JP2990095B2 - クラッタ排除のための多重パルス、多重反射、モダル距離測定処理システム - Google Patents

クラッタ排除のための多重パルス、多重反射、モダル距離測定処理システム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的にレーザ測
距システムにおけるクラッタ排除のための方法および装
置に関し、特に、情景においてターゲットをクラッタ目
標物から分離するために多重反射パルスおよびモダル距
離処理を使用するレーザ測距システムに関する。
【0002】
【従来の技術】ターゲット捕捉効率を増加させるため
に、様々なタイプの兵器システムが、適切なターゲット
捕捉を行うために兵器から目的とするターゲットまでの
距離を決定する測距システムを含む幾つかのタイプの自
動発射制御システムを具備している。これらのタイプの
兵器システムは、タンク、飛行機、船舶等の種々の兵器
プラットフォームに取付けられることもできる。兵器か
らターゲットまでの距離を与えることによって、自動発
射制御システムは、ターゲット捕捉中の高度および風力
等の様々な変数を補償することができる。この機能を実
行する様々なタイプの測距システムが技術において知ら
れている。従来、測距計を手持ち式ライフル銃等に取付
けることが考えられていた。
【0003】既知の測距計は、典型的に兵器上に位置さ
れたレーザ源から適切なレーザビームを放射するレーザ
測距計である。放射されたレーザビームは、ターゲット
から反射され、兵器上に位置された適切な検出器によっ
て受信される。レーザ源からのレーザビームの放射と検
出器による反射された反射ビームの受信との間の時間間
隔によって、ターゲットの距離が決定される。ターゲッ
トまでの距離の測定は、情景中のクラッタ目標物からの
反射信号によってしばしば劣化される。換言すると、放
射されたレーザビームは、ターゲットを外れた情景中の
別の目標物から意図しない反射を生じることもある。こ
れらの反射信号もまた、検出器によって受信される。そ
れ故に、検出器は、一般的に単一の送信バーストから多
数の反射信号を受信する。
【0004】クラッタ反射信号は、主として放射された
レーザビームの発散と、ビームの移動を生じる照準ジッ
タであるビームの発散によって幾らかのビーム光がター
ゲットの角度範囲を越えて広がり、それによってターゲ
ットよりも近いあるいは遠い目標物を照明してしまう。
同様に、照準ジッタによって時にレーザビームのターゲ
ットへの狙いが誤ってしまい、目的とするターゲットよ
りも近いあるいは遠い目標物を照明してしまう。手持ち
式ライフル銃にとって、照準ジッタは特に重要である。
【0005】既知のレーザ測距計は通常、第1の反射信
号に対する時間間隔から決定された意図されたターゲッ
トの距離を知らせる。一般的にそのような動作モード
は、ターゲットよりも近い距離にあり、放射されたレー
ザビームを反射するクラッタ目標物がない場合に有効で
ある。このタイプのシステムはまた、ハードウェアで構
成するのに最も簡単な方法でもある。この簡単な方法に
対して最後の反射信号を知らせるという変更が行われる
ことがあるが、これにはわずかにより複雑なハードウェ
アが必要とされる。しかしながら、クラッタ目標物の存
在、照準方向ジッタ、あるいは広いビーム幅のために、
これらの方法のいずれによっても正確度の高い測定結果
が与えられることはない。
【0006】別の既知のレーザ測距方法は、検出後積分
(PDI)と呼ばれる方法である。PDIにおいて、連
続したビームショットからの時間依存アナログ反射信号
は、パルス放射からのある時間においてそれらの合計が
しきい値と交差するまで、信号対パルス放射からの時間
として累積され、そこにおいて時間は距離に対応する。
この既知の方法は、意図するターゲットよりも大きい反
射率を有するクラッタによって影響を受け易い。時には
大きい信号を反射する高い反射率の大きいクラッタ目標
物は、しばしば小さい信号を反射する反射率の小さいタ
ーゲットに勝ってしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、既知のレーザ
測距システムと比較してクラッタ排除特性が向上され、
手持ち式ライフル銃において使用されることのできるレ
ーザ測距システムが必要とされる。本発明の目的は、そ
のようなシステムを提供することである。
【0008】本発明によると、レーザ源から求めるター
ゲットに向けて一連の多数のレーザパルスを送信してそ
の反射されたパルスを検出するレーザ測距システムが提
供される。送信された各パルスに対して、システム中の
検出器によって受信された全ての反射信号が記録され
る。一連のパルスの送信が終わりすべての反射信号が受
信された後に、全ての反射信号について最も頻繁に反射
信号が受信された距離が目的とするターゲットの距離と
して選択される。すなわち、本発明は、複数のビームパ
ルスを連続して発生して送信するビーム発生手段と、送
信されたビームパルスにより照射された目標物から反射
された複数の反射ビームを検出して、反射ビームを示す
アナログ反射信号を発生する反射ビーム検出手段と、反
射ビーム検出手段から出力されるアナログ反射信号を処
理する信号処理手段とを具備している目標物までの距離
を決定するシステムにおいて、この信号処理手段は、シ
ステムから反射物までの距離を予め定められた短い距離
範囲である多数の距離ビンに分割して、それらの各距離
ビンに対するアナログ反射信号のカウントを記録するカ
ウント表を有しており、信号処理手段は、予め定められ
た条件を満たすアナログ反射信号が受信される都度、そ
の受信反射信号の距離に該当する前記カウント表の距離
ビンに対してカウントを加算し、距離ビンの累算された
カウント値に基づいて目標物の位置する距離ビンを決定
することを特徴とする。
【0009】一実施形態において、本発明は、多数のビ
ンを設定するカウント表を用意することによって実行さ
れ、そこにおいて、各ビンは、ビン全体がターゲット捕
捉の目的に実用できる全ての距離を与えるような距離範
囲を表す。レーザ源が点火された後、検出器は、アナロ
グ反射信号対時間のデータを生成し、それはまた、信号
対レーザビームを反射する目標物までの距離と解釈する
ことができる。その後、アナログ反射信号はしきい値と
比較され、アナログ反射信号がしきい値以上である場合
には、カウント表における各距離ビンにカウントが加え
られる。このプロセスは、幾つかのパルスに対して連続
的に行われ、表における距離ビンのカウントが累積され
る。全てのパルスが処理された後、最大のカウント数を
有するビンが選択され、その対応する距離間隔の中間点
がターゲットまでの距離として報告される。
【0010】本発明の付加的な目的、利点、および特徴
は、添付図面と関連して以下の説明および特許請求の範
囲の請求項から明らかとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】レーザ測距システムおよびクラッ
タを排除するための方法の好ましい実施形態の以下の説
明は、本質的に単に例示的なものであり、本発明あるい
はその応用あるいは使用を限定するものではない。
【0012】図1において、ライフル銃10から可能性の
あるターゲットまでの距離を決定するために使用される
レーザ測距(LRF)システム12を含む手持ち式ライフ
ル銃10の斜視図が示されている。LRFシステム12は、
情景内のターゲットを視覚化するためにライフル銃10の
操作者(図示されていない)によって使用される光学照
準システム14の一部分として組み込まれている。操作者
がLRFシステム12を付勢したとき、レーザビーム源16
は、ターゲットの方向に一連のレーザビームパルスを放
射する。当業者によって理解されるように、照準システ
ム14には、操作者が照準システム14を通して情景を観察
できるようにし、また、レーザビームが照準システム14
を通して伝送されるようにする種々の光学素子が含まれ
ている。照準システム14の特定の光学系および素子は本
明細書の本発明において重要ではないので、発明の目的
に適切な任意の構成にされることができる。同様に、本
発明のLRFシステム12は以下に説明されるように手持
ち式ライフル銃10に関連して示されているが、LRFシ
ステム12は兵器あるいは別のものの任意のレーザ測距シ
ステムに適用されることもある。
【0013】本発明は、ライフル銃10からのターゲット
の距離を決定するためのモダル(modal )距離処理技術
に関し、それは、ターゲットとして報告される情景中の
目標物の結果として生じるエラーを減少あるいは排除す
る。以下に詳細に説明されるように、この技術は、レー
ザ源16からの連続した予め定められた数(例えば16
等)の測距パルスを発射し、各パルスに対して全ての距
離信号反射を記録することを含んでいる。一連のパルス
の終わりにおいて、以下に説明されるモダル処理を通し
て決定された最も頻繁に発生した距離が、ターゲットへ
の距離の評価である。
【0014】一実施形態において、レーザ源16は、1.
57ミクロンの波長と、約2ミリジュールの出力電力を
有し、約1000メートルの有効距離を与え、約6.7
ナノ秒のパルス幅を有する固体光学的ポンプレーザであ
る。しかしながら、これらの値は本発明を限定する例と
して与えられたものではなく、このLRFシステムある
いは別のLRFシステムに対する本発明の技術的範囲内
で別の適切な値が使用されることもできる。
【0015】一実施形態において、本発明は、ビンの番
号を設定するカウント表を用意することによって実行さ
れ、そこにおいて、各ビンは、測定距離を表し、一連の
ビン全体は、ターゲット捕捉の目的のために実際に役立
つ全ての距離を与える。レーザ源から発射されたとき、
検出器は、アナログ反射信号対発射からの時間の関係の
データを生成し、それは信号対受信された反射された信
号に対する反射目標物までの距離と等しい。その後、ア
ナログ反射信号は、しきい値と比較され、距離がしきい
値以上のアナログ反射信号の任意の部分の距離を含んで
いるカウント表中の各ビンにカウントが付加される。こ
のプロセスは、幾つかのパルスに対して連続的に実行さ
れ、表の距離ビンにおけるカウントが累積される。
【0016】全てのパルスが送信された後、最大数のカ
ウントを有するビンが選択され、その対応する距離の中
間点がそのターゲットの距離の最良の評価された距離で
ある。2以上のビンがカウントの最大数を有している場
合、最も近い距離に対応するビンを選択する等のある決
定規準が使用される。距離の正確度を改良するために、
アナログ反射信号あるいは反射信号の量的表示が一連の
送信されたパルスに関して累積される。カウントが最大
数である距離ビンが決定された後、選択されたビンのピ
ークにある、あるいはそれに最も近い累積されたアナロ
グ信号の重心が求められ、その重心に対応する距離が最
良の距離評価となる。この累積されたアナログ信号(あ
るいはその量的表示)を利用できる場合、それはまた、
最大の累積された反射信号を有するビンを選択すること
によって、カウントの最大数の2以上のビンの間で選択
するために使用されることができる。
【0017】照準線(LOS)ジッタの場合、照準を定
められたターゲットは、ジッタのパターンの中心にあ
り、それ故に、目標物は、レーザビームによって最も衝
突される可能性があり、ビームの最も強度の大きい部分
によって最も衝突される可能性があり、ジッタの方向に
関係なく反射信号を与えるのに十分な強度で最も衝突さ
れる可能性がある。ターゲットからある方向にオフセッ
トされたクラッタ目標物からの反射信号は、ビームがタ
ーゲットの反対側に変動する際に消失する。
【0018】図2において、検出器チャンネル22の概略
的ブロック図が示されており、そこにおいて、一般的に
本発明の動作を実行するために動作可能な一組の素子が
示されている。情景からの反射信号は、検出器24によっ
て受信される。一実施形態において、検出器24は、放射
されたレーザビームの所望された波長を検出するために
使用可能なInGaAs電子なだれフォトダイオードで
ある。しかしながら、別の検出器も本明細書に説明され
ているような本発明の目的に等しく適用可能である。検
出器24は、反射信号を受信し、レーザビーム信号を表示
可能な電気アナログ信号に変換する。これらのアナログ
信号は、LRFシステム12によって使用可能なレベルま
で信号を増幅するために検出器の電子装置26に与えられ
る。その後、増幅された検出器信号は、反射信号を含む
周波数を通過させ、信号対雑音比を増加させるために雑
音を抑制する目的でこの周波数の距離外のその他の信号
を排除する整合フィルタ28に与えられる。その後、フィ
ルタ処理された検出器信号は、アナログの反射信号を本
発明の高レベルデータ処理に適切な対応するデジタル信
号に変換するためにアナログ−デジタル変換器(AD
C)30に与えられる。ADC30は、ビンに対する分解能
を与えるためにパルスの幅に対応するように150MH
zで動作する。その後、アナログ反射信号のデジタル信
号はバッファメモリ32に記憶され、その後、本明細書に
説明されているように本発明に従ってモダル処理を行う
デジタル信号プロセッサ34に与えられる。デジタル信号
プロセッサ34からの出力は、測距システムの別の部分に
送られるように標準的な直列入出力部36に与えられる。
レーザ源16から放射されたパルスと同期させるために、
同期パルスがADC30に与えられる。電力管理システム
38は、例えばバッテリ等から入力電力を受取り、LRF
システム12の種々の素子に適切な電力出力を与える。
【0019】図3のaにおいて、例えばLRFシステム
12のソース16からの単一のレーザパルスのシミュレーシ
ョンが示されている。LRFビーム42は、ビームのLO
Sに沿ってターゲット44、一連のクラッタ目標物46、お
よび大地反射領域に沿った地面に当たる。クラッタ目標
物46はターゲット44の直接前にある必要はないが、幾つ
かは直接前にある可能性がある。もちろん、ターゲット
44が完全に、あるいはほぼ完全に目標物46によって遮ら
れている場合、それが検出されることはない。目標物4
6、ターゲット44、および地面から反射された反射信号
は、検出器24によって受信される。
【0020】図3のbにおいて、ビーム42のアナログ反
射信号のグラフが示されており、そこにおいて、水平方
向は時間を表し、垂直方向はしきいレベルに関する検出
されたパワーを表している。しきいレベルは通常、ター
ゲットがないときには雑音を誘起する誤警報が所望され
た値以下に維持されるように設定されている。さらに、
しきいレベルは、弱い反射信号を弁別するために使用さ
れることができる。水平な時間線に沿った各垂直線によ
って、アナログ反射信号が距離ビンに分割される。ビン
の幅はLRFシステム12の距離分解能であり、1メート
ル程度である。還元すると、この幅は、6.7ナノ秒で
送信されたパルスの幅を表している。
【0021】図3のcにおいて、図3のbに示された各
ビンの表が示されており、そこにおいて、各ビンに対し
てビン番号が割当てられている。特定のビンに対してし
きいレベル以上で反射信号が受信された場合、斜線領域
によって示されているような特定のビンにカウントが加
えられる。連続したショットの場合、しきいレベル以上
の信号を含む各ビンに1つのカウントが加えられ、それ
によって各ビンにおける増加されたカウントに対して表
示が与えられる。
【0022】上述のように、アナログ信号が連続したシ
ョットにわたるそのビンに対するしきい値を越えるたび
に、カウントが各ビンに加算される。反射信号の全てが
獲得されると、最大数の反射信号カウントを有する距離
ビンは、ターゲットのビンとして選択される。このビン
に対する距離は、LRFシステム12からのターゲット44
までの距離である。正確度を高めることが所望された場
合、全てのショットのアナログ信号が累算される。その
後、累算されたアナログ信号プロットに戻って、選択さ
れた距離ビンの近くのピークの重心を決定することによ
り、ターゲット44までの距離が決定される。これは図4
のaのグラフに示されている。グラフの垂直軸は、累算
された振幅を表し、水平軸はビンの番号を表す。
【0023】図4のbは、各ビンにおけるカウント数を
グラフで示したものであり、カウント数は垂直軸で表さ
れ、ビンの番号は水平軸で表されている。この解析か
ら、距離ビン番号1220は最大のショット数を有し、した
がってターゲットであると決定される。したがって、図
4のaのグラフを使用し、距離ビン番号1220の近くのピ
ークの重心を発見することにより、ターゲット44の測定
された距離が決定される。選択された距離ビン内のピー
クの重心を発見するために種々の数学的な技術が使用さ
れることができる。例えば、最初に選択されたビン内の
各距離をその距離に対するアナログ信号で乗算し、次に
これらの値のそれぞれを合計することによって、信号加
重重心技術が使用されることができる。重心を決定する
ために、この合計された値はビンの中の信号全ての和で
除算される。第2の技術は、当業者に知られている一定
の部分弁別器の使用を含む。
【0024】どの距離ビンがカウントを受取るのかを決
定するために反射アナログ信号に適用されるしきい値を
使用することは、本発明にしたがって使用されることの
できる一種の信号フィルタである。このしきい値濾波技
術の代わりに、或はそれと共同して、ハイパスフィルタ
またはパルス幅弁別器のような別のフィルタを使用する
ことができる。いくつかのフィルタはまた同時にまたは
直列に使用されることができる。濾波過程によって選択
されたどのような距離ビンでも、モダル距離処理用の一
連の過程に対して累算されたものである。
【0025】モダル距離測定処理は、しきい値処理の前
に信号対雑音比を改良するために別の信号処理技術と組
合わせられることができる。例えば、当業者に知られて
いる検出後積分(PDI)もまた使用されることができ
る。PDIにおいて、アナログ信号はいくつかのショッ
トにわたって累算され、その後この累算がしきい値フィ
ルタに供給される。多重パルス、多重反射、モダル距離
測定処理に対して、しきい値の前に発生したどのような
ものでも、1つの事象と見なされ、しきい値フィルタか
らの出力は、カウントの表において距離ビンにカウント
を加算するために使用される。したがって、いくつかの
ショットがPDIモードで使用され、フィルタ出力がカ
ウント表において累算され、その後別の組のPDIショ
ットが別のしきい値出力を獲得するために採取され、そ
の別のしきい値出力がカウント表において累算される。
これは、所望の数の事象がカウント表中に累算されて、
最大のカウント数を有するビンが選択されるまで続く。
【0026】上述された本発明のモダム距離測定処理の
2つの付加的なバリエーションも使用されることがで
き、それらは最も普通である最初の反射信号と、最も普
通である最後の反射信号とを含んでいる。特に、これら
のバリエーションの第1のものにおいて、ターゲットの
距離は、各ショットの最初の反射時の距離ビンを記録
し、“最も普通の最初の反射信号”フィルタに対して連
続したパルスのそれぞれに対して最初の反射信号を最も
頻繁に含んだビンを選択することによって決定される。
これらのバリエーションの第2のものにおいて、ターゲ
ットの距離は“最も普通の最後の反射信号”フィルタに
対して連続したパルスのそれぞれに対して最後の反射信
号を最も頻繁に含んだビンを選択することによって決定
される。
【0027】図5は、16ショット適用および4ショッ
トシミュレーション適用に対して“最も普通の最初の反
射信号”フィルタを使用したターゲットの正しい距離測
定結果の割合を示したグラフである。ビームの発散は水
平軸にミリラジアンで示され、また正しいターゲットが
選択された割合が垂直軸に与えられている。同様にし
て、図6は、16ショットおよび4ショットシミュレー
ションの両者に対して“最も普通の最後の反射信号”フ
ィルタを使用したターゲットの正しい距離測定結果の割
合を示したグラフである。
【0028】本発明の2つの別のバリエーションはまた
ターゲットを決定するために考慮されることができる。
これらのバリエーションは最も頻繁な最初の反射信号だ
った距離と、最も頻繁な最後の反射信号だった距離とを
決定することを含む。これらおよび前述のバリエーショ
ンの違いは、“最も頻繁な最初の反射信号”フィルタ
が、最初の反射である他のどの距離より高い頻度で最初
の反射であった図4のbの距離のヒストグラムをさがし
出し、一方“最も頻繁な最初の反射信号”フィルタが距
離が任意の反射を与えた全ての時間から、距離が最初の
反射であった時間の部分を選択することである。最大の
部分を有する距離が選択される。同じ解析は“最も頻繁
な最後の反射”フィルタに対しても同様に保持される。
【0029】いくつかのタイプのフィルタにより、ター
ゲットが2つの距離ビンの間の境界に位置された場合に
問題が生じる可能性があり、その場合いくつかのショッ
トではカウントが前方ビンに加算され、一方他のショッ
トでカウントが後方に加算される。これは、いずれかの
ビンのカウント数を1/2に減少させるため、いずれか
のビンがクラッタビンより多くのカウントを有する機会
が大幅に減少される。上述された“しきい値を越えた信
号”フィルタに対して、これは一般に発生しない。例え
ば、図7に示された“しきい値を越えた信号”フィルタ
に対するいくつかのビンを考えてみる。このフィルタ
は、信号がしきい値を越えた任意のビンにフラグを与
え、ターゲットが境界にある場合には信号が両方のビン
においてしきい値を越えている。したがって、両ビンに
フラグが与えられる。
【0030】領域の代わりに時間的なポイントを配置す
るものである“信号のしきい値の上のピークがどこにあ
るか”のフィルタのような別のタイプのフィルタは、
が、このフィルタは、2つのビンの一方または他方だけ
しかフラグがないという問題を有する可能性が高い。そ
れに敏感なこれらのタイプのフィルタに対するこの問題
を回避するために、図8に示されているように、2つの
カウント表は1ビンの1/2だけ互いにずれた状態を維
持されることができる。ピークが1つの表においてビン
の境界の近くにあり、ショットからショットまで一方ま
たは他方のビンにカウントを加算する場合、別の表では
それはビンの境界からできるだけ遠くにあり、常に同じ
ビンにカウントを加算する。
【0031】一連のショットの後、両カウント表が最大
数のカウントを有するビンを発見するために走査され
る。ターゲットが1つの表においてビンの境界の近くに
ある場合、それは別の表のビンの中間の近くにあり、そ
の別の表が最大数のカウントを有する。ターゲットが両
方の表のビンの境界の近くにない場合、両方の表の中の
ビンはカウントを分けあい、かつビンの1/2だけ距離
的にずれているため、それには誤差がなく、いずれの解
答が選択されてもよい。システムが最大距離分解能を獲
得した場合、累算されたアナログ信号にさかのぼって、
最も近い信号ピークの位置重心を発見する上述された改
良された距離正確度を有するこの距離ビン決定ステップ
が結果的に実現される。
【0032】上述されたモダル距離測定処理は、レーザ
ー測距への適用に限定されず、レーダーおよびソナー測
距のような別の測距方式にも適用されることができる。
また送信される“パルス”に関して方法が説明されてい
るが、それはコヒーレントなFMチャープのような別の
波形を伝送する別のタイプの測距システムに適用可能で
ある。
【0033】本発明のレーザー測距技術は、シミュレー
ションと実験の両方で説明された。シミュレーションに
対して、ターゲット空間情景のコンピュータモデルがL
RF性能コンピュータモデルと組合わせられた。多数の
ターゲットの位置、寸法および反射率が特定された。L
RFは、特定された照準器ジッタにより意図されたター
ゲットに照準を定められた。その後、多数のLRFショ
ットが使用される既知のシミュレーションが実行され
た。それぞれのショットに対して、特定されたジッタの
統計によるランダム照準器エラーが適用される。狙いを
外されたレーザービームショットにより、ターゲット上
のエネルギの計算がそれぞれのターゲットに適用され、
各距離ビンに収集されたLRF反射信号が決定される。
この信号によって、システム中の雑音の計算と共に信号
プロセッサの検出しきい値を越える信号の確率、すなわ
ち検出の確率が求められる。各距離ビンに対する別のラ
ンダム数は、特定のLRFショット時のその距離ビンに
ついてしきい値を越えるか否かを正しい統計により決定
する。
【0034】図9のaは、そのうちのいくつかが示され
ている一連の目標物54と、目標物の背後の情景が地面で
埋められるように5°の斜面上に位置された意図してい
るターゲット56を含むシミュレートされた情景52の側面
図を示す。300メータ離れたターゲット56にレーザー
ビーム60を向けるLRF58が示されている。図9のb
は、全ての目標物54が示され、文字でラベル付けされる
ように目標物54の周囲の領域の拡大図を示しており、こ
こでターゲット56はAのラベルを付けられている。図9
のbのグラフは、LRF58に関する目標物54の高度およ
び距離を示している。
【0035】図10は、9個の目標物54のそれぞれの形
状が示されているシミュレートされた情景52の前面図を
示す。この図はまたLRF58の位置から見た時の情景の
仰角および方位角スケールを示す。ターゲット56は垂直
方向に4.8mr(ミリラジアン)かつ水平方向に1.
5mrの大きさを有する。シミュレーションで使用され
るジッタは、軸当たり0.75mrラジアンの標準偏差
のガウス分布である。0.02mrから2.5mrまで
の一連のビーム幅(ガウスプロフィール1/e2 強度直
径)が使用された。
【0036】図11に示されているように、0.79m
rのビーム幅に対する反射信号対距離のヒストグラムに
シミュレーションからのデータを記載することができ
る。図11のグラフは、水平軸で距離を、また垂直軸で
カウント数を表わす。16回のLRFショットのこの特
定の組において、A目標物はこれらショットのうち13
回反射を生じ、I目標物は3回反射を生じ、C目標物は
ショットのうち6回反射を生じ、1回のショットは反射
を生じなかった。300メータの距離は最も多い反射を
有しているため、本発明による方法はターゲット56まで
の距離として300メータを選択し、それが正解であ
る。このヒストグラムはまた16回のLRFショットの
うち3回においてI目標物が最初の反射であり、ショッ
トの12回においてA目標物が最初の反射であり、ショ
ットのうちの1回は反射が受信されなかったことを示し
ている。したがって、従来技術において使用されたよう
に、最初の反射論理が個々のショットに関して使用され
た場合には、解答は16回中4回誤っていることが明ら
かである。同様にして、最後の反射論理が使用された場
合、A目標物は9回選択されており、C目標物は6回選
択されており、ターゲットは1度も選択されず、16回
中7回誤った解答を出している。
【0037】上記に要約されたタイプのいくつかのシミ
ュレーションは、16ショットおよび4ショットの両バ
ーストに対して0.02mrから2.5mrまでのビー
ム幅に対して実行された。図12は、本発明のモダル距
離処理論理を使用してターゲットまでの正しい距離を出
した実行の比を示すために水平軸にビームの発散を、
(mr)を、また垂直軸に正解率を表わすグラフを示し
ている。図13は、単一ショットに対する最初の反射ま
たは最後の反射の従来技術論理を使用する、水平軸でビ
ームの発散を、また垂直軸で正解率を示したグラフを示
す。明らかに、図13ははるかに劣った結果を示してい
る。0.79mrのビームの開きでは、本発明のモダル
処理は16ショットおよび4ショットの両バーストに対
して100%正しいターゲット距離を生じ、一方従来技
術の最初の反射論理では63%しか正しいターゲット距
離が得られず、また最後の反射論理では61%しか正し
いターゲット距離が得られなかった。もっと大きい1.
5mrのビーム幅において、16ショットのバーストで
は正しいターゲット距離が100%のままであり、4シ
ョットのバーストでは正しいターゲット距離が60%に
低下した。しかしながら、最初の反射論理による正しい
ターゲット距離は36%に低下し、最後の反射論理では
正しいターゲット距離が24%に低下した。
【0038】本発明のレーザ測距に対する多重反射、多
重パルス、モダル処理はまた、実験的に試験された。実
験を行なうために、当業者に知られている電気・光追跡
システム(EOTS)がレーザー測距装置として使用さ
れた。実証期間中に収集された検出器データは、外部P
Cベースデータ獲得システムによってデジタル化され、
PC適合データファイルに書込まれた。レーザを発射
し、データを獲得して処理し、かつユーザーインターフ
ェイスを提供するために必要とされるインターフェイス
ソフトウェアは、レーザー測距装置が内蔵している。
【0039】試験のために使用されるターゲットは、ホ
ワイトボードの2つの寸法を含んでいた。使用された距
離は74m,184m,365m,370m,450
m,606m,627mであった。ターゲット露出は約
20%から100%に変化した。シミュレートレートさ
れた照準手ジッタがLRF照準動作中に挿入され、その
後同じターゲットに関して単一パルスおよび多重パルス
の両方のトーザ放射に対してデータが収集された。
【0040】ターゲットのそれぞれに対して正しい距離
結果の割合をまとめた以下の表1に示されているよう
に、単一パルスにわたるモダル反射処理モードに対する
大幅な改良が試験条件に応じて示された。 表 1 真の距離 74m 184m 365m 627m 全体 単一パルス 10% 0% 60% 30% 25% 4パルスMR,MP,モダル 50% 50% 80% 30% 53% 8パルスMR,MP,モダル 80% 70% 100% 60% 78% 12パルスMR,MP,モダル 100% 90% 100% 60% 93%
【0041】上述された説明は、本発明の実施形態の単
なる例示に過ぎない。当業者はこのような説明および添
付図面から、添付された特許請求の範囲に記載されてい
る本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更、
修正およびバリエーションを行なうことが可能であるこ
とを容易に認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による多重パルス、多重反
射レーザ測距計を含む手持ち式ライフル銃の斜視図。
【図2】本発明のレーザ測距計における受信機チャンネ
ルの概略的ブロック図。
【図3】本発明による単一のレーザ測距計のシミュレー
ションおよび結果として生じた反射信号の概略図。
【図4】本発明のレーザ測距計の多重パルス、多重反
射、およびモダル処理を表すグラフ図。
【図5】最も一般的な最初の反射方式を使用して正確な
距離を与える場合の%比率で表したグラフ図。
【図6】最も一般的な最後の反射方式を使用して正確な
距離を有する場合の%比率で表したグラフ図。
【図7】本発明のレーザ測距計において使用される“し
きい値より大きい信号”フィルタのグラフ図。
【図8】本発明のレーザ測距計における別のフィルタ処
理方法のためのスタガーにされたビンの表を示す“しき
い値より大きい信号の各局所的ピークがどこにあるか”
を表すフィルタの特性図。
【図9】本発明のレーザ測距計を説明するためのシミュ
レートされた情景の側面図と、図8のaのシミュレート
された情景の拡大された側面図。
【図10】図9のシミュレートされた情景の正面図。
【図11】本発明のレーザ測距計の16ショットのシミ
ュレーションの反射信号のヒストグラム図。
【図12】本発明のレーザ測距技術に従って正確な距離
を与える場合の%比率で表したグラフ図。
【図13】従来技術によるレーザ測距技術に従って正確
な距離を与える場合の%比率で表したグラフ図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 デイビッド・ゴーラン アメリカ合衆国、カリフォルニア州 90025、ロサンゼルス、1/2・バリ ー・アベニュー 2027 (56)参考文献 特開 平8−313631(JP,A) 特開 平3−274485(JP,A) 特開 昭57−61968(JP,A) 特開 平6−138222(JP,A) 特開 昭63−144210(JP,A) 特表 平5−508917(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01S 7/00 - 7/51 G01S 17/00 - 17/95 G01S 13/00 - 13/95

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数ビームパルスを連続して発生して
    送信するビーム発生手段と、送信された ビームパルスにより照射された目標物から反
    射された複数の反射ビームを検出して、反射ビームを示
    すアナログ反射信号を発生する反射ビーム検出手段と、前記反射ビーム検出手段から出力される アナログ反射信
    号を処理する信号処理手段とを具備している目標物まで
    の距離を決定するシステムにおいて、 前記信号処理手段は、システムから反射物までの距離を
    予め定められた短い距離範囲である多数の距離ビンに分
    割して、それらの各距離ビンに対するアナログ反射信号
    のカウントを記録するカウント表を有しており、 前記信号処理手段は、予め定められた 条件を満たすアナ
    ログ反射信号が受信される都度、その受信反射信号の距
    離に該当する前記カウント表の距離ビンに対してカウン
    トを加算し、距離ビンの累算されたカウント値に基づい
    て目標物の位置する距離ビンを決定することを特徴とす
    目標物の距離決定システム。
  2. 【請求項2】 前記信号処理手段は同じ距離からのアナ
    ログ反射信号を累算する手段を備え前記目標物の位置
    する距離ビンを決定した後、その距離ビンの距離範囲に
    おいて前記累算されたアナログ反射信号強度に対する
    心を求め、その重心の位置までの距離を目標物までの距
    として採用する請求項1記載のシステム。
  3. 【請求項3】 目標物の距離決定システムは、潜在的な
    ターゲットまでの距離を決定するための手持ち式のライ
    フル銃の一部分として構成されている請求項1記載のシ
    ステム。
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