JP3002021U - 貯水槽へのオゾン注入装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、高層住宅の高架水槽や飲料用貯水
槽に対し、オゾンを発生し、そ殺菌性や脱臭性などの効
能活用により水質の改善浄化を行う貯水槽へのオゾン注
入装置を提供する。 【構成】 電源部として、太陽電池パネル（１）、バッ
テリー部（２）、インバーター（３）を備え、オゾン発
生部（４）にてオゾンガスを発生させ、チューブ配管
（５）によって貯水槽（８）内に設置したオゾンガスの
注入器部（７）に圧送供給し、注入器のエレメント部多
孔質環（７２ｂ）から貯水中に微細なオゾン気泡として
噴出し、水分子と接触させ水中微生物の殺菌、浄化を行
い、水面から浮上したオゾンにより貯水槽内上部空間の
空中殺菌、脱臭を行い、貯水槽内壁面の汚染防止効果を
得て水質の改善浄化を行い、余剰オゾンは分解排気管部
（６）にて酸素ガスに分解し、エアブリーザ（６４）か
ら排気することを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、高層住宅の高架水槽や飲料用貯水槽の水質改善装置に係るものであ り、オゾンを発生しその殺菌性や脱臭性などの効能活用により水質の改善浄化を 行う貯水槽へのオゾン注入装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術と課題】

従来、高層住宅の高架水槽や飲料用貯水槽の水質管理は、一定期間経過毎に、 定期点検・清掃によって行われているが、当該定期点検・清掃から次回の定期点 検・清掃迄の期間中は、何等対策がなされていないのが現状てあり、その水を利 用する一般家庭においては水質劣化の心配をしている。 一部の家庭においては家庭用浄水器などで自己対策が行われているが、本質的に 水質劣化が起こらない安心できる貯水方法が待望されている。 貯水槽には給水菅・排水菅・マンホール・エアーブリーザとその取り付け用排気 ソケットなどが通常設けられており、貯水槽の構造的改造をすること無く水質の 改善対策が実施出来得れば既設の水質劣化が心配される貯水槽への導入、並びに 新設貯水槽への導入が容易に実施出来て、安心できる貯水方法が得られることか ら、本考案は成されたものである。

【０００３】

【課題を解決するための手段】

従来の一定期間経過毎の貯水槽の点検・清掃のみの管理の欠点に鑑み、本考案 においては、毎日又は任意の時点で常時水質改善効果を発揮することがてきるよ うに下記のごとく機器の構成がなされている。 電源部として、太陽電池パネル（１）と、パッテリー部（２）および、インバ ーター（３）を備え、太陽電池パネル（１）は接点（１１）を支点として調整リ ンク（１２）により傾斜支持する。 太陽電池の発生電気はバッテリー部（２）のダイオード（２１）を経てバッテリ ー（２２）に蓄電する。 インバーター（３）はバッテリー（２２）の直流電気を交流電気に変換してオゾ ン発生部（４）へ供給する。 オゾン発生部（４）は制御器（４１）、エアコンプレッサ（４２）、オゾナイザ ー（４３）から成り、制御器（４１）によりエアコンプレッサ（４２）およびオ ゾナイザー（４３）を駆動して発生するオゾンガスを、チューブ配管（５）を通 じて圧送供給する。 チューブ配管（５）は、貯水槽（８）の上部に設けられた排気ソケット（８１） に分解排気管部（６）を取り付けて、その排気管（６１）の側面穴を通してチュ ーブ固定ブッシュ（６２）で支持し、貯水槽（８）内に導入する。 チューブ配管（５）の貯水槽内端部は注入器部（７）に接続する。 注入器部（７）はチェッキ弁（７１）と、エレメント（７２）と支持具（７３） より成り、エレメント（７２）は上板（７２ａ）と、多孔質環（７２ｂ）と、下 板（７２ｃ）からなり、チューブ配管（５）より圧送供給されたオゾンガスはチ エッキ弁（７１）を経てエレメント（７２）部へ供給され、エレメント（７２） の多孔質環（７２ｂ）より貯水中に微細なオゾン気泡として噴出し、オゾンガス と水分子を接触させる。 オゾンガスの一部は水中に溶解し、他は気泡として浮上し、水面（８３）を経て 貯水槽空間に滞留する。オゾンガスは時間経過によってその一部が酸素ガスに分 解を始める。さらにオゾンガスが貯水槽内に供給されると余剰ガスは分解排気管 部（６）の多孔質オゾン分解フィルタ（６３）を通過する時、酸素ガスに分解さ れながらエアブリーザ（６４）から外気へ排気される。 注入器部（７）は貯水槽内の底部に設置使用するか、又は、中空円環状のフロー ト（７５）を軸管穴（７２ｅ）を持つエレメント軸管（７２ｄ）に取り付けてエ レメント（７２）を構成し、フロート（７５）の浮力で水面（８３）に浮かせて 使用することも出来る。

【０００４】

【作用】

上記のように構成された貯水槽へのオゾン注入装置の設置に当って、既設の貯 水槽には通常、給水管・排水管・マンホール・エアーブリーザとその取り付け用 排気ソケットなどが設けられており、貯水槽（８）の排気ソケット（８１）に分 解排気管部（６）を取り付け、チューブ配管（５）を分解排気管部（６）の側面 穴を通して貯水槽内で注入器部（７）に接続することとし、注入器部（７）はマ ンホール（８２）から貯水槽（８）内に入れればよく、極めて簡便に取り付けを 行うことができる。故に、既設貯水槽の構造的改造を行うこと無く水質の改善浄 化対策が施せる。 電源としては、太陽電池パネル（１）により日中に発電し、蓄電される。 従って、随時、オゾン発生部（４）にて制御器（４１）の制御でオゾンガスを発 生させて貯水槽内へ圧送供給し、注入器部（７）より微細なオゾン気泡として噴 出することができる。 噴出されたオゾンは酸素に比べ水容性が高いことから微細なオゾン気泡の一部は 水に溶けオゾン水となり、他の多くのオゾン気泡は水分子と接触しながら次第に 浮上していき水面（８３）から離脱し貯水槽内の上部空間に滞留する。 このとき水中の微生物に対しオゾンの殺菌および浄化作用が働き、また上部空間 においては空中菌の殺菌や脱臭作用が働き、貯水槽内壁の汚染が防止できること から水質の改善浄化が行われる。 余剰ガスは分解排気管部（６）内の多孔質オゾン分解フィルタ（６３）を通過す る時、酸素ガスに分解されながら環境基準以下の濃度にしてエアブリーザ（６４ ）から外気へ排気される。

【０００５】

【実施例】

以下、本考案の実施例について説明する。 電源部として、太陽電池パネル（１）と、バッテリー部（２）および、インバ ーター（３）を備え、太陽光により発電・充電され交流電源に変換使用できる。 太陽電池パネル（１）は接点（１１）を支点として調整リンク（１２）により傾 斜支持する。 太陽電池発生電気はバッテリー部（２）のダイオード（２１）を経てバッテリー （２２）に蓄電する。 インバーター（３）はバッテリー（２２）の直流電気を交流電気に変換してオゾ ン発生部（４）の制御器（４１）へ供給する。 オゾン発生部（４）は制御器（４１）、エアコンプレッサ（４２）、オゾナイザ ー（４３）から成り、制御器（４１）によりエアコンプレッサ（４２）およびオ ゾナイザー（４３）を駆動して発生するオゾンガスを、テフロンを材質とするチ ューブ配管（５）を通じて圧送供給する。 チューブ配管（５）は、貯水槽（８）の上部に設けられた排気ソケット（８１） に分解排気管部（６）を取り付けて、その排気管（６１）の側面穴を通してチュ ーブ固定ブッシュ（６２）で支持し、貯水槽（８）内に導入する。 チューブ配管（５）の貯水槽内端部は注入器部（７）に接続する。 分解排気管部（６）の構成材料は、耐オゾン材料とする。 注入器部（７）はチェッキ弁（７１）と、エレメント（７２）と支持具（７３） とエレメントに支持具を固定する取り付けネジ（７４）より構成し、エレメント （７２）は上板（７２ａ）と、多孔質セラミック材又は多孔質焼結金属材料又は 多孔質金属ネットで作られた多孔質環（７２ｂ）と、下板（７２ｃ）からなり、 チューブ配管（５）より圧送供給されたオゾンガスはチエッキ弁（７１）を経て エレメント（７２）内部へ供給される。 チェッキ弁（７１）はチューブ配管（５）内へ水が逆流するのを防止する。 エレメント（７２）内部に供給されたオゾンガスは、多孔質環（７２ｂ）の多孔 質穴から貯水中に微細なオゾン気泡として噴出する。 噴出されたオゾンは酸素に比べ水容性が高いことから微細なオゾン気泡の一部は 水に溶けオゾン水となり、他の多くのオゾン気泡は水分子と接触しながら次第に 浮上していき水面（８３）から離脱し貯水槽内の上部空間に滞留する。 オゾンガスは時間経遇とともにその一部が酸素ガスに分解を始める。 さらにオゾンガスが貯水槽内に供給されると余剰ガスは貯水槽（８）の上部の排 気ソケット（８１）に取り付けられた分解排気管部（６）の多孔質のオゾン分解 フィルタ（６３）を通過する時、酸素ガスに分解されながらエアブリーザ（６４ ）から外気へ排気される。 多孔質のオゾン分解フィルタ（６３）はオゾンガスを酸素ガスに分解し、環境基 準以下のオゾン濃度にして排気出来るようオゾン分解フィルタ部の通過長さを選 定する。 注入器部（７）は図２に示すごとく貯水槽内の底部に設置使用するか、又は、フ ロート（７５）を軸管穴（７２ｅ）を持つエレメント軸管（７２ｄ）に取り付け て図３に示すごとくフロート（７５）の浮力により水面（８３）に浮かせてエレ メント（７２）部を水中に没して使用することもでき、チェッキ弁（７１）を経 て圧送供給されるオゾンガスを管端が密閉されたエレメント軸管（７２ｄ）の側 面の軸管穴（７２ｅ）から噴出し、さらに多孔質環（７２ｂ）から貯水中に微細 なオゾン気泡として噴出する。 オゾンは水中の微生物に対して殺菌および浄化作用があり、また貯水槽の上部空 間においては空中菌の殺菌作用や脱臭作用が働き、貯水槽内壁の汚染が防止でき ることから水質の改善浄化が行われる。

【０００６】

【考案の効果】

本考案は、上述のとおり構成されているので、次に記載する効果を奏する。 高層住宅の高架水槽や飲料用貯水槽の水質の改善浄化に当って、当該貯水槽のマ ンホールおよび排気ソケットを利用し機器の取り付けが極めて簡便に成されるの で、既設貯水槽の構造的改造の必要が無く、且つ、太陽電池を電源とすることか ら日光の当るところであればどこでも電源を得て使用することができる。 オゾンは水中および空中において殺菌作用・浄化作用・脱臭作用があり、貯水槽 内に微細な気泡として注入噴出することにより、水中の微生物の殺菌および浄化 作用、貯水槽内空中菌の殺菌および脱臭作用、貯水槽内壁面のカビ、バクテリア の繁殖防止などの汚染防止効果が得られ水質の改善浄化がなされる。 従来は、高層住宅の高架水槽や飲料用貯水槽の水質管理は、一定期間経過毎に、 定期点検・清掃によって行われてきたので、当該定期点検・清掃から次回の定期 点検・清掃迄の期間中は、何等水質管理対策がなされていないのが現状であった が、本考案により随時、水質の改善浄化が可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施の一例を示す機器構成の斜視図で
一部は貯水槽断面を表す。

【図２】システム構成と要部断面図

【図３】フロートにより水面に浮く注入器部の要部断面
図

【符号の説明】

１ 大陽電池パネル １１ 接点 １２ 調整リンク ２ バッテリー部 ２１ ダイオード ２２ バッテリー ３ インバーター ４ オゾン発生部 ４１ 制御器 ４２ エアコンプ
レッサ ４３ オゾナイザー ５ チューブ配管 ６ 分解排気管部 ６１ 排気管 ６２ チューブ固
定ブッシュ ６３ オゾン分解フィルタ ６４ エアブリー
ザ ７ 注入器部 ７１ チエッキ弁 ７２ エレメント ７２ａ 上板 ７２ｂ 多孔質環 ７２ｃ 下板 ７２ｄ エレメント
軸管 ７２ｅ 軸管穴 ７３ 支持具 ７４ 取り付けネジ ７５ フロート ８ 貯水槽 ８１ 排気ソケット ８２ マンホール ８３ 水面

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 大陽電池パネル（１）とバッテリー部
   （２）とインバーター（３）を電源部とし、オゾン発生
   部（４）に制御器（４１）とエアコンプレッサ（４２）
   とオゾナイザー（４３）を設け、オゾンを発生し、チュ
   ーブ配管（５）を通じて貯水槽（８）内に設置された注
   入器部（７）に圧送供給して、注入器部（７）のチェッ
   キ弁（７１）を経てエレメント（７２）の多孔質環（７
   ２ｂ）から貯水中に微細なオゾン気泡として噴出するこ
   ととし、チューブ配管（５）は貯水槽上部に取り付けた
   分解排気管部（６）の排気管（６１）の側面穴からチュ
   ーブ固定ブッシュ（６２）で支持し貯水槽（８）内に導
   入され、分解排気管部（６）の排気管（６１）の中央部
   分にはオゾン分解フィルタ（６３）を貯水槽の余剰ガス
   を通気出来るよう取り付け、その上部にエアブリーザ
   （６４）を設けたことを特徴とする貯水槽へのオゾン注
   入装置。
2. 【請求項２】 注入器部（７）をチェッキ弁（７１）と
   エレメント（７２）と中空円環状のフロート（７５）か
   ら構成し、エレメント（７２）を上板（７２ａ）と多孔
   質環（７２ｂ）と下板（７２ｃ）と軸管穴（７２ｅ）を
   持つエレメント軸管（７２ｄ）で組立て、フロート（７
   ５）の浮力により注入器部（７）を水面に浮かせるよう
   にした請求項１の貯水槽へのオゾン注入装置。