JP2989368B2 - 液状有機錫チオアルカノール系安定剤組成物及びこれを含有するハロゲン化ビニル樹脂組成物 - Google Patents

液状有機錫チオアルカノール系安定剤組成物及びこれを含有するハロゲン化ビニル樹脂組成物

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JP2989368B2 JP4073019A JP7301992A JP2989368B2 JP 2989368 B2 JP2989368 B2 JP 2989368B2 JP 4073019 A JP4073019 A JP 4073019A JP 7301992 A JP7301992 A JP 7301992A JP 2989368 B2 JP2989368 B2 JP 2989368B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ハロゲン化ビニル樹
脂組成物用安定剤組成物、より特定的にはゲル化及び沈
殿に対して安定化された有機錫チオアルカノール化合物
を含む安定剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化ビニル樹脂及びハロゲン化ビ
ニル樹脂を含有する組成物は、樹脂を加熱して軟化又は
溶融させ、次いで熱成形によって所望の製品を形成させ
ることによって、即ち、粉末状樹脂組成物を溶融塊に変
え、次いでこれに圧力をかけて所望の形を得ることによ
って、有用な物品に加工される。商業的なハロゲン化ビ
ニル樹脂加工方法には、圧延(この場合、加熱溶融され
た塊が一連の押圧ロール及びテークオフロールを用いて
シート又はフィルムに加工される);押出成形(この場
合、1個以上のスクリューが円筒状バレルを通して溶融
塊を運び、この溶融塊がそこからフォーミングダイを通
されてパイプ、棒材、シート、異形材又はチューブを形
成する);押出吹込成形(この場合、溶融塊が初めにパ
リソンと称される中空チューブとして押出され、次いで
成形室内で圧締めされ、ここで圧縮空気が封止されたチ
ューブ内に注入されて金型の形に吹込成形して瓶、玩具
及び他の中空成形品を形成させる);並びに射出成形
(この場合、溶融塊が高圧下で金型キャビティ内に押し
込まれ、ここで次いで急冷されてパイプ継手、電気ボッ
クス及び他の形のような固形物品が形成される)が包含
される。
【0003】ハロゲン化ビニル樹脂組成物はまた、紙及
び布を被覆するのにも用いられ、これらは型押しされて
いてもよく、されていなくてもよい。ハロゲン化ビニル
樹脂組成物を有用な物品に加工するための追加的な方法
には、スラッシ成形及び繊維押出が含まれる。
【0004】ハロゲン化ビニル樹脂組成物を有用な物品
に加工するための全ての方法は、ハロゲン化ビニル樹脂
を軟化させて所望の物品に成形できるようにするために
加熱を用いる必要がある。この加熱は、押出成形におけ
るように配合物において発現する摩擦によって生じるこ
ともあり、また、カレンダーの加熱されたロールのよう
に外的に適用された熱であることもできる。ハロゲン化
ビニル樹脂組成物を軟化させるために必要な熱は組成物
に応じて変化するが、代表的には165℃〜210℃で
ある。圧延軟質シートのような高度に可塑化された配合
物では低温を用い、硬質又は非可塑化ハロゲン化ビニル
樹脂組成物は一般的により高い範囲の熱を必要とする。
パイプ、ハウスサイジング、窓用形材及び硬質押出シー
トは通常195〜210℃の温度で成形される。
【0005】ハロゲン化ビニル樹脂が100℃より高い
熱の存在下で分解することはよく知られている。実際、
それより低い温度においてさえ多少の分解が起こる。ハ
ロゲン化ビニル樹脂の分解は、望ましくない変色及び物
理的特定の損失をもたらす。極端な場合、ハロゲン化ビ
ニル樹脂組成物は黒変し、脆化して使用不能になる。
【0006】熱及び光分解に対してハロゲン化ビニル樹
脂組成物を保護するために、安定剤物質が添加される。
熱分解に対してハロゲン化ビニル樹脂組成物を安定化さ
せるために用いられている化合物は広範な物質を構成
し、文献に多く報告されている{例えば『エンシクロピ
ーディア・オブ・PVC(Encyclopedia of PVC)』第2
版(1986年)、ナース(Nass)及びハイベルガー
(Heiberger)}。代表的な安定剤には、鉛塩及び石鹸、
バリウム及びカドミウム石鹸及びフェノラート、亜鉛石
鹸、アンチモンメルカプチド、ポリオール、ペンタエリ
トリット、ホスファイト、エポキシ化合物、アミノ化合
物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物並びに有機
錫化合物が包含される。
【0007】米国特許第3919168号に記載された
ように、有機錫メルカプチドのような有機錫硫黄含有化
合物が最も効率のいい(重量効率)ハロゲン化ビニル樹
脂用熱安定剤の1つであることは、当技術分野において
よく知られている。米国特許第3919168号に記載
されている硫黄含有有機錫化合物は全て、炭素を介して
錫に直接結合した少なくとも1個の有機基及び、少なく
とも1個の単独で錫に結合した硫黄原子又は硫黄を介し
て錫に結合したメルカプトエステル若しくはメルカプタ
ンのような硫黄含有基の残基を有することを特徴とす
る。有機錫に単独で結合した硫黄及び硫黄含有部分の残
基の両方が同一の有機錫部分に結合していてもよい。
【0008】硫黄を介して錫に結合したチオアルカノー
ル基を含有する液状有機錫化合物もまた、ハロゲン化ビ
ニル樹脂組成物用の効果的な安定剤であることが知られ
ている。米国特許第4059562号及び同第4254
017号には、硫黄を介して錫に結合したチオアルカノ
ール基を含有する有機錫化合物が開示され、ハロゲン化
ビニル樹脂用熱安定剤化合物としてそれらを使用するこ
とが開示されている。有機錫エタノールメルカプチドは
有機錫チオアルカノールの1種である。
【0009】有機錫チオアルカノールは非常に効果的な
ハロゲン化ビニル樹脂組成物用安定剤であるが、これら
はいくつかの重大な欠点を持ち、これらが広範な生産及
び商品化を妨げている。この類の化合物及び組成物の最
も重大な欠陥は、貯蔵安定性が乏しいことである。放置
しておくと、大抵の場合数日間でさえ、有機錫チオアル
カノールは粘性のあるゼラチン状混合物を形成し、しば
しば沈殿が生じる。その結果として生じる不均質組成物
は取扱い、即ちポンプ送り及び計量供給が困難であり、
結果としてビニル樹脂組成物において各バッチについて
要求される均一性を達成することができない。さらに、
固形沈殿物はろ別してごみとして廃棄しなければなら
ず、これがこの高価な製品の10%〜20%の損失をも
たらす。有機錫チオアルカノールのさらなる重大な欠点
は、製造の際に明らかになる。粘性物質は撹拌及び混合
が非常に困難であり、沈殿物が輸送ラインを塞ぎ、貯蔵
容器を汚染する。反応器、輸送ライン、フィルター及び
貯蔵容器を一掃するために各生産バッチ後に余分なステ
ップを行なわなければならない。
【0010】米国特許第4059562号に記載された
ように、ホーク(Hoch)らは、有機錫化合物に対して1
0〜60重量%の2〜10個の炭素原子を有するグリコ
ールを含む液状アルコール成分及び有機錫化合物に対し
て0.1〜1重量%の酸性燐酸アルキル中に有機錫化合
物を溶解させることによって有機錫チオアルカノールの
粘性及び沈殿の問題を解決することを提唱している(前
記米国特許明細書第4欄第48〜62行を参照された
い)。前記明細書第3欄第66〜68行及び第4欄第1
〜3行においてホークらは、安定剤系の液状アルコール
成分に50〜100重量%のヘキシレングリコールと5
0重量%までの1種以上の8〜15個の炭素原子を有す
る直鎖状及び(又は)分枝鎖状一価アルコールとを含有
させた場合に特に良好な結果が得られたと開示してい
る。
【発明が解決しようとする課題】
【0011】ホークらによって提唱されたように有機錫
チオアルカノールの重量を基として10%〜60%とい
う比較的多量の水混和性溶媒を用いることは、ハロゲン
化ビニル樹脂安定化のための多くの利用において望まし
くない。何故ならば、かかる物質の存在下ではハロゲン
化ビニル樹脂組成物の耐水性が低下するからである。
【0012】有機錫メルカプト酸エステル中の沈殿はメ
ルカプト酸エステルとの反応の際に化学量論的に過剰の
有機錫塩化物を用いることによって除去することができ
るということが、当技術分野において知られている。ま
た、ラーキン(Larkin)による米国特許第371533
3号に記載されたように、ハロゲン化ビニル樹脂用の安
定剤として有機錫塩化物と有機錫メルカプトアセテート
又はメルカプチドとの混合物を用いることも知られてい
る。しかしながら、有機錫塩化物単独では慣用の有機錫
チオアルカノール系安定剤を用いた場合に遭遇する沈殿
の問題を解消しない。しかして、ゲル化及び沈殿に対し
て安定化された貯蔵安定性の有機錫チオアルカノール系
安定剤組成物が要求されている。
【0013】
【課題を解決するための手段】約0.1〜約10重量%
の遊離のメルカプタンを0〜10重量%の結合塩素と組
合せて有機錫チオアルカノール系安定剤組成物に添加す
ることによって、優れた貯蔵安定性を有する有機錫チオ
アルカノール系安定剤組成物を得ることができるという
ことが、ここに見出された。かかる組成物は、何週間も
の貯蔵の後及び−20℃〜25℃の繰返しサイクルの後
にもゲル化、粘度増大及び沈殿がないことが示された。
これらの有機錫チオアルカノール系安定剤組成物で安定
化されたハロゲン化ビニル樹脂組成物もまた、本発明に
包含される。本発明はまた、有機錫チオアルカノール系
安定剤組成物を製造するための改良型方法をも提供し、
この改良は、低粘度で、ゲル化及び沈殿がなく、ろ過及
び取扱いが容易な有機錫チオアルカノール系安定剤が生
成することを特徴とする。
【0014】
【発明の具体的な説明】約0.1%〜約10%、好まし
くは約0.1%〜約5%の遊離のメルカプタン及び0〜
約10.0%、好ましくは約0.1%〜約10.0%、
特に好ましくは約0.1%〜約2.0%の結合塩素を有
機錫チオアルカノール組成物中に存在させることによっ
て、良好な安定性を持ち(即ちゲル化及び沈殿物が実質
的になく)且つハロゲン化ビニル樹脂組成物に対して優
れた安定化特性を持つ液状有機錫チオアルカノール系安
定剤組成物を得ることができるということが、ここに見
出された。前記の百分率は安定剤組成物の総重量を基と
する。
【0015】結合塩素を用いずに遊離のメルカプタンを
添加することは貯蔵の間に有機錫チオアルカノールを分
解に対して保護するのに多少効果的である。遊離のメル
カプタンを添加せずに安定剤組成物に結合した塩素を組
み込むと、濃厚な粘性のある下相とそれより粘性が低い
上相との2つの分離した液相が形成することが示され
た。好ましい安定剤組成物は、少なくとも0.1重量%
の遊離のメルカプタン及び少なくとも0.1重量%の結
合塩素を含有する。結合塩素及び遊離のメルカプタンを
含有する本発明の精選された有機錫チオアルカノール系
安定剤組成物は、約3〜約35重量%のメルカプト系硫
黄、約0.1〜約10重量%の結合塩素、約0.1〜約
10重量%の遊離のメルカプタン化合物及び約16〜約
46重量%の錫が存在することを特徴とし得る。
【0016】本発明において有用な、有機錫に結合した
少なくとも1個のチオアルカノール基を含有する有機錫
化合物及び組成物は、次の構造式:
【化1】 (式中、Rは独立的に1〜12個の炭素原子を有するア
ルキル基、又は炭素を介して錫に結合した少なくとも4
個の炭素原子を有するカルボアルコキシヒドロカルビル
若しくはケトヒドロカルビル基を表わし、yは1又は2
を表わし、R1 は独立的に−SCH2 CH2 OH、−S
CH2 CH2 CH2 OH、−SCH2 −CH(OH)−
CH3 、−SCH2 COOR、−SCH2 CH2 O−C
OR2 、−SR2 、−OOCR2 又は−OOCR3 −C
OOR2を表わし、ここでR2 は6〜18個の炭素原子
を有するアルキル又はアルカリール基を表わし、R3
−CH=CH−又は−CH2 −R12−CH2 −を表わ
し、ここでR12は2〜6個の炭素原子を有するアルキレ
ン基を表わし、Qは酸素又は硫黄を表わし、a、b、m
及びnはそれぞれ1又は2を表わし、xは0〜4を表わ
し、xが0である場合にはmとnとbとの合計m+n+
bは4であり、xが1である場合にはmとnとの合計m
+nは3であり且つaとbとの合計a+bは3であり、
そしてxが1より大きい場合にはm+nは3であり、a
の1個とbとの合計は3であり且つ残りのaは2であ
る)を有する。これらの化合物のメルカプトアルカノー
ル残基は一般的に有機錫チオアルカノール化合物の約3
〜約67重量%を占める。
【0017】有機錫チオアルカノール及び以下に列挙す
る化合物を同定するのに上で用いた構造式は全て、これ
らの化合物が個々別々の分子であることを示唆する。し
かしながら、硫黄又は酸素を介して互いに結合した少な
くとも2個の錫原子を含有する有機錫『化合物』は個々
別々の分子ではなく、しかし、再分配の結果としての動
的平衡において3種以上の別々の化合物が存在すること
はよく知られており、しかしてより正確にはこれらの物
質は組成物と鑑定される。説明をわかりやすくするため
に手短な形としてかかる『橋渡し』物質を記載するため
に単独の構造式を用いることができ、錫、炭素、酸素、
水素、塩素及び硫黄についての化学分析はかかる単独構
造中に理論的に存在すると示すことのができるものに対
応するが、組成物中に存在する各種の分子を同定するた
めには他の分析技術を用いることが必要である。本発明
の有機錫組成物を特徴づけるためには、錫及び炭素NM
Rが好ましい技術である。NMR即ち核磁気共鳴分光学
は多くの文献に見出され、それらの1つは『エンシクロ
ピーディア・オブ・ケミカル・テクノロジー(Encyclop
edia of Chemical Technology)』第3版、第2巻{ウィ
リー(Wiley)}である。
【0018】上記の定義内の化合物及び組成物の代表的
な有機錫チオアルカノールの例には、次のものが包含さ
れる: ・モノメチル錫トリス(2−ヒドロキシエチルメルカプ
チド)、 ・モノブチル錫トリス(3−ヒドロキシプロピルメルカ
プチド)、 ・モノオクチル錫モノ(イソオクチルチオグリコレー
ト)ジ(2−ヒドロキシエチルメルカプチド)、 ・モノブチル錫ジ(2−ヒドロキシエチルメルカプチ
ド)(ドデシルメルカプチド)、 ・モノメチル錫ジ(3−ヒドロキシプロピルメルカプチ
ド)(オレイルメルカプチド)、 ・ジメチル錫(2−ヒドロキシエチルメルカプチド)
(ラウリルメルカプチド)、 ・ジブチル錫(2−ヒドロキシエチルメルカプチド)
(イソオクチルメルカプトアセテート)、 ・ジブチル錫(2−ヒドロキシエチルメルカプチド)
(オレイルメルカプトアルカノエート)、 ・モノブチル錫(2−ヒドロキシエチルメルカプチド)
ジクロリド、 ・モノブチル錫ビス(2−ヒドロキシエチルメルカプチ
ド)クロリド、 ・ジメチル錫(2−ヒドロキシエチルメルカプチド)ク
ロリド、 ・ビス[モノブチル錫(ドデシルメルカプチド)(2−
ヒドロキシエチルメルカプチド)]スルフィド、 ・[モノブチル錫(ドデシルメルカプチド)(2−ヒド
ロキシエチルメルカプチド)][モノブチル錫(2−ヒ
ドロキシエチルメルカプチド)(クロリド)]スルフィ
ド、 ・[モノブチル錫(ラウレート)(2−ヒドロキシエチ
ルメルカプチド)][ジブチル錫(2−ヒドロキシエチ
ルメルカプチド)]スルフィド、及び ・ビス[モノブチル錫(ドデシルメルカプチド)(2−
ヒドロキシエチルメルカプチド)]オキシド。
【0019】好ましい有機錫チオアルカノール系安定剤
化合物及び組成物は、次のものである: ・ビス[モノブチル錫(ドデシルメルカプチド)(2−
ヒドロキシエチルメルカプチド)]スルフィド、 ・ビス[モノメチル錫(2−ヒドロキシエチルメルカプ
チド)(クロリド)]スルフィド、 ・[モノブチル錫(ドデシルメルカプチド)(2−ヒド
ロキシエチルメルカプチド)][モノブチル錫(2−ヒ
ドロキシエチルメルカプチド)(クロリド)]スルフィ
ド、 ・モノオクチル錫モノ(イソオクチルチオグリコレー
ト)ジ(2−ヒドロキシエチルメルカプチド)、 ・モノメチル錫ジ(3−ヒドロキシプロピルメルカプチ
ド)(オレイルメルカプチド)、 ・[モノブチル錫(ベヘネート)(2−ヒドロキシエチ
ルメルカプチド)][ジブチル錫(2−ヒドロキシエチ
ルメルカプチド)]スルフィド、 ・ビス[モノメチル錫(ドデシルメルカプチド)(2−
ヒドロキシエチルメルカプチド)]スルフィド、 ・[モノブチル錫ビス(トリデシルメルカプチド)]
[ジブチル錫(2−ヒドロキシエチルメルカプチド)]
スルフィド、及び ・ビス[ジメチル錫(2−ヒドロキシエチルメルカプチ
ド)]スルフィド。 本発明において用いるのに適した他の有機錫チオアルカ
ノール化合物及びそれらの製造方法は、米国特許第40
59562号及び同第4254017号に記載されてい
る。
【0020】前記した有機錫チオアルカノール化合物に
加えて、他の有機錫化合物を本発明の有機錫チオアルカ
ノール系安定剤組成物に添加することもできる。有用な
有機錫化合物の類の中には、それぞれが少なくとも1個
の錫−炭素直接結合を持つ1個以上の4価の錫原子を含
有するものが包含される。かかる化合物は、米国特許及
び他の文献に記載されている。用いられる安定剤は、好
ましくは、通例の温度即ち180℃において実質的に不
揮発性であり且つ選択したビニル樹脂中に分散可能であ
る、即ち、この産業界において用いられる配合操作にお
いて樹脂と配合することができる程度に相溶性であるも
のである。
【0021】有用な類のかかる錫含有熱安定剤は、それ
ぞれが少なくとも1個の錫−硫黄又は錫−酸素直接結合
を持つ1個以上の4価の錫原子を含有する化合物、即ち
次式:
【化2】 の基を含有する化合物である。このような錫−硫黄結合
を持つ化合物の例はジェニングス(Jennings)による米
国特許第3764571号に記載され、錫−酸素結合を
持つ化合物の例はヘケンブライクナー(Hechenbleikne
r)らによる米国特許第3167527号に記載されて
いる。
【0022】有機錫化合物には、少なくとも1個の錫−
炭素直接結合を持つ1個以上の4価の錫原子を含有し且
つ、錫原子の残りの原子価が酸素、硫黄又は、メルカプ
タン、メルカプト酸、メルカプト酸エステル若しくはメ
ルカプトアルコールエステルの硫黄原子から水素原子を
取り除くことによって得られる残基又はカルボン酸、ア
ルコール若しくはハロゲン酸の酸素原子から水素原子を
取り除くことによって得られる残基に対する結合によっ
て満たされて、但し、少なくとも1つの原子価部位は硫
黄若しくは酸素又はそれらの混合物で満たされているも
のとするものが包含される。有機錫化合物には、メチル
錫メルカプチド、ブチル錫メルカプチド、オクチル錫メ
ルカプチド、エステル錫メルカプチド並びに、有機錫ハ
ロゲン化物とアルカリ金属硫化物、アルカリ金属メルカ
プチド、メルカプト酸エステル若しくはメルカプトアル
コールエステル又はそれらの混合物との反応生成物が包
含される。他の錫化合物には、有機錫メルカプチド、ハ
ロゲン含有硫黄橋又は酸素橋含有有機錫メルカプチド、
アルキル錫カルボキシレート及び有機錫アルコキシドが
包含される。この有機錫化合物には、有機錫塩化物/有
機錫メルカプチド組合せ物又はアルキルクロロ錫カルボ
キシレートが包含される。これらの有機錫化合物は、有
機錫チオアルカノールと同様に、酸素又は硫黄橋含有有
機錫化合物の存在下で再分配を受けることが知られてい
る。
【0023】本発明において用語『結合塩素』とは、次
の1種以上の化合物の錫原子に塩素原子が直接共有結合
していることを意味する:有機錫チオアルカノール;有
機錫塩化物;又は有機錫チオアルカノールと有機錫塩化
物の錫との再分配の際に生成する有機錫化合物。安定剤
組成物に有機錫チオアルカノール以外の有機錫化合物も
また添加される場合には、これらの化合物の錫原子にも
さらに塩素原子が結合していてもよい。安定剤の結合塩
素含有量は、慣用の分析方法によって測定することがで
きる。
【0024】結合塩素は、有機錫塩化物を添加すること
によって有機錫チオアルカノール系安定剤組成物中に組
み込むこともでき、また、下記のように有機錫チオアル
カノールの製造の際に『現場で(in-situ)』有機錫塩化
物を生成させることもできる。有機錫チオアルカノール
化合物又は組成物に添加される場合、これらは、再分配
反応を介して全体的に又は部分的に反応して、有機錫
(チオアルカノール)クロリド若しくは有機錫(チオア
ルカノール)(メルカプチド)クロリド又は有機錫に結
合した少なくとも1個の塩素を有する他の有機錫化合物
を生成することができる。
【0025】有機錫塩化物を現場で生成させる場合、こ
れは、原料又は中間体の有機錫塩化物中の利用できる総
量より少ない量の塩化物を中和し、そして、炭素を介し
て錫に結合する有機錫基で満たされていない全ての原子
価結合を満たすのに必要な化学量論的量より少ない量の
メルカプタン、スルフィド又はオキシド及びメルカプト
アルカノールを反応させることによって達成することが
できる。換言すると、反応生成物の有機錫チオアルカノ
ールと共に残存する化学量論的に過剰の有機錫塩化物が
存在し、これが結合塩素として用いられる。
【0026】本発明において有用な有機錫塩化物には、
炭素を介して錫原子に結合した1個又は2個の有機基及
び錫に直接結合した少なくとも1個の塩素原子を有する
有機化合物が包含される。これらの有機錫塩化物は、次
の構造式によって表わすことができる:
【化3】 (式中、R4 は独立的に1〜12個の炭素原子を有する
アルキル基、又は炭素を介して錫に結合した少なくとも
4個の炭素原子を有するカルボアルコキシヒドロカルビ
ル若しくはケトヒドロカルビル基を表わし、Q1 は酸素
又は硫黄を表わし、yは1又は2を表わし、J及びZは
それぞれ独立的に塩素、−SCH2 CH2 OH、−SC
2 CH2CH2 OH、−SCH2 −CH(OH)−C
3 、−SCH2 COOR5 、−SCH2 CH2 O−C
OR5 、−SR5 、−OOCR5 又は−OOCR6 −C
OOR5を表わし、但し、J及びZの少なくとも1つは
塩素であるものとし、R5 は1〜18個の炭素原子を有
するアルキル又はアルカリール基を表わし、R6 は−C
H=CH−又は−CH2 −R7 −CH2 −を表わし、こ
こでR7 は2〜6個の炭素原子を有するアルキレン基を
表わし、Dは0〜4を表わし、g、h、p及びeはそれ
ぞれ1又は2を表わし、Dが0である場合にはhとpと
eとの合計h+p+eは4であり、Dが1である場合に
はhとpとの合計h+pは3であり且つgとeとの合計
g+eは3であり、そしてDが1より大きい場合にはh
+pは3であり、gの1個とeとの合計は3であり且つ
残りのgは2である)。
【0027】有機錫チオアルカノールに添加することが
できる特定的な有機錫塩化物は、ジオルガノ錫クロリ
ド、モノオルガノ錫クロリド、モノ/ジオルガノ錫クロ
リド混合物並びに少なくとも1つの原子価部位がメルカ
プタン、メルカプトアルカノール、メルカプト酸エステ
ル、メルカプトアルカノールエステル、カルボン酸若し
くはカルボン酸エステルの残基又はヒドロキシド、オキ
シド若しくはスルフィドで満たされた有機錫塩化物を含
む群から選択される。有機錫チオアルカノールに添加す
ることができる好ましい有機錫塩化物は、モノメチル錫
トリクロリド、モノブチル錫トリクロリド、モノオクチ
ル錫トリクロリド、ジブチル錫(クロリド)(ヒドロキ
シド)、ビス(モノブチル錫ジクロリド)オキシド及び
ビス(モノブチル錫ジクロリド)スルフィドである。
【0028】本発明において遊離のメルカプタンとして
有用な硫黄含有化合物には、有機錫結合塩素と相互に作
用して有機錫チオアルカノールの安定化を果たすことの
できる、少なくとも1個のメルカプト基−SHを含有す
る任意の化合物が包含される。好適なメルカプタンは、
次の構造式によって表わすことができる: R8 SH;HS−R9 −SH;
【化4】 又はR11(SH)t (式中、R8 は8〜20個の炭素原子を有するアルキル
若しくはアルカリール基、1〜3個の炭素原子を有する
アルキレン基を有するモノカルボン酸の残基、酸部分中
に2〜3個の炭素原子を有し且つアルコール部分中に1
〜20個の炭素原子を有するモノカルボン酸エステルの
残基、アルコール部分中に2〜6個の炭素原子を有し且
つ酸部分中に2〜30個の炭素原子を有するするメルカ
プトアルカノールエステルの残基、又は2〜20個の炭
素原子を有するメルカプトアルカノールの残基を表わ
し、R9 は−CH2 −R10−CH2 −を表わし、ここ
で、R10は8〜20個の炭素原子を有するアルキレン基
又は6〜20個の炭素原子を有するアリール基を表わ
し、R11は飽和又は不飽和で、置換又は非置換で、環
式、多環式、オリゴマー又はポリマー状の、2個以上の
水素原子がメルカプト基−SHで置換されたヒドロカル
ビル基を表わし、tは2〜10を表わす)。
【0029】好ましい硫黄含有化合物には、メルカプト
アルカノール、メルカプトアルカノールエステル、メル
カプト酸、メルカプト酸エステル、チオ酢酸、チオりん
ご酸、チオグリコール酸、メルカプト酢酸イソオクチ
ル、メルカプト酢酸2−エチルヘキシル、アルキルメル
カプタン、ドデシルメルカプタン、ベンジルメルカプタ
ン、及びヒドロキシメルカプタンが包含される。特に好
ましい硫黄含有化合物は、メルカプト酸エステル及びメ
ルカプトアルカノールエステルである。
【0030】有機錫チオアルカノール系安定剤組成物
は、単独で用いることもでき、また、有機錫メルカプチ
ド、有機錫スルフィド、有機錫メルカプト酸エステル、
有機錫メルカプトアルカノールエステル及び有機錫カル
ボキシレートのような、チオアルカノール残基を含有し
ない有機錫系安定剤との混合物状で用いることもでき
る。
【0031】さらに、取扱いの容易さ及びハロゲン化ビ
ニル樹脂組成物中での分散性を高め且つ計量供給精度を
改善するために、本発明の有機錫チオアルカノール系安
定剤を希釈された形で提供するのが望ましいことがあ
る。有機錫チオアルカノール系安定剤組成物と相容性で
あるということを条件にして、有機錫系安定剤と共に通
常用いられる任意の希釈剤物質を用いることができる。
代表的な希釈剤には、有機酸エステル及び鉱油が包含さ
れる。
【0032】本発明の有機錫チオアルカノール系安定剤
組成物は、ハロゲン化ビニル樹脂組成物用の熱及び光安
定剤として有用である。これらは特に高温にさらした場
合のハロゲン化ビニル樹脂組成物の初期及び早期変色を
制御するのに効果的であり、且つかかるハロゲン化ビニ
ル樹脂組成物の加工性に悪影響を及ぼさない。本発明の
ハロゲン化ビニル樹脂組成物は、ハロゲン化ビニル樹脂
の少なくとも約0.1重量%、好ましくは約0.1〜約
5重量%の安定剤組成物を含有する。
【0033】ハロゲン化ビニル樹脂組成物中に存在させ
ることができるハロゲン化ビニル樹脂には、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリ塩化ビニルのよ
うなハロゲン化ビニルホモポリマー並びにハロゲン化ビ
ニルモノマーと40%までの酢酸ビニル、酪酸ビニル、
塩化ビニリデン、プロピレン、メタクリル酸メチルのよ
うなコモノマーとの重合によって生成されるコポリマー
等が包含される。本発明はまた、塩素化ポリエチレン;
アクリロニトリルとブタジエンとスチレンとのターポリ
マー;メタクリル酸メチルとブタジエンとスチレンとの
ターポリマー;ポリアクリレート樹脂;ポリメタクリル
酸メチル樹脂;及びアクリル酸アルキルとメタクリル酸
メチルとブタジエンとのターポリマー:のような他のポ
リマーを含有する、安定化されたハロゲン化ビニル樹脂
組成物をも包含する。かかるポリマー系添加剤は、主と
して耐衝撃性改良剤及び加工助剤として働く。上記のポ
リマー系添加剤に加えて、ハロゲン化ビニル樹脂組成物
には、可塑剤、滑剤、顔料、充填剤、染料、増量剤、帯
電防止剤、酸化防止剤、キレート化剤及び紫外線吸収剤
を含有させることもできる。
【0034】本発明の化合物及び組成物は、下記の実施
例に記載した1つ以上の手順を用いて製造することがで
きる。反応は、広範囲の温度、即ち周囲温度〜150℃
において実施することができる。好ましくは、有機錫チ
オアルカノール組成物を製造するためには、反応を25
℃〜約95℃において水性媒体中で実施する。
【0035】
【実施例】例1 :ビス[モノブチル錫(ドデシルメルカプチド)
(2−ヒドロキシエチルメルカプチド)]スルフィドの
製造 底部排水口を備えた1リットルの三つ口フラスコに機械
式撹拌機及び温度計を備え付けた。このフラスコに水2
25.48g、ドデシルメルカプタン162.19g及
びメルカプトエタノール63.01gを添加した。この
混合物を撹拌し、モノブチル錫トリクロリド225.9
8gを添加し、温度が22℃から48℃に上昇した。モ
ノブチル錫トリクロリドの添加後に、水中20重量%の
水酸化ナトリウム311.11gを、温度が54℃以上
に上昇しないように徐々に添加した。次いでこの混合物
を加熱し、55℃において30分間撹拌し、次いで硫化
ナトリウムのフレーク(60%Na2 S)53.2gを
添加し、この混合物を84℃に加熱し、撹拌しながら3
0分間この温度に保った。この時点で測定したpHは
4.15だった。20%水酸化ナトリウム水溶液によっ
てpHを4.75に調節した。pH調節後に、撹拌を停
止し、2相に分離した。下相が生成物相であり、これを
生成物収容容器に分離した。生成物相を分離した後に、
水相に界面活性剤10滴を添加し、撹拌し、次いで30
分間放置して安定させた。水相から少量の生成物が回収
された。これを生成物相に加えた。水相を反応フラスコ
から流出させ、廃棄した。生成物相を反応フラスコに戻
し、90℃に加熱し、上部から水が出なくなるまで5m
mの圧力下で真空ストリッピングした。次いで真空を解
除し、ろ過助剤3gを生成物に添加し、この混合物をポ
リッシュろ過して、透明な黄色の生成物を得た。生成物
の分析によって、次の結果が得られた。 錫(重量%):計算値24.94;実測値24.94 メルカプト系硫黄(重量%):計算値19.32;実測
値19.32 塩素(重量%):計算値0;実測値なし 色:3 比重:1.5486 錫NMRにより、この組成物は主要な6種及び少量の1
4種から成る20種の有機錫化合物の混合物であること
が示された。本例において製造された組成物は、周囲温
度における貯蔵時に製造7日以内で曇り、ゲル化及び沈
殿が始まった。
【0036】例2:ビス[モノブチル錫(ドデシルメル
カプチド)(2−ヒドロキシエチルメルカプチド)]ス
ルフィドの製造 例1に記載した手順に従って、数千ポンド(数百〜数千
kg)のバッチ生産量のビス[モノブチル錫(ドデシル
メルカプチド)(2−ヒドロキシエチルメルカプチ
ド)]スルフィドを製造した。生成物中に沈殿が生成
し、ろ過が必要となった。生成物を50℃に加熱し、ろ
過して、13重量%の損失があった。ろ過後に、生成物
を分析して次の結果が得られた。 錫(重量%):計算値24.94;実測値25.0 メルカプト系硫黄(重量%):計算値19.32;実測
値18.6 塩素(重量%):計算値0.0;実測値0.97 色:3 比重:1.5486 本例の生成物は、7日未満で曇り始め、ゲル化及び沈殿
が起こった。
【0037】例3:初期装入物の有機錫塩化物からの有
機錫に結合した塩素を含有するビス[モノブチル錫(ド
デシルメルカプチド)(2−ヒドロキシエチルメルカプ
チド)]スルフィドの製造 底部に排水口を備えた1リットルの汚れていない乾燥さ
せた四つ口フラスコに機械式撹拌機、温度計及び滴下漏
斗を備え付けた。このフラスコに蒸留水225.70g
を添加し、次いでn−ドデシルメルカプタン161.9
2g(0.80モル)及び2−メルカプトエタノール6
2.50g(0.80モル)を添加した。次いでこの混
合物を撹拌し、モノブチル錫トリクロリド225.73
g(0.80モル)を添加した。発熱が起こって温度が
室温(22℃)から約46℃に上昇した。この混合物を
5分間撹拌した後に、20%水酸化ナトリウム溶液30
0gを滴下漏斗から滴下した。この添加速度は、反応混
合物の温度が54℃以下であるように保った。添加が完
了した後に、混合物を57℃において30分間撹拌し
た。この反応時間の後に、硫化ナトリウム(60%Na
2 S)52.04g(0.40モル)を添加し、この混
合物を85℃に30分間加熱した。この時点で反応混合
物のpHを測定し、20%水酸化ナトリウム溶液16.
0gを用いてpHを4.75に調節した。このpHが得
られた後に、撹拌を停止し、2相を分離させた。15分
間置いた後に、生成物相(下相)を分離した。上の水相
を除去し、次いで生成物をフラスコに戻した。次に、メ
ルカプト酢酸2−エチルヘキシル7.50g(0.03
7モル)を生成物に添加し、この混合物を撹拌した。次
いで反応器を真空(15mmHg)にし、残留水を除去
するためにゆっくり95℃に加熱した。反応容器から水
が出なくなった時に、加熱を停止し、生成物を50℃に
冷却した。次いで真空を解除し、ろ過助剤約3gを添加
し、この混合物をさらに5分間撹拌した。次いで物質を
ポリッシュろ過して、透明な黄色の生成物を得た。本例
の生成物は2%の未反応即ち遊離のメルカプト酢酸2−
エチルヘキシル及び1%の結合塩素を含有する。
【0038】例4:初期装入物の有機錫化合物からの有
機錫に結合した塩素を含有するモノブチル錫トリス(3
−メルカプトプロパノール)の製造 底部に排水口を備えた1リットルの汚れていない乾燥さ
せた四つ口フラスコに機械式撹拌機、温度計及び滴下漏
斗を備え付けた。このフラスコに蒸留水50.00gを
添加し、次いで3−メルカプトプロパノール221.1
8g(2.4モル)を添加した。この溶液を撹拌し、こ
の混合物にモノブチル錫トリクロリド225.73g
(0.80モル)を添加した。この溶液を5分間撹拌
し、次いで20%水酸化ナトリウム溶液450gを滴下
漏斗から、反応温度を55℃以下に保ちながら滴下し
た。この時点で、混合物を55℃に30分間加熱し、次
いで20%水酸化ナトリウム25.0gを用いてpHを
6.5に調節した。次いで撹拌を停止し、相を分離させ
た。下相が水相であり、これをフラスコから流出させ
た。次いで、生成物にメルカプト酢酸2−エチルヘキシ
ル9.00g(0.044モル)を添加し、この混合物
を撹拌した。次いで反応器を真空(15mmHg)に
し、残留水を除去するために90℃に加熱した。反応容
器から水が出なくなった時に、加熱を停止し、生成物を
50℃に冷却した。次いで真空を解除し、ろ過助剤約3
gを添加し、この混合物をさらに5分間撹拌した。次い
で物質をポリッシュろ過して、生成物を得た。本例の生
成物は2%の遊離のメルカプト酢酸2−エチルヘキシル
及び1%の結合塩素を含有する。
【0039】例1、2、3及び4は、有機錫チオアルカ
ノールの合成の際の原料として有機錫塩化物を用いた。
有機錫オキシド及び有機錫ヒドロキシド又は混合有機錫
(オキシド)クロリド及び有機錫(ヒドロキシド)クロ
リドを原料として用いることもでき、その場合には水酸
化ナトリウム又は他の塩基性物質を用いて塩素イオンを
中和する必要がないということがわかる。
【0040】例5〜14 例5〜14において実施した作業の目的は、ビス[モノ
ブチル錫(ドデシルメルカプチド)(2−ヒドロキシエ
チルメルカプチド)]スルフィドにおける曇り、ゼラチ
ン状物質及び沈殿を除き、貯蔵の際の分解に対して組成
物を安定化させることである。例2において製造した生
成物の等しいアリコートに、これを50℃に加熱した後
に下記の添加物を下記の重量百分率で添加した。凍結−
融解のサイクルに付して又は付さないで所定の時間貯蔵
した後の外観を記録した。例2の生成物にメルカプト酢
酸2−エチルヘキシル2重量%及びモノブチル錫トリク
ロリド1重量%を添加したものの計算した分析値は次の
通りである: 錫(重量%):24.9% メルカプト系硫黄(重量%):20.15% 塩素(重量%):0.36%
【0041】例2の生成物にモノブチル錫トリクロリド
1重量%及びメルカプト酢酸2−エチルヘキシル2重量
%を添加したものを含有する安定剤組成物の 119Sn−
NMRスペクトルを図1に示す。このスペクトルの基準
物質はテトラメチル錫である。このスペクトルの横座標
は有機錫種の化学シフト(ppm)を表わし、他方、縦
座標はその種の相対的強度を示す。スペクトル測定条件
は次の通りである。 測定 周波数74.608MHz スペクトル幅100kHz 取得時間0.298秒 緩和時間10.0秒 パルス幅48度 周囲温度 データ処理 ライン拡張4.0Hz FTサイズ64K 合計時間2時間0.9分
【0042】
【表1】
【0043】(1)『サイクル』とは、試料をオーブン
中で60℃に4時間加熱し、次いで冷凍室中で試料を−
20℃において16時間凍結させて成る凍結−融解サイ
クルを意味する。外観の評価に先立ち、凍結−融解サイ
クルからの試料を約22℃の室温に戻した。 (2)『MBTTC』とはモノブチル錫トリクロリドで
ある。 (3)『C』とは生成物が透明な外観を持つことを意味
する。
【0044】例14の結果と例5〜12の結果との比較
から、透明な液状の貯蔵安定な有機錫チオアルカノール
化合物及び組成物を与えるのは遊離のメルカプタンと結
合塩素との組合せであるということがわかる。例9と比
較した時の例13の結果は、この場合には、透明な液状
の貯蔵安定な有機錫チオアルカノール組成物を得るため
には、遊離のドデシルメルカプタンの濃度を有機錫チオ
アルカノールの3重量%に増やすべきであるということ
を示している。
【0045】例15 樹脂組成物を含有させるための碗状容器内に配置させた
反対方向に回転する複数のローターを用いることにより
安定化ハロゲン化ビニル樹脂組成物を加熱混合するため
のレオメーターを用いて、熱安定性試験を実施した。2
分間隔で少量の溶融塊を取り出し、プレスすることによ
ってボタン状にし、マクベス(MacBeth)比色計を用いた
黄色度指数を測定することによって、色の変化を測定す
る。黄色度指数の数値が大きいほど試料の黄色度が大き
いことになる。黄色度が約25より大きい試料はすでに
変色し過ぎて、かかる製品をPVCハウスサイジングと
して用いることができない。本例においては、安定化P
VC配合物の装入重量は配合物62gであり、これをレ
オメーターの碗状容器に装入した。ローター速度は75
rpmであり、温度は190℃に保持した。この試験の
結果を下記の第II表に示す。それぞれの場合において、
安定化PVC組成物は次のものから成る(重量部): PVC樹脂{ゼオン(Geon)103EP}100 二酸化チタン 1 アクリル系耐衝撃性改良剤 5 アクリル系加工助剤 1 パラフィンワックス(融点165℃) 0.9 ステアリン酸カルシウム 0.8 安定剤 0.9
【0046】
【表2】
【0047】第II表から、結合塩素及び遊離のメルカプ
タンを持つ有機錫チオアルカノール系安定剤を含有させ
たPVC樹脂組成物は比較用の市販の安定剤を含有させ
た樹脂組成物より優れた早期色及び色維持を有すること
が示される。
【0048】上記の例は本発明を限定するものではな
く、本発明の安定剤組成物の単なる例示である。
【図面の簡単な説明】
【図1】結合塩素及び遊離のメルカプタンを含有する有
機錫チオアルカノール系安定剤組成物の 119Sn−NM
Rスペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロバート・チャールズ・リングウッド アメリカ合衆国ニュージャージー州セワ レン、トンリン・プレイス38 (72)発明者 マスュー・トマス・スターシック アメリカ合衆国ニュージャージー州サマ セット、ホークシード・ウェイ380 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08K 5/58 C08L 27/06 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (31)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機錫チオアルカノールを基とするハロ
    ゲン化ビニル樹脂組成物用安定剤であって、 ・安定剤の総重量に対して0〜10重量%の、錫に直接
    共有結合した塩素原子、及び ・安定剤の総重量に対して0.1%〜10重量%の、遊
    離のメルカプタン を存在させたこと、並びにそれによってゲル化及び沈殿
    が実質的に除かれたことを特徴とする、前記安定剤。
  2. 【請求項2】 安定剤の総重量に対して0.1〜2.0
    重量%の前記塩素原子及び安定剤の総重量に対して0.
    1〜5.0重量%の遊離のメルカプタンを含む、請求項
    1記載の安定剤。
  3. 【請求項3】 前記塩素原子が、有機錫塩化物を添加す
    ることによって組成物中に組み込まれる、又は有機錫チ
    オアルカノールの生成後に残存する未反応有機錫塩化物
    として組成物中に存在する、請求項2記載の安定剤。
  4. 【請求項4】 遊離のメルカプタンがアルキルメルカプ
    タン、メルカプト酸、メルカプトアルカノール、メルカ
    プト酸エステル、メルカプトアルカノールエステル及び
    それらの混合物より成る群から選択される、請求項3記
    載の安定剤。
  5. 【請求項5】 有機錫塩化物がモノブチル錫トリクロリ
    ドを含み、そして遊離のメルカプタンがメルカプト酢酸
    2−エチルヘキシルを含む、請求項4記載の安定剤。
  6. 【請求項6】 前記塩素原子が有機錫チオアルカノール
    の錫、有機錫チオアルカノールと有機錫塩化物の錫との
    再分配の際に生成する有機錫化合物の錫又は有機錫塩化
    物の錫の少なくとも1つに結合した、請求項4記載の安
    定剤。
  7. 【請求項7】 図1に示したNMRスペクトルを持つ、
    請求項1記載の安定剤。
  8. 【請求項8】 少なくとも1種のハロゲン化ビニル樹脂
    及び請求項1記載の安定剤を含む、樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の安定剤で安定化されたポ
    リ塩化ビニルパイプ。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の安定剤で安定化された
    ポリ塩化ビニル射出成形品。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の安定剤で安定化された
    ポリ塩化ビニルハウスサイジング製品。
  12. 【請求項12】 有機錫チオアルカノールを基とするハ
    ロゲン化ビニル用安定剤をゲル化及び沈殿に対して安定
    化させる方法であって、 前記安定剤に、 ・安定剤の総重量に対して0.1%〜10重量%の、錫
    に直接共有結合した塩素原子、 及び ・安定剤の総重量に対して0.1%〜10重量%の、遊
    離のメルカプタン を添加することを特徴とする、前記方法。
  13. 【請求項13】 安定剤の総重量に対して0.1〜2.
    0重量%の塩素原子及び安定剤の総重量に対して0.1
    〜5.0重量%の遊離のメルカプタンを用いる、請求項
    12記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記塩素原子が、有機錫塩化物を添加
    することによって組成物中に組み込まれる、又は有機錫
    チオアルカノールの生成後に残存する未反応有機錫塩化
    物として組成物中に存在する、請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 遊離のメルカプタンがアルキルメルカ
    プタン、メルカプト酸、メルカプトアルカノール、メル
    カプト酸エステル、メルカプトアルカノールエステル及
    びそれらの混合物より成る群から選択される、請求項1
    4記載の方法。
  16. 【請求項16】 有機錫塩化物がモノブチル錫トリクロ
    リドを含み、そして遊離のメルカプタンがメルカプト酢
    酸2−エチルヘキシルを含む、請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記塩素原子が有機錫チオアルカノー
    ルの錫、有機錫チオアルカノールと有機錫塩化物の錫と
    の再分配の際に生成する有機錫化合物の錫又は有機錫塩
    化物の錫の少なくとも1つに結合した、請求項15記載
    の方法。
  18. 【請求項18】 安定化された安定剤が図1に示したN
    MRスペクトルを持つ、請求項12記載の方法。
  19. 【請求項19】 有機錫チオアルカノールを基とするハ
    ロゲン化樹脂用安定剤であって、次の工程: 有機錫チオアルカノールに有機錫塩化物を添加して安定
    剤の総重量に対して0.1〜10重量%の塩素原子をも
    たらす工程、並びに アルキルメルカプタン、メルカプト酸、メルカプトアル
    カノール、メルカプト酸エステル、メルカプトアルカノ
    ールエステル及びそれらの混合物より成る群から選択さ
    れる遊離のメルカプタンを安定剤の総重量に対して0.
    1〜10重量%の量で添加する工程 を含む方法によって製造されたことを特徴とする、前記
    安定剤。
  20. 【請求項20】 有機錫チオアルカノールの生成の際に
    用いた原料の未反応の有機錫塩化物を有機錫チオアルカ
    ノールと共に残存させることによって有機錫塩化物が添
    加された、請求項19記載の安定剤。
  21. 【請求項21】 有機錫添加物が有機錫チオアルカノー
    ルの生成後に生で添加された、請求項19記載の安定
    剤。
  22. 【請求項22】 安定剤の総重量に対して0.1〜2.
    0重量%の前記塩素原子及び安定剤の総重量に対して
    0.1〜5.0重量%の遊離のメルカプタンを含む、請
    求項19記載の安定剤。
  23. 【請求項23】 硫黄原子を介して有機錫チオアルカノ
    ールの錫原子に結合した少なくとも1種のメルカプトア
    ルカノール残基、 少なくとも0.1重量%の塩素原子、及び 少なくとも0.1重量%の遊離のメルカプタン化合物 を含む、有機錫チオアルカノールを基とするハロゲン化
    ビニル樹脂組成物用安定剤。
  24. 【請求項24】 3〜35重量%のメルカプト系硫黄、 0.1〜10重量%の塩素原子、 0.1〜10重量%の遊離のメルカプタン化合物、及び 16〜46重量%の錫 を含む、請求項23記載の安定剤。
  25. 【請求項25】 有機錫チオアルカノール化合物の3〜
    67重量%がメルカプトアルカノール残基である、請求
    項24記載の安定剤。
  26. 【請求項26】 安定剤の総重量に対して0.1〜2.
    0重量%の塩素原子及び安定剤の総重量に対して0.1
    〜0.5重量%の遊離のメルカプタンを有する、請求項
    24記載の安定剤。
  27. 【請求項27】 図1に示したNMRスペクトルを持
    つ、請求項24記載の安定剤。
  28. 【請求項28】 少なくとも1種のハロゲン化ビニル樹
    脂及び請求項24記載の安定剤を含む、樹脂組成物。
  29. 【請求項29】 請求項23記載の安定剤で安定化され
    たポリ塩化ビニルパイプ。
  30. 【請求項30】 請求項23記載の安定剤で安定化され
    たポリ塩化ビニル射出成形品。
  31. 【請求項31】 請求項23記載の安定剤で安定化され
    たポリ塩化ビニルハウスサイジング製品。
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