JP2991965B2 - 糸巻きゴルフボール - Google Patents

糸巻きゴルフボール

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JP2991965B2
JP2991965B2 JP8052485A JP5248596A JP2991965B2 JP 2991965 B2 JP2991965 B2 JP 2991965B2 JP 8052485 A JP8052485 A JP 8052485A JP 5248596 A JP5248596 A JP 5248596A JP 2991965 B2 JP2991965 B2 JP 2991965B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、糸巻きゴルフボー
ルに関し、さらに詳しくは、液体系センターを用いた糸
巻きゴルフボールの持つ良好なフィーリング(打球感)
を損なうことなく、コントロール性を向上させた糸巻き
ゴルフボールに関する。
【0002】
【従来の技術】ゴルファーがゴルフボールに対して要求
する重要な項目の中に、コントロール性がある。そし
て、これまでのゴルフボールで、飛距離と良好なフィー
リングも兼ね備えながら、この要求に最も良く応えてき
たのが液体系センターを用いた糸巻きゴルフボールであ
る。
【0003】この液体センターを用いた糸巻きゴルフボ
ールは、図5に示すように、ほぼ均一な厚みに形成され
た中空ゴム球11の中に液体12を封入してなるセンタ
ー1と、そのセンター1の周囲に形成された糸ゴム層2
と、その糸ゴム層2の周囲を被覆するカバー3とで構成
されるものであるが、この従来構成の液体系センターを
用いた糸巻きゴルフボールは、固体系センターを用いた
糸巻きゴルフボールに比べて、飛行弾道が低くなること
が知られている。
【0004】ゴルファーらが、ラウンドする際、特にア
イアンクラブでグリーンを狙うのに、弾道が高く、落と
した場所にピタリと止まるボールを望むものである。そ
こで、この液体系センターを用いた糸巻きゴルフボール
のフィーリングが良好であるという捨てがたい利点を残
しつつ、ボールの弾道をさらに高くすることができれ
ば、フィーリングの良さを損なわず、ボールを所望位置
にさらに確実に止めることができ、コントロール性の向
上を達成することができると考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、液体系センターを用いた糸巻きゴルフボールの有す
る良好なフィーリングを損なうことなく、コントロール
性を向上させた糸巻きゴルフボールを提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、飛行中のボールの回転数の減衰とボー
ルの弾道との関係に着目し、種々研究を重ねた結果、ボ
ール打出時の回転数に対して、打出方向に水平距離で2
0m飛行した地点での回転数の保持率が96%以上10
0%以下であるときは、良好なフィーリングを損なうこ
となく、コントロール性を向上させることができること
を見出し、本発明を完成するにいたった。すなわち、本
発明は、中空ゴム球の中に液体を封入してなるセンター
と、糸ゴム層と、カバーを有する糸巻きゴルフボールに
おいて、上記センターの中空ゴム球の内面に突起が設け
られ、中空ゴム球の外径が20〜35mmで、中空ゴム
球の厚みが1〜3mmであることを特徴とする糸巻きゴ
ルフボールに関する。
【0007】本発明にいたった経過についてさらに詳細
に説明すると、次の通りである。従来からも、打出時に
ボールに与えられた回転は、落下時には減衰しているこ
とがわかっている。しかし、この回転数の減衰が飛距離
に対してどのように減衰していくかは充分に解明されて
いなかった。
【0008】そこで、本発明者らは、この飛行中のボー
ルの回転数の減衰状態を本出願人が先に特許出願(特願
平7−175501号)した飛行球体の回転数測定装置
で測定したところ、液体系センターを用いた糸巻きゴル
フボールの打出直後の回転数の減衰が、固体系センター
を用いた糸巻きゴルフボールのそれよりも大きいことが
判明した。
【0009】そして、この打出直後の回転数の減衰によ
り、液体系センターを用いた糸巻きゴルフボールは、固
体系センターを用いた糸巻きゴルフボールに比べて、回
転による揚力が小さくなり、そのぶん弾道が低くなるも
のと考えられる。
【0010】また、液体系センターを用いた糸巻きゴル
フボールの打出直後の回転数の減衰が大きくなる理由
も、ほぼ解明することができた。すなわち、ボールが打
ち出される際にボールの固体部分に角運動量が与えられ
るが、センター内の液体部分には、せん断力、液体の粘
性などによって回転力が伝達されるため、センター内の
液体が外郭の固体部分と同じ回転数に達するには若干遅
れが生じるものと考えられる。また、液体系センターが
回転するために固体部分の角運動量が奪われ、そのた
め、ボール全体の回転数が減衰するものと考えられる。
【0011】これらのことから、液体系センターを用い
た糸巻きゴルフボールの弾道を高くするには、打出時に
与えられた角運動量が液体に伝わりやすくし、回転の遅
れを無くし、さらに角運動量のロスを少なくすることが
必要であると考えられる。
【0012】そこで、本発明では、センターの中空ゴム
球の内面に突起、好ましくはリブ状突起を設け、かつ中
空ゴム球の外径を20〜35mm、中空ゴム球の厚み
(ただし、突起を設けていない部分での厚み)を1〜3
mmにすることによって、上記課題を解決し、ボール打
出時の回転数に対して、打出方向に水平距離で20m飛
行した地点での回転数の保持率を96%以上100%以
下とすることができ、その結果、ボールの弾道を高くし
て、コントロール性を向上させることができることを見
出したのである。
【0013】ここで、本発明の糸巻きゴルフボールの一
例を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の糸巻き
ゴルフボールの一例を模式的に示す断面図であり、図
中、1はセンターで、2は糸ゴム層であり、3はカバー
で、3aはディンプルである。
【0014】上記センター1は中空ゴム球11の中に液
体12を封入してなるものであり、糸ゴム層2は上記セ
ンター1の周囲に糸ゴムを延伸状態で巻き付けることに
よって形成されたものである。そして、上記センター1
とこの糸ゴム層2とで糸巻きコアと呼ばれるコアが形成
され、その糸巻きコアの周囲、つまり糸ゴム層2の周囲
をカバー3で被覆することによって、糸巻きゴルフボー
ルの基本構造が形成されている。ディンプル3aは、必
要に応じて、所望とする特性を得るために、カバー3の
表面に設けられるものであり、また、カバー3の表面に
は、必要に応じて、ペイント仕上げ、マーキングなどが
施される。
【0015】そして、本発明の糸巻きゴルフボールにお
いて、特徴となる部分は、センター1の中空ゴム球11
の内面に突起11aが設けられていることである。これ
に対して、従来の液体系センターを用いた糸巻きゴルフ
ボールでは、図5に示すように、中空ゴム球11はほぼ
均一な厚みに形成されていて、中空ゴム球11の内面に
突起などは設けられていない。
【0016】図1では、上記突起11aとして、断面形
状が台形状のリブ状突起を設けた場合を例示したが、突
起11aとしては、上記のようなリブ状の突起のみなら
ず、例えば、図4の(a)、(b)に示すような半球状
の突起11a、図4の(c)に示すような円柱状の突起
11a、図4の(d)に示すような円錐状の突起11a
を適数個設けてもよい。
【0017】また、突起11aとして、リブ状の突起を
設ける場合も、その断面形状は、図1や図2のような台
形状のものだけでなく、図3の(a)に示すような長方
形状のもの、図3の(b)に示すような二等辺三角形状
のものなどであってもよい。
【0018】つぎに、突起11aとして、リブ状突起を
設ける場合について、さらに詳しく説明する。
【0019】図2の(a)は中空ゴム球の一例を示す分
解斜視図であり、この図2の(a)では、突起11aと
して3本のリブ状突起を設けた場合を示している。すな
わち、この図2の(a)では、中空ゴム球11の上下方
向の中央部に設けた水平なリブ状突起11aと縦方向に
90°ずらして設けた2本のリブ状突起11aとを設け
ている。ただし、前出の図1では、この3本のリブ状突
起のすべてを示すと、突起11aを設けていることがわ
からなくなるので、2本しか示していない。
【0020】図2の(b)は、図2の(a)に示した中
空ゴム球11に設けられた断面形状が台形状のリブ状突
起11aのみを示しているが、そのリブ状突起11aの
高さHとしては0.5mm以上で、中空ゴム球11の内
径(ただし、リブ状突起などの突起を設けていない部分
で測定した内径)をAmmとするとき、A/2mm以下
であることが好ましい。すなわち、リブ状突起11aの
高さHが中空ゴム球11の内径Ammの1/2より大き
くなると、中空ゴム球11の球心に対して対象のリブ状
突起の作製が困難になるため、ボールの回転が不安定に
なる傾向が生じるおそれがあるためである。また、その
リブ状突起11aの底部の幅Wは0.5〜15mm、特
に0.5〜10mm程度が好ましい。また、突起11a
は対称になるように設けることが好ましい。
【0021】本発明の糸巻きゴルフボールの構成材料
は、いずれも従来同様のものを使用することができ、特
に特殊なものを要しないが、それらについて概略的に例
示すると、次の通りである。
【0022】中空ゴム球は、ゴムの加硫成形物からな
り、その基材ゴムとしては、例えば、ブタジエンゴム、
天然ゴム、シスイソプレンゴムなどが単独でまたは2種
以上ブレンド(混合)して用いられ、その基材ゴムに硫
黄を加硫剤とする加硫系薬品またはアクリル酸金属塩や
メタクリル酸金属塩などの不飽和カルボン酸金属塩を加
硫剤(架橋剤)とする加硫系薬品を配合し、さらに必要
に応じ、補強剤、充填剤などを配合したゴム組成物を調
製し、それを加硫成形することによって、中空ゴム球が
作製される。
【0023】そして、この中空ゴム球は、外径が20〜
35mmであり、その厚み(ただし、突起を設けていな
い部分での厚み)は1〜3mmである。
【0024】上記中空ゴム球に封入される液体として
は、例えば、水またはペーストが用いられ、そのペース
トの代表的なものとしては、例えば、水88重量部、グ
リセリン12重量部、クレー20重量部および硫酸バリ
ウム50〜150重量部を混合して調製したものが挙げ
られる。
【0025】中空ゴム球への液体の封入は、例えば、液
体を冷媒で冷やした金型内に注入し、冷凍して球形芯を
作製し、この球形芯を未加硫のゴム組成物を被覆し、金
型内で加熱して加硫成形するか、あるいは加硫済みの中
空ゴム球の中に液体を注射器などで注入し、その注射跡
を封止することによって行われる。
【0026】糸ゴム層は、上記センターの周囲、つまり
中空ゴム球の周囲に糸ゴムを延伸状態で巻き付けること
によって形成されるものであり、その糸ゴムとしては、
例えば、天然ゴムまたは天然ゴムと合成イソプレンゴム
とのブレンドゴムに硫黄、加硫助剤、加硫促進剤、老化
防止剤などを適宜配合したゴム組成物を加硫することに
よって得られたものを用いることができる。
【0027】そして、この糸ゴム層の形成は、例えば、
上記液体系のセンターを冷凍し、センターが硬くて形状
保持性を有する状態にし、その周囲に糸ゴムを延伸状態
で巻き付けることによって行われ、そのセンターとその
周囲に形成された糸ゴム層とで、いわゆる糸巻きコアが
形成される。
【0028】糸巻きゴルフボールとするには、上記糸巻
きコアの周囲にカバーが被覆される。このカバーには、
バラタ系カバー、アイオノマー樹脂系カバーのいずれも
用いることができ、糸巻きコアにカバーを被覆する方法
も、従来同様に、ハーフシェルを経る方法、カバー用組
成物を直接糸巻きコア上に射出成形する方法のいずれも
採用することができる。また、カバー成形時、必要に応
じて、ボール表面にディンプルの形成が行われ、ペイン
ト仕上げ、マーキングなども必要に応じて施される。
【0029】本発明においては、コントロール性の評価
にあたり、ボール打出時の回転数に対して、打出方向に
水平距離で20m飛行した地点での回転数の保持率が9
6%以上100%以下であることを必要としているが、
これは上記回転数の保持率が96%未満では、打出直後
のボールの回転数の減衰が大きすぎてボールの弾道が高
くならず、したがってコントロール性が充分に向上しな
いからである。本発明において、打出後のボールの回転
数を測定する地点として打出方向に水平距離で20m飛
行した地点を選んだのは、打出直後のボールの回転数の
減衰状態を調べるための基準点として選んだことによる
ものであって、本発明において重要なことは、打出方向
に水平距離で20m飛行した地点でボールの回転数を測
定した時に、そのボールの回転数がボール打出時の回転
数に対して96%以上100%以下に保持されておれば
本発明の範囲内に含まれるということである。
【0030】この打出方向に水平距離で20m飛行した
地点でのゴルフボールの回転数の測定は、ゴルフボール
の表面の一部分にその地肌面とは光反射率が異なるマー
クを付し、その反射光量を検出することにより上記ゴル
フボールの回転数を測定するゴルフボールの回転数測定
装置であって、打球位置から打ち出された以後のゴルフ
ボールの予想される飛行経路を含む空間の計測対象領域
に向けて光を照射する投光部と、上記計測対象領域中を
飛行しているゴルフボールからの反射光を受光し、か
つ、その反射光量の変動に応じた信号を出力する受光部
と、同受光部からの出力信号に基づいてゴルフボールの
回転数を検出する回転数検出手段とを備えていることを
特徴とする回転数測定装置で行われる。この回転数測定
装置の詳細は前述したように本出願人による特願平7−
175501号の明細書および図面に記載した通りであ
る。
【0031】
【発明の実施の形態】つぎに実施例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例
に限定されるものでない。
【0032】実施例1〜3 表1に示す組成の中空ゴム球用ゴム組成物および表2に
示す組成のペーストを用い、液体系センターを作製し
た。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】まず、表1に示す中空ゴム球用ゴム組成物
を金型に充填し、155℃で30分間加硫成形して、図
2に示すようにその内面に断面台形状のリブ状突起11
aを3本設けた外径29mmの中空ゴム球11を作製し
た。
【0036】実施例1の糸巻きゴルフボールに使用する
中空ゴム球11には、底部の幅1mmで、高さ1mmの
リブ状突起11aを設け、実施例2の糸巻きゴルフボー
ルに使用する中空ゴム球11には、底部の幅1mmで、
高さ5mmのリブ状突起11aを設け、実施例3の糸巻
きゴルフボールに使用する中空ゴム球11には、底部の
幅1mmで、高さ10mmのリブ状突起11aを設け
た。これらの中空ゴム球11の内径(ただし、リブ状突
起11aを設けていない部分の内径)は27mmであ
る。
【0037】そして、これらの中空ゴム球11にそれぞ
れ表2に示すペーストを注射器で注入し、その注射跡を
接着剤を塗付したゴムシート(このゴムシートは中空ゴ
ム球11と同材質で形成されている)の貼付により封止
して、液体系のセンター1を作製した。
【0038】つぎに、上記液体系のセンターを冷凍し、
このセンターに外径が約40mmになるまで糸ゴムを延
伸状態で巻き付けて糸ゴム層を形成して、糸巻きコアを
作製し、その糸巻きコアにバラタカバーを被覆し、ペイ
ントを塗装して、外径42.7mmの糸巻きゴルフボー
ルを作製した。使用した糸ゴムは、天然ゴムとイソプレ
ンゴムとのブレンド比70:30(重量比)のブレンド
ゴム製で、厚み0.5mm、幅1.5mmのものであ
る。また、カバーの形成にあたって使用したカバー用組
成物は、合成トランスポリイソプレン〔クラレ社製のT
P−301(商品名)〕90重量部、天然ゴム10重量
部、二酸化チタン15重量部、イオウ1重量部、加硫促
進剤2重量部および酸化亜鉛5重量部の混合物からなる
ものである。
【0039】比較例1 中空ゴム球の内面にリブ状突起を設けないことを除いて
は、実施例1〜3と同様にして糸巻きゴルフボールを作
製した。
【0040】すなわち、中空ゴム球用ゴム組成物、ペー
スト、糸ゴム、カバー用組成物は、いずれも実施例1〜
3の場合と同じであり、異なるところは、図5に示すよ
うに、中空ゴム球11をその内面に突起を設けず、ほぼ
均一な肉厚で形成している点だけである。
【0041】比較例2 ブタジエンゴム100重量部に対して、ステアリン酸2
重量部、硫酸バリウム70重量部、酸化亜鉛5重量部お
よび硫黄10重量部を配合して固体センター用ゴム組成
物を調製し、このゴム組成物を金型に充填し、160℃
で20分間加硫成形して、外径29mmの固体センター
を作製した。
【0042】この固体センターの周囲に実施例1〜3と
同様の糸ゴムを外径が約40mmになるまで巻き付けて
糸ゴム層を形成し、さらに実施例1〜3と同様のバラタ
カバーを被覆し、ペイントを塗装して、外径42.7m
mの糸巻きゴルフボールを作製した。
【0043】比較例3 ポリブタジエン〔BR−11(商品名)、日本合成ゴム
社製〕100重量部に対して、アクリル酸亜鉛30重量
部、酸化亜鉛17重量部、ジクミルパーオキサイド1.
2重量部および老化防止剤〔ヨシノックス425(商品
名)、吉富製薬(株)製〕0.5重量部を配合したゴム
組成物を150℃で30分間加硫成形して、直径40m
mのソリッドコアを作製した。
【0044】このソリッドコアにアイオノマー樹脂混合
物100重量部に対して二酸化チタン2重量部を配合し
たカバー用組成物を被覆してカバーを形成し、ペイント
を塗装して、外径42.7mmのツーピースソリッドゴ
ルフボールを作製した。上記アイオノマー樹脂混合物は
ハイミラン1605〔商品名、三井デュポンポリケミカ
ル社製〕とハイミラン1706〔商品名、三井デュポン
ポリケミカル社製〕との重量比50:50の混合物であ
る。
【0045】上記実施例1〜3および比較例1〜3の6
種類のゴルフボールについて、打出時の回転数と打出方
向に水平距離で20m飛行した地点での回転数を測定
し、その回転数の変化と回転数の保持率を調べた。
【0046】上記試験は各ゴルフボールとも5個ずつに
ついて行い、また、ボールの打出は、ツルーテンパー社
製のスイングロボットにアイアン5番クラブを取り付
け、ヘッドスピード38m/sで行った。そして、打出
時の回転数および打出方向に水平距離で20m飛行した
地点での回転数はそれぞれ次のようにして求めた。
【0047】打出時の回転数は、飛行中のゴルフボール
の映像を高速度カメラにより所定の時間間隔を置いて複
数枚とり、そのゴルフボールの特定位置に付されている
マークの移動量から演算により割り出すことによって求
めた。
【0048】また、打出方向に水平距離で20m飛行し
た地点でのゴルフボールの回転数の測定は、ゴルフボー
ルの表面の一部分にその地肌面とは光反射率が異なるマ
ークを付し、その反射光量を検出することにより上記ゴ
ルフボールの回転数を測定するゴルフボールの回転数測
定装置であって、打球位置から打ち出された以後のゴル
フボールの予想される飛行経路を含む空間の計測対象領
域に向けて光を照射する投光部と、上記計測対象領域中
を飛行しているゴルフボールからの反射光を受光し、か
つ、その反射光量の変動に応じた信号を出力する受光部
と、同受光部からの出力信号に基づいてゴルフボールの
回転数を検出する回転数検出手段とを備えたゴルフボー
ルの回転数測定装置で測定した。
【0049】本発明で採用した上記回転数測定装置の具
体例とその測定方法を図面を参照しつつ詳細に説明する
と次の通りである。図6は上記回転数測定装置により、
飛行中のゴルフボールBの回転数を測定する状態を模式
的に示している。ゴルフボールBの表面の一部分にはそ
の地肌面とは光反射率が異なるマークMが付されるので
あるが、本発明で採用した方法では、ゴルフボールBの
表面を4等分し、その対向する2つの分割面に黒色の光
反射マークMを付けている。ただし、ゴルフボールBの
光反射率を変える方法は上記に限られるものではなく、
例えばゴルフボールBの1/2面、すなわちその半球面
を覆うようにマークMを付けてもよいし、その色も黒色
に限定されるものではない。
【0050】そして、この測定装置は、打球位置から打
ち出された以後のゴルフボールBの予想される飛行経路
を含む空間である計測対象領域Aに向けてその真下方向
から光を照射する投光部20と、その計測対象領域A中
を飛行しているゴルフボールBから反射された散乱光を
受光するため光軸を垂直方向に向けた受光部30と、同
受光部30からその受光量に応じて出力される出力信号
に基づいてゴルフボールBの回転数を検出する回転数検
出手段40と、投光部20に電力を供給するDC定電圧
電源22および受光部30に電力を供給する高圧電源回
路50とを備えている。
【0051】上記の投光部20にはそれ自体の光量変化
がゴルフボールBの回転による光量変化の計測に支障を
来さないようにするため、光量変化がないDCライトが
用いられている。具体的には、16個の65Wの自動車
用ハロゲンランプ21とそれに必要とされる電力を供給
するためのDC0〜12V可変のDC定電圧電源22と
から構成されている。なお、各ハロゲンランプ21は計
測対象領域A内の照度がほぼ均一となるように、その各
光軸の向きが設定され配置されている。
【0052】これに対して、受光部30は、直径100
mmで、焦点距離75mmの集光レンズと、光電子増倍
管とから構成され、その光電子増倍管としては、浜松ホ
トニクス社製R2228(商品名)が使用されている。
【0053】回転数検出手段40は、受光部30の光電
子増倍管から光量変化に応じて出力される出力電流を電
圧信号に変換する電流−電圧変換回路41とそのアナロ
グ電圧信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路4
2と、そのデジタル信号から電圧変動の周期T(se
c)を計算し、この周期Tのデータから60(sec)
/T(sec)なる演算により、ゴルフボールBの回転
数を求めるデジタル演算回路43と、その回転数を表示
する表示部44とを備えている。なお、電圧変動の周期
Tは、電圧変動の極大を認識する演算と、その極大間の
時間を計算する演算とにより求められる。
【0054】また、本発明で採用した方法では、A/D
変換回路42、デジタル演算回路43および表示部44
はパーソナルコンピュータを利用して実現しており、電
圧変動の波形をCRT上に表示し、観察できるようにし
ている。なお、バックグラウンドに存在する光量の変動
が小さい場合を想定して、変動信号の極大間の時間から
周期Tを求めるようにしているが、バックグラウンドに
存在する光量自体が大きく変動している場合には、その
信号を高速フーリエ変換(FFT)することにより、そ
の周波数成分からゴルフボールBの反射光量の変動周期
を求めるようにすればよい。
【0055】表3に上記のようにして測定した実施例1
〜3の糸巻きゴルフボールの打出時の回転数、打出方向
に水平距離で20m飛行した地点での回転数(表中に
は、「20m飛行地点での回転数」で表示する)、回転
数の変化(表中には、減少している場合は「−」で表示
し、増加している場合は「+」で表示する)および回転
数の保持率を示し、表4には比較例1〜2の糸巻きゴル
フボールと比較例3のツーピースソリッドゴルフボール
のそれらについて示す。
【0056】なお、表3にはセンターの種類、ゴルフボ
ールの種類、断面台形状のリブ状突起の高さおよび幅
(ただし、底部の幅)を併せて表示し、表4にはセンタ
ーの種類およびゴルフボールの種類を併せて表示する。
また、上記回転数の測定などは各ゴルフボールとも5個
ずつのボールについて行っているので、表3や表4に
は、各実施例、比較例とも、5個のボールについてのデ
ータを示している。
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】まず、表4ににより比較例のボールについ
て説明すると、比較例2の固体系センターを用いた糸巻
きゴルフボールや比較例3のツーピースソリッドゴルフ
ボールでは、打出時の回転数と20m飛行地点での回転
数にほとんど変化がないが、比較例1の液体系センター
を用いた糸巻きゴルフボールでは、打出時の回転数と2
0m飛行地点での回転数との差が大きく、20m飛行し
た地点での回転数が打出時の回転数の95%前後にまで
減衰していた。
【0060】これに対して、実施例1〜3の糸巻きゴル
フボールは、表3に示すように、液体系センターを用い
ているにもかかわらず、20m飛行地点での回転数の保
持率が高く、またリブ状突起の高さが大きくなるにつれ
て回転数の保持率が向上していた。すなわち、本発明の
実施例1〜3の糸巻きゴルフボールでは、打出直後のボ
ールの回転数の減衰を抑制することができ、それによっ
て、ボールの弾道を高くし、コントロール性を向上させ
ることができることが明らかにされていた。
【0061】また、上記本発明の実施例1〜3の糸巻き
ゴルフボールと比較例1の糸巻きゴルフボールについ
て、トッププロ10人によりウッド1番クラブで実打し
て、それらのフィーリング(打球時の感触)を調べた。
その結果を表5に示す。なお、フィーリングの判定基準
は次の通りである。
【0062】判定基準: ○ : 10人中8人以上が良いと答えた。 △ : 10人中4〜7人が良いと答えた。 × : 10人中良いと答えた人が3人以下。
【0063】
【表5】
【0064】表5に示すように、本発明の実施例1〜3
の糸巻きゴルフボールは、比較例1の糸巻きゴルフボー
ルと同等のフィーリングを示し、液体系センターを用い
た糸巻きゴルフボールの持つ良好なフィーリングを保持
していた。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、液体
系センターを用いた糸巻きゴルフボールにおいて、良好
なフィーリングを損なうことなく、コントロール性を向
上させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の糸巻きゴルフボールの一例を模式的に
示す断面図である。
【図2】本発明の糸巻きゴルフボールに用いる中空ゴム
球の一例を模式的に示すものであり、その(a)は中空
ゴム球の分解斜視図で、(b)は上記(a)に示す中空
ゴム球に設けられたリブ状突起の要部を拡大して示す斜
視図である。
【図3】本発明の糸巻きゴルフボールに使用される中空
ゴム球に設けられるリブ状突起の他の例を模式的に示す
ものであり、(a)は断面形状が長方形状のリブ状突起
の断面を拡大して示す断面図で、(b)は断面形状が二
等辺三角形状のリブ状突起の断面を拡大して示す断面図
である。
【図4】本発明の糸巻きゴルフボールに使用する中空ゴ
ム球と突起の他例を模式的に示すものであり、その
(a)はその中空ゴム球の下半分を示す斜視図で、
(b)は上記(a)に示す中空ゴム球に設けられている
半円球状の突起を拡大して示す斜視図であり、(c)は
円柱状の突起を拡大して示す斜視図で、(d)は円錐状
の突起を拡大して示す斜視図である。
【図5】従来の液体系センターを用いた糸巻きゴルフボ
ールを模式的に示す断面図である。
【図6】本発明において、打出方向に20m飛行した地
点でのゴルフボールの回転数を測定する状態を模式的に
示す図である。
【符号の説明】
1 センター 11 中空ゴム球 11a 突起 12 液体 2 糸ゴム層 3 カバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A63B 37/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空ゴム球の中に液体を封入してなるセ
    ンターと、糸ゴム層と、カバーを有する糸巻きゴルフボ
    ールにおいて、上記センターの中空ゴム球の内面に突起
    が設けられ、中空ゴム球の外径が20〜35mmで、中
    空ゴム球の厚みが1〜3mmであることを特徴とする糸
    巻きゴルフボール。
  2. 【請求項2】 中空ゴム球の中に液体を封入してなるセ
    ンターと、糸ゴム層と、カバーを有する糸巻きゴルフボ
    ールにおいて、上記センターの中空ゴム球の内面に突起
    が設けられ、中空ゴム球の外径が20〜35mmで、中
    空ゴム球の厚みが1〜3mmであって、ボール打出時の
    回転数に対して、打出方向に水平距離で20m飛行した
    地点での回転数の保持率が96%以上100%以下であ
    ることを特徴とする糸巻きゴルフボール。
  3. 【請求項3】 突起が、リブ状突起である請求項1また
    2記載の糸巻きゴルフボール。
  4. 【請求項4】 上記センターの中空ゴム球の内径をAm
    mとするとき、リブ状突起の高さがA/2mm以下であ
    る請求項3記載の糸巻きゴルフボール。
  5. 【請求項5】 リブ状突起の断面形状が、二等辺三角
    形、長方形または台形である請求項3または4記載の糸
    巻きゴルフボール。
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