JP3002144B2 - 癌細胞分化を促進する薬学組成物及びその製造方法 - Google Patents

癌細胞分化を促進する薬学組成物及びその製造方法

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JP3002144B2 JP8280276A JP28027696A JP3002144B2 JP 3002144 B2 JP3002144 B2 JP 3002144B2 JP 8280276 A JP8280276 A JP 8280276A JP 28027696 A JP28027696 A JP 28027696A JP 3002144 B2 JP3002144 B2 JP 3002144B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒト尿から抽出精
製した細胞分化を促進する薬学組成物及びその製造方法
に関するものである。本発明は、細胞分化剤CDA−II
が癌細胞のメチル化酵素複合体異常を改善し、その結
果、癌細胞を最終分化に導くという医療効果に達するこ
とを示す。これは抗癌剤の新しい方法であり、病因を直
接除去するため、治療効果が非常に高い。CDA−IIは
癌細胞に対してメチル化酵素複合体と結合したたんぱく
質の作用を除去する効果があり、治療上で特異選択性が
見られ、副作用がない。CDA−IIの有効成分は分化促
進剤、分化補助剤、抗悪病質剤(Anticachexia agent)
であり、これらの有効成分は相乗効果で最も高い治療効
果を得ることができる。なお、この明細書で使用してい
る略語については、「略語の説明」として後掲してい
る。
【0002】
【従来の技術】癌は治療が困難な病気で、癌細胞自身の
組成が複雑であり、癌細胞が絶え間なく分裂を繰り返す
ため、正常な器官や組織に侵入して、最終的には死に至
る。従来の医学界では癌細胞の分裂を癌の最も根本的な
障害と考え、細胞分裂を止めるため細胞毒でDNA合成
を停止させる方法を採ってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、研究の結
果、メチル化酵素複合体が癌細胞の分裂持続を促進して
おり、癌における最も根本的な障害となっていることを
発見した。メチル化酵素複合体は細胞の分裂と分化にお
いて非常に重要な役割を演じる。これらの酵素活性が高
い時に細胞は分裂を行い、活性が低下した時、細胞はメ
チル基を欠いた核酸を合成して、細胞の分化が促進さ
れ、再度分裂を行わない最終分化細胞となる。すべての
癌細胞は異常なメチル化酵素複合体を持ち、これらの酵
素は活性が高く、安定な状況に固定され、細胞は絶え間
なく分裂を繰り返している。このため異常なメチル化酵
素複合体は癌の原因であり、持続する細胞分裂が癌の症
状となる。
【0004】本発明者は、1977年にノビコフ肝臓癌
細胞のメチオニン・アデノシルトランスフェラーゼ(以
下、MATと記す。)と正常細胞の酵素が異なり(参考
文献(19)を参照)、その相違は量的なものだけではな
く、質的にも異なることを発見した。当時メチルトラン
スファーに最も重要なDNAメチルトランスファーの機
能がまだ発見されていなかった。DNAメチルトランス
ファーが調節遺伝子の機能において確認されたあと(参
考文献(13)と(15)を参照)、異常MATの重要性が一挙
に高まった。癌細胞の酵素と正常細胞の酵素は質的な違
いがあるため、我々はこの違いを利用して理想的な特異
選択性抗癌剤を見つけることができた。
【0005】[メチル化酵素複合体の機能]MATはメ
チル化酵素複合体を構成する3酵素の一つである。その
他2つの酵素はメチルトランスフェラーゼとs−アデノ
シルホモシステイン・ヒドロラーゼ(以下、SAHHと
記す。)である。メチルトランスフェラーゼには多くの
種類があり、各酵素は特異的な基質選択性を持つため、
互いに干渉しあわない。しかし、MAT、SAHHと同
じく複合酵素を形成するが、これらの機能が特異なメチ
ルトランスフェラーゼは同一のメカニズムで活性が調整
される。これら3つのの構成酵素は結合することで初め
てメチルトランスファー機能を発揮することができる。
正常細胞内において、複合酵素の結合は外来の促進因子
に依存している。例えば、ステロイドホルモンは、ホル
モン標的組織における複合酵素の促進因子である。ステ
ロイドホルモンがある場合、これら3つの構成酵素は結
合し、安定で活性な複合酵素となる。ステロイドホルモ
ンが存在しない場合、複合酵素は単独酵素に分離し、単
独の構成酵素の安定性は低く、すぐに破壊され、活性を
失ってしまう(参考文献(23)を参照)。非ステロイドホ
ルモンの標的組織の細胞において、メチル化酵素複合体
の形成は成長ホルモンの刺激に依存しており、当該細胞
にステロイドホルモンに類似する促進因子を生じさせ
る。つまり、正常細胞のメチル化酵素複合体活性は完全
に外来の促進因子に制御されている。核酸のメチル化酵
素複合体は、細胞の分裂と分化において非常に重要な役
割を演じる。その重要性は成長ホルモンに相当する。核
酸のメチルトランスファーの種類は非常に多いが、その
内2種類が細胞分裂と分化に関連している。このメチル
トランスファーはDNAの5−メチルシトシン(以下、
5−mCと記す。)とRNAの2´−メチルリボースで
ある。5−mCはDNAの2本の配列において対称に位
置する。
【0006】
【化1】
【0007】1つの遺伝子のプロモーター配列にこの種
のメチル基を持つ場合、この遺伝子は制御され、機能を
発揮できない。DNAのメチル基は選択遺伝子の役割を
演じている(参考文献(12)及び(15)を参照)。各器官及
び組織にはその特殊な基礎細胞を持ち、これらの基礎細
胞はすでにある程度まで分化しているが、最終段階には
達していないため、依然分裂能力を持っている。しかし
特殊機能を持つ分化遺伝子が基礎細胞にあり、依然メチ
ル基の導入で非制御状態に置かれている。基礎細胞が成
長ホルモンの刺激で分裂する時、メチル化酵素複合体の
活性は成長ホルモンに伴い高くなる。DNAメチル基の
分布は複製によるため、分裂した細胞は母細胞と同一
で、基礎細胞となる。成長ホルモンが存在しなくなった
時、メチル化酵素複合体の活性はすぐに下がるが、DN
A合成酵素はかなり安定しており、この時メチル基の欠
落したDNAが合成される。2回の細胞分裂周期でメチ
ル基の欠落したDNAが合成され、特殊で分化に関連す
る遺伝子の機能が発揮され、特殊機能を持つ最終分化細
胞に変化する。この種の細胞はすでに分裂能力を持たな
い。メチル基の欠落したDNAの合成作用は細胞分化の
重要なメカニズムである(参考文献(28)を参照)。
【0008】rRNAのメチル基の大部分は、ヌクレオ
チドの2´酸素の位置に発生している。この種のメチル
基導入はヌクレオチドの製造に重要な調節作用を持って
いる(参考文献(18)を参照)。細胞はヌクレオチドの製
造過程において分子量が最終生成物の2倍大きいRNA
前駆体を合成し、RNA分解酵素により不要な配列が切
断され、有用な配列を残してヌクレオチドを形成する。
メチル基の分布は全部有用な配列にあり、この部分の配
列にメチル基が欠落する場合、この部分の有用な配列は
有用でない配列と同様分解されしまう。このため、メチ
ル化の進行が完全な場合、有用なヌクレオチドを生成す
ることができ、完全でない場合、ヌクレオチドは生成さ
れない。ヌクレオチドの増産は細胞がDNA合成前の必
須条件である。ヌクレオチドの増産する細胞のみが、核
酸合成酵素、染色体たんぱく質、細胞構成たんぱく質な
ど、DNAの複製に必要なたんぱく質を提供することが
でき、ヌクレオチドが増産されない場合、これらの必要
なたんぱく質は十分に生産されず、細胞もDNA合成を
行うことができない。ヌクレオチド増産の細胞分裂に対
する重要性は2つの簡単な実験から証明できる。
【0009】第1の実験は放射線菌Dの特殊感度を利用
したもので、細胞を成長ホルモンで8時間刺激したあ
と、ヌクレオチドの生産が増加するが、この時ヌクレオ
チド生産を抑制する微量の放射線菌Dを加えると、細部
はG1段階で停止することが認められている(参考文献
(13)を参照)。もう1つの実験は特殊な温度に感度が高
い細胞を利用したもので、この種の細胞のrRNA加工
分解酵素は39℃で完全に活性を失う。成長ホルモンで
8時間刺激したあと、温度を37℃から39℃に上げる
と、ヌクレオチドの生産は停止し、細胞もG1段階で停
止することが分かっている(参考文献(41)を参照)。こ
の2つの実験はヌクレオチドの増産が細胞分裂に必要な
要素であることを明らかに証明している。ヌクレオチド
生産調整を決定する要素はメチル化酵素複合体にあり、
もちろん細胞成長にも影響を及ぼすことになる。一旦成
長ホルモンが存在しなくなれば、細胞は分裂を停止し、
大量のヌクレオチドは必要でなくなる。メチル化酵素複
合体が先に活性を失ったあとも、細胞は短時間ではある
がメチル基が欠落したrRNA前駆体を依然合成する。
これらの生成物は有用なヌクレオチドを生産することが
できず、必要なたんぱく質が減産され、細胞は分化の過
程に進み、最終的には最終分化細胞となる。メチル化酵
素複合体が細胞の成長及び分化において非常に重要な役
割を演じていることが分かる。
【0010】[異常メチル化酵素複合体の癌における役
割]異常MATは癌細胞が生産する特殊なたんぱく質因
子で、この要素は正常なMATと結合し、異常な癌細胞
酵素を生成する(参考文献(21)を参照)。この結合は元
来正常であった酵素の活性と調節機構を完全に変えてし
まう。癌細胞の特殊たんぱく質因子はステロイドホルモ
ンのように正常な複合酵素にも作用する。3つの構成酵
素は結合して、非常に安定で活性を持つ複合酵素とな
る。これはこの種の特殊たんぱく質要素を持つためで、
癌細胞複合酵素の安定性と活性は正常細胞の複合酵素を
大きく上回っている(参考文献(21)を参照)。正常酵素
と癌細胞の特殊たんぱく質要素との結合は複合酵素の調
節機能を変えてしまうだけでなく、単独の構成酵素の動
力学的機能をも変化させてしまう。正常なMATと異常
なMATのメチオニン(以下、Kmと記す。)値は異な
る。前者は3μM、後者は20μMであった。区別する
ため、前者をMATL 、後者をMATLTとする。Tは特
殊な癌の因子を表す。癌細胞のMATと正常酵素の相違
はすでにその他研究者によって証明されている(参考文
献(40)を参照)。癌細胞のSAHHも同様または類似し
た因子がその動力学的機能を変えてしまう(参考文献(2
4)を参照)。癌細胞は自らメチル化酵素複合体の促進因
子を生成するため、癌細胞のこの種の酵素活性は外来の
因子に依存することなく、自ら活性を維持することがで
きる。この高活性は癌細胞の分裂期を繰り返すよう促す
ため、異常なメチル化酵素複合体は癌の根本的な原因と
いえる。
【0011】すべての癌細胞は異常なメチル化酵素複合
体を持つ。異常なメチル化酵素複合体は、正常な成長及
び異常な癌成長の間で特殊な相違があり、我々はその相
違を利用して異常メチル化酵素複合体を特異選択的に抑
制する薬物を探すことができる。実際、早期の実験でも
オリゴヌクレオチドなどのような、癌細胞メチル化酵素
複合体を抑制できる化合物は、正常酵素に対する作用が
非常に弱く、全く作用しない場合もあることが証明され
ている。逆に、正常な複合酵素活性を促進する化合物は
異常な癌複合酵素に対して同じ効果を上げることができ
ない(参考文献(18),(20)を参照)。これらの実験は癌
細胞の異常メチル化酵素複合体が癌に化学治療において
最も適当な標的となることを示している。
【0012】[異常メチル化酵素複合体を標的とする化
学治療]上記に記載した通り、異常メチル化酵素複合体
は癌の根本的な原因である。この異常酵素を除去できれ
ば、癌細胞は正常細胞と同様に分化が進み、それ以上分
裂しない最終分化細胞となる。この仮説が正しいことが
実証されている。ノビコフ腹水肝臓癌はpoly(I)
(C)で処理したあと、異常なメチル化酵素複合体は正
常な酵素に変化し、やや遅れて核酸の合成速度も低下
し、ついに細胞分裂は停止している(参考文献(17),(2
4)を参照)。poly(I)(C)は細胞内に入れず、
poly(I)(C)の効果は非常に間接的である。先
ず、poly(I)(C)は癌細胞にオリゴイソアデニ
レート合成酵素の生成を促す(参考文献(9)を参照)。
この酵素の生成物を通して、オリゴイソアデニレートは
異常なメチル化酵素複合体を正常な酵素に変えている。
オリゴイソアデニレートは分化細胞の生成物である。オ
リゴイソアデニレートに類似し、異常なメチル化酵素複
合体を正常酵素に変えることができるものには、オリゴ
ペプチドや一部の有機酸がある(参考文献(22),(29)を
参照)。Burzynski はこれらの抗癌性を持つ天然の人体
内生成物を「アンチネオプラストン」と命名している
(参考文献(4)を参照)。これらの抗癌物質は多くが低
分子量を持つ代謝生成物で、腎臓で濾過されたあとさら
に吸収され、血液に戻って一定の濃度を維持している。
再吸収は往々にして不完全であり、健常人の尿から少量
の有用な抗癌物質が排泄されている。体内では十分な抗
癌物質が癌細胞の形成を抑制し、バランスを維持してい
る。発明者らはこの種の天然の化学抗癌作用を「化学監
察(Chemo-Surveillance)」と命名している(参考文献
(26)を参照)。健常人の尿中抗癌物質は抽出精製された
あと、2種類の主成分が異常MATを有効に抑制してい
ることがわかった。このうちの1種は色素と結合する酸
性ペプチド、1種は有機酸である(参考文献(29)を参
照)。正常酵素は異常因子がないため、抗癌物質の影響
を全く受けない。これも天然の化学抗癌物質の持つ特異
選択性である。この選択性があるため、健康に影響を及
ぼさない。癌細胞はこれらの精製された有効成分で処理
したあと、分化が促進され最終分化細胞に変化する(参
考文献(28)を参照)。酵素の研究から、異常なメチル化
酵素複合体が正常な酵素に変化する部分が、癌細胞を最
終分化に導くネックとなることが分かっている。細胞内
のS−アデノシルメチオニン(以下、AdoMetと記
す。)とS−アデノシルホモシステイン(以下、Ado
Hcyと記す。)の量を分析し、酵素の変化が癌細胞の
分化において重要な役割を演じていることを証明してい
る。癌細胞のAdoMet量は正常細胞より高い(参考
文献(11)を参照)。癌細胞のMATLTは正常細胞のMA
L Km値に比べてかなり高い。癌細胞は一旦分化して
最終分化細胞に変化すれば、AdoMetとAdoHc
yの量が同時に大きく低下する(Chiba et al., 198
8)。MATLTとSAHHLTが同時に発癌因子を失い、
MATL とSAHHL となる。これらは別な角度から得
られた証拠で本発明と矛盾しない。
【0013】
【課題を解決するための手段】
[天然化学監察及び癌の形成]人体内には天然の抗癌物
質があるのになぜ癌が発生するのか。大部分の癌患者は
健常人に比べて尿からの低分子量代謝物の排出が多く、
長い間大量に流出することは体内で抗癌物質が欠乏し、
癌細胞の繁殖を抑制できず、臨床症状が発現することに
つながる。重症患者ほどこの状況はより深刻である(参
考文献(25)及び(26)を参照)。これは一種の悪循環であ
り、ある原因で病人は過度に抗癌物質を排泄し、このた
め癌細胞に発生や繁殖の機会を与えてしまい、癌細胞の
繁殖によりさらに多量の抗癌物質が排出されてしまい、
最終的には完全に化学監察能力を失ってしまう。この時
癌細胞は全く拘束されずに繁殖することができる。癌の
病害において、異常メチル化酵素複合体は重要な因子で
あるが、天然化学監察能力の破壊も非常に重要な因子で
ある。有効に癌を克服するためにこの両方の因子を同時
に考慮する必要があり、異常メチル化酵素複合体を抑制
するほか、病人の天然抗癌物質の過度排泄を低減する必
要がある。尿から精製された抗癌製剤や細胞分化剤(Ce
ll Diffirentiation Agent、CDAと記す。)にはこれ
ら2つの因子に同時に働きかけることができる。病人の
低分子量代謝物の過度排泄を徐々に減少し、病状が好転
した時健常人の状況に回復している(参考文献(25)を参
照)。病人が低分子量代謝物を排泄するのは炎症の結果
である可能性があり、炎症症状があれば過度排泄現象が
見られる(参考文献(10),(3),(2)を参照)。有効に
過度排泄を制御することは癌治療において最も重要な課
題である。周知の通り細胞毒薬物自身も過度排泄を促進
し(参考文献(26)を参照)、天然化学監察に悪い影響を
及ぼし、保護するどころか破壊作用を持っている。細胞
毒療法は全ての癌細胞をきれいに除去するが、病人は長
期の細胞毒による破壊で、残った癌細胞を制御する自衛
能力をも失ってしまう。逆に尿から精製された抗癌剤の
成分は病人の過度排泄を改善し、病人の天然化学監察能
力を回復したあと、自分自身の自衛能力で残った癌細胞
を制御することができる。この尿精製抗癌剤に含まれる
フェニルグルタミドは癌患者の過度排泄を改善する作用
がある。癌細胞に対して直接制御作用を持たないが、抗
癌物質の過度排泄を防止することで、ヒトや動物の天然
化学監察能力を保護し、軽症の癌患者に有効は治療効果
が見られている(参考文献(25)を参照)。さらに、動物
の癌形成に対しては顕著な予防効果が見られた(参考文
献(16)及び(35)を参照)。
【0014】臨床経験から、分化治療は追求する価値が
高い治療法であることが知られている。アンチネプラス
トンは1985年以前、Burzynski が末期癌患者に使用
して、6割の患者に症状の改善が見られたほか、そのう
ち3分の1は5年以上の安全期にまで延命している(参
考文献(5),(6),(7)を参照)。この種の薬物は副作
用が全くない。当初全ての分化治療剤の治療標的が同じ
であったわけではなく、その後異常メチル化酵素複合体
の修正を通じて癌細胞の分化を促進しているという結果
に到達している。例えば、インターフェロンやretinoic
acid は、これらの薬物が癌細胞にアンチネプラストン
類似物質を生成させるのを促進させ、異常メチル化酵素
複合体に作用し癌細胞の最終分化に導く。この種のアネ
チネプラストン類似物質はオリゴイソアデニルレートで
ある可能性が高い。インターフェロンは多毛白血病(ha
iry cell leukemia)に対して、retinoic acid は、Acut
eG-ranulocytic leukemiaに対して、最適の薬剤(参考
文献(14)及び(42)を参照)と認められている。しかし、
再発の問題は解決されていない(参考文献(34)及び(1)
を参照)。
【0015】[分化補助剤]分化促進剤は直接又は間接
的に癌メチル化酵素複合体の異常因子を除去し、癌細胞
を最終分化に導くことができる。メチル化酵素複合体は
3つの構成酵素が結合したもので、我々は各構成酵素の
インヒビターは分化促進剤の異常因子除去作用を増進す
ることを発見した。このインヒビター自身は顕著な分化
促進作用がないが、本案の発明者らはこの化合物を分化
補助剤(Helper Inducer)と命名している(参考文献(3
2)を参照)。MATのインヒビターであるn−酪酸、フ
ェニル酪酸、フェニル酢酸などは顕著な分化補助活性を
持つ。一般的に、フェニル酢酸のような分化補助剤は容
易に入手でき、毒性が低く、分化促進剤の必要量を低減
することができる。とくに脳腫瘍に適している。脳部は
構造上非常に特殊で、血液脳関門の保護において分化促
進剤の消失は非常に速くなるには至らず、この関門を通
過しやすいフェニル酢酸を単独で使用することで、良好
な治療効果が得られる(参考文献(38)を参照)。
【0016】
【発明の実施の形態】一般的に、癌患者は抗癌物質の排
泄過多により癌細胞の増殖を制御する能力を失ってい
る。この点から見て、分化療法は根治治療であるだけで
なく、天然の抗癌処方であるといえる。尿には癌細胞を
最終分化に導く化学物質を含むため、本発明では健常人
の尿から細胞分化剤を抽出精製した。この製剤は癌細胞
の異常メチル化酵素複合体を改善することができ、その
結果癌細胞は最終分化に導かれ、分裂を継続できなくな
り、死滅するため、癌に対する治療及び予防効果が認め
られる。本発明における細胞分化剤の製造フォローチャ
ートを図1に示す。また、以下に具体的な実施例を示
し、本発明をさらに詳しく説明する。
【0017】
【実施例】
〔実施例1〕 細胞分化剤の製造 尿を収集する際、収集タンクに十分な1N塩酸を入れて
おく。大体、20lの尿に1lの塩酸を使用する。pH
を2まで調節したあと、尿をナイロン布で濾過し、さら
に10,000ドルトンより大きい分子量の物質を濾過して除
去する。これにはAmicon濾過繊維を使用するか又
はその他の一般的な方法で行う。吸着剤XAD−16
(Sigma社)を袋に詰めて、ステンレス製漏斗に置
く。使用前に先ず2倍(v/w)のエタノールで洗浄
し、再度2倍(v/w)の脱イオン水でエタノールを洗
い落とす。これを2回繰り返す。吸着剤XAD−16に
通す尿は4倍量(v/w)とする。XAD−16に吸着
した物質は4倍量(v/w)の脱イオン水で洗浄したあ
と、再度2倍量(v/w)のエタノールで溶出する。中
和エタノールで抽出したあと、乾燥機でエタノールを蒸
発乾燥させる。乾燥槽内の温度は50℃以下を維持す
る。乾燥物質は無パイロジェン水で溶解して、CDA−
IIの原料薬とする。エタノールで抽出した後の吸着剤は
2倍量(v/w)の脱イオン水で洗浄したあと、再度使
用し、吸着能力が新品の7割程度にまで低下した時点で
交換する。一般的にXAD−16の場合200回以上反
復使用できる。
【0018】人体が1日に排泄するクレアチニンの量は
一定で、尿中の固体濃度はクレアチニンと正比例の関係
にあり、尿化学物質の定量はクレアチニンを基準とする
のが信頼性が高い。上記の収集した尿のクレアチニン濃
度は1.2〜3.7g/l、平均2.4±0.6g/l
であった。CDA−IIの生成率は吸着剤の通過1回目か
ら100回目までにおいて、0.51±0.17g/ク
レアチニンgで、尿の固体成分は46.7g/クレアチ
ニンgであった。つまり、ここで得られたCDA−II原
料薬の生成率は固体成分の1.1%前後であった。
【0019】〔実施例2〕 細胞分化剤注射液の製造 細胞分化剤(CDA−II)注射液の最終濃度は50±2
mg/mlとし、原料薬の濃度は一般的に250mg/ml以上
である。このため、希釈分配した原料薬濃度は最終製剤
濃度の130%前後とする。まず、原料薬を無パイロジ
ェン水で希釈した後、濾過を行う。スピードの遅い濾紙
で濾過し、再度濾孔が1μmと0.45μmの濾過膜で
濾過し、最後に特殊濾過膜でパイロジェンを除去する。
パイロジェンを除去した濾液は無パイロジェン水で適当
な濃度に調節したあと、8時間以内に無菌室(100ク
ラス)にて0.22μmの濾器を用いて菌を濾過する。
除菌したあと、すぐに100mlまたは250mlの細胞分
化剤注射液製剤に包装する。
【0020】〔実施例3〕 細胞分化剤カプセルの製造 一部のCDA−IIでカプセル製剤を製造する。上記原料
薬は、スピードの遅い濾紙、濾孔が1μmと0.45μ
mの濾過膜で濾過する。濾過液は再冷凍乾燥で固体に乾
燥させる。乾燥固体は粉末にした後、自動カプセル包装
機で1粒当たり500mgのカプセル製剤を製造してアル
ミ箔で密封し、最後に放射線で滅菌する。
【0021】〔実施例4〕 細胞分化剤の抗癌活性分析 細胞分化剤の抗癌効果は有効成分が癌細胞メチル化酵素
複合体を抑制し、癌細胞の最終分化を導き、細胞分裂を
停止させることに基づいている。つまり細胞分化剤は癌
異常酵素MATLTを抑制する作用を有し、HL−60癌
細胞の分化を導き、並びにヒト乳癌細胞群の形成を抑制
するという活性を持つ。これらの活性測定方法はすでに
文献が発表されている(参考文献(19)、(27)及び(29)を
参照)。本発明ではCDA−II製剤3バッチについて抗
癌活性をそれぞれ分析しており、その操作手順は以下の
通りである。
【0022】CDA−II注射液製剤1mg/mlを使用す
る。MATLTはHL−60癌細胞から採取し、先ず沈殿
した細胞を0.05M Tris、pH7、0.5mM
塩化マグネシウムに懸濁させる。その後Dounceホ
モジナイザーで細胞膜を破壊する。酵素抽出液は高速遠
心分離法(226,000xg、0.5時間)で分離す
る。この抽出液をDEAE−セルロースクロマトグラフ
ィーで塩化カルシウム傾斜溶離を行い、MATLTを溶出
して精製する(参考文献(19)を参照)。MATLTの活性
測定も前述の方法で行う(参考文献(19)を参照)。0.
05mlの反応液には0.05M Tris、pH8.
2、0.15M塩化カリウム、15mM塩化マグネシウ
ム、5mM DTT、2mM ATP及び1μM〔 3
−CH3 〕メチオニンを含み、37℃で30分反応させ
る。反応液を酸化し、その後全部を1平方インチのホス
ホセルロースに移し、この紙は一緒にビーカーに入れて
5mM燐酸緩衝液、pH7で、未反応の〔 3H−CH
3 〕メチオニンを洗い落とす。最終的に吸着された〔 3
H−CH3 〕AdoMetの放射線を測定し、MATLT
の活性を測定する(結果は表1を参照)。
【0023】HL−60癌細胞の終末分化はNBT+測
定方法(参考文献(27)を参照)で測定する。まず、HL
−60癌細胞を希釈培養し、各培養瓶に10mlの開始細
胞液を入れ、濃度を1.5×105 細胞/mlとする。コ
ントロールとCDA−IIを含む培養瓶をそれぞれ96時
間培養したあと、一部分を取り出して細胞を遠心分離に
かけ、沈殿させる。これらの細胞はNBT試薬を用い、
37℃で30分間反応させたあと取り出し、1滴を細胞
計数器に入れ、顕微鏡下で細胞総数と黒色に染色された
(NBT+)細胞数を数える。NBT+の占めるパーセ
ントがCDA−IIの分化誘導活性となる(結果は表1を
参照)。
【0024】CDA−II抗癌活性のもう一つの指標はH
BL−100乳癌細胞群の抑制である。等比級数で増殖
する乳癌細胞を生理食塩水で1回洗浄し、さらに、約2
mlの0.05%トリプシン−0.53mM EDTA培
養液を加え、37℃で10分間培養する。まず、細胞濃
度を測定し、さらに一部希釈して3×103 細胞/mlと
する。0.5mlの希釈液を取り、4.5mlのコントロー
ルまたはCDA−IIを加えた培養瓶を37℃で5日間培
養する。培養液を取り出し、生理食塩水で1回洗浄す
る。メタノールで15分間固定したあと、固定された細
胞群を20倍希釈のGiemsa染色液に30分間浸
す。染色液を捨てたあと、水洗いして乾燥させ、解剖鏡
の下で細胞群数を計測し、これからCDA−IIの抗癌活
性を決定する(結果は表1を参照)。
【0025】
【表1】 注;CDA−II製剤は注射液剤を使用する。使用した製
剤の濃度は1mg/ml。MATLTはHL−60癌細胞から
前述したようにDEAD−セルロースを通して純化し、
製造する。活性測定も前述した方法(参考文献(19)を参
照)で行う。HL−60癌細胞の最終分化はNBT+測
定方法で測定する(参考文献(27)を参照)。癌細胞群形
成の抑制作用はヒトHBL−100乳癌細胞の培養方法
を採用する(参考文献(29)を参照)。
【0026】〔実施例5〕 細胞分化剤の有効成分分析 実施例2で得られたCDA−II細胞分化剤注射液を冷凍
乾燥し、200mg/mlにまで濃縮する。5mlの濃縮液を
Bio−Gel P2のクロマトカラム(4.1cm×4
4cm)に入れ、蒸留水で溶離させ、7分毎に試験管1本
に収集し、1本当たり10mlとする。分離が完了したあ
と、各試験管から25μlを採取し、水で希釈して1ml
として、A255の吸光度で測定する。その外1本の試
験管から25μlを採取して、MATLT活性抑制の測定
に使用する。MATLT活性の測定は実施例4に従って行
う。その後、A255の吸光値によって、試験管を図2
のように8つのパートに分ける。各パート毎に冷凍乾燥
し、水分を完全に除去する。測定乾燥量は重量%の分布
で決定する。乾燥固体は蒸留水で再度溶解し、HL−6
0癌細胞の分化活性測定に用いる。この活性はNBT+
%で表示し、分化活性の測定は実施例4で示した方法で
行い、その結果は図2の通りである。
【0027】細胞分化剤の抗癌有効成分で最も重要なの
は癌細胞の分化を促進する分化促進剤である。分化促進
剤の分離精製及び作用機構については文献で発表されて
いる(参考文献(27),(28),(29),(30)を参照)。分化
促進剤には主に2種類の化学成分を持つ。1つは色素結
合した酸性ペプチドで、以下、PP−Oとする。もう1
つは有機酸で、以下OA−0.79とする。PP−Oは
図2に示した第1パート、OA−0.79は第5、6の
パートにある。ここで特に説明しておきたいことは、細
胞分化剤の分化活性は分化促進剤が単独で行っているも
のではなく、分化補助剤と協力しあって活性が発生す
る。分化補助剤は細胞分化剤の主成分であり、分化促進
剤は微量で、構造を決定する純度にまで精製されていな
いため、化学構造も分かっていない。図2に示した分化
促進の活性とMATLT抑制の活性は非常に合致する。し
かし、図2の第2、3パートでは明らかにMATLT抑制
活性が見られるが、癌細胞の分化促進活性はない。この
パートは僅かな分化補助剤が含まれているが、分化促進
剤は含まれていない。このため癌細胞の分化促進活性が
ないのである。分化補助剤は、メチル化酵素複合体のイ
ンヒビターであり(参考文献(31)を参照)、分化促進剤
がメチル化酵素複合体を正常な酵素に変化させるのを助
け、促進分化剤の分化機能を増進する。
【0028】CDA製剤においてすでにMATインヒビ
ターとして知られているのは、フェニル酢酸、インドー
ル酢酸、馬尿酸である。フェニル酢酸はフェニルグルタ
ミドの乾燥過程において加水分解され発生した可能性が
高い。図2の第6、7パートに分布し、C18 HPL
Cで測定されている。インドール酢酸もこの部分に分布
する。馬尿酸は第5パートの主成分である。これらのM
ATインヒビターは、0.5低減指数(reduction inde
x 、つまり分化促進剤有効量を半減する指標)の濃度に
達する必要があり、それぞれフェニル酢酸が4mM、馬
尿酸が8mM、インドール酢酸が0.95mMである。
分化補助剤の中のメチルトランスフェラーゼインヒビタ
ーはMATインヒビターより効果が高い。前者は後者の
千分の1又はそれより少ない量で同じ効果を得ることが
できる。CDA製剤中のすでに知られているメチルトラ
ンスフェラーゼインヒビター2種類は、いずれも優れた
分化補助剤活性を持つ。これら2種類の成分はビタミン
2 とウロルビンである。ビタミンB2 は図2の第8パ
ートの後半部分に分布する。前述した通り(参考文献(3
1)を参照)、この黄色成分はC18 HPLCを通し
て、非常に純粋なビタミンB2 を得ることができる。含
有量は0.04%前後。ウロルビンは図2の第6、7パ
ートに分布する。この部分をSepadox SHカラ
ムクロマトグラフィー及びシリカゲル薄膜クロマトグラ
フィーにより純粋なウロルビンを得ることができる。含
有量はCDA−II製剤の0.5%前後。純化の過程にお
いてロスがあるものと見られ、CDA−II製剤もかなり
の赤色を呈しているため、含有量は0.5%以上と推測
される。
【0029】〔実施例6〕 ウロルビンとビタミンB2 の分化補助剤活性の測定 分化補助剤活性の測定は発明者が以前設計した方法(参
考文献(32)を参照)を採用する。実験は培養したHL−
60白血病癌細胞を用い、NBTの定量方法で癌細胞の
分化程度を測定する。先ずHL−60細胞を希釈培養
し、各培養瓶には10mlの開始細胞液を入れ、その濃度
を1.5×105 細胞/mlとする。1組4瓶の培養瓶は
コントロールとし、それには、retinoic acid 分化促進
剤のみを添加する。NBT+細胞を15〜60%誘導す
るまでの量に調整する。もう1つは溶剤のみのコントロ
ールとする。retinoic acid はメタノールに溶けるがメ
タノールの総量は癌細胞の分化に影響を与えないよう、
2%を越えてはならない。その他の各組は1組4瓶の培
養瓶とするが、比較的低い量のretinoic acid を用い、
もう1つは溶剤だけのコントロールとし、各組には異な
った量の分化補助剤を加える。96時間培養したあと、
各瓶の細胞数を測定し、実施例4で述べた方法でNBT
測定を行う。一般的に、HL−60細胞の自然分化、つ
まり添加剤がない場合は、4%以下となる。分化補助剤
のみの組で使用した量の範囲では、細胞分化はほとんど
10%を越えない。各瓶のNBT+数値はこれらのコン
トロール値を基数として控除する必要がある。
【0030】薬剤の量とNBT+との相対関係が曲線と
して描かれ、これからED50値が得られた。つまりNB
T+50%に必要な分化促進剤の量である。これらのE
50値から分化補助剤の低減指数が得られる。低減指数
=分化補助剤存在時のED50値/分化促進剤単独時のE
50値となる。低減指数は低いほど、分化補助剤の機能
が高いことを示す。図3に示したように、ビタミンB2
とウロルビンは0.5低減指数の濃度である3.0μ
M、1.8μMに達すると、上記のMATインヒビター
の活性を大きく上回る。
【0031】〔実施例7〕 ウロルビンとビタミンB2 のtRNAメチルトランスフ
ェラーゼに対する抑制活性 tRNAメチルトランスフェラーゼはHL−60癌細胞
から抽出する。つまり実施例4で示した高速細胞抽出液
である。まず、細胞抽出液をpH5まで調整し、沈殿し
たたんぱく質を遠心分離機で分離し、再度0.05M
Tris、pH7.8、0.5mM塩化マグネシウム、
5mM HSCH2 CH2 OHの混合液に溶かす。この
酵素溶液は再度DEAD−セルロースクロマトグラフィ
ーで、塩化カリウム傾斜抽出液を採り、tRNAメチル
トランスフェラーゼを抽出精製する(参考文献(20)を参
照)。tRNAメチルトランスフェラーゼ活性は0.2
5ml反応液中で測定する。それには0.05M Tri
s、pH7.8、0.1M塩化アンモニウム、0.04
M フッ化アンモニウム、0.5mM塩化マグネシウ
ム、5mM DTT、20μg大腸桿菌B tRNA、
0.25μCi〔 3H−CH3 〕AdoMet、25μ
g酵素を含む。反応は37℃で30分間行う。tRNA
は冷たい5%TCA沈殿を用い、その後millipo
re(膜孔0.45μm)薄膜で濾過する。薄膜は乾燥
したあと、放射線量を測定し、tRNAメチルトランス
フェラーゼの活性を測定する。
【0032】結果は図4に示した通り、ウロルビンとビ
タミンB2 にはtRNAメチルトランスフェラーゼを抑
制する活性を持つ。しかしメチルトランスフェラーゼ抑
制活性の有効量は分化補助剤の有効量よりかなり多い。
これはこれらの異なった活性の生理化学環境を測定する
ことに関連がある可能性がある。異なった生理化学環境
(例えば塩の濃度)は化学物質と酵素の有効接触に影響
を及ぼし得る。感度についてかなりの差があり、異なっ
たメチルトランスフェラーゼのインヒビターと分化補助
剤の活性は一定の比例関係がある。より有効なメチルト
ランスフェラーゼインヒビターはより有効な分化補助剤
となる。我々もその他にethidium brom-ide やhycantho
ne(NSC 142982)のようなメチルトランスフェラーゼイン
ヒビターを発見した。それらはウロルビンやビタミンB
2 と同様に有効な分化補助剤活性を有する。この2種類
のメチルトランスフェラーゼインヒビターは0.5低減
指数濃度がeth-idium bromide で0.95μMとhycant
honeで2μMに到達する必要がある。メチルトランスフ
ェラーゼインヒビターは有効な分化補助剤であることに
疑いの余地はない。
【0033】〔実施例8〕 分化補助剤の分化促進作用の分析 分化補助剤は分化促進剤の有効量を減らすことができる
だけでなく、分化程度を完全に促進することができる。
HL−60癌細胞を培養する。培養の開始濃度は1.5
×105 細胞/ml。培養瓶は3組にわけ、1組あたり4
〜5瓶とする。そのうち1瓶は添加剤を加えないコント
ロールとする。1組にはretinoic acid を0.025〜
1.15μMを加えてコントロール組とする。その外2
組には4μMのウロルビンとビタミンB2 を加える。9
6時間培養したあと、実施例4に述べたNBT測定を行
う。各測定値から添加剤を加えないコントロールの数値
を控除する。
【0034】結果は図5に示す通りで、分化導入剤を単
独で使用した場合分化程度は最高でも85%にしか達し
なかった。ウロルビン又はビタミンB2 を加えると、分
化程度は100%に達する。分化程度を完全に促進する
ことは治療上において分化促進剤の有効量を減らすより
重要なことである。周知の通り、retinoic acid は抗癌
剤であり、治療効果が高い(参考文献(14)を参照)が、
すぐに癌細胞が再発してしまう(参考文献(34)及び(1)
を参照)。分化促進剤を単独使用して、分化が不完全で
あることと再発することは関連性がある。分化促進剤が
細胞に傷害を与え、細胞が完全に分化を行えないことが
原因である。分化の手順において、緩慢な2回分の細胞
分裂周期が必要であり(参考文献(43)、(44)及び(45)を
参照)、細胞が傷害を受ければ、分化が停止し、最終分
化にまで至らない。異常メチルトランスフェラーゼが分
化促進剤で改善され癌蛋白因子を除去され、複合酵素は
3つの構成酵素に分解する。一部のメチルトランスフェ
ラーゼは単体の場合、核酸を分解する活性を持ち、細胞
に傷害を与えることが分かっている(参考文献(18)を参
照)。傷害が深刻であれば細胞は死滅してしまう。しか
し傷害が深刻でなければ、長時間停止し修復され、reti
noic acid の有効濃度が維持できない場合、この復活し
た細胞は原状に戻り、再発してしまう。分化補助剤の重
要性は分化促進剤には及ばないが、分化補助剤は分化治
療においては不可欠な成分である。
【0035】細胞分化剤は必要な分化促進剤と補助剤以
外に、もう1つ癌治療に非常に有効な成分がある。それ
は抗悪病質剤(anticachexia agent)である。我々はフ
ェニルグルタミドは癌患者のcachexiaが過度排泄を促進
するのに対抗することを発見している(参考文献(26)を
参照)。とくに癌に対する予防効果は顕著である(参考
文献(16)及び(35)を参照)。フェニルグルタミドは図2
の第4パートの主要成分である。つまり、細胞分化剤は
多くの必要な化学成分を含んでおり、相乗効果をあげて
いる。必要でない化学成分を含まれているが、これらは
身体に有害ではなく、これらを除去する必要性はない。
【0036】〔実施例9〕 分化補助剤とその他の抗癌化学治療剤との相乗効果 発癌の原因は多いが、異常メチル化酵素複合体は重要な
因子である。その他の発癌遺伝子も症状を引き起こす重
要な因子である。異常メチルトランスフェラーゼの解決
ですでに大きな問題が除去されているが、より多くの方
面から攻撃することで、さらに高い治療効果が得られる
ものと我々は考えている。癌細胞は非常に活性の高いメ
チル化酵素複合体を含み、化学薬物を単独使用してDN
A合成を抑制すると、過度なメチルトランスファーが促
進される。これは遺伝子重複合成を惹起し、遺伝子重複
合成は薬物耐性を持つ細胞を形成してしまう(参考文献
(33)を参照)。これは化学療法が失敗する大きな原因と
なる。細胞分化剤で異常メチル化酵素複合体を抑制すれ
ば、薬物耐性細胞の形成を低減でき、癌治療に役立つ。
この事実は細胞分化剤が一部の抗癌薬物と相乗効果を上
げるのを証明している。
【0037】
【略語の説明】
(1) AdoHcy:S-adenosylhomocysteine (2) AdoMet:S-adenosylmethionine (3) CDA:cell diffirentiation agent(細胞分化
剤) (4) DTT:dithiothreitol (5) HPLC:high performance liquid chromatograp
hy(高速液体クロマトグラ フィー) (6) MAT:methionine adenosyltransferase (7) NBT:nitroblue tetrazolium (8) SAHH:S-adenosylhomocysteine hydrolase (9) XAD:吸着剤(Sigma 社製)
【0038】
【発明の効果】本発明の効果は異常メチル化酵素複合体
に関して癌症状の治療と予防を行うため、健常人の尿液
から細胞分化剤を抽出精製するものである。この製剤は
癌細胞の異常なメチル化酵素複合体を正常にすることが
でき、その結果癌細胞は最終分化を促進され、さに分
裂が行われなくなり、死滅する。このように癌に対して
治療、予防効果が見られる。
【0039】
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HL-60 promyelocytes preceeded by nuclear structur
alchanges, Leuk Res. 9:51-71. (45)Yen, A. 1985b Control of HL-60 myeloid differe
ntiation: Evidence ofuncoupled growth and differen
tiation, S-phase specificity, andtwo step regulati
on. Exp. Cell Res. 156:198-212.
【図面の簡単な説明】
【図1】細胞分化剤の製造フローチャートである。
【図2】細胞分化剤のゲル濾過分析結果のグラフであ
る。CDA−II注射剤を冷凍乾燥で濃縮したあと、クロ
マトカラムで分離する。その際にBio−Gel P2
のカラム(41cm×44cm)を使用する。収集した流出
液はそれぞれA255吸収度(実線)、MATLT活性抑
制(点線)、重量%、HL−60癌細胞分化活性(NB
T+%で表示)を測定する。
【図3】ウロルビン(実線)とビタミンB2 (点線)の
分化補助剤活性についてのグラフである。横軸は濃度
(μM)、縦軸は低減指数を示す。
【図4】ウロルビン(実線)とビタミンB2 (点線)の
tRNAメチルトランスフェラーゼに対する抑制活性に
ついてのグラフである。横軸は濃度(mM)、縦軸は相
対活性%である。
【図5】ウロルビンとビタミンB2 の分化促進剤に対す
る増進作用を示すグラフである。縦軸はNBT+細胞の
占める%、実線は異なった濃度のretinoic acid を添加
したコントロール組、点線は4μMビタミンB2 を添加
した試験組、一点鎖線は4μMウロルビンを添加した試
験組を示す。
【図6】CDA−IIとチミジンの癌に対する相乗効果に
ついてのグラフである。横軸は薬剤量(mg/ml)、縦軸
は癌細胞群形成の相対活性(%)であり、実線はチミジ
ン単独使用の試験組、点線はCDA−II単独使用の試験
組、一点鎖線はチミジンとCDA−IIを1:1の比率で
併用した組を示す。抗癌効果は、併用した方が単独使用
するより高く、相乗効果が顕著に現れている。癌細胞群
形成の活性は実施例4に示したHBL−100乳癌細胞
で測定する。コントロール組の癌細胞群形成に対する比
率で示す。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒト尿から吸着剤XAD−16に治療有効
    量を吸着させた後抽出精製した細胞分化剤及びその基剤
    を含み、異常なメチル化酵素複合体を抑制する、癌細胞
    分化を促進する薬学組成物。
  2. 【請求項2】さらにチミジンを含有する、請求項1記載
    の薬学組成物。
  3. 【請求項3】注射剤、カプセルなどの剤型を持つ、請求
    項1又は2記載の薬学組成物。
  4. 【請求項4】細胞分化剤は文化促進剤及び分化補助剤を
    含み、該分化促進剤は、MATインヒビターであるとこ
    ろのフェニル酢酸、馬尿酸、インドール酢酸を含み、分
    化補助剤は、メチルトランスフェラーゼインヒビターで
    あるところのビタミンB2 、ウロルビンを含む、ことを
    特徴とする請求項1に記載の薬学組成物。
  5. 【請求項5】細胞分化剤はフェニルグルタミドを含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載の薬学組成物。
  6. 【請求項6】クレアチン濃度が1.2〜3.7g/1の
    ヒト尿を収集し、吸着剤XAD−16を通過させ、エタ
    ノール又は類似の構造を持つ有機溶剤で抽出し、純化さ
    れた細胞分化剤製剤を回収するという、細胞分化剤の製
    造方法。
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