JP3000258U - 吊り容器用吊り紐 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 吊り容器を任意量だけ簡単な操作によって回
転できる、簡単、安価な構成の吊り容器用吊り紐を提供
する。 【構成】 鉢等の容器１の縁部に下端部が係合する複数
の紐状体１１、１２、１４と、これら紐状体１１、１
２、１４の上端部を結合させたフック取付部２０と、こ
のフック取付部２０に上下方向の軸線回りに回転自在に
設けられたフック３０とで、吊り容器用吊り紐を構成し
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、植木鉢や花器等の容器を吊して使用するための吊り容器用吊り紐の 改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

視線を落とさずに植物を楽しむことができるように、天井や庇等から吊るすこ とができる植木鉢や花器等の容器が提案されており、また、植木鉢や花器等の他 の容器を収容する容器であって天井や庇等から吊るすことができる容器が提案さ れている（以下、これら容器を吊り容器と呼ぶ）。このような吊り容器を吊るす ための吊り紐としては、従来、複数の紐状体及びフックを合成樹脂により一体的 に構成したものが提供されている。このような吊り紐は、各紐状体の下端部を例 えば吊り容器の縁部に形成した孔に係合させて使用される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、植物は、周知のように、受光を、成長や生命維持のための必須の一 要件としており、そのため、効率的に日光を照射させることが求められる。

【０００４】 しかしながら、従来の吊り容器用吊り紐においては、日光に合わせて植物の向 きを変えるためには、フックを掛け直さなければならなず、その操作が不便であ った。また、掛け直した場合であっても、フックが掛けられる係合構成が固定で あるため、向きを少しずつ変化させることはできず、軸線回りに１８０度回動さ せた向きにしか変化させることはできない。

【０００５】 吊り容器が植木鉢等を収容した容器の場合には、収容されている植木鉢等を回 動させることで植物の向きを変えることができるが、葉や茎が伸びている植物で は、紐状体がその回動を邪魔することもある。

【０００６】 本考案は、以上の点を考慮してなされたものであり、簡単な構成で吊り容器の 向きを自由に変えることができる吊り容器用吊り紐を提供しようとするものであ る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

かかる課題を解決するため、本考案の吊り容器用吊り紐は、容器の縁部に下端 部が係合する複数の紐状体と、これら紐状体の上端部を結合させたフック取付部 と、このフック取付部に鉛直方向の軸線回りに回転自在に設けられたフックとで 構成されている。

【０００８】 ここで、フック取付部に、鉛直方向に向けて貫通する中空部分を有する筒部を 設け、この筒部に、フックの下端部に設けた軸部を回転自在に挿入し、軸部の下 端部に、その全周にわたって延在する環状凹部を設け、筒部の下端部に、内径が 軸部の外径よりも小さく設定されて環状凹部と係合するとともに、半径方向への 弾性変形が可能とされたストッパ部を設けることは好ましい。

【０００９】 また、対称的に、フックに、鉛直方向に向けて貫通する中空部分を有する筒部 を設け、この筒部に、フック取付部の上端部に設けた軸部を回転自在に挿入し、 軸部の上端部に、その全周にわたって延在する環状凹部を設け、筒部の上端部に 、内径が軸部の外径よりも小さく設定されて環状凹部と係合するとともに、半径 方向への弾性変形が可能とされたストッパ部を設けることも好ましい。

【００１０】 いずれにせよ、ストッパ部に、その端縁から軸部の挿入逆方向に向けて延在す るスリットを設けることにより、半径方向へ弾性的に変形可能なように構成する ことができる。また、ストッパ部を、その内径及び外径が軸部の挿入方向へ向か うに従って漸次小さくなるように形成することにより、係合状態をしっかりした ものとできる。

【００１１】 さらに、紐状体及びフック取付部は、合成樹脂により一体的に構成することが でき、この場合、紐状体は、少なくとも３つ備えるとともに、フック取付部から 離間するに従って一つの平面上で裾広がりとなるように配置して成形することが できる。

【００１２】

【作用】

フック（又はフック取付部）の軸部をフック取付部（又はフック）の筒部に挿 入すると、ストッパ部が弾性変形により拡径して軸部の通過を許容するとともに 、軸部の環状凹部がストッパ部に達すると弾性変形が解除されて環状凹部にスト ッパ部が係合し、両者が回転自在に結合される。このように、本考案の吊り容器 用吊り紐にあっては、フック取付部にフックを回転自在に設けているから、紐状 体に取り付けた容器を回転させて任意の方向に向けることができる。また、フッ クをフック取付部の筒部に挿入するだけで両者が回転自在に結合されるので、誰 でも簡単に組立てを行うことができるのは勿論のこと、部品点数が極めて少ない ため安価に製造することができる。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案による吊り容器用吊り紐の一実施例を図１〜図３を参照しながら 説明する。

【００１４】 図１は、この実施例の吊り紐Ａを、吊り容器の一例である植木鉢１に装着した 状態を示す正面図である。

【００１５】 植木鉢１は、軸断面形状が円形をなし、その縁部の３カ所には凸部２が等角間 隔に形成されている。各凸部２は円弧状をなし、その中央部には、下側の孔３ａ とこの孔３ａよりも小径の上側の孔３ｂからなるダルマ形の取付穴３が形成され ている。また、植木鉢１の内周面の下部には、複数の突起４が円周方向に等角間 隔に形成され、突起４には仕切板５が載置されている。仕切板５の中央部には、 例えば養土の重量圧を半径外方向に向けさせて突起４と仕切板５との係合関係を 安定にさせると共に、下方に撓んだとしても下部空間を確保させるための凹部６ が複数段に形成されている。また仕切板５は、その上部に充填される養土の余剰 の水分を下側へ排出することができるように、かつ、必要な通風を確保可能なよ うに網状に形成され、植木鉢１には、その下部に溜まった水を排出すると共に、 必要な空気を植木鉢内部に送り込むためのドレイン７が着脱自在に取り付けられ ている。

【００１６】 このように構成された植木鉢１には、以下の構成を有する吊り容器用吊り紐Ａ が着脱自在に取り付けられている。

【００１７】 図１〜図３において、吊り容器用吊り紐Ａは、紐部１０及びフック３０から構 成されている。紐部１０は、図３に示すように、二等辺三角形を構成するように 配置された２個の紐状体１１、１２と、これら２個の紐状体１１、１２が交差す る頂点近傍においてそれらに架設されたブリッジ部１３と、このブリッジ部１３ の中央部から延在して上記２個の紐状体１１、１２の中央に位置する紐状体１４ とから構成されている。これら紐状体１１、１２及び１４のブリッジ部１３から の長さは互いに等しく選定されている。また、各紐状体１１、１２、１４の端部 にはそれぞれ、外観略円板状をなすとともに、中央部から外周部へ向かうに従っ て肉厚が漸次薄くなるように構成されたパッド１５が形成されている。

【００１８】 パッド１５の平坦な端面には、これと直角方向へ突出する突起１６が形成され 、突起１６の端部には突起１６よりも大径なストッパ１７が形成されている。突 起１６の外径は、植木鉢１の取付穴３の下側及び上側の孔３ａ及び３ｂの内径よ りも小さく選定されている。一方、ストッパ１７の外径は、植木鉢１の取付穴３ の下側孔３ａの内径よりは小さく、取付穴３の上側孔３ｂの内径よりは大きく選 定されている。

【００１９】 そして、紐状体１１、１２、１４は、そのストッパ１７を取付穴３の下側孔３ ａから鉢１の内側へ挿入して引き上げることにより、ストッパ１７を取付穴３の 上側孔３ｂに係合させた状態で植木鉢１に取り付けられている。

【００２０】 上述した二等辺三角形を構成するように配置された２個の紐状体１１及び１２ の交差部には、フック取付部２０が形成されている。フック取付部２０及び各紐 状体１１、１２、１４は、図３に示すように、それら全てが一つの平面上に位置 するようにして合成樹脂により一体に構成されている。

【００２１】 フック取付部２０は、図２に示すように、円筒状をなす筒部２１を有し、筒部 ２１の下端部には、下側へ向かうに従って内径、外径ともに漸次小さくなるスト ッパ部２２が形成されている。ストッパ部２２には、その下縁部から上方へ向け て延在する複数のスリット２３（この実施例では２つ）が円周方向に等間隔に形 成されている。そして、このように構成されたフック取付部２０の筒部２１には 、フック３０が回転自在に挿入されている。

【００２２】 図２において、フック３０は鉤形状をしており、その鉤部３１の下端部には、 鉤部３１の軸径よりも大径な台座３２が形成されている。台座３２の下面には、 台座３２よりも小径な軸部３３が形成され、軸部３３の下面には半球状をなすパ イロット部３４が形成されている。このパイロット部３４の直径は軸部３３の直 径と同一とされている。また、軸部３３のパイロット部３４に隣接した箇所には 、その全周にわたる溝（環状凹部）３５が形成され、溝３５からパイロット部３ ４に立ち上がる壁部が係止部３６とされている。

【００２３】 軸部３３の直径は、フック取付部２０の筒部２１の内径よりもやや小さく、か つ、ストッパ部２２の内径よりも大きく設定されている。このため、ストッパ部 ２２の下端部は、溝３５の内部に収容されて係止部３６に係合し、これによって 、フック３０はフック取付部２０から抜けないようになっている。

【００２４】 このように構成されたフック３０は、筒部２１の上端開口部から内部に挿入さ れる。その際、ストッパ部２２は、パイロット部３４に押されて半径方向外方へ 弾性的に変形し、パイロット部３４が通過すると元の形状に弾性的に復帰して係 止部３６と係合する。この状態でフック取付部２０は、フック３０の台座３２と 係止部と係合することにより、上下方向への相対移動が阻止されるとともに、鉛 直方向の軸線回りに相対的に回転自在となっている。

【００２５】 以上のような構成を有する吊り容器用吊り紐Ａにおいては、フック取付部２０ にフック３０を回転自在に取り付けているから、吊り紐Ａに取り付けた植木鉢１ を回転させて任意の方向に向けることができる。例えば、植木鉢１を持って回転 させることにより、フック取付部２０がフック３０に対して相対的に回転し、植 物を所望の方向へ向けることができる。すなわち、容易に回転操作できると共に 、その回転量も任意量に選定できる。また、フック３０をフック取付部２０の筒 部２１に挿入するだけで両者が回転自在に結合されるので、誰でも簡単に組立て を行なうことができるのは勿論のこと、部品点数が極めて少ないため安価に製造 することができる。

【００２６】 さらに、上記実施例によれば、ストッパ部２２にスリット２３を形成している ので、ストッパ部２２を小さな力で弾性変形させることができ、フック３０の挿 入をスムーズに行なうことができる。

【００２７】 さらにまた、上記実施例によれば、フック取付部２０及び各紐状体１１、１２ 、１４が一つの平面上に位置するようにして合成樹脂により一体に構成している ので、非常に製造し易いものとなっており、製造歩留りを高めることができる。

【００２８】 なお、上記実施例では、フック取付部２０のストッパ部２２にスリット２３を 形成しているが、フック取付部２０を柔軟性に富んだ材料で構成するとともに、 その下端部の肉厚を充分薄くすることにより、スリット２３なしでもストッパ部 ２２を小さな力で弾性変形させることができる。また、回転自在にするための筒 部と軸部とを設ける部材を逆にしても良い。すなわち、フック３０側に筒部構成 を設け、また、フック取付部２０側に軸部構成を設けるようにしても良い。

【００２９】 本考案は、フック３０をフック取付部２０に回転自在に取り付ける構成を有す ることに特徴を有し、その回転自在にする構成は、上記の説明によるものに限定 されず、ボールジョイント構成を利用したもの等であっても良い。

【００３０】 また、上記実施例において、紐状体１１、…が３本のものを示したが、４本以 上にすることもできる。

【００３１】 さらに、上記実施例では紐部１０をフック取付部２０と一体的に形成している が、両者を別々に形成して組み立てるように構成することもできる。加えて、本 考案は上記実施例のような植木鉢１を吊す用途のものに限定されるものではなく 、その他種々の容器ないしは入れ物に適用することができるのは勿論である。

【００３２】 さらにまた、上記実施例においては、フック３０が鉤形状のものを示したが、 円環状のものであっても良い。この場合、天井や庇等に設けられる部材が鉤形状 のものであることを要する。

【００３３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の吊り容器用吊り紐においては、容器の縁部に下 端部が係合する複数の紐状体と、これら紐状体の上端部を結合させたフック取付 部と、このフック取付部に鉛直方向の軸線回りに回転自在に設けられたフックと を備えてなるので、複数の紐状体に取り付けた吊り容器を任意量だけ簡単な操作 によって回転させることができ、部品点数が少ないため安価に製造することがで きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の吊り容器用吊り紐を植木鉢に装着した
状態を示す正面図である。

【図２】実施例の吊り容器用吊り紐のフック取付部及び
フックの詳細を示す正面図、及び、断面図である。

【図３】実施例の吊り容器用吊り紐の紐状体及びフック
取付部が一体成形された状態を示す平面図である。

【符号の説明】

１…植木鉢（吊り容器）、１１、１２、１４…紐状体、
２０…フック取付部、２１…筒部、２２…ストッパ部、
２３…スリット、３０…フック、３３…軸部、３５…溝
（環状凹部）。

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器の縁部に下端部が係合する複数の紐
   状体と、これら紐状体の上端部を結合させたフック取付
   部と、このフック取付部に鉛直方向の軸線回りに回転自
   在に設けられたフックとを備えてなる吊り容器用吊り
   紐。
2. 【請求項２】 上記フック取付部に、鉛直方向に向けて
   貫通する中空部分を有する筒部を設け、この筒部に、上
   記フックの下端部に設けた軸部を回転自在に挿入し、上
   記軸部の下端部に、その全周にわたって延在する環状凹
   部を設け、上記筒部の下端部に、内径が上記軸部の外径
   よりも小さく設定されて上記環状凹部と係合するととも
   に、半径方向への弾性変形が可能とされたストッパ部を
   設けたことを特徴とする請求項１に記載の吊り容器用吊
   り紐。
3. 【請求項３】 上記フックに、鉛直方向に向けて貫通す
   る中空部分を有する筒部を設け、この筒部に、上記フッ
   ク取付部の上端部に設けた軸部を回転自在に挿入し、上
   記軸部の上端部に、その全周にわたって延在する環状凹
   部を設け、上記筒部の上端部に、内径が上記軸部の外径
   よりも小さく設定されて上記環状凹部と係合するととも
   に、半径方向への弾性変形が可能とされたストッパ部を
   設けたことを特徴とする請求項１に記載の吊り容器用吊
   り紐。
4. 【請求項４】 上記ストッパ部に、その端縁から上記軸
   部の挿入逆方向に向けて延在するスリットを設けたこと
   を特徴とする請求項２又は３に記載の吊り容器吊り紐。
5. 【請求項５】 上記ストッパ部は、その内径及び外径が
   上記軸部の挿入方向へ向かうに従って漸次小さくなるよ
   うに形成されていることを特徴とする請求項２〜４のい
   ずれかに記載の吊り容器用吊り紐。
6. 【請求項６】 上記紐状体及びフック取付部は合成樹脂
   により一体的に構成され、かつ、上記紐状体は少なくと
   も３つ設けられるとともに、上記フック取付部から離間
   するに従って一つの平面上で裾広がりとなるように配置
   されて成形されたものであることを特徴とする請求項１
   〜５のいずれかに記載の吊り容器用吊り紐。