JP2981447B2 - 防護養生シート体 - Google Patents

防護養生シート体

Info

Publication number
JP2981447B2
JP2981447B2 JP9184722A JP18472297A JP2981447B2 JP 2981447 B2 JP2981447 B2 JP 2981447B2 JP 9184722 A JP9184722 A JP 9184722A JP 18472297 A JP18472297 A JP 18472297A JP 2981447 B2 JP2981447 B2 JP 2981447B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
arm
support member
curing sheet
tower
sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP9184722A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1130041A (ja
Inventor
貞幸 山島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SANWA TOSO KOGYO KK
Original Assignee
SANWA TOSO KOGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SANWA TOSO KOGYO KK filed Critical SANWA TOSO KOGYO KK
Priority to JP9184722A priority Critical patent/JP2981447B2/ja
Publication of JPH1130041A publication Critical patent/JPH1130041A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2981447B2 publication Critical patent/JP2981447B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Details Or Accessories Of Spraying Plant Or Apparatus (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防護養生シート体
に関し、更に詳しくは、着脱を短時間で容易に行うこと
を可能にした、特に電力送電線鉄塔での高所作業に最適
な防護養生シート体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電力送電用鉄塔などの高所で作業を行う
場合には、例えば鉄塔の高所で塗装工事を行う場合に
は、作業中の塗料が飛散したり、作業員が誤って又は不
注意で高所から塗料、部品、工具等を地上に落としたり
して、通行人や民家に不測の損傷を与えることが心配さ
れる。そこで、鉄塔等で高所作業を行う際には、通常、
飛散塗料及び落下物による被害発生を防止するために、
鉄塔に養生シートを巻いて防護を施し、仮に高所から物
が落下しても、養生シートから外方には物が落下しない
ようにして、高所作業を行っている。本明細書で養生と
は、塗装工事等の作業対象を覆って物の落下を防止し、
かつ物の落下範囲を局所化することを意味する。
【0003】ここで、送電線用鉄塔に施す従来の養生方
法を説明する。図7(a)及び(b)は、それぞれ、従
来の養生方法に従ってシートを高電圧の電力送電用鉄塔
に巻いた状態を示す正面図及び側面図である。尚、送電
線用鉄塔を対象とする工事或いは作業は、通常、鉄塔に
懸架されている送電線の送電を全て停止して工事する全
停電工事、又は、鉄塔に懸架する送電線の片側の送電を
停止して工事する片側停電工事のいずれかで行われる。
高電圧の電力送電用鉄塔10は、一般に、自立する4本
鉄柱をブレース等で相互に連結して補強した鉄塔本体1
2と、鉄塔本体12の上部に互いにほぼ均等な高さ間隔
で水平に設けられた複数個のアーム14とを備えてい
る。アームとは、鉄塔から水平方向に伸びて、絶縁碍子
を懸架し、その絶縁碍子で送電線を支持している水平部
材を言う。鉄塔10は、例えば77kVの電力送電用鉄塔
であり、その高さHは、例えば約40mである。アーム
14は、鉄塔の建設が完成した状態では絶縁碍子(図示
せず)を吊して備えており、送電線(図示せず)は絶縁
碍子により保持されている。アーム14は、例えば、側
面が円錐台枠状の3段式のアーム14A〜Cから構成さ
れ、各アームは、互いにほぼ均等な間隔で鉄塔に水平に
取り付けられている。各アーム14は、アーム本体と、
鉄塔本体から斜め下方に延びてアームを吊っている吊り
材とから構成されている。アーム14Aの寸法は、基端
から先端までの長さL1が1.75m、アーム本体と吊
り材との間の高さh1が0.8mであり、アーム14B
の寸法は、基端から先端までの長さL2 が2.3m、高
さh2が0.9mであり、アーム14Cの寸法は、基端
から先端までの長さL3 が1.8m、高さh3が0.8
mである。
【0004】従来の養生方法では、鉄塔10の全周又は
片側半周(以下、全周と総称する)にわたり、多数枚の
市販の養生シートを連結して、長さを長くし、幅を広く
した養生シート16で鉄塔10を巻いて養生するもので
ある。従来の養生を鉄塔10に施すには、先ず、養生シ
ート16を鉄塔10に巻くための足場(丸太等を使用し
た横木(布足場))を鉄塔10のアーム近傍に仮設する
(以下、単に足場を仮設するという)。足場は、番線針
金、ロープ等により足場材同士を緊結して、及び足場材
を鉄塔10の部材に緊結して構成する。尚、足場丸太の
代わりにパイプ状の足場パイプを用いることもある。足
場を仮設した後、例えば片側停電工事では、図7に示す
ように、アーム近傍に仮設した足場を使い、また鉄塔1
0の部材、例えばブレース、はり、梯子等を足場代わり
に使って、養生シート16をアーム14の片側半周に外
側から巻き付け、更に、巻き付けた養生シート16がば
らけないように、養生シート16の外側からロープで縛
って、防護養生シート体を形成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の養生方
法では、足場仮設と養生シートの取り付け及び取り外し
に以下のような問題があった。第1の足場仮設の問題で
は、送電線用鉄塔等の鉄塔は、通常、大型構造物である
ので、仮設する足場も大がかりな足場になることであっ
た。そのために、多数の足場材を必要とし、鉄塔上への
足場材の荷揚げ、足場の組み立て、足場の解体、足場材
の鉄塔からの荷降ろしに、多大な労力と時間とがかかる
ことであった。しかも、足場の仮設工事は、鉄塔上部で
足場パイプや足場丸太を番線や固定金具で鉄塔に固定す
る危険な高所作業であって、熟練した作業員が行う必要
があったが、熟練した作業員が不足していると言う問題
もあった。第2の養生シートの取り付け及び取り外しで
は、長く広い養生シートを高い鉄塔上で取り扱うため、
養生シートを鉄塔に巻き付ける作業又は鉄塔から養生シ
ートを取り外す作業が、多くの人数と時間を要する大が
かりで、しかも危険な作業であることである。特に、鉄
塔本体から水平方向に延びているアーム部分を養生する
のが難しいという問題があった。また、強風時では、養
生シートをアーム部分に巻き付けようとしても、養生シ
ートが大きいために、風を孕んで大きく膨らみ、巻き付
けが極めて困難なことであった。また、養生シートを鉄
塔に取り付けた状態で積雪すると、鉄塔は養生シートに
積雪した雪荷重に耐えられないため、防護養生シート体
を取り外す必要があるが、養生シートの取り外しが簡単
でないために、作業者の墜落や、更には鉄塔の倒壊の危
険性があった。第3に、塗装工事の場合、アームの塗装
を終了するには、足場を仮設したために未塗装になった
鉄塔部材を塗装する必要があるので、足場を解体した後
に、更に労力と時間をかけて、未塗装の部分を塗装する
必要があった。
【0006】以上のような事情に照らして、本発明の目
的は、大がかりな足場を必要とせず、しかも装着、解体
を短時間で簡単に行うことが可能な鉄塔用防護養生シー
ト体を提供することである。
【0007】本発明者は、危険で、仮設作業の困難な足
場を必要とする部分は、主としてアーム部分であり、ま
た、養生シートを装着する際もアーム部分が特に困難で
あることに着目した。更に、鉄塔本体を対象とする場合
には、原則的には仮設作業の困難な足場を必要とせず、
鉄塔本体に比較的簡単な足場を取り付け、それに養生シ
ートを取り付け、鉄塔本体から養生シートを取り外すこ
とは、アーム部分に比較すれば容易であることにも着目
した。そして、従来の養生シートを主としてアーム部分
を養生する防護養生シート体と、従来方法により鉄塔本
体を養生する養生シートとに2分し、本発明を完成する
に至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る防護養生シート体は、鉄塔本体上部に
水平方向に延びるアームを備える鉄塔で高所作業する
際、アームを養生する仮設の防護養生シート体であっ
て、アームを挟んで対向する2面のシートと、2面のシ
ートをそれぞれ懸架させる2個の懸架フレームとを備
え、各懸架フレームは、基端で鉄塔本体に着脱自在に連
結され、水平又は斜め下方にかつアームと同じ方位に少
なくともアームの先端より先方まで延在する支持部材
と、支持部材の基端より高い位置で鉄塔本体に着脱自在
に連結され、斜め下方に延びて、支持部材の中間で支持
部材を吊って支持する上部斜方吊り部材と、支持部材の
基端より低い位置で鉄塔本体に着脱自在に連結され、斜
め上方に延びて支持部材の中間で支持部材を支持する下
部斜支柱部材の少なくとも一方を有し、各シートは、上
縁部で懸架フレームの支持部材に連結され、上縁部より
懸架して下縁部でアームより下方に延在し、かつシート
の外縁部のうちの少なくとも下縁部に2面のシート同士
を相互に連結する連結具をを備えていることを特徴とし
ている。
【0009】シートは、養生シートとして落下物の落下
方向を制約できる強度を有する限り、特に限定はない
が、好適には、通気性を有するメッシュ状の織物布が好
ましい。尚、シートが、側面部と底面部とを形成するよ
うに、側面部となるシート部分を2重構造にするか、又
は太いストランドを織り込む等、シートの側面部と底面
部とでは剛性が異なるようにしてもよい。
【0010】懸架フレームは、電気絶縁性が良く軽量で
強靭性のものが好ましい。支持部材及び下部斜支柱部材
は、管材でも形材でも良く、好適には、例えば、FRP
(強化プラスチック)、塩化ビニール等のプラスチック
製管材、プラスチック製形材、更には電気絶縁被覆を有
するアルミニウム管、鉄管等である。懸架フレームが、
アームの先端に当接する当接部を支持部材に備えている
と、当接部を介してアームにより支持されることが可能
になる。これにより、比較的長いアームに適用するため
に支持部材の長さを長くしても(例えば3m〜10m程
度)、支持部材を充分に支えることができる。
【0011】支持部材及び下部斜支柱部材は、例えばク
ランプにより鉄塔本体に着脱自在に連結される。
【0012】2面のシートに設けられた連結具の好適な
一例としては、相互に吸引する対の磁石、又は磁石と鉄
片で構成され、一方のシート面に磁石が、他方のシート
面に磁石又は鉄片がそれぞれ設けられている。また、磁
石は、ボタン状でも帯状でもよい。ボタン状の場合、一
面のシート内での隣り合う磁石同士の互いの間隔が20
cm〜50cmの範囲内、1組あたりの吸着強度が0.2kg
f〜3.0kgf、好ましくは0.2kgf〜1.0kgfの範囲
内であるように設ける。磁石をシートに取り付ける に
は、例えば接着剤を用いて接着する。尚、シートの下側
縁部に作業者が近接可能な場合、2面のシートに設けら
れた連結具が汎用のファスナであってもよい。
【0013】また、上部斜方吊り部材は、例えばロープ
で構成されている。ロープの一端を鉄塔に緊縛し、他端
で懸架フレームを引っ張って支持することができる。ま
た、台風の襲来等が予測される緊急時には、支持部材を
引き寄せ、ロープにより鉄塔に縛っておくこともでき
る。また、鉄塔本体のアームよりも高い場所に滑車を備
え、ロープと滑車により、懸架フレーム、更には防護養
生シート体自体を上げ降ろしすることもできる。
【0014】また、各懸架フレームの支持部材を鉄塔近
傍でアームの外方に湾曲させ、アームを塗装する際に、
アームとシートとの間から塗装刷毛を挿入できるように
することもできる。防護養生シート体が、送電線を支持
する絶縁碍子を懸架しているアームを養生する防護養生
シート体であって、各シートが、下縁部から上方に延び
る切れ目を有し、送電線がその切れ目を貫通するように
することもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、実施例を挙げ、添付図面
を参照して、本発明の実施の形態を具体的かつより詳細
に説明する。実施例1 本実施例は、高圧用送電線を支える電力送電用の鉄塔の
塗装工事に用いる防護養生シート体の例である。図1
(a)及び(b)は、それぞれ、本実施例の防護養生シ
ート体をアームに取り付けた状態を示す正面図及びアー
ム先端側から見た側面図である。本実施例では、従来と
同じものには同じ符号を付してその説明を省略する。本
実施例の防護養生シート体20は、アームを挟んで対向
する2面のシート22A、Bと、2面のシート22A、
Bをそれぞれ懸架させる2個の懸架フレーム24A、B
とから構成される。
【0016】懸架フレーム 懸架フレーム24Aは、鉄塔本体12に着脱自在に連結
されるクランプ25Aを基端に有し、水平やや斜め下方
にかつアーム14と同じ方位に、アーム14の先端より
やや先方にまで延在する支持部材26Aを備えている。
また、懸架フレーム24Aは、支持部材26Aの基端よ
りやや高い位置で鉄塔本体12に着脱自在に連結され、
支持部材26A、Bの中間で支持部材26A、Bを吊っ
て支持する上部斜方吊り部材としてロープ28Aを備え
ている。更に、懸架フレーム24Aは、支持部材26A
の基端より低い位置で鉄塔本体12に着脱自在に連結さ
れるクランプ27Aを基端に有し、斜め上方に延びて支
持部材26Aの中間で支持部材26Aを支持する下部斜
支柱部材30Aを備えている。懸架フレーム24Bの構
成は、懸架フレーム24Aと同じであり、クランプ25
Bを基端に有する支持部材26Bと、ロープ28Bと、
クランプ27Bを基端に有する下部斜支柱部材30Bと
を備えている。
【0017】支持部材26は、長さL4が2.7m、径
が49.5mmφ、断面係数が8.5cm3、許容曲げ応力
が1115kg/cm2である。支持部材26の材質は、電気
絶縁性が良く、軽量で強靭性のFRP(強化プラスチッ
ク)である。下部斜支柱部材30は、径が20mmφ、長
さが1mで、アルミニウム製である。ロープ28A、B
は、何れも、長さが、鉄塔本体12の所定位置に結ぶの
に充分な3mであり、径が12mmφで、ビニロン製であ
る。
【0018】クランプ25A、B、27A、Bは、何れ
も同形状である。図2は、自立する4本の鉄柱が断面L
字状の山形鋼(アングル鋼とも言われる)で構成される
鉄塔に支持部材26を固定するクランプ25の構成を示
す平面図である。クランプ25は、鉄塔本体12に着脱
自在な着脱部32と、着脱部32に接合され、三次元的
に任意の向きに先端を向けることが可能なボールジョイ
ント34とから構成される。ボールジョイント34の先
端には、支持部材26の端部に結合される連結パイプ3
6が接合されている。クランプ27では、支持部材26
に代えて下部斜支柱部材30が連結パイプ36に結合さ
れる。尚、本実施例では、鉄塔本体12の構成部材が山
形鋼であり、着脱部32の構成は、図2に示すように、
山形鋼を挟むような構成であるが、鉄塔本体12の構成
部材がパイプ状の鋼管である場合、クランプ25及び2
7に代えて、図3に示すように、円筒部材を2分割した
ものから構成される着脱部29を有するクランプを用い
る。
【0019】シート 2面のシート22A、Bは、それぞれ、上縁部40で支
持部材26に連結され、上縁部40より懸架して下縁部
42でアーム14より下方に延在している。また、シー
トの下縁部42及び先端縁部44に、2面のシート同士
を連結する連結具として磁石群46A、Bを備えてい
る。
【0020】シート22は、メッシュ状の2重織り(ラ
ッセル織りとも言われる)で、ポリエチレン製である。
シートの寸法は、磁石群46A、Bによりシートを船底
状にした状態で、先端の縦長さL5が1.0m、後端の
縦長さL6が2.0m、先端から後端までの横長さL7
2.5mである。磁石群46A、Bは、ボタン状の異方
性フェライト磁石、又は磁石と鉄片からなり、それぞ
れ、シート22A、Bに複数個にわたり、シート内での
隣り合う磁石同士の間隔dが20cmであるように接着剤
により各シートに接着されて配置され、しかも、各磁石
は、対向する磁石又は鉄片に互いに吸着するように設け
られている。1組あたりの磁石と磁石又は鉄片との吸着
力は、0.5kgfである。
【0021】本実施例の防護養生シート体20を用いて
アーム14に塗装工事を行うには、先ず、防護養生シー
ト体20をアーム14の高さにまで上げ、クランプ25
A、Bにより支持部材26A、Bを鉄塔本体12に取り
付ける。次いで、シート22が弛まずに垂れ下がった状
態になるようにして、下部斜支柱部材30A、Bをそれ
ぞれクランプ27C、Dにより鉄塔本体12に取り付け
る。更に、ロープ28A、Bを鉄塔本体12のクランプ
25A、Bの取り付け場所よりも高い場所に緊縛する。
次いで、竿(図示せず)を用いて支持部材26A、Bを
互いに近づけ、磁石群46A、Bの互いに対向する磁石
同士、又は磁石と鉄片を各々吸着させる。この結果、シ
ート22は、図1(b)に示すように、船底状のシート
に形成される。尚、シートの側面部は、主としてアーム
14の防護の役割を果たす。その後、アーム14の塗装
工事を行う。尚、その際、ボルト締め等の他の作業を行
ってもよい。塗装工事の終了後、クランプ25、27を
外し、防護養生シート体20を地上に降ろす。
【0022】防護養生シート体20を上げる際、下部斜
支柱部材30A、Bをそれぞれ支持部材26A、Bに沿
わせて折りたたんだ状態、又は、折りたたんだものをそ
れぞれ支持部材26A、Bに巻き付けておいた状態、に
予め設定し、防護養生シート体20をアーム14の高さ
にまで上げてもよい。この場合、防護養生シート体20
を上げてクランプ25により支持部材26を鉄塔本体1
2に固定した後、シート22を必要な長さに垂れ下げ、
更に、下部斜支柱部材30A、Bをクランプ27により
鉄塔本体12に固定する。また、鉄塔本体のアームより
もやや高い場所に滑車(図示せず)を備えておき、防護
養生シート体20を地上からアームの高さ位置にまで引
き上げるのに充分な長さであるような誘導ロープを滑車
に掛けて防護養生シート体20に連結しておくと、誘導
ロープにより防護養生シート体20を容易に上げ降ろし
することができる。
【0023】本実施例により、(1)懸架フレームとシ
ートとは一体にされているので、アームに沿って防護養
生シート体20を取り付けることにより、防護養生シー
ト体20を簡単に取り付けることができる。よって、従
来のように大がかりな足場工事を行う必要がなく、防護
養生シート体の装着が著しく容易になる。 (2)防護養生シート体20の着脱が容易であるので、
降雪時等の異常気象時に短時間で容易に防護養生シート
体20を取り外すことができ、また、取り付けた状態に
復帰させることも短時間で行うことができる。このこと
は、工事終了後に再送電するために至急取り外す必要が
あるときにも大変有効である。 (3)誤って落下する工具や部品、及び塗装工事の際に
飛散する塗料は、シート22内に収容され、地上に落下
することが防止される。 (4)クランプ27及びロープ28を鉄塔本体12から
外して支持部材26A、Bを垂れ下げ、防護養生シート
体20を鉄塔本体12に沿ってロープ28で巻いて緊縛
することができる。よって、天候の急変時などの緊急時
では、従来のように緊急に養生シート16を取り外さな
くてもよいので、安全性が遥かに向上する。また、昼間
のみ防護養生シート体20を使用し、夜間では防護養生
シート体20を鉄塔本体12に沿って緊縛しておくこと
もできる。鉄塔本体12に沿っての緊縛時では、磁石
は、吸着した状態、外した状態のどちらでもよい。 (5)防護養生シート体20が、アーム14の先端の形
状に応じて徐々に細くなっている形状であると、シート
面積が小さくて済み、また、支持部材26A、Bの先端
同士が近づき、防護養生シート体20内の空間を小さく
することができる。
【0024】実施例1の改変例 図4は、本改変例の防護養生シート体の正面図及びアー
ム先端側から見た側面図である。本改変例の防護養生シ
ート体47は、防護養生シート体20に比べ、支持部材
の鉄塔本体近傍の形状が異なる。本改変例の支持部材4
8A、Bの鉄塔近傍は、図4に示すように、アーム14
の外側に向けて湾曲して膨らむように形成されており、
膨らみの頂部49A、Bは、防護養生シート体20に比
べて、10cm程度外側に膨らんでいる。本改変例のシー
ト50A、Bは、支持部材48A、Bに吊されており、
鉄塔本体近傍では、アーム14の外側に向けて膨らむ膨
らみ部52A、Bが、シート50内に形成されている。
本改変例では、鉄塔本体12とシート22A、Bとの間
から塗装刷毛を膨らみ部52A、Bに挿入して、アーム
14の吊り材13の鉄塔本体の近傍部位に塗料を塗布す
ることができる。また、実施例1と同様の効果を奏する
ことができる。
【0025】実施例2 本実施例は、実施例1に比べ、水平方向に延びている長
さがアーム14よりも長いアーム15を備えている鉄塔
に用いる防護養生シート体の例である。図5は、本実施
例の防護養生シート体の懸架フレームを示す正面図であ
る。本実施例の防護養生シート体は、アーム15を挟ん
で対向する2面のシート(図示せず)と、2面のシート
をそれぞれ懸架させる2個の懸架フレーム54とから構
成される。シートは、シート22よりも長手方向長さが
長く、シート22と同様、下縁部42及び先端縁部44
に磁石(図示せず)を備えている。
【0026】懸架フレーム54は、支持部材26A、B
よりも長手方向長さの長いパイプ状の支持部材56A、
Bと、支持部材56A、Bのそれぞれの先端に設けら
れ、アーム15の先端に当接して支持部材56A、Bを
支えるようにした当接部62A、Bとを備えている。懸
架フレーム54は、更に、下部斜支柱部材30A、Bよ
りも長い下部斜支柱部材58A、Bと、ロープ28A、
Bよりも長いロープ60A、Bと、実施例1と同じクラ
ンプ25、27とを備えている。支持部材56の水平方
向長さL8は、5mである。当接部62Aは、図5に示
すように、アーム15の先端に着脱自在なクランプ64
aと、くの字状で、支持部材56Aの先端に基端から挿
入されて仮止めされている支えパイプ64bと、クラン
プ64aの上側に上向きに設けられ、支えパイプ64b
が先端から挿入されている補助支えパイプ64cとから
構成され、当接部62Bの構成も同様である。尚、支え
パイプ64bの支持部材56Aに挿入される長さは充分
に長く、懸架フレーム54の長手方向長さは、伸縮自在
である。下部斜支柱部材58が支持部材56を支えてい
る位置Pと鉄塔本体12との水平方向の距離L9は、L9
/L8=1/5であるようにされている。
【0027】本実施例の防護養生シート体を用いるに
は、実施例1と同様にして支持部材56A、B、58
A、Bを鉄塔本体12に取り付ける。次いで、竿を用い
て支持部材26A、Bの先端を互いに近づけ、各先端を
支えパイプ64bでアーム15の先端に取り付け、更
に、磁石群46A、Bの互いに対向する磁石同士、又は
磁石と鉄片を各々吸着させる。その後、実施例1と同様
に、アーム15の塗装工事を行う。塗装工事の終了後、
クランプ25、27、64を外し、防護養生シート体を
地上に降ろす。
【0028】本実施例により、鉄塔本体12から水平方
向に長く延びているアーム15を充分に養生することが
可能になる。また、防護養生シート体の適用可能なアー
ムの長さ範囲は、充分に広い。更に、実施例1と同様の
効果を奏することができる。
【0029】実施例2の改変例 本改変例は、送電線を支持する絶縁碍子を懸架している
アームを養生する防護養生シート体の例である。図6
は、本改変例の防護養生シート体の正面図である。本改
変例では、アーム15が、3本の絶縁碍子66A〜Cを
懸架しており、各絶縁碍子を介して高電圧用の送電線6
8A〜Cをそれぞれ支えている。尚、碍子66Cは、ア
ーム15の先端に懸架されている。本改変例の防護養生
シート体69は、実施例2のシートに代えて、各シート
が、下縁部から上方に延びる2本の切れ目70A、B
と、切れ目70A、Bの上端にそれぞれ孔71A、Bと
を有し、鉄塔本体12への取り付け時に、絶縁碍子66
A、B及び送電線が孔71A、Bを貫通して、絶縁碍子
66A、Bがシート74A、Bの外側に位置するように
したシート74A、Bを備えている。尚、シート74
は、防護養生シート体69を鉄塔本体12に取り付けた
時、シート74の先端側縁部76が、絶縁碍子66Cよ
りも少し鉄塔本体側に位置するような寸法である。各シ
ートの孔71の周囲には、互いに吸着するような、磁石
群46A、Bと同様の磁石群が設けられていてもよい。
【0030】防護養生シート体69を用いるには、先
ず、実施例2と同様にして、クランプ25、27により
防護養生シート体69を鉄塔本体12に取り付ける。こ
の結果、送電線68A、Bが、それぞれ、切れ目70
A、Bを貫通し、また、碍子66A、Bが、シート74
A、Bの外側に位置する。次いで、実施例2と同様にし
て、支持部材56A、Bを互いに近づけて、クランプ6
4bを用いて支持部材56A、Bの先端をアーム15の
先端に取り付ける。次いで、実施例2と同様、シート7
4の磁石群を吸着させ、アーム15の塗装工事を行う。
これにより、アーム15が碍子を懸架して送電線を支え
ていても、実施例2と同様の効果を奏することができ
る。また、本改変例では、シート74の先端側縁部76
に磁石が設けられていなくても、特に問題は生じないよ
うにされている。尚、絶縁碍子及び送電線の本数が更に
多い場合、本改変例と同様にして、切れ目及び孔をシー
ト74に更に形成すればよい。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、防護養生シート体は、
基端で鉄塔本体に着脱自在に連結され、アームと同じ方
位に少なくともアームの先端より先方まで延在する支持
部材を有する懸架フレームと、上縁部で支持部材に懸架
され、下縁部でアームより下方に延在し、相互に連結さ
れた2面のシートとを備えている。シートと懸架フレー
ムとは一体にされているので、防護養生シート体をアー
ムに沿って鉄塔に取り付けることにより、防護養生シー
ト体を簡単に装着することができる。よって、従来の方
法に比べ、大がかりな足場が不要になり、養生シートの
装着が著しく容易になる。高所作業を行う際、例えば鉄
塔のアームに塗装工事を行う際に、アームに防護養生シ
ート体を装着することにより、誤って落下した工具、塗
料等は、シート同士を連結した袋状のシート下部で受け
止められ、そこに収容されるので、地上に落下するよう
なことはない。よって、従来の養生方法に比べて、落下
物による被害を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)及び(b)は、それぞれ、実施例1
の防護養生シート体を鉄塔のアームに取り付けた状態を
示す正面図及びアーム先端側から見た側面図である。
【図2】実施例1のクランプの構成を示す平面図であ
る。
【図3】実施例1のクランプの構成を示す平面図であ
る。
【図4】実施例1の改変例の防護養生シート体のアーム
先端側から見た側面図である。
【図5】実施例2の防護養生シート体の懸架フレームを
示す正面図である。
【図6】実施例2の改変例の防護養生シート体の正面図
である。
【図7】図7(a)及び(b)は、それぞれ、従来の防
護養生シート体を高電圧の電力送電用の鉄塔に巻いた状
態を示す正面図及び側面図である。
【符号の説明】
10 鉄塔 12 鉄塔本体 13 吊り材 14A〜C アーム 15 アーム 16 養生シート 20 防護養生シート体 22A、B シート 24A、B 懸架フレーム 25A、B クランプ 26A、B 支持部材 27A、B クランプ 28A、B ロープ 29 着脱部 30A、B 下部斜支柱部材 32 着脱部 34 ボールジョイント 36 連結パイプ 40 上縁部 42 下縁部 44 先端縁部 46A、B 磁石群 47 防護養生シート体 48A、B 支持部材 49A、B 頂部 50A、B シート 52A、B 膨らみ部 54 懸架フレーム 56A、B 支持部材 58A、B 下部斜支柱部材 60A、B ロープ 62A、B 当接部 64a クランプ 64b 支えパイプ 64c 補助支えパイプ 66A〜C 絶縁碍子 68A、B 送電線 69 防護養生シート体 70A、B 切れ目 71A、B 孔 74A、B シート 76 先端側縁部

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄塔本体上部に水平方向に延びるアーム
    を備える鉄塔で高所作業する際、アームを養生する仮設
    の防護養生シート体であって、 アームを挟んで対向する2面のシートと、2面のシート
    をそれぞれ懸架させる2個の懸架フレームとを備え、 各懸架フレームは、 基端で鉄塔本体に着脱自在に連結され、水平又は斜め下
    方にかつアームと同じ方位に少なくともアームの先端よ
    り先方まで延在する支持部材と、支持部材の基端より高
    い位置で鉄塔本体に着脱自在に連結され、斜め下方に延
    びて、支持部材の中間で支持部材を吊って支持する上部
    斜方吊り部材と、支持部材の基端より低い位置で鉄塔本
    体に着脱自在に連結され、斜め上方に延びて支持部材の
    中間で支持部材を支持する下部斜支柱部材の少なくとも
    一方を有し、 各シートは、上縁部で懸架フレームの支持部材に連結さ
    れ、上縁部より懸架して下縁部でアームより下方に延在
    し、かつシートの外縁部のうちの少なくとも下縁部に2
    面のシート同士を相互に連結する連結具をを備えている
    ことを特徴とする防護養生シート体。
  2. 【請求項2】 懸架フレームが、アームの先端に当接す
    る当接部を支持部材に備え、当接部を介してアームによ
    り支持されることを特徴とする請求項1に記載の防護養
    生シート体。
  3. 【請求項3】 支持部材及び下部斜支柱部材は、クラン
    プにより鉄塔本体に着脱自在に連結されることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の防護養生シート体。
  4. 【請求項4】 2面のシートに設けられた連結具は、相
    互に吸引する対の磁石、又は磁石と鉄片で構成され、一
    方のシート面に磁石が、他方のシート面に磁石又は鉄片
    がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1か
    ら3のうちのいずれか1項に記載の防護養生シート体。
  5. 【請求項5】 上部斜方吊り部材はロープで構成されて
    いることを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか
    1項に記載の防護養生シート体。
  6. 【請求項6】 各懸架フレームの支持部材を鉄塔近傍で
    アームの外方に湾曲させ、 アームを塗装する際に、アームとシートとの間から塗装
    刷毛を挿入できるようにしたことを特徴とする請求項1
    から5のうちのいずれか1項に記載の防護養生シート
    体。
  7. 【請求項7】 防護養生シート体が、送電線を支持する
    絶縁碍子を懸架しているアームを養生する防護養生シー
    ト体であって、 各シートが、下縁部から上方に延びる切れ目を有し、送
    電線がその切れ目を貫通するようにしたことを特徴とす
    る請求項1から6のうちのいずれか1項に記載の防護養
    生シート体。
JP9184722A 1997-07-10 1997-07-10 防護養生シート体 Expired - Lifetime JP2981447B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9184722A JP2981447B2 (ja) 1997-07-10 1997-07-10 防護養生シート体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9184722A JP2981447B2 (ja) 1997-07-10 1997-07-10 防護養生シート体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1130041A JPH1130041A (ja) 1999-02-02
JP2981447B2 true JP2981447B2 (ja) 1999-11-22

Family

ID=16158230

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9184722A Expired - Lifetime JP2981447B2 (ja) 1997-07-10 1997-07-10 防護養生シート体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2981447B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007262768A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Yondenko Corp ベンド上の養生装置及びそれを用いたベンド上の養生工法
JP5914098B2 (ja) * 2012-03-29 2016-05-11 Necネッツエスアイ株式会社 鉄塔作業用保護具
CN105536164B (zh) * 2015-12-17 2019-05-24 上海亿湾特训练设备科技有限公司 一种防跳楼救援网
CN113374287A (zh) * 2021-06-25 2021-09-10 云南新劲宏铝塑幕墙装饰工程有限公司 一种新型钢结构工程施工用护栏装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1130041A (ja) 1999-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20090020363A1 (en) Scaffolding fall protection system
CN203080894U (zh) 建筑钢结构施工防护装置
CN111424952A (zh) 一种爬架转角连接装置及爬架总成
JP6312109B1 (ja) 仮設足場用安全装置
JP2981447B2 (ja) 防護養生シート体
WO2017151990A1 (en) Containment shroud system
US5033240A (en) Method and apparatus to enshroud large vertical structures
CN212053859U (zh) 建筑主体结构施工用水平悬挑柔性防护网
CN209011743U (zh) 一种电力检修用电杆攀登装置
CN109205482A (zh) 幕墙采光顶的吊装装置
CN209210243U (zh) 幕墙采光顶的吊装装置
CN114033189A (zh) 大面积高空网架结构铝格栅吊顶施工装置及施工方法
CN211447860U (zh) 一种工具式外悬挑防护装置
JP3462576B2 (ja) 外装仕上げ用パネルの狭空間施工方法及び装置
RU2400889C1 (ru) Трап
CN212507521U (zh) 一种伸缩式电梯井防护装置
CN218912340U (zh) 一种建筑施工防护装置
CN216530208U (zh) 一种户外电缆终端检修平台
CN217840808U (zh) 高空施工平台
CN113700281B (zh) 用于烟囱外壁涂装的电动吊篮无配重装置及安装方法
CN209668648U (zh) 一种塔吊扶墙操作平台
CN219034108U (zh) 一种接火装置及操作平台
CN219118838U (zh) 一种电梯井道防护装置
CN216920071U (zh) 一种悬空式桥梁反吊作业平台
CN216913799U (zh) 一种可装配化简易钢丝绳挂架