JP2986129B2 - イオンビーム分析装置 - Google Patents

イオンビーム分析装置

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JP2986129B2 JP3251354A JP25135491A JP2986129B2 JP 2986129 B2 JP2986129 B2 JP 2986129B2 JP 3251354 A JP3251354 A JP 3251354A JP 25135491 A JP25135491 A JP 25135491A JP 2986129 B2 JP2986129 B2 JP 2986129B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体技術分野をはじ
め医療・バイオ技術等の分野において、高エネルギー電
荷ビームを用いて素子や生成物等の微小領域の組成や物
性を分析するイオンビーム分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体技術分野では、膨大な量の情報を
コンピュータで処理するため、記憶容量の増大と情報処
理速度のより高速化が求められている。そのため、IC
の高集積化がLSIからVLSIへ、更には三次元IC
へと開発が進められつつあり、これに伴って、個々の素
子やその配線等は、極微小化および多層化され、かつそ
の表面から極めて浅い領域が使われるようになってい
る。
【0003】一方、このようなICの開発やプロセス研
究においては、ミクロな領域における原子分布の分析が
重要であり、最近では、高エネルギー(MeV) の集束イオ
ンビームを用い 1μm 以下の分解能を持つラザフォード
後方散乱法(RBS)や粒子励起X線分光法(PIX
E)等の分析手法の有効性が認識され、これら分析手法
の適用が可能なイオンビーム分析装置の使用が広まりつ
つある。
【0004】〔図7〕に従来のイオンビーム分析装置の
構成配置の代表的1例を示す。この例では、加速器(71)
で加速されたイオン源からの高エネルギーのイオンビー
ムBは、先ず偏向分析電磁石(72)によりイオン種・エネ
ルギーを選別され、次いで対物コリメータ(73)にて数十
μm 径のビームに絞られた後、数メートルのドリフト空
間を介して続く四重極電磁石レンズ(74)にて所期のマイ
クロビームに集束され、チャンバ(75)内のターゲット、
すなわち分析用の試料(76)上に 1μm オーダのビームス
ポットを結んで入射される。そして、入射されたイオン
ビームBと試料(76)との相互作用によって散乱放射され
るイオン・電子・光子等を、チャンバ(75)内の検出器(7
7)によって検出し、その種類・エネルギー・角度等を解
析することで、試料(76)の極表面近傍または表面から内
部にかけての原子分布情報を得る構成とされ、RBS法
では散乱イオンを、PIXE法では光子、正確には特性
X線を検出して分析する。
【0005】一方、これらイオンビーム分析法におい
て、その分析精度を高めるためには、入射されるイオン
ビームのエネルギーが適切な値で、かつ清浄な雰囲気下
にあることが必要とされ、分析用の試料は、照射するビ
ームの散乱防止や不純物の除去のために、通常、1×10
-7Torr程度の高真空下におかれる。このため、イオンビ
ーム分析装置において、分析用の試料は真空チャンバ内
に配置され、また、その試料交換には長時間を要する真
空引きを伴うことになる。そして、多数の試料を分析す
る際には、真空引きを伴う試料交換を頻繁に行う必要が
生じ、これが分析作業の効率を大きく左右することにな
る。
【0006】そこで、従来では、長時間を要する真空引
きの影響を軽減して分析作業の効率を高めるために、大
別して、ロードロック等により真空チャンバ内の高真
空をブレークせずに試料を逐次交換して分析する方式
と、真空チャンバ内に多数の試料を配置して1回の真
空引きで連続多試料分析を行う方式とが採られてきた。
【0007】前者は、例えば〔図8〕に示すように、真
空チャンバ(85)に附設したロードロック(88)を介して、
外部からの試料(86)を真空チャンバ(85)内に配されたゴ
ニオメータ等の精密位置決装置(87)の試料受台(87a) に
装脱することで、真空チャンバ(85)内の真空をブレーク
することなく、試料(86)を逐次交換して分析する構成の
ものである。また、この前者の方式では、通常、そのロ
ードロック(88)内に収容できる試料(86)の数は、多くて
も2〜3個程度とされていた。
【0008】後者は、例えば〔図9〕に示すように、真
空チャンバ(95)内に複数の試料(96)を搭載する可動式の
試料台(97)を配設し、1回の真空引きで多数個の試料(9
6)を連続分析する構成のものである。また、この後者の
方式では、取付け面積を増大させた試料台(97)に対する
試料の着脱効率の面から、通常、真空チャンバ(95)に大
きな開閉扉(95a) を設け、その開閉扉(95a) を開放して
試料交換が行われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の分析装置には、それぞれ以下の問題点がある。すな
わち、〔図8〕に例示した前者の装置では、真空チャン
バの内容積を比較的小さくできると共に、その真空をブ
レークすることなく試料を逐次交換して分析でき、か
つ、ゴニオメータ等の精密位置決装置を適用するので各
試料を高精度に位置決めできて、その分析精度を高く維
持できるという利点を有するものの、試料の装脱のため
にロードロックの開閉操作を高頻度に行うことが必要と
なり、試料交換に時間がかかる。しかも、そのロードロ
ックの開閉操作に人手を要するので自動化、無人での連
続多試料分析操作ができない。一方、〔図9〕に例示し
た後者の装置では、1回の試料交換作業で多数の試料を
真空チャンバ内に配置でき、また真空引き操作も1回で
すむので、その後は試料台の移動を自動制御することで
連続多試料分析が可能であるが、真空チャンバが大きく
なることは避けられず、また多数の試料を高真空状態ま
で真空引きしなければならないため、その真空立ち上げ
には長い時間を必要とする。更にまた、試料台が搭載し
た多数の試料それぞれについて、選択的に高精度な位置
決めを行う機構は複雑かつ困難なものとなり、前者の装
置に比較して分析精度およびコストの面で遙かに不利と
なる。
【0010】このため従来では、上記前者の構成と後者
の構成を採るものそれぞれの機能特性から、用途・目的
に見合うものを選び分けて使用されており、またこのこ
とから、その適用範囲に制約を受けているのが実情であ
り、両者それぞれの欠点を補い、高精度の分析を効率良
く行えるように機能改善されたものが望まれていた。
【0011】本発明は、上記従来技術の課題を解決する
ためになされたものであって、真空チャンバ内の高真空
をブレークすることなく試料の交換ができると共に、そ
の試料を高精度に位置決めすることができ、しかも自動
的な連続多試料分析が可能で、分析精度を高く維持して
なお、その作業効率の向上が図れるイオンビーム分析装
置を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は以下の構成とされている。すなわち、本
発明に係るイオンビーム分析装置は、真空チャンバ内に
配置した試料にイオンビームを照射してラザフォード後
方散乱法や粒子励起X線分光法により当該試料の分析を
おこなうイオンビーム分析装置において、真空チャンバ
内に配した先端部の試料受台上に試料を搭載すると共
に、この試料をイオンビームの照射軸線上に高精度に位
置決め可能な精密位置決装置と、真空チャンバ内に連通
して設けられ、複数の試料を収容すると共に、その内部
を真空チャンバと独立して脱気可能なサブチャンバと、
このサブチャンバと真空チャンバとの間に介設されたゲ
ート弁と、試料を保持して前記サブチャンバ内と精密位
置決装置の試料受台上との間を移動し、前記サブチャン
バ内の試料を精密位置決装置の試料受台上に装脱可能な
試料移送ロッドと、前記サブチャンバ内に配設され、こ
のサブチャンバ内に収容される複数の試料を保持すると
共に、これら試料の内の一つを選択的に前記試料移送ロ
ッドの移動線上に位置決め可能な多試料保持装置とを備
えてなることを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明装置では、真空チャンバ内に連通して設
けられ、複数の試料を収容して独立して脱気可能なサブ
チャンバと、このサブチャンバと真空チャンバとの間に
介設されたゲート弁と、サブチャンバ内の試料を保持し
て移動し、真空チャンバ内に配された精密位置決装置の
試料受台上に装脱可能な試料移送ロッドとを備えるの
で、真空チャンバ内の高真空をブレークすることなく、
複数の試料を精密位置決装置の試料受台上に逐次交換し
てイオンビームを照射し、ラザフォード後方散乱法や粒
子励起X線分光法による分析を連続的に行うことができ
る。また、サブチャンバ内には、このサブチャンバ内に
収容される複数の試料を保持すると共に、これら試料の
内の一つを選択的に試料移送ロッドの移動線上に位置決
め可能な多試料保持装置を配設するので、この多試料保
持装置と試料移送ロッドおよびゲート弁を連携作動させ
て、精密位置決装置の試料受台上への試料の逐次交換を
自動的に行わせることで、容易に自動的な連続多試料分
析を達成することができる。また、サブチャンバ内に配
設された多試料保持装置に対する一連の試料の装脱は、
当該サブチャンバの単独開放のみで行えるので、外部か
ら汚染物質が真空チャンバ内に侵入することを防止で
き、かつ真空チャンバとは独立した真空引きによって試
料の脱ガスを行うことができるので、真空チャンバ内の
清浄度を高く維持して、その分析精度をより安定したも
のとすることができる。
【0014】
【実施例】以下に、本発明の実施例のイオンビーム分析
装置を図面を参照して説明する。
【0015】〔図1〕は、本発明の1実施例のイオンビ
ーム分析装置の概要構成を示す一部断面正面図である。
また、〔図2〕および〔図3〕は、〔図1〕に示す本実
施例装置の要部説明図であって、〔図2〕の (a)図は要
部正断面図、同 (b)図は (a)図のA−A部分断面図であ
り、〔図3〕は要部側断面図である。
【0016】〔図1〕に示す本実施例のイオンビーム分
析装置においては、加速器(1) のイオン源で発生した、
例えば、He+ , He2+を含むイオンは、その加速管で加速
され、数 MeVの高エネルギーのイオンビームBとして発
射される。このイオンビームBは、偏向分析電磁石(2)
にて偏向させられ、例えば、特定エネルギーのHe+ のみ
が所定角度に振らて通過を許容される等、そのイオン種
別・エネルギーを選別され、次いで対物コリメータ(3)
にて数十μm に絞られた後、電磁石レンズ(4)を経て集
束され、真空チャンバ(5) 内のターゲット、すなわち分
析用の試料(6)上にビームスポットを結んで入射され
る。そして、入射された、例えば、He+ イオンと試料
(6) との相互作用により散乱放出されるイオン・電子・
光子等を、検出装置(7) によって、その種類・エネルギ
ー・角度等から解析することで、試料(6) の極表面近傍
だけでなく、その表面から内部にかけての原子分布を分
析するのである。なお、RBS法では散乱イオンを、P
IXE法では光子、正確には特性X線を検出して分析す
る。
【0017】ここで、本実施例装置の真空チャンバ(5)
側の構成を詳述すると、まず、真空チャンバ(5) は、真
空圧力容器として形成され、その前部に筒状のビーム導
入口(5a)を、側壁に筒状の試料導入口(5b)をそれぞれ突
設している。この真空チャンバ(5) は、図外の真空排気
手段に連結されてあり、その内部を所定の高真空度に脱
気できる。また、そのビーム導入口(5a)の入側にはビー
ム遮断板(8) が配設されてある。なお、ビーム遮断板
(8) を開閉させるシリンダ(8a)は、図外の制御装置に連
結されている。
【0018】(7) は検出装置であって、この検出装置
(7) は、例えば、コイン型ディテクタ等からなり、図中
に1点鎖線で示すビーム照射線BLと一定角度をもつ斜め
前方に位置して真空チャンバ(5) 内に配され、イオンビ
ームBの照射に際して試料(6)から放散される散乱イオ
ンや特性X線を検出して、図外の測定・分析装置に電気
信号として伝える。
【0019】(9) はゴニオメータであって、このゴニオ
メータ(9)は、高真空用の精密三軸駆動式のもので、そ
の駆動部を真空チャンバ(5)の試料導入口(5b)に対向す
る側壁外に、被駆動側の試料受台(9a)を真空チャンバ
(5) 内に位置させて、ビーム照射軸線BLに直交する方向
に配設されてある。このゴニオメータ(9) は、試料受台
(9a)上に分析用の試料(6) を搭載し、その試料(6) を、
ビーム照射軸線BL上に高精度に位置決めすると共に、ビ
ーム照射軸線BLに直交する面に対して各20度の範囲内で
全方向に傾斜させることができる。なお、これら動作の
ため当該ゴニオメータ(9) が備えるパルスモータ(9b)
は、前記図外の制御装置に接続されている。
【0020】(10)はゲート弁であって、このゲート弁は
(10)は、真空チャンバ(5) の試料導入口(5b)の中間部に
装着されている。なお、ゲート弁(10)を開閉させるシリ
ンダ(10b) は、前記図外の制御装置に連結されている。
【0021】(11)はサブチャンバであって、このサブチ
ャンバ(11)は、偏平円筒状の圧力容器に形成され、真空
チャンバ(5) の試料導入口(5b)に、その外周部の一部を
接続させて、この試料導入口(5b)に直交する方向に、す
なわち互いの軸線を平行にして配されている。また、こ
のサブチャンバ(11)は、その前部壁に試料装脱用の扉(1
1a) を設ける一方で、図外の真空排気手段に独自に連結
されてあり、その内部を真空チャンバ(5) とは独立して
脱気および大気開放できる。
【0022】(12)は試料保持盤であって、この試料保持
盤(12)は、軸付円盤状に形成され、サブチャンバ(11)内
に同心状に配設されると共に、その回転中心軸(12b)
を、サブチャンバ(11)後部壁の外側に配されたパルスモ
ータ(14)に連結されてある。また、この試料保持盤(12)
は、〔図2〕の (a)図および (b)図に示すように、その
外周面に、真空チャンバ(5) 側を指向させたU字状の保
持凹部(12a) を円周方向に等ピッチに多数設けている。
そして、この保持凹部(12a) には、〔図2〕の (b)図に
示すように、外周に把持用と係合用との2条の溝を設け
て当該保持凹部(12a) に嵌合する外周形状とされた試料
ホルダ(15)が係合・保持される。また、分析用の試料
(6) は、各試料ホルダ(15)の上面に取付けられ、これら
試料ホルダ(15)を介して試料保持盤(12)に保持される。
この試料保持盤(12)は、上記構成のもとで、外周の保持
凹部(12a) に係合された複数の試料ホルダ(15)の内のい
ずれかを選択的に試料導入口(5b)の軸線の延長線上に位
置するように、パルスモータ(14)にて所定の角度ピッチ
で回転・停止させられる。なお、試料保持盤(12)を回転
させるパルスモータ(14)は、前記図外の制御装置に接続
されている。
【0023】ここで、本実施例においては、試料導入口
(5b)との接続部を除くサブチャンバ(11)と試料保持盤(1
2)との間隙を狭めて、このサブチャンバ(11)内の実空間
容積ができるだけ小さくなるように構成した。
【0024】(13)は試料移送ロッドであって、この試料
移送ロッド(13)は、〔図3〕に示すように、サブチャン
バ(11)内に配された先端部に試料把持爪(13a) を備える
一種のマニピュレータに構成されたもので、試料導入口
(5b)に対向するサブチャンバ(11)の後部に配設されたボ
ールネジ機構(16)にて駆動されて、先端の試料把持爪(1
3a) を試料導入口(5b)の軸線に沿って進退させると共
に、その後端部に設けたチャッキングシリンダ(13b) に
て試料把持爪(13a) を開閉させることができる。この試
料移送ロッド(13)は、上記構成のもとで、試料ホルダ(1
5)を把持してサブチャンバ(11)内とゴニオメータ(9) の
試料受台(9a)上との間を往復し、サブチャンバ(11)内の
試料保持盤(12)に保持された試料ホルダ(15)、すなわち
試料(6)を逐次にゴニオメータ(9) の試料受台(9a)上に
装脱・交換する。なお、ボールネジ機構(16)のパルスモ
ータ(16a) および試料ホルダ(15)のチャッキングシリン
ダ(13b) は、前記図外の制御装置に接続されている。
【0025】次に、本実施例のイオンビーム分析装置の
構成配置および作動について、そのブロック図である
〔図5〕と制御方法を示すフローチャートである〔図
6〕とを用いて説明する。なお、〔図5〕において〔図
1〕乃至〔図3〕と同番号を付したものは、同じもので
あるのでここでは説明を省略する。
【0026】〔図5〕において、(17)はビーム制御装置
であって、このビーム制御装置(17)は、加速器(1) 、偏
向分析電磁石(2)、対物コリメータ(3) 、電磁石レンズ
(4)およびビーム遮断板(8) に指令信号を出力して、真
空チャンバ(5) 内のターゲットに照射されるイオンビー
ムBを制御する。
【0027】(18)はプログラマルコントローラ( 以下P
Cと略す)であって、このPC(18)は、上位の測定手順
入力装置(19)から入力される制御プログラムに基づき、
ビーム制御装置(17)と、モータドライバーおよび電磁弁
制御器等を備える入力制御装置(20)に指令信号を出力す
ると共に、これらから作動状態のフイードバックを受け
る。
【0028】一方、ビーム制御装置(17)は、PC(18)か
らの指令信号により、イオンビームBの照射・調整・停
止の作動制御を行うと共に、その作動状態をPC(18)に
フイードバックする。また、入力制御装置(20)は、PC
(18)からの指令信号により、ビーム遮断板(8) 、ゴニオ
メータ(9) 、ゲート弁(10)、試料保持盤(12)および試料
移送ロッド(13)を駆動する各パルスモータ(9b),(14),(1
6a) および各シリンダ(8a),(10b),(13b)の作動制御を行
うと共に、これらの作動状態をPC(18)にフイードバッ
クする。
【0029】なお、自動モードにおいては、ゲート弁(1
0)と試料移送ロッド(13)とは連動し、ゲート弁(10)の開
放時のみに試料移送ロッド(13)が作動し、また、試料保
持盤(12)は試料移送ロッド(13)の作動に連動し、試料移
送ロッド(13)の2往復動する都度に1設定ピッチで回転
・停止するように設定される。一方、ビーム遮断板(8)
は、ビーム制御装置(17)と入力制御装置(20)の双方から
作動制御されるが、これらから制御を受けない基準状態
は閉作動であり、かつ、これらからの非常停止信号にて
他機構の作動と関係なく単独で閉に作動する。
【0030】次いで、本実施例のイオンビーム分析装置
の作動を〔図6〕のフローチャートを用いて説明する。
【0031】まず、ゲート弁(10)を閉鎖し、試料移送ロ
ッド(13)を後限の基準位置に位置させておき、真空チャ
ンバ(5) 内を所定の高真空度に真空引きすると共に、イ
オンビームBの照射・調整を行う。その一方で、サブチ
ャンバ(11)の扉(11a) を開放し、一連の試料(6) を取付
けた複数の試料ホルダ(15)を、試料保持盤(12)の各保持
凹部(12a) に係合させた上で、サブチャンバ(11)の扉(1
1a) を閉鎖して真空引きを開始すると共に、これら試料
ホルダ(15)、すなわち試料(6) の係合数nおよび位置・
序列をPC(18)に入力・記憶させる。〔S1〕 なお、この際に、第1の試料(6) を取付けた試料ホルダ
(15)は、試料移送ロッド(13)の移動線上の基準角度位置
に位置させておく。そして、真空チャンバ(5)およびサ
ブチャンバ(11)が所定の真空度に達した時点で、ビーム
遮断板(8) の閉塞を確認し、PC(18)からの自動モード
の指令信号にて以下の自動分析に移る。
【0032】まず、ゲート弁(10)を開くと共に、これに
連動して試料移送ロッド(13)を駆動させ、試料保持盤(1
2)に係合された第1の試料ホルダ(15)を、ゴニオメータ
(9)の試料受台(9a)上に移送・装着させた後、試料移送
ロッド(13)を基準位置に復帰させると共に、これに連動
させてゲート弁(10)を閉じる。〔S2〕
【0033】続いて、PC(18)に予め記憶させておいた
分析種別に基づいて、ゴニオメータ(9) を駆動させて、
試料受台(9a)上に試料ホルダ(15)、すなわち試料(6) の
位置および角度の精密設定を行う。〔S3〕
【0034】次いで、ビーム遮断板(8) を開放し、イオ
ンビームBを第1の試料(6) に照射させ、その照射に際
して当該試料(6) から放散される散乱イオンや特性X線
を検出装置(7) で検出して分析する。〔S4〕
【0035】次いで、試料導入口(5b)のゲート弁(10)を
開くと共に、これに連動して試料移送ロッド(13)を駆動
させて、ゴニオメータ(9) の試料受台(9a)上の第1の試
料ホルダ(15)を取外し、この試料ホルダ(15)を試料保持
盤(12)の元位置に返送・係合させた上で、試料移送ロッ
ド(13)を基準位置に復帰させると共に、これに連動させ
てゲート弁(10)を閉じる。また、この時点において、試
料移送ロッド(13)は、2往復したことになるので、この
試料移送ロッド(13)が基準位置に復帰したとき、その復
帰に連動して試料保持盤(12)が1設定ピッチで回転・停
止し、次の保持凹部(12a) に係合された試料ホルダ(1
5)、すなわち第2の試料(6) が基準角度位置に位置させ
られる。〔S5〕
【0036】以上で、第1の試料(6) の分析が終わる。
この状態において、PC(18)に記憶させておいた試料
(6) の係合数nから、自動分析の継続の要否を判定し、
継続する場合には、上記〔S2〕〜〔S5〕のステップ
を繰り返して、第2以降の試料(6) の連続的な自動分析
を行う。
【0037】そして、試料保持盤(12)にセットした試料
(6) 全ての分析が終了した時点で、ゲート弁(10)の閉塞
を確認し、サブチャンバ(11)内の真空をブレークした上
で、その扉(11a) を開放して試料保持盤(12)にセットし
た試料ホルダ(15)、すなわち試料(6) を取り出し、一連
の連続自動分析を終了する。〔S6〕
【0038】なお、引き続き他の一連の試料について分
析を行う場合には、上記〔S1〕〜〔S7〕のステップ
からなる次の処理を行う。この場合、真空チャンバ(5)
内が既に所定の高真空度に保たれているので、短時間で
移行することができる。
【0039】以上のようにして分析する本実施例のイオ
ンビーム分析装置では、真空チャンバ内の高真空をブレ
ークすることなく、多数の試料を連続かつ自動的に分析
することができて、その作業効率を格段に高めることが
できる。また、本実施例のイオンビーム分析装置では、
真空チャンバ内には、検出装置とゴニオメータの被駆動
部である試料受台だけを配するので、当該真空チャンバ
の内容積を小さくして、真空立ち上げ時間の短縮および
高真空の維持が容易なものとすることができ、かつ脱気
のための真空排気装置の容量も小さくできる。更に、外
部からの試料は、サブチャンバ内での真空引きの過程で
脱ガスされて高真空の真空チャンバ内に装入されてもガ
ス発生の少ないものとされるので、真空チャンバ内の清
浄度を高く維持できると共に、真空チャンバの真空排気
装置への悪影響を少なくできて、その分析精度を安定化
させることができる。
【0040】なお、上記実施例においては、サブチャン
バを偏平円筒状に形成すると共に、試料保持盤を円盤状
に形成し、その回転によって試料を基準位置に移行させ
るものとしたが、これは一例であって、例えば、その別
の実施例の要部説明図である〔図4〕の (a)図および同
(a)図のB−B断面図である (b)図に示すように、サブ
チャンバ(21)を長方形の箱状に形成すると共に、このサ
ブチャンバ(21)内に、複数の保持凹部(22a) を設けた平
板状の試料保持台(22)を配し、この試料保持台(22)を、
パルスモータ(24)で回転されるポールネジ(24a) によっ
て、試料導入口(5a)と直交する方向に移動させることで
試料ホルダ(15)を基準位置に移行させる構成とする等、
複数の試料を保持し、その内の一つを選択的に試料移送
ロッドの移動線上に位置決めさせる多試料保持装置をサ
ブチャンバ内に設ける本発明の要旨に則る構成のもので
あれば、その他の構成を採用されても良い。
【0041】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明に係るイオ
ンビーム分析装置によれば、真空チャンバ内の高真空を
ブレークすることなく試料の交換ができると共に、その
試料を高精度に位置決めすることができ、しかも、自動
的な連続多試料分析が可能で、分析精度を高く維持して
なお、その作業効率の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のイオンビーム分析装置の概要
構成を示す一部断面正面図である。
【図2】本発明の実施例のイオンビーム分析装置の要部
説明図であって、 (a)図は要部正断面図、 (b)図は (a)
図のA−A部分断面図である。
【図3】本発明の実施例のイオンビーム分析装置の要部
側断面図である。
【図4】本発明の別の実施例のイオンビーム分析装置の
要部説明図であって、(a)図は要部正断面図、 (b)図は
(a)図のB−B断面図である。
【図5】本発明の実施例のイオンビーム分析装置のブロ
ック図である。
【図6】本発明の実施例の制御方法を示すフローチヤー
トである。
【図7】従来のイオンビーム分析装置の構成配置の代表
的1例を示す図である。
【図8】従来のイオンビーム分析装置の真空チャンバの
構成例を示す図である。
【図9】従来のイオンビーム分析装置の真空チャンバの
別の構成例を示す図である。
【符号の説明】
(1) --加速器 (2) --偏向分析電
磁石 (3) --対物コリメータ (4) --電磁石レン
ズ (5) --真空チャンバ (5a)--ビーム導入
口 (5B)--試料導入口 (6) --試料 (7) --検出装置 (8) --ビーム遮断
板 (9) --ゴニオメータ (9a)--試料受台 (10)--ゲート弁 (11)--サブチャン
バ (12)--試料保持盤 (13)--試料移送ロ
ッド (14)--パルスモータ (15)--試料ホルダ (16)--ボールネジ機構 B--イオンビー
ム BL --ビーム照射軸線
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 1/28 G01N 23/225

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空チャンバ内に配置した試料にイオン
    ビームを照射してラザフォード後方散乱法や粒子励起X
    線分光法により当該試料の分析をおこなうイオンビーム
    分析装置において、真空チャンバ内に配した先端部の試
    料受台上に試料を搭載すると共に、この試料をイオンビ
    ームの照射軸線上に高精度に位置決め可能な精密位置決
    装置と、真空チャンバ内に連通して設けられ、複数の試
    料を収容すると共に、その内部を真空チャンバと独立し
    て脱気可能なサブチャンバと、このサブチャンバと真空
    チャンバとの間に介設されたゲート弁と、試料を保持し
    て前記サブチャンバ内と精密位置決装置の試料受台上と
    の間を移動し、前記サブチャンバ内の試料を精密位置決
    装置の試料受台上に装脱可能な試料移送ロッドと、前記
    サブチャンバ内に配設され、このサブチャンバ内に収容
    される複数の試料を保持すると共に、これら試料の内の
    一つを選択的に前記試料移送ロッドの移動線上に位置決
    め可能な多試料保持装置とを備えてなることを特徴とす
    るイオンビーム分析装置。
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