１０は両調理台１０、２０をカギの手に配置した第３の配設例である。図の 右側及び下側が壁面または境界となるような部分に設置する場合に適する配置で ある。

【００５９】 店舗の隅部分に設置する場合等に適する配置である。かかる配置であれば、調 理作業スペースも網掛けで示した領域６０のようになるので、例えば、図中破線 で示した領域７０には大型冷凍庫のようなオプション設備を設置することもでき る。

【００６０】 更に、店舗の構成によってここに示した以外の任意の配置を選択することがで きることはいうまでもない。

【００６１】

【考案の効果】

本考案によれば、ファーストフード店やコンビニエンスストア等における調理 済食品販売のための調理器具類を高密度で集約し一体化した第１および第２の調 理台が、統一規格により工場生産される。

【００６２】 調理台の材質、デザイン等も規格化されており、特にチェーンストア形式の場 合等に全体の統一が図れる。かかる統一された材質、デザイン等により外観が向 上し、チェーン店全体のイメージアップを図ることができる。

【００６３】 このような厨房ユニットでは、極めて少ない工数で、かつ特殊技能を必要とせ ずに短時間で設置工事が実施可能である。例えば、新規開業時はもとより、既存 営業店の改装等にあっても、定休日における着工・完成が期待でき、余分な営業 休止は不要となる。

【００６４】 このように、工場において規格品を大量生産する結果、製造コストが低減され 、さらに設置工事費用も低減されるため、経済的な店舗経営が可能となる。使用 機器類も規格化されているため、その後の保守または修理に要する費用も低減す ることができる。

【００６５】 また、本考案に係る厨房ユニットによれば、調理作業の安全性が確保され、衛 生面でも優れ、調理作業が容易となり、作業効率を向上できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る調理済食品販売用厨房ユニットに
おける第１の調理台の構成を示す正面図である。

【図２】本考案に係る調理済食品販売用厨房ユニットに
おける第１の調理台の構成を示す平面図である。

【図３】本考案に係る調理済食品販売用厨房ユニットに
おける第１の調理台の構成を示す右側面図である。

【図４】本考案に係る調理済食品販売用厨房ユニットに
おける第２の調理台の構成を示す正面図である。

【図５】本考案に係る調理済食品販売用厨房ユニットに
おける第２の調理台の構成を示す平面図である。

【図６】本考案に係る調理済食品販売用厨房ユニットに
おける第２の調理台の構成を示す右側面図である。

【図７】本考案に係る調理済食品販売用厨房ユニットに
おける第２の調理台の構成を示す左側面図である。

【図８】本考案に係る厨房ユニットの第１の配置例を示
す平面図である。

【図９】本考案に係る厨房ユニットの第２の配置例を示
す平面図である。

【図１０】本考案に係る厨房ユニットの第３の配置例を
示す平面図である。

【符号の説明】

１０ 第１の調理台 １１ つゆ、食材等の保存用ポット １２ 電磁調理器 １３ 制御部 １４ 冷蔵室または冷凍室 １５ 電子レンジ １６ 電子ジャー １７ 冷凍機 １８ 物入れ １９ ホテルパン ２０ 第２の調理台 ２１ 洗浄用シンク ２２ ドレン ２３ 調理設備 ２４ 油きり ２５ 油受け容器 ２６ 給湯ボイラ ２７ 棚板 ２８ 蛇口 ２９ 炊飯器 ３０ 排水管 ３１、３２ ガス接続部 ３３ Ｓ字フック付き横棒

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ａ４７Ｆ 10/06 8313−3Ｋ Ａ４７Ｊ 37/12 ３２１ 7804−4Ｂ

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 調理作業面に配設された適宜台数の調理
   器（１２）、前記作業面の下方スペースに配設された冷
   蔵およびまたは冷凍設備（１４）、並びに前記調理器
   （１２）に並列して配置された炊飯ジャー載置スペース
   の下方に配設されたレンジ（１５）、のそれぞれを一体
   化した第１の調理台（１０）と、 食器類およびまたは素材等の洗浄を行う洗浄用シンク
   （２１）、並びに揚げ物およびまたは焼き物調理設備
   （２３）を並列して一体的に配置し、前記第１の調理台
   （１０）と同様の幅に形成された第２の調理台（２０）
   と、 を有することを特徴とする、調理済食品販売用厨房ユニ
   ット。
2. 【請求項２】 冷蔵設備の冷気を利用するタレおよびま
   たはつゆ等の食材の保存用ポット（１１）が、前記第１
   の調理台（１０）の少なくとも片側端に配設されたこと
   を特徴とする、請求項１に記載の調理済食品販売用厨房
   ユニット。
3. 【請求項３】 前記第２の調理台（２０）の背面支持材
   が上方に延設され、該部分に給湯ボイラ（２６）が配設
   されたことを特徴とする、請求項１または２のいずれか
   に記載の調理済食品販売用厨房ユニット。
4. 【請求項４】 前記第２の調理台（２０）の洗浄用シン
   ク（２１）の下方に炊飯器（２９）が配設されたことを
   特徴とする、請求項１ないし３のいずれかに記載の調理
   済食品販売用厨房ユニット。