JP3000340B2 - 圧縮液体で組成物を噴霧することによって被覆粉末、触媒及びドライヤー水保持性コーティングを製造する方法 - Google Patents

圧縮液体で組成物を噴霧することによって被覆粉末、触媒及びドライヤー水保持性コーティングを製造する方法

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JP3000340B2
JP3000340B2 JP7-329381A JP32938195A JP3000340B2 JP 3000340 B2 JP3000340 B2 JP 3000340B2 JP 32938195 A JP32938195 A JP 32938195A JP 3000340 B2 JP3000340 B2 JP 3000340B2
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ケネス、アンドリュウ、ニールセン
ジョン、ニコラス、アージロポウロス
バークハード、エリック、ワグナー
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ユニオン・カーバイド、ケミカルズ、アンド、プラスチックス、テクノロジー、コーポレーション
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の要約】
【技術分野】本発明は微粒及び塗料膜のようなドライヤ
ー組成物を生成させるために液体組成物を溶剤蒸発によ
って噴霧することに関する。更に詳しくは本発明は二酸
化炭素、又はエタンのような圧縮流体又は液体を使用す
ることにより、揮発性溶剤を含有する液体組成物を噴霧
して固体微粒、被覆粉末(以下塗料粉末という)及び触
媒物質を形成する方法、及び慣用の水水準を有する水保
持(水性)(water-borne)コーティング(塗料)組成物
からドライヤー水保持性コーティング(以下ドライヤー
水保持塗料という)を塗布する方法に関する。
【0002】
【発明の背景】慣用の噴霧乾燥において使用されるよう
な高エネルギーを使用する必要なしに噴霧することによ
って微粒、塗料粉末及び触媒物質のような物質を製造す
ることのできる改良された方法が要望されている。上記
物質をより高い固体水準において、しかも高温ガスを使
用しないか、又は噴霧室全体を加熱する代わりに比較的
に少量の加熱ガスを噴霧に丁度適切に局部的に供給する
ことにより製造することのできる方法が要望されてい
る。このような方法はまた温度感受性物質をより低温に
おいて、又は実質的に周囲温度において噴霧乾燥されよ
うにすることもできる。更にその上、上記のような微粒
物質の改良製造方法は望ましいものであり、この場合生
成される粉末は狭い粒度分布を有し、これが屡々応用に
おける粉末の性能を改良する。例えば塗料粉末について
は、貧弱なコーティング外観を与える大粒子を最も少な
く有し、しかもスプレーしぶき及び廃物となり、かつ再
循環粉末における受け入れることのできない水準にまで
蓄積する小粒子を最も少なく有することが望ましい。更
にその上、塗料粉末を製造するためのこのような噴霧方
法は費用のかかる摩砕又は低温粉砕の代わりとして望ま
しい。同様にして、ポリエチレンの製造におけるような
流動床反応器において使用される触媒については、触媒
の効率的な使用のために狭い粒度分布を有すること、及
びより一層均一なペレットとより良好な性能とを提供す
ることが望ましい。またコーティング性能を改良し、か
つ乾燥時間を短縮するために慣用の水水準を有する水保
持塗料(塗布されるドライヤー塗料膜なしに)を噴霧す
ることのできる改良方法も要望されている。
【0003】
【発明の開示】微粒、塗料粉末及び触媒物質を、高温ガ
スを使用することなく、或いは加熱ガスを噴霧室全体の
代わりにスプレーに対して供給することによってより高
い固体水準において、しかもより低温において、噴霧に
より製造することができる。更にその上、それらの物質
を比較的狭い粒度分布において製造することができる。
触媒粒子もまた新規かつ有利な形態構造を持たせて製造
することができる。慣用の水水準を有する水保持塗料
を、塗布されるドライヤー塗料膜と共に噴霧することが
でき、それにより該塗料の性能を改良し乾燥時間を短縮
することができる。
【0004】一つの実施態様において本発明は液体溶剤
保持組成物を噴霧することにより固体微粒を形成する方
法に関し、該方法は、 (1)閉鎖系において液体混合物を形成し、ここに該液
体混合物は、 (a) (i) 固体であるか又は固体となることがで
き、噴霧することができ、しかも下記(2)において噴
霧される場合に溶剤の蒸発によって固体微粒を形成する
ことができる不揮発性物質画分;及び(ii) 前記溶剤
保持組成物を、それが下記(2)において噴霧される場
合に固体微粒を形成し得るようにするのに十分に揮発性
である溶剤画分;を包含する溶剤保持組成物;及び (b) 前記(a)に添加した場合に前記液体混合物を
下記(2)において実質的減圧性スプレーを形成し得る
ようにする量の少なくとも1種の圧縮流体であって、こ
の場合該圧縮流体は0℃及び1気圧の標準状態(STP)に
おいて気体であるもの;を包含するものとし;次いで (2)前記液体混合物を、それを溶剤の蒸発によって固
体微粒を形成するのに適した環境中にオリフィスを通し
て流入させることにより実質的減圧性スプレーを生ずる
温度及び圧力において、噴霧し、この場合該スプレーは
約1ミクロンよりも大きい平均粒径を有する、ことより
成る。
【0005】好ましい実施態様において、該少なくとも
1種の圧縮流体は、二酸化炭素、亜酸化窒素(nitrous
oxide)、エタン、エチレン、プロパン及びプロピレンよ
り成る群から選択される。最も好ましい圧縮流体は二酸
化炭素及びエタンである。該圧縮流体は好ましくは該液
体混合物が噴霧される温度及び圧力において超臨界流体
である。該液体混合物は、減圧圧縮流体の膨張冷却に起
因して生ずる噴霧温度の降下を実質的に補償する温度に
まで加熱して、スプレーからの溶剤の蒸発速度を増加さ
せることが好ましい。
【0006】もう一つの好ましい実施態様においては、
溶剤保持組成物の溶剤画分は約70よりも大きい平均相
対蒸発速度を有する。
【0007】尚もう一つの好ましい実施態様において
は、このようにして形成された固体微粒は狭い粒度分布
を有する。
【0008】更にもう一つの好ましい実施態様において
は、少なくとも1種の気体の流れを実質的減圧性スプレ
ーに使用して乱流混合速度もしくはスプレー内の温度、
又は両者を増加させる。
【0009】別の実施態様において、本発明は液体前駆
塗料粉末組成物を噴霧乾燥することにより塗料粉末を形
成する方法に関し、該方法は、 (1)閉鎖系において液体混合物を形成し、ここに該液
体混合物は、 (a)(i) 塗料粉末の乾燥成分を含有し、かつ下記
(2)において噴霧される場合に溶剤の蒸発によって粉
末を形成することのできる固体画分;及び(ii) 前記
(i)と少なくとも部分的に混和性であり、しかも前記
前駆塗料粉末組成物を、それが下記(2)において噴霧
された場合に粉末を形成することのできるようにするの
に十分に揮発性である溶剤画分;を包含する前駆塗料粉
末組成物;及び (b) 前記(a)に添加した場合に前記液体混合物を
下記(2)において実質的減圧性スプレーを形成し得る
ようにする量の、少なくとも1種の圧縮流体であって、
この場合該圧縮流体は0℃及び1気圧の標準状態(ST
P)において気体であるもの;を包含するものとし;次
いで (2) 前記液体混合物を、それを溶剤の蒸発によって
塗料粉末を形成するのに適した環境中にオリフィスを通
して流入させることにより実質的減圧性スプレーを生ず
る温度及び圧力において、噴霧する:ことを包含する。
【0010】好ましい実施態様においては、該少なくと
も1種の圧縮流体は二酸化炭素又はエタンであり、しか
も前記液体混合物が噴霧される温度及び圧力において超
臨界流体である。
【0011】もう一つの好ましい実施態様においては、
形成された該塗料粉末は約2.0未満のスパン(span)を有
する狭い粒度分布を有する。
【0012】更にもう一つの好ましい実施態様において
は、該塗料粉末はエポキシ、ポリエステル、アクリル、
ポリウレタン、エポキシ−ポリエステル混成物、ブロッ
クされたイソシアネート、セルロース、ビニル(ビニル
分散液)、ポリアミド、及びそれらの混成重合体より成
る群から選択される少なくとも1種の重合体を含有す
る。
【0013】尚もう一つの好ましい実施態様において
は、該方法は前記塗料粉末を基体上に析出させ、次いで
該基体を加熱して塗料膜を形成することを更に包含する
ことができる。
【0014】別の好ましい実施態様においては、少なく
とも1種の気体の流れを該実質的減圧性スプレーに施こ
して、乱流混合速度もしくはスプレー内の温度、または
それらの両方を増加させる。
【0015】更に別の実施態様において、本発明は液体
前駆触媒組成物を噴霧乾燥することによって触媒、触媒
担体、又は触媒前駆物質を形成する方法に関し、ここに
該方法は、 (1)閉鎖系において液体混合物を形成し、ここに前記
液体混合物は、 (a)(i) 触媒、触媒担体、又は触媒前駆物質の乾
燥成分を含有し、しかも下記(2)において噴霧される
場合に溶剤の蒸発により微粒を形成することのできる固
体画分;及び(ii) 前記(i)と少なくとも部分的に
混和性であり、しかも前記前駆触媒組成物を、それが下
記(2)において噴霧された場合に微粒を形成すること
ができるようにするのに十分に揮発性である溶剤画分;
を包含する前駆触媒組成物:及び (b)前記(a)に添加した場合に前記液体混合物が下
記(2)において実質的減圧性スプレーを形成し得るよ
うにする量の少なくとも1種の圧縮流体であって、この
場合該圧縮流体は0℃及び1気圧の標準状態(STP)にお
いて気体であるもの;を包含し:次いで (2) 前記液体混合物を、それを溶剤の蒸発により微
粒を形成するのに適当な環境にオリフィスを通して流入
させることによって実質的減圧性スプレーを生じさせる
温度及び圧力において、噴霧する;ことを包含する。
【0016】好ましい実施態様において、該固体画分は
少なくとも1種の有機重合体及び少なくとも1種の無機
又は有機金属化合物を含有し、そして形成される触媒、
触媒担体又は触媒前駆物質の微粒は、少なくとも1種の
無機又は有機金属化合物を含有し、高分子殻中に少なく
とも部分的に封入される固体微粒の凝集体を包含する。
【0017】更にもう一つの実施態様において、本発明
は液体水保持組成物を噴霧乾燥することにより固体微粒
を形成する方法に関し、該方法は、 (1) 閉鎖系において液体混合物を形成し、ここに該
液体混合物は、 (a) (i) 固体であるか又は固体となることがで
き、噴霧することができ、しかも下記(2)において噴
霧された場合に蒸発により固体微粒を形成することので
きる不揮発性物質画分;及び(ii) 前記水保持組成物
が下記(2)において噴霧される場合に固体微粒を形成
することができるようにするのに十分に揮発性であり、
しかもそのようにする量の水を含有する、少なくとも水
を含有する溶剤画分;を包含する水保持組成物;及び (b) 前記液体混合物が噴霧される温度及び圧力にお
いて超臨界流体であり、かつ前記液体混合物中に微細に
分散された液体圧縮流体相として実質的に存在し、前記
液体混合物が下記(2)において実質的減圧性スプレー
を形成することができるようにする量における、少なく
とも1種の圧縮流体であって、この場合該圧縮流体は0
℃及び1気圧の標準状態(STP)において気体であるも
の;を包含するものとし;次いで、 (2) 前記液体混合物を、約40℃以上の温度、及び
該液体混合物を蒸発により固体微粒を形成するのに適当
な環境にオリフィスを通して流入させることによって実
質的減圧性スプレーを生じさせる圧力において噴霧す
る;ことを包含する。
【0018】また本発明は水保持塗料を基体に施す方法
に関し、該方法は、 (1) 閉鎖系において液体混合物を形成し、ここに該
液体混合物は、 (a) 液体混合物を圧縮流体を使用せずに慣用的に噴
霧され得るようにする水水準を有し、基体上にコーティ
ングを形成することができかつ少なくとも約35重量%
の水を含有する溶剤画分を有する水保持塗料組成物;及
び (b) 前記液体混合物中に微細に分散された液体圧縮
流体相として実質的に存在し;かつ前記液体混合物を実
質的減圧性スプレーを形成し得るようにする量において
存在する少なくとも1種の圧縮流体であって、この場合
該圧縮流体は0℃及び1気圧の標準状態(STP)において
気体であるもの;を包含し;次いで (2) 前記液体混合物を、それを水の蒸発に適した環
境にオリフィスを通して流入させ、基体にコーティング
を施すことにより実質的減圧性スプレーを提供する温度
及び圧力において噴霧する:ことを包含する。
【0019】好ましい実施態様において、該水保持塗料
組成物性は水分散性重合体又は水溶性重合体である少な
くとも1種の重合体を含有する。
【0020】もう一つの好ましい実施態様において該圧
縮流体は二酸化炭素であり、前記液体混合物のpHは二酸
化炭素が前記水保持塗料組成物性と混合される時に重合
体の沈澱を防止するように調節される。
【0021】尚もう一つの好ましい実施態様において、
該少なくとも1種の圧縮流体は二酸化炭素又はエタンで
あり、しかも前記液体混合物が噴霧される温度及び圧力
において超臨界流体であり、そして前記水保持塗料組成
物は前記水保持塗料組成物から該圧縮流体に抽出されて
前記圧縮流体が超臨界温度及び超臨界圧力において液体
圧縮流体相を形成することができるようにする少なくと
も1種の有機溶剤を含有する。
【0022】更にもう一つの好ましい実施態様におい
て、該少なくとも1種の圧縮流体は二酸化炭素又はエタ
ンであり、しかも前記液体混合物が噴霧される温度及び
圧力において超臨界流体であり、そして前記液体混合物
は更に少なくとも1種の有機溶剤(c)を含有し、ここ
に該有機溶剤(c)は前記水保持塗料組成物と不混和性
であり;前記少なくとも1種の圧縮流体と加圧下におい
て少なくとも部分的に混和性であり;かつ超臨界温度及
び超臨界圧力において前記圧縮流体が液体圧縮流体相を
形成することができる量において少なくとも存在する。
【0023】
【図面の概説】図1は固体アクリル重合体、揮発性溶
剤、及び圧縮二酸化炭素の溶液を減圧性スプレーとして
噴霧することにより得られる、1.3のスパン及び21ミ
クロンの平均粒径を有する狭い粒度分布である。
【0024】図2は圧縮流体を使用することにより生成
された触媒担体に対する粒度分布(A)及び慣用の熱噴
霧乾燥により生成された触媒担体の粒度分布(B)を比
較するものである。
【0025】
【詳細な記述】本発明方法を使用することにより液体溶
剤保持組成物を、慣用の噴霧乾燥におけるように大量の
エネルギーを使用することなく温和な条件下における溶
剤の蒸発により二酸化炭素及びエタンのような圧縮流体
と共に噴霧して、固体微粒、塗料粉末、触媒物質などを
形成することができることがわかった。その上、比較的
に狭い粒度分布を有する微粒及び粉末を形成することが
できるのである。慣用の水水準を有する液体水保持組成
物及び水保持塗料であって、それらに対し二酸化炭素及
びエタンのような圧縮流体が非常に低い溶解度を有する
ものを、該組成物又は塗料における微細に分散された液
体圧縮流体相を使用することにより噴霧して、固体微粒
を形成すること、又は微細噴霧でドライヤー塗料を施し
て良好な塗装外観及び塗装性能と短い乾燥時間とを得る
ことができる。
【0026】適当な噴霧温度及び圧力下に、十分に大量
の少なくとも1種の圧縮流体を使用することにより生成
された実質的減圧性スプレーは、もしも溶剤又は溶剤混
合物が十分に揮発性であり、そのため慣用の噴霧方法に
より噴霧することのを可能とする慣用の水水準を有する
水保持塗料組成物から固体微粒、粉末、又はドライヤー
水保持塗料膜を生成するならば、スプレーからの高い溶
剤蒸発速度を生じさせることができるということが見出
された。
【0027】塗料濃縮物に使用される蒸発の遅い溶剤は
殆ど蒸発しないとしても溶剤又は溶剤プロファイルが十
分に高い平均相対蒸発速度を有するならば減圧性スプレ
ーはまさに、溶剤の高められた蒸発を生じさせ得ること
が見出された。理論に束縛されることを望む訳ではない
が、溶解圧縮流体の極めて急速なガス化に起因して、減
圧性スプレーの形成中に生ずる異常に高い物質移動速度
によって高い蒸発速度がもたらされ、このことが揮発性
を抑制する急速な温度降下の影響を克服するものと思わ
れる。速く蒸発する溶剤及び中間的に蒸発する溶剤は、
これらの強化された物質移動条件によって、遅く蒸発す
る溶剤よりもより大きく影響される。更にその上、減圧
性スプレーを発生させる減圧ガスの膨張が、より速く蒸
発する溶剤のより大きい蒸発による微細噴霧工程中に生
ずる、コーティング中に生ずるよりもより大きい粘度を
克服できることが見出された。したがって、微細噴霧化
を得ることができるのである。確かに、もしも粘度が高
くなり過ぎたなら減圧性スプレーを形成することはでき
ないけれど、微細噴霧中に十分な流動性を保つためには
緩慢に蒸発する溶剤が必要であるとの意見は正しくない
ことがわかった。
【0028】本明細書において使用される用語「圧縮流
体」とは、(i)それが供される特定の温度および圧力
と、(ii)その特定の温度における該流体の蒸気圧と、
(iii)該流体の臨界温度及び臨界圧力とに関係して気体
状態、液体状態又はそれらの組み合わせで存在すること
ができ、或いは超臨界流体であるけれど、0℃の温度及
び1絶対気圧の標準状態(STP)においては気体状態であ
る流体であると理解すべきである。本明細書において使
用される用語『超臨界流体』とは、それがその臨界点、
臨界点以上又は臨界点の僅かに下方にあるような温度及
び圧力における流体である。
【0029】本発明において圧縮流体として使用するこ
とのできる化合物は二酸化炭素、亜酸化窒素、アンモニ
ア、キセノン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレ
ン、ブタン、イソブタン、クロロトリフルオロメタン、
モノフルオロメタン、及びそれらの混合物を包含するけ
れど、それらに限定されない。該圧縮流体は環境適合性
であるか、又はそのようにすることができ、或いはスプ
レー環境から容易に回収することができることが好まし
い。本発明の実施における上述の圧縮流体の何れのもの
の有用性は、使用される組成物、加えられる温度及び圧
力、ならびに該圧縮流体の不活性度及び安定性に応じて
変わる。
【0030】一般的に二酸化炭素、亜酸化窒素、エタ
ン、エチレン、プロパン及びプロピレンは本発明におけ
る好ましい圧縮流体である。しかしながら亜酸化窒素は
安全かつ安定な条件下においてのみ使用すべきである。
環境適合性、低毒性及び高溶解度の故に二酸化炭素およ
びエタンは、より一層好ましい圧縮流体である。低コス
ト、不燃性及び広い応用性の故に二酸化炭素が一般的に
最も好ましい圧縮流体である。しかしながら上述の化合
物及びそれらの混合物の何れの使用も本発明の範囲内で
あるとする。
【0031】本明細書において使用される用語「溶剤保
持組成物」、「塗料粉末組成物」、「前駆触媒組成
物」、「水保持組成物」、「水保持塗料組成物」、「塗
料組成物」、「塗料処方物」及び「塗料材料」とは、そ
れらに圧縮流体が混合されていない組成物、処方物及び
材料を意味する。
【0032】本明細書において使用される用語「溶剤」
とは、それに圧縮流体が混合されておらず、しかも約2
5℃の温度及び1絶対気圧の圧力の状態下に液体状態で
ある慣用の溶剤を意味する。
【0033】本発明と共に使用されることのできる液体
溶剤保持組成物は一般的に、(1)固体であるか又は固
体となることができ、噴霧されることができ、しかも減
圧性スプレーとして噴霧される場合に溶剤の蒸発により
固体微粒を形成することのできる不揮発性物質画分;及
び(2)前記溶媒保持組成物が減圧性スプレーとして噴
霧された場合に固体微粒を形成することのできるように
するのに十分に揮発性である溶剤画分より成る。
【0034】一般的に該不揮発性物質画分は溶剤画分が
蒸発した後に残留する溶剤保持組成物の画分であり、し
たがってそれは固体微粒を形成する画分である。該不揮
発性物質画分は重合体類、樹脂類、ワックス類、有機化
合物類もしくは無機化合物類、又は噴霧される際に混合
されて急速反応を開始する急速反応二成分重合体系のよ
うな、固体であるか又は噴霧中に固体となることのでき
る他の不揮発性物質を包含する。溶解圧縮流体による希
釈又はブロック化(blocking) は混合物が噴霧されるま
で反応を遅らせることができる。形成することのできる
微粒の例はプラスチック、樹脂、洗剤、殺虫剤、顔料、
染料、有機化学薬品及び無機化学薬品を包含する。該不
揮発性物質画分は溶剤画分中において溶液、エマルショ
ン、分散液、又は懸濁液として噴霧されることができ
る。一般的に、分散される分割された固体は分散状態を
保ち、かつスプレーオリフィスを速やかに通過するのに
十分に小さい粒径を有すべきである。安定分散を保つの
には過大である粒径を有する分割された固体は、かきま
ぜにより分散又は懸濁を形成し、維持することができる
ならば使用することができる。好ましくは該不揮発性物
質画分は、約25ミクロン未満、更に好ましくは約10
ミクロン未満の平均粒径を有する分散された固体を含有
する。
【0035】固体重合体は溶解又は分散することができ
るけれど、一般的にそれらは溶剤画分と少なくとも部分
的に混和性である。固体重合体は溶剤の蒸発により固体
微粒を形成するのに十分に大きい分子量及び十分に高い
ガラス転移温度を有すべきである。該ガラス転移温度は
約25℃以上、好ましくは30℃以上、更に好ましくは
40℃以上、最も好ましくは50℃以上であるべきであ
る。適当な重合体はアクリル類、ポリエステル類、セル
ロース類、ポリオレフィン類、エポキシ類、アルキド
類、ビニル類、ポリウレタン類、シリコーン重合体類、
ゴム類、及び一般の熱可塑性重合体類ならびにそれらの
混合物を包含するけれど、これらに限定されない。
【0036】不揮発性物質画分は、減圧性スプレーによ
って噴霧される場合に溶剤の蒸発により固体微粒を形成
することができ、かつ十分な大きさの微粒を形成するの
に十分に大きい溶剤保持組成物の画分でなければならな
い。要求される画分は一般的に溶剤画分の揮発性に関係
し、画分が大きくなればなるほど低い揮発性が要求され
る。不揮発性物質画分は一般的に溶剤保持組成物の約1
0重量%よりも大きく、好ましくは約15重量%よりも
大きく、更に好ましくは約20重量%よりも大きく、最
も好ましくは約25重量%よりも大きくあるべきであ
る。蒸発させなければならない溶剤の量を減少させるた
めには一般的により大きな画分が望ましい。しかしなが
ら不揮発性物質画分は、溶剤保持組成物が実質的減圧性
スプレーを形成すること、又は適当な粒径を形成するこ
とができない程に過度に大きな画分になってはならな
い。適当な上限は、重合体の分子量、分子間凝集度、分
散固体の量及び性質、反応性などのような、個々の不揮
発性物質画分の物理的及び化学的特性に関係する。一般
的により低い分子量でより少なく凝集性の物質がより高
い不揮発性物質水準において噴霧されることができる。
なぜならば、それらはより高い水準においてより一層流
動性のままであるからである。不揮発性物質画分は一般
的に溶剤保持組成物の約90重量%未満、好ましくは約
80重量%未満、更に好ましくは約70重量%未満、最
も好ましくは約60重量%未満であるべきである。
【0037】減圧性スプレーを形成することのできる溶
剤保持組成物の粘度は噴霧可能性に対して不感の相関パ
ラメーターであることが証明されている。溶剤保持組成
物は100以下〜約20,000センチポアズの範囲にわ
たる粘度で微細に噴霧されている。しかしながら、該溶
剤保持組成物は約25℃の温度において測定した時、一
般的に約500〜約5000センチポアズ、好ましくは
約800〜約3000センチポアズの粘度を有するであ
ろう。
【0038】該不揮発性物質画分は減圧性スプレーによ
り噴霧された場合に溶剤の蒸発により固体微粒を形成す
ることができなければならない。該不揮発性物質画分は
固体微粒が形成される際に十分に「開放」(連続通気;
open) 構造を保持して拡散、輸送及び該微粒の内部から
の溶剤の蒸発を容易にすることが好ましい。
【0039】不揮発性物質画分のほかに、溶剤画分もま
た使用される。この溶剤画分は前記溶剤保持組成物が減
圧性スプレーにより噴霧される場合に固体微粒を形成す
ることができるようにするのに十分に揮発性である。該
溶剤は、重合体及びその他の不揮発性物質を溶解するこ
と、粘度を減少させること、分散のためのキャリヤー媒
質を提供すること、などのような種々の機能を遂行する
ことができる。一般的に該溶剤画分は不揮発性物質画分
と少なくとも部分的に混和性である。高分子組成物は一
般的に重合体に対する活性溶剤の少なくとも1種を含有
している。所望の溶解特性及び分散特性を得るための特
定の不揮発性画分に対する特定の溶剤画分の選択は当業
者に周知である。
【0040】25℃及び1気圧においてASTM方法D35
99を使用しての、100に等しいブチルアセテート標
準に対する、十分に揮発性であるための相対蒸発速度
(RER)に基づき、該溶剤画分は約70よりも大きい平均
相対蒸発速度を有することが好ましい。ここに溶剤混合
物の平均相対蒸発速度は個々の溶剤の相対蒸発速度の逆
重量平均として計算される。即ち 1/RERAVG =M1/RER1+M2/RER2+M3/RER3+…… 〔式中Mi は個々の溶剤の重量フラクション(fractio
n) である〕である。平均相対蒸発速度は好ましくは約
85よりも大きく、更に好ましくは約105よりも大き
く、なお一層好ましくは約140よりも大きく、最も好
ましくは約175りも大きい。平均相対蒸発速度は好ま
しくは約4000よりも小さく、更に好ましくは約30
00よりも小さく、最も好ましくは約2000よりも小
さい。
【0041】一般的に、溶剤画分は相対蒸発速度約20
以下の溶剤を好ましくは約10重量%未満、更に好まし
くは5重量%未満、最も好ましくは2重量%未満含有す
る。そのほか溶剤画分は相対蒸発速度約10以下の溶剤
を好ましくは約5重量%未満、更に好ましくは約2重量
%未満、最も好ましくは約0重量%含有する。
【0042】溶剤画分を構成する溶剤は十分に大きい平
均相対蒸発速度を与えるのに十分に速やかに蒸発すべき
である。適当な溶剤は、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、
メチルブチルケトン及びその他の脂肪族ケトン類のよう
なケトン類;メチルアセテート、エチルアセテート、イ
ソプロピルアセテート、n−プロピルアセテート、イソ
ブチルアセテート、ブチルアセテート、エチルプロピオ
ネート、及びその他のアルキルカルボキシルエステル類
のようなエステル類;イソプロピルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、エチルブチルエーテル、エチルイソプロピ
ルエーテル、及びその他の脂肪族エーテル類のようなエ
ーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチ
レングリコールジエチルエーテル、及びプロピレングリ
コールモノメチルエーテルのような揮発性グリコールエ
ーテル類;メタノール、エタノール、プロパノール、イ
ソプロパノール、イソブタノール、及びその他の脂肪族
アルコール類のようなアルコール類;ヘキサン、トルエ
ン、塗料用ナフサ〔Varnish Makers and Painters (VM&
P)ナフサ〕、オクタン、3−メチルヘプタン、2,2−ジ
メチルヘキサン、及びその他の脂肪族類のような炭化水
素類、ならびにニトロエタン及びニトロプロパンのよう
なニトロアルカン類を包含するけれどそれらに限定され
ない。
【0043】噴霧するためには、閉鎖系において先ず溶
剤保持組成物を少なくとも1種の圧縮流体と混合して液
体混合物を形成する。該圧縮流体は該液体混合物が実質
的減圧性スプレー形成し得るようにする量である。次い
で該液体混合物を、それをオリフィスを通して、溶剤の
蒸発によって固体微粒を形成するのに適当な環境に流入
させることにより実質的減圧性スプレーが提供される温
度及び圧力において噴霧する。実質的減圧性スプレーは
一般的に、圧縮流体濃度、噴霧温度及び噴霧圧力の組み
合わせの比較的に狭い範囲内において形成される。この
範囲は個々の溶剤保持組成物の特性と共に変動する。重
要な特性は不揮発性物質画分の組成及び量、溶剤画分の
組成ならびに使用される圧縮流体の組成である。それ
故、実質的減圧性スプレーを形成するのに適当な条件は
一般的に、所定のスプレー混合物及びスプレーチップに
対して実験的に定めなければならない。しかしながら、
1993年9月29日出願の同時係属米国特許出願通番
第129,256号明細書に開示されているように、減圧
性スプレーの領域は典型的には溶剤保持組成物中におけ
る圧縮流体の溶解限度(それは温度及び、圧力と共に変
化するが)に従う。一定の圧力下において溶解度は、よ
り高い温度において減少する。溶解度は、圧力が高くな
るにつれて増加する。一般的に減圧性スプレー領域は、
溶解限度の若干下方、屡々にはその約5重量%の点又は
それ以下の範囲内である圧縮流体濃度において生ずる。
屡々には噴霧は、溶解限度又はその僅かに下方もしくは
上方において行われる。十分に高い溶解度を得るため
に、十分に高い噴霧圧力が使用される。したがって噴霧
温度及び圧縮流体濃度は特定の応用に対する所望の粒径
のような、所望の特性を有する減圧性スプレーが得られ
るように調整される。また溶解度は使用される圧縮流体
と共に変化する。一般的に二酸化炭素はエタンよりも有
意に高い溶解度を有する。溶解度はまた、不揮発性物質
画分の水準と共に変化し、固体含量が高いほど低い。溶
解限度以上の圧縮流体濃度において、より高い圧力にお
いては一般的に該液体混合物が液体不揮発性物質相と、
抽出された溶剤を含有する液体圧縮流体相とを構成し、
それに対し、より低い圧力においては過剰の圧縮流体が
気相を形成する。
【0044】一般的に、使用される圧縮流体の量は溶解
度に関係して圧縮流体及び溶剤保持組成物の合計重量を
基準にして少なくとも約5重量%、好ましくは少なくと
も約10重量%である。二酸化炭素が圧縮流体である場
合については、その一般的に高い溶解度の故に、その使
用量は更に好ましくは少なくとも約15%、なお一層好
ましくは少なくとも約20%、最も好ましくは少なくと
も約25%であり、実質的減圧性スプレー得るのに必要
な最小水準を越えるであろう。圧縮流体の量は所望によ
り溶解限度を越えることができるけれど、過剰の圧縮流
体相が例えば液体混合物中において充分に分散したまま
でいないこと、又は貧弱な微細噴霧(微粒化)を生ずる
ことによりスプレーの形成を不当に妨げるほどに多過ぎ
るべきではない。もしも圧力が、液体の過剰の圧縮流体
相が液体の溶剤保持組成物から溶剤を抽出する該圧縮流
体を形成するのに十分に高ければ、過剰の圧縮流体を使
用することが有利である場合がある。したがって噴霧の
際には溶剤保持組成物からの溶剤の蒸発を減少させなけ
ればならない。しかしながら溶剤のロスは粘度を増加さ
せるので抽出量は、スプレーの形成を妨げる程に、或い
は過大の平均粒径のような望ましくないスプレー特性を
生ずる程に大きくてはならない。所望により、米国特許
第5,290,604号明細書に開示の方法を使用すること
により、噴霧に先立ってスプレー混合物から溶剤の一部
を分離するために過剰の圧縮流体を使用することができ
る。一般的に該液体混合物は約60重量%未満の圧縮流
体を含有する。
【0045】5000psig及びそれ以上の高い噴霧圧力
を使用するこができるけれど、液体混合物の噴霧圧力は
好ましくは約3000psig以下、更に好ましくは約25
00psig以下である。非常に低い圧力は一般的に、溶剤
保持組成物中の高い圧縮流体の溶解度に適合しない。そ
れ故噴霧圧力は、より高い温度においてより高い溶解度
を得るためには、好ましくは圧縮流体の臨界圧力の約5
0%以上、更に好ましくは臨界圧力の約75%以上、な
お一層好ましくは臨界圧力以上、最も好ましくは臨界圧
力の約125%以上である。二酸化炭素が圧縮流体であ
る場合については、噴霧圧力は好ましくは約500psig
以上、更に好ましくは約800psig以上、なお一層好ま
しくは約1100psig以上、最も好ましくは約1400
psig以上である。
【0046】該液体混合物の噴霧温度は好ましくは約1
50℃以下、更に好ましくは約100℃以下、最も好ま
しく約80℃以下である。使用することのできる温度水
準は一般的に、溶剤保持組成物の、安定性及び感熱性の
ような特性に関係する。一般的に反応性系は非反応性系
よりも、より低い温度において噴霧しなければならな
い。好ましくは該液体混合物の噴霧温度は約25℃以上
であり、更に好ましくは約30℃以上、なお一層好まし
くは約40℃以上、最も好ましくは約50℃以上であ
る。スプレーからの溶剤の蒸発速度を増加させるために
は該液体混合物を、減圧圧縮流体の膨張冷却に起因して
生ずる噴霧温度の低下を実質的に相殺する温度に加熱す
ることが好ましい。一般的に実質的減圧性スプレーは圧
縮流体の量を変動するこにより、したがって溶解度が変
動するにつれて、温度の全範囲にわたって形成されるこ
とができる。溶剤をより急速にスプレーから蒸発させて
固体微粒を形成するためには、より高い噴霧温度を使用
することが望ましい。噴霧温度は、使用される溶剤画分
の平均相対蒸発速度及び蒸発させなければならない溶剤
の量に対し、十分に速やかな溶剤の蒸発を行わせるのに
十分に高くあるべきである。一般的に、より低い平均相
対蒸発速度に対しては、より高い噴霧温度が好ましい。
【0047】該少なくとも1種の圧縮流体は、該液体混
合物が噴霧される温度及び圧力において超臨界流体であ
ることが好ましい。
【0048】米国特許第5,290,603号明細書におけ
る方法に開示されているように、高分子溶剤保持組成物
を高度に微細に噴霧するためには液体混合物はそれが噴
霧温度において液体圧縮流体相を形成することができる
量の少なくとも1種の圧縮流体を含有することが望まし
く、また噴霧圧力は、該液体混合物が噴霧温度において
液体圧縮流体相を形成する最低圧力以上であることが望
ましい。噴霧圧力は、該液体混合物が噴霧温度において
液体圧縮流体相を形成する最高圧力以上又はその僅かに
下方であることが望ましい。理論に束縛されることを望
む訳ではないけれど、溶解した圧縮流体が直接に気体圧
縮流体に凝集しないで、気体圧縮流体を形成するに先だ
ってスプレーオリフィスにおいて減圧する間に凝集して
液体圧縮流体相を形成するので、その結果として高度の
微細噴霧がもたらされると思われる。それ故、凝集はよ
り一層急速に生じ、圧縮流体の気化はより一層強められ
る。
【0049】オリフィスはスプレーチップにおけるよう
な、壁又はハウジングにおける穴又は開口である。塗料
処方物の慣用の、静電エアレス噴霧及び空気補助エアレ
ス噴霧に使用されるスプレーオリフィス、スプレーチッ
プ、スプレーノズル、及びスプレーガンは本発明の液体
混合物を噴霧するのに一般的に適している。スプレーガ
ン、スプレーノズル、及びスプレーチップは(1)オリ
フィスとスプレーをオン及びオフに変換するバルブとの
間の過度の流れ容量を有しないこと、及び(2)スプレ
ーが典型的にスプレーオリフィスを出て行く広い角度を
妨げないことが好ましい。最も好ましいスプレーチップ
及びスプレーガンはノルドソン社(Nordson Corporatio
n)製の UNICARB(商標)スプレーチップ及びスプレーガ
ンである。約0.007インチから約0.025インチまで
の公称直径のオリフィス寸法が好ましいけれど、より小
さい又はより大きいオリフィス寸法を使用することがで
きる。液体混合物をオリフィスを通過させるに先だって
該液体混合物における乱流及び攪拌流を促進するプレオ
リフィス又は乱流促進装置の様な装置及びフローデザイ
ン(flow design)もまた使用することができる。プレオ
リフィスは液体混合物の流れにおける過大の圧力低下を
生じないことが好ましい。スプレーパターンは丸いオリ
フィスから得られるもののような円形スプレーであるこ
とができ、或いは前述のようなオリフィスを通して刻ま
れた溝により生じたもののような楕円形又は平坦なスプ
レーであることができる。スプレー環境の周囲ガスを減
圧性スプレー内に、より一層速やかに混入させるため、
及びそれにより蒸発速度を増加させるためには、より広
い平坦なスプレーが好ましい。しかしながら特に粘性の
溶剤保持組成物又は高い相対蒸発速度に対しては、スプ
レーチップ上における重合体の蓄積を最小化するため
に、より一層楕円形又は円形であるスプレーが望ましい
ことがある。好ましいスプレーチップのデザインはオリ
フィスの出口を通して刻まれた互いに直角の2本の交差
する溝を有する。このものは円形スプレーよりも、より
一層軸対称のスプレーパターンを生ずるけれど、周囲ガ
スをスプレー内へ、より良好に混入させる二つの交差す
るスプレーファンを提供する。
【0050】一般的に減圧性スプレーは、1993年5
月13日出願の同時係属米国特許出願通番第061,82
2号明細書に開示されているような伸長されたオリフィ
ス通路を使用することにより、慣用の短いエアレススプ
レーオリフィスにより得られるよりも低い圧縮流体濃度
及び低い温度において得ることができる。理論に束縛さ
れることを欲する訳ではないけれど伸長されたオリフィ
ス通路が、液体混合物が噴霧される圧縮流体濃度、温
度、及び圧力に対し、気体圧縮流体相への凝集が生ずる
のに利用できる時間を増加するものと思われる。好まし
くは長さ対直径の比は約2以上で約20以下であり、更
に好ましくは約3以上で約15以下、最も好ましくは約
4以上で約10以下である。またオリフィス通路の長さ
は望ましくは約0.020インチないし約0.400イン
チ、更に好ましくは約0.040インチないし約0.300
インチの範囲であるべきである。
【0051】減圧性スプレーは、溶剤の蒸発により固体
微粒を形成させるのに適した気体環境中にオリフィスを
通して液体混合物を流入させることにより形成される。
本発明が実施される環境は厳密に臨界的ではない。しか
しながら、圧縮流体を十分に減圧して減圧性スプレーを
形成するためには該環境内の圧力は噴霧圧力よりも実質
的に低くなければならない。好ましくは気体環境は大気
圧又は大気圧付近である。該環境は一般的に空気から成
るけれど、低い酸素含量を有する空気、又は例えば窒
素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン、キセノンもしく
はそれらの混合物のような不活性ガス、のような他の気
体環境もまた使用することができる。酸素、又は酸素に
富む空気は望ましくない。なぜなら酸素は有機物質の燃
焼性を高めるからである。スプレーからの溶剤の十分に
速やかな蒸発を促進するために、気体環境は溶剤保持組
成物中に含有される溶剤の十分に低い分圧を有すべきで
ある。非常に低い分圧が好ましい。溶剤の分圧は、スプ
レー環境中に火災又は爆発の危険が存在する点の有意に
下方に保たれるべきである。
【0052】スプレーからの溶剤蒸発の速度は、少なく
とも1種のガスの流れを該実質的減圧性スプレーに応用
してスプレー内に乱流混合速度もしくは温度又はそれら
の両方を高めることによって増大させることができる。
乱流混合の水準を高めればスプレー内部に運びこまれた
ドライヤー外部ガス又は空気の量を増加させる。このガ
ス又は空気は溶剤の分圧を下げるものである。スプレー
内の温度を高めれば溶剤の蒸気圧は増加する。
【0053】乱流混合を増大させるためには該少なくと
も1種のガスの流れは、例えば空気補助エアレススプレ
ーにおける微細噴霧を補助すること又はスプレーパター
ンの形状を改造することに使用される圧縮ガスジェット
のような、スプレーに適用される少なくとも1種の気体
ジェットから成ることができる。該補助ガスは典型的に
は約10ないし約80psig、好ましくは約20ないし約
60psigの圧力における圧縮空気であるけれど、低い酸
素含量を有する空気か、又は圧縮した窒素、二酸化炭素
もしくはそれらの混合物のような不活性ガスであること
もできる。補助ガスジェットは典型的には減圧性スプレ
ーの微細噴霧に対し、殆ど又は全く影響しない。また圧
縮ガス又は空気の供給用の、設置された1本又はそれ以
上の補助管によりガスの流れを供給し、減圧性スプレー
中に流出させて乱流混合速度を高めることもできる。そ
の他の方法もまた使用することができる。
【0054】該ガスの流れ又は補助ガスジェットを加熱
して、圧縮流体の冷却効果を抑制することのような、噴
霧温度を高めることもできる。より高い温度を使用する
こともできるけれど、加熱されたガス又は空気の流れの
温度は好ましくは約30℃ないし約90℃、更に好まし
くは約50℃ないし約70℃である。温度が高くなれば
溶剤の揮発性が増加するけれど、一定の圧縮ガス圧力に
おいては温度が高くなればガスの密度が減少し、したが
って質量流量が減少し、混合の強さを低下させることが
ある。実質的減圧性スプレー内の温度を高めるために使
用される該少なくとも1種のガスの流れは、形成されつ
つあるスプレー及び形成されたスプレーに同伴されるよ
うにスプレーに近接して供給する加熱されたガス又は空
気を包含することもできる。一つの方法は、スプレーチ
ップの付近のスプレーに加熱ガスの流れを対称的に流出
させる管状分散系を通して該加熱ガスの流れを分散させ
ることである。例えば該分散系はスプレーファンの各側
面に二つの出口を有し、スプレーオリフィスに隣接して
設置された4本の流出管より成ることができる。該少な
くとも1種のガスの流れはヒーターからスプレーに吹き
出される加熱ガス又は空気を包含することもできる。そ
の他の方法を使用することもできる。
【0055】本明細書に使用される用語「固体微粒」と
は、実質的に物理的に剛性の粒子又は粉末であり、残留
溶剤を含有することがあり、結晶構造を欠く高度に粘性
の液体粒子を包含するけれど、接触状態において互いに
有意に合体することなく、しかも知覚できる程度に流動
することのない、微粒のことである。該固体微粒は特定
の形状を有する必要ななく、また多孔質であることもで
きる。
【0056】一般的に、実質的減圧性スプレーから生成
される固体微粒の平均粒径は圧縮流体濃度、噴霧の温度
及び圧力、そして溶剤保持組成物における溶剤水準を調
整することによって制御することができる。約1ミクロ
ン又はそれ以上の平均粒度を有する固体微粒が生成され
る。平均粒径は好ましくは約5ミクロンよりも大きく、
更に好ましくは約10ミクロンよりも大きく、なお一層
好ましくは約15ミクロンよりも大きく、最も好ましく
は約20ミクロンよりも大きい。一般的に、粒径が大き
いほど溶剤を蒸発させるのにより多くの時間を要し、実
際の時間は微粒の形態構造、溶剤の相対蒸発速度、噴霧
温度、及び混合特性に関係する。平均粒径は一般的に約
200ミクロン未満、好ましくは約150ミクロン未満
更に好ましくは約100ミクロン未満、なお一層好まし
くは約75ミクロン未満、最も好ましくは約50ミクロ
ン未満である。最適粒径は固体微粒に対する個々の適用
要件に関係する。高度に多孔質の微粒に対する最適粒径
は一般的に、低度に多孔質の微粒に対するそれよりも高
い。
【0057】減圧性スプレーは、比較的に狭い粒度分布
を有する固体微粒及び粉末を生成することのできる均一
な微細噴霧を生じ、この比較的に狭い粒度分布はそれら
微粒及び粉末の適用性能を改良するのに望ましいことが
多い。スプレーの時点において粒度分布が狭くなること
ができるのみならず、平均粒径はスプレーパターンを横
断して(交差して)非常に均一であることができ、これ
らのことが全スプレーに対し狭い全粒度分布を与え、若
干の領域が過噴霧又は不足噴霧されないようになる。空
気スプレー法及び無気スプレー法においてはスプレーパ
ターンを横断しの不均一噴霧は屡々問題である。
【0058】粒度分布の広さ及び狭さはそのスパンによ
り与えられる。スパンは式、 (D0.9 −D0.1)/D0.5 (式中、D0.5 は粒子容量の50%がより小さい(又は
より大きい)粒径を有し、そして平均粒径に等しい粒径
であり;D0.1 は粒子容量の10%がより小さい粒径を
有する粒径であり;D0.9 は粒子容量の10%がより大
きい粒径を有する粒径である)として定義される。粒度
分布は好ましくは約2.0未満、更に好ましくは約1.8未
満、なお一層好ましくは約1.6未満、最も好ましくは約
1.4未満のスパンを有する。より狭いスパンは、所定の
応用に対し過少又は過大であることのある粒子のより小
さい100分率を有する。望ましいスパンは応用と共に
変動する。
【0059】本発明方法によって生成された固体微粒に
ついて測定した狭い粒度分布を図1に示す。溶剤保持組
成物は、固体アクリル重合体より成る不揮発性物質画分
30%、及びメチルエチルケトンよりなる溶剤画分70
%を含有した。液体混合物は、圧縮二酸化炭素流体42.
5%を含有し、60℃及び1600 psiにおいて噴霧さ
れた。上記温度及び圧力において二酸化炭素は超臨界流
体である。液体混合物を、蒸発速度を増加させるために
60℃に加熱して減圧二酸化炭素の冷却効果を相殺し
た。周囲空気中における減圧性スプレーは1.3の低いス
パンの非常に狭い粒度分布と21ミクロンの平均粒径と
を有する噴霧乾燥された粉末を生成した。粒子の僅かに
11容量%が10ミクロン以下であり、僅かに10容量
%が36ミクロン以上であった。
【0060】固体微粒が減圧性スプレーパターンの全体
にわたって生成されるスプレーチップからの距離は、オ
リフィス寸法、粒径、溶剤の相対蒸発速度、溶剤保持組
成物における溶剤水準、噴霧温度及び噴霧圧力、スプレ
ーにおける乱流混合強度、加熱ガスの適用、プレオリフ
ィスの使用、及びその他のファクターのような多数の変
数に関係する。該距離が個々の応用の実際特性に関係す
る。乱流混合の水準もしくは噴霧温度、又はそれらの両
方を高めれば一般的に固体微粒が、より短い距離におい
て、より均一に、スプレーパターン全体にわたって生成
される。一般的に該距離は、不適当に低い平均相対蒸発
速度においてスプレーが極端に長い距離にわたって液体
のままでいるまで、溶剤画分の平均相対蒸発速度が減少
するにつれて増加する。或種の溶剤保持組成物は約6イ
ンチないし約24インチの短い距離においてスプレーパ
ターン全体にわたって固体微粒を均一に生成するけれ
ど、その他の組成物はより長い距離を必要とする。スプ
レーから固体微粒を集めるためには約24インチ以上の
距離が一般的に好ましいけれど、より短い距離を高速乾
燥スプレーに使用することができる。より多くの蒸発時
間を提供するためには該距離は更に好ましくは約36イ
ンチよりも大きく、最も好ましくは約48インチよりも
大きい。固体微粒及び粉末は、サイクロン分離器、濾
過、静電沈着及び当業者に公知のその他の手段によるよ
うな、微細微粒をガス又は空気の流れから分離するのに
適する任意の手段によってスプレーから集めることがで
きる。
【0061】所望により固体微粒及び粉末は、残留溶剤
を除去するために流動化、空気と混合して溶剤をストリ
ップすること、乾燥、又は空気を貯蔵容器もしくはビン
(bin; 大箱)を通過させることによるような処理をする
ことができる。
【0062】また本発明は、(1)塗料粉末の乾燥成分
を含有し、減圧性スプレーとして噴霧した時、溶剤の蒸
発により粉末を形成することのできる固体画分と、
(2)該固体画分と少なくとも部分的に混和性であり、
前駆塗料粉末組成物が減圧性スプレーとして噴霧された
場合に粉末を形成することができるようにするのに十分
に揮発性である溶剤画分とを含有する液体前駆塗料粉末
組成物を噴霧乾燥することにより塗料粉末を形成するた
めにも使用することができる。噴霧するためには該前駆
塗料粉末組成物を少なくとも1種の圧縮流体と閉鎖系に
おいて混和して液体混合物を形成する。該圧縮流体の量
は該液体混合物が実質的減圧性スプレーを形成すること
ができる量である。次いで該液体混合物を、それをオリ
フィスを通して溶剤蒸発により塗料粉末を形成するのに
適した環境中に流入させることにより実質的減圧性スプ
レーを生ずる温度及び圧力において噴霧する。固体微粒
の生成に関する前述の教示は当業者が理解するであろう
如く、適用可能な場合において本発明方法により塗料粉
末を形成することに関する。塗料粉末に対して下記に詳
しく論ずる。
【0063】前駆塗料粉末組成物の固体画分は塗料粉末
の乾燥成分を含有する。本明細書に使用される用語「塗
料粉末」は基体の粉末コーティングに使用される塗料粉
末及び粉末塗料組成物、ならびに添加剤のような液体塗
料組成物に対する粉末成分を包含すると理解される。当
業者に公知であるように、粉末塗料塗布のための塗料粉
末の乾燥成分は一般的に少なくとも1種の熱硬化性又は
熱可塑性の重合体、熱硬化性系用の硬化剤又は架橋剤、
可塑剤、安定剤、流れ添加剤、顔料及び増量剤より成る
ことができる。
【0064】該重合体は粉末塗料として使用するために
は、平滑な連続膜を与えるための低い溶融粘度;基体へ
の良好な付着;タフネス及び衝撃抵抗のような良好な物
理的性質;明るい色彩、耐熱性、耐薬品性及び耐候性;
ならびに貯蔵安定性を有すべきである。熱硬化性塗料粉
末は一般的に、縮合反応ではなく付加反応によって硬化
される重合体を使用する。塗料粉末熱硬化性重合体のガ
ラス転移温度は、個々の粒子が輸送中、及び貯蔵中にお
ける焼結又は溶融を防止するのに十分に高温であるべき
である。冷凍貯蔵により重合体は、より低いガラス転移
温度において使用される。室温貯蔵に対しては、ガラス
転移温度は好ましくは約40℃以上、更に好ましくは約
50℃以上である。本発明の塗料粉末に使用するのに適
する重合体は一般的に、慣用の塗料粉末に使用されるも
のを包含し、特にエポキシ類、ポリエステル類、アクリ
ル類、ポリウレタン類、エポキシポリエステル混成物
類、セルロース類、ビニル類、ポリアミド類、及びそれ
らの混成重合体を包含する。ポリオレフィン類のよう
な、その他の重合体も使用することができる。低温粉砕
又は機械的摩砕に適合しないという理由で現在粉末塗料
に使用されていない種類の重合体も本発明において使用
することができる。熱硬化系においては、ブロック化イ
ソシアネート重合体及びトリグリシジルイソシアヌレー
トのような粉末塗料に普通に使用されている硬化剤又は
架橋剤の任意のものを使用することができる。
【0065】また該固体画分は、減圧性スプレーにより
噴霧された場合に溶剤の蒸発によって塗料粉末を形成す
ることができ、かつ十分な粒径の粉末粒子を形成するの
に十分に大きい、前駆塗料粉末組成物の十分に高い画分
でなければならない。しかし該画分は実質的減圧性スプ
レーを形成することができないか、又は過大の粒子を生
成させるほどに極端に大きくてはならない。概して、固
体画分は一般的に前駆塗料粉末組成物の約10重量%よ
りも大きく、好ましくは約15重量%よりも大きく、更
に好ましくは約20重量%よりも大きく、最も好ましく
は約25重量%よりも大きくあるべきである。しかしな
がら、使用される固体水準は使用される重合体系及びそ
の他の成分の性質に関係し、好適な水準は一般的に実験
的に定めなければならない。一般的に熱硬化系は、その
低い重合体分子量の故に熱可塑系よりも高い固体水準に
おいて噴霧することができる。このような系に対して
は、固体水準は約40%よりも大きく、好ましくは約5
0%よりも大きくてもよいけれど、より低い水準も同様
に使用することができる。減圧性スプレーによって生成
された塗料粉末が基体に直接に施される塗装に対して、
貯蔵及び輸送しなければならない慣用の塗料粉末に使用
される分子量及びガラス転移温度よりも、より低い分子
量及びガラス転移温度を有する重合体を使用することが
できる。それ故、達成し得る固体水準は相応的に高いこ
とができ、塗装要件及び粘度に応じて70%ないし90
%又はそれ以上であることができる。前駆塗料粉末組成
物は約25℃の温度において測定して、一般的に約50
0ないし約5000センチポアズ、好ましくは約800
ないし約3000センチポアズの粘度を有する。しかし
より高い粘度及びより低い粘度を使用することもでき
る。
【0066】溶剤画分は固体画分と少なくとも部分的に
混合性であり、かつ十分に揮発性であるように選択され
る。前述の溶剤の任意のものを、特定の系に対するそれ
ら溶剤の適合特性及び溶解特性に関係して使用すること
ができる。一般的に、少なくとも1種の溶剤が、使用さ
れる重合体に対する活性溶剤である。また該溶剤画分
は、約70よりも大きい、好ましくは約85よりも大き
い、更に好ましくは約105よりも大きい、なお一層好
ましくは約140よりも大きい、そして最も好ましくは
約175よりも大きい平均相対蒸発速度を有することが
望ましい。平均相対蒸発速度は好ましくは約4000よ
りも小さく、更に好ましくは約3000よりも小さく、
最も好ましくは約2000よりも小さい。
【0067】該少なくとも1種の圧縮流体は二酸化炭素
又はエタンであることが好ましく、しかも液体混合物が
噴霧される温度及び圧力において超臨界流体であること
が好ましい。さきに論じたように、少なくとも1種の気
体の流れを実質的減圧性スプレーに使用して、乱流混合
速度もしくはスプレー内の温度又はそれらの両方を増加
させることができる。
【0068】粉末コーティングに使用するためには、本
発明方法により生成される塗料粉末は約10ミクロンよ
りも大きい、好ましくは約15ミクロンよりも大きい、
最も好ましくは約20ミクロンよりも大きい平均粒径を
有することが望ましい。該平均粒径は好ましくは約12
5ミクロンよりも小さく、更に好ましくは約100ミク
ロンよりも小さく、なお一層好ましくは約75ミクロン
よりも小さく、最も好ましくは約50ミクロンよりも小
さい。該塗料粉末は狭い粒度分布を有することが望まし
く、好ましくは約2.0未満、更に好ましくは約1.8未
満、なお一層好ましくは約1.6未満、最も好ましくは約
1.4未満のスパンを有する。
【0069】このようにして生成された塗料粉末は次い
で、当業者に公知のように基体上に直接的又は間接的の
いずれかにおいて沈着させ、次いで基体を加熱してその
上に塗料膜を形成させる。
【0070】不均一触媒の分野においては、形態学的に
改良された触媒担体及び触媒前駆物質に対する継続的要
望がある。触媒の性能は、その形態学的形状によって影
響されることが多い。触媒物質成分の形成の1工程は屡
々、乾燥工程の一部として、該物質を乾燥し、次いで該
物質を所望の形状とすることより成る。形状、粒径、粒
度分布、多孔度、及び結晶化度のような形態学的特色
は、結晶化、含浸または噴霧乾燥のような技術を介し
て、より大きいか、又はより小さい形態に調節すること
ができる。
【0071】下記の議論はオレフィン重合触媒系に焦点
を合わしているけれど触媒作用の当業者は、本発明方法
は他の触媒系にも同様に適用できること、及び該方法は
オレフィン重合に限定されないということを認識するで
あろう。
【0072】噴霧乾燥は、適度に均一な粒径の、球形又
は少なくとも適度に丸い粒子を大規模において屡々得る
ことができるという点において、オレフィン重合触媒系
に特に有利である。不活性担体、反応性担体又は触媒前
駆物質のいずれかの溶液又はスラリーを噴霧乾燥するこ
とができる。不活性担体の例は微小回転楕円シリカであ
り、反応性担体の例はハロゲン化マグネシウム又はマグ
ネシウムヒドロカルビルカーボネートのようなマグネシ
ウム塩であり、そして触媒前駆物質の例はハロゲン化マ
グネシウム/ハロゲン化チタン/電子供与体付加物であ
り。
【0073】熱噴霧乾燥方法は典型的には水のような溶
剤中、又はアルコール、エーテルもしくはエステルのよ
うな有機溶剤中において行われる。噴霧乾燥されるべき
物質は、屡々には無機又は有機の充てん剤の存在下に、
少なくとも部分的に溶解する。噴霧乾燥されるべき固体
成分を含有する熱溶液又は熱スラリーは典型的にはオリ
フィスからスプレーの形態においてに噴射され、液体粒
子は蒸発を経由して飛行中に乾燥される。小滴は衝撃の
際に変形又は破壊されないように少数秒間以内に実質的
に剛性でなければならない。
【0074】しかしながら、これらの物質の噴霧乾燥は
問題がない訳ではない。溶剤成分の急速蒸発のためのエ
ネルギーは典型的には熱の形で供給され、粒子は蒸発に
より凝固する。したがって溶液はできるだけ高温でなけ
ればならず、このことは有機溶剤及び有機金属試薬の場
合に分解、望ましくない副反応、又は反応生成物の早期
沈澱をもたらすことがある。たとい、より高い温度が実
行可能である場合であっても、プロセス制限により成功
的な噴霧乾燥が妨げられる。もしも有機溶剤の熱容量が
小さければ、十分な乾燥を行うのに十分な熱エネルギー
を与えることができない。もしも溶剤の蒸気圧が低過ぎ
れば、液体小滴が噴霧乾燥機の壁面を打つ少数秒以前に
おいて十分な蒸発が行われないであろう。大きな工業的
規模における噴霧乾燥中においては、蒸発した溶剤の除
去は操作上の理由(process reason)及び環境上の理由
に対する、次第に増大する挑戦となる。有機溶剤は十分
に速やかに捕捉され、除去され、拘束されることができ
ないことが多く、そのため生産量が下がる。可燃性液に
より噴霧乾燥する場合には、溶剤除去工程に対して窒素
のような不活性ガスの大量が必要である。
【0075】噴霧乾燥は粒子の物理的形態に対して同様
に制限を与える。溶剤が小滴の容積の大部分を構成する
こと、すなわち溶液の固体含量が低いと言う事実から一
つの問題が生ずる。液体小滴の大きさは、小滴をばらば
らに落下させることなしには、或る大きさを越えて増大
することはできない。蒸発の際における上記小滴の主要
な容量画分のロスは屡々、所望の粒径よりも非常に小さ
い粒径を有する残留固体粒子をもたらす。小滴中の固体
量を増加させる他の手段もまた限界を有する。溶液の固
体含量を増加させることは適当でないことが屡々ある。
それは該物質は十分に溶解性でないか、又は該物質を噴
霧するには粘度が高くなり過ぎるようになるという理由
からである。スラリーの固体含量を増加させれば配管及
び器具のつまりがより一層頻繁になり、同様にして、よ
く分散しない生成物が生ずる。すべての場合において乾
燥工程についての材料科学解釈は十分に理解されていな
いけれど、それにも拘らず熱蒸発法は、表皮形成(中空
殻)、割れた粒子、及び粒子内における化学的に異なる
成分の微分沈澱(differential precipitation) によっ
て見られるように、粒子の不均一な乾燥をもたらすこと
が観察されることがある。
【0076】対照的に、本発明方法にしたがって圧縮流
体を使用することにより、噴霧に要する溶剤の量が少な
いこと;蒸発速度を高めることができること;必要とす
る熱エネルギーが少ないこと;低い噴霧温度が物質の安
定性を保つこと;除去が必要な高沸点溶剤が少量である
こと;高められた溶解度を、特に高分子結合剤の存在下
において、得ることができること;流出物からの回収を
要する溶剤が少量であること;及び必要なパージガスが
少量でよいこと、の理由から高い固体水準を達成するこ
とができる。更にその上、使用する組成に関係して、独
特の粒子形態構造を形成することができ、かつ触媒担体
はより狭い粒度分布を有することができる。
【0077】2種の反応性マグネシウム含有担体が噴霧
乾燥される。マグネシウムヒドロカルビルオキシドと気
体二酸化炭素とからのマグネシウムヒドロカルビルカー
ボネートの生成は当業界に周知である(米国特許第4,9
23,446号明細書参照)。マグネシウムヒドロカルビ
ルカーボネートは式: Mg(OR)(OR')x CO2 (式中、R及びR’のそれぞれはアルキル基又はアリー
ル基を表し、xは0.1ないし2.0の値を有する)で表す
ことができる。この物質は2種、或いはそれ以上の成分
の混合物から成ると思われる(H. L. Finkbeiner及び
G. W. Wagner, J.Org. Chem. 28: 215, 1963) 。これら
の成分はモノアルコキシモノカーボネート及び式:Mg
(OCOOR)2のジカーボネートを包含する。その他の
触媒的応用の中で、これらの担体は、米国特許第4,54
0,679号及び第4,771,024号各明細書に記載のよ
うに気相オレフィン重合触媒の成分としての用途が見出
された。マグネシウムアルキルカーボネート担体の熱噴
霧乾燥が米国特許第4,771,024号明細書に開示され
ている。この物質は室温以上の温度におけるアルコキシ
ドとカーボネートとの混合物への分解に対して屡々不安
定である。R=メチルである物質の溶液は高められた圧
力においてのみ十分に安定であり;R=エチル物質であ
るエタノール溶液は、窒素ガスが100℃〜140℃の
入口温度において使用される場合に、70℃〜100℃
の採用される慣用の噴霧乾燥温度において分解し始め
る。ほぼ4%以上のMg含量を有するエタノール溶液
は、工業的規模において部分的分解をされることなく慣
用の噴霧乾燥を行うためには過度に粘性である。なぜな
ら噴霧乾燥温度が過度に高くなければならないからであ
る。
【0078】アルコール又はエーテルのような電子供与
体の塩化マグネシウム溶媒和物は、米国特許第4,12
4,532号及び第4,684,703号各明細書に記載のよ
うなオレフィン重合当業界において周知であり、該溶媒
和物自体による(米国特許第3,953,414号及び第
4,111,835号各明細書)か、又はそのハロゲン化チ
タン付加物として(米国特許第4,293,673号明細
書)かの、いずれかの該溶媒和物の噴霧乾燥もまた公知
である。テトラヒドロフラン中の塩化マグネシウムの溶
解度が、溶解性がより小さく恐らくは高分子形態である
物質の望ましくない沈澱に起因して室温と65℃との二
つのファクターにより減少するという点において、テト
ラヒドロフラン溶液は特に厄介である(K. Handlir, J.
Holecek, 及びL. Benes, Collection of Czechoslovak
Chem. Commun. 50:2422, 1985) 。このように、適当な
噴霧乾燥温度を低下させ、溶解度を増加させる方法は極
めて望ましい。
【0079】本発明は液体前駆触媒組成物を噴霧乾燥す
ることによって不均一接触反応用の触媒、触媒担体又は
触媒前駆物質を生成することに使用することができる。
ここに該液体前駆触媒組成物は、(1)触媒、触媒担体
又は触媒前駆物質の乾燥成分を含有し、しかも減圧性ス
プレーとして噴霧される場合に溶剤の蒸発により微粒を
形成し得るものである固体画分;及び(2)固体画分と
少なくとも部分的に混和性であり、しかも前記前駆触媒
組成物を、それが減圧性スプレーとして噴霧された場合
に微粒を形成し得るようにするのに十分に揮発性である
溶剤画分を含有するものである。噴霧するためには該前
駆触媒組成物を閉鎖系において少なくとも1種の圧縮流
体と混合して、液体混合を形成する。該圧縮流体の量は
該液体混合が実質的減圧性スプレーを形成することがで
きるようにする量である。次いで該液体混合物を、溶剤
の蒸発によって微粒を形成するのに適当な環境にオリフ
ィスを通して該混合物を流入させることにより実質的減
圧性スプレーを与える温度及び圧力において噴霧する。
当業者に理解されるであろう如く、固体微粒の形成に関
する前述の教示は、適用可能な場合において、本発明方
法による触媒、触媒担体及び触媒前駆物質の形成に関す
ることを理解すべきである。特にこれらの触媒物質を下
記に論ずる。
【0080】該前駆触媒組成物の固体画分は触媒、触媒
担体又は触媒前駆物質の乾燥成分を含有し、かつ一般的
に固体微粒の触媒、触媒担体又は触媒前駆物質として機
能することのできる少なくとも1種の化合物を包含する
ことができ、このことは当業者に公知である。一般的に
該少なくとも1種の化合物は無機化合物又は有機金属化
合物を包含する。熱可塑性重合体のような高分子化合物
もまた触媒担体における結合剤として使用することもで
きる。触媒、触媒担体又は触媒前駆物質の成分は、マグ
ネシウムヒドロカルビルカーボネート及び塩化マグネシ
ウムを含めて、オレフィン接触反応に使用される任意の
前述の物質を包含することができる。
【0081】また固体画分は、減圧性スプレーにより噴
霧された場合に溶剤の蒸発により微粒を形成することが
でき、かつ十分な粒径の微粒を形成するのに十分に大き
い前駆触媒組成物画分でなければならない。しかし実質
的減圧性スプレーを形成することができないように、又
は非常に大きな微粒が形成されるように過大であっては
ならない。固体画分は一般的に前駆触媒組成物の約15
重量%よりも大きく、好ましくは約20重量%よりも大
きく、更に好ましくは約25重量%よりも大きく、最も
好ましくは約30重量%よりも大きくあるべきである。
適量は分子量及び溶解度のような個々の固体画分の物理
的特性及び化学的特性に関係するであろう。該固体画分
は一般的に前駆触媒組成物の約90重量%未満、好まし
くは約80重量%未満、更に好ましくは約70重量%未
満、最も好ましくは約60重量%未満であるべきであ
る。該前駆触媒組成物は約25℃の温度において測定し
て一般的に約200ないし約5000センチポアズ、好
ましくは約500なし約3000センチポアズ、更に好
ましくは約800なし約2000センチポアズの粘度を
有する。しかし、より高い粘度及びより低い粘度を使用
することもできる。
【0082】溶剤画分は固体画分と少なくとも部分的に
混和性であり、かつ十分に揮発性であるように選択す
る。より高い溶解度が好ましい。溶剤は触媒物質の触媒
活性及び安定性を維持するのに適応していることが好ま
しい。任意の上述の溶剤を、個々の触媒系に対するそれ
ら溶剤の溶解性及び安定性に応じて、使用することがで
きる。もしも高分子化合物が固体画分に包含されている
ならば、該重合体に対する少なくとも1種の活性溶剤を
使用することが好ましい。前述したように、オレフィン
接触反応用に使用される触媒物質に対しては、好ましい
溶剤はエタノールのようなアルコール類;テトラヒドロ
フラン(THF)のようなエーテル類;及びエステル類であ
る。また溶剤の画分は約70よりも大きく、好ましくは
約85よりも大きく、更に好ましくは約105よりも大
きく、なお一層好ましくは約140よりも大きく、最も
好ましくは約175よりも大きい平均相対蒸発速度を有
することが望ましい。該平均相対蒸発速度は、好ましく
は約4000未満、更に好ましくは約3000未満、最
も好ましくは約2000未満である。
【0083】該少なくとも1種の圧縮流体は触媒物質の
触媒活性及び安定性を維持するのに適応していることが
好ましい。好ましい圧縮流体は触媒系と共に変えること
ができる。一般的に二酸化炭素又はエタンが好ましいけ
れど、オレフィン接触反応用に調製された触媒物質に対
しては、相乗作用又は重合操作との適応性を得るため
に、エチレン、プロパンもしくはプロピレン、又はそれ
らの混合物が好ましいことがある。
【0084】圧縮流体は液体混合物が噴霧される温度及
び圧力において超臨界流体であることが好ましい。スプ
レーからの溶剤のより速やかな蒸発に対しては、より高
い噴霧温度が好まれるけれども、その噴霧温度は触媒活
性の維持に適応しなければならない。なぜなら或る種の
触媒物質は前述したように熱に対し、特に溶解している
時に、敏感であるからである。それ故、望ましい減圧性
スプレー及び適当な溶剤蒸発を生ずる最低の噴霧温度が
一般的に好ましく、それは使用される個々の系に応じて
決まる。
【0085】本発明方法により生成される触媒、触媒担
体、及び触媒前駆物質は一般的に約10ミクロンよりも
大きく、好ましくは約15ミクロンよりも大きく、更に
好ましくは約20ミクロンよりも大きい平均粒径を有す
ることが望ましい。或る触媒系に対しては約25ミクロ
ン以上の平均粒径がなお一層好ましく、これに対してよ
り高度に多孔性の粒子を使用するような他の系に対して
は約40ミクロン以上の平均粒径を有するより大きな粒
子が最も好ましい。一般的に平均粒径は好ましくは約2
00ミクロン未満、更に好ましくは150ミクロン未
満、なお一層好ましくは約125ミクロン未満である。
或る触媒系に対しては平均粒径は100ミクロン未満、
そして他の系に対しては約70ミクロン未満であること
が望ましい。最も好ましい粒径は個々の用途に関係する
であろう。前述したように該触媒、触媒担体、及び触媒
前駆物質は狭い粒度分布を有することが好ましい。
【0086】触媒の活性及び安定性を維持するために、
或る種の感湿性(moisture-sensitive) 触媒系に対して
は非常に低い湿度を有する噴霧環境が好ましく、或いは
無水の噴霧環境が更に好ましい。酸素感応性(oxygen-s
enseitive)触媒系に対しては噴霧環境は低酸素含量を有
することが好ましく、窒素雰囲気のように無酸素である
ことが更に好ましい。
【0087】少なくとも1種の有機重合体及び少なくと
も1種の無機化合物又は有機金属化合物を含有する固体
画分を有する液体前駆触媒組成物は圧縮流体と共に噴霧
される場合に、新規かつ有用な形態構造及び粒径を有す
る触媒、触媒担体、又は触媒前駆微粒を形成し得ること
も見出された。個々の微粒は、ミクロコロイド沈澱のよ
うな少なくとも1種の無機化合物又は有機金属化合物を
含有し高分子殻中に少なくとも部分的に囲まれている固
体ミクロ微粒の凝集体を包含する。ミクロ微粒の凝集に
より、多孔性の内部と部分的に開放された薄い外部高分
子殻とが供給され、反応物が内部に浸透し、しかも望ま
しい大きな粒径を形成することが可能となる。
【0088】例として、ヒュームドシリカ(fumed sili
ca) を含有するマグネシウムエチルカーボネート組成物
20%(重量)、固体アクリル重合体20%、エタノー
ル30%及びエチルアセテート30%を含有する前駆触
媒組成物を、液体混合物中における37%の二酸化炭素
と共に、60℃及び1800psigにおいて周囲空気中に
噴霧した。電子顕微鏡写真により、このようにして生成
した触媒担体微粒が、数種の固体ミクロ微粒の多孔質凝
集体であって、すべてがアクリル重合体の殻に部分的に
囲まれている沈澱マグネシウムヒドロカルビルカーボネ
ートを含有するものである前記多孔質凝集体を包含する
ことが示された。得られた粒度分布を図2の分布Bとし
て示す。図2においては分布Bを従来の分布Aと比較す
る。粒度分布Aは回転式噴霧器を使用するエタノール中
のマグネシウムエチルカーボネート組成物の熱噴霧乾燥
によって得られたものである。圧縮流体を使用して得ら
れた触媒担体の粒径は慣用の触媒担体の粒径よりも実質
的に大きいことが望ましい。減圧性スプレーは慣用の噴
霧乾燥によって得られる広い双峰分布でなく、より狭い
単峰粒度分布をも提供した。該慣用の噴霧乾燥は粒径が
10ミクロン未満の粒子の不当に大きい画分をも含有し
た。更にその上、慣用の噴霧乾燥は8%以下の低固体水
準及び乾燥室中の熱窒素雰囲気における100℃以上の
高温を必要とした。
【0089】本発明はまた液体水保持組成物を噴霧乾燥
することにより固体の微粒及び粉末を生成するためにも
使用することができる。該液体水保持組成物は下記すな
わち;(1)固体又は固体になることができ、噴霧され
ることができ、しかも減圧性スプレーとして噴霧される
場合に蒸発により固体微粒を形成することのできる不揮
発性物質画分;及び(2)少なくとも水を含有し、前記
水保持組成物が減圧性スプレーとして噴霧される場合に
固体微粒を形成することができるようにするのに十分に
揮発性であり、そのようにする量の水を含有する溶剤画
分を含有する。噴霧するためには水保持組成物を少なく
とも1種の圧縮流体と混合して閉鎖系内に液体混合物を
形成する。該圧縮流体は該液体混合物が噴霧される温度
及び圧力において超臨界流体であり、かつ前記液体混合
物が実質的減圧性スプレーを形成することができるよう
にする量において微細に分散された液体圧縮流体相とし
て該液体混合物中に実質的に存在する。該液体混合物は
約40℃以上、好ましくは約50℃以上、更に好ましく
は約55℃以上の温度、及び好ましくは約1200psig
以上、更に好ましくは約1400psig以上の圧力におい
て噴霧する。これにより、蒸発によって固体微粒を形成
するのに適し、好ましくは低い湿度水準を有する環境中
に該混合物をオリフィスを通して流入させることにより
実質的減圧性スプレーが生ずる。水は有機溶剤よりも、
より高い蒸発熱を有するので一般的により高い噴霧温度
を必要とする。水画分は少なくとも35重量%の水を含
有することが好ましい。また不揮発性物質画分はそれが
減圧性スプレーによって噴霧される場合に蒸発により固
体微粒を形成することができるのに十分に大きい水保持
組成物の画分でなければならない。該水保持組成物は溶
液又は分散液であることができる。固体画分は水分散性
重合体又は水溶性重合体である少なくとも1種の重合体
を含有することができる。該固体画分は洗剤組成物であ
ることもでき、あるいは少なくとも1種の他の水溶性有
機物質を含有することもでき、あるいは少なくとも1種
の水溶性無機化合物を含有することもできる。圧縮流体
は、該圧縮流体と混和性である、溶剤のような、少なく
とも1種の成分を含有する水保持組成物により、超臨界
温度及び超臨界圧力において液相を形成し得るようにな
ることが好ましい。1993年9月29日出願の同時係
属米国特許出願通番第128,880号明細書に開示され
ているように、十分量の微細に分散した液体圧縮流体相
を含有する水保持組成物は圧縮流体が水相中において有
意の溶解性を有しない場合に減圧性スプレーを形成する
ことができる。該水保持組成物が25℃の温度において
一般的に約2000センチポアズ以下、好ましくは約1
500センチポアズ以下、更に好ましくは約1000セ
ンチポアズ以下、最も好ましくは約700センチポアズ
以下の粘度を有する。しかし実質的減圧性スプレーが形
成されるならば、より高い粘度を使用することができ
る。水の蒸発速度を増加させるために実質的減圧性スプ
レーに少なくとも1種の気体の流れを使用して乱流混合
速度もしくはスプレー内の温度、又はそれらの両方を高
めることが好ましい。
【0090】溶剤保持組成物から固体微粒を形成するこ
とに関する前述の教示は、特に指摘がなければ、それが
適用可能な場合に、本発明の実施における水保持組成物
からの固体微粒の形成に関すると理解すべきであろう。
【0091】該減圧性スプレーは、スプレー中における
水の高められた蒸発速度の故に、慣用の水水準を有する
水保持塗料組成物からドライヤー塗料膜を施すのに使用
できることも見出された。噴霧される該水保持塗料組成
物は(1)該組成物が圧縮流体を使用せずに慣用的に噴
霧され得るようにする水水準を有し;(2)基体上にコ
ーティングを形成することができ;かつ(3)少なくと
も約35重量%の水を含有する溶剤画分も有する。噴霧
するためには、水保持塗料組成物を少なくとも1種の圧
縮流体と混合して、閉鎖系において液体混合物を形成す
る。ここに該圧縮流体は(1)微細に分散された液体圧
縮流体相として液体混合物中に実質的に存在し、そして
(2)該液体混合物を実質的減圧性スプレーを形成し得
るようにする量である。該液体混合物は、該混合物を水
の蒸発に適した環境にオリフィスを通して流入させ、次
いで基体に被覆を施すことにより、実質的減圧性スプレ
ーを与える温度及び圧力において噴霧される。該気体環
境は低い湿度水準を有することが好ましい。
【0092】予想外なことには、圧縮流体は水保持塗料
組成物中において殆ど溶解性を有しないことがあるにも
拘らず、液体混合物中において微細に分散された液体圧
縮流体相を使用することによりスプレーが、有意の圧縮
流体溶解度を有する無水組成物についての前述の態様に
類似する態様において、圧縮流体水準が増大するにつれ
て、又は温度が高まるにつれて液膜スプレーから減圧性
スプレーに転移するのである。好ましい圧縮流体は二酸
化炭素及びエタンである。
【0093】本明細書において使用される用語「水保持
塗料組成物」とは、保護被覆又は装飾被覆を形成するの
に使用される塗料組成物を包含するのみならず;基体上
に塗料を沈着させるために噴霧されることのできる接着
剤、はく離剤、潤滑剤、農業材料などをも包含するもの
と理解すべきである。本発明と共に使用することのでき
る水保持塗料組成物は典型的には、水分散性重合体又は
水溶性重合体であり、かつ基体上に被覆を形成すること
のできる少なくとも1種の重合体を含有する。使用する
ことのできる重合体は熱可塑性重合体、熱硬化性重合
体、架橋性膜形成系、二成分反応性重合体系、及びそれ
らの混合物を包含する。これらは圧縮流体を使用せずに
慣用的に噴霧される水保持塗料組成物に典型的に使用さ
れるものである。該重合体は固体重合体又は液体重合体
であることができ、かつ溶剤画分中に溶解、分散又はエ
マルション化していてもよい。
【0094】詳しくは該重合体はアクリル類、ポリエス
テル類、ポリビニルアセテートのようなポリビニル樹脂
類、アルキド類、ポリウレタン類、エポキシ類、フェノ
ール樹脂類、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロール及びニトロセルロ
ースのようなセルロース重合体類、尿素ホルムアルデヒ
ド及びメラミンホルムアルデヒドのようなアミノ重合体
類、ポリエチレングリコール類及びポリプロピレングリ
コール類、ポリアミド類、天然ゴム類及び天然樹脂類、
ケイ素含有重合体類などを包含する。
【0095】重合体のほかに、該組成物は水保持塗料に
典型的に使用される慣用の添加剤を含有することができ
る。例えば、顔料、顔料増量剤、うろこ状金属、充てん
剤、界面活性剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、増粘剤、あ
わ防止剤、融着剤、乾燥剤、紫外線吸収剤、殺生物剤、
pH緩衝剤、中和剤、架橋剤、可塑剤及びそれらの混合物
が、すべて使用することができる。
【0096】水のほかに該溶剤画分は1種又は2種以上
の有機溶剤を含有することができる。有機溶剤は重合体
及びその他の成分を可溶性にすること、レベリングのよ
うな適切な流れ特性を与えること、乾燥速度を調整する
こと、顔料の分散を促進することなど、のような種々の
機能を果たすことができる。一般的に好ましい有機溶剤
はアルコール類、グリコールエーテル類、アセトン、メ
チルエチルケトン及びそれらの類似物のように水溶性で
ある。これらの有機溶剤は水保持塗料処方物において典
型的に使用されている。エチレングリコールエーテル、
プロピレングリコールエーテルなどのようなカップリン
グ溶剤もまた使用することができる。所定の水保持塗料
組成物を形成するための特定の溶剤画分の選択はコーテ
ィング当業者に周知である。
【0097】水保持塗料組成物は、該組成物を圧縮流体
なしに噴霧するために使用される水の含量の好ましくは
少なくとも70%、更に好ましくは少なくとも80%、
なお一層好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは
少なくとも約95%を有する。
【0098】該水保持組成物は約25℃の温度におい
て、好ましくは約200センチポアズ未満、更に好まし
くは約150センチポアズ未満、なお一層好ましくは約
100センチポアズ未満、最も好ましくは約75センチ
ポアズ未満の粘度を有する。
【0099】水保持塗料組成物が圧縮流体を使用せずに
噴霧可能である慣用の噴霧方法はエアスプレー、大容量
低圧噴霧(HVLP)、エアレススプレー、空気補助エアレ
ススプレー及び回転式アトマイザーを包含する。
【0100】二酸化炭素が水に溶解する時、若干の二酸
化炭素がカルボン酸を形成し、これが系の酸性度を高
め、pHを下げる。それ故、二酸化炭素を圧縮流体とし
て、低pH 水準、特に酸性pH水準にに対して敏感な水保
持塗料組成物と共に使用する場合には液体混合物のpHを
調節して、二酸化炭素が該水保持組成物と混合される時
の重合体の沈澱を防止することが好ましい。pH緩衝剤を
使用することによりpHを調節することが好ましい。当業
者に公知であるように、pHを所望の水準に維持するため
に緩衝剤が水保持塗料組成物において通常に使用され
る。緩衝剤の一つの例は、pHを約10に調整する炭酸塩
/重炭酸塩緩衝剤である。pHはアンモニア、水酸化ナト
リウム、炭酸カルシウム及びその他の塩類のような、ア
ルカリ又はその他の塩基性物質の使用によって調節する
ことができる。
【0101】液体圧縮流体相は、圧縮流体が水保持塗料
組成物と混合される際に液体混合物を激しくかくはんす
るか、又は混合することにより液体混合物中に微細に分
散させることが好ましい。いかにして該物質類を混合す
るかということは、液体圧縮流体相が液体混合物に実質
的に微細に分散されるようになることを条件にして、本
発明の実施に対して臨界的ではない。静電式ミキサー又
は動力式ミキサーを使用することができる。本発明の実
施において、微細に分散された液体圧縮流体相を液体混
合物中に形成し、維持することは、圧縮流体に対して分
散剤、乳化剤又は安定剤を使用することにより促進する
ことができる。一般的に上記の作用剤類は、多少の安定
性を有する水中の炭化水素のような不混和性液体混合物
を生成するのに使用されるテルギトール(TERGITOL)(商
標)非イオン界面活性剤NP−10のような界面活性剤
物質である(Martens, Charles R, Water-Borne Coating
s,Van Nostrand Reinhold, New York, 1981)。これらの
薬品類は界面張力を減少させることにより、混合の容易
さを促進する。一般的に界面活性剤は、親水性末端及び
親油性末端を有する長鎖分子を包含する。上記のような
界面活性剤物質は、当業者に公知であるように、分散さ
れた重合体を含有する水保持塗料組成物に普通に使用さ
れる。上記のような物質は液体圧縮流体相の分散液を形
成し、維持することを助成することもできる。ここに該
分散液は典型的には炭化水素物質に類似する性質を有す
るものである。ビヒクルを基準にして5%又はそれ以上
のように多量の固体重量を必要とする場合がある。
【0102】液体混合物に使用される圧縮流体の量は液
体圧縮流体相が液体混合物中において実質的に微細に分
散されたままで残り、かつ適当な微細噴霧を生ずるよう
な量であるべきである。もしも圧縮流体の量が過度に多
ければ液体圧縮流体の所望以上に大きい凝集体が液体混
合物中に生ずることがあり、該過大量の圧縮流体は均一
分散液として維持することがより一層困難となる。それ
故、液体混合物中に存在する圧縮流体の量は好ましくは
約40重量%未満、更に好ましくは約35重量%未満、
なお一層好ましくは約30重量%未満、最も好ましくは
約25重量%未満である。しかしより多量を使用するこ
ともできる。液体混合物中に存在する圧縮流体の量は、
少なくとも液体混合物が実質的減圧性スプレーを形成す
ることのできるようにさせる量であるべきである。該必
要量は水保持塗料組成物の粘度及び流動学的性質に関係
する。該液体混合物は好ましくは少なくとも約4%、更
に好ましくは少なくとも約6%、更に好ましくは少なく
とも約10%、最も好ましくは少なくとも約15%の圧
縮流体を含有する。
【0103】噴霧圧力は好ましくは約3000psi 以
下、更に好ましくは約2000psi 以下である。しか
し、より高い圧力を使用することができる。該噴霧圧力
は圧縮流体の臨界圧力の好ましくは約50%以上、更に
好ましくは臨界圧力の約75%以上、そして最も好まし
くは臨界圧力以上である。該圧力は圧縮流体が液相を形
成することができるのに十分に高いことが好ましい。
【0104】液体混合物の噴霧温度は、好ましくは約1
50℃以下、更に好ましくは約100℃以下、そして最
も好ましくは約80℃以下である。水の蒸発速度を高め
るためには噴霧温度は、好ましくは約25℃以上、更に
好ましくは約30℃以上、なお一層好ましくは約40℃
以上、そして最も好ましくは約50℃以上である。
【0105】液体混合物は、圧縮流体が超臨界流体であ
る温度及び圧力において噴霧することが好ましい。圧縮
流体は、該圧縮流体と混和性である溶剤のような、少な
くとも1種の成分を含有する水保持組成物により、超臨
界温度及び超臨界圧力において液相を形成し得るように
されることが好ましい。
【0106】水保持塗料組成物は、該水保持塗料組成物
から圧縮流体に抽出され、それにより該圧縮流体が超臨
界温度及び超臨界圧力において液体圧縮流体相を形成し
得るようにすることのできる、少なくとも1種の有機溶
剤を含有することが好ましい。液体圧縮流体相を形成す
るためには、有機溶剤の一部のみ、一般的には小部分の
みが水保持塗料組成物から抽出される必要があると思わ
れる。
【0107】又は上記の代わりに、液体混合物は更に少
なくとも1種の有機溶剤を含有することができ、ここに
該有機溶剤は、水保持塗料組成物と不混和性であり;加
圧下において圧縮流体と少なくとも部分的に混和性であ
り;かつ少なくとも、圧縮流体が超臨界温度及び超臨界
圧力において液体圧縮流体相を形成することができるよ
うにする量において存在するものである。このことは水
保持塗料組成物が抽出可能な有機溶剤を含有しない場
合、又はそのような溶剤を不十分な量において含有する
場合に望ましいことである。そのことは水分散性重合体
を含有する水保持塗料組成物を噴霧するのに特に有益で
ある。このような不溶性有機溶剤は典型的にはペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、トルエ
ン、キシレン及びそれらの類似物のような炭化水素溶剤
であり、枝分れ炭化水素及び芳香族炭化水素を包含す
る。しかし他の不溶性溶剤も使用することができる。該
不溶性溶剤は比較的に高い相対蒸発速度、好ましくはペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエンなどのように約
100(ブチルアセテートRER=100)以上の相対蒸
発速度を有し、そのため噴霧中に溶剤が容易に蒸発する
ことが好ましい。該不溶性有機溶剤は有機溶剤の排気を
最小化するように、噴霧に対して十分量の液体圧縮流体
相を与える最小量で使用すべきである。一般的に不溶性
有機溶剤の量は水保持塗料組成物と不溶性有機溶剤との
合計重量の約2%と約25%との間であり、好ましくは
約4%と約20%との間、更に好ましくは約5%と約1
5%との間である。
【0108】また前述の特性を有する伸長されたオリフ
ィス通路を使用して液体混合物を噴霧することができ
る。
【0109】液体スプレー小滴が生成され、これは一般
的に1ミクロン又はそれ以上の平均直径を有する。該小
滴は好ましくは約5ないし約150ミクロン、更に好ま
しくは約10ないし約100ミクロン、なお一層好まし
くは約15ないし約70ミクロン、そして最も好ましく
は約20ないし約50ミクロンの平均直径を有する。
【0110】水保持塗料組成物が噴霧される環境は厳密
に臨界的ではない。液体混合物は大気圧又はその付近の
圧力の状態下に空気中に噴霧されることが好ましい。他
の気体環境もまた使用することができる。基体上に望ま
しいコーティング形態を生成させるためには相対湿度は
液体スプレーからの水の十分な蒸発を可能とするもので
あるべきである。それ故、過度に高い相対湿度は避ける
べきであり、低い相対湿度が好ましい。
【0111】圧縮流体を含有する液体スプレー混合物は
前述の特許明細書に開示されている噴霧装置又は他の装
置のいずれかによって噴霧用に調製することができる。
塗料の吹きつけ塗装用の塗料組成物を二酸化炭素のよう
な圧縮流体と調和させ、混合し、加熱し、そして加圧す
るためには噴霧装置はノルドソン社(Nordson Corporat
ion)製のUNICARB (商標)System Supply Unitでもよ
い。
【0112】本発明の好ましい形態について記述したけ
れど、それら示された方法及び装置と異なる方法及び装
置を、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく使用す
ることができるということは当業者に明らかである。
【0113】実施例1 固体のイーストマンケミカルセルロースエステル(East
man Chemical Cellulose Ester) CAB−381−0.1
を圧縮二酸化炭素流体と共に噴霧するための異なる溶剤
中に溶解することにより、セルロースアセテートブチレ
ート重合体を含有する液体高分子組成物を製造した。該
重合体は45,260(Mw)及び19,630(Mn)の分子
量を有した。
【0114】該組成物及び二酸化炭素を混合し、次いで
米国特許第5,105,843号明細書の図2に開示されて
いる装置を使用して連続基体上に噴霧した。シリンダー
からの二酸化炭素をポンプ輸送し、噴霧圧力を調節し、
次いで質量流量計によりチェックバルブを通って混合点
に供給される二酸化炭素の質量流量を測定した。該組成
物をタンクからポンプ輸送し、次いで精密ギアポンプで
計量した。チェックバルブを通して混合点に引き出され
る量をギアメーターで測定した。質量流量計からの信号
によりギアポンプの速度を調節して該組成物と二酸化炭
素との所望割合を自動的に生ぜしめた。ギアメーターか
らのフィードバック信号により測定速度を調整してポン
プの非効率を補正した。該組成物と二酸化炭素との液体
混合物を静電ミキサーにおいて混合し、次いで再循環液
体混合物と混合した。循環ループには静電ミキサー、ピ
ストン型蓄圧器、二個の加熱器、フィルター、のぞきガ
ラス、スプレーガン、及び循環ポンプが備えられてい
た。スプレーチップ♯123007と共にノルドソン
(Nordson)SCF−1自動スプレーガンを使用した。該
スプレーガンは9ミルのオリフィス寸法及び10インチ
のファン幅の等級を有した。
【0115】第一の組成物は70%のメチルエチルケト
ン中に溶解した30%の重合体(重量による)を含有し
た。平均相対蒸発速度(RER) は631であった。4
5〜46%の二酸化炭素、50℃の噴霧温度及び180
0psig(ゲージ)の噴霧圧力を有するスプレー混合物は
透明なスプレー溶液、及び12〜14インチの幅を有す
る放物線状減圧性スプレーを提供した。試験用パネルに
噴霧して、スプレーチップから12インチの距離の付近
においてスプレーフードの周囲空気(約25℃)中にお
けるスプレーパターンの全体にわたって乾燥粉末が生成
されたのが示された。60℃の噴霧温度においては9イ
ンチ付近において乾燥粉末が生成された。噴霧乾燥され
た粉末を採集した。
【0116】第二の組成物は40%の重合体と60%の
メチルエチルケトンとを含有した。50℃及び1600
psigにおける約45%の二酸化炭素とのスプレー混合物
は二相混合物及び減圧性スプレーを生じ、そして12イ
ンチの距離の付近において乾燥粉末を生成した。60℃
において噴霧しても12インチ付近において乾燥粉末を
生成した。噴霧乾燥した粉末を採取してマルバーン(Ma
lvern)(商標)乾燥粒子整粒器により測定した。該粉末
は24ミクロンの平均粒径とわずかに12%(容量)の
10ミクロン以下の粒径の粒子及びわずかに10%の5
5ミクロン以上の粒径の粒子を有する狭い分布とを有し
た。スプレーチップにプレオリフィス(♯13834
4)を使用して9インチ付近において乾燥粉末を生成
し、これを採集した。
【0117】第三の組成物は30%の重合体と70%の
ブチルアセテートとを含有した。平均RERは100で
あった。60℃及び1600psigにおける49%の二酸
化炭素とのスプレー混合物は透明な溶液及び減圧性スプ
レーを生成した。18インチ付近のスプレーパターン全
体にわたって乾燥粉末が生成した。71℃(溶解限度)
において噴霧することにより12インチ付近に乾燥粉末
が生成した。噴霧乾燥された粉末を採集した。
【0118】第四の組成物は30%の重合体と、35%
のメチルエチルケトンと、35%のメチルアミルケトン
とを含有した。平均RERは75であった。50℃及び
1600psigにおける約30%の二酸化炭素とのスプレ
ー混合物は液体のままで残留する角液膜スプレーを生成
し、乾燥粉末を生成しなかった。50%の二酸化炭素を
使用して透明な溶液及び減圧性スプレーを生成し、50
℃及び60℃の両方において、18インチの付近におい
て乾燥粉末を生成した。比較のために該組成物を二酸化
炭素を使用せずに60℃において上記と同様にして噴霧
した。これにより液体のままで残る角液膜スプレーを生
成し、乾燥粉末を生成しなかった。もう一つの比較のた
めのエアスプレーガンの使用を試みたけれど、噴霧する
には粘度(780センチポアズ)が高過ぎた。
【0119】第五の組成物は30%の重合体と70%の
メチルアミルケトンとを含有した。平均RERは40で
あった。約55%の二酸化炭素とのスプレー混合物を7
0℃までの温度及び1600psigまでの圧力において噴
霧した。それらのすべてが、液体のままで残る減圧性ス
プレーを生じ、乾燥粉末を生成しなかった。
【0120】第六の組成物は25%の重合体と、23%
のメチルエチルケトンと、35%のメチルアミルケトン
と17%のブチルセロソルブ(CELLOSOLVE)(商標)ア
セテートとを含有した。平均RERは12であった。6
0℃及び1600psigにおける約36%の二酸化炭素と
のスプレー混合物は液体のままで残る減圧性スプレーを
生じ、乾燥粉末を生成しなかった。
【0121】実施例2 固体ロームアンドハースアクリロイド(Rohm & Haas Ac
ryloid) (商標)B−66を異なる溶剤に溶解させるこ
とにより、アクリル重合体を含有する液体高分子組成物
を製造した。該重合体は45,290(Mw)及び24,75
0(Mn)の分子量を有した。
【0122】第一の組成物は40%の重合体と60%の
アセトンとを含有した。平均RERは1440であっ
た。チップ♯123007及びプレオリフィスと共にノ
ルドソン(Nordson) SCF−1スプレーガンを使用した。
60℃及び1800psigにおける35%の二酸化炭素と
のスプレー混合物は、液体のままで残る魚尾状液膜スプ
レーを生じた。43%の二酸化炭素を使用して透明な溶
液(溶解限度)及び減圧性スプレーを生成し、そして1
2インチの距離付近の周囲空気中に、乾燥粉末を生成
し、これを採集した。
【0123】第二の組成物は30%の重合体と70%の
アセトンとを含有した。60℃及び1800psigにおけ
る40%の二酸化炭素とのスプレー混合物は転移スプレ
ー(transition spary) を生じた。45%の二酸化炭素
を使用して透明な溶液及び減圧性スプレーを生成し、次
いで噴霧乾燥された粉末を採集した。比較のために、二
酸化炭素を使用せずに同様な方法で該組成物を噴霧し
た。このエアレススプレーは湿潤クモ糸繊維を生成す
る、液膜スプレーを生じさせ、乾燥粉末を生成しなかっ
た。もう一つの比較として、典型的な空気スプレー粘度
93センチポアズを有する重合体とアセトンとの組成物
を、エアスプレーガンを使用して噴霧した。このエアス
プレーもまたクモ糸繊維を生成し、粉末を生成しなかっ
た。
【0124】第三の組成物は30%の重合体と70%の
メチルエチルケトンとを含有した。平均RERは631
であった。まずチップ♯123007を使用し、プレオ
リフィスを使用せずに、ノルドソン SCF−1スプレーガ
ンを使用した。60℃及び1600psigにおける42.5
%の二酸化炭素とのスプレー混合物は透明な溶液及び減
圧性スプレーを生成し、そして12インチ付近に乾燥粉
末を生成した。噴霧乾燥された粉末を採集し、粒径を測
定した。該粉末は21ミクロンの平均粒径と、粒子のわ
ずかに11%(容量)が粒径10ミクロン以下であり、
わずかに10%が粒径36ミクロン以上である狭い粒度
分布とを有した。比較のため、該組成物を二酸化炭素を
使用せずに同一方法で噴霧した。これは湿潤クモ糸繊維
を生成する角液膜スプレーを生じ、乾燥粉末を生成しな
かった。もう一つの比較として、重合体とメチルエチル
ケトンとの、94センチポアズの典型的エアスプレー粘
度を有する組成物をエアスプレーガンを使用して噴霧し
た。このエアスプレーもまた大きなクモ糸繊維を生成
し、粉末を生成しなかった。次に、9ミルのオリフィス
を有するグラコ(Graco)AA3000空気補助エアレス
スプレーガンをスプレーチップ♯163−309と共に
使用した。60℃及び1600psigにおける42.5%の
二酸化炭素とのスプレー混合物は補助空気を使用しない
場合に透明な溶液及び減圧性スプレーを生じ、そして1
2インチよりも大きい距離において乾燥粉末を生成し
た。20psigの霧化補助空気を使用し、付形空気を使用
しない場合には12インチ未満の距離において乾燥粉末
を生成した(スプレーパターン全体にわたって)。それ
故、周囲空気のスプレー内部への乱流混合を増加させる
と蒸発速度が増加した。補助空気を30℃及び40℃に
加熱すると12インチよりも大きい距離において乾燥粉
末が得られ、50℃及び60℃に加熱すると12インチ
未満の距離において乾燥粉末が得られた。補助空気を一
定の空気圧力下に加熱すると、密度が低下するので空気
の質量流量が減少した。しかし、より高い温度において
は揮発性が増加した。23℃、30℃及び40℃の各温
度における40psigの空気を使用する場合には12イン
チ未満の距離において乾燥粉末が生成し、50℃及び6
0℃においては、それぞれ10インチ未満及び8インチ
の距離において乾燥粉末を生成した。それぞれの条件下
に噴霧乾燥された粉末を採集した。
【0125】第四の組成物は30%の重合体と70%の
メチルプロピルケトンとを含有した。平均RERは26
9であった。ノルドソンSCF−1スプレーガンをチッ
プ♯123007と共に使用した。60℃及び1800
psigにおける42%の二酸化炭素とのスプレー混合物は
透明な溶液と減圧性スプレーとを生じた。プレオリフィ
スを使用した場合には18インチ未満の距離において乾
燥粉末を生成した。プレオリフィスを使用しない場合に
は18インチ以上の距離において乾燥粉末を生成した。
噴霧乾燥された粉末をそれぞれ採集した。
【0126】第五の組成物は30%の重合体と70%の
ブチルアセテートとを含有した。平均RERは100で
あった。グラコスプレーガンをチップ♯163−309
と共に使用した。60℃及び1600psigにおける4
3.5%の二酸化炭素とのスプレー混合物は、補助空気を
使用せず、20psig及び40psigの各圧力ならびに23
℃、30℃、40℃及び50℃の各温度における霧化空
気を使用して、透明な溶液及び減圧性スプレーを生じ、
24インチよりも大きい距離において乾燥粉末を生成し
た。それぞれの場合に、噴霧乾燥された粉末を採集し
た。
【0127】第六の組成物は40%の重合体と60%の
ブチルアセテートとを含有した。60℃及び1600ps
igにおける44%の二酸化炭素とのスプレー混合物は二
相スプレー混合物及び減圧性スプレーを生成した。最初
にグラコスプレーガン及びチップ♯163−309を使
用した。この場合、補助空気は使用せず、20psig及び
40psigの各圧力ならびに23℃、30℃、40℃及び
50℃の各温度における霧化空気を使用した。次に、ス
プレーから1インチの距離で、かつスプレーの中心線の
1インチ上方及び下方におけるスプレーファンの各側面
上に二つの出口を具えて設置された4本の1/4 インチ銅
管により液滴同伴空気をスプレーに適用せずに、及び適
用して、ノルドソン スプレーガンをスプレーチップ♯
123007及びプレオリフィスと共に使用した。空気
を20psig及び40psigの各圧力ならびに22℃、30
℃、40℃、50℃及び60℃の各温度において使用し
た。24インチよりも大きい距離において乾燥粉末が生
成され、それぞれの場合に噴霧乾燥された噴霧を採集し
た。比較のために、同一の温度及び圧力下に、プレオリ
フィスを使用した場合と使用しない場合の両方におい
て、ノルドソン スプレーガンを使用することにより該
組成物を二酸化炭素を使用せずに噴霧した。この場合、
湿潤した糸状物質を生成する重質のサイドジェット(si
de jets)と、液体のままで残り、乾燥粉末を生成しない
重質の中心ジェット(center jet) とを伴った角形液膜
スプレーが生じた。
【0128】第七の組成物は35%の重合体と65%の
メチルアミルケトンとを含有した。平均RERは40で
あった。60℃及び70℃の各温度ならびに1600ps
igにおける42%の二酸化炭素とのスプレー混合物は透
明な溶液と、液のままで残り、乾燥粉末を生成しない減
圧性スプレーとを生じた。44%のアクリル重合体と5
6%のメチルアミルケトンとを使用して同一の結果が得
られた。
【0129】実施例3 固体S. C. Johnson Polymer SCX-817 を種々の溶剤に溶
解させることによってアクリル粉末塗料重合体を含有す
る液体前駆塗料粉末組成物を製造した。該重合体のガラ
ス転移温度は68℃であり、軟化点は120℃であっ
た。
【0130】該組成物と二酸化炭素とを、フィルターを
使用せず、1個のヒーターと共に前記実施例1に記載の
装置を使用することにより、バッチ基準で混合した。循
環ループ(circulation loop) をスプレー混合物で満た
し、供給物質を遮断し、そして蓄圧器への窒素を調節す
ることにより圧力を維持した。スプレーチップ♯123
006と共に、9ミルのオリフィス及び8インチのファ
ン幅の定格を有するノルドソンSCF−1のスプレーガ
ンを使用した。
【0131】第一の組成物は50%のSCX−817と
25%のメチルエチルケトンと25%のブチルアセテー
トとを含有した。平均RERは173であった。最初は
プレオリフィスを使用しなかった。60℃及び1800
psigにおける、20%の二酸化炭素とのスプレー混合物
は液膜スプレーを生じた。25%の二酸化炭素を使用し
た場合には透明な溶液(溶解限度)と可視液膜のない角
形スプレーとが得られた。温度を70℃に、圧力を20
50psigに高めると転移スプレー(transitionspray)
が得られた。プレオリフィスを使用した場合には、スプ
レーチップから18インチ未満の距離における周囲空気
中に乾燥粉末を生成(スプレーパターン全体にわたっ
て)する減圧性スプレーを生じた。噴霧乾燥された粉末
を採集した。
【0132】第2の組成物は45.0%のSCX−817
と、21.5%のメチルエチルケトンと21.5%のブチル
アセテートと12.0%のアセトンとを含有した。平均R
ERは214であった。プレオリフィスを使用した場合
には60℃及び1800psigにおける23.7%の二酸化
炭素とのスプレー混合物は単相溶液と液体のままで残る
液膜スプレーとを生じ、噴霧乾燥された粉末は、得られ
なかった。温度を70℃に、圧力を2050psigに高め
ると転移スプレーが得られた。26.5%の二酸化炭素を
使用した場合には十分に分散し2相混合物と12インチ
の距離の付近に乾燥粉末を生ずる減圧性スプレーとが得
られた。スプレーチップから8〜10インチの距離にお
けるスプレーにホットエアガンを向けることにより加熱
空気を局部的に使用した。両方の場合に噴霧乾燥された
粉末を採集した。
【0133】第三の組成物は45.0%のSCX−817
と、31.4%のアセトンと、15.3%のメチルエチルケ
トンと8.3%のブチルアセテートとを含有した。平均R
ERは426であった。プレオリフィスを使用した場合
には、60℃及び1600psigにおける31%の二酸化
炭素とのスプレー混合物は十分に分散された2相混合物
と狭い放物線状の減圧性スプレーとを生成した。乾燥粉
末が24インチよりも大きい距離において形成され、次
いで噴霧乾燥された粉末を採集した。次いで40psig及
び21℃における液滴同伴空気を前記実施例2に記載の
管形分配器によりスプレーに使用した。これによりスプ
レーの形状も幅も変化しなかったけれど、空気のスプレ
ー内部への乱流混合が増加した。18インチ未満の距離
において、いまや乾燥粉末が生成され(スプレーパター
ン全体にわたって)、より大きな乱流混合により蒸発速
度が増加した。次に、液滴同伴空気を60℃に加熱し
た。加熱空気の質量流量は、より低い密度に起因してよ
り低く、その結果、混合状態は一層強度が低下し、そし
て蒸発速度はより高い空気温度にも拘らず、明らかには
変化しなかった。
【0134】実施例4 25%の固体のユニオンカーバイドポリマー(Union Ca
rbide Polymer)VYHHを75%のアセトンに溶解すること
により、ポリ(ビニルクロリド−ビニルアセテート)共
重合体を含有する液体高分子組成物を製造した。該組成
物を10リットルのかくはん機付高圧加熱オートクレー
ブに入れ、次いで噴霧圧力を調節するハスケル(Haske
l) ポンプにより二酸化炭素を秤量済みシリンダーから
20%の水準にまで添加した。該スプレー混合物を該オ
ートクレーブの底部から加熱高圧ホースを通して、ビン
クス(Binks) スプレーチップ♯9−0970を備えたグ
ラコ(Graco)手動式エアレススプレーガンに流した。ス
プレーガンにおける熱電対によりスプレー温度が50℃
と測定された。500psigの圧力により、可視の液膜及
び側方噴射(side jet) を有する液膜スプレーが得られ
た。該スプレーは液体のままで残り、噴霧乾燥された重
合体を生成しなかった。圧力を700psigに高めること
により、溶解二酸化炭素の濃度が増大し、液膜を有さ
ず、かつ側方噴射を有しない転移近似減圧性スプレー
(transitional nearly decompressive spray)が得られ
た。該転移近似減圧性スプレーは噴霧乾燥された重合体
を周囲空気中に生成し、この重合体をスプレーチップか
ら約24インチの距離において採取した。
【0135】実施例5 本実施例においては、まずオレフィン接触反応用の触媒
担体の製造に使用されるマグネシウムエチルカーボネー
トの製造について記載する。次いで慣用の熱噴霧乾燥に
使用される組成物を、二酸化炭素と共に噴霧するのに使
用される組成物と比較する。
【0136】下記の実験手順(工程1)をマグネシウム
エトキシドの炭酸化(carbonation)に使用して貯蔵液を
調製した。マグネシウムエトキシド150kg及びエタノ
ール532kgを1900リットルのガラスライニングし
た反応器(タービンかくはん機付)に窒素雰囲気下(<
10ppmvの水)に添加した。反応器の内容物質を約50
rpm において連続的にかくはんし、この間に二酸化炭素
を、その116kgが供給されるまで約20〜25kg/時
の速度で該混合物を通して連続的に泡立て通気させた。
炭酸化反応の期間中、反応器ジャケットの温度を35℃
以下に保った。二酸化炭素の添加が結果から生じた発熱
により該混合物の温度は約60分間にわたり約5〜10
度上昇した。追加の二酸化炭素を添加して、所望の化学
量論量を達成させた。最後にマグネシウムエトキシドは
エタノール中に完全に溶解して、二酸化炭素雰囲気下に
透明な粘稠溶液を形成した。過剰の二酸化炭素を発散排
出し、次いで該混合物を分析してマグネシウム4.03重
量%であった。この混合物は、その後の不活性充てん剤
の希釈及び添加のための貯蔵液として使用した。
【0137】下記は本発明によらない比較例であり、触
媒担体を形成するためのマグネシウムエチルカーボネー
トの慣用の熱噴霧乾燥について記載する。0.1ミクロン
から1ミクロンまでの範囲の粒径を有するヒュームドシ
リカ(Cabot Corporation 製のCAB-O-SIR(商標)TS-610)
の十分量を上記(工程1)において製造された貯蔵液に
添加した。この時間中及びその後の数時間にわたり、タ
ービンかくはん機により該混合物をかきまぜて、シリカ
を液中に完全に分散させた。混合物の温度は、この期間
全体にわたり30℃に保ち、すべての時間において窒素
雰囲気(<5ppm の水)を維持した。供給物質の所望の
マグネシウム含量を達成する必要に応じて追加のエタノ
ールを添加した。得られたスラリーを回転式アトマイザ
ーを具えた直径8フィートの密閉サイクル式スプレード
ライヤーを使用することにより噴霧乾燥した。該アトマ
イザーの速度を調整して広範囲の粒径を有する粒子を生
成することができた。スプレードライヤーのスクラバー
部分はほぼ−4℃に保った。窒素ガスを、入口温度10
0〜140℃においてスプレードライヤーに導入し、ほ
ぼ1700kg/時の速度で循環させた。マグネシウムエ
チルカーボネート/ヒュームドシリカのスラリーを約3
5℃の温度及びほぼ70〜100℃の出口ガス温度を生
ずるのに十分な速度においてスプレードライヤーに供給
した。噴霧圧力は僅かに大気圧以上であった。噴霧乾燥
温度において若干の部分的脱炭酸が起きることに注意す
べきである。熱重量分析により、約80℃のように低い
温度において固体試料からの二酸化炭素のロスが始まる
ことが示された。しかしながら脱炭酸は、これらの条件
下においては部分的のみであった。
【0138】下記はマグネシウムエチルカーボネート組
成物を圧縮二酸化炭素と共に噴霧するに当たって本発明
と共に使用するために製造される組成物を記述するもの
である。一つの場合においては、該組成物を製造するた
めにシリカ充てん剤のスラリーとマグネシウムエチルカ
ーボネートのエタノール溶液とを使用した。第二の場合
においては、熱噴霧乾燥した粒子をエタノールに再溶解
した。この場合には二酸化炭素に露出された際に顕著な
ガスの取込み(uptake)があった。第三の場合において
は、マグネシウムエトキシドをエタノール中にスラリー
化し、噴霧の準備に当たって二酸化炭素と混合するため
の装置に添加し、次いでその場で二酸化炭素により炭酸
化した。すべての場合においてアルコール/超臨界二酸
化炭素混合溶液中において、純エタノール中において可
能であったよりも、有意に低い溶液粘度における有意に
より高いマグネシウム含量を60℃以下において得るこ
とができた。
【0139】実施例6 マグネシウムエチルカーボネートのエタノール溶液とヒ
ュームドシリカのエタノール分散液とを含有する液体前
駆触媒組成物を前記実施例5に記載の手順により製造し
た。平均RERは330であった。前記実施例3の装置
及びスプレーガンを使用し、この場合スプレーチップ♯
123007を使用し、プレオリフィスは使用しなかっ
た。
【0140】第一の組成物は40%(重量)の固体水準
を有した。60℃及び1800psigにおける10%の二
酸化炭素とのスプレー混合物は、液体のままで残る角形
液膜スプレーを生成し、噴霧乾燥された物質を生成しな
かった。二酸化炭素の濃度を連続的に高めつつ噴霧する
ことにより、スプレーは放物線状減圧性スプレーに転移
し、スプレーチップから14インチ未満の距離の周囲空
気(およそ25℃)中に乾燥触媒担体粉末を生成した
(スプレーパターン全体にわたって)。
【0141】第二の組成物は50%の固体水準を有し
た。30℃及び1800psigにおける30%の二酸化炭
素とのスプレー混合物は、液体のままで残る角形液膜ス
プレーを生じ、噴霧乾燥された物質を生成しなかった。
温度を40℃に上げた場合には転移スプレーが得られ
た。温度を50℃に上げた場合には幅約14インチの放
物線状減圧性スプレーが得られ、これは16インチ未満
の距離における周囲空気中に乾燥粉末を生成した。二酸
化炭素は充分に溶解した。温度を60℃に上げた場合に
は12インチ未満の距離において乾燥粉末を生成する類
似のスプレーが得られた。噴霧乾燥された触媒担体粉末
を両方の温度において採集し、窒素下に貯蔵した。
【0142】次いで第二の組成物を圧縮エタン流体を使
用することにより噴霧した。60℃及び1800psigに
おける10%のエタンとのスプレー混合物は、液体のま
まで残る角形液膜スプレーを生じ、噴霧乾燥された物質
を生成しなかった。エタン濃度を14.7%に高めた場合
は12インチ未満の距離における周囲空気中に乾燥粉末
を生成する放物線状減圧性スプレーを生じた。エタンは
すべて溶解した。噴霧乾燥された触媒担体粉末を採集
し、窒素下に貯蔵した。次いでクロスカット(Cross-Cu
t)(商標)チップ♯711354を有するノルドソン
(Nordson)A7A エアレススプレーガンを同一条件下に使
用して噴霧乾燥された触媒担体粉末を生成した。
【0143】対照的に、触媒担体を加熱噴霧室中におい
て回転式アトマイザーにより慣用的に噴霧乾燥する。こ
れには物質を微細噴霧するために約8%以下の非常に低
い固体水準が必要とされる。またそれにはエタノールを
完全に蒸発させるために、加熱された噴霧室を必要とす
る。しかしながら該物質は熱に敏感であるので噴霧温度
及び乾燥温度を大いに低下させることが好ましい。
【0144】実施例7 液体前駆触媒組成物は20%の固体マグネシウムエチル
カーボネート/ヒュームドシリカ(前記実施例5に記載
のようにして製造)、20%の固体アクリロイド(Acry
loid)(商標)B−66アクリル重合体、30%のエタノ
ール及び30%のエチルアセテートを含有した。平均R
ERは153であった。前記実施例3に記載の装置及び
スプレーガンを使用した。この場合スプレーチップ♯1
23007を使用し、プレオリフィスは使用しなかっ
た。60℃及び1800psigにおいて、30%、33%
及び37%の二酸化炭素との各スプレー混合物はそれぞ
れ転移スプレー、近似減圧性スプレー及び減圧性スプレ
ーを生じた。二酸化炭素はすべて溶解した。減圧性スプ
レーからの噴霧乾燥された触媒担体粉末を採集し、窒素
下に貯蔵した。該粉末は113ミクロンの平均粒径と慣
用的に噴霧された触媒と比較して狭い粒度分布とを有
し、流動反応器用に望ましいものであった。電子顕微鏡
写真により該触媒粒子は、薄いうろこ状重合体殻に包ま
れた固体ミクロ微粒の小さな多孔質凝集体より成る、独
特の粒子構造を有することが示された。
【0145】実施例8 本実施例は、ポリオレフィン接触反応用の触媒担体を製
造するために、二酸化炭素とともに噴霧される液体前駆
触媒組成物中に使用することのできる塩化マグネシウム
の固体水準について、及び該水準と慣用の熱噴霧乾燥に
おいて使用される、より低い水準との比較方法について
記載する。
【0146】テトラヒドロフラン(THF)中における
塩化マグネシウムの0.6M透明溶液を超臨界二酸化炭素
と室温において混合し、該溶液の溶解挙動をガラス製の
ポート(出入口)を通して監視した。該透明溶液は60
℃において曇ってきたけれど十分にコロイド状及び非粘
性を維持し、そのためその温度において噴霧を容易に行
うことができた。これとは対照的に、80〜110℃に
おけるTHF中の0.6M溶液/スラリーの熱噴霧乾燥
は、受け入れることのできない量のチップ(屑)及び凝
集体を生成し、沈澱なしに熱噴霧乾燥するためには塩化
マグネシウム含量を約0.4Mに減少させる必要がある。
本発明方法により超臨界二酸化炭素を使用して噴霧すれ
ば、この場合固体水準の50%の増加が許容される。
【0147】実施例9 液体水保持高分子組成物は、固体ポリエチレングリコー
ル(分子量8000)であるUnion Carbode CARBOWAX
(商標) PEG-8000を57.50%、水を20.00%、アセ
トンを11.25%、メチルエチルケトンを11.25%含
有した。平均RERは159であった。前記実施例3に
記載の装置及びスプレーをチップ♯123007及びプ
レオリフィスと共に使用した。40℃及び1600psig
における10%の二酸化炭素とのスプレー混合物は狭い
放物線状の減圧性スプレーを生成するのに微細に分散さ
れた液体二酸化炭素相を生じた。該スプレーは12イン
チの距離において試験用のパネル上に湿潤した膜を、そ
して24インチの距離において粘着性の粒子の層を生成
させた。50℃において該スプレーは、12インチの距
離において粘着性の粒子の層を沈着させた。60℃で噴
霧した場合には24インチ以上の距離において周囲空気
中に乾燥粉末が生成し、噴霧乾燥された粉末を採集し
た。次いで前記実施例2に記載の管形分配器から液滴同
伴空気をスプレーに供給した。20psigにおける加熱空
気は24インチ以上(20℃及び30℃)、18インチ
(40℃及び50℃)、及び12インチ(60℃)の各
距離において乾燥粉末を生成した(スプレーパターン全
体にわたって)。40psigにおける加熱空気は24イン
チ以上(21℃)、24インチ(30℃)、18インチ
(40℃)、15インチ(50℃)及び12インチ(6
0℃)の各距離において乾燥粉末を生成した。噴霧乾燥
された粉末を各条件下において採集した。
【0148】実施例10 液体高分子組成物は固体アクリル重合体を含有する水保
持エマルション重合体系であった。少量のヘキサンとの
混合物を、エタンと共に噴霧するのに使用した。ヘキサ
ンは水に溶解しないので平均RERは83であった。
【0149】前記実施例3に記載の装置及びスプレーガ
ンをスプレーチップ♯123007及びプレオリフィス
と共に使用した。前記実施例2に記載の管形分配器を使
用し、40psig及び60℃の加熱空気をスプレーに供給
して蒸発速度を増大させた。65℃及び1600psigに
おける約20%のエタンとのスプレー混合物は、狭い放
物線状減圧性スプレーを生成する微細に分散された液体
エタン相を生じさせた。スプレーチップから24インチ
の距離付近において乾燥粉末が生成された(スプレーパ
ターン全体にわたって)。
【0150】実施例11 CARBOWAX(商標)塗料を生成する水保持塗料組成物を、
水溶性固体重合体である Union Carbide CARBOWAX (商
標)ポリエチレングリコール8000から製造した。該
組成物は35.5%のポリエチレングリコール、56.6%
の水、及び7.9%のメチルエチルケトン(いずれも重量
%)を含有した。該組成物は典型的なエアスプレー粘度
78センチポアズ(23℃)と慣用の含水量とを有し
た。
【0151】前記実施例3に記載の装置及びスプレーガ
ンをスプレーチップ♯123007及びプレオリフィス
と共に使用した。15%の二酸化炭素とのスプレー混合
物は40℃及び1600psigにおいて減圧性スプレーを
生成した。噴霧温度50℃において該スプレー混合物は
微細に分散された液体二酸化炭素相を含有し、マルバー
ン(Malvern)(商標)2600粒径測定器により測定し
て38ミクロンの平均小滴粒径を有する安定した放物線
状で有翼(feathered)の減圧性スプレーを生成した。1
2インチ×12インチの寸法の木製の試験用パネルに減
圧性スプレーにより噴霧した。該減圧性スプレーは低密
度にも拘らず、スプレー中に生じた高蒸発速度に起因し
て、だれ(sag)又は流れ(run) を有しない非常に均一な
CARBOWAX(商標) コーティングが施された。60℃の噴
霧温度は37ミクロンの平均小滴粒径を有する有翼(fe
athered)の減圧性スプレーを生じた。木製の試験用パネ
ルに噴霧して、だれ又は流れを有しない非常に均一なCA
RBOWAX(商標) コーティングが施された。
【0152】比較のために、エアスプレーガンを使用す
ることにより水保持塗料組成物を噴霧した。これにより
43ミクロンの平均小滴粒径を有するエアスプレーが生
成した。しかしながら該エアスプレーは有翼(feathere
d)スプレーパターンを有し、かつ減圧性スプレーとほぼ
同一の平均小滴粒径を有するにもかかわらず、木製試験
用パネルに非常に不均一な貧弱なコーティングを施し
た。なぜなら該塗料は沈着した塗料の高含水量に起因し
て非常に湿潤しており、かつ粘性が少なく、このことに
より比較的に薄く施された塗料においてさえも、流れ及
びだれが生ずるからである。それ故、該減圧性スプレー
においては、エアスプレーにおけるよりも、より多くの
水が蒸発するので、該減圧性スプレーはドライヤー塗料
を沈着させたのである。
【0153】もう一つの比較のために、同一のスプレー
チップ、プレオリフィス、及び噴霧圧力を使用するエア
レススプレーにより、ただし二酸化炭素を使用しない
で、50℃及び60℃の噴霧温度において、水保持塗料
組成物を噴霧した。これにより、それぞれ37ミクロン
及び34ミクロンの平均小滴粒径を有する(スプレーの
中心において)液膜スプレーが生成され、該液膜スプレ
ーは木製試験用パネル上に非常に湿潤した塗料を沈着さ
せ、該塗料は両方の場合に比較的に薄く施こされた塗料
においてさえも、だれ及び流れを生じた。それ故、該減
圧性スプレーは、ほぼ同一の平均小滴粒径を有するにも
拘らず、慣用のエアレススプレーよりもより多量の水を
蒸発させるのでドライヤー塗料を沈着させるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】噴霧によって得られる1.3のスパン及び21ミ
クロンの平均粒径を有する狭い粒度分布を示すグラフ図
である。
【図2】本発明方法によって得られる触媒担体に対する
粒度分布(A)と、慣用の熱噴霧乾燥方法によって得ら
れる触媒担体に対する粒度分布(B)との比較を示すグ
ラフ図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ケネス、アンドリュウ、ニールセン アメリカ合衆国、ウエスト・バージニア 州25303、チャールストン、ストラトフ ォード・プレイス 108番 (72)発明者 ジョン、ニコラス、アージロポウロス アメリカ合衆国、ウエスト・バージニア 州25560、スコット・デポット、マイケ ル・ストリート 35番 (72)発明者 バークハード、エリック、ワグナー アメリカ合衆国、ニュー・ジャージー州 08940、ハイランド・パーク、ローレン ス・アベニュー 40番 (56)参考文献 特開 平1−176437(JP,A) 特開 平6−226152(JP,A) 特開 平7−96154(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 2/00 - 2/30 B05D 1/02,7/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)閉鎖系において液体混合物を形成
    し、ここに該液体混合物は、 (a)溶剤保持組成物であって、 (i)固体であるか又は固体になることができ、噴霧す
    ることができ、しかも噴霧される場合に溶剤の蒸発によ
    って固体微粒を形成することができる不揮発性物質画
    分;及び(ii)前記溶剤保持組成物を、噴霧される場合
    に固体微粒を形成し得るようにするのに十分に揮発性で
    ある溶剤画分;を包含するもの;及び (b) 前記(a)に添加した場合に前記液体混合物を
    実質的減圧性スプレーを形成し得るようにする量の少な
    くとも1種の圧縮流体であって、この場合該圧縮流体は
    0℃及び1気圧の標準状態(STP)において気体であるも
    の;を包含するものとし;次いで (2)前記液体混合物を、それを溶剤の蒸発によって固
    体微粒を形成するのに適した環境中にオリフィスを通し
    て流入させることにより実質的減圧性スプレーを生ずる
    温度及び圧力において、噴霧し、この場合該スプレーは
    約1ミクロンよりも大きい平均粒径を有する、ことを包
    含する固体微粒を形成する方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも1種の圧縮流体が、液体混合
    物が噴霧される温度及び圧力において超臨界流体であ
    り;そして液体混合物が、スプレーからの溶剤の蒸発速
    度を増加させるために、減圧圧縮流体の膨張冷却に起因
    して生ずる噴霧温度の降下を実質的に補償する温度に加
    熱されるものである請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも1種の気体の流れを実質的減
    圧性スプレーに使用して乱流混合速度もしくはスプレー
    内の温度、又はそれらの両方を増加させる請求項1の方
    法。
  4. 【請求項4】(1)閉鎖系において液体混合物を形成
    し、ここに該液体混合物は、 (a)前駆塗料粉末組成物であって、 (i)塗料粉末の乾燥成分を含有し、かつ噴霧される場
    合に溶剤の蒸発によって粉末を形成することのできる固
    体画分;及び(ii)前記(i)と少なくとも部分的に混
    和性であり、しかも前記前駆塗料粉末組成物を、噴霧さ
    れる場合に粉末を形成することのできるようにするのに
    十分に揮発性である溶剤画分;を包含するもの;及び (b)前記(a)に添加した場合に前記液体混合物を実
    質的減圧性スプレーを形成し得るようにする量の、少な
    くとも1種の圧縮流体であって、この場合該圧縮流体は
    0℃及び1気圧の標準状態(STP)において気体であるも
    の;を包含するものとし;次いで (2)前記液体混合物を、それを溶剤の蒸発によって塗
    料粉末を形成するのに適した環境中にオリフィスを通し
    て流入させることにより実質的減圧性スプレーを生ずる
    温度及び圧力において、噴霧する:ことを包含する塗料
    粉末を形成する方法。
  5. 【請求項5】(1)閉鎖系において液体混合物を形成
    し、ここに前記液体混合物は、 (a)前駆触媒組成物であって、 (i)触媒、触媒担体、又は触媒前駆物質の乾燥成分を
    含有し、しかも噴霧される場合に溶剤の蒸発により微粒
    を形成することのできる固体画分;及び(ii)前記
    (1)と少なくとも部分的に混和性であり、しかも前記
    前駆触媒組成物を、噴霧される場合に微粒を形成するこ
    とができるようにするのに十分に揮発性である溶剤画
    分;を含有する前駆触媒組成物:及び (b)前記(a)に添加した場合に前記液体混合物が実
    質的減圧性スプレーを形成し得るようにする量の少なく
    とも1種の圧縮流体であって、この場合該圧縮流体は0
    ℃及び1気圧の標準状態(STP)において気体であるも
    の;を包含するものとし:次いで (2)前記液体混合物を、それを溶剤の蒸発により微粒
    を形成するのに適当な環境にオリフィスを通して流入さ
    せることによって実質的減圧性スプレーを生じさせる温
    度及び圧力において、噴霧する;ことを包含する触媒、
    触媒担体、又は触媒前駆物質を形成する方法。
  6. 【請求項6】(1)閉鎖系において液体混合物を形成
    し、ここに該液体混合物は、 (a)水保持組成物であって、 (i)固体であるか又は固体になることができ、噴霧す
    ることができ、しかも噴霧される場合に蒸発により固体
    微粒を形成することのできる不揮発性物質画分;及び
    (ii)前記水保持組成物が噴霧される場合に固体微粒を
    形成することができるようにするのに十分に揮発性であ
    り、しかもそのようにする量の水を含有する、少なくと
    も水を含有する溶剤画分;を包含するもの;及び (b) 前記液体混合物が噴霧される温度及び圧力にお
    いて超臨界流体であり、かつ前記液体混合物中に微細に
    分散された液体圧縮流体相として実質的に存在し、前記
    液体混合物が実質的減圧性スプレーを形成することがで
    きるようにする量における、少なくとも1種の圧縮流体
    であって、ここに該圧縮流体は0℃及び1気圧の標準状
    態(STP)において気体であるもの;を包含するものと
    し;次いで、 (2)前記液体混合物を、約40℃以上の温度、及び該液
    体混合物を蒸発により固体微粒を形成するのに適当な環
    境にオリフィスを通して流入させることによって実質的
    減圧性スプレーを生じさせる圧力において噴霧する;こ
    とを包含する固体微粒を形成する方法。
  7. 【請求項7】(1)閉鎖系において液体混合物を形成
    し、ここに該液体混合物は、 (a)液体混合物を圧縮流体を使用せずに慣用的に噴霧
    され得るようにする水水準を有し、基体上にコーティン
    グを形成することができ;かつ少なくとも約35重量%
    の水を含有する溶剤画分を有する水保持塗料組成物;及
    び (b)前記液体混合物中に微細に分散された液体圧縮流
    体相として実質的に存在し;かつ前記液体混合物を実質
    的減圧性スプレーを形成し得るようにする量において存
    在する少なくとも1種の圧縮流体であって、ここに該圧
    縮流体は0℃及び1気圧の標準状態(STP)において気体
    であるもの;を包含するものとし;次いで (2)前記液体混合物を、それを水の蒸発に適した環境
    にオリフィスを通して流入させ、基体にコーティングを
    施すことにより実質的減圧性スプレーを生ずる温度及び
    圧力において噴霧する:ことを包含する水保持塗料を基
    体に施す方法。
  8. 【請求項8】水保持塗料組成物が、水分散性重合体又は
    水溶性重合体である少なくとも1種の重合体を含有する
    請求項7の方法。
  9. 【請求項9】少なくとも1種の圧縮流体が二酸化炭素又
    はエタンであり、しかも液体混合物が噴霧される温度及
    び圧力において超臨界流体であり;そして水保持塗料組
    成物が、該水保持塗料組成物から該圧縮流体に抽出され
    ることができ、それにより前記圧縮流体が超臨界温度及
    び超臨界圧力において液体圧縮流体相を形成することが
    できるようにする少なくとも1種の有機溶剤を含有する
    請求項7の方法。
  10. 【請求項10】少なくとも1種の圧縮流体が二酸化炭素
    又はエタンであり、しかも液体混合物が噴霧される温度
    及び圧力において超臨界流体であり、そして前記液体混
    合物はさらに少なくとも1種の有機溶剤(c)を含有
    し、ここに該有機溶剤(c)は水保持塗料組成物と不混
    和性であり;前記少なくとも1種の圧縮流体と加圧下に
    おいて少なくとも部分的に混和性であり;かつ少なくと
    も超臨界温度及び超臨界圧力において前記圧縮流体が液
    体圧縮流体相を形成することができるようにする量にお
    いて存在する請求項6の方法。
JP7-329381A 1995-11-14 圧縮液体で組成物を噴霧することによって被覆粉末、触媒及びドライヤー水保持性コーティングを製造する方法 Expired - Lifetime JP3000340B2 (ja)

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US33899094A 1994-11-14 1994-11-14
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JPH08252449A JPH08252449A (ja) 1996-10-01
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