JP2980421B2 - ニューラルネット・モデルを用いた制御器 - Google Patents

ニューラルネット・モデルを用いた制御器

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JP2980421B2
JP2980421B2 JP3204038A JP20403891A JP2980421B2 JP 2980421 B2 JP2980421 B2 JP 2980421B2 JP 3204038 A JP3204038 A JP 3204038A JP 20403891 A JP20403891 A JP 20403891A JP 2980421 B2 JP2980421 B2 JP 2980421B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラント制御を始めと
する各種の制御システムにおいて利用されるニューラル
ネット・モデルを用いた制御器に係わり、特に外乱変動
の抑制や特性変化に適応可能な制御に関する。
【0002】
【従来の技術】発電用ボイラや化学プラントなどのプラ
ント制御分野で、外乱に対する制御性を向上させるため
には、フィードフォワード制御器(アルゴリズム)を用
い、制御量を変動させる要因となる状態量(例えば、負
荷量,原料流量など)を外乱信号として入力し、この信
号を係数倍したり、1次遅れ要素や不完全微分要素や1
次進み遅れ要素などの線形要素で特性変換してフィード
フォワード制御信号を生成し、フィードバック制御器の
出力に加える方式が採られている。また、ニューラル・
ネットをフィードフォワード制御器として用いた例とし
ては、図11に示すように(特開平2-54304 号)、目標値
を微分回路を介して階層形ニューラル・ネット(そのシ
ナプス荷重はフィードバック制御演算部の出力が零にな
るように学習によって決めている)へ入力し、その出力
をフィードバック制御演算部の出力に加え、制御量を目
標値に忠実に追従させようとする制御器が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】プラント制御分野で
は、外乱による制御量の変動を抑制することが第一義的
に重要で、目標値変化に対する追従性は2次的である場
合が多い。この観点からすると、前述の図11に示した制
御器は外乱に対する制御性を何ら向上させるものではな
い。この外乱抑制のためには、外乱信号を入力とするフ
ィードフォワード制御器(アルゴリズム)を使用してい
るが、それをある特性の状況下で良好に機能するように
すればする程、少し異なる状況下ではフィードフォワー
ド効果が現われなくなったり、かえって逆効果となって
制御性を悪化させる場合がよくある。
【0004】これは主に外乱から制御量への伝達特性
や、操作量から制御量への伝達特性が厳密には殆どの場
合、非線形特性であるにもかかわらず線形特性と做し
て、線形特性のフィードフォワード制御器を使用してい
ることに起因している。本発明は上記事情に鑑みてなさ
れたものであり、広範囲なプラント非線形特性に対応す
る非線形特性をもたすことができ、また学習可能性によ
りプラント特性変化にも容易に適応できる、外乱抑制性
の優れたニューラルネット・モデルを用いた制御器を提
供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明による制御器は、目標値と制御量の偏差に基
づいて操作量を発生してプロセスに与えるフィードバッ
ク制御手段と、外乱要素に基づいて操作量に補正を加え
るフィードフォワード制御手段とからなり、前記目標値
と制御量の偏差に基づく制御対象の制御量が外乱値変動
による目標値の変化時にも影響を受けずに制御する制御
器において、外乱信号から制御量への順特性をモデル化
した時系列信号を扱える外乱特性ニューラル・ネット
と、操作量と制御量との間の逆特性をモデル化した時系
列信号を扱えるプロセス逆特性ニューラル・ネットとを
直列接続してなる複合ニューラル・ネットを構成要素と
し、前記制御系の操作量を教師信号として入力して学習
則により外乱特性ニューラル・ネットのシナプス荷重を
オンラインで修正する外乱特性学習手段と、前記制御系
の偏差を教師信号として入力して学習則によりプロセス
逆特性ニューラル・ネットのシナプス荷重をオンライン
で修正するプロセス逆特性学習手段との両者を備えると
共に、前記フィードバック制御手段の出力が一定の時
に、前記外乱特性学習手段の動作を許可し、前記外乱要
素からの外乱信号値が一定の時に前記プロセス逆特性手
段の動作を許可する学習管理手段を備えた。 [作用] この複合ニューラル・ネットをフィードフォワード制御
要素として採用することにより、種々の操業条件下で
も、その非線形特性により外乱による制御量を極力抑制
できる確実なフィードフォワード制御を実行できる。更
に、ニューラル・ネットのシナプス荷重を学習則により
オンラインで修正する学習要素を付加することにより、
特性変化にも適応したフィードフォワード制御を実行で
きる。また、前述の複合ニューラル・ネットを、別のニ
ューラル・ネットで構成されるフィードバック制御要素
が学習するための教師信号を発生する要素として採用す
ることにより、外乱抑制性が優れたフィードバック制御
を実行できる。更に、教師信号を発生するニューラル・
ネットのシナプス荷重を学習則によりオンラインで修正
する学習要素を付加することにより、特性変化にも適応
したフィードバック制御を実行できる。
【0006】
【実施例】まず、この発明で使用される学習可能な時系
列信号を扱えるニューラル・ネットの実施例について図
面を参照して説明する。図4はその一実施例を示す構成
図である。即ち、入力信号を微分する微分要素4と、図
10に示すような人工ニューロン素子を図4に示す如く入
力層1,中間層2及び出力層3の順序で接続して、入力
層の人工ニューロン素子に入力信号そのまま及びそれを
微分した信号を入力し、中間層を経て出力層からモデル
出力値を出力信号として得る方式である。即ち、このニ
ューラル・ネットでは、線形特性の場合のモーメント表
現の動特性モデルに相当する非線形の動特性モデルを実
現している。
【0007】なお、図10に示した人工ニューロン素子
は、入力データXj (j=1,2,…N )にシナプス荷重(シ
ナプス可変結合係数)Wj (j=1,2,…N )を乗算して得
られた なる出力を得る機能を有している。なお、fがシグモナ
イド関数のとき非線形出力となる。したがって、実対象
プロセスの出力時系列信号を教師信号として、このニュ
ーラル・ネットの出力信号と比較して、その誤差が極小
となるように誤差逆伝播学習則などの学習則でシナプス
荷重を修正していくことにより、実対象プロセスの非線
形動特性を忠実にモデル化することができる。
【0008】次に、他の実施例を図5を用いて説明す
る。本実施例は入力信号がサンプリングされた離散値時
系列信号を扱うもので、図4の微分要素4の代りに、1
サンプリング時間だけ信号を遅延させる遅延要素5を1
ないし複数個用いて構成される。本実施例によれば、こ
のニューラル・ネットにより、線形特性の場合のAR
(auto-regressive 自己回帰)モデルに相当する、非線
形特性モデルを実現している。
【0009】更に、他の実施例を図6を用いて説明す
る。本実施例は入力層へ入力する信号として、このニュ
ーラル・ネットへの入力信号以外に、このニューラル・
ネットの出力信号及びそれを微分要素4で微分した信号
を用いる構成である。本実施例によれば、このニューラ
ル・ネットにより線形特性の場合の分母系列表現モデル
に相当する、非線形の動特性を実現している。なお、入
力層へ入力するニューラル・ネットの出力信号の代り
に、このニューラル・ネットでモデル化している対象の
実プロセスの出力信号を用いてもよい。更に切換要素6
を設けて、ニューラル・ネットの学習時には実プロセス
信号を選択し、制御動作に使用する時にはニューラル・
ネットの出力信号を選択して入力層へ入力させてもよ
い。
【0010】更に、他の実施例を図7を用いて説明す
る。本実施例は特性の中間状態量も出力できるように、
出力層を複数個の人工ニューロンから構成し、入力信号
と共にそれらの出力を入力層の各々の人工ニューロンに
入力するように構成されている。本実施例によれば、こ
のニューラル・ネットにより線形特性の場合の状態遷移
方程式モデルに相当する、非線形の動特性モデルを実現
できる。なお、図6の実施例と同様に切換要素6を設
け、出力層の出力の代りに実プロセス信号を選択して入
力層へ入力してもよい。
【0011】更に、他の実施例を図8を用いて説明す
る。本実施例は図5に示した実施例に離散値時系列であ
る出力信号を遅延させる遅延要素5を更に1ないし複数
個設け、これらの出力も入力層の各々の人工ニューロン
に入力させるようにして構成される。本実施例によれ
ば、このニューラル・ネットにより線形特性の場合のA
RMA(auto-regressive moving average 自己回帰移
動平均)モデルに相当する、非線形の動特性モデルを実
現している。なお、図6の実施例と同様に切換要素6を
設け、ニューラル・ネットの出力信号の代りに実プロセ
ス信号を選択して入力層へ入力させることもできる。
【0012】更に、他の実施例を図9を用いて説明す
る。本実施例はニューラル・ネットの構成要素である人
工ニューロンとして、その出力をフィードバックして入
力できるようにして過去の履歴の影響を受ける(記憶で
きる)ようにした人工ニューロンを用いて構成したリカ
レントタイプのニューラル・ネットである。本実施例に
よれば、このニューラル・ネットにより線形特性の場合
の線形動特性要素を用いたブロック線形表現モデルに相
当する、非線形の動特性モデルを実現している。なお、
前述の実施例の構成図で、入力信号及び出力信号は各々
1本のラインで表現しているが、これらをベクトル量と
し、対応する人工ニューロンも複数個からなっていると
することにより、多入出力系の非線形動特性モデルとす
ることもできる。
【0013】次に、前述の時系列信号を扱えるニューラ
ル・ネットをフィードフォワード制御要素として用いた
制御器の一実施例について図1を用いて説明する。制御
対象としては、操作量uがプロセス特性(P)10を介し
てyPとなり、外乱信号dが外乱特性(D)11を介して
D となり、この両者が加算されて制御量y(=yP
D )となる特性のプラントを想定する。
【0014】これを制御する制御器は、時系列信号を扱
える外乱特性をモデル化した外乱特性ニューラル・ネッ
ト(特性ND )16と、時系列信号を扱えるプロセス逆特
性をモデル化したプロセス逆特性ニューラル・ネット
(特性NP -1)17とを、直列に接続した複合ニューラル
・ネットであるフィードフォワード制御要素15と、フィ
ードバック制御要素14と比較要素12と加算要素13とから
構成される。なお、図1でニューラル・ネットとして図
4のタイプのものを図示したが、図5〜図9のものでも
よい。
【0015】即ち、比較要素12で目標値rから制御量y
を減じて制御偏差eを発生し、フィードバック制御要素
(特性C)14でこの制御偏差eが零になるように出力u
b を発信し、他方、外乱特性ニューラル・ネット15へ外
乱信号dを入力し、その出力uy をプロセス逆特性ニュ
ーラル・ネット17へ入力し、その出力uf をフィードフ
ォワード制御信号とする。その信号を符号反転要素18で
符号を反転して加算要素13でub と−uf を加算し、操
作量uとしてプラントへ出力する。ここで外乱特性ニュ
ーラル・ネット16の特性ND は、プラントにおける外乱
特性Dに、プロセス逆特性ニューラル・ネット17の特性
P -1はプラントにおけるプロセス特性Pの逆特性P-1
にできるだけ近い特性であることを要す。本実施例では
これを図2に示す機構でニューラル・ネットのシナプス
荷重を学習させることにより実現している。
【0016】図2(a) は信号yP から操作量uへの特
性、即ち、実世界での操作量uから信号yP へのプロセ
ス特性に対する逆特性をモデル化するプロセス逆特性ニ
ューラル・ネット17の学習機構を示す図である。しかし
信号yP は単独には観測できず、信号yD が加わった制
御量yしか観測できない。したがって、この学習は外乱
dにしたがってyd が零あるいは一定と做せる時に実施
する。即ち、操作量uを実プラントに加え検出された制
御量yをプロセス逆特性ニューラル・ネット17へ入力
し、発生した出力*uf を教師信号でもある操作量uと
比較要素20で比較して誤差Eu を発生し、この誤差Eu
が減少するように逆伝播学習則などの学習則により、プ
ロセス逆特性ニューラル・ネット17のシナプス荷重を修
正していく。
【0017】かくして、誤差Eu が充分に小さくなれ
ば、プロセス逆特性ニューラル・ネット17はプロセス逆
特性(P-1)を学習により習得したことになる。なお、
プロセス逆特性ニューラル・ネット17として図7に示し
たタイプのニューラル・ネットを使用する場合には、プ
ロセスの中間状態量*yP も入力して使用する。なお、
この時には、この中間状態量*yP も教師信号として使
用する。また、図6,図8のタイプのニューラル・ネッ
トを使用する際には、信号*uf あるいは操作量uも入
力して使用する。なお、この場合、フィードバック信号
切換要素21を設けて、ニューラル・ネットの学習時には
操作量uを選択して入力し、制御に使用する時には操作
量uにはフィードバック制御要素14の出力も含まれてい
て使用できないため、信号*uf を選択して入力する場
合ある。かくして、学習が完了すると、プロセス逆特性
ニューラル・ネット17の前に設けた入力信号切換要素22
で外乱特性ニューラル・ネット16の出力信号uy を選択
するように切換え、信号uy をプロセス逆特性ニューラ
ル・ネット17へ入力する。
【0018】更に、プロセス逆特性ニューラル・ネット
17の出力を、後段に設けた出力信号切換要素23でフィー
ドフォワード制御信号uf として、フィードバック制御
要素14の出力ラインに設けた加算要素13へ導くように行
先を切換える。また学習除外要素24でシナプス荷重の修
正動作を停止させる。なお、プロセス逆特性ニューラル
・ネットとして学習要と制御要を別々に設けた場合に
は、入力信号切換要素22,出力信号切換要素23,学習除
外要素24の代りに、学習用ニューラル・ネットのシナプ
ス荷重値を読み取り、制御用シナプス荷重値として、そ
のまま設定する機構を設けて、学習終了時に実行させる
ようにしてもよい。
【0019】次に、図2(b) は外乱信号dから信号yD
への特性、即ち、外乱信号dが制御量へ影響を及ぼす特
性をモデル化する外乱特性ニューラル・ネット16の学習
機構を示す図である。しかし、信号yD は単独には観測
できず信号yP が加わった制御量yしか観測できない。
したがって、この学習は操作量uの発生を手動に切換え
て一定出力時に実施する。ここで外乱dがない時に制御
量yを目標値rに一致させる操作量uを手動で発生させ
れば信号yP =rであるから、信号yD =y−r=−e
となり、制御偏差eの符号を反転した信号を教師信号と
して使用することができる。
【0020】したがって、外乱信号dを外乱特性ニュー
ラル・ネット16へ入力し、その出力*uy を教師信号−
eと比較要素30で比較して誤差Ey を発生し、この誤差
y が減少するように逆伝播学習則などの学習則により
外乱特性ニューラル・ネット16のシナプス荷重を修正し
ていく。かくして、誤差Ey が充分に小さくなれば、外
乱特性ニューラル・ネット16は外乱特性(D)を学習に
より習得したことになる。なお、外乱特性ニューラル・
ネット16として図7に示したタイプのニューラル・ネッ
トを使用する場合には、中間状態量*yD も入力して使
用する。なお、この時には、この中間状態量*yD も教
師信号として使用する。
【0021】また、図6,図8のタイプのニューラル・
ネットを使用する際には、信号*uy あるいは信号−e
も入力して使用する。なお、この場合、フィードバック
信号切換要素31を設けて、ニューラル・ネットの学習時
には信号−eを選択して入力し、制御に使用する時には
信号yD =−eとはならなくなるので信号*uy を選択
して入力する場合もある。かくして、学習が完了する
と、学習除外要素34でシナプス荷重の修正動作を停止さ
せ、外乱特性ニューラル・ネット16の後段に設けた出力
信号切換要素33で、外乱特性ニューラル・ネット16の出
力を、信号uyとしてプロセス逆特性ニューラル・ネッ
ト17の入力信号となるように行先を切換える。なお、外
乱特性ニューラル・ネットとして学習用と制御用を別々
に設けた場合には、出力信号切換要素33,学習除外要素
34の代りに、学習用ニューラル・ネットのシナプス荷重
値を読み取り、制御用シナプス荷重値としてそのまま設
定する機構を設けて、学習終了時に実行させるようにし
てもよい。
【0022】なお、フィードバック制御要素の出力が一
定の時には、外乱特性学習機構の学習によるシナプス荷
重修正動作を許可し、外乱信号値が一定の時には、プロ
セス逆特性学習機構の学習によるシナプス荷重修正動作
を許可する学習管理機構を設けて、学習を自動化する場
合もある。かくして、図1に示した制御器で、外乱特性
ニューラル・ネット16の特性ND は外乱特性Dにほぼ等
しく(ND **D)、プロセス逆特性ニューラル・ネッ
ト17の特性NP -1は、プロセス逆特性P-1にほぼ等しく
なる(なお、**はほぼ等しい意味として使用。以下同
じ)。したがって、外乱信号dを入力すると非線形のフ
ィードフォワード制御信号uf =NP -1・ND ・dを発
生し、符号を反転してプラントへ加えられると制御量に
−P・uf =−P・NP -1・ND ・d**−ND ・dの
影響を与えようとする。外乱dの制御量への影響量はD
・dであるので、D・d−ND ・d**0となる。即
ち、本制御器を用いることにより外乱特性Dが非線形で
あっても、外乱による制御量の変動をほぼ完全に抑制す
ることができる。
【0023】更に特性変化が生じて、良好なフィードフ
ォワード制御ができなくなった場合でも、学習機構を動
作させて特性を再学習させることにより、再び良好なフ
ィードフォワード制御ができるように容易に復元でき
る。また、一般にフィードバック制御要素14は目標値変
化に対して制御量に行過ぎが生じないように制御設計し
ているが、この場合には外乱による変動を速やかに解消
する点で難点がある。しかし前述の制御器を用いること
により外乱に対する制御性も向上し、2自由度制御器と
しての性質を備えている。
【0024】次に、前述の複合ニューラル・ネットを、
学習可能で時系列信号を扱えるニューラル・ネットから
なるフィードバック制御要素の教師信号を発生する要素
として用いた一実施例について図3を用いて説明する。
制御対象としては、図1で述べたものと同じものを想定
している。これを制御する本発明の制御器は、目標値r
と制御量yを比較する比較要素12と学習可能で時系列信
号を扱えるニューラル・ネットからなるフィードバック
制御要素(特性C′)44と教師信号発生要素45と教師信
号ut と操作量uを比較する比較要素51と学習要素52と
か構成される。
【0025】ここで、教師信号発生要素45は、学習可能
で時系列信号を扱え外乱特性をモデル化した外乱特性ニ
ューラル・ネット(特性ND )16と、学習可能で時系列
信号を扱えプロセス逆特性をモデル化したプロセス逆特
性ニューラル・ネット(特性NP -1)17と、外乱信号d
に対する望ましい制御量の応答特性を表わす規範モデル
要素(特性M(S),S:ラプラス演算子)49と、規範モ
デル要素49の出力から外乱特性ニューラル・ネット16の
出力を減じる減算要素50とから構成される。
【0026】なお、図3でニューラル・ネットとして図
4のタイプのものを図示したが、図5〜図9のものでも
よい。即ち、比較要素12で目標値rから制御量yを減じ
て制御偏差eを発生し、ニューラル・ネットからなるフ
ィードバック制御要素(特性C′)44でこの制御偏差e
が零になるように操作量uを発生し、プラントを操作す
る。なお、フィードバック制御要素44として、制御量y
も入力するZ-P Dタイプとする場合もある。他方、外乱
信号dは規範モデル要素(特性M(S) )49と、外乱特性
ニューラル・ネット(特性ND )16へ入力される。規範
モデル要素49としては、その特性が例えば下記の伝達関
数で表わされる要素を使用して、外乱信号dを特性変換
する。 (但し、α0 =α1 =1,α2 =0.5 ,α3 =0.15 β:ゲインに関する係数, σ:指定する減衰時定数, S:ラプラス演算子)
【0027】また、外乱特性ニューラル・ネット16で特
性変換された信号を、減算要素50で規範モデル要素49の
出力信号から減じてプロセス逆特性ニューラル・ネット
17へ発信する。そして、この信号をプロセス逆特性ニュ
ーラル・ネット17で特性変換し、教師信号ut (=NP
-1(M(S) −ND )・d)として発信する。比較要素51
ではこの教師信号ut とフィードバック制御要素44の出
力である操作量uを比較し、誤差Eを学習要素52へ発信
する。学習要素52ではこの誤差Eが極小になるように逆
伝播学習則などの学習則に基づき、ニューラル・ネット
からなるフィードバック制御要素44のシナプス荷重を修
正していく。
【0028】外乱特性ニューラル・ネット16の特性ND
は外乱特性Dを学習により習得したものであり(ND
*D)、プロセス逆特性ニューラル・ネット17の特性N
P -1はプロセス特性Pの逆特性を学習により習得したも
のである(NP -1**P-1)。したがって、外乱信号d
が入った時フィードバック制御要素44は、動特性NP -1
(M(S) −ND )・d**P-1(M(S) −D)dの操作
量uを発信するフィードバック制御要素となる。この操
作量がプラントに加えられるとyP **P・P-1(M
(S) −D)d=(M(S) −D)dとなる。更にプラント
ではこれに外乱信号による影響yD =D・dが加わるの
で制御量y=yP +yD **M(S) dとなる。即ち、こ
の制御器は、外乱が加わった時に制御量を指定した規範
モデル応答に近い応答特性で制御できる。
【0029】なお、規範モデルのゲインに関する係数β
を小さくすればする程、外乱が入っても制御量が乱され
なくなり、減衰時定数σを小さくすればする程、制御量
が外乱によって乱されても素早く減衰して元に回復する
対外乱性の優れた制御器となる。しかし、あまり小さく
すると操作量が大きく振れるようになり、ロバスト性
(特性変動に対する頑健性)が減るので、β,σの値と
してはこれらの制約が満たされる範囲でできるだけ小さ
い値を指定するようにしている。このことは本制御器の
使用者にプラント状況を考慮して、制御性を決めうる自
由度を与え実用に的している。
【0030】即ち、種々のプラント操業条件を考慮する
と、プロセス特性P及び外乱特性Dは必然的に非線形特
性となるが、本制御器はニューラル・ネットの使用によ
りそのような非線形性にも対応できるので、どのような
プラント操業時にもプロセス制御分野で重要な対外乱制
御性の優れたフィードバック制御を可能にする制御器と
なっている。なお、図2に示した外乱特性ニューラル・
ネット16及びプロセス逆特性ニューラル・ネットの学習
要素を付加すれば、プラント操作員の制御系調節作業を
軽減するオンライン・自動チューニング制御器ともな
る。なお、プロセス逆特性ニューラル・ネット17の入力
として、目標値rの符号を反転した信号を加えて入力す
るようにすることにより、プロセス逆特性ニューラル・
ネット17は目標値rに対して−NP -1・rに相当する信
号を発生する。これにより制御量はy=P×(-1)×
(−NP -1r)**rとなる。即ち、これにより外乱に
対するフィードフォワード制御と共に、目標値変化時に
も制御量をフィードフォワード制御モードで良好に追従
させることができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればニ
ューラル・ネットの非線形特性をモデル化できる能力
と、そのモデルを学習により習得できる能力を活用し
て、外乱特性をモデル化したニューラル・ネットと、プ
ロセス逆特性をモデル化したニューラル・ネットを直列
に結合した複合ニューラル・ネットにより、広範囲なプ
ラント操業条件のもとでも優れた対外乱制御性を有し、
プラント特性変動に対して適応性を有す、フィードフォ
ワード制御機能あるいはフィードバック制御機能を具備
した制御器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複合ニューラル・ネットをフィードフォワード
制御要素とした実施例の構成図。
【図2】ニューラル・ネットの学習機構図。
【図3】複合ニューラル・ネットをフィードバック制御
要素の教師信号発生要素とした実施例の構成図。
【図4】時系列信号を扱えるモーメント表現モデル・タ
イプのニューラル・ネットの構成図。
【図5】時系列信号を扱えるARモデル・タイプのニュ
ーラル・ネットの構成図。
【図6】時系列信号を扱える分母系列表現モデル・タイ
プのニューラル・ネットの構成図。
【図7】時系列信号を扱える状態遷移方程式モデル・タ
イプのニューラル・ネットの構成図。
【図8】時系列信号を扱えるARMAモデル・タイプの
ニューラル・ネットの構成図。
【図9】時系列信号を扱えるブロック線図モデル・タイ
プのリカレント・ニューラル・ネットの構成図。
【図10】人工ニューロン素子の概念説明図。
【図11】ニューロン・ネットを用いた従来の制御器の構
成図。
【符号の説明】
1 入力層人工ニューロン 2 中間層人工ニューロン 3 出力層人工ニューロン 4 微分要素 5 遅延要素 6 切換要素 10 プロセス特性 11 外乱特性 12,20,30,51 比較要素 13 加算要素 14 44 フィードバック制御要素 15 フィードフォワード制御要素 16 外乱特性ニューラル・ネット 17 プロセス逆特性ニューラル・ネット 18 符号反転要素 21,31 フィードバック信号切換要素 22 入力信号比較要素 23,33 出力信号切換要素 24,34 学習除外要素 35,50 減算要素 45 教師信号発生要素 49 規範モデル要素 52 学習要素

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目標値と制御量の偏差に基づいて操作量
    を発生してプロセスに与えるフィードバック制御手段
    と、外乱要素に基づいて操作量に補正を加えるフィード
    フォワード制御手段とからなり、前記目標値と制御量の
    偏差に基づく制御対象の制御量が外乱値変動による目標
    値の変化時にも影響を受けずに制御する制御器におい
    て、外乱信号から制御量への順特性をモデル化した時系
    列信号を扱える外乱特性ニューラル・ネットと、操作量
    と制御量との間の逆特性をモデル化した時系列信号を扱
    えるプロセス逆特性ニューラル・ネットとを直列接続し
    てなる複合ニューラル・ネットを構成要素し、前記制
    御系の操作量を教師信号として入力して学習則により外
    乱特性ニューラル・ネットのシナプス荷重をオンライン
    で修正する外乱特性学習手段と、前記制御系の偏差を教
    師信号として入力して学習則によりプロセス逆特性ニュ
    ーラル・ネットのシナプス荷重をオンラインで修正する
    プロセス逆特性学習手段の両者を備えると共に、前記
    フィードバック制御手段の出力が一定の時に、前記外乱
    特性学習手段の動作を許可し、前記外乱要素からの外乱
    信号値が一定の時に前記プロセス逆特性手段の動作を許
    可する学習管理手段を備えたことを特徴とするニューラ
    ルネット・モデルを用いた制御器。
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