JP3000111U - 装身具用装着機構 - Google Patents

装身具用装着機構

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JP3000111U JP4394U JP4394U JP3000111U JP 3000111 U JP3000111 U JP 3000111U JP 4394 U JP4394 U JP 4394U JP 4394 U JP4394 U JP 4394U JP 3000111 U JP3000111 U JP 3000111U
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進 宇佐美
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有限会社ハック
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁力を使用する装身具用装着機構において、
その使用中に接合が解除されることを防止する。 【構成】 装身具用装着機構10は、ネックレスチェー
ン12、第1保持部材14、第2保持部材16で構成さ
れている。第1保持部材14には、鋼製の基板18が折
曲げられて一対の堤部20、20が形成されている。堤
部20、20の間に希土類磁石22が配されている。鋼
製の第2保持部材16には一対の係止爪26、26が設
けられている。第1保持部材14と第2保持部材16と
に矢印A、B方向に沿って滑り変位を生じさせる力が作
用しても、係止爪26、26が堤部20、20の端部2
0a、20aに当接することによって該外力による滑り
変位は規制されるので、第1保持部材14と第2保持部
材16との接合状態が解除されることはない。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、装身具を身体または被服に装着するための装身具用装着機構に関す る。
【0002】
【従来の技術】
従来、装身具を身体または被服に装着するための装着機構としては、例えば図 8に例示するように、鎖状部材202の一端に取り付けられた開口204aを有 する開口部材204に、鎖状部材202の他端に取り付けられたばね付きの開閉 部材206を係合させることにより鎖状部材202を閉鎖環状として、装身具を 身体の一部、例えば首などに装着する構造のものが知られている。このような装 着機構はきわめて小型であるために、開閉部材206の開閉操作や開閉部材20 6と開口部材204との係合操作が困難な場合があった。
【0003】 出願人は、上述の問題点を解決するものとして磁石を使用する装着機構をすで に提案しており、このものは、細かな部品の操作等の特別な作業は必要なく、こ れを用いれば装身具の装着は簡単にできる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
上記の磁石を使用する装着機構も十分な結合力は備えているのであるが、一層 確実な結合力を有する装身具用の装着機構が望まれていた。 本考案は、一層確実な結合力を有する装身具用の装着機構を提供するものであ る。
【0005】 なお、強力な磁石を使用すれば一層の小型化も図れるが、強力な磁石を使用す るに当たっては、次の点についての配慮も要求される。すなわち、強力な磁石と して知られる希土類磁石は、サマリウム、コバルト、ネオジウム等を主たる材料 としているが、これらは反応しやすいことから皮膚を荒す可能性がないとは言え ない。また強磁界が人体に悪影響を及ぼすことが証明されているわけではないが 、希土類磁石が発生するきわめて強い磁界からの漏れ磁束をできるかぎり少なく することが好ましい。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するためになされた請求項1記載の装身具用装着機構は、基板 と該基板に固着された磁石とを有する第1の保持部材と、磁性体の第2の保持部 材と、上記第1の保持部材および第2の保持部材を連結する鎖部材とを備え、上 記第1の保持部材と第2の保持部材とを磁力で接合した際には上記第1の保持部 材、第2の保持部材及び鎖部材にて閉鎖環状体を形成する装身具用装着機構にお いて、 上記第1および第2の保持部材の双方または一方に、相手方となる上記第1ま たは第2の保持部材の一部と係止することにより上記磁力で接合された第1の保 持部材と第2の保持部材との滑り変位を規制する係止部を設けたことを特徴とす る。
【0007】 請求項2記載の装身具用装着機構は、請求項1記載の装身具用装着機構におい て、上記磁石の上記基板からの突出高さ以上に上記基板から突出する堤部を上記 磁石の側縁に沿って設けたことを特徴とする。 請求項3記載の装身具用装着機構は、請求項1または2記載の装身具用装着機 構において、上記第2の保持部材に上記堤部の端部に係止可能な係止部を設けた ことを特徴とする。
【0008】 請求項4記載の装身具用装着機構は、請求項1ないし3のいずれか記載の装身 具用装着機構において、上記係止部が上記第2の保持部材の端部に設けられた折 曲部であることを特徴とする。 請求項5記載の装身具用装着機構は、請求項4記載の装身具用装着機構におい て、上記折曲部の折曲げ角度がほぼ90度であることを特徴とする。
【0009】 請求項6記載の装身具用装着機構は、請求項4記載の装身具用装着機構におい て、上記折曲部の折曲げ角度が鋭角であることを特徴とする。 請求項7記載の装身具用装着機構は、請求項1または2記載の装身具用装着機 構において、上記係止部が上記第1および第2の保持部材の一方に設けられた突 起であることを特徴とする。
【0010】 請求項8記載の装身具用装着機構は、請求項7記載の装身具用装着機構におい て、上記第1および第2の保持部材の一方に上記突起を設け、他方の保持部材に 該突起が入出可能な穴部を設けたことを特徴とする。 請求項9記載の装身具用装着機構は、請求項1ないし8のいずれか記載の装身 具用装着機構において、上記磁石の表面をめっき又は塗膜で被覆したことを特徴 とする。
【0011】 請求項10記載の装身具用装着機構は、請求項1ないし8のいずれか記載の装 身具用装着機構において、上記磁石の表面にめっきを施し、さらに塗膜で被覆し たことを特徴とする。 請求項11記載の装身具用装着機構は、請求項1ないし10のいずれか記載の 装身具用装着機構において、上記磁石が希土類磁石であることを特徴とする。
【0012】 請求項12記載の装身具用装着機構は、請求項1ないし11のいずれか記載の 装身具用装着機構において、上記第1の保持部材と第2の保持部材とを磁力で接 合する際に上記第2の保持部材と対向する上記磁石の面に非磁性体の保護部材を 装着したことを特徴とする。
【0013】 請求項13記載の装身具用装着機構は、請求項1ないし12のいずれか記載の 装身具用装着機構において、上記保護部材がキャップ状であることを特徴とする 。
【0014】
【作用】 上記構成の装身具用装着機構においては、鎖部材を介して連結された第1の保 持部材と第2の保持部材とを磁石の磁力によって接合させ、装身具装着機構を閉 鎖環状体とする。この閉鎖環状体は、周知のネックレスやブレスレットのように して装着できる。例えばネックレスチェーン等を鎖部材として使用すれば、装身 具装着機構自体が装身具となる。また鎖部材にペンダントトップ等を取り付ける こともできる。第1の保持部材と第2の保持部材とを磁力で接合するだけで装身 具を装着できるので、細かな部品の操作等の特別な作業は必要なく、装身具の装 着は簡単にできる。
【0015】 装身具用装着機構を使用中に、第1の保持部材と第2の保持部材とに滑り変位 を生じさせるような外力が例えば連結部材に作用することがある。ここでいう滑 り変位とは、例えば互いに接合している一対の板状体をそれらの接合面に沿って 相対位置を変化させる変位であり、接合状態において磁石と第2の保持部材との 間の磁力線を横断する方向に沿っての第1の保持部材と第2の保持部材との相対 位置の変化がこれに相当する。この滑り変位があると磁力による接合が解除され 易いが、本考案の装身具用装着機構では、第1および第2の保持部材の双方また は一方に設けられている係止部が相手方となる第1または第2の保持部材の一部 と係止することにより滑り変位を規制する。このため、かかる外力が作用しても 、装身具用装着機構の接合状態が解除されることは防止され、使用中に接合が解 除されるような不都合はなくなる。
【0016】 なお、本考案の装身具用装着機構においては、第1の保持部材と第2の保持部 材とを接合する際に、磁石と第2の保持部材とが直接接触する必要はない。 また、請求項2記載の構成とすれば、第1の保持部材の堤部と第2の保持部材 とで磁石をシールドすることになり、漏れ磁束を減少させることができる。
【0017】 請求項3記載構成とすれば、堤部が係止部の相手方となるので、別途被係止部 を設ける必要はない。 請求項4記載の構成とすれば、第2の保持部材の端部に設けられた折曲部とし て係止部を形成できるので加工が簡単である。
【0018】 請求項5記載の構成とすれば、折曲部の折曲げ角度がほぼ90度であるので強 固な係止となる。 請求項6記載の構成とすれば、折曲部の折曲げ角度が鋭角であるため、第1の 保持部材と第2の保持部材との接合、分離の操作が容易となる。
【0019】 請求項7記載の構成とすれば、第1または第2の保持部材の任意の位置に係止 部を設けることができる。 請求項8記載の構成とすれば、突起と穴部とで係合するので、第1の保持部材 と第2の保持部材との接合を確保する効果が高い。
【0020】 さらに、請求項9記載の構成とすれば、磁石の表面がめっき又は塗膜で被覆さ れ磁石が直接に皮膚に接触することはなくなるので、サマリウム、コバルト、ネ オジウム等を主たる材料とする希土類磁石を使用しても皮膚を荒すことはない。 請求項10記載の構成とすれば、磁石の表面保護が一層確実である。
【0021】 請求項11記載の構成とすれば、小型でも強力な接合力を得ることができる。 請求項12記載の構成とすれば、磁石の接合側の面の保護がさらに確実となる 。 請求項13記載の構成とすれば、保護部材の装着が容易かつ確実に行える。
【0022】
【実施例】
次に、図面を参照して本考案の実施例を説明する。 (実施例1) 図1に示すように、本実施例の装身具用装着機構10は、鎖部材としてのネッ クレスチェーン12と、このネックレスチェーン12の端部に連結された第1保 持部材14と第2保持部材16とで構成されており、装身具用装着機構10自身 が装身具としてのネックレスの機能を備えている。なお、ネックレスチェーン1 2には、周知のペンダントトップ(図示しない)等を取り付けることも可能であ る。
【0023】 図1および図2に示すように、第1保持部材14は、一端にネックレスチェー ン12を連結するための連結穴17を穿設された鋼製の基板18を備えている。 図1、図2および図3に示すように、この基板18の中央付近から連結穴17 と対向する端にかけては、横断面がコの字状(図3参照)となるように両縁部が 折曲げられて一対の堤部20、20が形成されている。これらの堤部20、20 の間には表面にニッケルめっき層22aを施された希土類磁石22が配されてお り、希土類磁石22と基板18とは接着剤によって固着されている。また図1お よび図3に示されるように、堤部20の基板18からの突出高さは希土類磁石2 2の厚さよりもわずかに大きく、段差tが確保されている。
【0024】 図1および図2に示すように、第2保持部材16は、鋼製板状で一端にネック レスチェーン12を連結するための連結穴24を備え、他端には突出部を約90 度に折曲げて形成された一対の係止爪26、26が設けられている。これら係止 爪26、26の間隔は、第1保持部材14の堤部20、20の間隔とほぼ一致し ており、図1に示すように第1保持部材14と第2保持部材16とを接合した際 には、係止爪26、26が堤部20、20の端部20a、20aから突出、垂下 される。またその際には、図3に示すように、第2保持部材16と希土類磁石2 2との間には段差tに相当する空隙が形成される。
【0025】 この装身具用装着機構10を例えば首の周囲に装着する場合には、第1保持部 材14と第2保持部材16とを分離させた状態で従来と同様にネックレスチェー ン12を首に回し、次に第1保持部材14の希土類磁石22と第2保持部材16 とを相互に接近させることにより第1保持部材14と第2保持部材16とを希土 類磁石22の磁力により接合し、第1保持部材14、第2保持部材16およびネ ックレスチェーン12で閉鎖環状体を形成する。また装着されている装身具用装 着機構10を取り外すには、例えば第1保持部材14および第2保持部材16を それぞれ手指で保持し両者を離隔させる方向に力を加えればよい。このように、 装身具用装着機構10では、その装着および取り外しに際して細かな部品の操作 等の特別な作業は必要なく、装着および取り外しは簡単にできる。
【0026】 このように装着および取り外しは簡単であるが、使用中に例えばネックレスチ ェーン12が何等かの障害物に引っかかったりすることがある。このような場合 にネックレスチェーン12に作用する外力は、図1に示される矢印A、B方向に 沿って第1保持部材14(希土類磁石22)と第2保持部材16とに滑り変位を 生じさせる力として作用する。このような外力が作用しても、係止爪26、26 が堤部20、20の端部20a、20aに当接することによって、該外力による 滑り変位は規制される。したがって、第1保持部材14と第2保持部材16とに わずかな滑り変位が生ずるとしてもそれ以上の滑り変位は生じないので、ネック レスチェーン12に作用する外力によって第1保持部材14(希土類磁石22) と第2保持部材16との接合状態が解除されることはない。
【0027】 図4はこのような外力が作用した場合の力学的な説明図である。これに基づい て上述の効果を一層明瞭に説明する。なお図4にては説明を単純とするために係 止爪26を堤部20の端部20aに対してθの角度を有する傾斜板としている。 第1保持部材14および第2保持部材16に滑り変位を生じさせる外力Fが作 用すると、作用点P(堤部20の端部20aに係止爪26が当接している点)に は、係止爪26(第2保持部材16)を矢印C方向に引き剥そうとする力Fc、 矢印Cとは逆方向に働く力Fμおよび係止爪26を堤部20側に引く力Fiが作 用する。これら各力は
【0028】
【数1】 Fc=Fsinθ ・・・(1) Fμ=μFcosθ ・・・(2) Fi=Fcosθ ・・・(3) である。なおμは堤部20と係止爪26との摩擦係数である。
【0029】 図4から明らかなように、第2保持部材16を矢印C方向に移動させるために は、希土類磁石22の磁力を無視しても、
【0030】
【数2】 Fc>Fμ ・・・(4) が要求される。すなわちθをある値以下とすれば、外力Fをいかに大きくしても 第2保持部材16は矢印C方向には移動されないことを示している。なお、実際 には、希土類磁石22の磁力FMGも作用するので、上記(4)式の関係以上にF cを大きくしないと第2保持部材16を矢印C方向に移動できない。
【0031】 図4に示す関係からも明かなように、係止爪26、26が堤部20、20の端 部20a、20aに当接することによって、ネックレスチェーン12に外力Fが 作用しても、第1保持部材14(希土類磁石22)と第2保持部材16との接合 状態が解除されることはない。
【0032】 また図1および図3に示されるように、希土類磁石22の表面にはニッケルめ っき層22aがあるので、サマリウム、コバルト、ネオジウム等の磁石を構成す る成分と皮膚等とが直接に接触することはない。同様に、例えば汗等とサマリウ ム、コバルト、ネオジウム等の磁石成分とが接触して反応することもない。この ため希土類磁石22の成分となっているサマリウム、コバルト、ネオジウム等が 皮膚を荒すおそれはない。
【0033】 さらに図3に示されるように、装身具用装着機構10の使用時(第1保持部材 14と第2保持部材16とを接合した状態)では、希土類磁石22の周囲は、端 面22b、22cを除いて、第1保持部材14の基板18、堤部20、20およ び第2保持部材16によって包囲される。周知のように、磁力線は透磁率の高い 部分ほど通りやすい性質であるので、希土類磁石22のN極から発した磁力線は 第2保持部材16→堤部20、20→基板18と通過してS極に達することにな る。したがって、上記部材の板厚を磁気飽和を起こさないだけの板厚とすれば、 漏れ磁束の防止効果は十分となる。この板厚は使用する磁石の性能にもよるが、 0.1mm以上、好ましくは0.5mm以上で十分である。なお、図1に示され るように、希土類磁石22の端面22bを堤部20、20の端部20a、20a から後退させると漏れ磁束の減少効果は大きくなる。図1に示す例では、希土類 磁石22の他の端面22cは堤部20、20から後退させてはいないが、この端 面22cも後退させれば漏れ磁束を一層減少させることができる。ただし、上述 のように第1保持部材14の基板18、堤部20、20および第2保持部材16 によって希土類磁石22を包囲するだけでも、漏れ磁束の防止効果は十分に発揮 され実用上問題とはならない。 (実施例2) 図5に示すように、この実施例の装身具用装着機構30は、第1保持部材32 の堤部34に凹陥部36を設け、第2保持部材38の係止爪40に前記凹陥部3 6に係合可能な係合部42を設けた例である。なお、その他の構成は実施例1と 同様であるので、図示および説明を省略する。
【0034】 この装身具用装着機構30の使用に当たっては、まず係合部42が堤部34に 接触しない距離を係合部42と堤部34との間に確保して第1保持部材32と第 2保持部材38とを接合させる。次に第2保持部材38を矢印X方向に沿って相 対移動し係合部42と凹陥部36とを係合させる。
【0035】 第1保持部材32と第2保持部材38との接合を解除するには、まず第2保持 部材38を矢印Y方向に沿って相対移動させ、係合部42と凹陥部36との係合 を解除する。次に第2保持部材38を例えば矢印Z方向に沿って相対移動させて 第1保持部材32との接合を解除する。
【0036】 この装身具用装着機構30では、図示のように凹陥部36と係合部42とを係 合させるので、第1保持部材32と第2保持部材38との接合状態は実施例1と 比較して一層強固に保持される。 (実施例3) 図6に示すように、この実施例の装身具用装着機構50は、第1保持部材52 の堤部54は実施例1と同様の形状とし、第2保持部材58には係止爪に代えて 板ばね状のばね部材60を設けた例である。このばね部材60は第2保持部材5 8に固着された固定部60aと第2保持部材58に接触、離脱するように矢印S 方向に沿って弾性変位可能な可動部60bとから構成されており、可動部60b の先端は折曲部60cとなっている。なお、その他の構成は実施例1と同様であ るので、図示および説明を省略する。
【0037】 この装身具用装着機構50の使用に当たっては、例えば第1保持部材52と第 2保持部材58とを、ばね部材60の折曲部60cと堤部54の端部54aとに 間隙を生じるようにして接合する。この状態から第2保持部材58を矢印T方向 (第1保持部材52を矢印Tと逆方向)に沿って相対移動させると、折曲部60 cは堤部54の角に当接して、実線で図示するように端部54aから突出するよ うに垂下する。
【0038】 第1保持部材52と第2保持部材58との接合を解除するには、例えば第1保 持部材52を矢印Tと逆方向に沿って第2保持部材58を矢印T方向に沿って相 対移動させればよい。この相対移動に伴ってばね部材60の折曲部60cが堤部 54の角によって押し上げられ、ばね部材60は2点鎖線で図示するように弾性 変形されることになる。このばね部材60の弾性変形によりばね部材60の折曲 部60cと堤部54との接触角度が変化し、折曲部60cと堤部54aとの間に 滑りが生じる。これにより第1保持部材52と第2保持部材58とが滑り変位す るので、上記相対移動の継続によってこの滑り変位を継続させれば両者の接合が 解除される。なお、このときに、ばね部材60の弾性復元力が第2保持部材58 を第1保持部材52から離脱させる力としても作用し、第1保持部材52と第2 保持部材58との接合を解除し易くする。このように第1保持部材52と第2保 持部材58とを滑り変位させることによって両者の接合を解除できるので、取り 外しにおける操作性に優れている。
【0039】 係合部としてばね部材60を使用しているので、実施例1、2と比較して滑り 変位に抗しての接合保持力がやや弱くなるものの十分に強力であり、装着、取り 外しの操作性では第2実施例よりも優れている。 以上、3実施例にしたがって本考案の装身具用装着機構について説明したが、 本考案はこれらの実施例に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない 範囲で様々に実施できる。
【0040】 例えば、磁石としては希土類磁石以外の磁石を使用できることは言うまでもな いが、磁石表面には上述のニッケルめっきの他に金めっき等のめっきを施しても よく、あるいはメラミン、テフロン(商品名)等の塗膜を設けることによっても 上述と同様の効果を得られる。もちろん、めっきと塗膜の双方を施してもよい。 磁石を基板に固定するに当たって上記実施例では接着剤を使用したが、磁石の磁 力で基板に固着させるのみでも十分である。
【0041】 第2の保持部材を構成する磁性体としては、実施例に示した鋼の他に磁性ステ ンレスその他の周知の磁性体を使用できる。 堤部の高さは磁石の厚さを下回らなければよい。したがって図3に示される空 隙tは0でも構わない。またこの空隙tに非磁性体の保護部材を装着すると磁石 表面を一層良好に保護できる。この際、図7に示すように、希土類磁石22の底 面23aを除く表面23を非磁性体の箱状のキャップ25で被覆すこともできる 。このようにキャップ25を用いると、保護部材(=キャップ25)の希土類磁 石22への装着が一層確実となり、表面保護の効果も向上する。
【0042】 滑り変位を規制するための係止部は、第2の保持部材に限らず第1の保持部材 に設けることが可能であり、第1および第2の保持部材の双方に設けることもで きる。係止部の位置は上記に例示したように端部に限定されるものではなく他の 部分に設けてもよい。また係止部の形状も上記の例に限らない。例えば一方の保 持部材に突起状の係止部を設け、この係止部と他方の保持部材に設けた穴とを係 合させる等も可能である。さらに実施例1では、係止爪を第2保持部材の一方の 面側に突出させているが、これを両方の面側に突出させて設ければ第2保持部材 の表裏を考慮する必要はなくなる。この係止部を係止させる部位も、第1の保持 部材の堤部の端部に限るものではなく、堤部の他の部分、基板の一部、磁石自体 等に設定できる他、第1の保持部材に係止部を設けた際には第2の保持部材の適 宜の部分に設定してよい。
【0043】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案の装身具用装着機構は、第1の保持部材と第2の 保持部材とに滑り変位を生じさせる外力が作用しても、装身具用装着機構の接合 状態が解除されることは防止され、使用中に接合が解除されるような不都合はな くなる。
【0044】 また、請求項2記載の構成とすれば、第1の保持部材の堤部と第2の保持部材 とで磁石をシールドすることになり、漏れ磁束を減少させることができる。 請求項3記載構成とすれば、堤部が係止部の相手方となるので、別途被係止部 を設ける必要はない。
【0045】 請求項4記載の構成とすれば、第2の保持部材の端部に設けられた折曲部とし て係止部を形成できるので加工が簡単である。 請求項5記載の構成とすれば、折曲部の折曲げ角度がほぼ90度であるので強 固な係止となる。
【0046】 請求項6記載の構成とすれば、折曲部の折曲げ角度が鋭角であるため、第1の 保持部材と第2の保持部材との接合、分離の操作が容易となる。 請求項7記載の構成とすれば、第1または第2の保持部材の任意の位置に係止 部を設けることができる。
【0047】 請求項8記載の構成とすれば、突起と穴部とで係合するので、第1の保持部材 と第2の保持部材との接合を確保する効果が高い。 さらに、請求項9記載の構成とすれば、磁石の表面がめっき又は塗膜で被覆さ れ磁石が直接に皮膚に接触することはなくなるので、サマリウム、コバルト、ネ オジウム等を主たる材料とする希土類磁石を使用しても皮膚を荒すことはない。
【0048】 請求項10記載の構成とすれば、磁石の表面保護が一層確実である。 請求項11記載の構成とすれば、小型でも強力な接合力を得ることができる。 請求項12記載の構成とすれば、磁石の接合側の面の保護がさらに確実となる 。
【0049】 請求項13記載の構成とすれば、保護部材の装着が容易かつ確実に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の装身具用装着機構の構成を説明す
る一部断面図である。
【図2】 実施例1の装身具用装着機構の要部の説明図
であり、図2(a)は第1保持部材の平面図、図2
(b)は第2保持部材の平面図である。
【図3】 実施例1の装身具用装着機構において第1保
持部材と第2保持部材とを接合した状態の断面図であ
る。
【図4】 実施例1の装身具用装着機構における滑り変
位に対する抵抗力の説明図である。
【図5】 実施例2の装身具用装着機構の要部の構成を
示す説明図である。
【図6】 実施例3の装身具用装着機構の要部の構成を
示す説明図である。
【図7】 実施例1の装身具用装着機構の変形例におい
て第1保持部材と第2保持部材とを接合した状態の断面
図である。
【図8】 従来の装身具用装着機構の説明図である。
【符号の説明】
10、30、50・・・装身具用装着機構、 12・・・ネックレスチェーン(装身具)、 14、32、52・・・第1保持部材(第1の保持部
材)、 16、38、58・・・第2保持部材(第2の保持部
材)、 18・・・基板、 20、34、54・・・堤部、 22・・・希土類磁石(磁石)、 22a・・・めっき層、 26、40・・・係止爪(係止部)、 60・・・ばね部材(係止部)。

Claims (13)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と該基板に固着された磁石とを有す
    る第1の保持部材と、磁性体の第2の保持部材と、上記
    第1の保持部材および第2の保持部材を連結する鎖部材
    とを備え、上記第1の保持部材と第2の保持部材とを磁
    力で接合した際には上記第1の保持部材、第2の保持部
    材及び鎖部材にて閉鎖環状体を形成する装身具用装着機
    構において、 上記第1および第2の保持部材の双方または一方に、相
    手方となる上記第1または第2の保持部材の一部と係止
    することにより上記磁力で接合された第1の保持部材と
    第2の保持部材との滑り変位を規制する係止部を設けた
    ことを特徴とする装身具用装着機構。
  2. 【請求項2】 上記磁石の上記基板からの突出高さ以上
    に上記基板から突出する堤部を上記磁石の側縁に沿って
    設けたことを特徴とする請求項1記載の装身具用装着機
    構。
  3. 【請求項3】 上記第2の保持部材に上記堤部の端部に
    係止可能な係止部を設けたことを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の装身具用装着機構。
  4. 【請求項4】 上記係止部が上記第2の保持部材の端部
    に設けられた折曲部であることを特徴とする請求項1な
    いし3のいずれか記載の装身具用装着機構。
  5. 【請求項5】 上記折曲部の折曲げ角度がほぼ90度で
    あることを特徴とする請求項4記載の装身具用装着機
    構。
  6. 【請求項6】 上記折曲部の折曲げ角度が鋭角であるこ
    とを特徴とする請求項4記載の装身具用装着機構。
  7. 【請求項7】 上記係止部が上記第1および第2の保持
    部材の一方に設けられた突起であることを特徴とする請
    求項1または2記載の装身具用装着機構。
  8. 【請求項8】 上記第1および第2の保持部材の一方に
    上記突起を設け、他方の保持部材に該突起が入出可能な
    穴部を設けたことを特徴とする請求項7記載の装身具用
    装着機構。
  9. 【請求項9】 上記磁石の表面をめっき又は塗膜で被覆
    したことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか記載
    の装身具用装着機構。
  10. 【請求項10】 上記磁石の表面にめっきを施し、さら
    に塗膜で被覆したことを特徴とする請求項1ないし8の
    いずれか記載の装身具用装着機構。
  11. 【請求項11】 上記磁石が希土類磁石であることを特
    徴とする請求項1ないし10のいずれか記載の装身具用
    装着機構。
  12. 【請求項12】 上記第1の保持部材と第2の保持部材
    とを磁力で接合する際に上記第2の保持部材と対向する
    上記磁石の面に非磁性体の保護部材を装着したことを特
    徴とする請求項1ないし11のいずれか記載の装身具用
    装着機構。
  13. 【請求項13】 上記保護部材がキャップ状であること
    を特徴とする請求項12記載の装身具用装着機構。
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