JP2977974B2 - 固体撮像装置 - Google Patents

固体撮像装置

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JP2977974B2
JP2977974B2 JP3309329A JP30932991A JP2977974B2 JP 2977974 B2 JP2977974 B2 JP 2977974B2 JP 3309329 A JP3309329 A JP 3309329A JP 30932991 A JP30932991 A JP 30932991A JP 2977974 B2 JP2977974 B2 JP 2977974B2
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浩 谷川
哲夫 苫
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Fuirumu Maikuro Debaisu Kk
Fuji Photo Film Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は撮像装置に関し、特に半
導体ホトダイオード等の光電変換素子と電荷結合デバイ
ス(CCD)を用いた固体撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】固体撮像装置として、CCD転送方式の
ものが知られており、電子カメラ、複写機、その他の映
像機器に利用されている。多数のホトダイオードを垂
直、水平方向に配列し、画素行列を形成する。さらに、
各ホトダイオード列に隣接して垂直電荷転送路(VCC
D)を形成し、各VCCDの終端に隣接して水平電荷転
送路(HCCD)を形成する。
【0003】このような固体撮像装置を用いた電子スチ
ルカメラ等において、全ホトダイオード(PD)を同時
に露光し、独立に信号を読みだしたいという要求があ
る。従来のインターライン(IT)型、フレームトラン
スファ(FT)型、フレームインターライントランスフ
ァ(FIT)型等の撮像装置においては、露光のために
メカニカルシャッターを用いている。メカニカルシャッ
ターを用いた場合、露光時間(シャッタスピード)の精
度や露光時刻の精度と制御はメカニカルシャッターの精
度に依存する。また、フォーカルプレーンシャッターを
用いた場合は、画面内の場所による時刻ずれが生じる。
【0004】ホトダイオードに蓄積した電荷を同時に読
み出し、転送するためには、通常1画素または1行につ
き3相以上の転送パルスが必要である。1画素当たり3
相以上の転送パルスを実現するには、1画素当たり3電
極以上が必要であり、微細化の面から不利な条件とな
る。
【0005】1電極の下にウェル部とバリア部とを形成
し、2相駆動を行なうことも考えられるが、ウェル部と
バリア部とを形成するプロセス工程においてセルフアラ
インが使用できない等の問題も生じる。
【0006】これらの欠点を持たない転送方式として、
アコーディオン転送方式が提案されている(PHILI
PS TECHNICAL REVIEW VOL.4
3,No.1/2,1986, A.J.P.Theu
wissenおよびC.H.L.Weijtens)。
【0007】アコーディオン転送方式においては、1画
素ないしは1行当たり2電極というITCCD、FTC
CD、FIT等と同じ電極数で、かつ全画素同時読み出
しが可能であり、基板抜き等の電子シャッターを用いて
同時刻露光の電子シャッターが可能である。
【0008】図9に、アコーディオン転送方式を示す。
図9(A)は、時間の経過と共に転送路の電極下のポテ
ンシャルがどのように変化するかを示すポテンシャルダ
イヤグラムである。図9(B)は、アコーディオン転送
方式により、電荷がどのように移動するかを示す概念的
平面図である。
【0009】図9(A)において、転送路の電極は、奇
数番めの電極Odと偶数番めの電極Evに分類される。
これら各電極の下に電荷転送路のウェルまたはバリアが
形成される。電荷転送路内の電子エネルギを実線の折線
で模式的に示す。高さが電子エネルギを示す。
【0010】まず、奇数番めの電極の下の電子エネルギ
が下げられ、電位井戸が形成され、電荷qa、qb、q
cが蓄積される。この状態のままで、電位井戸と電位井
戸との間に配置される電位障壁を低くすると、電荷混合
が生じてしまう。
【0011】そこで、まず最も右側の偶数番めの電極の
下の電子エネルギを下げ、電位井戸を2電極分に引き延
ばす。すると、電荷qaは右側に1電極分広がって分布
する。次に電荷qaを蓄積した電位井戸の左側部分の電
子エネルギを上げ、同時に右側の電位障壁部分の電子エ
ネルギを下げると電荷qaは2電極分に分布したまま右
側に1電極分移動する。
【0012】すると、電荷qaとqbの間に2電極分の
電位障壁が形成される。その後順次電荷qaの左側部分
の電子エネルギを上げ、右側部分の電子エネルギを下げ
ることによって順次電荷qaは右側に転送される。
【0013】また、電荷qaとqbの間に2電極分の電
位障壁が生じたとき、次に電荷qbの右側の電位障壁の
電子エネルギを下げると、電荷qbは2電極分に広がっ
て分布するようになる。この時、電荷qaとqbの間に
は少なくとも1電極分、通常2電極分の電位障壁が存在
するため、電荷混合は生じない。このようにして、1電
極おきに蓄積された電荷を2倍のピッチに引き延ばして
分布させることにより、電荷転送が可能となる。
【0014】図9(B)は、このようにして転送される
電荷分布を概略的に示す。図中、横軸は時間変化を示
し、縦軸は転送路の電極を示す。最も左側の状態におい
ては、転送路の上半分に1電極おきに電荷qa、qb、
qc、qdが蓄積されている。これらの電荷のうち、下
側に配置された電荷から順次2電極長の電位井戸と2電
極長の電位障壁を形成しながら電荷を下方に転送する。
【0015】すなわち、転送されているときの電荷は2
電極分に分布し、転送中の電荷と電荷の間には2電極分
の電位障壁が形成されている。このようにして、電荷混
合を防止しつつ、1電極おきに蓄積された電荷を転送す
ることができる。転送が完了した最も右側の状態におい
ては、電荷qa、qb、qc、qdは再び1電極おきに
分布している。
【0016】転送時の電位井戸と電位障壁の発生の様子
が、楽器のアコーディオンの蛇腹部を次第に広げてから
再び閉じていく時の様子に類似しているので、この電荷
転送方式はアコーディオン転送方式と呼ばれる。この方
式では、ホトダイオード1行につき1つの信号を転送で
きる。
【0017】本出願人は、ホトダイオード行列と垂直電
荷転送路と水平電荷転送路を含む固体撮像装置におい
て、同様の電荷転送を行なうドミノ型転送方式を提案し
た。駆動信号もインターライン型CCDに類似した4相
駆動によって転送していた。この方式においても、ホト
ダイオード1行につき1つの信号を転送できる。
【0018】図10は、本出願人が先に提案したFIT
疑似フレーム電子シャッタを説明する図である。図10
(A)は構成を示す概略平面図、図10(B)は動作を
示す概念図である。
【0019】図10(A)において、たとえばp型シリ
コン基板にn型不純物をドープすることにより、多数の
ホトダイオードPが行列状に配置され、これらのホトダ
イオードの各列に隣接してCCDからなる複数の電荷転
送路Lが形成されている。
【0020】また、ホトダイオードPと電荷転送路Lの
間にはトランスファゲートGが形成されている。電荷転
送路Lには、ホトダイオードの各行に対して2つの電極
が形成されている。
【0021】電荷転送路Lは、ホトダイオードの分布す
る領域から、分布しない領域に延び、受光部Rおよび蓄
積部Sを有する。各電荷転送路Lの蓄積部の端部には、
1つのHCCDが接続され、HCCDの出力は出力アン
プを介して取り出される。
【0022】行列状に分布したホトダイオードPは、奇
数番目のホトダイオードPAと偶数番目のホトダイオー
ドPBに分類されている。奇数番目のホトダイオードP
AがAフィールドを形成し、偶数番目のホトダイオード
PBがBフィールドを形成し、これら2フィールドによ
って1フレームの画面を構成する。
【0023】電荷転送路Lは、ホトダイオードの1行当
たり2つの電極しか含まないため、全てのホトダイオー
ドから同時に電荷を読み出し、転送しようとすると電荷
混合を生じてしまう。
【0024】そこで、全ホトダイオードに蓄積された電
荷を、電荷混合を生じさせずに読みだすため、以下のよ
うな動作を行なう。図10(B)は、図10(A)のホ
トダイオードから電荷を読みだすための動作を概略的に
示す。
【0025】まず、奇数番目のホトダイオードPAに蓄
積された電荷を電荷転送路Lの受光部L(R)に読み出
す。この状態において、電荷転送路Lには4つの電極に
1つの電荷信号が読みだされる。
【0026】次に、受光部の電荷転送路L(R)に読み
だされた電荷を蓄積部Sの電荷転送路L(S)に転送す
る。この転送は、たとえば4相駆動によって実施でき、
この際電荷混合は生じない。
【0027】奇数番目のホトダイオードに蓄積された電
荷を蓄積部の電荷転送路L(S)に格納した後、偶数番
目のホトダイオードPBに蓄積された電荷を受光部の電
荷転送路L(R)に読み出す。このようにして、電荷転
送路Lには、その蓄積部にAフィールドの電荷信号が拘
束され、その受光部にBフィールドの電荷信号が格納さ
れる。
【0028】次に、受光部の電荷転送路L(R)の電荷
はそのままに保持し、蓄積部の電荷転送路L(S)の電
荷をHCCDに1行分ずつ転送し、HCCDを水平方向
に転送させ、出力アンプから取り出す。
【0029】このようにして、蓄積部に格納されたAフ
ィールドの電信号を全て読みだした後、受光部の電荷転
送路L(R)に格納された電荷信号を下方に転送し、1
行分ずつHCCDに転送し、HCCD中を水平方向に転
送し、出力アンプから取り出す。
【0030】以上の操作により、全てのホトダイオード
PA、PBに蓄積された電荷信号を読みだすことができ
る。なお、電荷転送路L中の電荷転送は、インターライ
ン型CCDに類似した4相駆動によって転送する。この
方式は、1画素2電極の構成を可能にし、微細化に有利
である。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】アコーディオン型電荷
転送、またはドミノ型電荷転送においては、転送路の電
荷信号が引き延ばされて転送されるため、転送路内部に
格納された電荷は転送路出力端に格納された電荷と比較
して長い期間、電荷転送路中の一定個所に保持しておく
必要がある。この時、電荷混合を防止するため、電荷を
留めておくパケット部には電位井戸を形成するためのミ
ドルレベルの電圧が印加され、電荷と電荷の間の領域に
は電位障壁を形成するためのローレベルが印加される。
【0032】FIT疑似フレーム電子シャッタ方式にお
いては、Aフィールドの電荷とBフィールドの電荷が読
みだされた後、まず、Aフィールドの電荷のみが転送さ
れ、その間Bフィールドの電荷信号は電荷転送路の同一
個所に留められる。電荷を留めるためには、上記同様、
ミドルレベルの電圧が印加される。
【0033】ところで、電荷転送路には暗電流が発生す
る。ホトダイオードから電荷転送路に読みだされた電荷
は、その位置によって異なる時間電荷転送路の一定個所
に保持され、その後転送される。すると電荷信号が保持
される位置によって暗電流の大きさが異なることにな
る。平均的には、長い期間電荷転送路に保持された電荷
信号ほど大きな暗電流を受ける。
【0034】さらに、暗電流の大きさは電荷転送路にお
いて均一ではなく、場所的な分布(ばらつき)を有す
る。このため、電荷信号が受ける暗電流のばらつきはさ
らに大きなものになる。このような暗電流の影響によ
り、再生される画面には固定パターンノイズ(FPN)
が現れたり、FIT疑似フレーム動作ではフリッカが生
じることになる。
【0035】本発明の目的は、暗電流の発生を低減する
ことのできる固体撮像装置を提供することである。
【0036】
【課題を解決するための手段】本発明の固体撮像装置
は、第1導電型領域を有する半導体基板に形成され、列
状あるいは行列状に配置された多数個の光電変換素子
と、前記光電変換素子の各列に対応して配置された1列
あるいは複数列の第2導電型領域を含む埋込型のCCD
であって、電位井戸を形成して電荷を蓄積するためのウ
ェル部と電位障壁を形成して電荷を前記ウェル部に閉じ
込めるためのバリア部とを有し、これらが異なる不純物
濃度を有し、さらにゲート絶縁膜の厚さ、接合深さ、ゲ
ート電極材料、ゲート絶縁膜の材料の少なくとも1つが
異なり、ほぼ同一のゲート電圧でピニング状態となり、
かつ異なるピニングポテンシャルを示すCCDとを有す
る。
【0037】
【作用】埋込型の電荷転送路において、暗電流の大きさ
は印加電圧によって変化する。すなわち、暗電流の原因
となる電荷発生中心(ジェネレーションセンタ)は、主
に半導体表面に分布する。電荷転送路のバイアス電圧を
変化させ、転送路表面をアキュミュレーション状態にす
るか、反転状態にすると、半導体表面に自由電荷担体が
存在するようになり、電荷発生中心を占有してしまう。
このため、電荷発生中心からの暗電流発生が低減され
る。
【0038】電荷を垂直CCDの同一位置に保持させる
期間は、転送チャネル内のポテンシャルをピニング状態
に保持すれば、電荷発生中心は自由電荷担体に占有さ
れ、その影響を著しく減少させる。このため、暗電流が
減少する。
【0039】電荷転送路のバリア部とウェル部とが同一
ゲート電圧でピニング状態をとり、かつ異なるチャネル
ポテンシャルを示すので、容易にピニング状態での電荷
保持を実施することができる。
【0040】
【実施例】図1は、本発明の基本的実施例による固体撮
像装置の電荷転送路を説明するための図である。
【0041】図1(A)は、電荷転送路の構成とそのチ
ャネルポテンシャルVmを概略的に示す。電子エネルギ
は逆向きとなる。電荷転送路であるVCCDは、図中右
側に示すように、たとえばp型の半導体基板14の表面
に、n型の電荷転送路を形成して構成されている。この
電荷転送路は、n+ 型のウェル部15と、n- 型のバリ
ア部16とを交互に含む。
【0042】電荷転送路の上方には、絶縁膜を介して多
結晶シリコン等で形成されたゲート電極17、18が配
置されている。図の構成においては、ウェル部15の上
方に第1ポリシリコンで形成されたゲート電極17が配
置され、バリア部16の上方に第2ポリシリコンで形成
されたゲート電極18が配置されている。
【0043】ここで、ウェル部15の上に配置されるゲ
ート酸化膜19は、バリア部16の上に配置されるゲー
ト酸化膜20よりも厚さが薄く選定されている。すなわ
ち、ウェル部15の上のゲート電極17と、バリア部1
6の上のゲート電極18に同一電位の電圧を印加した
時、ゲート酸化膜19はゲート酸化膜20よりも薄いた
めに、ウェル部15はバリア部16よりもゲート電圧の
影響を大きく受ける。
【0044】ゲート電極17、18に印加するゲート電
圧Vgを変化させると、電荷転送路内のチャネルポテン
シャルVmは図中左側のグラフに示すように変化する。
なお、図1(A)のグラフの縦軸上向きは電子に対する
電子エネルギを示し、横軸はゲート電圧を示している。
電子エネルギは下側が安定な低い電子エネルギである。
電子に対するものなので、正のゲート電圧を印加すると
電子エネルギは下がる。
【0045】n+ 型領域のウェル部15のチャネルポテ
ンシャルVm(15)は、n- 型領域のバリア部16の
チャネルポテンシャルVm(16)よりも電子に対する
電子エネルギが低い状態にある。電荷転送路が空乏状態
にある時は、ゲート電圧Vgを変化させると、チャネル
ポテンシャルも変化する。
【0046】しかしながら、ゲート電圧Vgを逆バイア
ス方向に増加させると、ある値よりも深い逆バイアスで
は電荷転送路に反転状態が生じ、チャネルポテンシャル
Vmは一定値を取るようになる。このチャネルポテンシ
ャルが変化しなくなるゲート電圧をピニング電圧Vgp
と呼ぶ。
【0047】ウェル部15とバリア部16とでは不純物
濃度が異なるため、ゲート酸化膜19、20が同じ厚さ
ならゲートピニング電圧およびそれに伴うピニングポテ
ンシャルも異なる。ゲート電圧Vgがローレベルの電圧
L の時、ウェル部15のポテンシャルも、バリア部1
6のポテンシャルもピニング状態にあるように選ぶと、
ウェル部15の電子エネルギは、ピニングポテンシャル
の差による電位障壁により囲まれて電位井戸を形成す
る。
【0048】図1(A)の構成においては、バリア部1
6の上のゲート酸化膜20は、ウェル部15の上のゲー
ト酸化膜19よりも厚く選定されているため、バリア部
16上のゲート電極18には本来必要な電圧よりも深い
逆バイアス電圧を印加したときに初めてピニング状態が
実現される。
【0049】ゲート酸化膜19、20の厚さの差を調整
することにより、ウェル部15とバリア部16がピニン
グ状態となるゲート電圧を同一にすることができる。ウ
ェル部15とバリア部16に対するゲートピニング電圧
が同一となるため、電荷を保持するときにウェル部15
とバリア部16に印加するローレベルのゲート電圧VL
の範囲が拡大される。このため、駆動電圧の許容度が拡
大される。
【0050】電荷を保持するウェル部15に隣接するバ
リア部16の一方に、ミドルレベルVM のゲート電圧を
印加すると、バリア部16の電子エネルギは、ローレベ
ルV L のウェル部15の電子エネルギよりも低くなり、
電荷を転送できる。
【0051】なお、ピニング状態で電荷を保持するため
には、ウェル部15とバリア部16においてピニングポ
テンシャルが十分異なる必要があり、上述の構成におい
ては、電荷転送路の不純物濃度を変化させることによ
り、これを実現した。不純物濃度の他に、pn接合の深
さ等を変化させること等によってもピニングポテンシャ
ルを変化させることができる。ゲートピニング電圧Vg
pの調整はゲート酸化膜、ゲート電極材料、接合深さ等
の選択によって実施することができる。
【0052】図1(B)は、ゲート電圧の変化による暗
電流の変化を概略的に示す。図中、横軸はゲート電圧V
gを示し、縦軸は暗電流ID を示す。ゲート電圧を逆バ
イアスから順バイアスに変化させていくと、埋込電荷転
送路は反転状態、空乏状態、アキュミュレーション状態
をとる。
【0053】このうち、反転状態とアキュミュレーショ
ン状態においては、半導体表面の電荷発生中心が自由電
荷担体によって占有されるため、暗電流IDが著しく減
少する。このため、暗電流ID は図に示すようにゲート
電圧によって変化する。ゲート電圧Vgをピニング電圧
Vgp以下(深い逆バイアス)に保つことにより、半導
体表面に反転状態を発生させれば、暗電流ID を減少さ
せることができる。
【0054】図1(C)は、半導体基板の深さ方向の電
子エネルギ分布を示す。p型領域内では、伝導帯cbの
電子エネルギおよび価電子帯vbの電子エネルギは一定
値を有し、価電子帯vbに正孔41が存在する。電荷転
送路を形成するn型領域においては、pn接合の作り付
け電位によって電子エネルギが下がり、ゲート電圧によ
って半導体表面における電子エネルギが吊り上げられて
おり、その内部に電位井戸を形成している。この電位井
戸内に電子42が蓄積される。
【0055】また、ゲート電圧が十分深く逆バイアスさ
れているため、半導体表面では反転状態が生じ、表面部
分には正孔43が発生している。この正孔は、半導体表
面における電荷発生中心を占有し、その影響を著しく減
少させる。このため、半導体表面において電子・正孔対
が発生することが防止され、暗電流による蓄積電荷の変
化を防止する。
【0056】電荷転送路において、蓄積電荷が異なる時
間保持されても、暗電流が著しく低減されるため、蓄積
電荷の変化が低減される。このようにして、ドミノ型固
体撮像装置における固定パターンノイズ、FIT疑似フ
レーム電子シャッタ方式固体撮像装置等におけるフリッ
カ等が低減される。
【0057】図2は、固体撮像装置の主要部を示す。図
2(A)は、固体撮像装置の概略上面図、図2(B)は
VCCD中の電子エネルギを示すダイヤグラムである。
図2(A)において、半導体基板中には多数のホトダイ
オードPが行列状に分布している。ホトダイオードの各
列に隣接して、VCCD1、2、3が配置される。これ
らのVCCD1、2、3の一端に隣接して1つのHCC
D6が形成されている。
【0058】VCCD1、2、3の上には、ホトダイオ
ードの1行当たり1つの電極E1、E2、E3…が配置
され、それぞれ2相駆動信号によって駆動される。VC
CDの駆動電極E1、E2、E3…は、それぞれ図中右
側において駆動回路8に接続され、左側において電位保
持回路9に接続されている。
【0059】駆動回路8は、各行毎のスイッチを含むス
イッチ回路10を含む。ホトダイオードの行列をHCC
D6に近い側から第1行、第2行、第3行…と番号付け
ると、スイッチ回路10中には第1行に対応してスイッ
チSW1が配置され、第2行に対応してスイッチSW2
が配置され、このように1行当たり1つのスイッチSW
が配置される。
【0060】これらのスイッチSWは、それぞれVCC
D駆動電極E1、E2、E3…に1つずつ接続される。
また、奇数番目のスイッチSW1、SW3、SW5…に
は、位相信号φ1が印加され、偶数番目のスイッチSW
2、SW4、SW6…には位相信号φ2が印加される。
【0061】また、スイッチSW1とSW2は走査信号
S1によって同時に駆動され、スイッチSW3とSW4
は走査信号S2によって同時に駆動され、このようにス
イッチSWは2つずつ走査信号Sによって駆動される。
【0062】走査信号S1によってスイッチSW1とS
W2がオンすると、電極E1とE2に位相信号φ1とφ
2が印加される。次に、走査信号S1とS2によってス
イッチSW1〜SW4がオンすると、電極E1とE3に
位相信号φ1が印加され、電極E2とE4に位相信号φ
2が印加される。このように、走査信号Sは順次下側か
らその印加範囲を拡大していく。
【0063】スイッチSWがオフの状態では、そのスイ
ッチに接続された電極Eはフローティング状態となって
しまう。このフローティング状態を防止するため、各電
極Eには左側において電位保持トランジスタTを介し
て、電荷保持電位VL が印加される。電荷保持電位VL
は、VCCDのピニング電圧Vgp以下の値に選択され
ている。
【0064】位相信号φ1、φ2が印加されない電極E
においては、電荷保持電位VL が電位保持トランジスタ
Tを介して印加される。位相信号φ1、φ2がスイッチ
SWを介して電極Eに印加されると、電位保持トランジ
スタTの電位関係が変化し、電荷保持電位VL は電極E
から電気的に分離される。
【0065】図2(B)は、VCCD中の電子エネルギ
を示す。各電極Eに等しい電圧を印加した状態におい
て、各電極Eの下には不純物濃度の差により1つの電位
障壁Bと1つの電位井戸Wが形成される。
【0066】VCCDの各ゲート電極Eにハイレベルの
ゲート電圧を印加し、ホトダイオードからVCCDに電
荷を読みだした後の状態においては、各電極Eにローレ
ベルの電圧が印加され、各電極の下に電荷Qが蓄積され
ている。
【0067】たとえば、ミドルレベルの電圧を印加する
ことにより、HCCD側の電子エネルギを引き下げる
と、電極E1の下に蓄積された電荷Q1はHCCDに吸
い出される。HCCD側の電子エネルギを元の状態に戻
すと、電極E1下の電位井戸W1の右側には再び電位障
壁が形成される。
【0068】次に、電極E1のゲート電圧を上げ、電子
エネルギを押し下げると、電位障壁B1と電位井戸W1
の電子エネルギが下がり、電位井戸W2に蓄積されてい
た電荷Q2が電極E1の下の電位井戸W1に移動する。
駆動電圧を元の状態に戻すと、電位井戸W2は空にな
り、電荷Q2は電位井戸W1に蓄積される。
【0069】次に、電極E2のゲート電圧を上げ、電子
エネルギを押し下げれば、電位障壁B2が消滅し、電荷
Q3は電位井戸W2に移動する。この時、電位障壁B1
はそのままに保たれるため、電荷Q3は電位井戸W2よ
りも右側に移動することを防止される。この時、同時に
HCCDの電圧を上げ、電子エネルギを押し下げると、
電荷Q2は電位井戸W1からHCCDに移動する。印加
電圧を元の状態に戻すと、電位井戸W2とW4、W5に
電荷が蓄積され、W1とW3は空になる。
【0070】次に、電極E1とE3の電圧を上げて電子
エネルギを押し下げれば、電荷Q3とQ4はそれぞれ電
位井戸W2とW4から電位井戸W1とW3に移動する。
このようにして、ドミノないしアコーディオン方式の電
荷転送を行なうことができる。
【0071】電荷を同一個所に保持している間は、トラ
ンジスタTを介して与えられるVgp以下の深い逆バイ
アスとなるローレベルの電圧VL によって転送チャネル
内はピニング状態に保たれる。このため、暗電流発生量
は低い。
【0072】図3〜図8は、本発明のより具体的実施例
による固体撮像装置とその駆動方法を示す。ホトダイオ
ードP11、P12、…が行列状に配置され、トランス
ファゲートTg(ホトダイオードP61の位置にのみ表
示する)を介して列方向に配列されたVCCD1、2、
…に接続されている。これらの領域は、たとえばpウェ
ル内に形成されたn型領域で形成される。ホトダイオー
ドP、トランスファゲートTg、VCCD1、2、…を
除いた領域の表面は、p型不純物濃度の高い領域とさ
れ、チャネルストップ領域11を形成している。なお、
ホトダイオードPijは、i行目、j列目のホトダイオ
ードを表す。
【0073】VCCD1、2、3、…のトランスファゲ
ートTgに連続した部分は、ホトダイオードP63とP
53の位置に示すように電位の低いウェル領域Wを形成
し、ウェル領域WとWの間には電位の高いバリア領域B
が形成される。ウェル領域Wとバリア領域Bとは、ロー
レベルのゲート電圧によって十分な電位差を有するピニ
ング状態を実現するように異なる不純物濃度(および接
合深さ)を有する。
【0074】さらに、ウェル領域WとバリアBとの上に
配置されるゲート酸化膜の膜厚は、同一ゲート電圧でウ
ェル領域Wとバリア領域Bとが同時にピニング状態を実
現するように選定されている。
【0075】また、各行に対応して半導体表面上に2つ
の絶縁電極Gが形成され、それぞれVCCDのウェル領
域Wとバリア領域Bを制御する。たとえば、配置的には
行列の1行目に対応して絶縁電極G1aとG1bが配置
され、2行目に対応して電極G2aとG2bが配置され
ている。ただし、機能的には以下に説明するように電極
G1bとG2aが第1行に対応する。
【0076】シフトレジスタ12は、タイミング信号φ
A、φB、φINを入力し、走査信号S1、S2、S
3、…を発生する。これらの走査信号Sは、スイッチ用
MOSトランジスタU1、U2、…を介して、駆動信号
φ11、φ21、φ12、φ22、…を発生する。奇数
番目に配置されたスイッチ用トランジスタU1、U3、
U5、…は、位相信号φ1が与えられ、走査信号S1、
S2、…によってそのゲートが制御され、駆動信号φ1
1、φ12、φ13、…を発生する。
【0077】たとえば、駆動信号φ12は、位相信号φ
1が走査信号S2によって制御されたものを表す。すな
わち、位相信号φ1、φ2が変化する時、走査信号S1
が立ち上がっていれば駆動信号φ11、φ21も変化す
る。走査信号S1が“0”であれば、駆動信号φ11、
φ21は発生しない。
【0078】シフトレジスタ12は、初め走査信号S1
のみを立ち上がらせ、次のタイミングでは走査信号S1
とS2を立ち上がらせ、次のタイミングでは走査信号S
1、S2、S3を立ち上がらせる。このように、シフト
レジスタの出力する走査信号Sは、順次その数を増加さ
せる。したがって、オンになるスイッチ用トランジスタ
Uは、順次2つずつ数を増やし、駆動信号を供給する。
【0079】駆動信号φ11は、最もHCCD6に近い
電極G1aに伝達され、次の駆動信号φ21は1行目の
他の電極G1bと2行目のバリア領域の電極G2aに共
通に与えられる。以後、同様に駆動信号φ12は2行目
のウェル領域に対応する電極G2bと3行目のバリア領
域に対応する電極G3aに与えられ、駆動信号φ22は
3行目のウェル領域に対応する電極G3bと4行目のバ
リア領域に対応する電極G4aに与えられる。
【0080】このように、各駆動信号は下側の行のウェ
ル領域と上側の行のバリア領域に共通の制御信号を与え
る。VCCD1、2、3内においては、隣接する2つの
組電極に共通の信号を与えられたとき、一対のウェル領
域とバリア領域を形成する。
【0081】また、電極G1aは、図中左側に示すよう
にトランジスタV1を介して基板電圧Vsubに接続さ
れ、電位保持トランジスタT1を介して電荷保持電位V
L に接続される。1行目のウェル領域に対応する電極G
1bと2行目のバリア領域に対応する電極G2aは、共
通にトランジスタV2を介して基板電圧Vsubに接続
され、電位保持トランジスタT2を介して電荷保持電位
L に接続される。
【0082】以後同様に、下側の行のウェル領域に対応
する電極と、上側の行のバリア領域に対応する電極は共
通にトランジスタVを介して基板電位Vsubに接続さ
れ、電位保持トランジスタTを介して電荷保持電位VL
に接続される。
【0083】トランジスタVは、フィールドシフト信号
φFSによって制御され、ホトダイオードPに蓄積され
た電荷をVCCD1、2、3、…のウェル領域Wに読み
出す。
【0084】また、電位保持トランジスタTはゲート電
圧φGによって制御され、スイッチ用トランジスタUが
オフの時、各電極に電荷保持電位VL を与える。ただ
し、電極Gに駆動電圧φijが与えられると、トランジ
スタTはオフされ、電極は駆動電圧の電位となる。
【0085】図より明らかなように、VCCD1、2、
3、…には1行当たり2つの領域(電極)が形成されて
いるが、これらの領域を制御する電極は2つずつ組にな
って配線され、右側、左側の制御回路からそれぞれ1行
当たり1つの制御信号が接続される。
【0086】なお、HCCD6には、1列当たり4つの
電極が配置され、駆動信号H1、H2によって2相駆動
される。図4は、ピニング状態で電荷を保持でき、同一
印加電位によって同時にウェル領域とバリア領域を形成
することのできるVCCDの作成を示す。半導体領域
は、ドープする不純物の導電型と不純物濃度により、そ
の作り付け電位を変化させる。
【0087】この現象を利用してウェル領域とバリア領
域を形成することができる。バリア領域のピニングポテ
ンシャルは、動作温度において蓄積電荷に対して十分な
高さのバリアを形成するように、ウェル領域のピニング
ポテンシャルより低くなるように選ぶ。
【0088】図4(A)は、バリア領域となる転送チャ
ネルの形成工程を示す。p型シリコン領域21の表面
に、SiO2 層23を形成し、n型不純物をイオン注入
する。イオン注入されたn型不純物はp型シリコン領域
21の表面部分に、n- 型領域22を形成する。このn
- 型領域22がバリア領域を形成することになる。
【0089】次に、図4(B)に示すように、SiO2
層23の上に、多結晶シリコン(ポリSi)層を形成
し、パターニングすることによって1ポリゲート24を
形成する。次にこの1ポリゲート24をマスクとして用
い、異方性エッチングを行ない、続いてn型不純物をイ
オン注入する。
【0090】異方性エッチングにおいては、露出したS
iO2 層23の一部をエッチングして除去する。エッチ
ングによって除去するSiO2 層23の深さは、その上
にゲート電圧を作成した時、同一ゲート電圧でウェル領
域Wとバリア領域Bが同時にピニング状態に入るように
選定される。
【0091】このような異方性エッチングに続いて、同
一の1ポリゲート24をマスクとしてn型不純物をイオ
ン注入し、イオン注入された電荷転送路の不純物濃度を
高くする。
【0092】または、異方性エッチングにおいて露出し
た領域のSiO2 層23を一旦全部除去し、新たに異な
るSiO2 層を所望厚さ形成する。その後、上述同様の
イオン注入を行なう。
【0093】1ポリゲート24の下にはn型不純物は到
達せず、1ポリゲート24のない領域にのみn型不純物
がイオン注入され、n型領域25を形成する。このn型
領域25は、n- 型領域22よりもn型不純物濃度が高
いため、電子に対する電子エネルギが低くなってウェル
領域を形成する。なお、この領域25の形成は、1ポリ
ゲート24とセルフアラインされるため、その位置精度
が高い。
【0094】次に、図4(C)に示すように、1ポリゲ
ート24の表面を酸化して酸化膜30を形成し、その上
に多結晶シリコン(ポリSi)を堆積し、パターニング
することによって2ポリゲート26を形成する。この2
ポリゲート26はウェル領域となるn型領域25と自動
的に整合される。
【0095】2ポリゲート26は、図4(B)の工程に
おいて異方性エッチングにより薄くされたゲート酸化膜
の上に配置されるため、1ポリゲート24よりも電荷転
送路に与える影響が強くなる。
【0096】このようにして、1行当たり2つの電極が
1ポリゲート24と2ポリゲート26の組によって作成
される。その後、図2に示すように隣接する1ポリゲー
トと2ポリゲートを共通配線し、駆動回路に接続する。
【0097】隣接する1ポリゲート24と2ポリゲート
26に同一電圧を印加した時、転送チャネル領域におい
てはバリア領域22とウェル領域25はその不純物濃度
が異なるため、電子に対する電子エネルギが異なる。こ
のようにして、電子に対する電位障壁と電位井戸を作成
することができる。
【0098】図4(D)は、バリア部を表面不純物濃度
1.0×1017cm-3、接合深さ0.4μmのn型領域
で形成し、ウェル部にはさらに表面不純物濃度5×10
16cm-3、深さ0.8μmを重ねて形成した時のVg−
Vm特性を示す。なお、ゲート酸化膜の厚さを均一に9
00Åとした時のウェル部の特性を破線で示す。横軸に
ゲート電圧Vg、縦軸にチャネルポテンシャルVmを示
す。ポテンシャルは正電荷に対するもので示しているの
で、電子の電子エネルギは上側が低い。
【0099】ピニング状態におけるチャネルポテンシャ
ルは、不純物濃度の差等により設定される電位差を有す
る。ゲート酸化膜が均一の厚さを有する場合、ピニング
状態に入るゲート電圧Vgpは、バリア部とウェル部に
おいて異なるものとなる。しかしながら、ウェル領域上
のゲート酸化膜の厚さを薄くしたため、ウェル領域のチ
ャネルポテンシャルは破線の状態から実線の状態に変化
する。
【0100】ゲート酸化膜の膜厚を調整することによ
り、実線の特性に示すようにウェル領域に対するゲート
ピニング電圧Vgpとバリア領域に対するゲートピニン
グ電極Vgpとを等しい値にすることができる。
【0101】図5は、VCCDの他の作成を示す。図4
の作成においては、n型不純物のイオン注入を2回行な
ったが、本作成においては、n型不純物のイオン注入と
p型不純物のイオン注入を利用する。
【0102】まず、図5(A)に示すように、p型Si
領域21の表面に、SiO2 層23を形成し、SiO2
層23を介してn型不純物をイオン注入する。n型不純
物のイオン注入により、n型領域27を形成する。この
n型領域27は、転送チャネルのウェル領域を形成する
ことになる。
【0103】次に、図5(B)に示すように、SiO2
層23の上に、多結晶シリコン層を形成し、パターニン
グすることによって1ポリゲート28を形成する。次に
この1ポリゲート28をマスクとしてp型不純物をイオ
ン注入する。
【0104】1ポリゲート28の存在する領域には、p
型不純物はイオン注入されず、1ポリゲート28が存在
せず、SiO2 層23が露出している領域にのみp型不
純物がイオン注入される。このようにして、p型不純物
をイオン注入された領域においては、n型不純物濃度が
p型不純物濃度によって補償され、n- 型領域29とな
る。
【0105】その後、図5(C)に示すように、1ポリ
ゲート28の表面を酸化してSiO 2 層31を形成し、
さらに全面に所定厚さのSiO2 層をCVDで成長し、
その上にポリSi層を堆積し、パターニングすることに
よって2ポリゲート32を形成する。
【0106】CVDによって成長したSiO2 層は、1
ポリゲート28に対してはその上に配置されるが、2ポ
リゲート32に対してはその下に配置されることにな
る。このため、2ポリゲート32は転送チャネル表面か
ら1ポリゲート28よりも長い距離離されることにな
る。
【0107】この構成においては、1ポリゲート28の
下にウェル領域が形成され、2ポリゲート32の下にバ
リア領域29が形成される。図5(D)は、このように
して形成される転送チャネルのウェル領域Wおよびバリ
ア領域B内におけるチャネルポテンシャルを印加ゲート
電圧Vgの関数として示すグラフである。
【0108】ゲート酸化膜の厚さが同一である場合に
は、バリア領域Bは不純物濃度が低いため、破線で示す
ようにより浅い逆バイアスのゲート電圧Vgによってピ
ニング状態に入る。
【0109】ところが、上述の実施例においては第2ポ
リゲート32の下のゲート酸化膜は、第1ポリゲート2
8の下のゲート酸化膜よりも厚くされているため、ゲー
ト電圧が転送チャネルに及ぼす影響が減少され、破線の
特性から実線の特性に変化させられる。ゲート酸化膜の
膜厚差を調整することにより、同一ゲート電圧において
同時にウェル領域とバリア領域がピニング状態に入るよ
うに選定することができる。
【0110】なお、他の手段を単独ないしは併せて用い
ることにより、同一ゲート電圧が転送チャネルに与える
影響を異ならせることもできる。たとえば、ゲート電極
の材料を変えること、接合深さを変えること、ゲート絶
縁膜の材料を変えること等により、与える影響を異なら
せることもできる。これらの手段は、単独でも組み合わ
せても用いることが可能である。
【0111】このようにして、VCCD内に電位井戸と
電位障壁を自動的に発生させるようにした図3の構成に
おいて、電荷がどのように転送されるかを以下に説明す
る。図6、図7は、制御信号のタイミングチャートであ
る。図6において、図3のシフトレジスタ12に与えら
れるタイミング信号φA、φB、φINは、第3段〜第
5段に示す波形を有し、その下に示すような走査信号S
1〜Snを発生する。
【0112】φINが立ち上がった後、次の水平ブラン
キング期間HBKにおいては、S1のみが立ち上がり、
次の水平ブランキング期間HBKにおいては、走査信号
S1とS2が立ち上がり、次の水平部ランキング期間H
BKにおいては走査信号S1、S2、S3が立ち上が
り、このように順次走査信号Sの立ち上がる数が増加す
る。
【0113】これらの走査信号Sを与えられる転送用ト
ランジスタUは、位相信号φ1かφ2を印加される。し
たがって、立ち上がった走査信号Sを与えられたトラン
ジスタUはオンし、位相信号φ1またはφ2から駆動信
号φijを形成して電極Gに与える。
【0114】図7は、このようにして形成される駆動信
号φ11、φ21、φ12、φ22、…の波形を示す。
また、図3左側に示す制御回路部には、図6上段に示す
制御信号φFSが与えられ、画像信号取込みのフィール
ドシフトを行なう。また、制御信号φGは駆動信号φi
jの与えられない電極を所定電位VLに保持する。
【0115】なお、図6下段にはHCCD6の電極に与
える2相駆動信号H1とH2の波形を示す。水平駆動信
号H1とH2は、水平走査期間に交互に変化する波形を
有し、VCCDからHCCD6に転送された電荷を順次
水平方向に転送する。なお、垂直ブランキング期間VB
Kにおいては、画素行列からの画像信号取込みが行なわ
れる。
【0116】図8は、VCCD中の電荷転送の様子を示
す。図中上段にVCCD中の電極配置を示す。図中左側
にHCCDが配置され、その右側にVCCDが配置され
る。VCCDの各電極は、印加する駆動電極によって表
示してある。図中縦方向に時間tをとり、時系列的にV
CCDおよびHCCD中の電位および電荷を模式的に示
す。
【0117】まず、ホトダイオードからVCCDに電荷
が取り込まれた状態を時間t0で示す。各行に対応する
ウェル領域Wにホトダイオードに蓄積された電荷が取り
込まれる。これらの電荷はバリア領域Bによって互いに
分離されている。この状態で全電極にはローレベルの電
圧が印加され、転送チャネルはピニング状態にある。
【0118】次のタイミングt1においては、駆動電圧
φ11がプラス方向(ミドルレベル)に変化され、電子
エネルギが押し下げられる。このため、バリアB1が消
滅し、ウェル領域W1に蓄積されていた電荷Q1がHC
CDに転送される。駆動電圧φ11が元の状態に戻る
と、バリアB1が復活する。
【0119】次に、タイミングt2において、駆動電圧
φ21がプラス方向に変化すると、ウェルW1とバリア
B2の電子エネルギが共に押し下げられ、ウェルW2に
蓄えられていた電荷Q2がウェルW1に転送される。そ
の後、駆動電圧φ21が元の状態に戻されると、ウェル
W1およびバリアB2の電子エネルギは元の状態とな
り、t3に示す状態が形成される。
【0120】なお、t3の状態において、HCCD中で
電荷転送が行なわれる。また、ウェルW2は電荷を蓄積
しておらず、電荷Q2とQ3は1行分離されている。次
にタイミングt4においては、2つの駆動信号φ11と
φ12とが同時にプラス方向に変化し、VCCD中の対
応領域の電子エネルギを押し下げる。バリアB1とB3
が消滅することにより、電荷Q2はHCCDに転送さ
れ、電荷Q3はウェルW2に転送される。なお、この状
態においてもバリアB2とB4は電荷移動を阻止する電
子エネルギを維持している。
【0121】その後駆動電圧φ11とφ12とが元の状
態に戻ると、タイミングt5の状態が実現され、バリア
B1とB3が復活する。この状態において、転送された
電荷Q3と次の電荷Q4とは2つのバリアB3とB4に
よって分離されている。
【0122】次のタイミングt6においては、駆動電圧
φ21とφ22とがプラス方向に変化し、VCCD中の
電子エネルギを押し下げる。このため、バリアB2とB
4が消滅し、電荷Q3とQ4はウェルW1とW3に転送
される。
【0123】その後、駆動電圧φ21とφ22が元の状
態に戻ると、バリアB2とB4が復活し、タイミングt
7の状態が実現される。この状態において、転送された
電荷Q3とQ4は、それぞれ隣接する電荷から2つのバ
リアによって分離されている。また、HCCD中の電荷
は、この間に転送される。
【0124】このようにして、ドミノ転送方式により全
画素から一度に読みだした電荷がVCCDからHCCD
に転送され、HCCDを介して読みだされる。VCCD
中での電荷保持時間が位置により異なるが、VL をピニ
ング電圧以下(深い逆バイアス)とすることにより暗電
流の影響は低減される。
【0125】VCCD中に自動的に電位障壁と電位井戸
を形成することにより、1行当たり1つの制御信号を与
えることにより、2相駆動によってVCCD中を電荷を
転送することができる。
【0126】なお、VCCDに、ホトダイオードの1行
当たり2つの電極を形成し、一方の電極にウェル部を形
成し、他方の電極にバリア部を形成し、同一ゲート電圧
によって制御する場合を説明したが、ホトダイオードの
1行当たりVCCD中に1つの電極を形成し、この電極
下にバリアとウェルを形成し、隣り合う電極に対して別
々の信号で制御してもよいことは言うまでもない。
【0127】また、ドミノ型電荷転送装置の場合を詳し
く説明したが、FIT疑似フレーム電子シャッタ方式の
固体撮像装置も同様のVCCDを用いることによって作
成できることは当業者に自明であろう。
【0128】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。たとえば、
種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者
に自明であろう。
【0129】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電荷転送路に電荷を保持する期間において、暗電流の発
生が著しく低減するため、平均レベルとしてもばらつき
としても暗電流が減少し、電荷転送路から得られる信号
に与える暗電流の影響が著しく低減される。
【0130】電荷転送路における電荷の保持時間が変化
しても、暗電流による影響が著しく低減されるため、再
生する画像における電荷保持時間の差による影響が低減
される。
【0131】このため、再生画面における固定パターン
ノイズやフリッカも低減する。また、1つのゲート電圧
によって1つの電位井戸と1つの電位障壁とを形成する
場合は、行列状に配置された光電変換素子から電荷を読
み出すVCCDにおいて、電荷を転送するために1行当
たり1つの制御信号で足りるため、VCCD制御回路に
必要な素子数がほぼ半減する。
【0132】制御回路の構成が簡単になることにより、
固体撮像装置の高集積化が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す。図1(A)はVCCD
の構成を示す断面図とチャネルポテンシャルのゲート電
圧依存性を示すグラフ、図1(B)はゲート電圧と暗電
流の関係を示すグラフ、図1(C)は深さ方向の電子エ
ネルギ分布を示すダイヤグラムである。
【図2】本発明の実施例を示す。図2(A)は構成を示
す概略平面図、図2(B)はVCCD中の電子エネルギ
を示す概略ダイヤグラムである。
【図3】本発明の実施例による固体撮像装置の概略平面
図を示す。
【図4】VCCDの作成を説明するための概略断面図お
よびゲート電極に対するチャネルポテンシャルの関係を
示すグラフである。
【図5】VCCDの作成を説明するための概略断面図お
よびゲート電極に対するチャネルポテンシャルの関係を
示すグラフである。
【図6】図3の回路における制御信号のタイミングチャ
ートである。
【図7】図3の回路における制御信号のタイミングチャ
ートである。
【図8】VCCDおよびHCCD中における電荷転送を
説明するための概略電子エネルギダイヤグラムである。
【図9】従来技術によるアコーディオン転送方式を説明
するための概略図である。図9(A)は電子エネルギ変
化を示すダイヤグラム、図9(B)は電荷転送の模様を
示すための概略平面図である。
【図10】従来技術によるFIT疑似フレーム電子シャ
ッタ方式を説明するための概略図である。図10(A)
は構成を示す概略平面図、図10(B)は動作を説明す
る概念図である。
【符号の説明】
1、2、3 VCCD 6 HCCD 8 駆動回路 9 電位保持回路 10 スイッチ回路 12 シフトレジスタ 14 基板 15 ウェル部 16 バリア部 17、18 ゲート電極 19、20 ゲート酸化膜 21 p型Si領域 22 n- 型領域 23 SiO2 層 24 1ポリゲート 25 n型領域 26 2ポリゲート 27 n型領域 28 1ポリゲート 29 n- 型領域 30、31 SiO2 層 32 2ポリゲート P ホトダイオード E VCCDの電極 SW スイッチ S 走査信号 T 電位保持トランジスタ φ 位相信号 VL 電荷保持電位 Vm チャネルポテンシャル Vg ゲート電圧 Vgp ピニング電圧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 迫田 亜紀夫 宮城県黒川郡大和町松坂平1丁目6番地 富士フイルムマイクロデバイス株式会 社内 (56)参考文献 特開 平2−33274(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04N 5/30 - 5/335

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型領域を有する半導体基板に形
    成され、列状あるいは行列状に配置された多数個の光電
    変換素子と、 前記光電変換素子の各列に対応して配置された1列ある
    いは複数列の第2導電型領域を含む埋込型のCCDであ
    って、電位井戸を形成して電荷を蓄積するためのウェル
    部と電位障壁を形成して電荷を前記ウェル部に閉じ込め
    るためのバリア部とを有し、これらが異なる不純物濃度
    を有し、さらにゲート絶縁膜の厚さ、接合深さ、ゲート
    電極材料、ゲート絶縁膜の材料の少なくとも1つが異な
    り、ほぼ同一のゲート電圧でピニング状態となり、かつ
    異なるピニングポテンシャルを示すCCDとを有する固
    体撮像装置。
  2. 【請求項2】 前記CCDは、1つの駆動電圧によって
    1つの電位井戸と1つの電位障壁とを制御でき、1画素
    あるいは1行当たり1つの制御電圧を受けるように構成
    され、 さらに、前記CCDの各画素あるいは各行当たり1つの
    制御信号を発生する制御回路を有する請求項1記載の固
    体撮像装置。
  3. 【請求項3】 前記制御回路は出力端に近い側から次第
    に広がる範囲に駆動電圧を印加する駆動回路と、前記駆
    動電圧が印加されない範囲の前記CCDにピニング状態
    を実現する電荷保持用電圧を印加する保持回路とを含む
    請求項1ないし2記載の固体撮像装置。
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