JP3002417B2 - 内面焼入コイル - Google Patents

内面焼入コイル

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JP3002417B2
JP3002417B2 JP8090343A JP9034396A JP3002417B2 JP 3002417 B2 JP3002417 B2 JP 3002417B2 JP 8090343 A JP8090343 A JP 8090343A JP 9034396 A JP9034396 A JP 9034396A JP 3002417 B2 JP3002417 B2 JP 3002417B2
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coil
core
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groove
quenching
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康夫 武藤
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富士電子工業株式会社
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

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  • General Induction Heating (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溝が形成されたワ
ークの溝の内面等の焼入に使用される内面焼入コイルに
関する。
【0002】
【従来の技術】直動案内機器のような溝が形成されたワ
ークの溝の内面の焼入は、浸炭焼入や高周波焼入で行わ
れる。高周波焼入の場合に使用される従来の高周波加熱
コイルを、溝の両側面を焼入する場合について図5によ
り説明する。
【0003】コイル1は銅の偏平な角管を曲成して構成
され、両側の垂直部2,2が溝の両側面9,9に対向す
る。垂直部2,2の各上端は水平部3により相互に連結
され、各下端は傾斜部4,4を介してL状のリード5,
5とそれぞれ連結されている。コイル1を角管により構
成するのは、内部に冷却水を流通させるためである。そ
して、コイル1の内側には加熱効率を高めるためにフェ
ライト等の強磁性体からなるコア6が嵌合されている。
【0004】焼入では、コイル1に高周波電流を通じな
がらそのコイル1を凹溝内の長手方向に移動させること
により、溝の両側面9,9が垂直部2,2により誘導加
熱される。そして、コイル1に続いて溝の内部を移動す
るジャケットから溝の両側面9,9に焼入液を噴射する
ことにより、その両側面9,9が焼入される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような溝の内面の
焼入では、コイル1による両側面9,9の加熱効率を高
める観点から、通電路を両側面9,9に接近させ、コイ
ル1の内側に位置する管壁部8の断面積をできるだけ大
きくするのが良いとされている。このために、コイル自
身を両側面9,9に接近させると共に、コイル1を構成
する角管の厚みT1、特に管内の通水路の厚みT2を小
さくする。こうすることにより、通水路の外側に位置す
る管壁部7だけでなく、その内側に位置する管壁部8
も、両側面9,9に接近させることができるのである。
しかし、通水路における冷却水の流通を確保するため
に、通水路の厚みT2を極端に小さくすることはできな
い。この点において、従来のコイルは加熱効率に制限が
ある。従って、大電力の高速移動焼入も不可能で、処理
量も上がらない。
【0006】また、コイル1の内側に配置されるコア6
は、移動焼入のような連続焼入では、コイル1の加熱に
より温度が上がり、ある温度を超えるとその効果がなく
なる。従って、コイル1自身の冷却とコア6自身とを冷
却する必要があるが、コイル1ではコイル角管の内部を
流れる冷却水ではコア6を直接冷却することができず、
別にコア6を冷却する手段が必要である。
【0007】本発明はかかる事情に鑑みて創案されたも
のであり、通電路の冷却を阻害することなくその通電路
を被加熱面に接近させると共に、コアの冷却を促進する
ことにより、被加熱面への通電路の接近およびコアの冷
却促進の両面から加熱効率の大幅向上を図る内面焼入コ
イルを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる内面焼入
コイルは、焼入される内面の形状に対応して帯状の導電
板により曲成されたコイル本体と、該コイル本体の内側
に嵌合する強磁性体からなるコアと、コイル本体の内側
をコイル本体の周方向に冷媒が流れるようにコアの外面
に形成された冷媒溝とを具備する。
【0009】本発明にかかる内面焼入コイルにおいて
は、導電板からなるコイル本体とコアとの間を冷却水等
の冷媒が流れ、コイル本体の中を冷媒が流れないので、
焼入される内面に通電路の中心が接近し、コイルの断面
積が大きくなる。また、その冷媒により、コイル本体お
よびコアの両方が直接冷却されるので、コイル本体は勿
論のこと、コアについてもその冷却が促進される。更
に、冷媒溝の断面積が通電路の位置に影響を与えないの
で、その断面積が制限されず、これによる冷媒流通量の
増大によってもコアの冷却が促進される。
【0010】本発明にかかる内面焼入コイルにおいて
は、コイル本体を構成する導電板の両端縁部が嵌合する
切込みを、冷媒溝の両側に位置してコアの外面に形成す
ることが望まれる。
【0011】また、コアをコイル本体の中心軸方向に2
分割するのが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図示
例に基づいて説明する。図1は本発明を実施した内面焼
入コイルの1例を示す斜視図、図2は図1のA−A線矢
視図、図3はコイル本体の正面図、図4はコアを構成す
る強磁性体の板体の斜視図である。
【0013】本実施の形態に係る内面焼入コイルは、図
5に示したコイルと同様に、直動案内機器のような溝が
形成されたワークにおける溝の両側面の移動焼入に使用
される。この内面焼入コイルの基本構成部材は、図1に
示されるように、帯状の銅板により曲成されたコイル本
体10と、コイル本体10の内側に嵌合されたコア20
とである。
【0014】コイル本体10は、図3に示されるよう
に、凹溝の両側面に対向する一対の垂直な縦板部11,
11と、縦板部11,11の各下端を相互に連結する横
板部12とを有する。横板部12は、溝の底面を加熱し
ないように、中央部が上方へ台形状に折れ曲がってい
る。縦板部11,11の各上端は、上方へ向かって内側
に傾斜した傾斜部13,13を介して2本の垂直なリー
ド30,30と接続されている。リード30,30は、
所定の間隔をあけて並列した銅の角管であり、その下端
部外側面に傾斜部13,13の各上端が接合されてい
る。
【0015】コア20は、図1および図2に示されるよ
うに、コイル本体10の中心軸方向に重ね合わせた2枚
の板体21,21からなる。2枚の板体21,21は、
フェライト等の強磁性体からなり、同じ形状のものを向
き合わせて接着した構造になっている。
【0016】個々の板体21は、図4に示されるような
3段構造である。1段目は、コイル本体10の外面形状
と同じ外面形状を持つ。2段目の外面形状は1段目より
1回り小さい相似形であり、3段目の外面形状は2段目
より更に小さい相似形である。これにより、2段目の外
側には全周にわたる切込み22が形成され、3段目の外
側には全周にわたる切込み23が形成される。
【0017】ここで、1段目の外面から2段目の外面ま
での距離L、すなわち切込み22の奥行きは、図2に示
すように、コイル本体10を構成する銅板の厚みtと同
じである。1段目の表面から3段目の表面までの高さH
は、コイル本体10を構成する銅板の幅Wの1/2であ
る。また、コア20は、2枚の板体21,21の3段目
の表面同士を突き合わせて接着することにより構成され
ている。
【0018】これにより、コア20の外面には、板体2
1,21の断面略L字形状の切込み23,23が合体し
てなる凹状の冷媒溝24が全周にわたって形成されると
共に、冷媒溝24の両側に位置して断面略L字形状の切
込み22,22が形成される。ここで、切込み22,2
2の外縁間の距離は、コイル本体10を構成する銅板の
幅Wと同じになり、冷媒溝24の幅は、コイル本体10
を構成する銅板の幅Wより狭いものとなる。そして、コ
イル本体10を構成する銅板の両側縁部が切込み22,
22に嵌合し接着されることにより、冷媒溝24の開口
部が最上部を残してコイル本体10により閉じられる。
【0019】このようにして、コイル本体10の内側に
は、コイル本体10の内面およびコア20の外面と直接
接する環状の通水路が形成されている。
【0020】なお、板体21はここでは一体品とされて
いるが、その1〜3段目を別々に作製して接着により一
体化したものでもよい。
【0021】一方、銅の角管からなるリード30,30
は、その一方が環状の通水路に冷却水を供給する給水管
を兼ね、他方がその冷却水の排水管を兼ねている。そし
てリード30,30は、その各下端部がコイル本体10
を構成する銅板と同様に切込み22,22に嵌合するこ
とにより、環状の通水路の最上部に接続されている。リ
ード30,30の各下端面の内側部には、給水管から通
水路に供給された冷却水が直接排水管へ流入するのを防
ぐために、冷媒溝24内に嵌合する堰部31,31が突
設されている。
【0022】次に、この内面焼入コイルの使用方法およ
び機能について説明する。
【0023】直動案内機器のように溝が形成されたワー
クの溝の内部にコイル本体10を挿入する。リード3
0,30を通してコイル本体10に高周波電流を流し、
且つ、コア20の外面に形成された冷媒溝24によって
コイル本体10の内側に形成された通水路に冷却水を通
じながら、コイル本体10を凹溝内の長手方向に移動さ
せる。これにより、溝の両側面が、コイル本体10の縦
板部11,11により誘導加熱される。両側の加熱面
は、コイル本体10に続いて溝内を移動するジャケット
から噴出される焼入液により急冷される。
【0024】このとき、コイル本体10は銅板により構
成され、内部に通水のための空洞を有しないので、コイ
ル本体10の外面から被加熱面までの距離が同じでも、
通電路の中心が被加熱面に近づき、コイルの断面積が増
加し、そのため、銅管により構成されたコイルよりも加
熱効率が向上する。また、銅板の厚みは角管の肉厚より
大きくする必要があるが、銅部分の断面積は角管の場合
よりも小さくなる。そのため、コイル本体10の軽量化
も実現される。
【0025】冷却については、コイル本体10は内側の
通水路を流れる冷却水により直接冷却されるので、角管
の場合と遜色ない冷却性が確保される。コア20につい
ては、コイル本体10と同様に冷却水により直接冷却さ
れるので、角管の場合よりも格段に優れた冷却性が得ら
れる。また、冷媒溝24の断面積を大きくしても、コイ
ル本体10の位置が変わらない。つまり、被加熱面から
通電路までの距離を変えることなく、冷却水の流通量を
増すことができる。これらにより、コア20の温度上昇
が効果的に抑えられ、この点からも加熱効率が向上す
る。
【0026】かくして、この内面焼入コイルによる場合
は、被加熱面への通電路の接近により断面積の増加およ
びコアの冷却促進の両面から、加熱効率の大幅向上が図
られる。
【0027】また、コイル本体10を構成する銅板の両
端縁部が嵌合する切込み22,22を、冷媒溝22の両
側に位置してコア20の外面に形成したので、コイル本
体10によりコア20が確実に保持されると共に、冷媒
溝24の開口部が確実に閉鎖される。
【0028】更に、コア20をコイル本体10の中心軸
方向に2分割したので、コア20の外面にコイル本体1
0が嵌着される構造の場合も組立が簡単である。
【0029】なお、上記実施の形態に係る内面焼入コイ
ルは、溝が形成されたワークにおける溝の両側面の焼入
に用いるものであるが、溝の底面、或いは底面および両
側面、溝以外の溝内面の焼入にも適用でき、更には溝の
内面以外の内面、例えば管体の内面等の焼入にも適用可
能である。
【0030】さらに、上述した実施の形態に係る内面焼
入コイルは、溝の移動焼入に使用したが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、内面焼入コイルとワークと
が相対的に移動しないようにしてもよい。
【0031】
【発明の効果】以上に延べた通り、本発明にかかる内面
焼入コイルは、コイル本体を導電板により構成し、コイ
ル本体の内側に嵌合されるコアの外面に冷媒溝を設け
て、コイル本体の内側にコイル本体の内面およびコアの
外面の両方と直接接する冷媒流路を形成したので、コイ
ル本体の冷却を阻害することなく通電路を被加熱面に接
近させることができ、合わせてコアの冷却を促進するこ
とができる。従って、被加熱面への通電路の接近および
コアの冷却促進の両面から、加熱効率を大幅に向上させ
ることができる。
【0032】コイル本体を構成する銅板の両端縁部が嵌
合する切込みを、冷媒溝の両側に位置してコアの外面に
形成した場合は、コイル本体によりコアが確実に保持さ
れると共に、冷媒溝の開口部が確実に閉鎖される。
【0033】コアをコイル本体の中心軸方向に2分割し
た場合は、コアの外面にコイル本体が嵌着される構造の
場合も組立が簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した内面焼入コイルの1例を示す
斜視図である。
【図2】図1のA−A線矢視図である。
【図3】コイル本体の正面図である。
【図4】コアを構成する強磁性体の板体の斜視図であ
る。
【図5】従来の内面焼入コイルを示す斜視図である。
【符号の説明】
10 コイル本体 20 コア 21 強磁性体からなる板体 22、23 切込み 24 冷媒溝 30 リード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 1/10 C21D 1/42 H05B 6/00 - 6/10 H05B 6/14 - 6/44

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼入される内面の形状に対応して帯状の
    導電板により曲成されたコイル本体と、該コイル本体の
    内側に嵌合する強磁性体からなるコアと、コイル本体の
    内側をコイル本体の周方向に冷媒が流れるようにコアの
    外面に形成された冷媒溝とを具備することを特徴とする
    内面焼入コイル。
  2. 【請求項2】 コイル本体を構成する導電板の両端縁部
    が嵌合する切込みを、冷媒溝の両側に位置してコアの外
    面に形成したことを特徴とする請求項1に記載の内面焼
    入コイル。
  3. 【請求項3】 コアをコイル本体の中心軸方向に2分割
    したことを特徴とする請求項1または2に記載の内面焼
    入コイル。
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