JP2987289B2 - 地下岩体の透水性の評価方法 - Google Patents

地下岩体の透水性の評価方法

Info

Publication number
JP2987289B2
JP2987289B2 JP5857594A JP5857594A JP2987289B2 JP 2987289 B2 JP2987289 B2 JP 2987289B2 JP 5857594 A JP5857594 A JP 5857594A JP 5857594 A JP5857594 A JP 5857594A JP 2987289 B2 JP2987289 B2 JP 2987289B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
permeability
water injection
histogram
underground rock
bottom pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP5857594A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07270300A (ja
Inventor
哲雄 庄子
一夫 林
徹 薄井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kokan Ltd filed Critical Nippon Kokan Ltd
Priority to JP5857594A priority Critical patent/JP2987289B2/ja
Publication of JPH07270300A publication Critical patent/JPH07270300A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2987289B2 publication Critical patent/JP2987289B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)
  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、地下岩体の透水性を
定量的に評価する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図8はHWR(ホットウェットロック)
型地熱開発とよばれる地熱利用方法を示す概念図であ
る。1は貯留層、2a,2bは生産井、3は地上配管、
4は地熱利用設備、5は還元井、6は人工フラクチャで
ある。生産井2bの坑底と貯留層1との間に水圧破砕に
よって人工フラクチャ6を造成し、貯留層1と生産井2
bの坑底とを連結して、生産井2aだけでなく、生産井
2bからも熱水または蒸気を生産すると、貯留層1の周
辺の高温岩体から熱が回収されるため、熱水または蒸気
の可採量を旧型システムよりも増大させることができ
る。ここで生産井2bは、水圧破砕施工時には注入井と
して作用する。なお、図においては、貯留層1と生産井
2bとが人工フラクチャ6によって完全に連結されたケ
ースを示すが、人工フラクチャ6が貯留層1と完全に連
絡していなくても、地下岩体自体も低いとはいえ一定の
透水性を有するため、部分的な人工フラクチャ造成によ
ってもある程度の可採量増大効果が得られる。
【0003】HWR型地熱開発においては広範囲の水圧
破砕が必要になるので、いきなり全範囲の破砕を実施す
るのはリスクが大きい。このため、水圧破砕の実施の可
否を決定する目的で、施工以前の段階において水圧破砕
による人工フラクチャ造成による蒸気・熱水の増産効果
(以下、可採量増大効果という)を定量的に予測するこ
とが必要不可欠である。
【0004】可採量増大効果の定量的予測のためには、
数値シミュレーションを利用するのが一般的である。可
採量増大効果を予測するための数値シミュレーションに
おいては、地下岩体をモデル化した後に、格子(以下、
メッシュという)で離散化し、このメッシュデータに境
界条件・井戸条件・造成しようとする人工フラクチャの
形状と寸法・透水係数を付与した入力データを作成し、
この入力データを貯留層シミュレータに入力する。シミ
ュレータでは数値演算し、最終的には生産井における熱
水等の生産量の予測値を得ることができる。
【0005】図9は以上のような数値シミュレーション
で使用される基本的な可採量増大効果予測のためのモデ
ルの一例を示す。11は帽岩、12は貯留層、13は基
盤、14は貯留層12に隣接する地下岩体、15は地下
岩体14のうちシミュレーションの対象とする部分の範
囲(以下、検査体積という)、16は生産井、17は人
工フラクチャである。貯留層12に蓄えられた高温高圧
の熱水または蒸気は、検査体積15を浸透して人工き裂
17に流入し、生産井16から地上に取り出される。帽
岩11および基盤13は不透水層である。
【0006】図10は、図9に示すモデルの検査体積1
5の内部を対象とした可採量増大効果の予測のための数
値シミュレーションの例について、メッシュおよび透水
係数の分布パターンの概念を示したものである。21は
人工フラクチャを含む要素、22は人工フラクチャを含
まない要素である。図10に示すメッシュにおいては、
実際の地下岩体中の人工フラクチャ17の存在をメッシ
ュ上の透水係数の分布パターンとして表現するために、
人工フラクチャ17が存在する範囲に対応するメッシュ
上の要素群に対して高いレベルの透水係数Kcを、それ
以外の要素群に対して一律に低いレベルの透水係数Kr
をそれぞれ割り当てている。
【0007】実際の地下岩体は、人工き裂以外に大小の
天然き裂や断層を含むケースが殆どであり、かつ地下岩
体中の熱水等の流れはこれら天然き裂や断層の存在に大
きく左右されるので、図9で示すような、人工フラクチ
ャ以外の要素群に一律に低いレベルの透水係数を与える
メッシュでは、天然き裂を含む実際の地下岩体の透水性
を十分な精度で表現することは不可能である。そこで、
トレーサー試験(放射性同位元素などを用いる注水試
験)結果等を利用して、人工フラクチャ部分以外の要素
群にも一様でない透水係数の分布パターンを与えたメッ
シュを作成する場合もあるが、現状では確たる理論に基
づいて分布を与えている訳ではないので、評価の一意性
に問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたような精度
上の問題および評価の客観性の問題を改善するために
は、検査体積内の地下岩体の透水性、換言すればその透
水性に重大な影響を与える天然き裂の分布を定量的に評
価し、その結果に基づいてメッシュの透水係数の分布パ
ターンを作成することが必要不可欠である。このための
手法として、物理探査・物理検層と、確率論的モデルと
の2つがある。
【0009】第一の手法である物理探査・物理検層に
は、例えば特開平1−209398号公報に記載された
電磁波を利用する方法がある。これによれば地下岩体内
の2点間における電磁波伝播速度を測定し、高度なデー
タ処理によりき裂の疎密を決定し、その疎密を透水係数
の分布パターンに変換する。この他に物理探査・物理検
層として、特開昭63−292086号公報、特開昭6
3−32085号公報、特開平2−256791号公報
に記載された弾性波を利用する方法や、特開平2−27
5389号公報に記載された放射線を利用する方法があ
る。
【0010】このような物理探査・物理検層は、もとも
と石油探査のために開発された技術から発展したもので
あり、そのため数百m〜数km程度のスケールを持つ破
砕帯や大断層等のレベルのき裂の同定に適した手法であ
る。しかしながら、この手法は地下岩体の透水性を評価
するうえで重要となる数十cm〜数十m程度のスケール
を持つ節理や小断層の同定ができないという欠点があ
る。また、仮にき裂の存在が詳細に判明したとしても、
数値シミュレーションで使用する透水係数等のパラメー
ターが直接得られないという欠点もある。以上の2つの
欠点を有するために、少なくとも数値シミュレーション
の透水係数分布パターンの決定する目的では、地下岩体
の透水性評価のために物理探査・物理検層を採用するこ
とはできない。
【0011】第二の手法である確率論的モデルについて
は図11を参照しながら説明する。確率論的モデルにお
いても従来のモデルと同様に、モデルの検査体積の内部
の地下岩体を格子で離散化し、数値シミュレーションを
行なう。図11は、図9に示すモデルの検査体積15の
内部を対象とした数値シミュレーションの例について、
確率論的モデルに基づくメッシュおよび透水係数の分布
パターンの概念図である。同図に示したメッシュおよび
透水係数分布パターンは、従来モデルに基づくものに加
えて天然き裂の分布を考慮して作成される。図中にて2
1は人工フラクチャを含む要素、22は人工フラクチャ
および天然き裂をいずれも含まない要素、23は天然き
裂を含む要素である。
【0012】図11に示すメッシュおよび透水係数分布
パターンは、下記(イ)〜(ニ)の手順に従って作成さ
れる。 (イ)メッシュの作成 地下岩体を対象として格子で分割するメッシュを作成す
る。 (ロ)人工フラクチャの設定 メッシュに人工フラクチャを含む要素を設定する。人工
フラクチャの設定位置および方法は図10に示したもの
と同じである。 (ハ)天然き裂の設定 メッシュを構成する全要素から、乱数によってランダム
に、ある一定の割合の数の要素を選び出し、それらの要
素に天然き裂が含まれるものと決める。この割合は確率
密度pとよばれ、天然き裂の一種の密度を表す。メッシ
ュを構成する全ての要素の数をNtot 、天然き裂を含む
要素の数をNnfとするとき、確率密度pは下式(1)で
定義され、0.0≦p≦1.0なる範囲の値を取り得る
値である。
【0013】p=Nnf/Ntot …(1) 確率密度pを用いた天然き裂を含む要素の選び方は次に
述べる通りである。まず、0.0〜1.0の一様乱数
を、メッシュを構成する全ての要素の数だけ得る。これ
は、数値シミュレーションにおいては、計算機の組み込
み関数に、乱数の初期値と呼ばれる任意の数値IXと、
発生させる乱数の数Nrを入力して得られる。
【0014】以上で得られた複数の乱数を、全要素に割
り当てる。要素iに割り当てられた乱数をr(i)とす
れば、下式(2)を満たす要素を、天然き裂を含む要素
と決める。
【0015】r(i)≦p …(2) (ニ)透水係数分布パターンの作成 各要素に図10と同様な方法で透水係数を割り当て、透
水係数の分布パターンを得る。ここで天然き裂を表す要
素には、人工き裂を表す要素と同じく高いレベルの透水
係数Kcを割り当て、分布パターンを得る。
【0016】以上のようにして得られた分布パターン
を、境界条件等と併せて貯留層シミュレーターに入力し
て、数値シミュレーションを実行すると、単一の生産量
の値が得られる。
【0017】組み込み関数に異なる乱数の初期値IXを
与えると、異なる乱数の組が得られるので、確率密度p
を一定にして、IXを変化させながら透水係数分布パタ
ーン発生の手順を繰り返すと、確率密度pが一定で、か
つ天然き裂の配置が同一でない複数の分布パターンが得
られる。透水係数分布パターンの作成および数値シミュ
レーションからなる手順を、確率密度pを一定とし、乱
数の初期値IXを変えて統計的に有意義とみなせる回数
だけ繰り返すと、複数の生産量の予測値が得られる。こ
れらの値は一定でなくばらつく。生産量予測値のばらつ
きは、天然き裂の配置が同一でないことに起因してい
る。
【0018】確率論的モデルに基づく可採量増大効果予
測システムとは、これらの確率的性質を有する生産量の
予測値を統計的に処理して、可採量増大効果を確率論的
に評価するものである。このような確率論的モデルの妥
当性に関しては、実際の地熱地帯の幾つかの地下岩体に
ついて、天然き裂が確率論的モデルで与えられるように
ランダムに分布していることを示すデータや解析結果が
得られており、以上のモデル化は妥当である。
【0019】しかしながら、確率論的モデルの適用につ
いては、地下岩体の透水性を表すパラメータである確率
密度p、高レベルの透水係数Kcおよび低レベルの透水
係数Krを適正に評価する方法がないという欠点があ
る。このため確率論的モデルのき裂評価への適用は、定
性的な検討に留まっており、可採量増大効果の定量的予
測のための数値シミュレーションの透水係数分布パター
ンを決定する目的では、現在のところ採用することがで
きない。
【0020】本発明の目的は、確率論的モデルに基づい
て、可採量増大効果の予測のための数値シミュレーショ
ンを実行する際に、地下岩体の透水性を確率論的モデル
で表すときに必要となるパラメーターである確率密度
p、高レベルの透水係数Kcおよび低レベルの透水係数
Krを、定量的に評価する方法を与えることにある。
【0021】
【課題を解決するための手段および作用】本発明に係る
地下岩体の透水性の評価方法は、地下岩体内部の透水性
を確率論的モデルを利用して評価する地下岩体の透水性
の評価方法であって、評価対象となる地下岩体の複数箇
所にて注水流量一定の条件下で注水試験を行なって坑底
圧力を測定し、これらの実測データに基づき一定注水流
量に対する実測の坑底圧力として求め、地下岩体を格子
に分割してメッシュを作成し、亀裂確率密度p,高レベ
ル透水係数Kc,低レベル透水係数Krからなる3つの
パラメータについて前記メッシュに対して複数個のパラ
メータの組合わせを仮定し、このパラメータの各組合わ
せごとに、乱数を用いて前記亀裂確率密度pに対応する
亀裂が存在する格子の分布パターンを複数個作成する、
この場合に亀裂の存在する格子には前記高レベル透水係
数Kcを割り当て、亀裂の存在しない格子には前記低レ
ベル透水係数Krを割り当てることとし、各透水係数分
布パターンについて地下岩体の上下面を不透水境界と
し、前後左右面を等圧境界とし、地下岩体内部にあたる
坑底部分を注水源とする境界条件下で、注水試験のシミ
ュレーション演算を実行して、パラメータの各組合わせ
ごとに予測された坑底圧力のヒストグラムとして求め、
これら予測された坑底圧力のヒストグラムと前記実測の
坑底圧力のヒストグラムとを比較して、予測された坑底
圧力のヒストグラムのうちから前記実測の坑底圧力のヒ
ストグラムに最も近似するものを選定し、選定した予測
された坑底圧力のヒストグラムに対応するパラメータの
組合わせを用いて地下岩体の透水性を評価することを特
徴とする。
【0022】下記の手順で、確率密度p、高レベルの透
水係数Kcおよび低レベルの透水係数Krは評価され
る。第一に、注水試験を実施する。図1は注水試験の概
要を示す地層断面模式図である。31はポンプ、32は
流量計、33は圧力計、34は注入管、35はボーリン
グ孔、36はパッカー、37は孔明管部分、38は天然
き裂である。ポンプ31を作動させると、水は注入管3
4、孔明管部分37を介して流入し、2つのパッカー3
6で挟まれた注水区間を加圧する。このときの注水流量
F(L/分)と坑口圧力PT (kgf/cm2 G)は、
それぞれ流量計32と圧力計33で計測する。なお、注
水試験は人工フラクチャが造成されない程度の圧力で行
なわれる。
【0023】坑井内の相異なる位置(例えば図1におけ
る位置Sおよび位置T)に注水区間を複数設定し、それ
ぞれの区間について以上述べた注水試験を、一定の注水
流量の条件下で実施し、複数の坑底圧力のデータを得
る。ここで「坑底圧力」とは、注水区間における圧力P
B であって、圧力計33によって得られた坑口圧力の値
から坑井内の水頭と圧力損失とを考慮して求められる圧
力を意味する。
【0024】また、一定の注水流量条件下で注水試験が
実施できなかった場合は、各々の位置において得られた
注水流量Fと、坑底圧力PB とを下式(3)で規格化し
て用いる。
【0025】PB * =(FO /F)PB …(3) ここで、FO は基準の注水流量とし、PB * を「規格化
された坑底圧力」と定義する。
【0026】注水流量が一定の場合は、坑底圧力と規格
化された坑底圧力とは等しい。以下、坑底圧力という場
合は、とくに断らない限りは規格化された坑底圧力を意
味することとする。
【0027】ここで得られる複数の坑底圧力のデータ
は、同一の岩体において一定流量の条件下で実施された
あるいは規格化された注水試験結果であるにもかかわら
ず、対象とする地下岩体に含まれる天然き裂の分布状況
に基づく統計的なバラツキを示す。この理由は、注水区
間をボーリング孔35に沿ってシフトすると、注水区間
に透水性の高い天然き裂38が存在する場合(位置S)
と、天然き裂38が存在しない場合(位置T)との2通
りがあり、同一の注水流量で比較しても、位置Sでは坑
底圧力は比較的低く、位置Tでは坑底圧力は比較的高く
なるからである。
【0028】そのバラツキの様子を定量的に表すため
に、以上述べた一定注水流量下の注水試験によって得ら
れた複数個の坑底圧力(実測値)を、横軸に坑底圧力
(実測値)、縦軸に出現頻度をそれぞれとり、後述のよ
うにヒストグラムで表す。
【0029】第二に、以上の注水試験のシミュレーショ
ンを実施する。図2はその数値シミュレーションで使用
される注水試験のモデルを示す。39は検査体積、40
は帽岩、41は評価対象とする地下岩体、42は基盤、
48は注水区間である。
【0030】検査体積39に対応したメッシュを作成す
る。これに境界条件としては検査体積の上面(辺AD)
および下面(辺BC)に不透水境界を、左右の端(辺A
Bおよび辺CD)に等圧境界をそれぞれ与える。井戸条
件としては、注水区間37を含む要素に注入水量Fiを
与える。透水性を規定するパラメーターは、確率密度
p、高レベルの透水係数Kcおよび低レベルの透水係数
Krの3つである。
【0031】次に確率密度p、高いレベルの透水係数K
cおよび低レベルの透水係数Krのパラメータについ
て、複数個(Nc個とする)の組み合わせ(p,Kc,
Kr)を仮定する。仮定したパラメータの各組み合わせ
について、以下に述べる(1)透水係数分布パターン作
成、(2)数値シミュレーション実行および(3)数値
シミュレーション結果の整理からなる手順を実行する。 (1)透水係数分布パターン作成 確率論的モデルに従って、天然き裂が存在する要素の分
布パターンを、乱数を用いて複数個(Nr個とする)作
成する。これらの分布パターンについて、天然き裂を含
む要素に高レベルの透水係数Kcを、これを含まない要
素に低レベルの透水係数Krを割り当てることにより、
Nr個の透水係数分布パターンを作成する。 (2)数値シミュレーションの実行 Nr個の透水係数分布パターンの全てについて、既に与
えた境界条件および井戸条件のもとに、注水試験の数値
シミュレーションを実行し、Nr個の坑底圧力(計算
値)を得る。 (3)数値シミュレーション結果の整理 以上得られたNr個の坑底圧力(計算値)を、横軸に坑
底圧力を縦軸に頻度をとり、ヒストグラムに表す。
【0032】第三に、実測データーのヒストグラムと、
既に得られたNc個の計算結果のヒストグラムとを比較
して、最も類似性の高い計算結果のヒストグラムを探
す。類似性の評価には相関係数を使用する。ここで選定
された計算結果のヒストグラムを与えるパラメーターの
組み合わせ(p,Kc,Kr)は、少なくとも注水試験
における坑底圧力の値について実際の地下岩体と同じ確
率的振る舞いを示す地下岩体モデルを与えるので、実際
の地下岩体の透水性を定量的に表すものである。よっ
て、このパラメータの組み合わせによって、対象とする
地下岩体の透水性を評価することができる。
【0033】
【実施例】以下、添付の図面を参照しながら本発明の実
施例について説明する。ここでは、下記の手順に従って
実際の地熱地域の地下岩体の確率密度p、高レベル透水
係数Kcおよび低レベル透水係数Krを評価した。 1.注水試験 1a.注水試験の実施 注水試験の対象となる岩体は花こう岩である。加圧区間
の距離hを0.4mとした。注水区間をボーリング孔に
沿って8つの異なる位置に注水区間を設定して、注水流
量Fiを一定に設定して注水試験を実施し、8つの坑底
圧力データを採取した。
【0034】1b.注水試験結果の整理 以上得られた複数個の坑底圧力(実測値)を、横軸に坑
底圧力を縦軸に頻度をとり、ヒストグラムに表す。
【0035】図3は、横軸に規格化された坑底圧力をと
り、縦軸に規格化された出現頻度をとって、フィールド
データの結果を示すヒストグラムである。出現頻度は、
後述する注水試験のシミュレーション結果との比較を容
易にするために、下式(4)に示す規格化された値で表
してある。
【0036】 規格化された出現頻度:n=N/No …(4) ただし、Noはデータ数である。 2.注水試験のシミュレーション 第二に、注水試験のシミュレーションについて述べる。
【0037】2a.地下岩体のモデル化 図2に示すように、対象の地下岩体を数値シミュレーシ
ョンで用いるメッシュで表現し、注水試験のモデルにお
ける検査体積ABCDEFGHに対応したメッシュを作
成する。検査体積の寸法は、辺BCの長さが20m、辺
CDの長さが0.4mであり、また図2には示していな
いが紙面奥行き方向の辺BFの長さは20mである。
【0038】境界条件としては、上下端は不透水境界、
周辺は等圧境界をそれぞれ与えた。井戸条件としては、
検査体積中央の注水区間に対応する要素に、注水流量F
iに相当する流入を設定した。
【0039】2b.パラメーター規定 地下岩体の透水性を規定するパラメーターは、確率密度
p、高レベルの透水係数Kcおよび低レベルの透水係数
Krの3つである。これら3個のパラメーターについ
て、確率密度pを0.1から0.1刻みで0.9まで9
通りに変化させて実施した。さらに、透水係数の高低レ
ベルの組は、(Kc,Kr)=(5mD,0.1m
D),(10mD,0.1mD),(100mD,0.
1mD)の3通りの合計27個の組み合わせを仮定す
る。仮定したパラメーターの各組み合わせについて、下
記2c〜2eの手順を実行する。
【0040】2c.透水係数分布パターン作成 天然き裂の存在を確率論的に考慮した透水係数の分布パ
ターンを、各組み合わせごとに24個作成する。
【0041】2d.数値シミュレーションの実行 透水係数の分布パターンのそれぞれについて数値シミュ
レーションを実施し、坑底圧力の予測値を得た。
【0042】2e.数値シミュレーション結果の整理 以上得られた24個の坑底圧力(計算値)を、横軸に坑
底圧力を縦軸に頻度をとり、ヒストグラムに表す。
【0043】図4乃至図7のそれぞれは、横軸に規格化
された坑底圧力をとり、縦軸に規格化された出現頻度を
とって、透水係数の高低レベルの組が(10mD,0.
1mD)のケースで得られたシミュレーション結果のな
かから確率密度pが0.2,0.4,0.6および0.
8の場合にそれぞれ対応するヒストグラムである。 3.確率密度p、高レベル透水係数Kcおよび低レベル
透水係数Krの決定 第三に、設定した27個のパラメータの組み合わせにつ
いて、坑底圧力の実測値のヒストグラムと、坑底圧力の
シミュレーションのヒストグラムとを比較して、最も近
い結果を示すパラメータの組み合わせを選定し、このパ
ラメーターの組み合わせによって、地下岩体の透水性を
評価する。
【0044】以下に、得られた実測データのヒストグラ
ムと複数の計算結果のヒストグラムとから、確率密度p
を決定する手順について詳しく説明する。類似度を判別
する方法として、本実施例では下式(5)で与えられる
E値とよばれる一種の相関係数による判定法を採用し
た。すなわち、フィールドデータのヒストグラムと全て
のシミュレーション結果のヒストグラムの組み合わせに
ついて、E値を計算し、その値が最小となる組み合わせ
を類似度が最も高いと判定する。ここに、nD (i),
S (i)はi番目のヒストグラムのバー高さで、符号
Dは実測データのヒストグラムを、符号Sはシミュレー
ション計算結果のヒストグラムをそれぞれ示す。
【0045】 E=Σ|nD (i)−nS (i)| …(5) その結果、透水係数の高低レベルの組が(10mD,
0.1mD)で、確率密度pが0.4のケースが最も低
いE値を与えた。ゆえに、今回の評価試験対象となった
地下岩体の高レベルの透水係数Kcが10mD、低レベ
ルの透水係数Krが0.1mD、確率密度pは0.4と
決定された。
【0046】
【発明の効果】本発明の評価方法によれば、HWR(Ho
t Wet Rock)型地熱開発における、水圧破砕による人工
フラクチャ造成による蒸気・熱水の増産効果(可採量増
大効果)を予測することができる。
【0047】本発明で得られた地下岩体の透水性評価シ
ステムによれば、水圧破砕による可採量増大効果を定量
的に予測することができるようになるので、今までリス
クの評価が不可能であったために利用されてこなかった
既開発地域の周辺に賦存する膨大な地熱エネルギーの有
効利用が、HWR型地熱開発方式によって大幅に促進さ
れる。
【0048】本発明で得られた地下岩体の透水性評価シ
ステムによれば、HDR(Hot DryRock)型地熱開発
(高温岩体発電ともいわれる)における逸水量を評価で
きる。HWR型地熱開発が生産井と既存の貯留層とを人
工き裂によって連結するのに対して、HDR型地熱開発
とは貯留層の全く存在しない高温の地下岩体に生産井と
注入井を掘削し、両者を人工フラクチャで連絡し、地上
から与えられた冷水を地下岩体の保有する熱で加熱し熱
水あるいは蒸気を得るシステムである。天然の貯留層に
依存しないために、開発可能なフィールドが従来型地熱
開発やHWR型地熱開発と比較して広いので、このシス
テムが完成した場合、地熱エネルギーの利用が大幅に増
大しうることが期待されている。このシステムでは、水
は全て地上からポンプによってエネルギーを消費しなが
ら供給されるため、注入量に対する生産量の比(回収
率)が高いことが重要である。造成した人工フラクチャ
が、もし断層や破砕帯と交差して造成されると、注入井
から注入された水が断層や破砕帯から漏れだして、その
結果生産井からの回収率が大幅に低下する障害が発生す
る。この現象を逸水と呼び、これを予測するためには、
天然き裂の分布を評価した数値シミュレーションを実施
する必要がある。
【0049】本発明による地下岩体の透水性評価方法を
用いて数値シミュレーションを実施すれば、逸水の主原
因である断層や破砕帯の存在も、予測することが可能と
なるので、このような障害に遭遇するリスクも定量的に
評価することが可能である。
【0050】本発明で得られた地下岩体の透水性評価シ
ステムは、地熱開発に限らず地下岩帯一般に適用できる
ので、核廃棄物の地下貯蔵における汚染物質の拡散の評
価、大深度地下開発が地下水に及ぼす影響の評価、ダム
等の建設における岩盤の透水性の評価等においても、利
用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】注水試験の概要を示す地層断面模式図。
【図2】注水試験シミュレーションのためのモデルを示
す概念図。
【図3】フィールドデータにおける規格化された坑底圧
力の出現頻度の結果を示すヒストグラム。
【図4】シミュレーションにおける確率密度pが0.2
の場合の規格化された坑底圧力の出現頻度の結果を示す
ヒストグラム。
【図5】シミュレーションにおける確率密度pが0.4
の場合の規格化された坑底圧力の出現頻度の結果を示す
ヒストグラム。
【図6】シミュレーションにおける確率密度pが0.6
の場合の規格化された坑底圧力の出現頻度の結果を示す
ヒストグラム。
【図7】シミュレーションにおける確率密度pが0.8
の場合の規格化された坑底圧力の出現頻度の結果を示す
ヒストグラム。
【図8】HWR型の地熱利用方法を説明するための地層
断面模式図。
【図9】可採量増大効果予測に用いられる基本モデルを
示す地層断面模式図。
【図10】モデルの計算に用いられる一般的なメッシュ
及び透水係数分布パターンを示す概念図。
【図11】モデルの計算に用いられる確率論的なメッシ
ュ及び透水係数分布パターンを示す概念図。
【符号の説明】
31…ポンプ、32…流量計、33…圧力計、34…注
入管、35…ボーリング孔、36…パッカー、37…孔
明管部分、39…検査体積、40…帽岩、41…地下岩
体、42…基盤、48…注水区間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 一夫 宮城県仙台市宮城野区清水沼一丁目2番 7号 (72)発明者 薄井 徹 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−119240(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 15/08 E21B 47/00 G01N 33/24 JICSTファイル(JOIS) WPI(DIALOG)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地下岩体内部の透水性を確率論的モデル
    を利用して評価する地下岩体の透水性の評価方法であっ
    て、 評価対象となる地下岩体の複数箇所にて注水試験を行な
    って注水流量と坑底圧力との関係を測定し、これらの実
    測データに基づき一定注水流量に対して規格化された坑
    底圧力(実測値)として求め、 地下岩体を格子に分割して数値計算用のメッシュを作成
    し、 亀裂確率密度p,高レベル透水係数Kc,低レベル透水
    係数Krからなる3つのパラメータについて前記メッシ
    ュに対して複数個のパラメータの組合わせを仮定し、 このパラメータの各組合わせごとに、乱数を用いて前記
    亀裂確率密度pに対応する亀裂が存在する格子の分布パ
    ターンを複数個作成する、この場合に亀裂の存在する格
    子には前記高レベル透水係数Kcを割り当て、亀裂の存
    在しない格子には前記低レベル透水係数Krを割り当て
    ることとし、 各透水係数分布パターンについて地下岩体の上下面を不
    透水境界とし、前後左右面を等圧境界とし、地下岩体内
    部にあたる坑底部分を注水源とする境界条件下で、注水
    試験のシミュレーション演算を実行して、パラメータの
    各組合わせごとに規格化された坑底圧力(計算値)のヒ
    ストグラムとして求め、 これら規格化された坑底圧力(計算値)のヒストグラム
    と前記規格化された坑底圧力(実測値)のヒストグラム
    とを比較して、規格化された坑底圧力(計算値)のヒス
    トグラムのうちから前記規格化された坑底圧力(実測
    値)のヒストグラムに最も近似するものを選定し、 選定した規格化された坑底圧力(計算値)のヒストグラ
    ムに対応するパラメータの組合わせを用いて地下岩体の
    透水性を評価することを特徴とする地下岩体の透水性の
    評価方法。
JP5857594A 1994-03-29 1994-03-29 地下岩体の透水性の評価方法 Expired - Lifetime JP2987289B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5857594A JP2987289B2 (ja) 1994-03-29 1994-03-29 地下岩体の透水性の評価方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5857594A JP2987289B2 (ja) 1994-03-29 1994-03-29 地下岩体の透水性の評価方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07270300A JPH07270300A (ja) 1995-10-20
JP2987289B2 true JP2987289B2 (ja) 1999-12-06

Family

ID=13088248

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5857594A Expired - Lifetime JP2987289B2 (ja) 1994-03-29 1994-03-29 地下岩体の透水性の評価方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2987289B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102507412A (zh) * 2011-11-07 2012-06-20 中国石油集团川庆钻探工程有限公司 碳酸盐岩油藏等效模型的裂缝-基质渗透率级差判别方法
CN103424533A (zh) * 2013-07-23 2013-12-04 北京交通大学 裂隙岩体热-水-力三场耦合大尺度模型试验方法

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4509382B2 (ja) * 1998-10-16 2010-07-21 エスティアールエム、エル・エル・シー 地質流体貯留の4d透水性解析のための方法
JP4295162B2 (ja) * 2004-04-27 2009-07-15 株式会社日立製作所 地下環境評価装置および方法
JP4528285B2 (ja) * 2006-06-16 2010-08-18 株式会社日立製作所 固液界面反応評価方法および固液界面反応評価装置
FI120324B (fi) * 2006-09-12 2009-09-15 Posiva Oy Virtausmittari
JP4641322B2 (ja) * 2009-02-16 2011-03-02 株式会社日立製作所 地下環境評価装置および方法
KR100926539B1 (ko) * 2009-08-18 2009-11-12 에이스톤엔지니어링 주식회사 지열과 우수의 순환을 통한 석재포장 보도의 온도 습도 조절 장치 및 이를 이용한 친환경 석재포장 보도의 시공방법
US8886502B2 (en) 2009-11-25 2014-11-11 Halliburton Energy Services, Inc. Simulating injection treatments from multiple wells
US9176245B2 (en) 2009-11-25 2015-11-03 Halliburton Energy Services, Inc. Refining information on subterranean fractures
US8898044B2 (en) 2009-11-25 2014-11-25 Halliburton Energy Services, Inc. Simulating subterranean fracture propagation
JP5191009B2 (ja) * 2010-01-27 2013-04-24 応用地質株式会社 堤防表面のクラック調査方法
CN102866096A (zh) * 2012-09-20 2013-01-09 中国水电顾问集团中南勘测设计研究院 一种高压水道岩体防渗质量检测评定方法
CN104251807B (zh) * 2013-06-28 2017-01-25 核工业北京地质研究院 一种裂隙介质不同渗流路径渗透水压测定装置
CN103940976B (zh) * 2014-03-24 2016-03-16 中国地震局地壳应力研究所 用于岩石压裂渗流微震试验的高密闭性压力容器
CN105486353B (zh) * 2016-01-19 2017-08-01 山东科技大学 一种岩体裂隙水综合信息传感器及使用方法
CN105507895B (zh) * 2016-01-19 2018-05-08 山东科技大学 一种岩体裂隙探测传感器及使用方法
CN105487134B (zh) * 2016-01-19 2018-03-09 山东科技大学 一种岩体裂隙三维探测系统及探测方法
CN107907180B (zh) * 2017-12-18 2024-04-26 信阳师范学院 封闭式煤矿地下水库相似模拟试验装置及方法
CN109540768B (zh) * 2019-01-22 2021-07-02 南京大学 一种针对特定裂隙面水力开度的原位压水试验系统
CN110376352B (zh) * 2019-06-28 2020-07-03 浙江大学 一种水力边界点位控制装置
CN113446055B (zh) * 2021-07-05 2024-01-23 淮北市平远软岩支护工程技术有限公司 一种过富水断层的导水方法和导水设备

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102507412A (zh) * 2011-11-07 2012-06-20 中国石油集团川庆钻探工程有限公司 碳酸盐岩油藏等效模型的裂缝-基质渗透率级差判别方法
CN102507412B (zh) * 2011-11-07 2014-07-02 中国石油集团川庆钻探工程有限公司 碳酸盐岩油藏等效模型的裂缝-基质渗透率级差判别方法
CN103424533A (zh) * 2013-07-23 2013-12-04 北京交通大学 裂隙岩体热-水-力三场耦合大尺度模型试验方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07270300A (ja) 1995-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2987289B2 (ja) 地下岩体の透水性の評価方法
Shahbazi et al. A review of existing methods used to evaluate the hydraulic conductivity of a fractured rock mass
Lavenue et al. Three‐dimensional interference test interpretation in a fractured aquifer using the pilot point inverse method
Novlesky et al. Shale gas modeling workflow: from microseismic to simulation--a Horn River case study
EA017421B1 (ru) Способ и система для проектирования и оптимизации операций бурения и заканчивания в углеводородных пластах-коллекторах
US10495782B2 (en) System, method and computer program product for determining placement of perforation intervals using facies, fluid boundaries, geobodies and dynamic fluid properties
CN104863560A (zh) 用于页岩气开采的宽网压裂方法
US20230097859A1 (en) Method and system for determining coarsened grid models using machine-learning models and fracture models
Sarkheil et al. Fractures distribution modeling using fractal and multi-fractal–neural network analysis in Tabnak hydrocarbon field, Fars, Iran
CN109033504A (zh) 一种油水井套管损坏预测方法
Evans et al. Impact of cluster spacing on infill completions in the Eagle Ford
Park et al. Rapid modeling of injection and production phases of hydraulically fractured shale wells using the fast marching method
Wang et al. Groundwater resources evaluation case study via discrete fracture flow modeling
Lakirouhani et al. Hydraulic fracturing breakdown pressure and prediction of maximum horizontal in situ stress
Cottrell et al. Advances in hydromechanical coupling for complex hydraulically fractured unconventional reservoirs
Feng et al. A new method for evaluating the effectiveness of hydraulic fracturing in tight reservoirs
Wang et al. A new Bayesian network model for the risk assessment of water inrush in karst tunnels
Al-Anazi et al. Automatic fracture density update using smart well data and artificial neural networks
Kaspereit et al. Field management and expansion potential of the momotombo geothermal field using numerical simulation and conceptual modeling
Parney et al. Fracture and production data integration using discrete fracture network models for carbonate reservoir management, South Oregon basin field, Wyoming
Ramos et al. Advanced hydraulic fracture characterization using pulse testing analysis
CN112394416A (zh) 非均质断裂控制储层预测方法及装置
WO2020047451A1 (en) Digitial multi-phase flow analysis system for assisting enhanced oil recovery
Hameed et al. Simulation of Lowering Groundwater in the Right Bank of Derbendikhan Dam
CN114624784B (zh) 灰岩储层的状态确定方法、装置及可读存储介质