JP2999810B2 - 1,2−ジオキセタン化合物 - Google Patents

1,2−ジオキセタン化合物

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JP2999810B2 JP23976590A JP23976590A JP2999810B2 JP 2999810 B2 JP2999810 B2 JP 2999810B2 JP 23976590 A JP23976590 A JP 23976590A JP 23976590 A JP23976590 A JP 23976590A JP 2999810 B2 JP2999810 B2 JP 2999810B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は化学発光性で酵素によって開裂し得る置換1,
2−ジオキセタンおよび試料中の物質を検出するための
その使用に関する。
従来の技術 ジオキセタンは、4員環を持ちその中の構成原子の2
つは隣接する酸素原子である。ジオキセタンは熱的にま
たは光化学的に分解できカルボニル生成物、例えばエス
テル、ケトンまたはアルデヒドを生成する。光の形(即
に発光)でのエネルギーの放出がこの分解に伴われる。
一般に、本発明はその第1の態様において特異的結合
対の構成員(即ち、お互いに特異的に結合している2つ
の物質)が光学的に検出可能な手段により検出される検
定法における改良を特色としている。その改良は式: を持つジオキセタンの酵素との反応を含んでおり、式中
Tは置換(即ち、1つまたはそれ以上のC1−C7アルキル
基または例えばカルボニル基のごときヘテロ原子基を含
んでいる)または非置換シクロアルキル環(環は6から
12までの間の炭素原子を持つ)または多シクロアルキル
基(2つまたはそれ以上の縮合環を持ち、各々の環は独
立して、5から12までの間の炭素原子を持つ)であり、
4員ジオキサタン環にスピロ結合で結合しており;Yは蛍
光発色団(即ち、Yはエネルギーを吸収して励起(即に
より高いエネルギー)状態を形成することができる基で
あり、その状態からそれは光を放出してその本来のエネ
ルギー状態へ戻る;Xは水素、直鎖または分枝鎖アルキル
基(1から7までの間の炭素原子を持つ、例えばメチ
ル)、直鎖または分枝鎖ヘテロアルキル基(1から7ま
での間の炭素原子を持つ、例えばメトキシ、ヒドロキシ
エチルまたはヒドロキシプロピル)、アリール基(少く
とも1つの環を持つ、例えばフェニル)、ヘテロアリー
ル基(少くとも1つの環を持つ、例えばピロールまたは
ピラゾリル)、ヘトロアルキル基(環中2から7までの
間の炭素原子を持つ、例えばジオキサン)、アラルキル
基(少くとも1つの環を持つ、例えばベンジル)、アル
アリール基(少くとも1つの環を持つ、例えばトリル)
または酵素で開裂し得る基、即ち、酵素により開裂で
き、ジオキサンに結合する電子に富んだ部分を得る結合
を持つ基、例えばリン−酸素結合が酵素(例えば酸性ホ
スファターゼまたはアルカリ性ホスファターゼ)により
開裂可能でジオキセタンに結合した負に荷電した酸素を
得るリン酸エステル;およびZは水素、水酸基または酵
素で開裂し得る基(前に定義したとうり)であり、酵素
が酵素で開裂し得る基を開裂し、ジオキセタンに結合し
た負に荷電した置換基(例えば酵素アニオン)を形成
し、負に荷電した置換基がジオキセタンの分解を起こ
し、基Yを含む発光物質(即ち、光の形でエネルギーを
放出する物質)を形成するように、XまたはZの少くと
も1つは酵素で開裂し得る基であるように提供される。
発光物質は最初の物質の存在の指標として検出される。
発光の強度を測定することにより、最初の物質の濃度が
決定できる。
好適な実施態様においては、基T,XまたはYの1つま
たはそれ以上に可溶化置換基、例えばカルボン酸基;硫
酸基またはその塩または四級アミノ塩が含まれ;ジオキ
セタンの基Tは多シクロアルキル基(好適にはアダマン
チル)であり;酵素で開裂し得る基はリン酸エステルを
含み;および酵素はホスファターゼを含んでいる。
本発明はまた試料中の最初の物質を検出するためのキ
ットを特色としている。
第2の態様において、本発明は試料中の酵素を検出す
るための方法を特色としている。その方法は酵素と基Z
が検出される酵素により開裂できる前記ジオキセタンを
接触させることを含んでいる。酵素が基Zを開裂し、ジ
オキセタンに結合する負に荷電された置換基(例えば酵
素アニオン)を形成させる。この置換基はジオキセタン
を不安定化し、それによりジオキセタンを分解し、ジオ
キセタンの基Yを含む発光物質が形成される。発光物質
は酵素存在の指標として検出される。発光強度の測定に
より酵素の濃度もまた決定できる。
本発明は試料中(例えば生物試料)の物質を検出する
簡単で非常に感度の高い方法を提供し、特に低濃度で存
在する物質に有用である。ジオキセタンの分解が発色団
Yの励起エネルギー源として働くので、外部の励起エネ
ルギー源(例えば光)を必要としない。さらに、ジオキ
セタン分子はすでに分解のために適当な酸化状態にある
ので、外部からの酸化剤(例えばH2OまたはO2)の添加
の必要がない。酵素−活性化分解は1つの酵素分子が多
くのジオキセタン分子の発光を起こさせるので(それ故
増幅効果を起こす)光感度である。さらに、放射の波長
(またはエネルギー)および発光の量子収率はジオキセ
タンのY置換基を選択することにより変えることができ
る(ここで使用した“量子収率”とは分解したジオキセ
タンのモル数当りの発光生成物から放射された光子の数
を意味している)。さらに、ジオキセタンのT,Xおよび
Y基を適当に改変することによりジオキセタンの溶解度
およびジオキセタン分解の速度論を変更できる。ジオキ
セタンはまた種々の分子(例えばタンパク質またはハプ
テン)または固定化基質(例えばポリマー膜)に結合で
き、またはホモポリマーまたはコポリマー中の側基とし
て含ませることもできる。
構造 本発明は前記発明の要約で列挙した構造を持つジオキ
セタンを用いる。基Tの目的はジオキセタンを安定化さ
せるためであり、即ち、酵素で開裂し得る基Zが開裂す
る前にジオキセタンが分解するのを防ぐためである。大
きな、かさ高い、立体障害のある分子(例えば融合多環
式分子)が最も有効な安定剤である。さらに、Tは好適
にはC−CおよびC−H−重結合のみを含んでいる。最
も好適な分子は3つの融合シクロヘキシル環から成るア
ダマンチル基である。アダマンチル基はジオキセタンの
4員環の部分にスピロ結合を通して結合されている。
基Yは酵素で開裂し得る基Zに結合している蛍光発色
団である。Yは酵素が基Zを開裂し、それにより電子が
豊富な部分を発生させ、それがジオキセタンを不安定化
してジオキセタンの分解を起こした時に発光性となる。
分解は2つの別々のカルボニル化合物を生成し、その1
つは基Tを含んでおり、他のものは基X,YおよびZを含
んでおり;ジオキセタン分解により放出されるエネルギ
ーは後者の化合物のY基を発光性にする(もし基Xが水
素であればアルデヒドが生成される)。
発色団Yの励起状態エネルギー(即ち、光を放射する
ため発色団Yが持っていなければならないエネルギー)
は発光を基Yに制限するために基Tを含むケトンの励起
状態エネルギーより好適には低い。例えばYがアダマン
チルである場合、発色団Yの励起状態エネルギーは好適
にはスピロマダマンタンの励起状態エネルギーよりも低
い。
任意の発色団Yが本発明に従って使用できる。一般に
は、感度を高めるために量子収率を最大にする発色団を
使用するのが望まれる。
適した発色団として以下のものが挙げられる: 1)フェニルおよびフェニル誘導体; 2)ナフタレンおよびナフタレン誘導体、例えば5−ジ
メチルアミノナフタレン−1−スルホン酸およびヒドロ
キシナフタレン; 3)アントラセンおよびアントラセン誘導体、例えば、
9,10−ジフェニルアントラセン、9−メチルアントラセ
ン、9−アントラセンカルボキシアルデヒド、アントリ
ールアルコールおよび9−フェニルアントラセン; 4)ローダミンおよびローダミン誘導体、例えはロード
ール、テトラメチルローダミン、テトラエチルローダミ
ン、ジフェニルジメチルローダミン、ジフェニルジエチ
ルローダミンおよびジナフチルローダミン; 5)フルオレセインおよびフルオレセイン誘導体、例え
ば5−ヨードアセトアミド フルオレセイン、6−ヨー
ドアセトアミド フルオレセインおよびフルオレセイン
−5−マレイミド; 6)エオシンおよびエオシン誘導体、例えばヒドロキシ
エオシン、エオシン−5−ヨードアセトアミドおよび
エオシン−5−マレイミド; 7)クマリンおよびクマリン誘導体、例えば7−ジアル
キルアミノ−4−メチルクマリン、4−ブロモメチル−
7−メトキシクマリンおよび4−ブロモメチル−7−ヒ
ドロキシクマリン; 8)エリスロシンおよびエリスロシン誘導体、例えばヒ
ドロキシエリスロシン、エリスロシン−5−ヨードアセ
トアミドおよびエリスロシン−5−マレイミド; 9)アシリジンおよびアシリジン誘導体、例えばヒドロ
キシ アシリジンおよび9−メチル アシリジン; 10)ピレンおよびペレン誘導体、例えばN−(1−ピレ
ン)ヨードアセトアミド、ヒドロキシピレンおよび1−
ピレンメチル ヨードアセテート; 11)スチルベンおよびスチルベン誘導体、例えば6,6′
−ジブロモスチルベンおよびヒドロキシスチルベン; 12)ニトロベンズオキサジアゾールおよびニトロベンズ
オキサジアゾール誘導体、例えばヒドロキシニトロベン
ズオキサジアゾール、4−クロロ−7−ニトロベンズ−
2−オキサ−1,3−ジアゾール、2−(7−ニトロベン
ズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル−アミ
ノ)ヘキサン酸; 13)キノリンおよびキノリン誘導体、例えば6−ヒドロ
キシキノリンおよび6−アミノキノリン; 14)アクリジンおよびアクリジン誘導体、例えばN−メ
チルアクリジンおよびN−フェニルアクリジン; 15)アシドアクリジンおよびアシドアクリジン誘導体、
例えば9−メチルアシドアクリジンおよびヒドロキシ−
9−メチルアシドアクリジン; 16)カルバゾールおよびカルバゾール誘導体、例えばN
−メチルカルバゾールおよびヒドロキシ−N−メチルカ
ルバゾール; 17)蛍光性シアニン、例えばDCM(レーザー色素)、ヒ
ドロキシシアニン、1,6−ジフェニル−1,3,5−ヘキサト
リエン、1−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−フ
ェニルヘキサトリエンおよび対応する1,3−ブタジェ
ン; 18)カルボシアニンおよびカルボシアニン誘導体、例え
ばフェニルカルボシアニンおよびヒドロキシカルボシア
ニン; 19)ピリジニウム塩、例えば4(4−ジアルキルジアミ
ノスチリール)N−メチルピリジニウムヨウ素酸塩およ
びヒドロキシ−置換ピリジニウム塩; 20)オキソノール;および 21)レゾロフィンおよびヒドロキシ レゾロフィン。
最も好適な発光団はベンゼン、アントラセンまたはナ
フタレンのヒドロキシ誘導体であり;水酸基は基Zへの
結合を容易にする。
基Zは酵素で開裂し得る結合を通して発色団Yへ結合
している。適当な酵素との接触により酵素で開裂し得る
結合が開裂され、発色団Yへ結合する電子の豊富な部分
が形成され;この部分がジオキセタンの2つの個々のカ
ルボニル化合物への分解(例えばもし基Xが水素である
ならばケトンまたはエステルおよびアルデヒドへ)を開
始する。電子の豊富な部分としては酸素、硫黄およびア
ミンまたはアミノアニオンが挙げられる。最も好適な部
分は酸素アニオンである。適したZ基の例、およびこれ
らの群の酵素特異性が下記の表1に与えてあり;矢印は
酵素で開裂し得る結合を示している。最も好適なZ基は
リン酸エステル、特に酸素原子を通してフェニル発色団
基Yへ結合しているものであり、フェニル基は順にジオ
キセタン環の4−炭素原子へ結合している。即ち: リン酸エステルはアルカリ性または酸性ホスファターゼ
酵素により開裂される。
適したX基は前記発明の要約に記載されている。好適
にはXは1つまたはそれ以上の可溶化置換基(即ち、水
溶液でのジオキセタンの溶解度を増加させる置換基)を
含んでいる。可溶化置換基の例としてはカルボン酸また
はカルボン酸塩基、例えばカルボキシメチルまたはカル
ボキシエチル基(これらは最も良好である);スルホン
酸またはスルホン酸塩基、例えばオキシスルホニルメチ
ル;および4級アミノ塩、例えばトリアルキルアンモニ
ウム ブロミドが挙げられる。
好適には基Xを開裂する酵素と検出される物質に特異
的親和力を持つ物質に共有結合で結合される。特異的親
和性物質の例としては抗体、例えば抗−hCG;抗原、例え
ばhCG、ここで検出される物質は抗体(例えば抗−hCG)
である;検出される核酸(例えばDNAまたはRNA)の全部
または一部に結合できるプローブ;またはY−Z結合を
開裂できる酵素が挙げられる。結合は好適にはアミド結
合を通してなされる。
合成 一般に、本発明のジオキサンはいくつかの方法により
合成できる。
そのような合成の1つでは式: (式中、T,YおよびZは前に定義したとうり)を持つ適
当に置換されたオレフィンが最初に合成される。これは
良く知られているマクマリー反応〔例えばマクマリー
ら、“オレフィンに対するカルボニルのチタン誘発還元
的カップリング、J.Org.Chem.,43, No.17(1978),pp.
3255−3266;J.Am.Chem.Soc.,105(1983),pp1660−1661
を参照のこと〕を用いて行われる。ケトン出発物質、T
=0が用いられる。この出発物質において、出発物質T
は例えば、ジオキセタンの3−(アダマンター2′−イ
リデン)置換基になるであろうアダマンチル基であり得
(その2′−炭素原子を通して1,2−ジオキセタンの3
−炭素原子へスピロで結合する場合)、またはジオキセ
タン環のアダマンチリデン部分に結合する所望の置換基
(例えばメトキシ基のごとき低級アルコキシ基)または
既知の技術により所望の置換基へ変換可能な置換基にな
るであろう置換基を持つアダマンチル基であり得る。例
えば、2−置換−4,5−ジフェニルオキサゾールは: …色素増環光酸化により容易に正体を表わすことがで
きる潜在的カルボン酸誘導体源として働くことが知られ
ており、反応活性トリアミドを生成し、それは水性の塩
基性媒質中緩和な条件下でカルボン酸塩に加水分解でき
る;Wassermanら、Tetrahedron,37(1981),pp.4059〜40
67を参照されたい。
5−カルボキシアダマンタン−2−オン 〔Lantvoev,Zh.Obshch.Khim.,12.2361〜2368(1976)参
照.また親カルボン酸へ容易に加水分解できる5−カル
ボメトキシアダマンタン−2−オンの同様な製造法のた
めIe Nebleらの,J.Org.Chem.,48,1101〜1103(1983)を
参照されたい〕または5−カルボキシメチルアダマンタ
ン−2−オン〔Miuraら、Chem.Pham.Bull.,30,67〜73
(1982)参照〕はそのベンゾインまたはジ−p−メトキ
シベンゾインエステルを経て対応するジフェニルオキサ
ゾールへ変換される。オキサゾール基はマクマリー反応
後続いてカルボン酸塩へ変換され、Z−付加オレフィン
中間体が一重項酸素と反応して1,2−ジオキセタンを与
えるのと同時にリン酸化される。
ケトン出発物質T=0(例えば5−〔2−(4,5−ジ
フェニルオキサゾール−2−イル)メチル〕アダマンタ
ン−2−オン)の2当量を1当量のアルキルエステルと
反応させる: 式中、Yは例えばフェニルであり、Z′は前記の基Zで
あり、例えばその1つの酸素原子を通してフェニル基
(それは順に1,2−ジオキセタン環の4−炭素原子にな
るであろうものに供給されている)に結合されているリ
ン酸エステル基、または既知の技術により基Zへ変換可
能な基、例えばメトキシ基またはリン酸化可能な水酸基
であり、またアルキル基はメチルのごとき低級アルキル
基であろう。この反応は水素化アルミニウムリチウムに
対する三塩化チタンの比を標準的な2:1となし、好適に
はグライム、ジグライム、テトラヒドロフラン等々のご
とき溶媒存在下、使用された三塩化チタンの各々のモル
に対し3当量のトリエチルアミンと一緒に、約60℃から
約90℃の温度範囲で約1から約4時間加熱すると起こ
り、続いて反応混合物は好適にはメタノールで反応停止
させ、無水条件下後処理される。
Z′がリン酸化可能水酸基−置換発色団(例えばヒド
ロキシフェニル基)である場合、オレフィン形成反応に
続いて発色団の水酸基をリン酸化するのが望ましく、そ
れは環状アシルホスフェートを用い、例えば: (2,2,2−トリメトキシ−4,5−ジメチル−1,3−ジオキ
サホスホレンとホスゲンを0℃にて反応させ、続いて12
0゜にて2時間加熱することにより製造される)、次に
このトリエステルをピリジン(これはまた溶媒として存
在している)で脱メチル化して環状アシルホスフェート
ジエステルのN−メチルピリジニウム塩を得ることによ
り達成される。この塩は同じピリジン溶液に添加された
前述のヒドロキシアリールエノールエステルと反応さ
せ、ヒドロキシアリールの3−ケト−3−ブチルオキシ
ホスフェートジエステルをそのN−メチルピリジニウム
塩として得る。ジエステルは溶媒除去後、生成物を室温
で水性アセトニトリル炭酸ナトリウム緩衝液と攪拌する
ことにより、選択的にケトブチルオキシ基を失ってモノ
エステルへ容易に加水分解され〔RamiresらによるAnge
w.Chem.Intn′l.Ed.,12,66−67(1973)、および参考文
献が含まれている、を参照されたい〕リン酸化発色団を
与える。
式: (式中、T置換基は水溶液中でのジオキセタンの溶解度
を増大させる可溶化置換基でありうる基または置換基
X′、例えば膜、フィルム、ビーズ、ポリマーまたはポ
リマー化できる基への結合を容易にする置換基またはジ
オキセタン酵素的分解の反応速度を促進する置換基でさ
らに置換されている) の適切に置換されたオレフィンはEdwadsにより1989年9
月22日に出願された米国特許出願第4,411,387号
(“ ′387出願”)、Edwardsらにより1989年9月6日
に出願された米国特許出願第279,176号(“ ′176出
願)、Bronsteinらによりこれと同時に出願された米国
特許出願第 号(代理人覚え書第189/300号)、お
よびEdwardsらにより、これと同時にまた出願された米
国特許出願第 号(代理人覚え書第191/289
号)、(すべての共通の譲渡証はこの出願と一緒に)、
に記載されているごとき方法によりまた合成される。
特に、そのようなオレフィンは′847出願に記載され
ている方法に従って合成され、例示の目的で以下のごと
く図式的に示されている反応系列により合成でき、その
例においてはTは置換アダマンチルまたはアダマンター
2′−イリデン(“Ad")であり、Xはメトキシであ
り、Yはフェニルであり、Zはホスホリルオキシおよび
X′は前記の可溶化基または結合助長基(例えばカルボ
ン酸基)または分解速度促進基(例えばメトキシ基)ま
たはそのような基へ既知の方法で容易に変換可能な基ま
たは置換基(例えば1O2)との反応および続いての塩基
性加水分解によりカルボン酸含有基へ変換し得る4,5−
ジフェニルオキサゾール−2−イルメトキシ基)のうち
の1つである。
前述の反応系列においてR8は低級アルキル基(例えば
メチル、エチルまたはブチル)を表わす。R9はアセチ
ル、プロピオニル、メシトリルまたはピバロイルのごと
き2から14までの炭素原子を含むアシル基を表わし、Q
は例えばクロロまたはブロモのごときハロゲンまたはOR
8を表わし、およびMは独立して、金属カチオン(例え
ばNa+またはK+)、プロトンまたはアンモニウム、置換
アンモニウネ(H+)ピリジニウムまたは4級アンモニウ
ムカチオンを表わす。′387出願に記載されているごと
きチオレート開裂を上に示した反応系列の工程5のOR9
基の開裂のかわりに使用できる(その場合R8は低級アル
キルまたはアラルキル基であろう、例えばメチルまたは
ベンジル)。
式: で表わされる前記中間体は既知の化合物、またはこの分
野で認められている方法を用いて既知の出発物質から容
易に合成される。
しかしながら当業者には理解されるであろうごとく、
X′置換基は全反応系列の間同じである必要はなく、任
意の段階で他の構造的要件と一致するものへ反応により
変換されてもよい。例えば、5−メトキシアダマンタン
−2−オンはMeijerの学位論文、グロニンゲン大学、オ
ランダ、1982に記載されているごとくして製造される。
この化合物は前記反応系列中の工程4のホーナーエモン
スカップリング反応に使用され、最終的に酵素で開裂し
得る、5−メトキシアダマンチリデン置換、syn−およ
びanti−1,2−ジオキセタンを与える。5−ブロモアダ
マンタン−2−オン〔Gelukら、Tetrahedron,24,5369
(1968)〕から出発すると、反応系列の工程5で生成さ
れるエノールエーテル中間体(X′=Br)はアルコール
またはボンベ内の液体アンモニア中、高温および高圧で
容易に加溶媒分解を受ける。ブロモエノールエーテルフ
ェノールの一級、二級または三級アルコールとの反応速
度は、高温(105−120゜)で炭酸カリウムのごときプロ
トン受容体の存在下でのみ認知できるようになる。一般
にこの反応は遅いが、きれいであり、エーテル形成を容
易にするのにしばしば用いられる銀または重金属塩の使
用を避けることができる。他のハロエノールエーテル
(X′はクロロまたはヨードである)もまたこの変換に
使用できるが、X′がアルコキシ(例えばメトキシ)で
あるフェノール性エノールエーテルを得るために必要と
される条件は各々の場合で変化する。この反応はまた、
4,5−ジフェニル−2−ヒドロキシメチルオキサゾール
〔Aldousら、J.Org.Chem.,25,pp1151−1154(1960)〕
のごときヘテロアリール置換アルコールにも応用でき
る。得られるアダマンタン環の5位が4,5−ジフェニル
オキサゾール−2−イルメトキシ基で置換されているエ
ノールエーテルは合成を通して維持され上に示したごと
く最終工程で開裂される。
ジオキセタン合成の第2の段階には上述のオレフィン
のジオキセタンへの変換が含まれる。好適には、変換は
オレフィンを一重項酸素(1O2)で処理することにより
光化学的に達成される。1O2は二重結合をはさんで付加
し、下記のごとくジオキセタンを形成する: 反応はハロゲン化溶媒(例えばメチレンクロリド)中、
冷却して(好適には約50℃以下)実施する。1O2は光増
感剤を用いて発生される。光増感剤の例としてはポリ−
結合ローズベンガル〔センシトックス(Sensitox)Iと
して市販されていることが知られており、ハイドロン
ラボラトリー,ニュー ブランスヴィック,N.J.から入
手可能である〕(好適である)およびメチレンブルー
(よく知られた色素およびpH指示薬)が挙げられる。
式: を持つジオキセタンの合成は以下のごとくである: 式; を持つオレフィンをメチレンクロリドに溶解し、溶液は
ガラスパドルを備えた2−cm2パイレックス管に入れ
る:パドルは付属のガラスで閉じた棒状磁石で管から除
く。溶液を0℃へ冷却し、攪拌しながら1gのポリマー−
結合 ローズベンガルを添加する。反応管はUV−カット
フィルター(コーニング3060:365nmでの透過=0.5%)
を付けた500Wタングステン−ハロゲンランプ(GEQ500 C
l)からの光に暴露しながら、攪拌溶液の表面上を酸素
を通過させる。オレフィンの消失および同時にジオキセ
タンの生成のモニターに薄層クロマトグラフィー(tl
c)が使用される。反応完了後(tlcにより示されたら)
溶媒を除去しジオキセタンを単離する。
作用 試料中の特定の物質の存在または濃度を決定するため
に視覚的に検出可能な手段を使用する広範囲の種類の検
定法が存在する。前記ジオキセタンはこれらの検定に使
用できる。そのような検定の例としては抗体または抗原
を検出する免疫検定(例えばα−またはβ−hCG);酵
素検定;例えばカリウムまたはナトリウムイオンを検出
する化学検定;および例えばウィルス(例えば、HTLVII
またはサイトメガロウィルス)または細菌(例えば大腸
菌)を検出する核酸検定が挙げられる。常法(例えばカ
ルボジイミド結合)では特異的親和性物質に酵素を結合
させてきた;結合は好適にはアミド結合を通して行われ
る。
一般に、検定は以下のごとく実施される。検出し得る
物質を含むと疑われる試料を、検出し得る物質に対し特
異的親和性を持つ物質に結合された酵素を含む緩衝化溶
液を接触させる。得られる溶液は検出し得る物質が特異
的親和性−酵素化合物の特異的親和性部分へ結合される
ようにインキュベートされる。次に過剰の特異的親和性
−酵素化合物を洗い流し、特異的親和性−酵素化合物の
酵素部分により開裂し得る基Zを持つジオキセタンを添
加する。酵素が基Zを開裂し、ジオキセタンの2つのカ
ルボニル化合物(例えばエステルまたはケトン)への分
解を起こし;カルボニル化合物の1つに結合されている
発色団Yが励起され発光する。発光は試料中の検出し得
る物質の存在の指標として検出される(例えばキュベッ
トまたはカメラ発光計)。発光強度は物質の濃度を決定
する為に測定される。
転出し得る物質が酵素である場合は、特異的親和性物
質は必要でない。実際、検出される酵素により開裂し得
るZ基を持つジオキセタンが使用される。それ故、酵素
のための検定では酵素含有試料にジオキセタンを添加
し、生じる発光を酵素の存在および濃度の指標として検
出する。
特異的決定の例は以下のごとくである。
A.ヒトIgG検定 96ウェルのマイクロタイタープレートをヒツジ抗−ヒ
トIgG(F(ab))断片特異性)で被覆する。ヒトIgG
を含む血清試料をウェルに加え、ウェルは室温にて1時
間インキュベートする。
インキュベーション期間に続いて、血清試料をウェル
から除去し、ウェルを0.15M NaCl、0.01Mリン酸および
0.1%ウシ血清アルブミンを含む水性緩衝液(pH7.4)で
4回洗浄する。
各々のウェルへ抗−ヒトIgGに結合されたアルカリ性
ホスファターゼを添加し、ウェルを1時間インキュベー
トする。次にウェルを前記緩衝化溶液で4回洗浄し、本
発明のリン酸−含有ジオキセタンの緩衝化溶液を添加す
る。ジオキセタンの酵素的分解により起こされた発光を
発光計中で検出するか、カメラ発光計中で写真フィルム
で検出する。
B.hCG検定 ナイロン−メッシュ膜上にウサギ抗−α−hCGを吸着
させる。hCGを含む試料(例えば妊娠女性からの尿)を
膜を通して吸入させ、その後膜を0.15M NaCl、0.01Mリ
ン酸および0.1%ウシ血清アルブミンを含む緩衝化溶液
(pH7.4)の1mlで洗浄する。
アルカリ性ホスファターゼ標識抗β−hCGを膜へ加
え、膜は再び2mlの前記緩衝化溶液で洗浄する。膜を発
光計のキュベット中またはカメラ発光計内へ置き本発明
のリン酸−含有ジオキセタンと接触させる。ジオキセタ
ンの酵素的分解から生じる発光を検出する。
C.血清アルカリ性ホスファターゼ検定 0.8M 2−メチル−2−アミノプロパノールを含む2.
7mlの水性緩衝化溶液を12×75mmパイレックス試験管に
入れ、アルカリ性ホスファターゼを含む0.1mlの血清試
料を添加する。溶液は30℃で平衡化し、0.2mlの本発明
のリン酸含有ジオキセタンを添加し、試験管は直ちに発
光計へ入れ生じる発光を記録する。光放射の水準はアル
カリ性ホスファターゼ活性の速度に比例するであろう。
D.核酸ハイブリダイゼーション検定 サイトメガロウィルスを含むと疑われる脳脊髄液(CS
F)の試料を集め膜(例えばナイロンまたはニトロセル
ロース膜)上に置く。試料は次に尿素またはグアニジニ
ウム イソチオシアネートで化学的に処理して細胞膜お
よびウィルスDNAを除くすべての細胞成分を破壊する。
そのようにして得られるウィルスDNAの鎖を分離し、ニ
トロセルロース フィルターへ付着させる。ウィルスDN
Aへ特異的でアルカリ性ホスファターゼで標識されたDNA
プローブをフィルターへ加える;プローブが相補的ウィ
ルスDNA鎖へハイブリダイズする。バイブリダイゼーシ
ョン後、フィルターを0.2M NaClおよび0.1mMトリス−HC
lを含む水性緩衝化溶液(pH=8.10)で洗浄して過剰の
プローブ分子を除去する。本発明のリン酸−含有ジオキ
セタンを添加し、ジオキセタンの酵素的分解により生じ
る発光を発光計中で測定するかまたは写真フィルムで検
出する。
E.ガラクトシダーゼ検定 前記検定および作業例において、α−またはβ−ガラ
クトシダーゼで開裂し得るα−D−またはβ−D−ガラ
クトシド(ガラクトピラノシド)基の各々を含むジオキ
セタンを添加でき、発色団から糖部分の酵素的開裂によ
り生じる発光を発光計で測定するかまたは写真フィルム
で検出する。
F.電気泳動 電気泳動によりタンパク質および核酸の複雑な混合物
を電場中でゲル支持体上でその分子の大きさおよび構造
に従って分離できる。この技術はタンパク分解後のタン
パク質の断片またかは制限エンドヌクレアーゼ切断(DN
A配列決定のごとく)後の核酸の断片の分離にも応用で
きる。ゲル中での化学種の電気泳動的分離後またはゲル
から膜へ分離した化学種を移した後、結合はリガンドに
結合した酵素により証明される。例えば、ペプチド断片
はアルカリ性ホスファターゼに共有結合で結合された抗
体で証明される。DNA配列決定における他の例ではアル
カリ性ホスファターゼ−アジピンがビオチニル場ヌルレ
オチド塩基へ結合される。その後、本発明のAMPPD類似
体がゲルまたは膜へ添加される。短いインキュベーショ
ンの後、ジオキセタンの酵素的活性化で発光種が形成さ
れる結果として光が放射される。発光はX−線またはイ
ンスタント写真フィルムで検出されるか、または発光計
でスキャンされる。多チャンネル分析はさらに本方法を
改良し、1つ以上の断片に対するプローブを同時に測定
できるようになる。
G.固体状態検定 固体状態検定においては、マトリックスに対する非特
異的結合を阻止するため、ウシ血清アルブミン(BSA)
またはゼラチンのごとき非特異的タンパク質でも非特異
的結合部位を前処理するのが望まれる。ある種の市販の
BSA調製試料は、AMPPDからの望ましくないバックグラウ
ンド化学発光を産み出すであろう少量のホスファターゼ
活性を示す物質を含んでいることが決定された。しかし
ながら、ある種の水可溶性合成巨大分子物質がジオキセ
タンを用いる固体状態検定における非特異的結合の有効
な阻害剤である事もまた発見された。そのような物質の
うちで好適であるのは、ポリ(ビニルベンジルトリメチ
ルアンモニウムクロリド)(TMQ)、ポリ〔ビニルベン
ジル(ベンジルジメチルアンモニウム クロリド)〕
(BDMQ)またはポリ〔ビニルベンジル(トリブチルアン
モニウム クロリド)〕(TBQ)のごとき水可溶性重合
四級アンモニウム塩である。
H.ヌクレオチダーゼ検定 酵素ATPaseのための検定は2つの工程で実施される。
第1の工程では酵素はその至適pH(典型的にはpH7.4)
で末端ホスホエステルを通して発色団−置換1,2−ジオ
キセタンに共有結合で結合されているATPからなる基質
と反応し、ホスホリル−発色団−置換1,2−ジオキセタ
ンを生成する。第2の工程においては、第1の工程の生
成物を酸の添加によりpHを6以下(好適にはpH2−4)
に持っていくことにより分解し、生じる発光を発光計で
測定するかまたは写真フィルムで検出する。類似の2工
程法において、本発明の発色団−置換1,2−ジオキセタ
ンのADP誘導体を基質として用いてAPPaseが検定され、
本発明の発色団−置換1,2−ジオキセタンのアデニル酸
誘導体を基質として用いて5′−ヌクレオチダーゼが検
定される。第2の工程はまたホスホリル−発色団−置換
1,2−ジオキセタンを分解するために酵素アルカリ性ホ
スファターゼを添加することにより実施される。
I.核酸配列決定 配列決定プロトコールで生じるDNAまたはRNA断片は電
気泳動分離後本発明の化学発光性1,2−ジオキセタンを
用いて検出できる。
DNA配列決定はデジオキシ鎖終結法〔Sanger.F.ら、Pr
oc.Nat.Acad.Sci.(USA),74:5463(1977)〕により実
施される。簡単にいうと、4つの配列決定反応の各々に
対し、一本鎖鋳型DNAがジデオキシヌクレオチドおよび
ビオチニル化プライマー鎖DNAと混合される。アニーリ
ング後、クレノー酵素およびデオキシアデノシン三リン
酸を4つの配列決定反応混合物の各々とインキュベート
し、次に追跡デオキシヌクレオチド三リン酸を添加しイ
ンキュベーションを続ける。
続いて、反応混合物中のDNA断片をポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動(PAGE)により分離する。断片を膜(好
適にはナイロン膜)に移し、UV光(好適には短い波長の
光)に暴露して断片を膜に架橋させる。
ポリマー(例えばヘパリン、カゼインまたは血清アル
ブミン)で非特異的結合部位を阻止した後、膜上のDNA
断片を本発明の特定の1,2−ジオキセタン基質の酵素で
開裂し得る基に特異的な酵素に共有結合で結合されたア
ビジンまたはストレプトアビジンと接触させる。アビジ
ンまたはストレプトアビジンはビオチンに貪欲に結合す
るのでビオチニル化DNA断片はここで酵素を添付された
ことになるであろう。例えば化学発光性基質がジソジウ
ム 3−(4−メトキシスピロ〔1,2−ジオキセタン−
3,2′−(5′−メトキシ)トリシクロ〔3,3,1,13,7
デカン〕−4−イル)フェニル ホスフェートー(メト
キシ−AMPPD)の場合、アビジンまたはストレプトアビ
ジンはホスファターゼに抱合されるであろう。同様に、
化学発光性基質がジソジウム3−(4−メトキシスピロ
〔1,2−ジオキセタン−3,2′−(5′−クロロ)トリシ
クロ〔3,3,1,13,7〕デカン〕−4−イル)フェニルβ−
D−ガラクトピラノース(メトキシ−AMPGD)の場合、
アビジンまたはストレプトアビジンはβ−ガラクトシダ
ーゼに抱合されるであろう。
アルカリ性pH値(例えば約pH8.5以上)において、DNA
断片−ビオチン−アビジン(またはストレプトアビジ
ン)−酵素の複合体と適当な1,2−ジオキセタンを接触
させて発光を発生させた後、DNA断片は光感作フィルム
(例えばX−線またはインスタントフィルム)上、また
は光電子発光計装置中で視覚化される。
上で概説した検出方法はChurchらによるゲノムDNA配
列決定プロトコール〔Church.G.M.ら、Proc.Nat.Acad.S
ci.(USA),81:1991(1984)〕にも応用できる。化学
的に切断し、電気泳動で分離したDNA〔Maxam.A.M.ら、P
roc.Nat.Acad.Sci.(USA),74:560(1977)〕を膜(好
適にはナイロン膜)に移し、UV光により膜へはしご形を
架橋し、特異的DNA配列は:ハイブリダイゼーションプ
ーロブとしてビチオニル化オリゴヌクレオチド;本発明
の酵素で開裂し得る化学発光性1,2−ジオキセタンに対
し特異的な酵素に共有結合で結合されたアビジンまたは
ストレプトアビジン;および、適当な1,2−ジオキセタ
ンを連続的に添加することにより検出される。配列はし
ご形の像(PAGEにより生じる)は上記のごとくして得ら
れる。
配列はしご形の連続的再調査は最初に膜を界面活性剤
の加熱溶媒(例えば約0.5から約5%のドデシル硫酸ナ
トリウム(SDS)の水溶液を約80℃から90℃で)と接触
させることにより膜からハイブリダイズしたプローブお
よび化学発光性物質を取り除き、約50℃から約70℃に冷
却し、今は裸のDNA断片を他のビオチニル化オリゴヌク
レオチドプローブとハイブリダイズさせて異った配列を
発生させ、続いて前記のごとく画像化学発光をつくり出
すことにより達成される。
同様な視覚化法はRNA配列決定法により発生したRNA断
片にも応用できる。
他の実施態様も付随する特許請求の範囲に含まれてい
る。
例えば、酵素で開裂し得る基Zは基Yの代わりにジオ
キセタンの基Xに結合されていてもよい。特異的親和性
物質は酵素の代わりに基X,YまたはT(好適にはX)を
通してジオキセタンに結合されていてもよい。この場
合、特異的親和性物質が結合される基は結合を容易にす
る為に例えばカルボン酸、アミノ、またはマレイミド置
換基と伴に提供される。
ジオキセタンの基X,YまたはTは重合化し得る基(例
えばビニル基)へ結合でき、それは重合化しホモポリマ
ーまたはコポリマーを形成できる。
ジオキセタンの基X,YまたはTは、免疫または核酸検
定に使用するために、例えば膜、フィルム、ビーズまた
はポリマーに結合できる。それらの基は結合を容易にす
る為に、例えばカルボン酸、アミノまたはマレイミド置
換基と共に提供される。
ジオキセタンの基X,YまたはTは、ジオキセタン酵素
的分解の反応速度を促進する置換基を含むことができ
る、例えば電子の豊富な部分(例えばメトキシ)。
ジオキセタンの基YおよびTは基Xと同様に可溶化置
換基を含むことができる。
適切に置換されたジオキセタンは光化学的同様に化学
的にも合成できる。例えば、オレフィン中間体はオレフ
ィンをH2O2およびジブロマンチン(1,3−ジブロモ−5,5
−ジメチルヒダントイン)と反応させることにより1,2
−ヒドロペルオキシドに変換できる。1,2−ジブロモヒ
ドロペルオキシドを塩基(例えば水酸化ナトリウムのご
ときアルカリまたはアルカリ土類金属水酸化物)または
銀塩(例えば酢酸銀または酸化銀)で処理するとジオキ
セタンが生成する。
以下の実施例は本発明を詳細に例示するためのもので
あり、それらを制限するものととってはならず、本発明
はこれらの実施例の変形および変化もその内容および特
許請求の範囲のわく内に包むつもりである。特に記さな
いかぎりすべての割合およびパーセンテージは重量/容
量である(ただし、TLC溶媒混合物は容量/容量であ
る)。
これらの実施例のいくつかにおいてエノールエーテル
中間体に与えられた1H NMRデータは、芳香族プロトンを
示すためにプライム記号(′)を使用し、一方プライム
なしの番号はすべての場合置換アダマンター2′−イリ
デン環の位置を示している、それ故: 実施例I 2.1g(0.6ミリモル)の3−(メトキシ−5−ブロモ
トリシクロ〔3,3,1,1,3,7〕デカ−2−イリデンメチ
ル)フェニノール〔Bronsteinらにより米国特許出願第
号(代理人覚え書き第189/300号)、(こ
れと同時に出願)に記載されているごとくして合成され
た〕の無水メタノール(10ml)溶液を、0.5gの無水炭酸
カリウムと一緒にガラス試験管に入れ封入した。混合物
は油浴中110℃(105−120℃の範囲)にて、1.5日加熱し
た。試験管の内容物をロータリーエバポレータにて濃縮
し、残渣を飽和塩化ナトリウム水溶液および20%酢酸エ
チルを含むヘキサンに分配した。有機分画を次に蒸発さ
せると1.56g(86%収率)の3−(メトキシ−5−メト
キシトリシクロ〔3,3,1,1,3,7〕デカ−2−イルデシメ
チル)フェノールを得た。シリカゲルによるカラムクロ
マドグラフィーにより分析用試料を白色固形物として得
た、m.P.114−115℃。
1H NMR(400MHz,CDCl3中:δ7.2(1H,dd,J=7.7,7.6H
z,H−5′),6.84(1H,d,J=7.6Hz,ArH),6.73−6.88
(2H,m,ArH),5.76(1H,s,ArOH),3.44(1H,br.s,H−
1),3.29(3H,s,OMe),3.23(3H,s,OMe),2.82(1H,b
r.S,H−3),2.24(1H,br.s,H−7),1.57−1.95(10H,
m). 実施例II アルゴン下調整した0.5g(1.66ミリモル)の3−(メ
トキシ−5−メトキシトリシクロ〔3,3,1,1,3,7〕デカ
−2−イリデンメチル)フェノールのテトラヒドロフラ
ン(5ml)溶液を0.32ml(2.33ミリモル)のトリエチル
アミンと混合し、氷浴中0℃に冷却した。攪拌しなが
ら、2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホ
ラン(0.18ml、2.0ミリモル)を滴加した。5分後氷浴
を除き、室温で45分間攪拌を続けた。反応混合物を20ml
の無水ジエチルエーテルで希釈し、水分を排除するため
アルゴン下で過した。トリエチルアミン塩酸塩はさら
に15mlのジエチルエーテルで洗浄し液をロータリーエ
バポレーターで濃縮するとリン酸トリエステルを粘稠な
淡い橙色の油状物として得た。
アルゴン下、モルキュラーシーブで乾燥した6mlのジ
メチルホルムアミドに溶解したトリエステルに98mg(2.
0ミリモル)の乾燥シアン化ナトリウムを攪拌しながら
1度に加え、室温で3.5時間反応させた。真空下(1.0mm
Hg)、50℃に加熱しながら溶媒を除去した。生じる橙色
−褐色残渣の試料を水に溶解し、PLRPポリスチレン カ
ラム(ポリマー ラボラトリーズ)を用いて逆相分析用
クロマトグラフィー〔0.1%炭酸ナトリウム(水)−ア
セトニトリル勾配溶出〕を行うと、中間体シアノエチル
ホスフェート ジエステル ナトリウム塩への反応が
完了していることが証明された。
残渣は次に5mlのメタノールに溶解し、0.4mlのナトリ
ウムメトキシドの4.37Mメタノール溶液(1.66ミリモ
ル)を滴加し、室温で30分間攪拌した。逆相分析HPLCは
リン酸モノエステルへのβ−脱離は完了していることを
示した。溶媒を除去し、残渣を5%水/アセトンで摩砕
するゴム状の固形物を与えた。2%水/アセトンで更に
摩砕すると固い灰色がかった白色の固形物を得、それを
過し真空下(1.0mmHg)乾燥させると無機塩が混入し
た0.62gの粗3−(メトキシ−5−メトキシトリシクロ
〔3,3,1,1,3,7〕デカ−2−イリデンメチル)フェニル
リン酸二ナトリウムを得た。
PLRPポリスチレン カラム(ポリマー ラボラトリー
ズ)上0.1%NaHCO3−水−アセトニトリル勾配溶出によ
る逆相分取HPLCおよび適切な分画の凍結乾燥により0.5g
(71%)の精製された化合物を白色の顆粒状固形物とし
て得た。
1H NMR(400MHz,D2O中:δ7.16(1H,t,J=7.8Hz,H−
5′),7.05(1H,d,J=8.1Hz,ArH),6.93(1H,br.s.,H
−2′),6.85(1H,d,J=7.1Hz,ArH),3.19(4H,s,OMe
and H−1),3.06(3H,s,OMe),2.65(1H,br,s.,H−
3),2.1(1H,br.s.,H−7),1.29−1.93(10H,m). 実施例III 0.527g(1.25ミリモル)の3−(メトキシ−5−メト
キシトリシクロ〔3,3,1,1,3,7〕デカ−2−イリデンメ
チル)フェニル リン酸二ナトリウム塩の20%無水メタ
ノール−クロロホルム(5.3×10-5Mメチレンブルー増感
色素を含む)(47ml)溶液を試験管に入れ水浴で5℃に
冷却し溶液を通して酸素ガスを通過させ酸素を飽和させ
る。溶液を通しての酸素バブリングを続ける一方、冷却
250ワット高圧ナトリウムランプからの光で試験管を照
射し、その間温度は5℃に維持する。5ミルの厚いカプ
トンポリイミドフィルム(デュポン)をナトリウム蒸気
ランプと試験管の間に置き、望ましくないUV照射を光
して除く。10分後、等量のメチレンブルーを添加し、照
射をさらに15分間続けた。
PLRPポリスチレン カラム(ポリマーラボラトリー
ズ)上水−アセトニトリル勾配溶出を用いる分析HPLCは
2つの生成物ピークを示した:早く溶出するピーク(保
持時間=5.95分)および遅く溶出するピーク(保持時間
=6.45分)。早く溶出する生成物(A)と遅く溶出する
生成物(B)の面積パーセント比は1.7:1であった。
氷浴上のロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、
残渣を炭酸水素ナトリウム(200mg)を含む水(60ml)
に溶解し、0.45ミクロンのナイロン膜を通して過し
た。逆相分取HPLC(水−アセトニトリル勾配溶出)によ
り2つの生成物が分離された。適切な分画が合併され、
分析用HPLCにより本質的に均一であることが示された。
凍結乾燥により0.191gの生成物Aおよび0.112gの生成物
Bを微かに黄色の顆粒状固形物として得た。1 H NMRにより生成物は異性体のシンおよびアンチ−3−
(4−メトキシスピロ−〔1,2−ジオキセタン−3,2′−
(5′−メトキシ)トリシクロ〔3,3,1,1,3,7〕デカ
ン〕−4−イル)フェニル リン酸二ナトリウムである
ことが確認された。各々の異性体はpH10にてアルカリ性
ホスファターゼによる酵素的脱リン酸化により化学発光
を生じ、独特の光対時間のプロフィールを示し、劇的に
雑音レベルが減少していた。
1H NMR(400MHz,D2O,A異性体):δ6.98−7.41(4H,
m,ArH),3.08(3H,s,OMe),3.01(3H,s,OMe),2.97(1
H,br.s,H−1),2.34(1H,br.s,H−3),1.8(1H,br.s,
H−7),1.36−1.65(8H,m),0.99(1H,d,J=13.2Hz),
0.78(1H,d,J=13.1Hz). 1H NMR(400MHz,D2O,B異性体):δ6.97−7.42(4H,
m,ArH),3.09(3H,s,OMe),2.95(1H,br.s,H−1),2.9
3(3H,s,OMe),2.32(1H,br.s,H−3),1.88(1H,br.s,
H−7),1.24−1.73(8H,m),1.09(1H,dt,J=12.4,3.2
Hz),0.83(1H,d,J=12.2Hz). 実施例IV AMPPDおよび対応するメトキシ アダマンター2′−
1,2−ジオキセタンイリデン(AおよびB異性体)から
の全発光放射の比較はこれらの化合物の各々における全
脱リン酸化実験を実施することによりなされた。
1,2−ジオキセタンの0.05M炭酸ナトリウム/炭酸水素
ナトリウム水溶液(1mMの塩化マグネシウムを含む)
(4.0mM)を調製し、30℃で平衡化した。10μの7.64
×10Mのアルカリ性ホスファターゼ(コウシ腸;バイオ
ザイム)の水溶液を加え、得られる溶液からの化学発光
をターナーモデル20E発光計(ターナーインスツルメン
ツ Co.;サニーベイル,カリホルニア)を用いて記録し
た。
問題としているこれらの化合物の各々に対する化学発
光減衰の速度が分当りの相対的光単位(RLU)で表現さ
れ、下記の表に与えてある。
これらの全発光放射は図として第1,2および3図に示
されている。
実施例V 1.01g(2.89ミリモル)の3−(メトキシ−5−ブロ
モトリシクロ〔3,3,1,1,3,7〕デカ−2−イリデンメチ
ル)フェノールの無水エタノール(6ml)溶液を0.19gの
無水炭酸カリウムと一緒に試験管に入れ封入し、油浴上
110℃(105−120℃の範囲)にて36時間加熱した。管の
内容物をロータリーエバポレーターにて濃縮し、生じる
残渣は飽和塩化ナトリウム水溶液および20%酢酸エチル
含有ヘキサンに分配した。有機分画を蒸発させると0.19
g(99%収率)の3−(メトキシ−5−エトキシトリシ
クロ〔3,3,1,1,3,7〕デカ−2−イリデンメチル)フェ
ノールを淡黄色ゴム状物として得た。シリカゲル上、ベ
ンゼンから10%酢酸エチル含有ベンゼンへの勾配溶出を
用いるカラムクロマトグラフィーを行うと、分析用試料
を粘性のあるゴム状物として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3中):δ7.19(1H,t,J=7.6Hz,
H−5′),6.83(1H,d,J=7.6Hz),6.73−6.8(2H,m,Ar
H),5.76(1H,s,ArOH),3.47(2H,q.J=7Hz,OCH2CH3),
3.42(1H,br.s,H−1),3.28(3H,s,OMe),2.8(1H,br.
S,H−3),2.22(1H,br.s,H−7),1.57−1.93(10H,
m),1.15(3H,t,J=7Hz,OCH2CH3). IR(CHCl3中):3584,3330(OH),2918,2824,1660,158
6,1575,1448,1294,1168,1090,884cm-1. 実施例VI 実施例Vの加溶媒分解をエタノール以外の多数のアル
コールを溶媒として使用して繰り返した。反応速度は反
応基質の濃度、反応温度、用いられたアルコールの構
造、使用された特定のアルコールへの炭酸カリウムの溶
解度に依存するので反応時間は選択されたアルコールに
また依存して変化した。一般に、2−メトキシエタノー
ルとの反応では反応混合物が速かに均質になるという事
実のためただの6から8時間が必要とされ、一方n−ブ
タノールとの反応には72時間が必要とされた。イソプロ
パノールおよびtert−ブタノールのごとき立体障害のあ
るアルコールは反応完了に油浴中110℃での加熱を1週
間必要とした。得られた生成物のスペクトルデータは下
記のごとくである。
3−(メトキシ−5−(2−メトキシ)エトキシ ト
リシクロ〔3,3,1,1,3,7〕デカ−2−イリ デンメチ
ル)フェノール: 1H NMR(400MHz,CDC l3中:δ7.18(1H,t,J=7.6Hz,H
−5′),6.82(1H,d,J=7.6Hz,ArH),6.73−6.79(2H,
m,ArH),5.66(1H,s,ArOH),3.56(2H,m,OCH2CH2OC
H3),3.5(2H,m,OCH2CH2OCH3),3.42(1H,br.s,H−
1),3.35(3H,s,OMe),3.27(3H,s,OMe),2.79(1H,b
r.s,H−3),2.22(1H,br.s,H−7),1.55−1.92(10H,
m). IR(CHCl3中):3583,3310(OH),2920,2844,1665,158
8,1576,1443,1294,1092,1078,884cm-1. 3−(メトキシ−5−ブトキシトリシクロ〔3,3,1,1,
3,7〕デカ−2−イリデンメチル)フェノール: 1H NMR(400MHz,CDCl3中):δ7.2(1H,t,J=7.8Hz,H
−5′),6.84(1H,d,J=7.8Hz,ArH),6.74−6.8(2H,
m,ArH),5.41(1H,s,ArOH),3.42(1H,br.s,H−1),3.
39(2H,t,J=6.8Hz,OCH2CH2CH2CH3),3.28(1H,s,OM
e),2.8(1H,br.S,H−3),2.22(1H,br.s,H−7),1.5
8−2.05(10H,m),1.49(2H,m,OCH2CH2CH2CH3),1.33
(2H,m,OCH2CH2CH2CH3),0.88(3H,t,J=7.3Hz,OCH2CH2
CH3). IR(CHCl3中):3584,3310(OH),2924,2845,1664,158
8,1576,1442,1295,1092,1080,882cm-1. 3−(メトキシ−5−イソプロポキシトリシクロ〔3,
3,1,1,3,7〕デカ−2−イリデンメチル)フェノール: 1H NMR(400MHz,CDCl3中):δ7.19(1H,t,J=7.7Hz,
H−5′),6.74−6.88(3H,m,ArH),5.82(1H,s,ArO
H),3.95(1H,ヘプテット,J=6.1Hz),3.41(1H,br.s,H
−1),3.27(3H,s,OMe),2.81(1H,br.s,H−3),2.22
(1H,br.s,H−7),1.57−1.93(10H,m),1.1(6H,d,J
=6.1Hz,OCH(CH3). IR(CHCl3中):3583,3310(OH),2922,2843,1663,158
8,1575,1438,1295,1170,1090,990cm-1, 3−(メトキシ−5−t−ブトキシトリシクロ〔3,3,
1,1,3,7〕デカ−2−イリデンメチル)フェノール: 1H NMR(400MHz,CDCl3中:δ7.19(1H,t,J=7.8Hz,H
−5′),6.84(1H,d,J=6.8Hz,ArH),6.73−6.8(2H,
m,ArH),5.18(1H,s,ArOH),3.37(1H,br.s,H−1),3.
28(3H,s,OMe),2.76(1H,br.s,H−3),2.18(1H,br.
s,H−7),1.56−2.05(10H,m),1.27(9H,s,C(CH3
). IR(CHCl3中):3583,3310(OH),2922,2843,1665,158
7,1576,1438,1358,1180,1090,1080,980cm-1. 実施例VII pBR322プラスミド(4700bp)をトランス−ライトキッ
ト(トロピックスInc.,ベッドフォード,マサチューセ
ッツ)を用いてニックトランスレーション過程にかけ、
200−2000bpの長さのビオチニル化−本鎖ポリヌクレオ
チドの混合物を発生させた。
この混合物は乾燥バイオダインA膜上へ下記の濃度の
点の3つの平行なカラムとして点で吸着させる: 膜を3分間紫外光照射(UVPミネラルライト)してDNAを
膜に固定した後風乾した。次に、膜を0.2%カゼイン/0.
1%ツイーン20界面活性剤を含むPBSで1時間プロック
し、続いて0.2%カゼインを含むPBSに溶解した1/5000希
釈アビジン−アルカリ性ホスファターゼ複合体(トロピ
ックス Inc)を添加した。膜は30分間インキュベート
し、0.2%カゼイン/0.1%ツイーン20界面活性剤を含むP
BSで3回洗浄し(各々5分間)、1mM塩化マグネシウム
および0.02%アジ化ナトリウムを含む0.1Mジエタノール
アミン水溶液、pH10.0(基質緩衝液)中で5分間1度洗
浄した。
次にドット1−5の列の3つのカラムを別々に膜から
切り出し(“ストリップ1−3")、ドット6−11の列の
4つのカラムも同様にする(“ストリップ4−7)。ス
トリップ1−3を基質緩衝液で30分間洗浄した。ストリ
ップ4−7は0.1%BDMQを含む基質緩衝液で30分間ブロ
ックした。両方の組のストリップは続いて基質緩衝液中
で5分間インキュベートした後下記に示したごとく1,2
−ジオキセタンの水溶液(0.25mM)中で5分間別々にイ
ンキュベートされた: すべてのストリップをカメラ発光計中に置きポラロイド
タイプ612インスタント白黒フィルムを露光させた。
改良された発光強度はAMPPDは自身と比べると3−(置
換アダマンター2′−イリデン)1,2−ジオキセタンを
用いると得られ、下記の表IIに示された結果を比較する
ことによりわかる。
実施例VIII ハイブリテク タンデム−E TSHキット(ハイブリ
テク Inc.,サンジエゴ,カリホルニア)を用い、キッ
トに含まれている製造元による指示に従って(ただし抗
−TSH−アルカリ性ホスファターゼ複合体インキュベー
ション工程および洗浄後、プラスチックビーズをさらに
0.1Mジエタノールアミン、1mM塩化マグネシウム、0.02
%アジ化アトリウム緩衝液、pH10.0で洗浄し、同じ緩衝
液の200μ中に少し貯蔵する)一連のTSH標準品に対し
TSHの免疫検定を実施した。
ビーズの表面に結合している抗−TSH−アルカリ性ホ
スファターゼ複合体からの化学発光信号はビーズを含む
試験管に各々ジナトリウム3−(2′−スピロアダマン
タン)−4−メトキシ−4−(3−″ホスホリルオキ
シ)フェニル−1,2−ジオキセタン(“AMPPD")、3−
(4−メトキシスピロ−〔1,2−ジオキセタン−3,2′−
(5′−メトキシ)トリシクロ〔3,3,1,1,3,7〕デカ
ン〕−4−イル)フェニルリン酸二ナトリウム(A異性
体;“A−CH3O−AMPPD")および対応するジソジウムB
−異性体(“B−CH3O−AMPPD")を0.1Mジエタノールア
ミン、1mM塩化マグネシウム0.02%アジ化ナトリウム、p
H10.0に含む300μの0.67mM緩衝液溶液を添加すること
により出始めた。光放射の強度は基質添加後ベルトール
ドLB952T発光計(ベルトールドインスツルメント、ヴィ
ルドバッド、ドイツ連邦共和国)を用いて、室温で5秒
間の積算として(約25℃)、基質添加後7,13,19,25,31,
40,50および60分に続けて記録された。
AMPPD,A−CH3O−AMPPDおよびB−CH3O−AMPPDの互い
に対するTSH,RLU対TSHは第4,5および6図に各々示され
ている。
実施例IX スナップ (Snap )プローブハイブリダイゼーショ
ン検定(E.I.デュポン ドウ ヌムールアンドCo.)に
よる単純ヘルペスウィルスI DNA中のアルカリ性ホス
ファターゼ量の検出におけるAMPPDおよび5′−A−メ
トキシ類似体の感度は下記の方法により比較された。
1.単純ヘルペスウィルスI DNAのためのSNAP /試験
の感度の決定の為のプロトコール 単純ペルペスウィルスI DNAに対するSNAP DNAプ
ローブ試験の検出水準または感度は連続的に希釈したHS
VI対照プラスミドDNAを用いる試験により決定された。
検定プロトコールには下記の工程が含まれる: a.陽性HSVI DNAプラスミド対照物の調製 HSVIプラスミドの貯蔵溶液は100ng(4.8×108コピ
ー)のプラスミドを25μの無菌、脱イオン水に溶解
し、0.3N水酸化ナトリウムで連続的に希釈して、4.88×
103−0.96×108コピー/μの範囲の濃度のプラスミド
試料を調製した。試料は室温で15分間放置して変性させ
た。
b.膜の調製、HBVプラスミド対照DNAの固定化 ジーン スクリーン プラス(NEN,デュポン,ボストン,MA)およびバイオダ
インA(パル コーポレーション,グレンコーブ,N.
Y.)膜を1×8cm片に切断した。HSVIプラスミド試料の
希釈液の各々の1μが、乾燥膜上にピペットチップを
膜表面に接触させて非常に小さな濃縮されたスポットが
得られるようにしてつけられた。膜は続いて標的固定化
核酸を中和するためスポット当り100μの2M酢酸アン
モニウムで洗浄された。それらは続いて0.6M塩化ナトリ
ウム0.08Mクエン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)で洗浄さ
れた。
c.プローブ ハイブリダイゼーション (i)−プレハイブリダイゼーション プラスミド試料を含む膜を3mlのバイブリダイゼーシ
ョン緩衝液に溶解し熱で封入し得る袋に入れる。プリハ
イブリダイゼーションは55℃にて15分間実施した。
(ii)−ハイブリダイゼーション SNAP アルカリ性ホスファターゼ標識プローブを100
μの無菌、脱イオン水で再構成した。ハイブリダイゼ
ーション溶液は0.5mlのハイブリダイゼーション緩衝液
に2.5μのアルカリ性ホスファターゼ標識プローブ溶
液を溶解することより調製された。ハイブリダイゼーシ
ョンは新しい熱封入袋中、0.5mlのハイブリダイゼーシ
ョン溶液と55℃にて30分間実施された。ハイブリダイゼ
ーション後袋を開き、膜を注意深く除き下記の緩衝液で
洗浄した: 1.0.1M塩化ナトリウム、0.02Mクエン酸ナトリウム、pH
7.0、10gのSDS緩衝液を加えて、室温で5分間を2回、 2.0.1M塩化ナトリウム、0.02Mクエン酸ナトリウム、pH
7.0、10mlのトリトンX−100(シグマケミカルCo.,セン
トルイス,MO)を加えて55℃にて5分間を2回、 3.上記緩衝液で、室温にて5分間を2回、 4.0.1M塩化ナトリウム、0.02Mクエン酸ナトリウム、pH
7.0緩衝液で室温にて5分間を2回、 5.0.1Mジエタノールアミン、1mM塩化マグネシウム、0.0
2%アジ化ナトリウム緩衝液、pH10.0で1回。
ハイブリダイゼーション緩衝液は250mlの3M塩化ナト
リウム、0.4Mクエン酸ナトリウム、pH7.0を860mlへ脱イ
オン水で希釈し、5gのウシ血清アルブミン、5gのポリビ
ニルプリジオン(平均MW 40,000)および10gSDSを混合
し、加温し、混合させて溶解することにより調製され
た。
d.AMPPDおよびCH3O−AMPPDによるHSVIプラスミドDNAの
化学発光検出 ハイブリダイゼーション膜ストリップは0.1Mジエタノ
ールアミン、1.0mM塩化マグネシウムおよび0.02%アジ
化ナトリウム(pH10.0)に溶解した025mMの1,2−ジオキ
セタン7mlで飽和させた。膜はプラスチック袋に封入
し、直ちにカメラ発光計に置き、光発射はポラロイドイ
ンスタント黒/白20,000ASAフィルム、タイプ612上で30
分間画像作成された。
第7図はポラロイド インスタント20,000ASA黒白フ
ィルム、タイプ612を用いて作られた2つの膜上のAMPPD
およびA−CH3O−AMPPDの30分の画像を示している。
第7図において“A"はバイオダインA膜ストリップか
ら得られた画像であり、“B"はジーン スクリーン プ
ラス膜ストリップから得られた画像であり、ストリッ
プはAMPPDであり、およびストリップはA−HC3O−AMP
PDである。
本発明の上記の議論は主として好適な実施態様および
その実行に向けられている。当業者にはここに説明した
概念の実際の施行においてはさらなる変更および変形が
付随する特許請求の範囲で定義されるごとき本発明の精
神および範囲から離れることなく簡単になされることが
容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
第1−3図は各々、実施例IVに記載したごとくして得ら
れたAMPPDおよびそのA−メトキシアダマンター2′−
イリデンおよびB−メトキシアダマンター2′−イリデ
ン類似体の各々から得られた全発光放射を比較したグラ
フである。 第4−6図は各々、実施例VIIIに記載したごとくとし得
られたAMPPDおよびそのA−メトキシアダマンター2′
−イリデンおよびB−メトキシアダマンター−2′−イ
リデン類似体各々に対するTSH,RLU対TSHを示したグラフ
である。 第7図は実施例IXに記載した方法による単純ヘルペスウ
ィルスI DNA中のアルカリ性ホスファターゼ量の検出
における、蛍光染料であるAMPPDおよびそのA−メトキ
シアダマンター2′−イリデン類似体の感度を示したポ
ロライドインスタント20,000ASA黒白フィルムタイプ612
上の画像を示す写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07H 15/203 C07H 15/203 19/167 19/167 19/20 19/20 C12Q 1/34 C12Q 1/34 1/37 1/37 1/42 1/42 1/44 1/44 G01N 33/532 G01N 33/532 B (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 321/00 C07F 9/12 C07D 405/04 C07F 9/655 C07D 407/04 C12Q 1/42 C12Q 1/44 C12Q 1/34 C12Q 1/37 C07H 15/203 C07H 19/167 C07H 19/20 G01N 33/532

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式: (式中、Tはスピロ結合を通してジオキセタン環に結合
    しているアダマンチル基であり;Yはフェニル、ナフチル
    またはアントラシル基であり;Xは水素またはアルキル、
    アリール、アラルキル、アルカリール、ヘテロアルキル
    {但し、−O(CH2nCH3基(n=0〜6)を除く}、
    ヘテロアリール、シクロアルキルまたはシクロヘテロア
    ルキル基であり;Zは酵素で開裂し得るリン酸エステル
    基、酢酸エステル基、カルボキシル基、1−ホスホ−2,
    3−ジアシルグリセリド基、1−チオ−D−グリコシド
    基、アデノシン三リン酸類似基、アデノシン二リン酸類
    似基、アデノシン−リン酸類似基、アデノシン類似基、
    α−D−ガラクトシド基、β−D−ガラクトシド基、α
    −D−グリコシド基、β−D−グリコシド基、α−D−
    マンノシド基、β−D−マンノシド基、β−D−フルク
    トクラノシド基、β−D−グリコシドウロネート基、p
    −トルエンスルホニル−L−アルギニン色素エステル基
    またはp−トルエンスルホニル−L−アルギニンアミド
    基であり、前記スピロマダマンチル基はメトキシ置換基
    を有する)で表わされ、酵素と反応可能で光学的に検出
    し得るエネルギーを放出できるジオキセタン化合物。
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